JPH10127312A

JPH10127312A - 停止装置付スライドファスナー用スライダー

Info

Publication number: JPH10127312A
Application number: JP8290568A
Authority: JP
Inventors: Kiyoshi Oda; 潔織田
Original assignee: YKK Corp
Current assignee: YKK Corp
Priority date: 1996-10-31
Filing date: 1996-10-31
Publication date: 1998-05-19
Also published as: KR100243728B1; EP0839466B1; ID18696A; CN1182561A; DE69710286T2; KR19980033320A; EP0839466A1; US5901420A; DE69710286D1; TW356671U; BR9705327A

Abstract

(57)【要約】【課題】スライダーの操作が簡便であり、停止機能も
的確に果たせ、しかも安全性がある。【構成】スライダーは胴体１、揺動板２、引手３から
形成され、胴体１の上翼板５の中央に凹陥部１０を設
け、凹陥部１０に爪孔１１および取付突部１２を設け、
凹陥部１０の両側に取付柱１４を立設し、一端に枢軸１
８他端に停止突部１９を備えた揺動板２を取付突部１２
に枢軸１８を軸着し、引手３の枢軸２１上に設けたカム
部２２が揺動板を押圧するように取付柱１４に枢軸２１
を軸着し、停止突部１９が爪孔１１から、咬合子を押圧
可能に形成したスライダーであり、従来の引手の停止爪
を突設して衣服などを損傷する恐れのあるものと異な
り、安全性のあるスライダーである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、通常タイプのス
ライドファスナーに使用する停止機構を備えたスライダ
ーであって、停止突部を有する板体をスプリングを用い
ずに引手の起伏操作によって、停止機能を働かせる停止
装置付スライドファスナー用スライダーに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の停止機構を備えたスライ
ドファスナー用スライダーは、たとえば図７に示すよう
に、上翼板上に設けた湾曲状の凹欠部に、Ｕ状突出部を
設けた板バネを浮動自在に配し、Ｕ状突出部を凹欠部の
底部に設けた爪孔に嵌挿可能に板バネの一端を凹部に固
定するとともに、その上方から上翼板に設けた柱体に枢
支した、引手の頭部のカムを当接した停止装置付スライ
ドファスナー用スライダーが実公昭４５−２１６５号公
報に開示されている。

【０００３】さらに、図８に示すように、上翼板上に引
手の枢支部よりも後部から前方にかけて、前方が深く刻
設された斜面を有する凹陥部を設けて、凹陥部の後端縁
を支点として上下に揺動し、かつ前後方向に摺動する停
止爪付揺動体を遊嵌し、揺動体の中間部上面に、前端面
が垂直に起立し、かつ後端面が弧状の凸曲面をもつ突起
を設け、引手の前端部に枢支部軸線を挟んで、その後方
で突起に嵌合する凹部と、この凹部の前方に突起の形状
を反転したカム部とを巴形に隣接状に設けた停止装置付
スライドファスナー用スライダーが実公昭５１−５３７
６６号に開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前項で述べた、図７に
示した停止装置付スライドファスナー用スライダーは、
引手のカムと板バネとの接点を考えると、引手を倒伏し
て停止機構を作動させたとき、咬合子によってＵ状突出
部を押上げる作用、および板バネの復元力すなわち後方
への摺動による相乗作用によって、引手を跳ね上げるお
それがあり停止機能が不安定であること、また板バネの
突出部は単にＵ状に湾曲したものであり、変形し易く的
確な停止機能が期待できないなどの問題点がある。

【０００５】また図８に示した停止装置付スライドファ
スナー用スライダーは、引手の起伏操作によって停止爪
付揺動体を上下に揺動させ、かつ前後に摺動させる形態
であり、停止爪を咬合子間に挿入させるには、引手の摘
手部を胴体に押圧して、停止爪を咬合子間に挿入させる
から、停止操作がきわめて面倒で円滑に行うことができ
ない、またスライダーの摺動も引手の起立操作により積
極的に揺動体を揺動および摺動させなければならないの
で、摺動操作が重く、かつ揺動体は固定されていないか
ら不安定な保持状態であるなど問題点がある。

【０００６】この発明は、上述の問題点を考慮して発明
したものであり、請求項１記載の発明は、停止突部によ
る停止機構を備えたスライダーであっても、停止突部に
よって怪我または衣服などに損傷を与えない安全性のあ
るスライダーであり、しかもスライダーの操作が簡便に
行え、停止機能も的確に果たせる停止装置付スライドフ
ァスナー用スライダーを提供することが主たる目的であ
る。

【０００７】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明の目的に加え、スライダーにおける停止機構が円滑に
作動でき、しかもスライダーを嵩張らない体裁のよい形
態に仕上げることができる停止装置付スライドファスナ
ー用スライダーを提供することが目的である。

【０００８】請求項３記載の発明は、請求項１または２
記載の発明の目的に加え、停止機構における停止爪の形
態を特定することによって、咬合子を損傷せず、しかも
咬合子によって、簡単に停止機構を作動でき、効果的に
停止機能が発揮できる停止装置付スライドファスナー用
スライダーを提供することが目的である。

【０００９】請求項４の発明は、請求項１記載の発明の
目的に加え、スライダーにおける停止機構が働いている
ときは、引手が回動できない方向に付勢され、無闇に引
手が回動できない安全な停止機構を備えたスライドファ
スナー用スライダーを提供することが目的である。

【００１０】請求項５記載の発明は、請求項１または２
記載の発明の目的に加え、停止機構が無理なく作動し、
的確かつ容易に停止機能が発揮できる停止装置付スライ
ドファスナー用スライダーを提供することが目的であ
る。

【００１１】請求項６記載の発明は、請求項１記載の発
明の目的に加え、停止機構における揺動板の形態を特定
することによって、揺動板の揺動を容易にして、スライ
ダーの摺動を円滑にし、かつ停止機能を的確に働かせる
停止装置付スライドファスナー用スライダーを提供する
ことが目的である。

【００１２】請求項７記載の発明は、請求項１、２、
３、４、５または６記載の発明の目的に加え、停止機構
を備えたスライダーを簡単な構造および部材によって組
立て、組立てが容易で頑丈なスライダーに仕上げ、的確
に作動する停止機構を備えたスライドファスナー用スラ
イダーを提供することが目的である。

【００１３】請求項８記載の発明は、請求項１、２、
３、４、５または６記載の発明の目的に加え、デザイン
上からも体裁のよいスライダーであって、しかもスライ
ダーの組立てが簡便に行える形態の停止機構を備えたス
ライドファスナー用スライダーを提供することが目的で
ある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、この発明のうち請求項１記載の発明は、揺動板２の
一端に咬合子に摺接できる停止突部１９を突設し、他端
を胴体１の上翼板５に回動可能に固定するとともに、停
止突部１９を上翼板５に穿設した爪孔１１から咬合子の
ガイド溝９に出没自在に形成し、上翼板５に引手３を回
動自在に軸支するとともに、引手３の先端に設けたカム
部２２を咬合子との摺接によって浮上する揺動板２の背
面に当接可能に形成した停止装置付スライドファスナー
用スライダーを主な構成としている。

【００１５】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明の構成に加え、上翼板５の中央から案内柱７上面にか
けて凹溝状の凹陥部を設け、この凹陥部１０の一部に爪
孔１１を穿設し、この凹陥部１０に揺動板２を収容する
とともに、円頭状に形成した停止突部１９を爪孔１１に
遊嵌した停止装置付スライドファスナー用スライダーで
ある。

【００１６】請求項３記載の発明は、請求項１または２
記載の発明の構成に加え、揺動板２の一端に突設した円
頭状の停止突部１９の形状は、ファスナーチェンに配さ
れた前後の咬合子の間隙よりも大きな頭部形状に形成
し、咬合子間上に載置可能に形成した停止装置付スライ
ドファスナー用スライダーである。

【００１７】請求項４記載の発明は、請求項１記載の発
明の構成に加え、垂下状態に引手３を保持したとき、引
手３に設けたカム部２２と、揺動板２の背面との接触点
を、引手３の枢軸２１、２９の軸心よりも揺動板２にお
ける枢支部側に偏倚させた停止装置付スライドファスナ
ー用スライダーである。

【００１８】請求項５記載の発明は、請求項１または２
記載の発明の構成に加え、上翼板５の凹陥部１０の片側
に設けた爪孔１１に対面する下翼板６の内面に、片側の
咬合子が圧入できる凹窪部１５を凹設して、揺動板２の
片側に設けた停止突部１９と対向させた停止装置付スラ
イドファスナー用スライダーである。

【００１９】請求項６記載の発明は、請求項１記載の発
明の構成に加え、揺動板２の背面すなわちカム部２２と
の当接面に段差面１６を設けることによって、引手３に
おけるカム部２２の当接を逃避する形状に形成した停止
装置付スライドファスナー用スライダーである。

【００２０】請求項７記載の発明は、請求項１、２、
３、４、５または６記載の発明の構成に加え、上翼板５
に凹設した凹陥部１０の両側に、引手３を取付けるため
の取付柱１４を立設し、凹陥部１０の前方すなわち案内
柱７側には揺動板２を取付けるための取付突部１２を突
設し、凹陥部１０に遊嵌できる揺動板２は一端に枢軸１
８、他端に停止突部１９を突設し、引手３は端部中央に
カム部２２を垂直方向へ突出するように設け、このカム
部２２の両側に枢軸２１を設け、揺動板２の枢軸１８を
凹陥部１０の取付突部１２に軸着するとともに、引手３
の枢軸２１を引手取付用の取付柱１４に軸着した停止装
置付スライドファスナー用スライダーである。

【００２１】請求項８記載の発明は、請求項１、２、
３、４、５または６記載の発明の構成に加え、上翼板５
に凹設した凹陥部１０の前後に、カバー４を取付けるた
めのカバー取付柱２３、および両側に引手取付用の軸受
突部２５を突設し、揺動板２は一端に下向の円形頭部２
７、他端に停止突部１９を突設し、引手３は端部に枢軸
２９を設けるとともに、枢軸２９の中央にカム部２２を
垂直方向に突出するように設け、カバー４は長方箱形タ
イプで内面に、カバー取付柱２３に当接できる突片３２
を前後に突設し、揺動板２を凹陥部１０に遊嵌し、引手
３の枢軸２９を軸受突部２５に載置し、その上方からカ
バー４を被嵌し、カバー４に内設した突片３２を円形頭
部２７に当接可能に、カバー４をカバー取付柱２３に固
定した停止装置付スライドファスナー用スライダーであ
る。

【００２２】

【発明の実施の形態】以下、この発明の停止装置付スラ
イドファスナー用スライダーの実施の形態について、図
面を参照しながら具体的に説明する。

【００２３】この発明の停止装置付スライドファスナー
用スライダーは、たとえば図１に示すように停止機構を
備えた通常タイプのスライダーであって、スライダーは
胴体１、揺動板２、引手３の三部材から構成され、また
図５に示すようにスライダーは胴体１、揺動板２、引手
３およびカバー４の四部材から構成されている。これら
の部材は、アルミニウム合金、亜鉛合金などの金属をダ
イキャスト成形手段によって成形するのが好ましく、ま
たポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレンなどの
熱可塑性樹脂を用い射出成形手段によって成形すること
もでき、さらに金属製、熱可塑性樹脂製の部材を適宜組
合せてスライダーを組立てることも可能である。

【００２４】まず図１に示す停止装置付スライドファス
ナー用スライダーの形態は、スライダーの胴体１が上翼
板５、下翼板６を案内柱７で連結し、上翼板５と下翼板
６との間にファスナー咬合子をガイドするためのフラン
ジ８が両側縁に突設され、ガイド溝９が設けられてい
る。そして上翼板５の上面中央から案内柱７の上面にか
けて凹溝状の凹陥部１０が凹設され、この凹陥部１０の
後方片側にガイド溝９に通ずる揺動板２の停止突部１９
を嵌挿するための爪孔１１が穿設され、また凹陥部１０
の前方中央に揺動板２を軸着するための取付突部１２が
突設され、凹陥部１０の両側には引手３を軸着するため
のＵ形凹部１３を備えた取付柱１４が立設されている。

【００２５】次に揺動板２は、縦断面形状が略ヘ字状に
湾曲して背面すなわちカム部２２の当接面に段差面１６
を設けた板体から形成され、引手３の操作によるカム部
２２の当接を逃避する形状に形成されている。また、一
端に揺動板２を取付突部１２に軸着するため凹部１７を
設け、この凹部１７に枢軸１８を架設する。また揺動板
２の他端下方には、前記爪孔１１に対応するように片側
に偏倚して円頭状の停止突部１９が突設され、この停止
突部１９の形状は、ファスナーチェンに配設された咬合
子の間隙よりも大きな円頭状に形成し、前後の咬合子間
に載置できるように形成されている。

【００２６】一方、引手３は短冊形あるいは他の任意の
形状であってもよいが、一端に前記取付柱１４の一部が
嵌入できる凹孔２０を両側に穿設するとともに、その凹
孔２０の端部に枢軸２１を設ける。また枢軸２１の中央
で凹孔２０間にわたって下方向垂直に揺動板２の幅に相
当するカム部２２を突出状に設け、このカム部２２の先
端部２２’は、引手３の先端側すなわち引手３を垂下状
態にセットした際、枢軸２１の軸心よりも先端に偏り、
揺動板２の枢支部側に偏倚して設けられ、揺動板２の背
面に当接するように形成されている。

【００２７】以上説明した停止機構を備えたスライダー
の組立ては、まず上翼板５上に設けた凹陥部１０内に揺
動板２を遊嵌して、枢軸１８を取付突部１２に回動自在
に軸着するとともに、他端の停止突部１９を凹陥部１０
内の爪孔１１に嵌入する。その上方から引手３の枢軸２
１を取付柱１４のＵ形凹部１３に嵌め込み、Ｕ形凹部１
３の頭部をかしめ加工し、枢軸２１を取付柱１４に回動
自在に軸着するとともに、カム部２２を揺動板２の背面
すなわち上面に当接可能に形成してスライダーは組立て
られる。

【００２８】組立てられたスライダーの操作は、スライ
ダーをファスナーチェン上を摺動させるときは、引手３
を持ち上げることによって、揺動板２はカム部２２の押
圧から開放され自由に揺動でき、胴体１を始動させる
と、停止突部１９が咬合子に摺接と同時に揺動板２を浮
上させ、揺動させながら胴体１を自由に摺動させること
ができる。

【００２９】またスライダーを停止させるときは、引手
３を胴体１に対して倒伏させることによって、カム部２
２が揺動板２の背面に当接すると同時に、カム部２２の
先端部２２’が枢軸２１の軸心より先端に偏って接触す
ることにより、停止突部１９が前後の咬合子間に押し込
まれ、引手３を起立操作させない限り、この状態を保持
しスライダーは停止する。

【００３０】次に図５に示す停止機構を備えたスライダ
ーは、胴体１が上翼板５、下翼板６を案内柱７で連結
し、その間に咬合子のガイド溝９が設けられている。そ
して上翼板５の上面中央から案内柱７の上面にかけて凹
陥部１０を凹設し、凹陥部１０内の後方片側にガイド溝
９に通ずる爪孔１１が穿設されている。この凹陥部１０
の前後にカバー４を取付けるためのカバー取付柱２３を
立設する。このカバー取付柱２３は頭部から外方へ突出
する凸部２４を備えた鍵形状に形成し、また凹陥部１０
の両側には引手３の枢軸２９を載置取付けるための軸受
突部２５が立設され、軸受突部２５の頭部にはＵ状の軸
受部２６が形成されている。さらに下翼板６における内
面の後口側に凹陥した凹窪部１５が配設されている。

【００３１】揺動板２は縦断面形状が略ヘ字状に湾曲し
て背面に段差面１６を設けた板体から形成され、引手３
の操作によるカム部２２の当接を逃避する形状に形成さ
れている。また、一端に下向の円形頭部２７が全幅にわ
たって突設され、他端には前記上翼板５の爪孔１１に対
応するよう片側に偏倚して円頭状の停止突部１９が突設
され、停止突部１９は前後の咬合子の間隙よりも大きな
円頭状に形成され、咬合子間に載置できる。

【００３２】引手３は一端に凹孔２８を設けるととも
に、前記軸受突部２５に載架できる枢軸２９を設け、こ
の枢軸２９の中央部分で、かつ揺動板２の幅に相当する
カム部２２を一体に突設し、このカム部２２の先端部２
２’も引手３の枢軸２９の軸心よりも先端側に偏倚する
ように設けられている。

【００３３】さらにカバー４は、長方箱形で両側壁に引
手３の枢軸２９が嵌挿する凹欠部３０が凹設され、また
カバー４の前後壁には長方形の凹孔３１が設けられ、前
記カバー取付柱２３の凸部２４が嵌入できるように形成
されている。さらにカバー４の内面には上翼板５に立設
したカバー取付柱２３に当接できる突片３２が突設さ
れ、この突片３２のうち前方の突片３２は揺動板２の円
形頭部２７に当接可能に形成されている。

【００３４】この停止機構を備えたスライダーの組立て
は、上翼板５上の凹陥部１０内に、揺動板２の停止突部
１９を爪孔１１に嵌入する状態に遊嵌し、その上方から
引手３の枢軸２９を軸受突部２５の軸受部２６に載架さ
せ、カム部２２を揺動板２の背面に当接させた状態で、
カバー４を両カバー取付柱２３に被覆し押圧することに
よって、カバー取付柱２３の凸部２４とカバー４の凹孔
３１とをスナップ形式に係合させて、カバー４を固定し
スライダーは組立てられる。なおカバー４をカバー取付
柱２３に取付ける他の手段として、カバー取付柱２３の
両側面に凹部を設け、カバー取付柱２３にカバー４を被
覆した後、カバー４の両側面をカバー取付柱２３の凹部
にかしめ加工することによって、カバー４を取付けるこ
とも取付けの一手段である。

【００３５】組立てられたスライダーの操作は、前例と
同様にスライダーを摺動させたいときは、引手３を持ち
上げることによって、揺動板２はカム部２２の押圧から
開放され、その状態で胴体１を始動させると、停止突部
１９が咬合子に摺接すると同時に、揺動板２を浮上させ
揺動させながら胴体１を自由に摺動させることができ
る。なお揺動板２の揺動に際しては、円形頭部２７にカ
バー４の突片３２が対接し、揺動を一定範囲内に規制す
る。

【００３６】またスライダーを停止させたいときは、引
手３を胴体１に倒伏させることによって、カム部２２が
揺動板２の背面に当接すると同時に、カム部２２の先端
部２２’が枢軸２９の軸心より先端に偏って接触するこ
とにより引手が回動して起立することを防ぎ、停止突部
１９が前後の咬合子間に押し込まれスライダーは停止す
る。この際、停止突部１９の押圧動作によってファスナ
ーテープが凹窪部１５に圧入し、スライダーの開離開口
方向への摺動を確実に阻止する。なお単一咬合子用のス
ライダーにあっては、凹窪部１５に咬合子が圧入しスラ
イダーの摺動を阻止する。

【００３７】

【発明の効果】この発明の停止装置付スライドファスナ
ー用スライダーは、以上説明したとおりの構成であり、
この構成によって下記の効果を奏する。

【００３８】この発明のうち請求項１記載の発明は、一
端に停止突部を突設した揺動板の他端を上翼板に回動可
能に固定し、停止突部を上翼板に設けた爪孔からガイド
溝に出没自在に形成し、上翼板に引手を回動自在に軸支
するとともに、引手に設けたカム部を咬合子によって浮
上する揺動板の背面に当接可能に形成したことによっ
て、引手に直接停止爪を突設したスライダーと異なり、
引手を反転させても鋭利な停止爪、その他突起物がスラ
イダー表面に現出することがないから、怪我または衣服
を損傷する恐れがなく安全なスライダーであり、また操
作性のよいスライダーであって、しかも停止機能が的確
に働くなどの効果がある。

【００３９】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明の効果に加え、上翼板の中央から案内柱上面にかけて
凹陥部を設け、凹陥部に爪孔を穿設し、揺動板を凹陥部
に収容し、円頭状に形成した停止突部を爪孔に遊嵌した
ことによって、揺動板を胴体内に収容するから、スライ
ダーを嵩張らせることなく体裁のよいスライダーに仕上
げることができ、しかも停止突部は円頭状であるから、
摺動性を損なうことなく円滑に摺動できる効果がある。

【００４０】請求項３記載の発明は、請求項１または２
記載の発明の効果に加え、揺動板の一端に設けた円頭状
の停止突部は、前後に配された咬合子の間隙よりも大き
く、咬合子間上に載置できることによって、円頭状の停
止突部が咬合子間に挿入されるタイプと異なり、咬合子
を損傷することなく揺動板を揺動させ、円滑に停止機能
を働かせる効果がある。

【００４１】請求項４記載の発明は、請求項１記載の発
明の効果に加え、垂下状態にセットした引手において、
引手のカム部と揺動板との接点を、引手の枢軸よりも揺
動板の枢支部側に偏倚させたことによって、引手を胴体
に倒伏させたとき、引手が妄りに揺動してぶらつくこと
がないから、体裁のよいスライダーに仕上げることがで
きる効果がある。

【００４２】請求項５記載の発明は、請求項１または２
記載の発明の効果に加え、上翼板の凹陥部に設けた爪孔
に対面する下翼板の内面に凹窪部を設け、揺動板の停止
突部と対向させたことによって、引手の倒伏操作でカム
部が停止突部を押圧し、その結果咬合子も押圧され、凹
窪部に圧入されるので、スライダーは自由に摺動できな
い。特に開口方向への摺動は完全にできず、単一の咬合
子から形成されたファスナーチェン用のスライダーには
好適であり、的確に摺動を停止させる効果がある。

【００４３】請求項６記載の発明は、請求項１記載の発
明の効果に加え、揺動板の背面に段差面を設け、カム部
の当接を逃避する形状に形成したことによって、揺動板
はカム部の当接を逃避するので、揺動板は咬合子によっ
て、浮上し、自由に揺動するからスライダーの摺動が円
滑に行える効果がある。

【００４４】請求項７記載の発明は、請求項１、２、
３、４、５または６記載の発明の効果に加え、上翼板に
設けた凹陥部の両側に取付柱を立設し、凹陥部の前方に
揺動板の取付用の取付突部を設け、揺動板は一端に枢
軸、他端に停止突部を設け、引手は端部中央にカム部を
設け、カム部の両側に枢軸を設け、揺動板の枢軸を取付
突部に軸着し、引手の枢軸を取付柱に軸着したことによ
って、胴体、揺動板、引手の三部材から構成された停止
機構を備えたスライダーを簡単な構造および部材によっ
て組立てられ、スライダーの自動組立に適した形態のス
ライダーで、生産性の向上が図れる効果がある。

【００４５】請求項８記載の発明は、請求項１、２、
３、４、５または６記載の発明の効果に加え、上翼板の
凹陥部の前後にカバー取付柱、両側に軸受突部を突設
し、この揺動板の一端に下向の円形頭部、他端に停止突
部を突設し、引手は端部に枢軸を設け、枢軸の中央にカ
ム部を設け、カバー内面にカバー取付柱に衝接可能な突
片を設け、揺動板を凹陥部に遊嵌し、引手の枢軸を軸受
突部に載置し、上方からカバーを被嵌し、突片を円形頭
部に当接可能にカバーをカバー取付柱に固定したことに
よって、胴体、揺動板、引手、カバーの四部材から構成
された停止機構を備えたスライダーを簡単な構造および
部材によって組立てられ、体裁のよいスライダーを簡易
に組立てることができ、スライダーの自動組立加工の高
速化が図れ、生産性の向上が図れる効果があるなど、こ
の発明の奏する効果はきわめて顕著である。

【図面の簡単な説明】

【図１】停止装置付スライダーの分解斜視図である。

【図２】同上スライダーの斜視図である。

【図３】同上スライダーの停止時における、押圧状態を
示す縦断面図である。

【図４】同上スライダーの摺動時における、開放状態を
示す縦断面図である。

【図５】他の停止装置付スライダーの分解斜視図であ
る。

【図６】同上スライダーの停止時における、押圧状態を
示す縦断面図である。

【図７】公知の停止装置付スライダーの停止時におけ
る、押圧状態を示す縦断面図である。

【図８】他の公知の停止装置付スライダーの停止時にお
ける、押圧状態を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１胴体２揺動板３引手４カバー５上翼板６下翼板７案内柱９ガイド溝１０凹陥部１１爪孔１２取付突部１４取付柱（引手）１５凹窪部１６段差面１８枢軸（揺動板）１９停止突部２１、２９枢軸（引手）２２カム部２３取付柱（カバー）２５軸受突部２７円形頭部３２突片

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一端に停止突部１９を突設した揺動板２
の他端を胴体１の上翼板５に回動可能に固定し、停止突
部１９を上翼板５に穿設した爪孔１１からガイド溝９に
出没自在に形成し、上翼板５に引手３を回動自在に軸支
するとともに、引手３に設けたカム部２２を咬合子によ
って浮上する揺動板２の背面に当接可能に形成したこと
を特徴とする停止装置付スライドファスナー用スライダ
ー。
【請求項２】上翼板５の中央から案内柱７上面にかけ
て凹陥部１０を設け、該凹陥部１０に爪孔１１を穿設
し、揺動板２を凹陥部１０に収容し、かつ円頭状に形成
した停止突部１９を爪孔１１に遊嵌してなる請求項１記
載の停止装置付スライドファスナー用スライダー。
【請求項３】揺動板２の一端に突設した円頭状の停止
突部１９は、前後に配された咬合子の間隙よりも大き
く、咬合子間上に載置可能に形成してなる請求項１また
は２記載の停止装置付スライドファスナー用スライダ
ー。
【請求項４】垂下状態にセットした引手３において、
引手３のカム部２２と揺動板２との接点を、引手３の枢
軸２１、２９の軸心よりも揺動板２の枢支部側に偏倚さ
せてなる請求項１記載の停止装置付スライドファスナー
用スライダー。
【請求項５】上翼板５の凹陥部１０の片側に設けた爪
孔１１に対面する下翼板６の内面に凹窪部１５を設け、
揺動板２の片側に設けた停止突部１９と対向させてなる
請求項１または２記載の停止装置付スライドファスナー
用スライダー。
【請求項６】揺動板２の背面に段差面１６を設け、引
手３におけるカム部２２の当接を逃避する形状に形成し
てなる請求項１記載の停止装置付スライドファスナー用
スライダー。
【請求項７】上翼板５に凹設した凹陥部１０の両側に
取付柱１４を立設し、凹陥部１０の前方には揺動板２の
取付用の取付突部１２を設け、凹陥部１０に遊嵌できる
揺動板２は一端に枢軸１８、他端に停止突部１９を突設
し、引手３は端部中央にカム部２２を垂直方向に突設
し、カム部２２の両側に枢軸２１を設け、揺動板２の枢
軸１８を取付突部１２に軸着するとともに、引手３の枢
軸２１を取付柱１４に軸着してなる請求項１、２、３、
４、５または６記載の停止装置付スライドファスナー用
スライダー。
【請求項８】上翼板５の凹陥部１０の前後にカバー取
付柱２３、両側に軸受突部２５を突設し、揺動板２は一
端に下向の円形頭部２７、他端に停止突部１９を突設
し、引手３は端部に枢軸２９を設け、枢軸２９の中央に
カム部２２を垂直方向に突設し、カバー４は内面にカバ
ー取付柱２３に当接可能な突片３２を突設し、揺動板２
を凹陥部１０に遊嵌し、引手３の枢軸２９を軸受突部２
５に載置し、その上方からカバー４を被嵌し、突片３２
を円形頭部２７に当接可能にカバー４をカバー取付柱２
３に固定してなる請求項１、２、３、４、５または６記
載の停止装置付スライドファスナー用スライダー。