JP2000234466A - スライド蝶番 - Google Patents

スライド蝶番

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JP2000234466A
JP2000234466A JP11034757A JP3475799A JP2000234466A JP 2000234466 A JP2000234466 A JP 2000234466A JP 11034757 A JP11034757 A JP 11034757A JP 3475799 A JP3475799 A JP 3475799A JP 2000234466 A JP2000234466 A JP 2000234466A
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JP
Japan
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cup
curved
cutting blade
lock lever
curved arm
Prior art date
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Pending
Application number
JP11034757A
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English (en)
Inventor
Kazuo Takada
一雄 高田
Toshio Baba
敏雄 馬場
Toshiharu Sasaki
俊治 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Atom Livin Tech Co Ltd
Isokawa Industry Co Ltd
Original Assignee
Atom Livin Tech Co Ltd
Isokawa Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数の少ない簡単な構造でありながら、
パーティクルボード等のネジの効きにくい材質の扉に対
しても、工具を使用することなくカップ部材を着脱自在
に、しかも強固に固定できるスライド蝶番を提供する。 【解決手段】 カップ部材(1)には、カップ本体
(3)をカップ収容穴(B)に固定するロックレバー
(2)が付設されている。カップ部材(1)は、カップ
本体(3)の周面に形成される一対の摺動面(3D)
と、各摺動面(3D)に相互に離間して設けられる第1
ガイド部(4A)および第2ガイド部(3G)とを備
え、ロックレバー(2)は、各摺動面(3D)に摺接し
て第1ガイド部(4A)および第2ガイド部(3G)に
案内される一対の湾曲アーム部(7)と、その外面に突
設される切込刃(7B)とを備えている。切込刃(7
B)は、湾曲アーム部(7)の先端から刃先(7C)が
突出し、かつ、カップ収容穴(B)の周方向に沿ってそ
の周壁面に喰込み可能に延びる円弧状を呈している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノックダウン家具
やシステムキッチン等に使用されるスライド蝶番に関
し、詳しくは、部品点数の少ない簡単な構造でありなが
ら、パーティクルボード等のネジの効きにくい材質の扉
に対しても、工具を使用することなくカップ部材を着脱
自在に固定できるように改良されたスライド蝶番に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ノックダウン家具やシステムキッチン等
においては、その本体側板に扉を開閉自在に連結する金
具として、スライド蝶番が多用されている。このスライ
ド蝶番は、本体側板の裏面に座金を介して着脱自在に固
定されるフレームと、このフレームの一端部に複数リン
クを介して連結されたカップ部材とを備えており、カッ
プ部材は、通常、扉の裏面に設けられたカップ収容穴に
挿入されるカップ本体と、扉の裏面にネジ止めされるフ
ランジ部とを有する一体構造となっている。
【0003】しかしながら、前述した従来のスライド蝶
番においては、ドライバ等を使用してカップ部材のフラ
ンジ部を扉にネジ止めする作業が必須であり、ノックダ
ウン家具やシステムキッチン等の組立作業が煩雑となる
問題があった。また、扉の材質がネジの効きにくいパー
ティクルボード等の場合には、カップ部材を確実に固定
できない虞れがあった。
【0004】そこで、パーティクルボード等のネジの効
きにくい材質の扉に対しても、工具を使用することなく
カップ部材を着脱自在に固定できる構造のスライド蝶番
が種々提案されている(例えば、特公昭59−4017
号公報参照)。
【0005】前記公報に記載のスライド蝶番(家具への
ヒンジハウジング装着具)においては、扉のカップ収容
穴(穴)に挿入されるカップ本体(コップ形部材)が、
その底面側から切り込まれた一対の平行なスロット形開
口によって本体部分と2つの周壁部分に区画されてい
る。2つの周壁部分は、径方向に弾性変形可能に構成さ
れている。また、コップ形部材の本体部分と2つの周壁
部分には、その周面に沿って複数条の鉤形リブが形成さ
れている。
【0006】一方、U字型ブラケットにより連結された
一対のレバーが設けられている。この一対のレバーは、
前記一対のスロット形開口内に臨む先端部が回転軸を介
してコップ形部材に枢着されており、基端部の側面に
は、スロット形開口内に進入してクサビ効果により2つ
の周壁部分を拡径方向に押し広げるカムが突設されてい
る。そして、U字型ブラケットの押動により一対のレバ
ーが揺動すると、一対のカムが各スロット形開口内に進
入して2つの周壁部分を拡径方向に押し広げ、その周面
に形成された複数条の鉤形リブが扉のカップ収容穴
(穴)の周壁面に喰込むように構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記公報に
記載のスライド蝶番(家具へのヒンジハウジング装着
具)においては、コップ形部材に回転軸を介して一対の
レバーが枢着されるため、部品点数が多く、組付け作業
にも手間が掛かる。しかも、一対のレバーに突設された
一対のカムによって2つの周壁部分を拡径方向に押し広
げる構造であるため、2つの周壁部分に形成された鉤形
リブは、カップ収容穴(穴)の周壁面に対する喰込み量
が一定であり、扉の材質の硬軟に対応できないという問
題がある。さらに、鉤形リブは、カップ収容穴(穴)の
周壁面に対して略直交する方向から喰込むため、喰込み
力が弱く、コップ形部材を強固に固定できない虞があ
る。
【0008】そこで、本発明は、部品点数の少ない簡単
な構造でありながら、パーティクルボード等のネジの効
きにくい材質の扉に対しても、工具を使用することなく
カップ部材を着脱自在に、しかも強固に固定できるスラ
イド蝶番を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係るスライド蝶番は、扉のカップ収容穴に
埋設されるカップ部材と本体側板に固定されるフレーム
部材とが複数リンクで連結され、カップ部材には、その
カップ本体をカップ収容穴に固定するロックレバーが付
設されているスライド蝶番において、前記カップ部材
は、カップ本体の周面に形成される一対の摺動面と、各
摺動面に相互に離間して設けられる第1ガイド部および
第2ガイド部とを備え、前記ロックレバーは、前記各摺
動面に摺接する一対の湾曲アーム部と、各湾曲アーム部
の外面に突設される切込刃とを備え、この切込刃は、湾
曲アーム部の先端から刃先が突出し、かつ、カップ収容
の周方向に沿ってその周壁面に喰込み可能に延びる円弧
状を呈しており、前記ロックレバーの押動に伴い、以下
の各行程、すなわち、 a:第1ガイド部に湾曲アーム部の基端側の湾曲凸面が
当接し、第2ガイド部に湾曲アーム部の先端側の湾曲凹
面が当接し、湾曲アーム部が第1ガイド部および第2ガ
イド部に案内されて摺動するすることにより、湾曲アー
ム部の切込刃の刃先が上向する揺動軌跡を描いてカップ
収容穴の周壁面に向け進出する刃先進出行程、 b:湾曲アーム部の切込刃の刃先がカップ収容穴の周壁
面に喰込む刃先喰込み行程、 c:切込刃の刃先を支点としてロックレバーが揺動する
ことにより、カップ本体をカップ収容穴に押圧しつつ切
込刃全体がカップ収容穴の周壁面に喰込むロック行程、
の各行程a〜cを経てカップ本体を扉に着脱自在に固定
するように構成されていることを特徴とする。
【0010】本発明のスライド蝶番においては、まず、
カップ本体の各摺動面にロックレバーの各湾曲アーム部
を摺接させてロックレバーをカップ部材に装着し、この
状態でカップ本体を扉のカップ収容穴に挿入する。な
お、カップ収容穴にカップ本体を挿入した後、カップ本
体の各摺動面にロックレバーの各湾曲アーム部を摺接さ
せてロックレバーをカップ部材に装着してもよい。つづ
いて、ロックレバーを扉側へ押動する。この押動操作に
より、湾曲アーム部の切込刃の刃先が上向する揺動軌跡
を描いてカップ収容穴の周壁面に向け進出する。そし
て、刃先と共に切込刃全体がカップ収容穴の周壁面に喰
込み、カップ本体が扉に着脱自在に固定される。
【0011】本発明のスライド蝶番において、カップ収
容穴の周壁面に対する切込刃の喰込み動作を一層容易か
つ確実にするためには、切込刃は、カップ収容穴の周壁
面に沿う円弧状に形成された湾曲アーム部の外面部分に
突設し、かつ、湾曲アーム部の先端側ほど突出量が漸次
増大する円弧状に形成するのが好ましい。また、切込刃
の断面形状は、カップ収容穴の底側に面する下面が曲面
を呈し、上面が平面を呈する略三角形の断面形状とする
のが好ましい。
【0012】また、カップ本体をカップ収容穴の底側お
よび切込刃の刃先の進出方向と逆方向に確実に押圧する
ためには、第1ガイド部を乗越える曲面を有する小突起
または小突条を各湾曲アーム部の基端側の湾曲凸面に形
成するのが好ましい。
【0013】さらに、扉に対してカップ部材を一層強固
に固定するためには、湾曲アーム部の切込刃の刃先の進
出方向と逆方向に突出する係止爪をカップ本体のカップ
収容穴への嵌合面に形成するのが好ましい。また、扉の
裏面に形成された位置決め孔に挿入される位置決めピン
が突設されたフランジ部をカップ部材に設け、その位置
決めピンの周面に副係合爪を前記係合爪と同方向に突設
するのが好ましい。
【0014】また、部品点数を減少して製造コストおよ
び組付け作業コストを低減するためには、前記カップ部
材およびロックレバーを、それぞれ金型により一体に成
形するのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
るスライド蝶番の一実施形態を説明する。参照する図面
において、図1はスライド蝶番の要部の構造を示すカッ
プ部材とロックレバーの組付け状態側面図である。図2
はカップ部材およびロックレバーの分解斜視図である。
図3はロックレバーの平面図である。図4はロックレバ
ーの正面図である。図5は図3のV−V線に沿うロック
レバーの断面図である。図6は図3のVI−VI線に沿
うロックレバーの断面図である。図7〜図11はスライ
ド蝶番の要部の作用を示し、図7は刃先進出行程の前段
の側面視断面図、図8は刃先進出行程の中段の側面視断
面図、図9は刃先喰込み行程の側面視拡大断面図、図1
0はロック行程の側面視拡大断面図、図11はロック行
程の正面視拡大断面図である。図12は実施例の説明図
である。
【0016】一実施形態のスライド蝶番は、図示省略し
たが、ノックダウン家具やシステムキッチン等の本体側
板に固定されるフレームの一端部に対し、扉のカップ収
容穴に埋設されるカップ部材の左右の一側部が複数リン
クを介して連結された構造のスライド蝶番である。図1
および図2に示すように、カップ部材1には、これを扉
Aに着脱自在に固定するためのロックレバー2が付設さ
れている。
【0017】前記カップ部材1は、例えば、亜鉛合金の
ダイカストにより一体に成形されている。このカップ部
材1は、扉Aのカップ収容穴Bに挿入されるカップ本体
3と、このカップ本体3から扉Aに沿ってカップ収容穴
Bの上方および下方(図1の紙面に直交する上下方向)
に延設されることにより、扉Aの裏面に当接するフラン
ジ部4,4とを有している。
【0018】カップ部材1のカップ本体3は、前述の図
示省略した複数リンクおよびフレームの一端部を収容可
能な凹部3Aを有し、この凹部3A内には、前記複数リ
ンクを執着する枢支ピン5,5が着脱自在に横架されて
いる。そして、このカップ本体3の左右の周面には、前
記カップ収容穴Bに嵌合する円弧状の嵌合面3B,3C
が形成され、また、カップ本体3の上下(図1の紙面に
直交する上下方向)の周面には、相互に平行な一対の摺
動面3D,3Dが形成されている。
【0019】図1に示すように、カップ本体3の嵌合面
3B,3Cのうち、カップ部材1の他側部に位置する一
方の嵌合面3Cには、その周面に沿って円弧状に延びる
係合爪3E,3Fが突設されている。一方の係合爪3E
は、カップ本体3の高さ方向の略中央部に配置され、他
方の係合爪3Fは、カップ本体3の底部付近に配置され
ている。各係合爪3E,3Fの断面形状は、カップ本体
3の高さ方向を上下方向とした場合、上面が水平面をな
し、下面が傾斜面をなす略三角形に設定されている。
【0020】また、カップ本体3の各摺動面3D,3D
には、図1および図2に示すように、後述するロックレ
バー2の各湾曲アーム部7,7を摺動自在に案内する第
1ガイド部4A,4Aおよび第2ガイド部3G,3Gが
突設されている。第1ガイド部4A,4Aは、カップ本
体3と各フランジ部4,4とを連結する平板状の部分に
より構成されており、各湾曲アーム部7,7の基端側の
湾曲凸面7Gを案内するように、カップ本体3の高さ方
向の上部に位置してカップ部材1の他側部寄りの箇所に
配置されている。
【0021】一方、第2ガイド部3G,3Gは、各湾曲
アーム部7,7の先端側の湾曲凹面7Hを案内するよう
に、カップ本体3の高さ方向の上部に位置してカップ部
材1の一側部寄りの箇所に配置されている。この第2ガ
イド部3G,3Gは、カップ本体3の高さ方向を上下方
向とした場合、上面3Hがカップ本体3の上面に連続す
る平面をなし、下面3Iが曲面をなして膨出する断面形
状を有している。
【0022】カップ部材1の各フランジ部4,4は、扉
Aの裏面に当接可能な長方形の平板状に成形されてお
り、その下面には、扉Aの裏面に形成された位置決め孔
C,Cに挿入される位置決めピン4B,4Bがそれぞれ
突設されている。そして、各位置決めピン4B,4Bの
周面には、位置決め孔C,Cの周壁面に喰込み可能な副
係合爪4C,4Cがそれぞれ突設されている。各副係合
爪4C,4Cは、前記係合爪3E,3Fと同方向に突設
されており、その断面形状は、上下の面が斜面をなす三
角形の断面形状とされている。
【0023】一方、ロックレバー2は、前記カップ部材
1と同様に亜鉛合金のダイカストにより一体に成形され
ている。このロックレバー2は、図1および図2に示す
ように、略コ字状を呈するレバー部6と、このレバー部
6の両端に延設された一対の湾曲アーム部7,7とを有
している。
【0024】ロックレバー2のレバー部6は、前記カッ
プ部材1のフランジ部4,4間に嵌合可能な外幅を有
し、また、前記第1ガイド部4A,4Aに当接した状態
でフランジ部4,4の表面と略同一面をなす厚さに設定
されている。そして、このレバー部6の中間部には、前
記扉Aの裏面に当接可能な折曲げ部6Aが形成されてい
る。
【0025】また、ロックレバー2の湾曲アーム部7,
7は、前記折曲げ部6Aの突出方向を下方とした場合、
基端側がレバー部6の両端から下向し、先端側が上向す
る湾曲形状に形成されている。この湾曲アーム部7,7
は、図3および図4に示すように、対向する内面7A,
7Aが相互に平行な平面に形成され、その内面間隔は、
前記カップ本体3の摺動面3D,3Dに嵌合可能な寸法
に設定されている。
【0026】また、各湾曲アーム部7,7の外面は、前
記カップ収容穴Bの周壁面に沿う曲率の円弧を最大輪郭
とする円弧状に形成され、その外面間の最大幅は、カッ
プ収容穴Bの直径より小さく設定されている。なお、最
大幅となる湾曲アーム部7,7の基端側の外面には、カ
ップ収容穴Bの周壁面に対するR状の逃げ部7Iが形成
されている。そして、この湾曲アーム部7,7は、カッ
プ収容穴B内に臨んだ状態で、その対向する内面7A,
7Aがカップ本体3の各摺動面3D,3Dに摺接するよ
うに構成されている。
【0027】前記湾曲アーム部7,7の外面には、カッ
プ収容穴Bの周壁面に対向する切込刃7B,7Bがそれ
ぞれ突設されている。この切込刃7Bは、湾曲アーム部
7の外面における最大輪郭部分、すなわち、カップ収容
穴Bの周壁面に沿う曲率の円弧部分に突設されている。
【0028】前記切込刃7Bは、カップ収容穴Bの周方
向に沿ってその周壁面に喰込み可能に延びる円弧状、す
なわち、図3、図5および図6に示すように、湾曲アー
ム部7の先端側ほど突出量が漸次増大する円弧状を呈し
ており、湾曲アーム部7の先端から刃先7Cが突出する
形状に形成されている。この切込刃7Bの断面形状は、
喰込み動作を容易かつ確実にするため、カップ収容穴の
底側に面する下面7Dが曲面を呈し、上面7Eが平面を
呈する略三角形の断面形状とされている。
【0029】また、図1および図2に示すように、湾曲
アーム部7,7の基端部の湾曲凸面7Gには、第1ガイ
ド部4A,4Aを介してカップ本体3をカップ収容穴B
の底側およびカップ部材1の他側部側に押圧可能な小突
起7Fが形成されている。この小突起7Fは、第1ガイ
ド部4A,4Aを乗越える半円状の曲面を有している。
【0030】以上のように構成された一実施形態のスラ
イド蝶番は、例えば、ノックダウン家具やシステムキッ
チン等において、その本体側板に扉を開閉自在に連結す
る金具として使用される。この場合、扉Aの裏面には、
カップ部材1がカップ本体3とロックレバー2との協動
により着脱自在に固定される。
【0031】カップ部材1を扉Aに固定する際、本発明
のスライド蝶番においては、まず、図1に示すように、
カップ本体3の各摺動面3D,3Dにロックレバー2の
湾曲アーム部7,7の内面7A,7Aを摺接させ、ロッ
クレバー2をカップ部材1に揺動自在に装着する。
【0032】つづいて、カップ部材1のカップ本体3を
扉Aのカップ収容穴Bに挿入する。その際、扉Aの位置
決め孔C,Cにフランジ部4,4の位置決めピン4B,
4Bを挿入してカップ本体3を周方向に位置決めする。
なお、カップ収容穴Bにカップ本体3を挿入した後、カ
ップ本体3の各摺動面3D,3Dに各湾曲アーム部7,
7を摺接させてロックレバー2をカップ部材1に装着し
てもよい。そして、この状態から、ロックレバー2のレ
バー部6を扉Aの裏面側へ押動する。
【0033】レバー部6の押動に伴い、まず、ロックレ
バー2の湾曲アーム部7,7は、図7に示すように、基
端側の湾曲凸面7Gがカップ部材1の第1ガイド部4
A,4Aの縁部に当接し、先端側の湾曲凹面7Hが第2
ガイド部3G,3Gの下面に当接する(刃先進出行程a
の初期状態)。
【0034】つづいて、図8に示すように、湾曲アーム
部7,7の湾曲凸面7Gが第1ガイド部4A,4Aの前
縁に案内されて摺動し、湾曲凹面7Hが第2ガイド部3
G,3Gの曲面を呈する下面3Iに案内されて摺動する
ことにより、湾曲アーム部7,7の先端の切込刃7B,
7Bの刃先7C,7Cが上向する揺動軌跡を描いてカッ
プ収容穴Bの周壁面に向け進出する(刃先進出行程
a)。
【0035】つぎに、図9に示すように、湾曲アーム部
7,7の切込刃7B,7Bの刃先7C,7Cがカップ収
容穴Bの周壁面に喰込む(刃先喰込み行程c)。その
際、刃先7C,7Cは、カップ収容穴Bの周壁面に沿っ
て進出するため、周壁面に対する喰込み動作は容易かつ
確実に行われる。
【0036】つづいて、上面7Eが平面をなす切込刃7
B,7Bの刃先7C,7Cを支点としてロックレバー2
が揺動し、各湾曲アーム部7,7の小突起7F,7Fが
第1ガイド部4A,4Aを乗越えることにより、カップ
本体3をカップ収容穴Bの底側およびカップ部材1の他
側部側に押圧する。そして、切込刃7B,7Bが上向す
る揺動軌跡を描いてカップ収容穴Bの周壁面に喰込む
(ロック行程c)。その際、切込刃7B,7Bは、下面
7Dが曲面を呈し、上面7Eが平面を呈する略三角形の
断面形状とされているため、カップ収容穴Bの周壁面に
対し上向する揺動軌跡を描きつつ円滑に食い込むことが
できる。
【0037】ロック行程においては、カップ本体3がカ
ップ部材1の他側部側へ押圧されるため、図10および
図11に示すように、湾曲アーム部7,7に突設された
切込刃7B,7Bおよびカップ本体3の嵌合面3Cに突
設された係合爪3E,3Fがカップ収容穴Bの周壁面に
喰込む。また、図示省略したが、フランジ部4,4の位
置決めピン4B,4Bに突設された副係合爪4C,4C
も扉Aの位置決め孔C,Cの周壁面に喰込む。
【0038】一実施形態のスライド蝶番において、切込
刃7B,7Bは、前述のように、湾曲アーム部7,7の
先端側ほど突出量が漸次増大する円弧状を呈し、かつ、
湾曲アーム部7,7の先端から刃先7C,7Cが突出す
る形状に形成されており、しかも、下面7Dが曲面を呈
し、上面7Eが平面を呈する略三角形の断面形状とされ
ている。そして、この切込刃7B,7Bは、カップ収容
穴Bの周壁面に対し、これに沿う方向に上向する揺動軌
跡を描きつつ進出するため、カップ収容穴Bの周壁面に
対する喰込み動作を容易かつ確実に行うことができ、前
述した刃先喰込み行程bからロック行程cに至る各行程
の動作を円滑に行うことができる。
【0039】そして、前記ロック行程cにおいては、ロ
ックレバー2側の切込刃7B,7Bおよびカップ本体3
側の係合爪3E,3Fが扉Aのカップ収容穴Bの周壁面
における対向部位に喰込み、かつ、フランジ部4,4側
の副係合爪4C,4Cが扉Aの位置決め孔C,Cの周壁
面に喰込むため、パーティクルボード等のネジの効きに
くい材質の扉Aに対しても、カップ部材1を強固に固定
することができる。なお、カップ部材1を扉Aから取外
す作業は、前述と逆の手順により、工具を使用すること
なく容易に行うことができる。
【0040】一実施形態のスライド蝶番において、カッ
プ部材1およびロックレバー2は、亜鉛合金のダイカス
トによりそれぞれ一体に成形されているため、部品点数
が少なく、製造コストおよび組付け作業コストを低減す
ることができる。
【0041】なお、本発明のスライド蝶番において、カ
ップ部材およびロックレバーは、亜鉛合金のダイカスト
製に限らず、アルミニウム合金等の他の材質のダイカス
ト製としてもよい。また、硬質の合成樹脂によって一体
に射出成形してもよい。さらには、焼結金属により一体
に金型成形してもよい。
【0042】
【実施例】実施例として、前記カップ部材1およびロッ
クレバー2と同様の構造のカップ部材およびロックレバ
ーを備えたスライド蝶番を作成し、このスライド蝶番を
上下2個所に配置してキャビネットの側板に扉を開閉自
在に連結した。扉は、厚さ22mm、幅600mmのパ
ーティクルボード製である。カップ部材のカップ本体が
挿入される扉のカップ収容穴は、直径35mm、深さ1
3.5mmであり、扉のヒンジ側の内側縁から21.5
mmの距離をセンタとして形成した。扉の内側縁からカ
ップ収容穴の周壁面までの最短距離は4mmである。
【0043】そして、実施例のスライド蝶番につき、J
IS A4420「キッチン設備の構成材」における開
き戸の水平荷重試験を実施した。この水平荷重試験は、
扉に過開き方向の荷重を付加する試験である。図12に
示すように、扉の内側縁から500mm外側(扉の外側
縁から100mm内側)の箇所を荷重点とし、そこに6
0Nの荷重を1回につき10秒間継続して加え、これを
10回繰り返した。カップ本体の中心部に加わる荷重
は、60N×(500/21.5)=1395Nであ
り、工学単位系に換算すると、142kgfである。
【0044】試験の結果、実施例のスライド蝶番におい
ては、カップ収容穴に対するカップ本体の緩みや抜けが
なく、カップ本体が扉のカップ収容穴に強固に固定され
ていることが判明した。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスライド
蝶番においては、カップ本体の各摺動面に各湾曲アーム
部を摺接させてカップ部材にロックレバーを装着し、扉
のカップ収容穴にカップ本体を挿入し、ロックレバーの
レバー部を扉側へ押動することにより、湾曲アーム部の
切込刃がカップ収容穴の周壁面に喰込む。従って、本発
明のスライド蝶番によれば、カップ部材およびロックレ
バーの2部品の組合わせからなる部品点数の少ない簡単
な構造でありながら、ロックレバーの揺動操作という簡
単な操作により、パーティクルボード等のネジの効きに
くい材質の扉に対しても、工具を使用することなく容易
にカップ部材を固定でき、その取外し作業も容易に行う
ことができる。そして、簡単な構造および操作の実現に
より、スライド蝶番の製造コストおよび作業コストを大
幅に削減できる。
【0046】カップ収容穴の周壁面に沿う円弧状に形成
された湾曲アーム部の外面部分に切込刃を突設し、か
つ、この切込刃を湾曲アーム部の先端側ほど突出量が漸
次増大する円弧状に形成した本発明のスライド蝶番にお
いては、カップ収容穴の周壁面に対する切込刃の喰込み
動作を容易かつ確実にすることができる。
【0047】また、湾曲アーム部の切込刃の刃先の進出
方向と逆方向に突出する係止爪をカップ本体のカップ収
容穴への嵌合面に形成し、カップ部材のフランジ部に突
設された位置決めピンの周面に、副係合爪を突設した本
発明のスライド蝶番においては、扉に対してカップ部材
を一層強固に固定することができる。この場合、第1ガ
イド部を乗越える曲面を有する小突起または小突条を各
湾曲アーム部の基端側の湾曲凸面に形成した本発明のス
ライド蝶番においては、カップ本体をカップ収容穴の底
側および切込刃の刃先の進出方向と逆方向に確実に押圧
することができ、カップ本体を扉のカップ収容穴に確実
に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るスライド蝶番の要部
構造を示すカップ部材とロックレバーの組付け状態側面
図である。
【図2】スライド蝶番の要部構造を示すカップ部材およ
びロックレバーの分解斜視図である。
【図3】ロックレバーの平面図である。
【図4】ロックレバーの正面図である。
【図5】図3のV−V線に沿うロックレバーの断面図で
ある。
【図6】図3のVI−VI線に沿うロックレバーの断面
図である。
【図7】スライド蝶番の要部の作用を示す刃先進出行程
の前段の側面視断面図である。
【図8】刃先進出行程の中段の側面視断面図である。
【図9】刃先喰込み行程の側面視拡大断面図である。
【図10】ロック行程の側面視拡大断面図である。
【図11】ロック行程の正面視拡大断面図である。
【図12】実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 :カップ部材 2 :ロックレバー 3 :カップ本体 3A:凹部 3B:嵌合面 3C:嵌合面 3D:摺動面 3E:係合爪 3F:係合爪 3G:第2ガイド部 3H:第2ガイド部の上面 3I:第2ガイド部の下面 4 :フランジ部 4A:第1ガイド部 4B:位置決めピン 4C:副係合爪 5 :枢支ピン 6 :レバー部 6A:折曲げ部 7 :湾曲アーム部 7A:湾曲アーム部の内面 7B:切込刃 7C:切込刃の刃先 7D:切込刃の下面 7E:切込刃の上面 7F:小突起 7G:湾曲凸面 7H:湾曲凹面 7I:逃げ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 敏雄 東京都台東区入谷一丁目27番4号 高橋金 物株式会社内 (72)発明者 佐々木 俊治 東京都荒川区東日暮里二丁目11番5号 磯 川産業株式会社内 Fターム(参考) 2E030 AB01 BB03 EA01 EB03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扉のカップ収容穴に埋設されるカップ部
    材と本体側板に固定されるフレーム部材とが複数リンク
    で連結され、カップ部材には、そのカップ本体をカップ
    収容穴に固定するロックレバーが付設されているスライ
    ド蝶番において、前記カップ部材は、カップ本体の周面
    に形成される一対の摺動面と、各摺動面に相互に離間し
    て設けられる第1ガイド部および第2ガイド部とを備
    え、前記ロックレバーは、前記各摺動面に摺接する一対
    の湾曲アーム部と、各湾曲アーム部の外面に突設される
    切込刃とを備え、この切込刃は、湾曲アーム部の先端か
    ら刃先が突出し、かつ、カップ収容穴の周方向に沿って
    その周壁面に喰込み可能に延びる円弧状を呈しており、
    前記ロックレバーの押動に伴い、以下の各行程、すなわ
    ち、 a:第1ガイド部に湾曲アーム部の基端側の湾曲凸面が
    当接し、第2ガイド部に湾曲アーム部の先端側の湾曲凹
    面が当接し、湾曲アーム部が第1ガイド部および第2ガ
    イド部に案内されて摺動するすることにより、湾曲アー
    ム部の切込刃の刃先が上向する揺動軌跡を描いてカップ
    収容穴の周壁面に向け進出する刃先進出行程、 b:湾曲アーム部の切込刃の刃先がカップ収容穴の周壁
    面に喰込む刃先喰込み行程、 c:切込刃の刃先を支点としてロックレバーが揺動する
    ことにより、カップ本体をカップ収容穴に押圧しつつ切
    込刃全体がカップ収容穴の周壁面に喰込むロック行程、
    の各行程a〜cを経てカップ本体を扉に着脱自在に固定
    するように構成されていることを特徴とするスライド蝶
    番。
  2. 【請求項2】 前記切込刃は、カップ収容穴の周壁面に
    沿う円弧状に形成された湾曲アーム部の外面部分に突設
    され、かつ、湾曲アーム部の先端側ほど突出量が漸次増
    大する円弧状に形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載のスライド蝶番。
  3. 【請求項3】 前記切込刃は、カップ収容穴の底側に面
    する下面が曲面を呈し、上面が平面を呈する略三角形の
    断面形状を有することを特徴とする請求項1または2に
    記載のスライド蝶番。
  4. 【請求項4】 各湾曲アーム部の基端側の湾曲凸面に
    は、第1ガイド部を乗越える曲面を有する小突起または
    小突条が形成されていることを特徴とする請求項1〜3
    の何れかに記載のスライド蝶番。
  5. 【請求項5】 前記カップ本体は、カップ収容穴への嵌
    合面に、湾曲アーム部の切込刃の刃先の進出方向と逆方
    向に突出する係止爪を備えていることを特徴とする請求
    項1〜4の何れかに記載のスライド蝶番。
  6. 【請求項6】 前記カップ部材は、カップ収容穴の周辺
    の扉の裏面に当接するフランジ部を備え、このフランジ
    部には、扉の裏面に形成された位置決め孔に挿入される
    位置決めピンが突設されており、この位置決めピンの周
    面には、位置決め孔の周壁面に喰込み可能な副係合爪が
    前記係合爪と同方向に突設されていることを特徴とする
    請求項1〜5の何れかに記載のスライド蝶番。
  7. 【請求項7】 前記カップ部材およびロックレバーは、
    それぞれ金型により一体に成形されていることを特徴と
    する請求項1〜6の何れかに記載のスライド蝶番。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7480962B2 (en) * 2003-05-07 2009-01-27 Sugatsune Kogyo Co., Ltd. Slide hinge

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