JP2000231314A - クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置

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JP2000231314A
JP2000231314A JP11031894A JP3189499A JP2000231314A JP 2000231314 A JP2000231314 A JP 2000231314A JP 11031894 A JP11031894 A JP 11031894A JP 3189499 A JP3189499 A JP 3189499A JP 2000231314 A JP2000231314 A JP 2000231314A
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English (en)
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Masahiro Sato
昌宏 佐藤
Akihisa Maruyama
彰久 丸山
Osamu Handa
修 半田
Shigehiko Hasenami
茂彦 長谷波
Yoshinori Nakano
良則 中野
Katsuya Takenouchi
勝也 竹野内
Tomoki Kutsuwada
知己 轡田
Yasutomo Ishii
康友 石井
Satoshi Matsuzaka
聡 松坂
Yoshihiro Enomoto
嘉博 榎本
Junichiro Samejima
淳一郎 鮫島
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 クリーニング用の弾性ブレードに欠けや
反転(めくれ)等の損傷が発生するのを抑制することが
でき、クリーニング用弾性ブレードの長寿命化が可能で
あるとともに、良好な画質の画像形成が可能なクリーニ
ング装置及びこれを用いた画像形成装置を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 クリーニング時、前記弾性ブレードが被
清掃部材表面への圧接を開始してから所定の圧接状態と
なるまで、弾性ブレードと被清掃部材との間に生じる不
安定な接触状態を抑制するように構成して課題を解決し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子写真複写
機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真プロセスを
利用した画像形成装置であって、画像形成手段によって
順次形成される色の異なるトナー像を中間転写体上に一
旦多重に転写した後、当該中間転写体上に多重に転写さ
れたトナー像を転写部材上に一括して二次転写すること
により、画像を形成する画像形成装置などに使用される
クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置に関
し、特に、中間転写体上に残留したトナー等の付着物を
除去するクリーニング装置、及びこれを用いた画像形成
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記電子写真プロセスを利用した
複写機やプリンター等の画像形成装置としては、例え
ば、次に示すようなものがある。この複写機やプリンタ
ー等の画像形成装置は、図32に示すように、感光体ド
ラム100の表面を一次帯電用のスコロトロン101に
よって所定の電位に一様に帯電した後、当該感光体ドラ
ム100の表面に所定の色に対応した画像をROS(R
aster OutputScanner)102によ
って走査露光することにより静電潜像を形成する。そし
て、上記画像形成装置は、感光体ドラム100の表面に
形成された静電潜像を、ロータリー現像装置103の対
応する色の現像器103Y、103M、103C、10
3BKによって現像することにより、感光体ドラム10
0上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等のトナ
ー像を順次形成する。その後、上記画像形成装置は、感
光体ドラム100上に順次形成されるイエロー、マゼン
タ、シアン、ブラック等のトナー像を、中間転写ベルト
104上に互いに重ね合わせた状態で一次転写し、この
中間転写ベルト104上に多重に転写された所定の色数
のトナー像を、バックアップロール105と二次転写ロ
ール106との圧接力及び静電気力によって転写用紙1
07上に一括して転写した後、定着装置108によって
所定の色数の未定着トナー像を転写用紙107上に定着
することにより、カラー又は白黒の画像を形成するよう
に構成したものである。
【0003】また、上記複写機やプリンター等の画像形
成装置は、所定の色数の未定着トナー像の転写用紙10
7上への二次転写が終了した後、中間転写ベルト104
上に付着したトナーや紙粉等を、ポリウレタン等の弾性
体からなるクリーニングブレード109を備えたクリー
ニング装置110によって除去することにより、次の画
像形成工程に備えるように構成されている。なお、上記
クリーニング装置110のクリーニングブレード109
は、例えば、中間転写ベルト104を回動可能に支持す
る複数のロールのうち、当該中間転写ベルト104を駆
動する駆動ロール111の近傍において、中間転写ベル
ト104の表面に圧接するように配設されている。
【0004】ところで、かかる画像形成装置において
は、カラーの画像を形成する際に、図32に示すよう
に、感光体ドラム100上に順次形成されるイエロー、
マゼンタ、シアン、ブラック等のトナー像を、中間転写
ベルト104上に互いに重ね合わせた状態で転写する必
要がある。そのため、上記中間転写ベルト104の表面
を清掃するクリーニング装置110のクリーニングブレ
ード109は、通常、図33(a)に示すように、中間
転写ベルト104からリトラクト(離間)した位置に退
避しており、最終的なトナー像が転写用紙107上に二
次転写された後に、図33(b)に示すように、中間転
写ベルト104の表面に接触を開始し、図33(c)に
示すように、中間転写ベルト104の表面に所定の圧接
力でアドバンス(当接)した状態で停止し、当該中間転
写ベルト104の表面に残留したトナー等の付着物を除
去するように構成されている。そして、上記画像形成装
置において、続けて、カラー画像等の形成を行う場合に
は、中間転写ベルト104表面の清掃工程を終了したク
リーニングブレード109が、中間転写ベルト104が
移動している間に当該中間転写ベルト104からリトラ
クト(離間)するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
の場合には、次のような問題点を有している。すなわ
ち、上記従来の画像形成装置の場合には、図33に示す
ように、中間転写ベルト104の表面を清掃するクリー
ニングブレード109が、当該中間転写ベルト104が
移動している間にアドバンス(当接)とリトラクト(離
間)の動作を行う必要がある。その際、上記クリーニン
グブレード109は、図34に示すように、そのエッジ
109aが中間転写ベルト104の表面に接触を開始す
ると、ブレードエッジ109aと中間転写ベルト104
表面との間に、両者の間の動摩擦係数によって決まる摩
擦力Fmが発生する。そして、上記クリーニングブレー
ド109のブレードエッジ109aが中間転写ベルト1
04の表面に更に圧接すると、この圧接力の増加に伴っ
てブレードエッジ109aと中間転写ベルト104表面
との間に生じる摩擦力Fmが増大し、図34に示すよう
に、この摩擦力Fによってブレードエッジ109aが中
間転写ベルト104の移動方向に沿って引っ張られる現
象が発生する。上記ブレードエッジ109aを含むブレ
ード109の先端部分は、クリーニングブレード109
の端部に位置するため、中間の部分に比べて変形し易
く、上記の如く中間転写ベルト104の移動方向に沿っ
て引っ張られると、当該ブレードエッジ109aやその
周囲の部分に欠けや反転(めくれ)等のダメージが発生
するという問題点があった。
【0006】また、上記クリーニングブレード109
は、図34に示すように、そのブレードエッジ109a
が中間転写ベルト104の表面に更に圧接すると、この
圧接力の増加に伴ってブレードエッジ109aと中間転
写ベルト104表面との間に生じる摩擦力Fmが増大
し、ブレードエッジ109aの変形量も次第に大きくな
る。すると、上記クリーニングブレード109は、ポリ
ウレタン等の弾性体からなるため、ブレードエッジ10
9a及びその周囲の部分が大きく変形すると、この変形
量に応じてブレードを構成する弾性体の反発弾性に基づ
く反発弾性力Fpが、ブレードエッジ109aの内部に
内部応力として作用する。そして、このブレードエッジ
109a及びその周囲部分の内部に発生する反発弾性力
Fpが摩擦力Fmを上回ると、ブレードエッジ109a
は、図34(b)に示すように、この反発弾性力Fpに
よって瞬時に元の形状に復帰する。
【0007】このように、上記クリーニングブレード1
09は、図35に示すように、中間転写ベルト104の
表面に接触を開始してから所定の圧接状態となるまでの
間、ブレードエッジ109aに中間転写ベルト104の
移動方向に沿った引張力Fmが作用したり、ブレードエ
ッジ109aが中間転写ベルト104の移動方向に変形
するとともに、ある程度変形すると元の形状に復帰する
所謂”スティックスリップ”現象を繰り返すことにな
る。そのため、クリーニングブレード109は、図34
に示すように、中間転写ベルト104の表面に接触を開
始してから所定の圧接状態となるまでの間、非常に不安
定な状態で中間転写ベルト104の表面に接触し、ブレ
ードエッジ109a及びその周囲の部分には、応力と歪
みが繰り返し作用する。その結果、上記クリーニングブ
レード109は、ブレードエッジ109aが繰り返し応
力によっても一層ダメージを受け、当該ブレードエッジ
109aに欠けや反転等の損傷が発生し、クリーニング
ブレード109の寿命が短くなるとともに、クリーニン
グ不良等の発生により画質欠陥が発生するという問題点
があった。
【0008】なお、図36はブレードエッジ109aに
欠けや反転等の損傷が発生した状態を、電子顕微鏡で撮
影したものを、模式図的に表したものである。
【0009】また、上記従来の画像形成装置において
は、普通紙以外のOHPシートやハガキ等の厚紙からな
る転写用紙107に対しても、画像を形成することがで
きるように構成されており、これらのOHPシートやハ
ガキ等の厚紙からなる転写用紙107に画像を形成する
場合には、当該転写用紙107に中間転写ベルト104
上からトナー像を転写する際に、図37に示すように、
普通紙モードに比べて中間転写ベルト104の移動速度
を1/3以下に減速させ、中間転写ベルト104上のト
ナー像を良好にOHPシートやハガキ等の厚紙からなる
転写用紙107に転写・定着することができるように構
成されている。
【0010】その際、上記中間転写ベルト104の表面
を清掃するクリーニングブレード109を、アドバンス
及びリトラクトさせる駆動モータは、他の画像形成手段
を駆動する駆動モータと兼用されるため、OHPシート
やハガキ等の厚紙モードにおいては、図37に示すよう
に、クリーニングブレード109を中間転写ベルト10
4の表面にアドバンス乃至リトラクトさせる速度が大幅
に遅くなる。
【0011】そのため、クリーニングブレード109
は、中間転写ベルト104の表面に接触を開始してから
所定の圧接状態となるまでの間の不安定な状態が長くな
るため、特にOHPシートやハガキ等の厚紙モードにお
いては、ブレードエッジ109aに欠けや反転等の損傷
が発生しやすく、クリーニングブレード109の寿命が
短くなるとともに、クリーニング不良等の発生により画
質欠陥が顕著に発生するという問題点があった。
【0012】さらに、上記従来の画像形成装置において
は、図38及び図39に示すように、カラーモード及び
白黒モードのいずれにおいても、中間転写ベルト104
が駆動されて当該中間転写ベルト104の移動速度が所
定の値になってから、当該中間転写ベルト104の表面
にクリーニングブレード109がアドバンス(当接)す
るように構成されているため、その分だけクリーニング
ブレード109が移動中の中間転写ベルト104に接離
する回数が多くなり、やはり、ブレードエッジ109a
に欠けや反転等の損傷が発生しやすく、クリーニングブ
レード109の寿命が短くなるとともに、クリーニング
不良等の発生により画質欠陥が顕著に発生するという問
題点があった。
【0013】かかるクリーニングブレードのブレードエ
ッジに欠けや反転等の損傷が発生するのを防止するのに
関連する技術としては、例えば、特開平5−21638
3号公報、特開平7−210055号公報、特開平8−
62998号公報、特開平8−339129号公報、特
開平9−62113号公報及び特開平10−16147
3号公報など種々のものが提案されている。
【0014】上記特開平5−216383号公報に係る
クリーニング装置は、感光体のクリーニングに関するも
のであるが、円筒状の感光体に対して、当接する位置
と、離間した位置の2つの位置をとるクリーニングブレ
ードを有するクリーニング装置において、クリーニング
ブレードの感光体と当接するエッジ部に加えられる圧力
の方向と、クリーニングエッジ部と感光体中心とを結ぶ
線(法線)の方向とのなす角度を10°以下とするよう
に構成したものである。
【0015】また、上記特開平7−210055号公報
に係るクリーニング装置は、像担持体周面に残留するト
ナーを掻き落としてクリーニングするブレードと、この
ブレードをクリーニング時に前記像担持体に当接するた
めの当接手段と、この当接されたブレードをクリーニン
グ後に前記像担持体から離して当接解除するための解除
手段を設けたクリーニング装置において、前記解除手段
により前記像担持体kらの前記ブレードの当接を解除す
る解除速度を40mm/sec以下に設定するように構
成したものである。
【0016】さらに、上記特開平8−62998号公報
に係るクリーニング装置は、中間転写ベルト表面へのゴ
ムブレード及び入口シール部材の当接・離間動作をそれ
ぞれ独立して行い、中間転写ベルト表面へのゴムブレー
ドと入口シール部材との当接開始時間差T1、中間転写
ベルト表面からのゴムブレードと入口シール部材との離
間開始時間差T2、中間転写ベルト表面へのゴムブレー
ドの当接速度V1、中間転写ベルトからのゴムブレード
の離間速度V1’、中間転写ベルト表面への入口シール
部材の当接速度V2、中間転写ベルトからの入口シール
部材の離間速度V2’、の関係を、0≠t1<T2、且
つV1=V1’、且つV2=V2’とするように構成し
たものである。
【0017】また更に、上記特開平8−339129号
公報に係る画像形成装置は、像担持体と、この像担持体
上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像を可視像化
する現像手段と、該可視像が転写される転写材を担持し
搬送する無端状転写手段と、該無端状転写手段の移動方
向に対しカウンター方向に配置され上記無端状転写手段
の表面をクリーニングするクリーニング手段と、上記像
担持体と上記無端状転写手段とを相対的に接離させる接
離手段とを有する画像形成装置において、上記無端状転
写手段が移動状態にある時は、上記接離手段により上記
像担持体と上記無端状転写手段を常に接触させるように
構成したものである。
【0018】さらに、上記特開平9−62113号公報
に係る画像形成機の転写装置は、クリーニングブレード
が、転写ベルトのクリーニングローラとの接触中心より
上流側において圧接するとともに、該圧接部における該
転写ベルトの裏面を該クリーニングローラの周面に該接
触中心より5度乃至90度回転方向上流側に接触せしめ
るように構成したものである。
【0019】また、上記特開平10−161473号公
報に係る画像形成装置は、クリーニング手段が73°以
上のゴム硬度を持つゴムブレードを有するものであり、
感光体ドラムが、該ドラムの回転最大ぶれ幅rが所定の
関係式を満足するように構成したものである。
【0020】しかしながら、特開平5−216383号
公報、特開平7−210055号公報、特開平8−62
998号公報、特開平8−339129号公報、特開平
9−62113号公報及び特開平10−161473号
公報などに開示された技術は、いずれも、中間転写ベル
トが移動している間に、クリーニングブレードが当該中
間転写ベルトの表面に接離する際に、クリーニングブレ
ードのエッジ部に発生する欠けや反転等の損傷を効果的
に防止することができるものではない。
【0021】そこで、この発明は、上記従来技術の問題
点を解決するためになされたものであり、その目的とす
るところは、クリーニング用の弾性ブレードに欠けや反
転(めくれ)等の損傷が発生するのを抑制することがで
き、クリーニング用弾性ブレードの長寿命化が可能であ
るとともに、良好な画質の画像形成が可能なクリーニン
グ装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することに
ある。
【0022】また、この発明の他の目的とするところ
は、普通紙モード以外にOHPシートやハガキ等の厚紙
モードを有する場合であっても、クリーニング用の弾性
ブレードに欠けや反転(めくれ)等の損傷が発生するの
を抑制することができ、クリーニング用弾性ブレードの
長寿命化が可能であるとともに、良好な画質の画像形成
が可能な画像形成装置を提供することにある。
【0023】さらに、この発明の他の目的とするところ
は、カラーモード及び白黒モードを有する画像形成装置
であっても、クリーニング用の弾性ブレードに欠けや反
転(めくれ)等の損傷が発生するのを抑制することがで
き、クリーニング用弾性ブレードの長寿命化が可能であ
るとともに、良好な画質の画像形成が可能な画像形成装
置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1に記載された発明は、所定の速度で移動す
る被清掃部材の表面に圧接して、当該被清掃部材の表面
に付着した付着物を除去する弾性ブレードを備え、前記
弾性ブレードは、クリーニング時、前記被清掃部材が移
動している間に、当該被清掃部材の表面への圧接を開始
し、かつ所定の圧接状態で停止して被清掃部材の表面に
付着した付着物を除去するクリーニング装置において、
クリーニング時、前記弾性ブレードが被清掃部材表面へ
の圧接を開始してから所定の圧接状態となるまで、弾性
ブレードと被清掃部材との間に生じる不安定な接触状態
を抑制するように構成したものである。
【0025】ここで、上記被清掃部材としては、例え
ば、画像形成装置に使用される無端状ベルトである中間
転写ベルトが用いられるが、これに限定されるものでは
なく、所定の速度で移動する他の被清掃部材であっても
良いことは勿論である。
【0026】また、「弾性ブレードと被清掃部材との間
に生じる不安定な接触状態」とは、例えば、クリーニン
グ時に、弾性ブレードのエッジ部のみが被清掃部材表面
へ接触した際に、当該弾性ブレードのエッジ部と被清掃
部材表面との間に生じる摩擦力によって、弾性ブレード
のエッジ部が局部的に変形する(歪む)場合や、弾性ブ
レードのエッジ部が更に変形することによって、当該弾
性ブレードのエッジ部に内部応力が生じ、この内部応力
が前記摩擦力を上回ることにより、弾性ブレードのエッ
ジ部が被清掃部材の表面を滑って、元の形状に瞬時に復
帰する所謂”スティックスリップ”現象を生じる場合な
どを意味するものである。ただし、「弾性ブレードと被
清掃部材との間に生じる不安定な接触状態」とは、これ
に限定されるものではなく、しかも上記のすべてを含む
必要はなく、前記弾性ブレードが被清掃部材表面への圧
接を開始してから所定の圧接状態となるまでの間、「弾
性ブレードと被清掃部材との間に生じる不安定な接触状
態」のすべてを意味するものである。
【0027】さらに、ここで、弾性ブレードと被清掃部
材との間に生じる不安定な接触状態を「抑制する」と
は、例えば、不安定な接触状態が生じる場合であって
も、当該不安定な接触状態が生じる時間を短くする、あ
るいは不安定な接触状態が生じる回数を減少させる場合
など、または弾性ブレードと被清掃部材との間に生じる
不安定な接触状態の程度を低減する、あるいは不安定な
接触状態を生じ難くする場合などを含むものである。
【0028】更に、具体的には、請求項第2項以下に記
載されている通りである。
【0029】請求項2に記載された発明は、前記弾性ブ
レードが被清掃部材表面への圧接を開始してから所定の
圧接状態となるまでの時間を短くすることにより、弾性
ブレードと被清掃部材との間に生じる不安定な接触状態
を抑制することを特徴とする請求項第1項記載のクリー
ニング装置である。
【0030】また、請求項3に記載された発明は、前記
被清掃部材の移動速度をVp(mm/sec)、弾性ブ
レードが被清掃部材に圧接する際の移動速度をVb(m
m/sec)とすると、 Vb/Vp>0.1 の関係を満たすように設定したことを特徴とする請求項
第2項記載のクリーニング装置である。
【0031】請求項4に記載された発明は、前記弾性ブ
レードが被清掃部材表面への接触を開始してから所定の
圧接状態となるまでの間に、当該被清掃部材が移動する
距離をx(mm)、弾性ブレードの自由長をL(m
m)、厚さt(mm)、弾性ブレードのヤング率をEと
した場合、 x<(t/L)3 ×E の関係を満たすように設定したことを特徴とする請求項
第2項記載のクリーニング装置である。
【0032】請求項5に記載された発明は、前記弾性ブ
レードが被清掃部材に当接するときの速度と離間すると
きの速度を同一の速度に設定したことを特徴とする請求
項第2項乃至第4項のいずれかに記載のクリーニング装
置である。
【0033】請求項6に記載された発明は、前記弾性ブ
レードが被清掃部材に当接するときの速度より離間する
ときの速度を速く設定したことを特徴とする請求項第2
項乃至第4項のいずれかに記載のクリーニング装置であ
る。
【0034】請求項7に記載された発明は、前記被清掃
部材の移動速度が、通常の速度である通常モードと、当
該通常モードよりも遅い減速モードとに切り換え可能に
構成され、前記減速モードにおいても、前記弾性ブレー
ドを被清掃部材に当接させるときの速度を、通常モード
と略等しく設定したことを特徴とする請求項第2項記載
のクリーニング装置である。
【0035】請求項8に記載された発明は、前記被清掃
部材の移動速度が、通常の速度である通常モードと、当
該通常モードよりも遅い減速モードとに切り換え可能に
構成され、前記減速モードにおいては、被清掃部材の移
動速度を通常モードと略等しい速度に戻した後に、前記
弾性ブレードを被清掃部材に当接させることを特徴とす
る請求項第2項記載のクリーニング装置である。
【0036】請求項9に記載された発明は、前記被清掃
部材が移動中に、前記弾性ブレードが被清掃部材表面へ
の圧接を開始してから所定の圧接状態となるまでの回数
を少なくすることにより、弾性ブレードと被清掃部材と
の間に生じる不安定な接触状態を抑制することを特徴と
する請求項第1項記載のクリーニング装置である。
【0037】請求項10に記載された発明は、前記被清
掃部材が、単色のトナー像あるいは複数色のトナー像が
転写される中間転写体からなり、単色モード時、中間転
写体を駆動する前に弾性ブレードを当該中間転写体に接
触させ、画像形成動作が終了して、中間転写体が停止し
た後に弾性ブレードを離間させるように構成したことを
特徴とする請求項第9項記載のクリーニング装置であ
る。
【0038】請求項11に記載された発明は、前記被清
掃部材が、単色のトナー像あるいは複数色のトナー像が
転写される中間転写体からなり、中間転写体を駆動する
前に弾性ブレードを当該中間転写体に接触させ、単色モ
ードか複数色モードかを判別し、複数色モードの場合に
は、少なくとも1色目のトナー像がクリーニング位置を
通過する前に、中間転写体から弾性ブレードを離間させ
るように構成したことを特徴とする請求項第9項記載の
クリーニング装置である。
【0039】請求項12に記載された発明は、前記弾性
ブレードが圧接する被清掃部材表面の摩擦係数を減少さ
せることにより、弾性ブレードと被清掃部材との間に生
じる不安定な接触状態を抑制することを特徴とする請求
項第1項記載のクリーニング装置である。
【0040】請求項13に記載された発明は、前記被清
掃部材の表面に低表面エネルギー物質を塗布する塗布手
段を備え、前記被清掃部材の表面状態を検知し、当該被
清掃部材の表面状態が所定の状態となった場合に、塗布
手段によって被清掃部材の表面に低表面エネルギー物質
を塗布することを特徴とする請求項第12項記載のクリ
ーニング装置である。
【0041】請求項14に記載された発明は、前記被清
掃部材の表面に低表面エネルギー物質を塗布する塗布手
段を備え、前記被清掃部材の表面に弾性ブレードが接触
しているときの当該被清掃部材を駆動する駆動トルクを
検知し、前記駆動トルクが所定の値以上となった場合
に、塗布手段によって被清掃部材の表面に低表面エネル
ギー物質を塗布することを特徴とする請求項第12項記
載のクリーニング装置である。
【0042】請求項15に記載された発明は、前記被清
掃部材表面の摩擦係数が1以上に相当する状態となった
ときに、前記被清掃部材の表面に塗布手段によって低表
面エネルギー物質を塗布することを特徴とする請求項第
13項記載のクリーニング装置である。
【0043】請求項16に記載された発明は、前記被清
掃部材の表面に付着した放電生成物を除去する除去部材
を、所定のタイミングで被清掃部材の表面に接離可能に
設けたことを特徴とする請求項第12項記載のクリーニ
ング装置である。
【0044】請求項17に記載された発明は、前記弾性
ブレードの反発弾性を低く設定することにより、弾性ブ
レードと被清掃部材との間に生じる不安定な接触状態を
抑制することを特徴とする請求項第1項記載のクリーニ
ング装置である。
【0045】請求項18に記載された発明は、前記弾性
ブレードを形成する材料として、40℃における反発弾
性(JIS K6301)が80%以下の合成樹脂製弾
性体を使用することを特徴とする請求項第17項記載の
クリーニング装置である。
【0046】請求項19に記載された発明は、前記弾性
ブレードが被清掃部材表面に接触する角度を所定の値に
規定することにより、弾性ブレードと被清掃部材との間
に生じる不安定な接触状態を抑制することを特徴とする
請求項第1項記載のクリーニング装置である。
【0047】請求項20に記載された発明は、前記被清
掃部材を張架するロールに対向し、当該被清掃部材とロ
ールの接線上に弾性ブレードの接触ポイントがある場合
は、前記弾性ブレードの接触角度を13〜18°の間に
設定するように構成したことを特徴とする請求項第19
項記載のクリーニング装置である。
【0048】請求項21に記載された発明は、前記被清
掃部材を張架するロールの近傍に対向し、当該被清掃部
材の移動方向上流側で張架ロールに接触しない被清掃部
材の表面に弾性ブレードを接触させ、前記弾性ブレード
の接触ポイントがロールからX(mm)離れるに従っ
て、前記弾性ブレードの接触角度を13+X〜18+X
°の間に設定するように構成したことを特徴とする請求
項第19項記載のクリーニング装置である。
【0049】請求項22に記載された発明は、像担持体
上に所定の色数のトナー像を順次形成し、当該像担持体
上に順次形成される所定の色数のトナー像を、中間転写
体上に多重に一次転写した後、当該中間転写体上に一次
転写された所定の色数のトナー像を転写部材上に二次転
写することにより、カラー及び白黒の画像を形成可能な
画像形成装置において、所定の速度で移動する中間転写
体の表面に圧接して、当該中間転写体の表面に付着した
付着物を除去する弾性ブレードを備え、前記弾性ブレー
ドは、クリーニング時、前記中間転写体が移動している
間に、当該中間転写体の表面への圧接を開始し、かつ所
定の圧接状態で停止して中間転写体の表面に付着した付
着物を除去するクリーニング装置を備え、クリーニング
時、前記弾性ブレードが中間転写体表面への圧接を開始
してから所定の圧接状態となるまで、弾性ブレードと中
間転写体との間に生じる不安定な接触状態を抑制するよ
うに構成したことを特徴とする画像形成装置である。
【0050】請求項23に記載された発明は、像担持体
上に所定の色数のトナー像を順次形成し、当該像担持体
上に順次形成される所定の色数のトナー像を、中間転写
体上に多重に一次転写した後、当該中間転写体上に一次
転写された所定の色数のトナー像を転写部材上に二次転
写することにより、カラー及び白黒の画像を形成可能な
画像形成装置において、所定の速度で移動する中間転写
体の表面に圧接して、当該中間転写体の表面に付着した
付着物を除去する弾性ブレードを備え、前記弾性ブレー
ドは、クリーニング時、前記中間転写体が移動している
間に、当該中間転写体の表面への圧接を開始し、かつ所
定の圧接状態で停止して中間転写体の表面に付着した付
着物を除去するクリーニング装置を備え、単色モード
時、中間転写体を駆動する前に弾性ブレードを当該中間
転写体に接触させ、画像形成動作が終了して、中間転写
体が停止した後に弾性ブレードを離間させるように構成
したことを特徴とする画像形成装置である。
【0051】請求項24に記載された発明は、像担持体
上に所定の色数のトナー像を順次形成し、当該像担持体
上に順次形成される所定の色数のトナー像を、中間転写
体上に多重に一次転写した後、当該中間転写体上に一次
転写された所定の色数のトナー像を転写部材上に二次転
写することにより、カラー及び白黒の画像を形成可能な
画像形成装置において、所定の速度で移動する中間転写
体の表面に圧接して、当該中間転写体の表面に付着した
付着物を除去する弾性ブレードを備え、前記弾性ブレー
ドは、クリーニング時、前記中間転写体が移動している
間に、当該中間転写体の表面への圧接を開始し、かつ所
定の圧接状態で停止して中間転写体の表面に付着した付
着物を除去するクリーニング装置を備え、前記中間転写
体を駆動する前に弾性ブレードを当該中間転写体に接触
させ、単色モードか複数色モードかを判別し、複数色モ
ードの場合には、少なくとも1色目のトナー像がクリー
ニング位置を通過する前に、中間転写体から弾性ブレー
ドを離間させるように構成したことを特徴とする画像形
成装置である。
【0052】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。
【0053】この実施の形態では、まず、この発明に係
るクリーニング装置の構成及び動作と密接に関連する、
当該クリーニング装置を適用した画像形成装置としての
カラー電子写真複写機の構成について説明し、その後こ
の発明に係るクリーニング装置の多数の実施の形態につ
いて詳述する。説明に先立って、この実施の形態につい
ての目次を示す。 目次 (1)カラー電子写真複写機の概略 (2)クリーニング装置の構成 (2−1)実施の形態1 (2−2)実施の形態2 (2−3)実施の形態3 (2−4)実施の形態4 (2−5)実施の形態5 (2−6)実施の形態6 (2−7)実施の形態7 (2−8)その他の実施の形態
【0054】以下、目次に従って実施の形態を説明す
る。
【0055】(1)カラー電子写真複写機の概略 図2はこの発明の実施の形態に係るクリーニング装置を
適用した画像形成装置としてのカラー電子写真複写機を
示すものである。
【0056】図2において、1はカラー電子写真複写機
の本体を示すものであり、このカラー電子写真複写機本
体1の上部には、原稿2を1枚ずつ分離した状態で自動
的に搬送する自動原稿搬送装置3と、当該自動原稿搬送
装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取る原稿
読取装置4が配設されている。この原稿読取装置4は、
プラテンガラス5上に載置された原稿2を光源6によっ
て照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー
7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10か
らなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素
子11上に走査露光して、この画像読取素子11によっ
て原稿2の色材反射光像を所定のドット密度(例えば、
16ドット/mm)で読み取るようになっている。
【0057】上記原稿読取装置4によって読み取られた
原稿2の色材反射光像は、例えば、赤(R)、緑
(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率デ
ータとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装
置12では、原稿2の反射率データに対して、シェーデ
イング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ
補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施さ
れる。
【0058】そして、上記の如く画像処理装置12で所
定の画像処理が施された画像データは、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B
K)(各8bit)の4色の原稿色材階調データとして
ROS13(Raster Output Scann
er)に送られ、このROS13では、原稿色材階調デ
ータに応じてレーザー光による画像露光が行われる。な
お、上記カラー電子写真複写機は、プリンターとしても
機能するように構成されており、当該カラー電子写真複
写機がプリンターとして機能する場合には、画像処理装
置12にパーソナルコンピュータ等のホストコンピュー
タから画像データが入力され、当該画像処理装置12で
所定の画像処理が施された後、ROS13に4色の原稿
色材階調データとして出力されるようになっている。
【0059】上記カラー電子写真複写機本体1の内部に
は、色の異なる複数のトナー像を形成可能な画像形成手
段Aが配設されている。この画像形成手段Aは、主とし
て、静電潜像が形成される像担持体としての感光体ドラ
ム17と、前記感光体ドラム17上に形成された静電潜
像を現像して色の異なる複数のトナー像を形成可能な現
像手段としてのロータリー方式の現像装置19とから構
成されている。
【0060】上記ROS13は、図2に示すように、図
示しない半導体レーザーを原稿色材階調データに応じて
変調し、この半導体レーザーからレーザー光LBを階調
データに応じて出射する。この半導体レーザーから出射
されたレーザー光LBは、回転多面鏡14によって偏向
走査され、f・θレンズ15及び反射ミラー16を介し
て像担持体としての感光体ドラム17上に走査露光され
る。
【0061】上記ROS13によってレーザー光LBが
走査露光される感光体ドラム17は、図示しない駆動手
段によって矢印方向に沿って所定の速度で回転駆動され
るようになっている。この感光体ドラム17の表面は、
予め一次帯電用のスコロトロン18によって所定の極性
(例えば、マイナス極性)及び電位に帯電された後、原
稿色材階調データに応じてレーザー光LBが走査露光さ
れることによって静電潜像が形成される。上記感光体ド
ラム17上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の4
色の現像器19Y、19M、19C、19BKを回転可
能に備えたロータリー方式の現像装置19によって、例
えば、感光体ドラム17の帯電極性と同極性のマイナス
極性に帯電したトナーによって反転現像され、所定の色
のトナー像となる。尚、上記感光体ドラム17上に形成
されたトナー像は、必要に応じて転写前帯電器20によ
ってマイナス極性等の帯電を受け、電荷量が調整される
ようになっている。
【0062】上記感光体ドラム17上に形成された各色
のトナー像は、当該感光体ドラム17の下部に配置され
た中間転写体としての中間転写ベルト21上に、第1の
転写手段としての一次転写ロール22によって多重に転
写される。この中間転写ベルト21は、駆動ロール2
3、従動ロール24a、従動ロール24b、テンション
ロール24c、従動ロール24d及び二次転写手段の一
部を構成する対向ロールとしてのバックアップロール2
5によって、感光体ドラム17の周速と同一の移動速度
で矢印方向に沿って回動可能に支持されている。
【0063】上記中間転写ベルト21上には、形成する
画像の色に応じて、感光体ドラム17上に形成されるイ
エロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラッ
ク(BK)の4色のすべて又はその一部のトナー像が、
一次転写ロール22によって順次重ね合わせた状態で転
写される。この中間転写ベルト21上に転写されたトナ
ー像は、所定のタイミングで2次転写位置へと搬送され
る転写部材としての転写用紙26上に、中間転写ベルト
21を支持するバックアップロール25と、当該バック
アップロール25に圧接する二次転写手段の一部を構成
する二次転写ロール27の圧接力及び静電気力によって
転写される。上記転写用紙26は、図2に示すように、
カラー電子写真複写機本体1内の下部に配置された複数
の転写用紙収容部材としての給紙カセット28、29、
30、31の何れかから、所定のサイズのものがフィー
ドロール28a、29a、30a、31aによって給紙
される。給紙された転写用紙26は、複数の搬送ロール
32及びレジストロール33によって、所定のタイミン
グで中間転写ベルト21の二次転写位置まで搬送され
る。そして、上記転写用紙26には、上述したように、
二次転写手段としてのバックアップロール25と二次転
写ロール27とによって、中間転写ベルト21上から所
定の色のトナー像が一括して転写されるようになってい
る。
【0064】また、上記中間転写ベルト21上から所定
の色のトナー像が転写された転写用紙26は、中間転写
ベルト21から分離された後、搬送ベルト34によって
定着装置35へと搬送され、この定着装置35によって
熱及び圧力でトナー像が記録用紙26上に定着され、片
面複写の場合には、そのまま排紙トレイ36上に排出さ
れてカラー画像の複写工程が終了する。
【0065】一方、両面複写の場合には、第1面(表
面)にカラー画像が形成された転写用紙26を、そのま
ま排紙トレイ36上に排出せずに、図示しない反転ゲー
トによって下向きに搬送方向が変更され、3つのロール
が圧接されたトリロール37及び反転ロール38によっ
て、反転通路39へと一旦搬送される。そして、上記転
写用紙26は、今度は逆転する反転ロール38によって
両面用通路40へと搬送され、この両面用通路40に設
けられた搬送ロール41によってレジストロール33ま
で一旦搬送されて停止する。転写用紙26は、中間転写
ベルト21上のトナー像と同期して、再度レジストロー
ル33によって搬送が開始され、当該転写用紙26の第
2面(裏面)に対してトナー像の転写・定着工程が行わ
れた後、排出トレイ36上に排出されるようになってい
る。
【0066】なお、図2中、42は転写工程が終了した
後の感光体ドラム17の表面から残留トナーや紙粉等を
除去するためのクリーニング装置、43は手差しトレイ
をそれぞれ示している。
【0067】図3は上記カラー電子写真複写機の画像形
成手段Aを示す構成図である。
【0068】このカラー電子写真複写機では、上述した
ように、感光体ドラム17の表面が一次帯電用のスコロ
トロン18によって所定の電位に一様に帯電された後、
当該感光体ドラム17の表面には、ROS13によって
所定の色に対応した画像が露光され、静電潜像が形成さ
れる。上記感光体ドラム17の表面に各色に対応して形
成された静電潜像は、対応する色の現像器19Y、19
M、19C、19BKによって現像され、当該感光体ド
ラム17の表面には、所定の色のトナー像Tが形成され
る。
【0069】例えば、上記感光体ドラム17上に形成さ
れた静電潜像がイエロー色に対応したものであれば、こ
の静電潜像は、イエロー色の現像器19Yによって現像
され、感光体ドラム17上には、イエロー色のトナー像
Tが形成される。また、他のマゼンタ色、シアン色、ブ
ラック色についても、同様のプロセスによって対応する
色のトナー像Tが、感光体ドラム17上に順次形成され
る。
【0070】上記感光体ドラム17上に順次形成された
各色のトナー像Tは、感光体ドラム17と中間転写ベル
ト21とが接触する一次転写位置において、感光体ドラ
ム17上から中間転写ベルト21の表面に転写される。
この1次転写位置には、中間転写ベルト21の裏面側に
半導電性の一次転写用のバイアスロール22が配設され
ており、中間転写ベルト21は、一次転写用のバイアス
ロール22によって感光体ドラム17の表面に接触する
ようになっている。一次転写用のバイアスロール22に
は、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、感光
体ドラム17上に形成されたトナー像Tは、中間転写ベ
ルト21上に圧接力及び静電気力によって転写される。
【0071】単色の画像を形成する場合は、中間転写ベ
ルト21上に一次転写された所定の色のトナー像Tが、
直ちに記録用紙26上に二次転写されるが、複数色のト
ナー像Tを重ね合わせたカラー画像を形成する場合に
は、感光体ドラム17上への所定色のトナー像Tの形
成、並びにトナー像Tの中間転写ベルト21上への1次
転写の工程が、所定の色数分だけ繰り返される。
【0072】例えば、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の4色のトナ
ー像Tを重ね合わせたフルカラーの画像を形成する場
合、感光体ドラム17上には、その一回転毎にイエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B
K)の各色のトナー像Tが順次形成され、これらの4色
のトナー像は、順次中間転写ベルト21上に重ね合わせ
た状態で一次転写される。
【0073】その際、上記中間転写ベルト21は、最初
に一次転写されたイエロー色の未定着トナー像Tを保持
したまま、感光体ドラム17と同期した周期で回動し、
当該中間転写ベルト21上には、その一回転毎にマゼン
タ色、シアン色及びブラック色の未定着トナー像Tが、
イエロー色の未定着トナー像Tに順次重ね合わされた状
態で転写される。
【0074】このようにして中間転写ベルト21に一次
転写された未定着トナー像Tは、中間転写ベルト21の
回転に伴って、転写用紙26の搬送経路に面した二次転
写位置へと搬送される。
【0075】そして、この転写用紙26は、前述したよ
うに、所定の給紙カセット28、29、30、31から
フィードロール28a、29a、30a、31aによっ
て給紙され、搬送ロール32によってレジストロール3
3まで搬送され、レジストロール33によって所定のタ
イミングで、二次転写ロール27と中間転写ベルト21
とのニップ部間に給送される。
【0076】また、二次転写位置における中間転写ベル
ト21の裏面側には、二次転写ロール27の対向電極を
なすバックアップロール25が配設されている。二次転
写位置では、所定のタイミングで半導電性の二次転写ロ
ール27が中間転写ベルト21に圧接し、当該バックア
ップロール25にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印
加することにより、中間転写ベルト21上に転写された
未定着トナー像Tは、前記二次転写位置において転写用
紙26上に静電的に二次転写される。
【0077】この実施の形態では、図3に示すように、
二次転写ロール27にトナーの帯電極性と同極性の電圧
を直接印加するのではなく、当該二次転写ロール27に
中間転写ベルト21を介して圧接するバックアップロー
ル25に、バイアスロール44によって転写バイアス電
圧印加手段としての図示しない転写バイアス用高圧電源
から、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加するよう
に構成されている。しかし、二次転写ロール27にトナ
ーの帯電極性と逆極性の電圧を直接印加するように構成
しても勿論よい。
【0078】そして、未定着トナー像Tが転写された転
写用紙26は、中間転写ベルト21から剥離され、二次
転写部の下流に配置された電極部材45、案内板46お
よび搬送ベルト34によって定着装置35に送り込ま
れ、未定着トナー像Tの定着処理がなされる。
【0079】上記中間転写ベルト21は、ポリイミド、
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の
合成樹脂又は各種のゴムに、カーボンブラック等の導電
化剤を適当量分散させて、その体積抵抗率が106 〜1
14Ω・cmとなるように調整したフィルム状のベルト
によって形成されている。この中間転写ベルト21の厚
さは、例えば、0.1mmに設定される。なお、上記中
間転写ベルト21の周長は、感光体ドラム17の周長の
整数倍(例えば、3倍)に設定されている。
【0080】また、上記二次転写ロール27は、必要に
応じて、中間転写ベルト21と接離可能に配設されてお
り、カラー画像が形成される場合には、最終色の未定着
トナー像Tが中間転写ベルト21上に一次転写されるま
で、中間転写ベルト21から離間している。
【0081】さらに、上記二次転写ロール27は、カー
ボンを分散したウレタンゴムのチューブからなる表面層
と、カーボンを分散した発泡ウレタンゴムからなる内部
層とを備えており、当該二次転写ロール27の表面に
は、フッ素コートが施されている。この二次転写ロール
27は、その体積抵抗率が103 〜1010Ω・cmに設
定され、ロール径がφ28mmとなるように形成され、
硬度は例えば30°(アスカC)に設定される。
【0082】一方、上記バックアップロール25は、カ
ーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチ
ューブからなる表面層と、EPDMのゴムからなる内部
層とを備えており、その表面抵抗率が107 〜1010Ω
/□で、ロール径がφ28mmとなるように形成され、
硬度は例えば70°(アスカC)に設定される。
【0083】また、二次転写位置のニップ部下流に配置
された電極部材45は、導電性の板状部材として板金が
好ましく、この実施の形態では厚さ0.5mmのスレン
レス鋼板を使用しており、転写用紙26側を針状とした
ものが用いられている。さらに、上記電極部材45の2
次転写領域側の先端は、バックアップロール25と2次
転写ロール27のニップ部が成す線より1mmだけ二次
転写ロール27側で、かつニップ部の出口より7mmだ
け離れて配置されている。
【0084】ところで、この実施の形態に係るカラー電
子写真複写機では、図2及び図3に示すように、被清掃
部材としての中間転写ベルト21の表面に付着した残留
トナーや紙粉等の付着物を除去するクリーニング装置5
0が設けられている。このクリーニング装置50は、所
定の速度で移動する中間転写ベルト21の表面に圧接し
て、当該中間転写ベルト21表面の付着物を除去する弾
性体からなるクリーニングブレード51を備えている。
このクリーニングブレード51は、クリーニング時、中
間転写ベルト21が移動している間に、当該中間転写ベ
ルト21の表面への圧接を開始し、かつ所定の圧接状態
で停止して中間転写ベルト21表面の付着物を除去する
ようになっている。
【0085】また、上記クリーニング装置50のクリー
ニングブレード51は、通常、中間転写ベルト21上に
最終的なトナー像が転写されるまで、当該中間転写ベル
ト21から離間した位置に待機しており、中間転写ベル
ト21上に転写されたトナー像を乱すことがないように
構成されている。そして、上記クリーニングブレード5
1は、中間転写ベルト21上に最終的なトナー像が転写
された後に、当該中間転写ベルト21の表面に圧接し、
中間転写ベルト21の表面に付着した残留トナーや紙粉
等の付着物を除去する。
【0086】(2)クリーニング装置の構成 図1はこの発明の実施の形態に係るクリーニング装置を
示す構成図である。
【0087】図1において、50はクリーニング装置を
示すものであり、このクリーニング装置50は、カラー
電子写真複写機の中間転写ベルト21を駆動する駆動ロ
ール23の上流側近傍に配設されている。上記クリーニ
ング装置50は、中間転写ベルト21の表面に所定のタ
イミングで圧接して、当該中間転写ベルト21の表面に
付着した残留トナーや紙粉等の付着物を除去するクリー
ニングブレード51を備えている。このクリーニングブ
レード51としては、例えば、厚さ2mmのポリウレタ
ン等の弾性体からなるものが用いられるが、当該ブレー
ド51の厚さや材質は、これに限定されるものではない
ことは勿論である。また、上記クリーニングブレード5
1は、断面略L字形状の板金52に接着等の手段によっ
て固着されており、このクリーニングブレード51が固
着された板金52は、中央部で小さな角度をなすように
折曲された金属製の押圧板53に、溶接やボルト止め等
の手段によって取り付けられている。上記押圧板53
は、支点54を中心にして回動自在となっているととも
に、当該押圧板53の上方に延びた押圧部55には、偏
芯カム56が当接している。なお、上記押圧板53は、
図示しないスプリング等によって偏芯カム56に圧接す
る方向、即ち時計回り方向に付勢されている。そして、
上記クリーニング装置50は、偏芯カム56を図示しな
い駆動モータ及び駆動ギアによって所定の速度で所定量
だけ回転させ、当該偏芯カム56によって押圧板53の
押圧部55を時計回り方向に移動させることによって、
押圧板53に板金52を介して取り付けられたクリーニ
ングブレード51を、図4に示すように、中間転写ベル
ト21の表面に圧接させるように構成されている。ま
た、上記クリーニング装置50は、偏芯カム56を図示
しない駆動モータ及び駆動ギアによって所定の速度で所
定量だけ回転させ、当該偏芯カム56によって押圧板5
3の押圧部55を反時計回り方向に移動させることによ
って、押圧板53に板金52を介して取り付けられたク
リーニングブレード51を、図1に示すように、中間転
写ベルト21の表面から離間させるように構成されてい
る。このように、上記クリーニングブレード51は、偏
芯カム56を回転させることにより、中間転写ベルト2
1に対してアドバンス(接触)及びリトラクト(離間)
可能に取り付けられている。
【0088】また、上記クリーニング装置50は、クリ
ーニングブレード51によって除去された残留トナーや
紙粉等の付着物を収容する収容部57を備えており、こ
の収容部57は、上方が開口した略U字形状に形成され
ている。さらに、上記収容部57の内部には、クリーニ
ングブレード51によって除去された残留トナーや紙粉
等の付着物がある程度蓄積された場合に、所定のタイミ
ングで回動することにより、当該蓄積された付着物をク
リーニング装置50の外部へと搬送する搬送用のオーガ
ー58が配設されている。
【0089】さらに、上記クリーニング装置50には、
クリーニングブレード51によって除去された残留トナ
ーや紙粉等の付着物が、外部に漏れるのを防止するた
め、収容部57のクリーニングブレード51と対向する
側の開口部をシールするシール部材59が設けられてい
る。このシール部材59としては、例えば、厚さ100
μm程度のマイラーフィルムが用いられる。上記シール
部材59は、その一端側が支点60を中心に回動する回
動部材61に接着等の手段により固着されているととも
に、この回動部材61は、図示しないリンク機構を介し
て、クリーニングブレード51が取り付けられた押圧板
53と連動しており、当該押圧板53の回動動作ととも
に反時計回り方向に回動するようになっている。そし
て、上記シール部材59は、図4に示すように、クリー
ニングブレード51が中間転写ベルト21の表面に圧接
する動作に連動して、同じく中間転写ベルト21の表面
に圧接するように構成されている。
【0090】なお、上記クリーニング装置50の収容部
57は、クリーニングブレード51が中間転写ベルト2
1へ圧接する動作に伴って、中間転写ベルト21側へ移
動するように構成しても良い。
【0091】上記クリーニングブレード51は、図5に
示すように、所謂ドクターブレードとなっている。ここ
で、ドクターブレードとは、図5に示すように、当該ブ
レード51の先端部が中間転写ベルト21の移動方向上
流側に圧接し、当該ブレード51の後端側が中間転写ベ
ルト21の移動方向下流側に位置し、尚かつ当該ブレー
ド51の後端側が中間転写ベルト21の表面に対して傾
斜した状態に配置されているブレードを意味する。上記
クリーニングブレード51は、ポリウレタン等の弾性体
からなるため、中間転写ベルト21の表面に所定量だけ
圧接した場合には、図5(b)に示すように、その先端
部が中間転写ベルト21の表面に圧接した状態で、下向
きにカーブするように湾曲した形状となる。
【0092】この実施の形態では、上述したように、ク
リーニングブレード51がポリウレタン製のブレードと
なっており、このブレード51は、図5に示すように、
厚さt=2mm、幅l=15mm、自由長L=10m
m、長さが中間転写ベルト21の略全幅に形成され、そ
の接触角度は17°、中間転写ベルト21への食い込み
量は、1.1mmに設定されている。ただし、クリーニ
ングブレード51の接触角度や食い込み量は、他の値に
設定しても良いことは勿論である。また、上記クリーニ
ングブレード51の基端部の表面側には、上述したよう
に、ステンレスやアルミニウム等からなる板金52が接
着等の手段によって固着されており、当該クリーニング
ブレード51は、この板金52を押圧板53に取り付け
ることによって、中間転写ベルト21がないと仮定した
場合に、クリーニングブレード51が所定の食い込み量
で停止した状態で、このときのブレード51とブレード
エッジを通り、元々のベルト21と平行な線との成す角
度(接触角度)が、上述した接触角度となるように設定
されている。
【0093】(2−1)実施の形態1 図1はこの発明の実施の形態1に係るクリーニング装置
をも示す構成図である。
【0094】この実施の形態1では、クリーニング時、
前記弾性ブレードが被清掃部材表面への圧接を開始して
から所定の圧接状態となるまで、弾性ブレードと被清掃
部材との間に生じる不安定な接触状態を抑制するように
構成されている。
【0095】また、この実施の形態1では、前記弾性ブ
レードが被清掃部材表面への圧接を開始してから所定の
圧接状態となるまでの時間を短くすることにより、弾性
ブレードと被清掃部材との間に生じる不安定な接触状態
を抑制するように構成されている。
【0096】さらに、この実施の形態1では、前記被清
掃部材の移動速度をVp(mm/sec)、弾性ブレー
ドが被清掃部材に圧接する際の移動速度をVb(mm/
sec)とすると、 Vb/Vp>0.1 の関係を満たすように設定されている。
【0097】実施例1 すなわち、この実施の形態1の実施例1に係るクリーニ
ング装置50は、図1に示すように、偏芯カム56を図
示しない駆動モータ及び駆動ギアによって所定の速度で
所定量だけ回転させ、当該偏芯カム56によって押圧板
53の押圧部55を時計回り方向に回動させることによ
って、押圧板53に板金52を介して取り付けられたク
リーニングブレード51を、図4に示すように、中間転
写ベルト21の表面にアドバンス(当接)させるように
構成されている。また、このクリーニング装置50は、
偏芯カム56を図示しない駆動モータ及び駆動ギアによ
って所定の速度で所定量だけ回転させ、当該偏芯カム5
6によって押圧板53の押圧部55を反時計回り方向に
回動させることによって、押圧板53に板金52を介し
て取り付けられたクリーニングブレード51を、図1に
示すように、中間転写ベルト21の表面からリトラクト
(離間)させるように構成されている。
【0098】したがって、上記クリーニング装置50
は、偏芯カム56の形状、及び当該偏芯カム56の回転
速度と回転量を適宜設定・制御することにより、クリー
ニングブレード51が中間転写ベルト21の表面にアド
バンス(当接)するときの速度Vb1(mm/sec)
と、クリーニングブレード51が中間転写ベルト21の
表面からリトラクト(離間)するときの速度Vb2(m
m/sec)を変化させることが可能となっている。
【0099】この実施の形態1では、まず、クリーニン
グブレード51が中間転写ベルト21の表面への圧接を
開始してから所定の圧接状態となるまでの時間を短くす
るように構成されている。このとき、クリーニングブレ
ード51が中間転写ベルト21の表面への圧接を開始し
てから所定の圧接状態となるまでに移動する距離は、図
1に示すように、クリーニング装置50の構成によって
一律に決まるため、上記時間を短くするということは、
結果的に、クリーニングブレード51のアドバンス速度
Vb1(mm/sec)を速く設定することを意味す
る。
【0100】更に説明すると、この実施の形態1では、
中間転写ベルト21の移動速度、即ちプロセススピード
Vp(mm/sec)が220(mm/sec)、クリ
ーニングブレード51の移動距離が4.6mm、クリー
ニングブレード51の食い込み量が1.1mm、偏芯カ
ム56の回転角度が130°、偏芯カム56の回転速度
が143.80rpm、クリーニングブレード51の移
動時間が0.15sec、クリーニングブレード51の
移動速度Vbが30.53mm/secとなるように設
定されている。
【0101】なお、上記クリーニングブレード51が中
間転写ベルト21の表面にアドバンスする際の移動速度
Vb1と、当該クリーニングブレード51が中間転写ベ
ルト21の表面からリトラクトする際の移動速度Vb2
は、通常、等しく設定される。しかし、これに限定され
るものではなく、クリーニングブレード51が中間転写
ベルト21の表面からリトラクトする際の移動速度Vb
2を、当該クリーニングブレード51が中間転写ベルト
21の表面にアドバンスする際の移動速度Vb1よりも
速く設定するように構成しても良い。このクリーニング
ブレード51がリトラクトする際の移動速度Vb2やア
ドバンスする際の移動速度Vb1の設定は、偏芯カム5
6の回転速度を変えて実施してもよいし、当該偏芯カム
56の形状を変えることによって実施しても良い。
【0102】このように、クリーニングブレード51が
中間転写ベルト21の表面への圧接を開始してから所定
の圧接状態となるまでの時間を短くすることにより、当
該クリーニングブレード51が、図5(a)に示すよう
に、中間転写ベルト21の表面に接触を開始してから所
定の圧接状態となるまでの間に生じる不安定な接触状態
を減少させることができ、その分だけブレードエッジ5
1a及びその周囲の部分に、応力と歪みが繰り返し作用
するのを抑制することができるため、当該ブレードエッ
ジ51aに欠けや反転等の損傷が発生するのを防止する
ことが可能となる。
【0103】上記クリーニングブレード51が中間転写
ベルト21の表面にアドバンスする際の移動速度Vb1
は、速ければ速いほど、クリーニングブレード51が中
間転写ベルト21の表面に接触を開始してから所定の圧
接状態となるまでの間に生じる不安定な接触状態が減少
し、その分だけブレードエッジ51a及びその周囲の部
分に、応力と歪みが繰り返し作用するのを抑制すること
ができることになるが、クリーニングブレード51が中
間転写ベルト21の表面に瞬時にアドバンスすると、中
間転写ベルト21の表面に最終色のトナー像が転写途中
の場合には、このトナー像の転写に悪影響を与えること
も考えられる。しかし、本発明者らの実験によれば、ク
リーニングブレード51がアドバンスする際の移動時間
を、0.1sec程度にまで短くし、クリーニングブレ
ード51が中間転写ベルト21の表面に瞬時にアドバン
スするように構成しても、転写途中のトナー像に悪影響
を与えないことが確認された。
【0104】実験例1 次に、本発明者らは、クリーニングブレード51のアド
バンス速度Vb1(mm/sec)を速く設定すること
によって、ブレードエッジ51aに欠けや反転等の損傷
が発生するのを防止するように構成した場合に、当該ク
リーニングブレード51のアドバンス速度Vb1(mm
/sec)が、中間転写ベルト21の移動速度Vp(m
m/sec)とどのような関係を満たせば、より一層確
実にクリーニングブレード51の損傷を防止することが
できるのかを、確認する実験を行った。
【0105】この実験例1では、図6に示すように、中
間転写ベルト21の移動速度、即ちプロセススピードV
p(mm/sec)を、35〜220(mm/sec)
まで段階的に変化させるとともに、偏芯カム56の回転
角度及び回転速度を変化させることによって、クリーニ
ングブレード51のアドバンス速度Vb1(mm/se
c)をも変化させ、当該クリーニングブレード51のア
ドバンス速度Vb1(mm/sec)と、中間転写ベル
ト21のプロセススピードVp(mm/sec)との比
が、どの程度であればクリーニングブレード51の損傷
をより一層確実に防止することができるのかを確認し
た。このときの実験は、図3に示すような画像形成装置
を試作し、高温高湿(28℃・85%)、超厚紙モー
ド、A4SEF、フルカラーモード、100枚連続し
て、10kPV(1kPV=1000枚)まで画像形成
を実施することによって行った。
【0106】図6の最右欄は上記実験の結果を示すもの
である。
【0107】ここで、図6中、◎はクリーニングブレー
ド51のエッジ51aに欠けや反転等の損傷がほとんど
発生しなかった場合を、〇はクリーニングブレード51
のエッジ51aに若干欠けや反転等の損傷が発生した
が、実使用上問題とならない場合を、△はクリーニング
ブレード51のエッジ51aに欠けや反転等の損傷が発
生した場合を、×はクリーニングブレード51のエッジ
51aに欠けや反転等の損傷が顕著に発生し、画像上に
もすじ状の画質欠陥が現れた場合をそれぞれ示してい
る。
【0108】上記図6から明らかなように、クリーニン
グブレード51のアドバンス速度Vb1(mm/se
c)と、中間転写ベルト21のプロセススピードVp
(mm/sec)との比が、Vb/Vp>0.1の関係
を満たせば、クリーニングブレード51の欠けや反転等
の損傷を実使用上問題とならないレベルに抑えることが
でき、クリーニングブレード51の長寿命化及び良好な
画質の維持を達成することができることがわかった。
【0109】実験例2
【0110】また、本発明者らは、クリーニングブレー
ド51が中間転写ベルト21の表面への圧接を開始して
から所定の圧接状態となるまでの間、当該クリーニング
ブレード51に発生する不安定な接触状態の程度は、ク
リーニングブレード51が中間転写ベルト21の表面へ
の圧接を開始してから所定の圧接状態となるまでの間
に、中間転写ベルト21が移動する距離と、クリーニン
グブレード51の厚さtや自由長L、クリーニングブレ
ード51を構成する材料の弾性率(ヤング率)によって
決定されるブレード51の変形のしやすさにも依存する
と考え、これらのパラメータを変化させることにより、
どの程度クリーニングブレード51に発生する不安定な
接触状態を抑制することができるかを確認する実験を行
った。
【0111】この実験例2では、図7に示すように、ク
リーニングブレード51のヤング率として、870(g
/mm2 )と670(g/mm2 )の2種類に、クリー
ニングブレード51の厚さtを、1.8(mm)、2.
0(mm)、2.2(mm)の3種類に、クリーニング
ブレード51の自由長Lを、8(mm)、10(m
m)、11(mm)の3種類に、それぞれ変化させたも
のを試作し、クリーニングブレード51のエッジ51が
中間転写ベルト21に接触を開始してから所定の圧接状
態となるまでの間に、当該中間転写ベルト21が移動す
る距離をx(mm)とした場合、クリーニングブレード
51のパラメータ(t/L)3 ×Eが、どの程度であれ
ばクリーニングブレード51の損傷をより一層確実に防
止することができるかを確認した。このときの実験は、
図3に示すような画像形成装置を試作し、高温高湿(2
8℃・85%)、超厚紙モード、A4SEF、フルカラ
ーモード、100枚連続して、10kPV(1kPV=
1000枚)まで画像形成を実施することによって行っ
た。
【0112】図7の最右欄は上記実験の結果を示すもの
である。
【0113】ここで、図7中、○はクリーニングブレー
ド51のエッジ51aに若干欠けや反転等の損傷が発生
したが、実使用上問題とならない場合を、△はクリーニ
ングブレード51のエッジ51aに欠けや反転等の損傷
が発生した場合を、×はクリーニングブレード51のエ
ッジ51aに欠けや反転等の損傷が顕著に発生し、画像
上にも画質欠陥が現れた場合をそれぞれ示している。
【0114】上記図7から明らかなように、クリーニン
グブレード51のエッジ51が中間転写ベルト21に接
触を開始してから所定の圧接状態となるまでの間に、当
該中間転写ベルト21が移動する距離をx(mm)とし
た場合、クリーニングブレード51のパラメータ(t/
L)3 ×Eが、距離xよりも大きければ、つまり、 x<(t/L)3 ×E の関係を満たすように設定すれば、クリーニングブレー
ド51の欠けや反転等の損傷を実使用上問題とならない
レベルに抑えることができ、クリーニングブレード51
の長寿命化及び良好な画質の維持を達成することができ
ることがわかる。
【0115】なお、この実施の形態1では、クリーニン
グブレード51のエッジ51が中間転写ベルト21に接
触を開始してから所定の圧接状態となるまでの間に、当
該中間転写ベルト21が移動する距離xを4.98m
m、クリーニングブレード51のヤング率Eを870g
/mm2 、クリーニングブレード51の厚さtを2.0
mm、クリーニングブレード51の自由長Lを10m
m、(t/L)3 ×Eの値が6.96となるように設定
されている。
【0116】実施例2 この実施の形態1の実施例2では、クリーニングブレー
ド51が中間転写ベルト21の表面にアドバンス(接
触)する際に、当該クリーニングブレード51の長手方
向、つまり中間転写ベルト21の幅方向の手前側と奥側
とで、クリーニングブレード51が中間転写ベルト21
の表面にアドバンス(接触)するタイミングが異なるよ
うに構成されている。例えば、上記クリーニングブレー
ド51の長手方向の手前側が奥側よりも早く、中間転写
ベルト21の表面にアドバンス(接触)し、その後、当
該クリーニングブレード51の長手方向の奥側が、中間
転写ベルト21の表面にアドバンス(接触)するように
設定される。
【0117】このように、クリーニングブレード51が
中間転写ベルト21の表面にアドバンス(接触)するタ
イミングを、当該クリーニングブレード51の長手方向
の手前側と奥側とで異ならせることにより、クリーニン
グブレード51のエッジが徐々に安定した状態で中間転
写ベルト21の表面に接触するため、不安定な接触状態
を抑制することが可能となり、ブレードの欠けや反り等
を減少させることができる。
【0118】なお、クリーニングブレード51が中間転
写ベルト21の表面にアドバンス(接触)するタイミン
グを、当該クリーニングブレード51の長手方向の手前
側と奥側とで異ならせる手段として、例えば、クリーニ
ングブレード51を中間転写ベルト21の表面にアドバ
ンス(接触)させる偏芯カム56を、クリーニングブレ
ード51の長手方向の手前側と奥側とにそれぞれ設け、
これら2つの偏芯カム56の位相を若干異ならせること
が挙げられる。
【0119】しかし、このように、クリーニングブレー
ド51を中間転写ベルト21の表面にアドバンス(接
触)させる構成上、クリーニングブレード51の長手方
向の手前側と奥側とでアドバンス(接触)するタイミン
グが微妙に異なるのが実状であるため、クリーニングブ
レード51が中間転写ベルト21の表面にアドバンス
(接触)するタイミングを異ならせる手段を積極的に講
じなくても、上述した効果をある程度期待することがで
きる。
【0120】実施例3 この実施の形態1の実施例3では、クリーニングブレー
ド51が中間転写ベルト21の表面に接離する回数を検
知して、クリーニングブレード51の寿命を予測し、当
該クリーニングブレード51の交換時期をユーザーやサ
ービスエンジニア等に通知するように構成されている。
【0121】上記クリーニングブレード51が中間転写
ベルト21の表面に接離する回数を検知する手段として
は、例えば、当該クリーニングブレード51を中間転写
ベルト21の表面にアドバンス(接触)させる偏芯カム
56の回転数をカウントする手段などが挙げられる。
【0122】実施例4 この実施の形態1の実施例4では、クリーニングブレー
ド51が中間転写ベルト21の表面にアドバンス(接
触)する際に、当該クリーニングブレード51の長手方
向、つまり中間転写ベルト21の幅方向の手前側と奥側
とで、クリーニングブレード51が中間転写ベルト21
の表面にアドバンス(接触)する圧力が異なるように構
成されている。例えば、上記クリーニングブレード51
の長手方向の手前側が奥側よりも強く、中間転写ベルト
21の表面に圧接するように設定される。
【0123】このように、クリーニングブレード51が
中間転写ベルト21の表面にアドバンス(接触)する圧
力を、当該クリーニングブレード51の長手方向の手前
側と奥側とで異ならせることにより、クリーニングブレ
ード51の圧力が強い方から安定した状態で中間転写ベ
ルト21の表面に接触するため、不安定な接触状態を抑
制することが可能となり、ブレードの欠けや反り等を減
少させることができる。
【0124】なお、クリーニングブレード51が中間転
写ベルト21の表面にアドバンス(接触)する圧力を、
当該クリーニングブレード51の長手方向の手前側と奥
側とで異ならせる手段としては、例えば、クリーニング
ブレード51を中間転写ベルト21の表面にアドバンス
(接触)させる偏芯カム56を、クリーニングブレード
51の長手方向の手前側と奥側とにそれぞれ設け、これ
ら2つの偏芯カム56の外形を異ならせることが挙げら
れる。
【0125】(2−2)実施の形態2 図1はこの発明の実施の形態2に係るクリーニング装置
をも示す構成図である。
【0126】この実施の形態2においては、被清掃部材
の移動速度が、通常の速度である通常モードと、当該通
常モードよりも遅い減速モードとに切り換え可能に構成
されており、前記減速モードにおいても、前記弾性ブレ
ードを被清掃部材に当接させるときの速度を、通常モー
ドと略等しく設定するように構成されている。
【0127】すなわち、この実施の形態2の実施例1で
は、図2に示すように、当該クリーニング装置50を適
用したカラー電子写真複写機が、転写部材として通常の
普通紙からなる転写用紙26以外にも、オーバーヘッド
プロジェクター用のOHPシートや、ハガキ、あるいは
坪量が200g/m2 以上の超厚紙と、上記以外の厚紙
に対しても、カラー又は白黒の画像を形成することが可
能となっている。上記カラー電子写真複写機は、中間転
写ベルト21を通常のプロセススピードである220
(mm/sec)で回転駆動して、画像の転写・定着を
行う通常モードと、画像の転写・定着時にプロセススピ
ードを、通常の220(mm/sec)に比べて遅い1
60(mm/sec)に変える第1の減速モード(厚紙
モード)と、画像の転写・定着時にプロセススピード
を、通常の220(mm/sec)に比べて更に遅い6
0(mm/sec)に変える第2の減速モード(超厚紙
モード)を備えている。
【0128】そして、上記カラー電子写真複写機におい
て、通常の普通紙からなる転写用紙26に画像を形成す
る場合には、図8に示すように、中間転写ベルト21を
220(mm/sec)のプロセススピードで回転駆動
し、当該中間転写ベルト21上に感光体ドラム17から
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー
像を順次転写した後、中間転写ベルト21からイエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラック等の所定の色のトナー
像を、二次転写位置において転写用紙26上に転写する
ように構成されている。また、上記カラー電子写真複写
機において、OHPシートやハガキ等の超厚紙からなる
転写部材26に対して画像形成を行う場合には、中間転
写ベルト21を220(mm/sec)のプロセススピ
ードで回転駆動し、当該中間転写ベルト21上に感光体
ドラム17からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック
の各色のトナー像を順次転写した後、中間転写ベルト2
1の移動速度を通常の220(mm/sec)よりも遅
い60(mm/sec)に減速し、当該中間転写ベルト
21からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の所
定の色のトナー像を、二次転写位置においてOHPシー
トや厚紙等の転写部材26上に転写することにより、O
HPシートやハガキ等の超厚紙からなる転写部材26に
対しても良好に画像を転写・定着することができるよう
に構成されている。なお、OHPシートや、ハガキ、あ
るいは200g/m2 以上の超厚紙以外の厚紙に対して
は、中間転写ベルト21の移動速度を通常の160(m
m/sec)に減速し、当該中間転写ベルト21からト
ナー像の転写・定着を行うようになっている。
【0129】その際、この実施の形態2に係るクリーニ
ング装置50では、図9に示すように、OHPシートや
ハガキ等の超厚紙からなる転写部材26に対して画像を
転写・定着する際には、中間転写ベルト21の移動速度
を通常の220(mm/sec)よりも遅い60(mm
/sec)に減速するが、当該中間転写ベルト21の表
面を清掃するクリーニングブレード51をアドバンス
(接触)させる際の移動速度Vb1は、中間転写ベルト
21の移動速度が220(mm/sec)のときと同じ
速い速度に設定するように構成されている。その際、上
記クリーニングブレード51を移動させる偏芯カム56
は、画像形成動作のプロセススピードに依存しないよう
に、例えば、独自の駆動モータによって所定の回転速度
で回転駆動される。
【0130】このように、この実施の形態2に係るクリ
ーニング装置50では、OHPシートやハガキ等の超厚
紙からなる転写部材26に対して画像を転写・定着する
場合でも、中間転写ベルト21の表面を清掃するクリー
ニングブレード51をアドバンス(接触)させる際の移
動速度Vb1は、中間転写ベルト21の移動速度220
(mm/sec)と同じ速い速度に設定されている。そ
のため、上記中間転写ベルト21の移動速度を減速し
て、OHPシートやハガキ等の超厚紙からなる転写部材
26に対して画像を転写・定着する場合でも、クリーニ
ングブレード51が中間転写ベルト21の表面に接触を
開始してから所定の圧接状態となるまでの間に生じる不
安定な接触状態を減少させることができ、その分だけブ
レードエッジ51a及びその周囲の部分に、応力と歪み
が繰り返し作用するのを抑制することができるため、当
該ブレードエッジ51aに欠けや反転等の損傷が発生す
るのを防止することが可能となる。
【0131】実施例2 また、この実施の形態2の実施例2においては、被清掃
部材の移動速度が、通常の速度である通常モードと、当
該通常モードよりも遅い減速モードとに切り換え可能に
構成され、前記減速モードにおいては、被清掃部材の移
動速度を通常モードと等しい速度に戻した後に、前記弾
性ブレードを被清掃部材に当接させるように構成されて
いる。
【0132】すなわち、この実施例2においては、中間
転写ベルト21の移動速度を減速して、OHPシートや
ハガキ等の超厚紙からなる転写部材26に対して画像を
転写・定着する場合に、当該中間転写ベルト21の表面
を清掃するクリーニングブレード51をアドバンス(接
触)させる際の移動速度Vb1のみを、中間転写ベルト
21の移動速度が220(mm/sec)のときと同じ
速い速度に設定するのではなく、中間転写ベルト21上
の最終トナー像を転写用紙26上に転写した後、図10
に示すように、中間転写ベルト21の移動速度そのもの
を通常の速度である220(mm/sec)に戻し、そ
の後クリーニングブレード51を中間転写ベルト21の
表面にアドバンス(接触)させるように構成されてい
る。
【0133】このように、OHPシートやハガキ等の超
厚紙からなる転写部材26に対して画像を転写・定着す
る場合であっても、図10に示すように、中間転写ベル
ト21の移動速度そのものを通常の速度である220
(mm/sec)に戻し、その後クリーニングブレード
51を中間転写ベルト21の表面にアドバンス(接触)
させることにより、ブレードエッジ51aに欠けや反転
等の損傷が発生するのを防止することが可能となるのは
勿論のこと、クリーニングブレード51を移動させる偏
芯カム56を、画像形成手段を駆動する駆動モータによ
って駆動することができ、偏芯カム56を駆動する独自
の駆動モータを設ける必要がないので、その分だけ部品
点数を減少させることができ、コストダウンが可能とな
る。
【0134】実施例3 さらに、この実施の形態2の実施例3では、転写部材の
種類に応じて、転写・定着のプロセススピードを減速す
るモードを有する画像形成装置において、減速モードの
対象となる転写部材は、LEF(ロングエッジフィー
ド:長手送り)に限定するように構成されている。
【0135】すなわち、この実施例3に係るカラー電子
写真複写機は、上述したように、通常モードと、第1の
減速モード(厚紙モード)と、第2の減速モード(超厚
紙モード)とを備えている。そして、上記カラー電子写
真複写機では、特に、OHPシートや、ハガキ、あるい
は坪量200g/m2 以上の超厚紙に対して画像を形成
する際に、中間転写ベルト21上に転写されたトナー像
を、OHPシートやハガキ等の超厚紙に対して良好に二
次転写することができるよう、バックアップロール25
に印加する二次転写電圧が通常よりも大幅に高い2.7
kV程度に設定されている。そのため、特に超厚紙モー
ドにおいては、バックアップロール25と二次転写ロー
ル27との間に印加される高電圧によって、二次転写ロ
ール27と中間転写ベルト21が直接接触する領域で、
微少なギャップによる放電が発生し、当該放電によって
中間転写ベルト21の表面が損傷を受けたり、放電生成
物が付着したりする。その結果、中間転写ベルト21の
表面が放電を受けた領域とクリーニングブレード51と
の摩擦係数が高くなり、当該クリーニングブレード51
のエッジ部の欠けや反転等が顕著に発生する。
【0136】そこで、この実施例3では、バックアップ
ロール25に大幅に高い二次転写電圧を印加する超厚紙
モードにおいて、当該超厚紙モードで画像が形成される
OHPシート等の超厚紙を、LEF(ロングエッジフィ
ード:長手送り)に限定して給紙するように構成されて
いる。
【0137】このように、超厚紙をLEF(ロングエッ
ジフィード:長手送り)で給紙することにより、超厚紙
が中間転写ベルト21の略全幅にわたって存在すること
になるため、二次転写ロール27と中間転写ベルト21
が直接接触する領域がほとんど生じない。そのため、二
次転写ロール27と中間転写ベルト21との微少なギャ
ップによる放電がほとんど発生しないので、当該放電に
よって中間転写ベルト21の表面が損傷を受けるのを防
止することができ、中間転写ベルト21表面の摩擦係数
が高くなるのを抑制することができ、クリーニングブレ
ード51のエッジ部の欠けや反転等が発生するのを抑制
することが可能となる。
【0138】その他の構成及び作用は、前記実施の形態
1と同様であるので、説明を省略する。
【0139】(2−3)実施の形態3 図1はこの発明の実施の形態3に係るクリーニング装置
をも示す構成図である。
【0140】実施例1 この実施の形態3の実施例1においては、白黒モード
時、中間転写体が動き出す前にブレードを当該中間転写
体に接触させ、画像形成動作が終了して、中間転写体が
停止した後にブレードを離間させるように構成されてい
る。
【0141】すなわち、この実施の形態3では、図2及
び図3に示すように、当該クリーニング装置50を適用
したカラー電子写真複写機が、前述したように、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックからなるフルカラーの
画像以外に、ブラックのトナーのみからなる白黒の画像
をも形成可能となっている。
【0142】上記カラー電子写真複写機において、白黒
の画像を形成する場合には、図3に示すように、感光体
ドラム17上に白黒の画像をROS13によって露光す
ることにより、当該感光体ドラム17上に白黒の画像に
対応した静電潜像を形成し、この静電潜像をブラックの
現像器19BKによって現像する。そして、上記カラー
電子写真複写機は、感光体ドラム17上に形成されたブ
ラックのトナー像を、一次転写ロール22によって中間
転写ベルト21上に一次転写した後、当該中間転写ベル
ト21上に転写されたブラックのトナー像を、二次転写
位置において転写用紙26上に直ちに二次転写するよう
に構成されている。そのため、白黒モードにおいては、
中間転写ベルト21の表面を清掃するクリーニングブレ
ード51を、当該中間転写ベルト21の表面に圧接した
ままの状態としても、中間転写ベルト21上に転写され
たトナー像を乱すことがない。
【0143】ところで、この実施例1では、上記カラー
電子写真複写機において白黒の画像を形成する場合は、
図11に示すように、コピーボタン等が押されて複写機
がスタートした後、中間転写ベルト21が動き出す前
に、偏芯カム56を回動してクリーニングブレード51
を中間転写ベルト21に圧接させるとともに、画像形成
動作が終了して、中間転写ベルト21が停止した後に、
クリーニングブレード51を中間転写ベルト21から離
間させるようになっている。
【0144】このように、上記実施例1では、白黒モー
ド時、中間転写ベルト21が動き出す前にクリーニング
ブレード51を接触させ、画像形成動作が終了して、中
間転写ベルト21が停止した後にクリーニングブレード
51を離間させるように構成されているので、白黒モー
ド時は、中間転写ベルト21が移動している間に、当該
中間転写ベルト21にクリーニングブレード51が接離
するのを防止することができ、その分だけクリーニング
ブレード51が不安定な状態で中間転写ベルト21に接
触したり離間することがないので、当該クリーニングブ
レード51のエッジ部51aに欠けや反転等の損傷が生
じるのを抑制することができる。
【0145】実施例2 この実施の形態3の実施例2においては、中間転写体が
動き出す前にブレードを当該中間転写体に接触させ、白
黒モードかカラーモードかを判別し、カラーモードの場
合には、少なくとも1色目のトナー像がクリーニング位
置を通過する前に、中間転写体からブレードを離間させ
るように構成されている。
【0146】すなわち、この実施例2では、図12に示
すように、コピーボタン等が押されて複写機がスタート
した後、中間転写ベルト21が動き出す前に、偏芯カム
56を回動してクリーニングブレード51を中間転写ベ
ルト21に圧接させる。その後、上記カラー電子写真複
写機は、白黒モードかカラーモードかを判別し、カラー
モードの場合には、少なくとも1色目のトナー像がクリ
ーニング位置を通過する前に、中間転写ベルト21から
クリーニングブレード51を離間させるようになってい
る。なお、白黒モードの場合には、上述した実施例1と
同様に、画像形成動作中は、クリーニングブレード51
を中間転写ベルト21に圧接させたままの状態とし、画
像形成動作が終了して、中間転写ベルト21が停止した
後に、クリーニングブレード51を中間転写ベルト21
から離間させる。
【0147】このように、上記実施例2では、中間転写
ベルト21が動き出す前にクリーニングブレード51を
当該中間転写ベルト21に接触させ、白黒モードかカラ
ーモードかを判別し、カラーモードの場合には、少なく
とも1色目のトナー像がクリーニング位置を通過する前
に、中間転写ベルト21からクリーニングブレード51
を離間させるように構成することにより、白黒モード及
びカラーモードのいずれにおいても、画像形成動作を開
始する前に、中間転写ベルト21の表面をクリーニング
ブレード51で清掃する際、中間転写ベルト21が停止
した状態でクリーニングブレード51を当該中間転写ベ
ルト21の表面に当接させることができるため、その分
だけクリーニングブレード51が不安定な状態で中間転
写ベルト21に接触したりすることがないので、当該ク
リーニングブレード51のエッジ部51aに欠けや反転
等の損傷が生じるのを抑制することができる。
【0148】実施例3 この実施の形態3の実施例3においては、カラーモード
時、最終画像形成動作終了時は、弾性ブレードを中間転
写体に接触させたままにしておき、当該中間転写体が停
止してから、中間転写体からブレードを離間させるよう
に構成されている。
【0149】すなわち、この実施例3では、図12に示
すように、カラーモード時、最終画像形成動作が終了し
たときは、クリーニングブレード51を中間転写ベルト
21に接触させたままにしておき、当該中間転写ベルト
21が停止してから、中間転写ベルト21からクリーニ
ングブレード51を離間させる。
【0150】このように、上記実施例3では、カラーモ
ード時、最終画像形成動作が終了したときに、中間転写
ベルト21が停止してから、当該中間転写ベルト21か
らクリーニングブレード51を離間させることにより、
中間転写ベルト21が停止した状態でクリーニングブレ
ード51を当該中間転写ベルト21の表面から離間させ
ることができるため、その分だけクリーニングブレード
51が不安定な状態で中間転写ベルト21から離間した
りすることがないので、当該クリーニングブレード51
のエッジ部51aに欠けや反転等の損傷が生じるのを抑
制することができる。
【0151】実験例1 次に、本発明者らは、上記実施の形態3の実施例1の効
果を確認するため、図3に示すようなカラー電子写真複
写機を試作し、中間転写ベルト21が停止しているとき
に、クリーニングブレード51を当該中間転写ベルト2
1の表面に接離させるように構成し、クリーニング不良
又はブレードの欠けやめくれ等が発生するか否かを確認
する実験を行った。
【0152】この実験は、白黒モードで、中間転写ベル
ト21の移動速度であるプロセススピードを220mm
/secに設定し、100枚連続モードを繰り返して行
った。実験環境は、温度28.5℃、湿度85RH%の
高温高湿環境下で行った。
【0153】図13は上記実験の結果を示すものであ
る。
【0154】この図13から明らかなように、上記実施
の形態3の実施例1の場合には、150k(1k=10
00枚)でも、クリーニング不良は未発生であり、しか
もブレード51の欠けやめくれ等が発生しなかった。
【0155】これに対して、従来例の場合には、10k
(1k=1000枚)で清掃不良による縦筋が発生し、
しかもブレード51の筋発生相当部に欠けが発生してい
た。
【0156】その他の構成及び作用は、前記実施の形態
1と同様であるので、説明を省略する。
【0157】(2−4)実施の形態4 図14はこの発明の実施の形態4に係るクリーニング装
置を適用したカラー電子写真複写機を示す構成図であ
る。
【0158】この実施の形態4は、前記被清掃部材の表
面に低表面エネルギー物質を塗布する塗布手段を備え、
前記被清掃部材の表面に弾性ブレードが接触していると
きの当該被清掃部材を駆動する駆動トルクを検知し、前
記駆動トルクが所定の値以上となった場合に、塗布手段
によって被清掃部材の表面に低表面エネルギー物質を塗
布するように構成されている。
【0159】すなわち、この実施の形態4では、図14
に示すように、当該クリーニング装置50を適用したカ
ラー電子写真複写機が、中間転写ベルト21の表面に低
表面エネルギー物質を塗布する塗布手段70を備えてい
る。この塗布手段70は、低表面エネルギー物質として
のジメチルシリコーンオイルを含浸させた塗布ロール7
1から構成されている。上記塗布ロール71は、例え
ば、シリコンゴム等によって形成されている。また、上
記塗布ロール71は、回転自在に支持されており、しか
も接離機構72によって駆動ロール23に巻き付けられ
た中間転写ベルト21の表面に接離可能となっている。
【0160】さらに、この実施の形態4においては、通
常のプリント枚数をカウントするカウンタとは別に、低
表面エネルギー物質を塗布する間隔を決定するための塗
布間隔決定用のカウンタ73が設けられている。
【0161】そして、普通紙モードのとき、CPU74
は、中間転写ベルト21を駆動する駆動モータ75を2
20mm/secで全速駆動させるとともに、二次転写
用の高圧電源76を介してバックアップロール25に低
電圧(例えば、1.3kV)を印加し、画像の形成及び
転写を行い、1枚プリントするごとにカウンタCAI73
を1つ進める。
【0162】また、厚紙・OHPモードのとき、CPU
74は、中間転写ベルト21を駆動する駆動モータ75
を60mm/secで減速駆動させるとともに、二次転
写用の高圧電源76を介してバックアップロール25に
高電圧(例えば、2.7kV)を印加し、画像の形成及
び転写を行い、1枚プリントするごとに塗布間隔決定用
のカウンタCAI73を10進める。
【0163】CPU74は、塗布間隔決定用のカウンタ
AI73の値が、メモリー77に記憶された塗布実行閾
値Sを越えたならば、実行中のジョブの終わりを待っ
て、塗布ロール71を中間転写ベルト21の表面に接触
させて、低表面エネルギー物質を中間転写ベルト21の
表面に塗布し、カウンタCAI73の値をゼロに戻す。
【0164】なお、必要に応じて、カラー電子写真複写
機内の温度及び湿度を検知する温湿度センサ78を設
け、高温高湿環境時である場合には、メモリー77に記
憶された塗布実行閾値Sとして、通常環境時の塗布実行
閾値S1よりも少なく設定された高温高湿環境時の塗布
実行閾値S2を使用することにより、低表面エネルギー
物質の塗布インターバルを短くするように構成してもよ
い。
【0165】また、この実施の形態4では、CPU74
が毎プリント時に中間転写ベルト21を駆動する駆動モ
ータ75の駆動電流を電流計79でモニターすることに
よって、中間転写ベルト21の駆動トルクを検知し、或
るトルク値Tに対応して予め設定された電流値IT を越
えた場合には、プリントジョブの終わりを待たずに、実
行中のプリントが終了すると、直ちにジョブを一時中断
し、塗布ロール71を中間転写ベルト21の表面に接触
させて、低表面エネルギー物質を中間転写ベルト21の
表面に塗布する動作を実行し、カウンタCAI73の値を
ゼロに戻して、その後ジョブを再開するようになってい
る。
【0166】本発明者らは、低表面エネルギー物質を塗
布する塗布手段70を制御するための基礎データとし
て、通常環境下と高温高湿環境下で、A4SEF(ショ
ートエッジフィード:短手送り)でプリントし続けたと
きに、クリーニングブレード51のエッジに損傷が発生
したときのプリント枚数と、中間転写ベルト21を駆動
する駆動モータのトルクを調べる実験を行った。図15
はこの実験の結果を示すものである。
【0167】クリーニングブレード51の損傷は、中間
転写ベルト21表面の摩擦係数μが1より大きいところ
で起こり、摩擦係数μ=1に対応する中間転写ベルト2
1の駆動トルクは、図16から分かるように、ほぼ2.
5kgf・cmである。
【0168】中間転写ベルト21の回転速度を一定に保
つ機構を備えた駆動モータ系を使用した場合、駆動モー
タの電流値を駆動トルクの代用特性として用いることが
でき、摩擦係数μ=1に対応する駆動モータの電流値
は、図17から分かるように、ほぼ300mAである。
【0169】また、図15から明らかなように、厚紙・
OHPモードでプリントした場合、普通紙モードのほぼ
10分の1のプリント枚数で、クリーニングブレード5
1の損傷が起こることがわかる。一方、高温高湿環境下
でプリントした場合、通常環境下のほぼ2分の1のプリ
ント枚数で、クリーニングブレード51の損傷が起こる
ことがわかる。
【0170】そこで、この実施の形態4では、通常環境
時の塗布実行閾値S1を60000、高温高湿環境時の
塗布実行閾値S2を30000、駆動モータの電流値I
T を280mAにそれぞれ設定されている。
【0171】さらに、中間転写ベルト21表面の水接触
角と中間転写ベルト21表面の摩擦係数は、図18に示
すような相関があることが、本発明者らの実験によって
明らかとなっている。
【0172】従って、中間転写ベルト21表面の水接触
角が75度を下回ると、中間転写ベルト21表面の摩擦
係数μが1を越え、クリーニングブレード51の損傷が
起こるということもできる。
【0173】そこで、この実施の形態4では、中間転写
ベルト21の表面に低表面エネルギー物質を塗布し、当
該中間転写ベルト21表面の水接触角を80度台に保つ
ようにしている。
【0174】但し、低表面エネルギー物質の塗布量が多
すぎて、中間転写ベルト21表面の水接触角が90度台
の後半以上になると、一次転写部においてホローキャラ
クターと呼ばれる文字や線の中央部が白く抜ける転写欠
陥や白抜けといった転写欠陥を生じることが、本発明者
らの実験によって明らかとなっている。
【0175】図19に低表面エネルギー物質としてシリ
コーンオイルを用いた場合の塗布量と接触角・転写欠陥
との関係を示す。
【0176】この図19から分かるように、低表面エネ
ルギー物質としてのシリコーンオイルの塗布量は、0.
04〜0.1μl/A4の範囲内とすべきことが結論さ
れる。
【0177】また、中間転写ベルト21の表面に塗布す
る低表面エネルギー物質としては、ここで挙げたジメチ
ルシリコーンオイルやアミン変性シリコーンオイル等の
オイル系の他に、オレイン酸アミドなどの不飽和脂肪酸
等を使用することができる。
【0178】その他の構成及び作用は、前記実施の形態
1と同一であるので、その説明を省略する。
【0179】(2−5)実施の形態5 図1はこの発明の実施の形態5に係るクリーニング装置
をも示す構成図である。
【0180】実施例1 この実施の形態5の実施例1においては、弾性ブレード
を形成する材料として、40℃における反発弾性(JI
S K6301)が80%以下の合成樹脂製弾性体を使
用するように構成したものである。
【0181】また、この実施の形態5では、クリーニン
グ装置が所定の位置で中間転写体に当接した状態で、弾
性ブレードの支持部材と中間転写体の位置関係が一義的
に決まるように設定して、クリーニング動作を行うよう
に構成されている。
【0182】すなわち、この実施の形態5では、図1に
示すように、クリーニング装置50が所定の速度で移動
する中間転写ベルト21の表面に圧接して、当該中間転
写ベルト21表面の付着物を除去する弾性体からなるク
リーニングブレード51を備えているが、このクリーニ
ングブレード51を形成する材料として、40℃におけ
る反発弾性(JIS K6301)が80%以下のポリ
ウレタンを使用している。具体的には、上記クリーニン
グブレード51を形成する材料として、40℃における
反発弾性(JIS K6301)が69%のポリウレタ
ンが使用されている。
【0183】また、この実施の形態5に係るクリーニン
グ装置50は、図1に示すように、クリーニングブレー
ド51が取り付けられた押圧板53の押圧部55を、偏
芯カム56によって回動させることにより、当該クリー
ニングブレード51を中間転写ベルト21表面の所定の
位置に圧接させるように構成されている。そのため、こ
のクリーニング装置50では、クリーニングブレード5
1が中間転写ベルト21表面の所定の位置に圧接した状
態で、クリーニングブレード51が板金52を介して取
り付けられた押圧板53と中間転写ベルト21の位置関
係が一義的に決まるように設定して、クリーニング動作
を行うように構成されている。
【0184】このように、上記実施の形態5では、クリ
ーニングブレード51を形成する材料として、40℃に
おける反発弾性(JIS K6301)が80%以下の
ポリウレタンを使用している。そのため、クリーニング
ブレード51は、実際の使用環境温度である40℃にお
いて、反発弾性(JIS K6301)が80%以下と
低いため、クリーニングブレード51が中間転写ベルト
21の表面に圧接する際に、当該クリーニングブレード
51と中間転写ベルト21との間に生じる摩擦力によっ
て、クリーニングブレード51のエッジ部51aが変形
しても、当該ブレードエッジ部51aの内部に発生する
反発弾性に基づく反発弾性力が過大となることがない。
その結果、クリーニングブレード51が中間転写ベルト
21の表面に所定の圧接状態となるまでに発生するステ
ィックスリップ現象を抑制することができ、クリーニン
グブレード51のエッジ部に欠けや反転等の損傷が発生
するのを抑制することができ、クリーニングブレード5
1の長寿命化及び高画質化が可能となる。
【0185】一般に、高温時においては、クリーニング
ブレード51の反発弾性が増加するが、本発明者らの検
討によれば、図20に示すように、クリーニングブレー
ド51の40℃における反発弾性(JIS K630
1)が80%を越えると、ブレードエッジの欠け等の損
傷が顕著に発生することが確認された。
【0186】実施例2 この実施の形態5の実施例2においては、弾性ブレード
を形成する材料として、40℃における摩擦係数が1.
0以下の合成樹脂製弾性体を使用するように構成したも
のである。
【0187】ここで、摩擦係数の測定は、中間転写ベル
ト21とクリーニングブレード51を、40℃の雰囲気
中で、中間転写ベルト21の表面にカイナーを塗布した
状態で行う。
【0188】実施例3 この実施の形態5の実施例3においては、弾性ブレード
が被清掃部材と接触する部分を、当該被清掃部材上に付
着した付着物が溜まり易い形状に形成するように構成し
たものである。
【0189】すなわち、この実施例3に係るクリーニン
グ装置50では、図21(a)(b)に示すように、ク
リーニングブレード51のエッジ部51aを二段エッジ
状に形成したり、2枚のクリーニングブレード511
512 をずらして接着し、当該クリーニングブレード5
1のエッジ部51aが二段エッジ状になるように形成さ
れている。
【0190】このように、クリーニングブレード51の
エッジ部51aを二段エッジ状に形成したりすることに
より、当該ブレード51のエッジ部51aに除去したト
ナー等の付着物が溜まり易く、このブレード51のエッ
ジ部51aに溜まったトナー等の付着物が潤滑剤の役割
を果たし、クリーニングブレード51と中間転写ベルト
21表面との摩擦力を低減する。そのため、クリーニン
グブレード51が中間転写ベルト21表面に接離する際
の不安定な状態を抑制することができ、ブレードエッジ
51aやその周囲の部分に欠けや反転(めくれ)等のダ
メージが発生するのを抑制することができる。
【0191】実施例4 この実施の形態5の実施例4においては、弾性ブレード
が被清掃部材と接触する部分に、潤滑剤又は粘着剤を塗
布するように構成したものである。
【0192】すなわち、この実施例4に係るクリーニン
グ装置50では、図22に示すように、クリーニングブ
レード51のエッジ部51aの先端面と下面に、例えば
潤滑剤80を塗布するように構成されている。この潤滑
剤80としては、無機物質、有機物質等一般的に固体潤
滑剤として知られているものを使用することができる。
上記無機物質としては、例えば、タルク、炭酸カルシウ
ム、ニ硫化モリブデン、二酸化ケイ素、黒鉛等が挙げら
れる。また、上記有機物質としては、例えば、フッ素樹
脂、ナイロン樹脂(ポリアミド)、シリコン樹脂、ポリ
アセタール樹脂等が挙げられる。これらの中でも、特に
有機物質、無機物質を問わず、フッ素系化合物が特に摩
擦係数が低いことから好ましい。
【0193】このフッ素系化合物粉末としては、フッ化
黒鉛、ポリフッ化ニビリデン樹脂、四フッ化エチレン樹
脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹
脂、四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレ
ン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エ
チレン−エチレン共重合樹脂等が挙げられる。
【0194】上記無機物質や有機物質等からなる固体潤
滑剤は、粉体のままクリーニングブレード51のエッジ
部51aに塗布しても良いが、揮発性の溶剤に分散させ
た後に、クリーニングブレード51のエッジ部51aに
塗布し、乾燥させて使用した方が長期間に渡って潤滑剤
がクリーニングブレード51に存在するので好ましい。
【0195】このように、クリーニングブレード51の
エッジ部51aに潤滑剤80等を塗布することにより、
当該潤滑剤80の潤滑作用によってクリーニングブレー
ド51と中間転写ベルト21表面との摩擦力を低減する
ことができる。そのため、クリーニングブレード51が
中間転写ベルト21表面に接離する際の不安定な状態を
抑制することができ、ブレードエッジ51aやその周囲
の部分に欠けや反転(めくれ)等のダメージが発生する
のを抑制することができる。
【0196】なお、クリーニングブレード51のエッジ
部51aに、潤滑剤80の代わりに粘着剤を塗布し、こ
の粘着剤に付着したトナー等を潤滑剤として使用するよ
うに構成しても良い。この状態では、粘着剤によってク
リーニングできないため、クリーニングブレード51の
エッジ51aの近傍(1mm程度)は、粘着剤を付着さ
せないようにする必要がある。
【0197】実施例5 この実施の形態5の実施例5においては、クリーニング
装置のトナー受けシール部にブレードを設けるように構
成したものである。
【0198】すなわち、この実施例5に係るクリーニン
グ装置50では、図23に示すように、シール部材59
の中間転写ベルト21側の表面に補助ブレード81が接
着等の手段により取り付けられている。クリーニングブ
レード51としては、硬度が60〜80のポリウレタン
ゴムが使用される。上記シール部の補助ブレード81と
しては、上記クリーニングブレード51と同じか、これ
よりも硬度の高いものが使用される。
【0199】また、上記シール部の補助ブレード81と
しては、研磨剤を分散させたものを用いるのが望まし
い。この研磨剤としては、アルミナ、酸化チタン、酸化
珪素などの金属酸化物などが良い。
【0200】さらに、上記シール部の補助ブレード81
としては、潤滑剤を分散させたものを用いても良い。上
記無機潤滑剤としては、上述したように、例えば、タル
ク、炭酸カルシウム、ニ硫化モリブデン、二酸化ケイ
素、黒鉛等が挙げられる。また、上記有機潤滑剤として
は、飽和脂肪酸アミドまたは不飽和脂肪酸アミド、飽和
脂肪酸ビスアミドまたは不飽和脂肪酸ビスアミドや、ポ
リエチレンワックス、モンタンワックス、ステアリン酸
等の高級脂肪酸、金属石鹸、高級脂肪酸エステルなどが
挙げられる。
【0201】このように、クリーニングブレード51の
上流側に位置するシール部材に、補助ブレード81を設
けることによって、二次転写位置等において、中間転写
ベルト21の表面に付着した放電生成物等を、補助ブレ
ード81によって予め除去することができ、クリーニン
グブレード51と中間転写ベルト21表面との摩擦力を
低減することができる。そのため、クリーニングブレー
ド51が中間転写ベルト21表面に接離する際の不安定
な状態を抑制することができ、ブレードエッジ51aや
その周囲の部分に欠けや反転(めくれ)等のダメージが
発生するのを抑制することができる。また、上記補助ブ
レード81に研磨剤を分散させることにより、中間転写
ベルト21の表面に付着した放電生成物等の除去効率を
高めることができる。さらに、上記補助ブレード81に
潤滑剤を分散させることにより、中間転写ベルト21の
表面に潤滑剤を塗布することで、クリーニングブレード
51と中間転写ベルト21表面との摩擦力を低減するこ
とができる。
【0202】その他の構成及び作用は、前記実施の形態
1と同一であるので、その説明を省略する。
【0203】(2−6)実施の形態6 図1はこの発明の実施の形態6に係るクリーニング装置
をも示す構成図である。
【0204】この実施の形態6では、被清掃部材を張架
するロールに対向し、当該被清掃部材とロールの接線上
に弾性ブレードの接触ポイントがある場合、前記弾性ブ
レードの接触角度を13〜18°の間に設定するように
構成されている。
【0205】また、この実施の形態6では、被清掃部材
を張架するロールに対向し、当該被清掃部材の移動方向
上流側でロールに接触しない被清掃部材の表面に、弾性
ブレードの接触ポイントがある場合、当該接触ポイント
がロールから離れるに従って、前記弾性ブレードの接触
角度を大きく設定するように構成されている。
【0206】ここで、弾性ブレードの接触ポイントがロ
ールから離れるに従って、前記弾性ブレードの接触角度
を大きく設定する程度としては、例えば、弾性ブレード
の接触ポイントがロールからX(mm)離れるに従っ
て、前記弾性ブレードの接触角度を13+X〜18+X
°の間に設定するように構成される。
【0207】すなわち、この実施の形態6では、図24
に示すように、被清掃部材としての中間転写ベルト21
を張架する駆動ロール23に対向し、当該中間転写ベル
ト21と駆動ロール23の接線上、あるいは駆動ロール
23上にクリーニングブレード51の接触ポイントPが
ある場合、前記クリーニングブレード51の接触角度θ
を13〜18°の間に設定するようになっている。
【0208】この実施の形態に係るカラー電子写真複写
機は、フルカラーの画像を形成する場合、イエロー、マ
ゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像Tが転写さ
れる中間転写ベルト21を、クリーニング装置50によ
って清掃する必要があるため、当該クリーニング装置5
0には、感光体ドラム17の表面を清掃するクリーニン
グ装置に比べて、3倍以上のクリーナー性を持たせる必
要がある。その要求を満たすためには、従来の感光体ド
ラムのブレードパラメータに比べ、材質等の選定はもち
ろん、特に設定角度が重要となり、本発明者らの検討の
結果では、従来より7°程度、クリーニングブレード5
1の接触角度をねかせる必要がある。従来の感光体ドラ
ムのクリーニングブレードは、通常、20〜25°の間
に設定されている。そこで、中間転写ベルト21の表面
を清掃するクリーニングブレード51は、中間転写ベル
ト21と駆動ロール23の接線上にクリーニングブレー
ド51の接触ポイントがある場合、前記クリーニングブ
レード51の接触角度を、感光体ドラムのクリーニング
ブレードの接触角度である20〜25°に対して、7°
程度ねかせる(小さくする)必要があり、13〜18°
の間に設定するように構成されている。
【0209】また、図25に示すように、クリーニング
ブレード51と駆動ロール23の接線上にクリーニング
ブレード51の接触ポイントがない場合、つまり中間転
写ベルト21を張架する駆動ロール23に対向し、当該
中間転写ベルト21の移動方向上流側で駆動ロール23
に接触しない中間転写ベルト21の表面に、クリーニン
グブレード51の接触ポイントPがある場合、クリーニ
ングブレード51が中間転写ベルト21の表面に圧接す
ることによって、中間転写ベルト21がわずかながら撓
むことになる。そのため、駆動ロール23によって張架
されていない中間転写ベルト21上において、当該中間
転写ベルト21の表面にクリーニングブレード51を圧
接させる場合には、中間転写ベルト21の撓みを考慮し
て、その分だけクリーニングブレードの接触角度を大き
く設定する必要がある。
【0210】そして、この実施の形態では、図25に示
すように、クリーニングブレード51の接触ポイントが
駆動ロール23から離れるに従って、前記クリーニング
ブレード51の接触角度を大きく設定する程度として、
クリーニングブレード51の接触ポイントが駆動ロール
23からX(mm)離れるに従って、前記クリーニング
ブレード51の接触角度を13+X〜18+X°の間に
設定するようになっている。そして、中間転写ベルト2
1が撓んで逃げた場合でも、必要なブレードの接触角度
を維持することが可能となっている。なお、上記クリー
ニングブレードの接触ポイント及び接触角度は、図26
に示すように、ロールやベルトがないと仮定した場合
に、ブレード51が所定の食い込み量で停止したとき
に、ブレードのエッジが接触する位置及び接触角度をそ
れぞれ示している。
【0211】この実施の形態では、X=1.8mm、ブ
レードの接触角度が17°に設定されている。
【0212】このように、上記実施の形態では、駆動ロ
ール23上で中間転写ベルト21をクリーニングブレー
ド51によって清掃する場合でも、あるいは駆動ロール
23上から離れた位置で中間転写ベルト21をクリーニ
ングブレード51によって清掃する場合でも、十分なク
リーニング性能を得ることができる。
【0213】次に、本発明者らは、クリーニングブレー
ド51を駆動ロール23上、あるいは駆動ロール23か
ら1.5mm、3.4mm離れた位置で、中間転写ベル
ト21の表面に圧接させた場合に、クリーニングブレー
ド51の接触角度を11〜23°まで段階的に変化させ
た場合に、ブレードめくれの発生の有無、クリーニング
不良の発生の有無を確認する実験を行った。このときの
実験は、図3に示すような画像形成装置を試作し、高温
高湿(28℃・85%)、超厚紙モード、A4SEF、
フルカラーモード、100枚連続して、10kPV(1
kPV=1000枚)まで画像形成を実施することによ
って行った。
【0214】図27は上記実験の結果を示すものであ
る。
【0215】この図27から明らかなように、クリーニ
ングブレード51を駆動ロール23上で中間転写ベルト
21の表面に圧接させた場合、クリーニングブレード5
1の接触角度を13〜18°に設定した場合に、ブレー
ドめくれやクリーニング不良が発生せず、クリーニング
ブレード51の長寿命化や高画質化が可能となることが
わかる。
【0216】また、クリーニングブレード51を駆動ロ
ール23上から距離X(mm)だけ離れた位置で中間転
写ベルト21の表面に圧接させた場合、クリーニングブ
レード51の接触角度を約13+X〜18+X°に設定
することにより、ブレードめくれやクリーニング不良が
発生せず、クリーニングブレード51の長寿命化や高画
質化が可能となることがわかる。
【0217】なお、上記実施の形態6では、上記クリー
ニングブレード51が駆動ロール23の接触ポイントか
ら離れるに従って、クリーニングブレード51の当接圧
力を高く設定するように構成しても良い。クリーニング
ブレード51の当接圧力を高く設定する手段としては、
例えば、ブレードの接触角度を大きくする、ブレードの
自由長を短くする、ブレードの食い込み量を大きくす
る、ブレードの厚さを厚くすることなどが挙げられる。
【0218】上記クリーニングブレード51は、定荷重
方式でクリーニングブレード51の当接圧力を高く設定
する場合は、例えば、ノーマルフォースを高く設定する
ことによって行われる。また、クリーニングブレード5
1は、定変位方式でクリーニングブレード51の当接圧
力を高く設定する場合は、例えば、上述したように、ブ
レードの食い込み量を多く設定する、ブレードの硬度を
高く設定する、ブレードの自由長を短く設定する、ブレ
ードの厚さを厚く設定することなどによって行われる。
なお、ここで、定荷重方式とは、クリーニングブレード
に一定の荷重を加えて中間転写ベルトに圧接させる方式
をいい、定変位方式とは、クリーニングブレードの変形
量を一定にして中間転写ベルトに圧接させる方式をい
う。
【0219】その他の構成及び作用は、前記実施の形態
1と同一であるので、その説明を省略する。
【0220】(2−7)実施の形態7 図1はこの発明の実施の形態7に係るクリーニング装置
をも示す構成図である。
【0221】この実施の形態7においては、被清掃部材
表面の放電生成物を除去する除去部材を、被清掃部材の
表面に接離可能に設けるように構成されている。
【0222】すなわち、この実施の形態7では、図28
に示すように、中間転写ベルト21を回動可能に支持す
る複数のロールのうち、当該中間転写ベルト21の移動
方向下流側に位置する従動ロール24bに対向する位置
において、中間転写ベルト21の表面に付着した放電生
成物を除去する除去部材82が設けられている。この除
去部材82としては、例えば、図26に示すように、水
を含浸させたスポンジ等からなる含水ロール83が用い
られる。また、上記除去部材82としては、図29に示
すように、水を含浸させたPVA等からなる含水パッド
84が用いられる。これらの含水ロール83や含水パッ
ド84は、中間転写ベルト21の表面に接離可能となっ
ている。
【0223】このように、含水ロール83や含水パッド
84によって、中間転写ベルト21の表面に付着した放
電生成物を除去することにより、当該中間転写ベルト2
1の表面に放電生成物が付着することによる摩擦係数の
増加を抑えることができる。そのため、クリーニングブ
レード51と中間転写ベルト21表面との摩擦力を低減
することができ、クリーニングブレード51が中間転写
ベルト21表面に接離する際の不安定な状態を抑制する
ことができ、ブレードエッジ51aやその周囲の部分に
欠けや反転(めくれ)等のダメージが発生するのを抑制
することが可能となる。
【0224】なお、上記中間転写ベルト21の表面に付
着する放電生成物は、水溶性であるため、除去部材82
としての含水ロール83や含水パッド84に、水を含浸
させることにより、放電生成物を効果的に除去すること
ができる。
【0225】また、上記除去部材82としての含水ロー
ル83や含水パッド84を、中間転写ベルト21の表面
に接触させるタイミングは、使用する転写部材の種類
や、紙送り方向等に応じて設定するように構成しても良
い。
【0226】なお、本発明者らがランニングテストを行
ったところ、図30に示すような結果が得られた。ま
た、ベルト表面の水接触角の変化は、図31に示すよう
になった。
【0227】このランニングテストは、フルカラーモー
ドで、中間転写ベルト21の移動速度であるプロセスス
ピードを220mm/secに設定し、100枚連続モ
ードを繰り返して行った。実験環境は、温度28.5
℃、湿度85RH%の高温高湿環境下で行った。
【0228】(2−8)その他の実施の形態 その他の実施の形態としては、例えば、中間転写ベルト
21が移動中に、クリーニングブレード51が当該中間
転写ベルト21表面にアドバンスとリトラクトするクリ
ーニング装置50において、クリーニングブレード51
のエッジが中間転写ベルト21の表面に接触する瞬間
に、中間転写ベルト21の移動を一瞬停止させ、クリー
ニングブレード51が所定の位置まで達した後に、中間
転写ベルト21の移動を開始するように構成しても良
い。
【0229】また、クリーニングブレード51のエッジ
が中間転写ベルト21の表面に接触する瞬間に、中間転
写ベルト21の移動を停止させるのではなく、中間転写
ベルト21の移動速度を変化させるように構成しても良
い。
【0230】このように、クリーニングブレード51の
エッジが中間転写ベルト21の表面に接触する瞬間に、
中間転写ベルト21の移動を一瞬停止させ、クリーニン
グブレード51が所定の位置まで達した後に、中間転写
ベルト21の移動を開始するように構成することによ
り、クリーニングブレード51が中間転写ベルト21表
面に接離する際の不安定な状態を解消することができ、
ブレードエッジ51aやその周囲の部分に欠けや反転
(めくれ)等のダメージが発生するのを抑制することが
可能となる。
【0231】さらに、その他の実施の形態としては、例
えば、中間転写ベルト21が移動中に、クリーニングブ
レード51が当該中間転写ベルト21表面にアドバンス
とリトラクトするクリーニング装置50において、クリ
ーニングブレード51のエッジが中間転写ベルト21の
表面に接触してから所定の位置まで達する間に、クリー
ニングブレード51と中間転写ベルト21の接触角度
が、小から大、または大から小となるように変化させな
がら、接触動作を行うように構成しても良い。
【0232】また、中間転写ベルト21が移動中に、ク
リーニングブレード51が当該中間転写ベルト21表面
にアドバンスとリトラクトするクリーニング装置50に
おいて、クリーニングブレード51のリトラクト動作を
行う支点54を、ブレードを基準にして、中間転写ベル
ト21の移動方向の上流側に配置し、所謂ワイパーブレ
ードとするように構成しても良い。
【0233】更にまた、他の実施の形態としては、クリ
ーニングブレード51が当接する中間転写ベルト21表
面が、当該中間転写ベルト21の駆動時にベルトのテン
ションむらなどで発生するうねり(凹凸)を、5mm以
下に抑えるように構成される。上記中間転写ベルト21
のうねりが大きいと、クリーニングブレード51が中間
転写ベルト21に接触する際に、中間転写ベルト21の
凸部からクリーニングブレード51に接触してしまうた
め、この部分でブレードエッジの欠けが加速されてしま
う。中間転写ベルト21のうねりは、ピークツーピーク
で5mm以下の場合、ブレードエッジの欠けは発生しな
かった。
【0234】また、他の実施の形態としては、中間転写
ベルトを駆動または張架するロールに対向し、ロール
上、またはベルトの移動方向上流側でロールに接触しな
いベルト表面に、クリーニングブレード51を接触させ
る中間転写ベルトのクリーニング装置において、クリー
ニングブレード51の対向ロールの表面粗さRzを、R
z<50μmとするように構成される。
【0235】対向ロールの表面粗さによってベルト表面
に凹凸が発生する。この凹凸によって、ブレードエッジ
に応力が加わり、エッジの欠けや反転が発生する。この
場合、対向ロールの表面粗さRzが、Rz<50μmで
あれば、ベルト表面の凹凸は少なく、ブレードエッジへ
の負荷も軽減できる。
【0236】さらに、他の実施の形態としては、中間転
写ベルトを駆動または張架するロールに対向し、ロール
上、またはベルトの移動方向上流側でロールに接触しな
いベルト表面に、クリーニングブレード51を接触させ
る中間転写ベルトのクリーニング装置において、クリー
ニングブレード51の対向ロールの外径φを、φ<10
mmとするように構成される。
【0237】ベルトを介してブレードが直接対向ロール
に接触すると、ロールの振れなどの影響を受けやすいの
で、クリーニングブレード51の対向ロールの外径φ
を、或る程度小さくした方が効果的である。
【0238】また更に、他の実施の形態としては、環
境、使用条件(ランレングス、OHPモード等)に応じ
て、ブレードの当接圧力を変える。例えば、高温時は高
く、低温時は低く設定する。
【0239】ブレードエッジの欠けや反転が発生しやす
い条件下では、ブレードの当接圧力を高く設定すること
で、問題が発生しないようにすることができる。
【0240】又、他の実施の形態としては、像担持体上
のトナー像を中間転写体上に一次転写し、この工程を複
数回繰り返して中間転写体上に多色トナー像を形成した
後に、中間転写体と二次転写ロールの間に用紙を通過さ
せて多色トナー像を一括転写する画像形成装置におい
て、像担持体、中間転写体、二次転写ロールに各々弾性
ブレードからなるクリーニング手段を備え、これらのう
ち少なくとも1つ以上が定変位タイプであるように構成
される。また、上記の構成のうち、二次転写ロールのク
リーニング手段は、定荷重、中間転写体のクリーニング
手段は、定変位タイプのものが用いられる。
【0241】上記像担持体、中間転写体、二次転写ロー
ルは、それぞれクリーニング手段が必要であるが、コス
ト・スペース等の観点からブレード方式のクリーニング
手段が用いられる。特に、ブレードの支持方法として定
変位タイプが最も良い。この場合、感光体としてアルミ
基材に形成した有機感光体ドラムを、中間転写体として
ベルトを用いた場合には、ドラム及びベルト表面自体が
ブレードの圧力により変形することはないので、定変位
タイプで良い。しかし、二次転写ロールは、弾性ゴムロ
ールで形成するため、定変位方式では摩擦係数が増大し
欠けや反転が発生しやすい。そのため、二次転写ロール
のクリーニングブレードは、定荷重方式にすると、圧力
が一定であるため良好である。
【0242】また、一般に、定荷重方式は、チャタリン
グなどの振動を発生しやすく、感光体と中間転写体の駆
動は、モーションクオリテイに大きく影響を与えるた
め、定変位方式のブレードが有効である。
【0243】さらに、他の実施の形態としては、感光体
ドラム等の像担持体に対して、中間転写体が鉛直方向下
方にあって、二次転写ロールがさらに下側に配置され、
中間転写体のクリーニング手段は、鉛直方向で一次転写
と二次転写との間に設け、除去したトナー等の付着物を
下に落下させるように構成される。
【0244】こうすることによって、ブレードエッジ当
接面も鉛直方向下向きにあるため、トナーが溜まりやす
く、潤滑作用が得られる。そのため、ブレードエッジの
欠けや反転に有効である。
【0245】その他の構成及び作用は、前記実施の形態
1と同様であるので、その説明を省略する。
【0246】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
クリーニング用の弾性ブレードに欠けや反転(めくれ)
等の損傷が発生するのを抑制することができ、クリーニ
ング用弾性ブレードの長寿命化が可能であるとともに、
良好な画質の画像形成が可能なクリーニング装置及びこ
れを用いた画像形成装置を提供することができる。
【0247】また、この発明によれば、普通紙モード以
外にOHPシートやハガキ等の厚紙モードを有する場合
であっても、クリーニング用の弾性ブレードに欠けや反
転(めくれ)等の損傷が発生するのを抑制することがで
き、クリーニング用弾性ブレードの長寿命化が可能であ
るとともに、良好な画質の画像形成が可能な画像形成装
置を提供することができる。
【0248】さらに、この発明によれば、カラーモード
及び白黒モードを有する画像形成装置であっても、クリ
ーニング用の弾性ブレードに欠けや反転(めくれ)等の
損傷が発生するのを抑制することができ、クリーニング
用弾性ブレードの長寿命化が可能であるとともに、良好
な画質の画像形成が可能な画像形成装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の形態1に係るクリー
ニング装置を示す構成図である。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態1に係るクリー
ニング装置を適用した画像形成装置としてのカラー電子
写真複写機を示す構成図である。
【図3】 図3はこの発明の実施の形態1に係るクリー
ニング装置を適用した画像形成装置としてのカラー電子
写真複写機の画像形成手段を示す構成図である。
【図4】 図4はこの発明の実施の形態1に係るクリー
ニング装置を示す構成図である。
【図5】 図5(a)(b)はクリーニグブレードの設
置状態をそれぞれ示す構成図である。
【図6】 図6はプロセススピードとブレードスピード
におけるブレード故障の発生状況を示すグラフである。
【図7】 図7はクリーニングブレードのパラメータと
ブレードの故障との関係を示すグラフである。
【図8】 図8はこの発明の実施の形態2における画像
形成シーケンスを示すタイミングチャートである。
【図9】 図9はこの発明の実施の形態2における厚紙
モードにおける中間転写ベルトの移動速度を示すチャー
トである。
【図10】 図10はこの発明の実施の形態2の厚紙モ
ードにおける中間転写ベルトの移動速度を示すチャート
である。
【図11】 図11はこの発明の実施の形態3の白黒モ
ードにおける画像形成シーケンスを示すタイミングチャ
ートである。
【図12】 図12はこの発明の実施の形態4のカラー
モードにおける画像形成シーケンスを示すタイミングチ
ャートである。
【図13】 図13はランニングテストの結果を示す図
表である。
【図14】 図14はこの発明の実施の形態4に係るク
リーニング装置を適用した画像形成装置としてのカラー
電子写真複写機を示す構成図である。
【図15】 図15(a)(b)はブレード故障発生時
のプリント枚数とトルクとをそれぞれ示す図表である。
【図16】 図16は中間転写ベルトの摩擦係数とトル
クとの関係を示すグラフである。
【図17】 図17は駆動モーターの電流値とトルクと
の関係を示すグラフである。
【図18】 図18は中間転写ベルト表面の水接触角と
摩擦係数との関係を示すグラフである。
【図19】 図19は低表面エネルギーの塗布量と中間
転写ベルト表面の水接触角との関係を示すグラフであ
る。
【図20】 図20はこの発明の実施の形態5に係る4
0℃におけるブレード反発弾性と実機特性を示す図表で
ある。
【図21】 図21(a)(b)はこの発明の実施の形
態5に係るブレードをそれぞれ示す構成図である。
【図22】 図22はこの発明の実施の形態5に係るブ
レードを示す構成図である。
【図23】 図23(a)(b)はこの発明の実施の形
態5に係るクリーニング装置をそれぞれ示す構成図であ
る。
【図24】 図24はこの発明の実施の形態6に係るク
リーニング装置を示す構成図である。
【図25】 図25はこの発明の実施の形態6に係るク
リーニング装置を示す構成図である。
【図26】 図26(a)(b)はこの発明の実施の形
態6に係るブレードの設定条件をそれぞれ示す説明図で
ある。
【図27】 図27はこの発明の実施の形態6の実験条
件及び結果を示す図表である。
【図28】 図28はこの発明の実施の形態7に係るク
リーニング装置を示す構成図である。
【図29】 図29はこの発明の実施の形態7に係るク
リーニング装置を示す構成図である。
【図30】 図30はランニングテストの結果を示す図
表である。
【図31】 図31はベルト表面の水接触角の変化を示
す図表である。
【図32】 図32は従来の画像形成装置の画像形成部
を示す構成図である。
【図33】 図33(a)〜(c)はクリーニングブレ
ードが中間転写ベルトに圧接する状態をそれぞれ示す説
明図である。
【図34】 図34(a)(b)はクリーニングブレー
ドが中間転写ベルトに圧接する状態をそれぞれ示す説明
図である。
【図35】 図35はクリーニングブレードが中間転写
ベルトに圧接する状態を示す説明図である。
【図36】 図36はクリーニングブレードのエッジ部
に生じた欠けを撮影した電子顕微鏡写真の模式図であ
る。
【図37】 図37は従来の画像形成装置における画像
形成シーケンスを示すタイミングチャートである。
【図38】 図38は従来の画像形成装置におけるカラ
ーモードにおける中間転写ベルトの移動速度を示すチャ
ートである。
【図39】 図39は従来の画像形成装置における白黒
モードにおける中間転写ベルトの移動速度を示すチャー
トである。
【符号説明】
17:感光体ドラム(像担持体)、21:中間転写ベル
ト、25:バックアップロール(対向ロール)、26:
転写部材、27:二次転写ロール、50:クリーニング
装置、51:クリーニングブレード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 半田 修 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 長谷波 茂彦 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 中野 良則 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 竹野内 勝也 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 轡田 知己 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 石井 康友 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 松坂 聡 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 榎本 嘉博 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 鮫島 淳一郎 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H027 DE07 EA09 ED02 ED28 EE04 EF09 EF11 EF12 EK13 FA28 2H034 AA00 AA07 BF02 BF03 BF06 BF07 BF08 BF12

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の速度で移動する被清掃部材の表面
    に圧接して、当該被清掃部材の表面に付着した付着物を
    除去する弾性ブレードを備え、前記弾性ブレードは、ク
    リーニング時、前記被清掃部材が移動している間に、当
    該被清掃部材の表面への圧接を開始し、かつ所定の圧接
    状態で停止して被清掃部材の表面に付着した付着物を除
    去するクリーニング装置において、 クリーニング時、前記弾性ブレードが被清掃部材表面へ
    の圧接を開始してから所定の圧接状態となるまで、弾性
    ブレードと被清掃部材との間に生じる不安定な接触状態
    を抑制するように構成したことを特徴とするクリーニン
    グ装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性ブレードが被清掃部材表面への
    圧接を開始してから所定の圧接状態となるまでの時間を
    短くすることにより、弾性ブレードと被清掃部材との間
    に生じる不安定な接触状態を抑制することを特徴とする
    請求項第1項記載のクリーニング装置。
  3. 【請求項3】 前記被清掃部材の移動速度をVp(mm
    /sec)、弾性ブレードが被清掃部材に圧接する際の
    移動速度をVb(mm/sec)とすると、 Vb/Vp>0.1 の関係を満たすように設定したことを特徴とする請求項
    第2項記載のクリーニング装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性ブレードが被清掃部材表面への
    接触を開始してから所定の圧接状態となるまでの間に、
    当該被清掃部材が移動する距離をx(mm)、弾性ブレ
    ードの自由長をL(mm)、厚さt(mm)、弾性ブレ
    ードのヤング率をEとした場合、 x<(t/L)3 ×E の関係を満たすように設定したことを特徴とする請求項
    第2項記載のクリーニング装置。
  5. 【請求項5】 前記弾性ブレードが被清掃部材に当接す
    るときの速度と離間するときの速度を同一の速度に設定
    したことを特徴とする請求項第2項乃至第4項のいずれ
    かに記載のクリーニング装置。
  6. 【請求項6】 前記弾性ブレードが被清掃部材に当接す
    るときの速度より離間するときの速度を速く設定したこ
    とを特徴とする請求項第2項乃至第4項のいずれかに記
    載のクリーニング装置。
  7. 【請求項7】 前記被清掃部材の移動速度が、通常の速
    度である通常モードと、当該通常モードよりも遅い減速
    モードとに切り換え可能に構成され、前記減速モードに
    おいても、前記弾性ブレードを被清掃部材に当接させる
    ときの速度を、通常モードと略等しく設定したことを特
    徴とする請求項第2項記載のクリーニング装置。
  8. 【請求項8】 前記被清掃部材の移動速度が、通常の速
    度である通常モードと、当該通常モードよりも遅い減速
    モードとに切り換え可能に構成され、前記減速モードに
    おいては、被清掃部材の移動速度を通常モードと略等し
    い速度に戻した後に、前記弾性ブレードを被清掃部材に
    当接させることを特徴とする請求項第2項記載のクリー
    ニング装置。
  9. 【請求項9】 前記被清掃部材が移動中に、前記弾性ブ
    レードが被清掃部材表面への圧接を開始してから所定の
    圧接状態となるまでの回数を少なくすることにより、弾
    性ブレードと被清掃部材との間に生じる不安定な接触状
    態を抑制することを特徴とする請求項第1項記載のクリ
    ーニング装置。
  10. 【請求項10】 前記被清掃部材が、単色のトナー像あ
    るいは複数色のトナー像が転写される中間転写体からな
    り、単色モード時、中間転写体を駆動する前に弾性ブレ
    ードを当該中間転写体に接触させ、画像形成動作が終了
    して、中間転写体が停止した後に弾性ブレードを離間さ
    せるように構成したことを特徴とする請求項第9項記載
    のクリーニング装置。
  11. 【請求項11】 前記被清掃部材が、単色のトナー像あ
    るいは複数色のトナー像が転写される中間転写体からな
    り、中間転写体を駆動する前に弾性ブレードを当該中間
    転写体に接触させ、単色モードか複数色モードかを判別
    し、複数色モードの場合には、少なくとも1色目のトナ
    ー像がクリーニング位置を通過する前に、中間転写体か
    ら弾性ブレードを離間させるように構成したことを特徴
    とする請求項第9項記載のクリーニング装置。
  12. 【請求項12】 前記弾性ブレードが圧接する被清掃部
    材表面の摩擦係数を減少させることにより、弾性ブレー
    ドと被清掃部材との間に生じる不安定な接触状態を抑制
    することを特徴とする請求項第1項記載のクリーニング
    装置。
  13. 【請求項13】 前記被清掃部材の表面に低表面エネル
    ギー物質を塗布する塗布手段を備え、前記被清掃部材の
    表面状態を検知し、当該被清掃部材の表面状態が所定の
    状態となった場合に、塗布手段によって被清掃部材の表
    面に低表面エネルギー物質を塗布することを特徴とする
    請求項第12項記載のクリーニング装置。
  14. 【請求項14】 前記被清掃部材の表面に低表面エネル
    ギー物質を塗布する塗布手段を備え、前記被清掃部材の
    表面に弾性ブレードが接触しているときの当該被清掃部
    材を駆動する駆動トルクを検知し、前記駆動トルクが所
    定の値以上となった場合に、塗布手段によって被清掃部
    材の表面に低表面エネルギー物質を塗布することを特徴
    とする請求項第12項記載のクリーニング装置。
  15. 【請求項15】 前記被清掃部材表面の摩擦係数が1以
    上に相当する状態となったときに、前記被清掃部材の表
    面に塗布手段によって低表面エネルギー物質を塗布する
    ことを特徴とする請求項第13項記載のクリーニング装
    置。
  16. 【請求項16】 前記被清掃部材の表面に付着した放電
    生成物を除去する除去部材を、所定のタイミングで被清
    掃部材の表面に接離可能に設けたことを特徴とする請求
    項第12項記載のクリーニング装置。
  17. 【請求項17】 前記弾性ブレードの反発弾性を低く設
    定することにより、弾性ブレードと被清掃部材との間に
    生じる不安定な接触状態を抑制することを特徴とする請
    求項第1項記載のクリーニング装置。
  18. 【請求項18】 前記弾性ブレードを形成する材料とし
    て、40℃における反発弾性(JIS K6301)が
    80%以下の合成樹脂製弾性体を使用することを特徴と
    する請求項第17項記載のクリーニング装置。
  19. 【請求項19】 前記弾性ブレードが被清掃部材表面に
    接触する角度を所定の値に規定することにより、弾性ブ
    レードと被清掃部材との間に生じる不安定な接触状態を
    抑制することを特徴とする請求項第1項記載のクリーニ
    ング装置。
  20. 【請求項20】 前記被清掃部材を張架するロールに対
    向し、当該被清掃部材とロールの接線上に弾性ブレード
    の接触ポイントがある場合は、前記弾性ブレードの接触
    角度を13〜18°の間に設定するように構成したこと
    を特徴とする請求項第19項記載のクリーニング装置。
  21. 【請求項21】 前記被清掃部材を張架するロールの近
    傍に対向し、当該被清掃部材の移動方向上流側で張架ロ
    ールに接触しない被清掃部材の表面に弾性ブレードを接
    触させ、前記弾性ブレードの接触ポイントがロールから
    X(mm)離れるに従って、前記弾性ブレードの接触角
    度を13+X〜18+X°の間に設定するように構成し
    たことを特徴とする請求項第19項記載のクリーニング
    装置。
  22. 【請求項22】 像担持体上に所定の色数のトナー像を
    順次形成し、当該像担持体上に順次形成される所定の色
    数のトナー像を、中間転写体上に多重に一次転写した
    後、当該中間転写体上に一次転写された所定の色数のト
    ナー像を転写部材上に二次転写することにより、カラー
    及び白黒の画像を形成可能な画像形成装置において、 所定の速度で移動する中間転写体の表面に圧接して、当
    該中間転写体の表面に付着した付着物を除去する弾性ブ
    レードを備え、前記弾性ブレードは、クリーニング時、
    前記中間転写体が移動している間に、当該中間転写体の
    表面への圧接を開始し、かつ所定の圧接状態で停止して
    中間転写体の表面に付着した付着物を除去するクリーニ
    ング装置を備え、 クリーニング時、前記弾性ブレードが中間転写体表面へ
    の圧接を開始してから所定の圧接状態となるまで、弾性
    ブレードと中間転写体との間に生じる不安定な接触状態
    を抑制するように構成したことを特徴とする画像形成装
    置。
  23. 【請求項23】 像担持体上に所定の色数のトナー像を
    順次形成し、当該像担持体上に順次形成される所定の色
    数のトナー像を、中間転写体上に多重に一次転写した
    後、当該中間転写体上に一次転写された所定の色数のト
    ナー像を転写部材上に二次転写することにより、カラー
    及び白黒の画像を形成可能な画像形成装置において、 所定の速度で移動する中間転写体の表面に圧接して、当
    該中間転写体の表面に付着した付着物を除去する弾性ブ
    レードを備え、前記弾性ブレードは、クリーニング時、
    前記中間転写体が移動している間に、当該中間転写体の
    表面への圧接を開始し、かつ所定の圧接状態で停止して
    中間転写体の表面に付着した付着物を除去するクリーニ
    ング装置を備え、 単色モード時、中間転写体を駆動する前に弾性ブレード
    を当該中間転写体に接触させ、画像形成動作が終了し
    て、中間転写体が停止した後に弾性ブレードを離間させ
    るように構成したことを特徴とする画像形成装置。
  24. 【請求項24】 像担持体上に所定の色数のトナー像を
    順次形成し、当該像担持体上に順次形成される所定の色
    数のトナー像を、中間転写体上に多重に一次転写した
    後、当該中間転写体上に一次転写された所定の色数のト
    ナー像を転写部材上に二次転写することにより、カラー
    及び白黒の画像を形成可能な画像形成装置において、 所定の速度で移動する中間転写体の表面に圧接して、当
    該中間転写体の表面に付着した付着物を除去する弾性ブ
    レードを備え、前記弾性ブレードは、クリーニング時、
    前記中間転写体が移動している間に、当該中間転写体の
    表面への圧接を開始し、かつ所定の圧接状態で停止して
    中間転写体の表面に付着した付着物を除去するクリーニ
    ング装置を備え、 前記中間転写体を駆動する前に弾性ブレードを当該中間
    転写体に接触させ、単色モードか複数色モードかを判別
    し、複数色モードの場合には、少なくとも1色目のトナ
    ー像がクリーニング位置を通過する前に、中間転写体か
    ら弾性ブレードを離間させるように構成したことを特徴
    とする画像形成装置。
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