JP2000232766A - モータ - Google Patents

モータ

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JP2000232766A
JP2000232766A JP11333712A JP33371299A JP2000232766A JP 2000232766 A JP2000232766 A JP 2000232766A JP 11333712 A JP11333712 A JP 11333712A JP 33371299 A JP33371299 A JP 33371299A JP 2000232766 A JP2000232766 A JP 2000232766A
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JP
Japan
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coil
yoke
magnetic pole
rotor magnet
magnet
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JP11333712A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Maekawa
浩章 前川
Tsutomu Aoshima
力 青島
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 出力が高く、小型化が可能で、スムーズに起
動させることができ、安価に製造し得る円筒形状のモー
タを提供する。 【構成】 周方向にn分割して異なる極に着持されたロ
ータマグネットを備え、ロータマグネットの軸方向にコ
イルを配置し、コイルにより励磁される外側ヨークの外
側磁極部及び前記内側磁極部をロータの外周面及び内周
面に対向させ、外側磁極部及び前記内側磁極部が励磁さ
れていない際に前記マグネットの極の中心が前記外側磁
極部の中心と前記マグネットの回転の中心とを結ぶ線上
からずれた位置に保持する保持手段を備えることにより
1相モータを構成し、内側ヨークには内側磁極部の径よ
り小さい小径部を形成し、この小径部の径を小さくした
だけコイルを巻装するスペースを広く確保し、この小径
部にコイルを厚く巻装してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超小型の円筒形状の
モータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、小型のモータとして形成されたも
のでは、例えば小型円筒形のステップモータとして図1
5に示すものがある。図15は従来の円筒形状の小型ス
テップモータの構成例を示す断面図である。図15にお
いて、図示のモータはモータの軸方向に配列された2個
のステータ102を備え、各ステータ102のそれぞれ
は軸方向に相対向するように配置された2個のステータ
ヨーク106を有する。各ステータ102ごとに、2個
のステータヨーク106により保持されたボビン101
には、ステータコイル105が同心状に巻回されてい
る。ステータコイル105が巻回された各ボビン101
は、2個のステータヨーク106により軸方向から挟持
固定されている。各ステータヨーク106、106に
は、ボビン101の内径面円周方向に交互に配置された
ステータ歯106a、106bが形成されている。一
方、各ステータ102のケース103にはステータ歯1
06a、106bを有する一対のステータヨーク10
6、106が固定されている。こうしてステータ102
が構成されている。
【0003】2組のケース103の一方(図示左側)に
はフランジ115及び軸受け108が固定され、他方
(図示右側)のケース103には反対側の軸受け108
が固定されている。ロータ109はロータ磁石111を
ロータ軸110に固定した構造をしている。ロータ磁石
111の外周面とステータ102のステータヨーク10
6の内径面との間には空隙部(エアギャップ)が形成さ
れている。そして、ロータ軸110は各ケース103に
固定された2個の軸受け108により回転自在に軸支さ
れている。
【0004】図17は時計などで使用されている1個の
コイルで駆動するステップモータを例示する平面図であ
る。図17において、201は永久磁石から成るロー
タ、202及び203はステータを、203はコイルを
それぞれ示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図15
に示す従来の小型ステップモータにあっては、ロータの
外周にケース103、ボビン101、ステータコイル1
05及びステータヨーク106が同心状に配置されてい
るため、モータの外形寸法が大きくなってしまうという
不都合がある。また、ステータコイル105への通電に
より発生する磁束は図16に示すように、主としてステ
ータ歯106aの端面106alとステータ歯106b
の端面106blとを通過するため、ロータ磁石111
には効果的に作用せず、モータ出力が高くならないとい
う解決すべき課題がある。
【0006】また、図17に示すモータにあっても、コ
イル204への通電で発生する磁束がロータ201とス
テータ202との間のギャップが小さいところに集中
し、マグネット201に効果的に作用しないという解決
すべき課題がある。
【0007】本発明はこのような技術的課題に鑑みてな
されたものであり、本発明の目的は、コイルを巻装する
スペースを広く確保して高出力に構成した1相モータを
提供しようとするのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のモータは、円筒形状に形成され、少なくと
もその外周面を周方向に異なる極に交互に着磁されたロ
ータマグネットと、前記ロータマグネットの軸方向に設
けられたコイルと、前記ロータマグネットの外周面に対
向する外側磁極部分とその他の部分とを有し、前記コイ
ルにより励磁される外側ヨークと、前記ロータマグネッ
トの内周面に対向する内側磁極部分とその他の部分とを
有し、前記コイルにより励磁される内側ヨークと、前記
コイルにより前記外側ヨーク及び前記内側ヨークが励磁
されていない際に前記ロータマグネットの極の中心が前
記外側磁極部分の中心と前記ロータマグネットの回転の
中心とを結ぶ線からずれた位置に前記ロータマグネット
を保持する保持手段とを備え、前記内側ヨークのその他
の部分の径は内側磁極部分の径より小さく形成され前記
コイルの巻装するスペースを広く形成しコイルを厚く巻
装していることを特徴とする。
【0009】上記構成において、モータの径はマグネッ
トに外周面に対向する外側ヨーク及び前記内側ヨークの
柱形状部に巻回されるコイルの外径によって決められる
と共に、モータの軸方向の長さは、コイル、ロータマグ
ネットを順に配置することで構成され、モータを非常に
小型化することができる。また、コイルへの通電により
発生する磁束は、内側磁極部及び、外側磁極部との間の
ロータマグネットを横切るので、効果的にロータマグネ
ットに作用し、モータの出力を高める。更に前記保持手
段は、コイルへの非通電時に、ロータマグネットの極の
中心が外側磁極部分の中心とマグネットの回転中心とを
結ぶ直線上からずれた位置に該マグネット保持すること
ができ、従って、モータの停止時からコイルへの最初の
通電時にはコイルから発生する磁束がロータマグネット
に作用する力は、ロータマグネットの方向へ向かわず、
円滑で安定したモータの起動を行うことが可能になる。
部品数においては、ロータマグネット、コイル、内側ヨ
ーク、外側ヨーク及び出力軸といった非常に少ない部品
点数でモータを構成することができる上に、前記保持手
段は、ロータマグネットと外側ヨークを利用しているの
でコストを低く抑えることができる。
【0010】本発明のモータは、さらに、前記内側ヨー
クのその他の部分に巻装されたコイルは内径をD1と
し、前記内側ヨークの内側磁極部分の径をD2とする
と、D1<D2となることを特徴とする。
【0011】上記構成において、前記内側ヨークの柱形
状部を細く形成し、該内側ヨークの柱形状の周囲に巻回
されたコイルの内径D1を小さくして、コイルの外径を
も小さくすることでモータの小型化をより促進できる。
また、前記内側ヨークの細くした柱形状部に存分に巻回
され、巻数を増やしたコイルによってコイル通電時の起
磁力(アンペア・ターン)を高めることができる。これ
によって発生する磁束は、前記内側ヨークの直径D2を
前記ロータマグネットの内径寸法内で最大限に大きくす
ることと、ロータマグネットの円筒形状の半径方向の厚
さを非常に薄く構成することによって、前記内側磁極部
分と対向する前記外側磁極部分との距離を非常に小さく
できるので、内側磁極部分と外側磁極部分の間のロータ
であるマグネットに、より効果的に作用してモータの出
力を高める。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を説明する。
【0013】(実施例1)図1は本発明を適用したモー
タの一実施例の分解斜視図であり、図2は本発明を適用
したモータの一実施例の縦断面図である。図1及び図2
において、本発明によるモータは、周方向に交互に異な
る極に着磁された回転可能なロータマグネット1と、ロ
ータマグネット1に対して空隙をもって対向する円筒形
の外側ヨーク18と、切り欠いた円筒形の内側磁極部
(部分)を持つ柱形状の内側ヨーク8と、内側ヨーク8
の柱形状小径部の周囲に巻回されたコイル2と、を備
え、内側ヨーク8の柱形状の小径部の根元で外側ヨーク
18と磁気的に接続され、内側ヨーク8の柱形状の大径
部先端の外周面をロータマグネット1の内周面に対向さ
せ、ロータマグネット1の回転軸端部7bを内側ヨーク
8の柱形状の大径部の先端の穴8dで受け、ロータマグ
ネット1の極の中央が外側ヨーク18とロータマグネッ
ト1の回転中心とを結ぶ直線上からずれた位置にロータ
マグネット1を保持する保持手段が設けられて構成され
ている。このように構成した本発明によるモータは、内
側ヨークに内側磁極部の径より小さい小径部を形成し、
この小径部の径を小さくしただけコイルを巻装するスペ
ースを広く確保し、この小径部にコイルを厚く巻装でき
るようにして高出力な1相モータとしたものである。な
お、以下の説明では、モータがステップモータである場
合を例に挙げて本発明を説明する。
【0014】図1及び図2において、1はロータを構成
するマグネット(ロータマグネット)であり、このロー
タマグネット1はその外周表面を円周方向に複数箇所に
分割(本実施例では4分割)してS極及びN極に交互に
着磁されている。着磁部1a、1b、1c、1dとする
と着磁部1a、1cがS極に着磁され、着磁部1b、1
dがN極に着磁されている。着磁部1a、1b、1c、
1dの各極の中央をK1、K2、K3、K4として図3
に示す。また、マグネット1は射出成型により成型され
るプラスチックマグネット材料で作られている。このよ
うにプラスチックマグネット材料で作ることにより、ロ
ータマグネット1の円筒形状の半径方向に関して厚さを
非常に薄くできる。
【0015】ロータマグネット1の中心部には軸方向貫
通孔が形成され、この貫通孔の軸方向中間部には内径が
小さい嵌合部1eが形成されている。ロータ軸となる出
力軸7は前記ロータマグネット1の嵌合部1eに圧入し
てマグネット1に固着されている。マグネット1は射出
成型により成型されるプラスチックマグネットから成る
ため、出力軸7を圧入するなどの組立方法によっても、
割れが生じることはない。
【0016】また、マグネット1は、その貫通孔の軸方
向中央部の内径の小さい嵌合部1eを有する複雑な形状
であっても、これを容易に製造することができる。また
出力軸7とマグネット1は圧入で組立及び固着されるの
で、組立が容易になり、安価に製造することが可能にな
る。ロータは出力軸7及びマグネット1で構成されてい
る。
【0017】マグネット1の材料としては、例えば、N
d−Fe−B系希土類磁性粉ポリアミドなどの熱可塑性
バインダー材との混合物を射出成型することにより形成
されたプラスチックマグネットが用いられる。これによ
り、圧縮成型されたマグネットの場合の曲げ強度が50
0kgf/cm2 程度であるのに対し、例えばポリアミド
樹脂をバインダー材として使用した場合、800kgf/
cm2 以上の曲げ強度を得ることができ、従って、圧縮
成型では実現できないような薄肉円筒形状にすることが
できる。薄肉円筒形状にすることは、後述するように、
モータの性能を高めることになる。また、前記プラスチ
ックマグネットが用いることにより、マグネットの形状
を自由に選定することができ、圧縮成型では得られない
効果、つまり、出力軸7を固着するための形状を一体化
でき、かつ十分な出力軸固着強度を得ることができる。
また、強度的に優れているため、出力軸7を圧入する方
法などを用いても出力軸7が破損する(割れる)ことは
ない。
【0018】同時に、出力軸7の固着部が一体成型され
たことにより、出力軸部に対するマグネット部の同軸精
度が向上し、振れを少なくすることが可能となり、圧縮
成型マグネットの磁気特性8MGOe以上に対して射出
成型マグネットの磁気特性は5〜7MGOe程度である
が、モータの十分な出力トルクを得ることができる。
【0019】また、射出成型マグネットは、表面に薄い
樹脂被膜が形成されるため、圧縮成型マグネットに比べ
て錆の発生が大幅に減少し、塗装などの防錆処理を廃止
することができる。また、圧縮成型マグネットで問題に
なる磁性粉の付着もなく、防錆塗装時に発生しやすい表
面の膨らみもなく、品質を向上させることができる。
【0020】図1及び図2において、2は円筒形状のコ
イルであり、コイル2はマグネット1と同心でかつ該マ
グネット1の軸方向に並んで配置されている。コイル2
の外径はマグネット1の外径とほぼ同じ寸法である。
【0021】8は軟磁性材料からなる内側ヨークであ
り、内側ヨーク8は一端の周面に円筒を切り欠いて形成
された内側磁極部8a、8b及び先端中心に穴8dを持
つ大径部の台座と、他端の内側磁極部8a、8bの径よ
り小径な寸法からなる小径部(軸部)8e及び先端8c
から成っている。この内側ヨーク8の軸部8eにコイル
2が挿着されている。
【0022】内側磁極部8a、8bの位相は互いに同位
相となるように360/0.5n度、すなわち本実施例
のように磁極数が4の場合は180度ずれて形成されて
いる。18は内側ヨーク8と同質の軟磁性材料からなる
外側ヨークであり、外側ヨーク18は外筒及び中心に貫
通穴18cを持つ底面部とから成っている。外側ヨーク
18の外筒部の先端部が外側磁極部(部分)18a、1
8bを形成し、内側磁極部8aに対して外側磁極部18
aが対向配置され、また、内側磁極部8bに対して外側
磁極部18bが対向配置されるように内側ヨーク8の先
端部8cと外側磁極部18の貫通穴18cは「機械的に
カシメる」、「互いに接着する」などの方法によって組
立られる。こうして一体的に組立られた内側ヨーク8、
外側ヨーク18は、ステータを形成し内側ヨーク8の小
径部8eに挿着されたコイル2に通電することにより励
磁される。
【0023】図2において、D1はコイル2の内径であ
り、D2は前記内側ヨーク8の内側磁極部8aと8b間
の径寸法を表し、D1はD2より小さく形成される。こ
こでコイル2の内径D1が小さく形成される理由は、内
側ヨーク8の軸部8eの体積が外側ヨーク18と磁気的
に接続されるだけの必要最小限で良く、内側ヨーク8の
小径部8eの周囲に存分にコイル2を巻回させられるこ
とにある。従って、コイル2の巻数を増やしてコイル通
電時の起磁力(アンペア・ターン)を高めることがで
き、これによって励磁された外側磁極部及び内側磁極部
がロータマグネットの着磁部に作用する力は増加し、ロ
ータマグネットの回転力(起動力)を向上させることが
可能になる。
【0024】また、前記内側ヨーク8の内側磁極部8a
と8b間の径寸法D2を大きく形成する理由は、前述し
たようにロータマグネット1の円筒形状の半径方向の厚
さは非常に薄く構成できることから、ロータマグネット
1の円筒形状の半径方向の厚さを極力薄くし、その分、
ロータマグネット1の内径寸法を最大限に利用して内側
磁極部8aと8b間の径寸法D2を大きく形成し、内側
ヨーク8の内側磁極部8a、8bと対向する前記外側ヨ
ーク18の外側磁極部18a、18bとの距離を非常に
小さくできることにある。これによりコイル2と内側ヨ
ーク8と外側ヨーク18により形成される磁気回路の磁
気抵抗を小さく抑えて、コイルへの少ない通電電流で多
くの磁束を発生し、ロータマグネット1の回転力が向上
する。
【0025】外側磁極部18a、18bは切欠き穴と軸
と平行方向に延出する歯によって構成されている。この
構成により、モータの直径を最小限にしつつ磁極部の形
成が可能となる。つまり、もし外側磁極部の半径方向に
延びる凹凸で形成すると、その分モータの直径は大きく
なってしまうが、本実施例では、切欠き穴と軸と平行方
向に延出する歯により外側磁極部を構成しているのでモ
ータの直径を最小限に抑えることができる。
【0026】内側ヨーク8の内側磁極部8a、8b及び
外側ヨーク18の外側磁極部18a、18bは、ロータ
マグネット1の一端側の外周面及び内周面に対向してロ
ータマグネット1の一端側を挟み込むように設けられて
いる。また、内側ヨーク8の穴8dには、出力軸7の一
端部7dが回転可能に嵌合している。従って、コイル2
により発生する磁束は、内側磁極部8a、8b及び外側
磁極部18a、18bとの間のロータであるマグネット
1を横切るので、効果的にロータであるマグネットに作
用し、モータの出力を高める。
【0027】また、マグネット1は前述したように射出
成型により形成されるプラスチックマグネットが材料に
使用され、これにより、円筒形状の半径方向に関しての
厚さは非常に薄く構成できる。そのため、内側磁極部8
a、8b及び外側磁極部18a、18bの距離を非常に
小さくでき、コイル2と磁極部により形成される磁気回
路の磁気抵抗を小さくすることができる。これにより、
少ない電流で多くの磁束を発生することができ、モータ
の出力アップ、低消費電力化、コイルの小型化が達成さ
れることになる。
【0028】20は非磁性材料から成る円筒形状部材と
してのカバーであり、このカバー20の内径部20aに
は外側ヨーク18の外径部(外側磁極部18a、18b
が形成された部分)が嵌合し、接着材等で固定される。
出力軸7の軸部7aがカバー20の貫通穴20bを軸受
けとして回転可能に嵌合し、一端部7bが内側ヨーク8
の穴8dを軸受けとして回転可能に嵌合している。
【0029】図3〜図6は図1及び図2のモータの動作
を図2中の線3−3に沿った断面図を用いて順次示す説
明図である。図3〜図6において、Q1は外側ヨーク1
8の外側磁極部18aの中央を示し、Q2は外側磁極部
18bの中央を示し、Q3はロータマグネット1の回転
中心を示す。21、22は軟磁性材料から成る位置出し
ステータである。これらの位置出しステータ21、22
はカバー20の内径部20a(図2)に固着されてい
る。
【0030】位置出しステータ21、22はロータマグ
ネット1の外周面に対向している。一方の位置出しステ
ータ21は、図3に示すように、外側磁極部18a、1
8bの間であって外側磁極部18a寄りに位置してい
る。もう一つの位置出しステータ22は、図3に示すよ
うに、外側磁極部18a、18bの間であって外側磁極
部18b寄りに位置している。これらの位置出しステー
タ21、22は外側ヨーク18と接触しておらず、かつ
内側ヨーク8の内側磁極部8a、8bと対向していない
か、あるいは十分離れていることにより、コイル2に通
電しても外側磁極部18a、18bに比べほとんど磁化
されず、従って、ロータマグネット1を回転駆動させる
のには寄与しない。
【0031】位置出しステータ21、22を設けること
により、コイル2に通電しない時のマグネット1の停止
位置は図3に示す位置に設定される。すなわち、マグネ
ット1の着磁部の各極の中央K1、K2、K3、K4が
外側ヨーク18の外側磁極部18a、18bの中央とマ
グネット1の回転中心とを結ぶ直線L1からずれた位置
(図3に示す位置)に停止するように設定される。K2
に関しては角度θだけずれた位置に停止している。この
位置からコイル2に通電すると、前述したように位置出
しステータ21、22は励磁されず、外側磁極部18
a、18bと内側磁極部8a、8bが励磁され、励磁さ
れた外側磁極部18a、18bがマグネット1の着磁部
に作用する力は必ず該マグネット1の回転方向に向くこ
とになる。このため、マグネット(ロータマグネット)
1はスムーズに起動される。
【0032】位置出しステータ21、22を有しないモ
ータの場合は、コイル2に通電しない時にマグネット1
が安定的に停止する位置は図13または図14どちらか
になる。図13及び図14はこれら安定的に停止する二
つの位置を示す模式的断面図である。図13の位置で
は、マグネット1の着磁部の極の中央K1、K2、K
3、K4が外側磁極部の中央Q1、Q2とマグネット1
の回転中心Q3とを結ぶ直線上にあるため、コイル2に
通電しても電磁力はマグネット1を回転させる方向には
作用しない。
【0033】図14の位置では、コイル2の通電によっ
てマグネット1の起動は可能であるが、あるタイミング
で通電を変え続けない限りマグネット1を安定状態で回
転させることはできない。すなわち、図14の状態から
外側磁極部18a、18bを例えばN極に励磁した場
合、マグネット1が図13と同じ位置に停止してからコ
イル2への通電を逆方向に切り換え、外側磁極部18
a、18bをS極に励磁しても、図13で説明したとお
り、電磁力はマグネット1を回転させる方向には作用し
ない。位置出しステータ21、22は、ロータマグネッ
ト1と共働して該マグネット1を保持する保持手段を構
成している。また、位置出しステータ21、22は、外
側ヨーク18の外側磁極部18a、18bの間に位置し
ているので、モータのサイズを大きくすることなく構成
できる。
【0034】次に図3〜図6を参照して、以上説明した
本発明のステップモータの動作を説明する。図3の状態
からコイル2に通電して、外側ヨーク18の外側磁極部
18a、18bをN極、内側ヨーク8の内側磁極部8
a、8bをS極に励磁すると、ロータであるマグネット
1は図中の反時計方向に回転し、図4に示す状態にな
る。位置出しステータ21、22はコイル2によりほと
んど励磁されないので、実質的にはマグネット1の着磁
部と外側ヨーク18の外側磁極部18a、18b、内側
ヨーク8の内側磁極部8a、8bのコイル2による励磁
状態によりマグネット1の位置は決められ図4に示す状
態となる。
【0035】この状態からコイルへの通電を遮断する
と、マグネット1の磁力により安定する状態(図5の位
置)になる。
【0036】次に、コイル2への通電を反転させて、外
側ヨーク18の外側磁極部18a、18bをS極、内側
ヨーク8の内側磁極部8a、8bをN極に励磁すると、
ロータであるマグネット1はさらに反時計方向に回転
し、図6に示す状態になる。以降、このようにコイル2
への通電方向を順次切り替えていくことにより、ロータ
であるマグネット1は通電位相に応じた位置へと回転
し、モータが回転してゆくことになる。モータが回転し
ている状態からコイル2への通電を遮断すると、ロータ
マグネット1の磁力により安定する状態である図3の位
置に停止する。
【0037】以上説明した実施例によれば、モータの径
はマグネット1の外周面に外側ヨーク18の磁極部を対
向させるだけの大きさがあればよく、また、モータの長
さはマグネット1の長さにコイル2の長さを加えただけ
の長さがあれば良いことになる。このため、モータの大
きさはマグネット1及びコイル2の径と長さによって決
まることになり、マグネット1及びコイル2の径と長さ
をそれぞれ非常に小さくすることでモータを超小型化す
ることができる。すなわち、モータの径はマグネット1
の外周面に対向する外側磁極部18a、18bで実質的
に決められ、モータの軸方向の長さはコイル2及びロー
タマグネット1を軸方向に並べる(配置する)ことで決
められ、モータを非常に小型化することができる。
【0038】また、コイル2により発生する磁束は、外
側ヨークと内側ヨークとの間にあるマグネットを横切る
ので、効果的に作用する。さらに、ロータマグネット1
とマグネット1の外周面に対向する位置出しステータ2
1、22とで構成される保持手段を設けたので、コイル
2への非通電時に、マグネット1の極の中心が外側ヨー
クの中心とマグネット1の回転中心Q3とを結ぶ直線上
からずれた位置にマグネット1を保持することができ、
従って、モータの停止時からコイル2への最初の通電時
にはコイル2から発生する磁束がマグネット1に作用す
る力は、マグネット1の回転中心に向かわず、円滑で安
定したモータの起動を行うことが可能になる。
【0039】また、部品数も、ロータマグネット1、コ
イル2、内側ヨーク8、外側ヨーク18及び出力軸7と
いった非常に少ない部品点数でモータを構成することが
でき、コストを低く抑えることができる。また、ロータ
マグネット1を中空の円筒形状に形成し、この中空の円
筒形状に形成されたロータマグネット1の外周面及び内
周面に外側磁極部18a、18b及び内側磁極部8a、
8bを対向させることにより、モータとしての効果的な
出力を得ることができる。前記出力軸7は、ロータであ
るマグネット1の中心孔の嵌合部1eに圧入にて固着さ
れている。ロータマグネット1は射出成型によるプラス
チックマグネットから成るため、圧入による組立でも、
ロータマグネット1に割れが発生することはなく、ま
た、軸方向中央部に内径が小なる嵌合部1eを設けると
いう複雑な形状でも容易に製造することができる。ま
た、出力軸7とマグネット1は圧入にて固着されるの
で、組立が容易で安価に製造することが可能となる。
【0040】次に、以上の実施例で説明した構成のステ
ップモータがモータを超小型化する上で最適な構成であ
ることについて、さらに説明する。ステップモータの基
本構成において、第1に、ロータマグネット1を中空の
円筒形状にしていること、第2に、ロータマグネット1
の外周面を周方向に複数分割して異なる極を交互に着磁
していること、第3に、ロータマグネット1の軸方向に
コイル2を並べて配置していること、第4に、コイル2
により励磁される外側ヨーク18の外側磁極部18a、
18b及び内側ヨーク8の内側磁極部8a、8bをロー
タマグネット1の外周面及び内周面に対向させているこ
と、第5に、外側磁極部18a、18bを切欠き穴と軸
と平行方向に延出する歯により形成していること、第6
に、内側ヨーク8の小径部8eの体積を小さくして、そ
の周囲にコイル2が存分に巻回されていること、第7
に、コイル2に通電していない時には、ロータマグネッ
ト1の極の中央が外側磁極部18a、18bの中心とマ
グネット1の回転中心Q3とを結ぶ直線上からずれた位
置に該ロータマグネット1を保持する保持手段を備えて
いることである。
【0041】このステップモータ(モータ)の径は、ロ
ータマグネット1の径に外側ヨーク18の磁極部を対向
させるだけの大きさがあれば良く、また、このステップ
モータの長さは、ロータマグネット1の長さにコイル2
の長さを加えるだけの長さがあれば良いことになる。そ
のため、ステップモータの大きさはロータマグネット1
及びコイル2の径と長さによって決まることになり、ロ
ータマグネット1及びコイル2の径と長さをそれぞれ非
常に小さくすれば、ステップモータを超小型化にするこ
とができる。
【0042】この時、ロータマグネット1及びコイル2
の径と長さをそれぞれ非常に小さくすると、ステップモ
ータとしての精度を維持することが難しくなるが、実施
例においては、ロータマグネット1を中空の円筒形状に
形成し、この中空の円筒形状に形成されたロータマグネ
ット1の外周面及び内周面に外側磁極部18a、18b
及び内側磁極部8a、8bを対向させる単純な構成によ
り、ステップモータの精度の問題を解決している。その
場合、ロータマグネット1の外周面だけでなく、ロータ
マグネット1の内周面も円周方向に複数に分割して着磁
したり、或いは内側ヨーク8の軸部8eの体積を極力小
さくして、コイル2を存分に巻回してコイル通電時の起
磁力(アンペア・ターン)を大きくすればモータ出力を
高めることができる。
【0043】また、ロータマグネット1をずれた位置に
保持する保持手段を設けるので、モータの停止時からコ
イル2への通電(最初の通電)する際に、コイル2から
の磁束によりマグネット1に作用する力はマグネット1
の回転中心に向かわないようになり、そのため円滑で安
定したモータの起動を行うことができる。
【0044】また、ロータマグネット1は前述のように
射出成型により形成されるプラスチックマグネット材料
により構成されており、これにより円筒形状の半径方向
に関しての厚さは非常に薄く構成することができる。そ
のため、外側ヨーク18の外側磁極部18a、18b及
び内側ヨーク8の内側磁極部8a、8bとの距離を非常
に小さくすることができ、コイル2と外側ヨーク18、
内側ヨーク8により形成される磁気回路の磁気抵抗を小
さくすることができる。これにより、少ない電流で多く
に磁束を発生させることができ、モータの出力アップ、
低消費電力化、コイルの小型化を達成することが可能に
なる。
【0045】繰返すが、本実施例においては、内側ヨー
ク8の軸部8eの体積が、外側ヨーク18と磁気的に接
続されるだけの必要最小限でよく、内側ヨーク8の小径
部8eの周囲に存分にコイル2を巻回させられ、従っ
て、コイル2の巻数を増やしてコイル通電時の起磁力
(アンペア・ターン)を高めることができる。これによ
って励磁された外側磁極部及び内側磁極部がロータマグ
ネットの着磁部に作用する力は増加し、ロータマグネッ
トの回転力(起動力)を向上させることが可能になる。
【0046】また、ロータマグネット1の円筒形状の半
径方向の厚さは非常に薄く構成できることから、ロータ
マグネット1の円筒形状の半径方向の厚さを極力薄く
し、その分、ロータマグネット1の内径寸法を最大限に
利用して内側磁極部8aと8b間の径寸法D2を大きく
形成し、前記内側ヨーク8の内側磁極部8aと8bと対
向する外側ヨーク18の外側磁極部18a、18bとの
距離を非常に小さくでき、これによりコイル2と内側ヨ
ーク8と外側ヨーク18により形成される磁気回路の磁
気抵抗を小さく抑えて、コイルへの通電電流で多くの磁
束を発生し、ロータマグネット1の回転力が向上する。
【0047】(実施例2)図7は本発明を適用したモー
タの別の実施例の分解斜視図であり、図8は図7の別の
実施例に係るモータの縦断面図であり、図9〜図12は
図7及び図8のモータの動作を図8中の線9−9に沿っ
た断面図を用いて順次示す説明図である。
【0048】本実施例もモータがステップモータである
場合を示す。本実施例では、外側ヨーク18の外側磁極
部18a、18bをさらに延ばして保持手段が構成され
ている特徴を持つが、コイル2の内径D1が内側ヨーク
8の内側磁極部8aと8b間の径寸法D2より小さく形
成され、内側ヨーク8の小径部8eの周囲に存分にコイ
ル2を巻回させられる点、内側ヨーク8の内側磁極部8
a、8bと対向する外側ヨーク18の外側磁極部18
a、18bとの距離を非常に小さくできる点について
は、前述の実施例と同等である。従って、ロータマグネ
ット1の回転力を向上させることが可能と言える。
【0049】前述の実施例と異なる構成について以下に
説明する。外側磁極部18a、18bは内側磁極部8
a、8bと対向する18a1、18b1と延ばした部分
の18a2、18b2からなる。この延出部18a2、
18b2は、内側磁極部8a、8bと対向していないの
で、コイル2に通電しても対向部18a1、18b1に
比べほとんど磁化されず、従って駆動力を発生しない。
【0050】ロータマグネット1は、図7に示すよう
に、外側磁極部18a、18bの延出部18a1、18
b1に対向する部分Eと延出部18a2、18b2に対
向する部分Dとで着磁位相を変えている。これにより、
図9に示すようにコイル2へ通電していない時には、マ
グネット1のE部分外側磁極部18a、18bのコイル
2により磁化される磁化部18a1、18b1の中心と
マグネット1の回転中心Q3とを結ぶ直線上からずれた
位置に保持される。一方、延出部18a2、18b2
は、内側磁極部8a、8bと対向していないので、コイ
ル2に通電しても磁化部18a1、18b1に比べほと
んど磁化されず、駆動力を発生しない。従って、コイル
2への通電によってコイル2から発生する磁束は実質的
には磁化部18a1、18b1と内側磁極部8a、8b
とを通過するので、ロータマグネットのに作用する力は
ロータマグネット1の回転中心に向かない。そのため、
モータを安定してスムーズに起動することができる。
【0051】延出部18a2、18b2は、コイル2に
通電しても、磁化部18a1、18b1に比べてほとん
ど磁化されず、コイル2への通電により発生する駆動力
にほとんど影響を及ぼさない。そのため、モータから十
分に安定した出力を取り出すことができる。本実施例で
は、マグネット1の極の中央が外側磁極部18a、18
bの中央とマグネット1の回転中心Q3とを結ぶ直線上
からずれた位置に該マグネット1を保持する手段は、マ
グネット1の外周面に対向する延出部18a2、18b
2によって構成されている。
【0052】この延出部18a2、18b2は、前述の
位置出しステータ21、22に対応するものであり、外
側磁極部18a、18bと一体的に形成された位置出し
ステータを形成している。
【0053】次に、図9〜図12を参照して、本実施例
によるモータ(スッテプモータ)の動作を説明する。図
9の状態からコイル2に通電して、外側ヨーク18の外
側磁極部18a、18bをN極とし、内側磁極部8a、
8bをS極に励磁すると、ロータであるマグネット1は
図中の反時計方向に回転し、図10に示す状態になる。
【0054】前述の位置出しステータ21、22に相当
する延出部18a2、18b2は、コイル2によりほと
んど励磁されないので、実質的にはマグネット1の着磁
部と外側ヨーク18の外側磁極部18a、18b、内側
磁極部8a、8bのコイル2による励磁状態によりマグ
ネット1の位置に決められた図10に示す状態となる。
【0055】この状態からコイル2への通電を遮断する
と、マグネット1の磁力により、図11の安定状態にな
る。
【0056】次に、コイル2への通電を反転させて、外
側ヨーク18の外側磁極部18a、18bをS極とし、
内側磁極部8a、8bをN極に励磁すると、ロータであ
るマグネット1はさらに反時計方向に回転し、図12に
示す状態になる。以降、このようにコイル2への通電方
向を順次切り換えていくことにより、ロータであるマグ
ネット1は通電位相に応じた位置へと回転し、モータが
回転することになる。
【0057】モータが回転している状態からコイル2へ
の通電を遮断すると、ロータマグネット1の磁力により
安定状態の位置である図9の位置に停止する。図7〜図
12の実施例は、以上で説明した点で図1〜図6の実施
例と相違している。従って、図7〜図12の実施例によ
れば、図1〜図6の実施例と同様の効果が得られる他に
次のような効果を奏することができる。図7〜図12の
実施例によれば、保持手段は外側ヨーク18の外側磁極
部と一体的に形成された延出部18a2、18b2とマ
グネット1により構成されているので、さらに、部品点
数を少なく組み立てることが容易になり、コストも低減
することができる。
【0058】また、前述の実施例と同様、このステップ
モータの径はマグネット1の外周面に外側ヨーク18の
外側磁極部を対向させるだけの大きさがあればよく、ま
た、モータの長さはマグネット1の長さにコイル2の長
さを加えただけの長さがあれば良いことになる。このた
め、モータの大きさは、マグネット1及びコイル2の径
と長さによって決まることになり、マグネット1及びコ
イル2の径と長さをそれぞれ非常に小さくすることでモ
ータを超小型化できる。
【0059】この時、マグネット1及びコイル2の径と
長さをそれぞれ非常に小さくすると、ステップモータと
しての精度を維持することが難しくなるが、この中空に
円筒形状に形成されたマグネット1の外周面及び内周面
に外側ヨーク18の外側磁極部18a、18b及び内側
ヨーク8の内側磁極部8a、8bを対向させるという単
純な構造によりステップモータの精度の問題を解決する
ことができる。その際、マグネット1の外周面だけでな
く、該マグネットの内周面も円周方向に複数に分割して
着磁すれば、モータの出力をさらに高めることができ
る。なお、以上の実施例では内側ヨーク8の大径部の先
端位置に軸受けとしての穴8dを設けているが、この大
径部の長さを非常に短くしてコイル2側まで引っ込んだ
状態にして穴8dを設けるようにしても良く、穴8dの
位置は図示位置からコイル2側まで引っ込んだ位置まで
の間ならどこでも良いものである。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
によれば、第1に、モータは、少なくとも外周面が周方
向に交互に異なる局に着磁された回転可能なロータマグ
ネットと、該ロータマグネットに対して空隙をもって対
向する円筒形の外側ヨークと、切り欠いた円筒形の内側
磁極部を持つ柱形状の内側ヨークと、該内側ヨークの柱
形状小径部の周囲に巻回されたコイルと、を備え、前記
内側ヨークの柱形状の小径部の根元で前記外側ヨークと
磁気的に接続され、前記内側ヨークの柱形状の大径部先
端の外周面を前記ロータマグネットの内周面に対向さ
せ、前記ロータマグネットの回転軸端部を前記内側ヨー
クの柱形状の大径部の先端の穴で受け、前記ロータマグ
ネットの極の中心が前記外側ヨークと該ロータマグネッ
トの回転中心とを結ぶ直線上からずれた位置に該ロータ
マグネットを保持する保持手段が設けられている構成と
したので、本発明によるモータは、内側ヨークに内側磁
極部分の径より小さい小径部を形成し、この小径部の径
を小さくしただけコイルを巻装するスペースを広く確保
し、この小径部にコイルを厚く巻装できるようにして高
出力な1相モータとすることができるものである。
【0061】また、モータの径は前記ロータマグネット
の径に前記外側ヨークの外側磁極部を対向させるだけの
大きさがあればよく、モータの長さは前記ロータマグネ
ットの長さに前記コイルの長さを加えただけの長さがあ
れば良いことからロータマグネット及びコイルの径と長
さを非常に小さくしてモータを超小型化でき、また、前
記保持手段を設けることによって、前記コイルへ通電し
ない時のロータマグネットの停止位置は、該ロータマグ
ネットの着磁部の各極の中心が前記外側磁極部の中心と
該ロータマグネットの回転中心とを直線上からずれた位
置になり、この位置からコイルに通電することで外側ヨ
ークがロータマグネットの着磁部に作用する力は必ずロ
ータマグネットの回転方向に向くようになり、それによ
ってロータマグネットをスムーズに起動することが可能
になる。
【0062】さらに、前記内側ヨークの柱形状の根元の
体積は、前記外側ヨークと磁気的に接続されるだけの必
要最小限で良いことから、内側ヨークの柱形状の周囲に
存分に前記コイル巻回させ、コイル巻数を増やしてコイ
ル通電時の起磁力(アンペア・ターン)を高めることが
できる。これによって励磁された外側磁極部及び内側磁
極部がロータマグネットの着磁部に作用する力は増加
し、ロータマグネットの回転力(起動力)を向上させる
ことが可能になる。また、前記内側ヨークの対向する内
側磁極部の径寸法を前記ロータマグネットの内径寸法内
で最大限に大きくすること、ロータマグネットの円筒形
状の半径方行の厚さを非常に薄く構成することによっ
て、前記内側ヨークの内側磁極部と対向する前記外側ヨ
ークの外側磁極部との距離を非常に小さくできる。これ
によりコイル2と内側ヨークと外側ヨークにより形成さ
れる磁気回路の磁気抵抗を小さく抑えて、少ないコイル
への通電電流で多く磁束を発生し、ロータマグネットの
回転力が向上する。
【0063】本発明によれば、第2に、モータは前記内
側ヨークの柱形状小径部の周囲に巻回されたコイルの内
径をD1、前記内側ヨークの前記ロータマグネットの内
周に対向する部分の直径をD2とすると、D1<D2に
なるよう構成したので、一層効率良く上記効果が期待で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を適用したモータの実施例1の
模式的分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明を適用したモータの実施例1の
縦断断面図である。
【図3】図3は、図2中の線3−3の断面図を用いてモ
ータの動作を示す説明図である。
【図4】図4は、図2中の線3−3の断面図を用いてモ
ータの動作を示す説明図である。
【図5】図5は、図2中の線3−3の断面図を用いてモ
ータの動作を示す説明図である。
【図6】図6は、図2中の線3−3の断面図を用いてモ
ータの動作を示す説明図である。
【図7】図7は、本発明を適用したモータの実施例2の
模式的分解斜視図である。
【図8】図8は、本発明を適用したモータの実施例2の
縦断断面図である。
【図9】図9は、図8中の線9−9の断面図を用いてモ
ータの動作を示す説明図である。
【図10】図10は、図8中の線9−9の断面図を用い
てモータの動作を示す説明図である。
【図11】図11は、図8中の線9−9の断面図を用い
てモータの動作を示す説明図である。
【図12】図12は、図8中の線9−9の断面図を用い
てモータの動作を示す説明図である。
【図13】図13は、保持手段を備えないモータにおけ
るコイル非通電時のマグネットの一つの安定停止状態を
示す説明図である。
【図14】図14は、保持手段を備えないモータにおけ
るコイル非通電時のマグネットの他の安定停止状態を示
す説明図である。
【図15】図15は、従来の円筒形状の小型ステップモ
ータの構成例を示す縦断面図である。
【図16】図16は、図15のモータのステータの状態
を示す部分断面図である。
【図17】図17は、時計などで使用されている1個の
コイルで駆動するステップモータを例示する平面図であ
る。
【符号の説明】
1 ロータマグネット 2 コイル 7 出力軸 8 内側ヨーク 8a、8b 内側磁極部 18 外側ヨーク 18a、18b 外側磁極部 18a1、18b1 磁化部 18a2、18b2 延出部 20 連結リング 21、22 位置出しステータ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒形状に形成され、少なくともその外周
    面を周方向に異なる極に交互に着磁されたロータマグネ
    ットと、 前記ロータマグネットの軸方向に設けられたコイルと、 前記ロータマグネットの外周面に対向する外側磁極部分
    とその他の部分とを有し、前記コイルにより励磁される
    外側ヨークと、 前記ロータマグネットの内周面に対向する内側磁極部分
    とその他の部分とを有し、前記コイルにより励磁される
    内側ヨークと、 前記コイルにより前記外側ヨーク及び前記内側ヨークが
    励磁されていない際に前記ロータマグネットの極の中心
    が前記外側磁極部分の中心と前記ロータマグネットの回
    転の中心とを結ぶ線からずれた位置に前記ロータマグネ
    ットを保持する保持手段とを備え、 前記内側ヨークのその他の部分の径は内側磁極部分の径
    より小さく形成され前記コイルの巻装するスペースを広
    く形成しコイルを厚く巻装していることを特徴とするモ
    ータ。
  2. 【請求項2】前記外側ヨークと前記内側ヨークはステー
    タを形成し、前記保持手段は前記ステータの前記外側磁
    極部分に隣接して設けられる位置出しステータを有して
    いることを特徴とする請求項1記載のモータ。
  3. 【請求項3】前記外側ヨークの外側磁極部分は円筒形状
    のカバーの内側に固定され、該カバーからは前記ロータ
    マグネットに固定された回転軸が取り出されていること
    を特徴とする請求項2記載のモータ。
  4. 【請求項4】前記回転軸の一端側の軸受けが前記カバー
    に設けられ、前記回転軸の他端側の軸受けが前記内側ヨ
    ークの先端部に設けられることを特徴とする請求項3記
    載のモータ。
  5. 【請求項5】前記内側ヨークのその他の部分に巻装され
    たコイルは内径をD1とし、前記内側ヨークの内側磁極
    部分の径をD2とすると、D1<D2となることを特徴
    とする請求項1記載のモータ。
  6. 【請求項6】前記マグネットは、その外周面を周方向に
    異なる極に交互に着磁された着磁層に対し、位相をずら
    して少なくともその外周面を周方向に異なる極に交互に
    着磁された他の着磁層を有し、前記保持手段は前記外側
    磁極部分から延出し、前記マグネットの他の着磁層の外
    周面に対向する延出部を有していることを特徴とする請
    求項6記載のモータ。
  7. 【請求項7】円筒形状に形成され、少なくともその外周
    面を周方向に異なる極に交互に着磁されたロータマグネ
    ットと、 前記ロータマグネットの外周面に対向する外側磁極部分
    を有する外側ヨークと、 前記ロータマグネットの内周面に対向する内側磁極部分
    を有するとともに前記外側ヨークと磁気的に接続するた
    めの小径部を有する内側ヨークと、 前記内側ヨークの小径部に巻装され、前記記外側ヨーク
    及び前記内側ヨークを励磁するコイルと、 前記コイルにより前記外側ヨーク及び前記内側ヨークが
    励磁されていない際に前記ロータマグネットの極の中心
    が前記外側磁極部分の中心と前記ロータマグネットの回
    転の中心とを結ぶ線からずれた位置に該ロータマグネッ
    トを保持する保持手段とを備え、 該内側ヨークの小径部は前記内側磁極部分の径より小さ
    く形成され、前記コイルの巻装するスペースを広く形成
    しコイルを厚く巻装していることを特徴とするモータ。
  8. 【請求項8】円筒形状に形成され、少なくともその外周
    面を周方向に異なる極に交互に着磁されたロータマグネ
    ットと、 前記ロータマグネットの外周面に対向する外側磁極部分
    を有する外側ヨークと、 前記ロータマグネットの内周面に対向する内側磁極部分
    を有するとともに、前記外側ヨークと磁気的に接続する
    ための小径部を有する内側ヨークと、 前記内側ヨークの小径部に巻装され、前記記外側ヨーク
    及び前記内側ヨークを励磁するコイルと、 前記コイルにより前記外側ヨーク及び前記内側ヨークが
    励磁されていない際に前記ロータマグネットの極の中心
    が前記外側磁極部分の中心と前記ロータマグネットの回
    転の中心とを結ぶ線からずれた位置に前記ロータマグネ
    ットを保持する保持手段と、 前記外側ヨークの外側磁極部分を内側に固定し、前記ロ
    ータマグネットに固定された回転軸の一端軸受け部が形
    成され円筒形状のカバーとを備え、 前記内側ヨークは前記回転軸の他端軸受け部を形成する
    とともに、前記小径部は前記内側磁極部分の径より小さ
    く形成され、前記コイルの巻装スペースを広く形成しコ
    イルを厚く巻装しているこを特徴とするモータ。
  9. 【請求項9】前記内側ヨークに形成される前記回転軸の
    他端軸受け部は前記コイルが巻装される位置から内側磁
    極部分の先端部迄の位置の間に設けられることを特徴と
    する請求項8記載のモータ。
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