JP3743265B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機やプリンター、あるいはファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に、中間転写ベルト等からなる中間転写体を使用した白黒の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の複写機やプリンター等の画像形成装置は、感光体ドラムの表面を所定の電位に一様に帯電した後、当該感光体ドラムの表面に画像露光を施して、画像情報に対応した静電潜像を形成し、この静電潜像を現像器によって可視像化することにより、トナー像を形成し、当該トナー像を記録用紙上に転写・定着することにより、画像を形成するように構成されている。
【0003】
かかる画像形成装置において、単位時間当たりに画像形成可能な記録用紙の枚数を増加させ、高速化を図るためには、感光体ドラムの回転速度を高速化するとともに、記録紙の搬送速度を高く設定し、当該感光体ドラム上に順次形成されたトナー像を、短い用紙間隔で連続して搬送される記録用紙上に転写・定着する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記従来の画像形成装置においては、感光体ドラム上に形成されたトナー像を、直接記録紙上に転写する際に、記録紙に含まれるタルク等の物質が、感光体ドラムの表面に付着して汚染され、画質ディフェクトが発生するという問題点を有していた。
【0005】
特に、上記従来の画像形成装置において、高速化を図るためには、感光体ドラムの回転速度を高速化するとともに、記録紙の搬送速度を高く設定する必要があり、記録紙の搬送を行うためのロール対に印加される荷重等が増加する。そのため、上記記録紙は、印加荷重の高いロール対によって摺擦を受け、用紙の端面からだけではなく、用紙の全体からタルク等の物質が、感光体ドラムの表面に付着し、図10に示すように、画質ディフェクトが発生するという問題点が顕著になる。
【0006】
そこで、この発明は、第1に、上記の問題点を解決し、感光体ドラムの表面に記録紙に含まれるタルク等の物質が付着するのを防止可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、発想の転換を図り、白黒専用の高速な画像形成装置であっても、中間転写体を使用した装置を発明するに到った。
【0008】
かかる中間転写体を使用した画像形成装置は、感光体ドラム上に形成されたトナー像を、中間転写ベルト上に一次転写した後、当該中間転写ベルト上に転写されたトナー像を、記録紙上に二次転写することによって、画像を形成するように構成される。
【0009】
このように、感光体ドラム上に形成されたトナー像を、中間転写ベルト上に一次転写した後、当該中間転写ベルト上に転写されたトナー像を、記録紙上に二次転写するように構成した場合には、感光体ドラムが記録紙と直接接触することがないため、記録紙に含まれるタルク等の物質が、感光体ドラムの表面に付着することによる画質ディフェクトの発生を、効果的に防止することができる。
【0010】
しかしながら、本発明者らの研究によれば、上記の如く、感光体ドラム上に形成されたトナー像を、中間転写ベルト上に一次転写した後、当該中間転写ベルト上に転写されたトナー像を、記録紙上に二次転写するように構成した場合には、中間転写ベルト上に転写されたトナー像を、記録紙上に二次転写する際に、記録紙が中間転写ベルトに接触する。そのため、上記中間転写ベルトを用いた画像形成装置は、高速化を図ると、中間転写ベルト上に記録紙に含まれるタルク等の物質や残留トナーが付着する量が多くなる。上記中間転写ベルト上に付着したタルク等の物質や残留トナーは、クリーニングブレードによって除去するように構成されているが、当該中間転写ベルト上に付着するタルク等の物質や残留トナーが多くなると、クリーニングブレードのエッジ部の裏面側に、擦り抜けたタルク等の物質や残留トナーが堆積し、クリーニング不良が発生するという問題点を有していることがわかった。このように、中間転写ベルトのクリーニング不良が発生すると、当該中間転写ベルト上に残留するタルク等の物質やトナーの量が多くなり、画質ディフェクトの原因となるという問題点が生じる。
【0011】
そこで、この発明の第2の目的とするところは、中間転写体を使用した白黒専用の高速な画像形成装置において、中間転写ベルト上に残留するタルク等の物質やトナーを除去するクリーニング手段に、クリーニング不良が発生するのを防止することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載された発明は、白黒の画像のみを形成する白黒専用の画像形成装置において、
画像情報に応じたトナー像が形成される像担持体と、前記像担持体上に形成されたトナー像を、ベルト状の中間転写体上に一次転写する一次転写手段と、前記一次転写手段によって像担持体から一次転写されたトナー像を担持した状態で移動するベルト状の中間転写体と、前記ベルト状の中間転写体上に一次転写されたトナー像を記録媒体上に二次転写するための二次転写手段と、前記ベルト状の中間転写体の表面に圧接して付着した付着物を除去するクリーニング手段と、を備え、
前記クリーニング手段を弾性体からなるブレードによって構成するとともに、当該ブレードを、前記ベルト状の中間転写体を回転駆動する駆動ロールの上流側近傍であって、しかも、前記駆動ローラを逆転させたときに当該ブレードの圧接力によってベルト状の中間転写体が撓んだ状態に変形する位置に配設し、前記ベルト状の中間転写体を、所定のタイミングで所定量だけ逆転させることを特徴とする画像形成装置である。
【0016】
さらに、請求項2に記載された発明は、前記ベルト状の中間転写体を逆転する量は、少なくともブレードの食い込み量以上に設定されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としての白黒専用の高速複写機を示すものである。
【0019】
図2において、1は複写機の本体を示すものであり、この複写機本体1の上部には、原稿2を1枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置3と、当該自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取る原稿読取装置4が配設されている。この原稿読取装置4は、プラテンガラス5上に載置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光して、この画像読取素子11によって原稿2の反射光像を所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るようになっている。
【0020】
上記原稿読取装置4によって読み取られた原稿2の反射光像は、白黒の原稿反射率データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の反射率データに対して、シェーデイング補正、位置ズレ補正、ガンマ補正、枠消し、移動編集等の所定の画像処理が施される。
【0021】
そして、上記の如く画像処理装置12で所定の画像処理が施された画像データは、原稿階調データとしてROS13(Raster Output Scanner)に送られ、このROS13では、原稿階調データに応じてレーザー光による画像露光が行われる。なお、上記高速複写機は、プリンターとしても機能するように構成されており、当該高速複写機がプリンターとして機能する場合には、画像処理装置12にパーソナルコンピュータ等のホストコンピュータから画像データが入力され、当該画像処理装置12で所定の画像処理が施された後、ROS13に原稿階調データとして出力されるようになっている。
【0022】
上記複写機本体1の内部には、白黒のトナー像を形成可能な画像形成手段Aが配設されている。この画像形成手段Aは、主として、静電潜像が形成される像担持体としての感光体ドラム17と、前記感光体ドラム17上に形成された静電潜像を現像して白黒のトナー像を形成可能な現像手段としての現像装置18とから構成されている。
【0023】
上記ROS13は、図2に示すように、図示しない半導体レーザーを原稿階調データに応じて変調し、この半導体レーザーからレーザー光LBを階調データに応じて出射する。この半導体レーザーから出射されたレーザー光LBは、回転多面鏡14によって偏向走査され、f・θレンズ15及び反射ミラー16を介して像担持体としての感光体ドラム17上に走査露光される。
【0024】
上記ROS13によってレーザー光LBが走査露光される感光体ドラム17は、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って所定の速度で回転駆動されるようになっている。この実施の形態では、高速の白黒専用の複写機となっており、感光体ドラム17の回転速度(周速)であるプロセススピードは、例えば、420mm/sというように、大幅に高速に設定されている。この感光体ドラム17の表面は、予め一次帯電用のスコロトロン19によって所定の極性(例えば、マイナス極性)及び電位に帯電された後、原稿階調データに応じてレーザー光LBが走査露光されることによって静電潜像が形成される。上記感光体ドラム17上に形成された静電潜像は、白黒の現像装置18によって、例えば、感光体ドラム17の帯電極性と同極性のマイナス極性に帯電したトナーによって反転現像され、白黒のトナー像となる。尚、上記感光体ドラム17上に形成されたトナー像は、必要に応じて転写前帯電器20によってマイナス極性等の帯電を受け、電荷量が調整されるようになっている。
【0025】
上記感光体ドラム17上に形成された白黒のトナー像は、当該感光体ドラム17の下部に配置された中間転写体としての中間転写ベルト21上に、第1の転写手段としての一次転写ロール22によって転写される。この中間転写ベルト21は、駆動ロール23、従動ロール24a、従動ロール24b、テンションロール24c、従動ロール24d及び二次転写手段の一部を構成する対向ロールとしてのバックアップロール25によって、感光体ドラム17の周速と同一の移動速度で矢印方向に沿って回動可能に支持されている。
【0026】
上記中間転写ベルト21には、感光体ドラム17上に形成された白黒のトナー像が、一次転写ロール22によって転写される。この中間転写ベルト21上に転写されたトナー像は、所定のタイミングで二次転写位置へと搬送される記録媒体としての記録紙26上に、中間転写ベルト21を支持するバックアップロール25と、当該バックアップロール25に圧接する二次転写手段の一部を構成する二次転写ロール27の圧接力及び静電気力によって転写される。上記記録紙26は、図2に示すように、電子写真複写機本体1内の下部に配置された複数の記録紙収容部材としての給紙カセット28、29、30、31の何れかから、所定のサイズのものがフィードロール28a、29a、30a、31aによって給紙される。給紙された記録紙26は、複数の搬送ロール32及びレジストロール33によって、所定のタイミングで中間転写ベルト21の二次転写位置まで搬送される。そして、上記記録紙26には、上述したように、二次転写手段としてのバックアップロール25と二次転写ロール27とによって、中間転写ベルト21上から白黒のトナー像が転写されるようになっている。
【0027】
また、上記中間転写ベルト21上から白黒のトナー像が転写された記録紙26は、中間転写ベルト21から分離された後、バキューム搬送ベルト34によって定着装置35へと搬送され、この定着装置35によって熱及び圧力でトナー像が記録紙26上に定着され、片面複写の場合には、そのまま排紙トレイ36上に排出されて画像の複写工程が終了する。
【0028】
一方、両面複写の場合には、第1面(表面)に白黒の画像が形成された記録紙26を、そのまま排紙トレイ36上に排出せずに、図示しない反転ゲートによって下向きに搬送方向が変更され、3つのロールが圧接されたトリロール37及び反転ロール38によって、反転通路39へと一旦搬送される。そして、上記記録紙26は、今度は逆転する反転ロール38によって両面用通路40へと搬送され、この両面用通路40に設けられた搬送ロール41によってレジストロール33まで一旦搬送されて停止する。記録紙26は、中間転写ベルト21上のトナー像と同期して、再度レジストロール33によって搬送が開始され、当該記録紙26の第2面(裏面)に対してトナー像の転写・定着工程が行われた後、排出トレイ36上に排出されるようになっている。
【0029】
この実施の形態では、転写工程が終了した後の感光体ドラム17の表面から残留トナーや紙粉等を除去するためのクリーニング装置42が設けられている。また、上記中間転写ベルト21の駆動ロール23の近傍には、転写工程が終了した後の中間転写ベルト32の表面から残留トナーや紙粉等を除去するためのクリーニング装置50が設けられている。
【0030】
なお、図2中、43は手差しトレイを示している。
【0031】
図3は上記複写機の画像形成手段Aを示す構成図である。
【0032】
この複写機では、上述したように、感光体ドラム17の表面が一次帯電用のスコロトロン19によって所定の電位に一様に帯電された後、当該感光体ドラム17の表面には、ROS13によって白黒の画像LBが露光され、静電潜像が形成される。上記感光体ドラム17の表面に形成された静電潜像は、現像装置18によって現像され、当該感光体ドラム17の表面には、白黒のトナー像Tが形成される。
【0033】
上記感光体ドラム17上に形成された白黒のトナー像Tは、感光体ドラム17と中間転写ベルト21とが接触する一次転写位置において、感光体ドラム17上から中間転写ベルト21の表面に転写される。この一次転写位置には、中間転写ベルト21の裏面側に半導電性の一次転写用のバイアスロール22が配設されており、中間転写ベルト21は、一次転写用のバイアスロール22によって感光体ドラム17の表面に接触するようになっている。一次転写用のバイアスロール22には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、感光体ドラム17上に形成されたトナー像Tは、中間転写ベルト21上に圧接力及び静電気力によって転写される。なお、上記中間転写ベルト21を支持するロールのうち、テンションロール24bは、スプリングSによって中間転写ベルト21に押圧されており、当該中間転写ベルト21に一定のテンションを加えるように構成されている。
【0034】
このようにして中間転写ベルト21に一次転写された未定着トナー像Tは、中間転写ベルト21の回転に伴って、記録紙26の搬送経路に面した二次転写位置へと搬送される。
【0035】
そして、この記録紙26は、前述したように、所定の給紙カセット28、29、30、31からフィードロール28a、29a、30a、31aによって給紙され、搬送ロール32によってレジストロール33まで搬送され、レジストロール33によって所定のタイミングで、二次転写ロール27と中間転写ベルト21とのニップ部間に給送される。
【0036】
また、二次転写位置における中間転写ベルト21の裏面側には、二次転写ロール27の対向電極をなすバックアップロール25が配設されている。二次転写位置では、所定のタイミングで半導電性の二次転写ロール27が中間転写ベルト21に圧接し、当該バックアップロール25にトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加することにより、中間転写ベルト21上に転写された未定着トナー像Tは、前記二次転写位置において記録紙26上に静電的に二次転写される。
【0037】
この実施の形態では、図3に示すように、二次転写ロール27にトナーの帯電極性と同極性の電圧を直接印加するのではなく、当該二次転写ロール27に中間転写ベルト21を介して圧接するバックアップロール25に、バイアスロール45によって転写バイアス電圧印加手段としての図示しない転写バイアス用高圧電源から、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加するように構成されている。しかし、二次転写ロール27にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を直接印加するように構成しても勿論よい。
【0038】
そして、未定着トナー像が転写された記録用紙26は、中間転写ベルト21から剥離され、2次転写部の下流に配置された除電用の電極48を介して、バキューム搬送ベルト34によって定着装置35に送り込まれ、未定着トナー像Tの定着処理がなされる。
【0039】
上記中間転写ベルト21は、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成樹脂又は各種のゴムに、カーボンブラック等の導電化剤を適当量分散させて、その体積抵抗率が106 〜1014Ω・cmとなるように調整したフィルム状のベルトによって形成されている。この中間転写ベルト21の厚さは、例えば、0.1mmに設定される。なお、上記中間転写ベルト21の周長は、感光体ドラム17の周長の整数倍(例えば、3倍)に設定されている。
【0040】
また、上記二次転写ロール27は、必要に応じて、中間転写ベルト21と接離可能に配設されており、画像形成動作を開始する場合に、二次転写ロール27が中間転写ベルト21に圧接するように構成されている。
【0041】
さらに、上記二次転写ロール27は、カーボンを分散したウレタンゴムのチューブからなる表面層と、カーボンを分散した発泡ウレタンゴムからなる内部層とを備えており、当該二次転写ロール27の表面には、フッ素コートが施されている。この二次転写ロール27は、その体積抵抗率が103 〜1010Ω・cmに設定され、ロール径がφ28mmとなるように形成され、硬度は例えば30°(アスカC)に設定される。
【0042】
一方、上記バックアップロール25は、カーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブからなる表面層と、EPDMのゴムからなる内部層とを備えており、その表面抵抗率が107 〜1010Ω/□で、ロール径がφ28mmとなるように形成され、硬度は例えば70°(アスカC)に設定される。
【0043】
図4はこの発明の実施の形態に係るクリーニング装置を示す構成図である。
【0044】
図4において、50はクリーニング装置を示すものであり、このクリーニング装置50は、複写機の中間転写ベルト21を駆動する駆動ロール23の上流側近傍に配設されている。上記クリーニング装置50は、中間転写ベルト21の表面に圧接して、当該中間転写ベルト21の表面に付着した残留トナーや紙粉(タルクなど)等の付着物を除去するクリーニングブレード51を備えている。このクリーニングブレード51としては、例えば、厚さ2mmのポリウレタン等の弾性体からなるものが用いられるが、当該ブレード51の厚さや材質は、これに限定されるものではないことは勿論である。また、上記クリーニングブレード51は、断面略L字形状の板金52に接着等の手段によって固着されており、このクリーニングブレード51が固着された板金52は、図示しないフレームに溶接やボルト止め等の手段によって取り付けられている。さらに、上記クリーニングブレード51の上流側には、必要に応じて、中間転写ベルト21の表面に付着した残留トナーや紙粉(タルクなど)等の付着物を除去するクリーニングブラシ53が設けられるが、このクリーニングブラシ55は、設けなくとも良い。
【0045】
また、上記クリーニング装置50は、クリーニングブレード51によって除去された残留トナーや紙粉等の付着物を収容する収容部54を備えており、この収容部54は、上方が開口した略U字形状に形成されている。さらに、上記収容部54の内部には、クリーニングブレード51によって除去された残留トナーや紙粉等の付着物がある程度蓄積された場合に、所定のタイミングで回動することにより、当該蓄積された付着物をクリーニング装置50の外部へと搬送する搬送用のオーガー55が配設されている。
【0046】
上記クリーニングブレード51は、図5に示すように、所謂ドクターブレードとなっている。ここで、ドクターブレードとは、図5に示すように、当該ブレード51の先端部が中間転写ベルト21の移動方向上流側に圧接し、当該ブレード51の後端側が中間転写ベルト21の移動方向下流側に位置し、尚かつ当該ブレード51の後端側が中間転写ベルト21の表面に対して傾斜した状態に配置されているブレードを意味する。上記クリーニングブレード51は、ポリウレタン等の弾性体からなるため、中間転写ベルト21の表面に所定量だけ圧接した場合には、図5(b)に示すように、その先端部が中間転写ベルト21の表面に圧接した状態で、下向きにカーブするように湾曲した形状となる。
【0047】
この実施の形態では、上述したように、クリーニングブレード51がポリウレタン製のブレードとなっており、このブレード51は、図5に示すように、厚さt=2mm、幅l=15mm、自由長L=10mm、長さが中間転写ベルト21の略全幅に形成され、その接触角度は17°、中間転写ベルト21への食い込み量は、1.1mmに設定されている。ただし、クリーニングブレード51の接触角度や食い込み量は、他の値に設定しても良いことは勿論である。また、上記クリーニングブレード51の基端部の表面側には、上述したように、ステンレスやアルミニウム等からなる板金52が接着等の手段によって固着されており、当該クリーニングブレード51は、この板金52を押圧板53に取り付けることによって、中間転写ベルト21に圧接した状態で、上述した接触角度となるように設定されている。
【0048】
ところで、この実施の形態では、前記ベルト状の像担持体を、所定のタイミングで所定量だけ逆転させるように構成されている。
【0049】
また、この実施の形態では、前記クリーニング手段が弾性体からなるブレードによって構成され、当該ブレードは、前記ベルト状の像担持体を回転駆動する駆動ロールの上流側近傍に配設されている。
【0050】
さらに、この実施の形態では、前記ベルト状の像担持体を逆転する量は、少なくともブレードの食い込み量以上に設定されている。
【0051】
図6はこの実施の形態1に係る画像形成装置の駆動系を示すものである。
【0052】
図6において、17は前記感光体ドラムを示すものであり、感光体ドラム17は、駆動用ステッピングモータ60と、この駆動用ステッピングモータ60の駆動軸に固着されたピニオン歯車61と、このピニオン歯車61と歯合する第1の中間歯車62と、この第1の中間歯車62と同じ軸に固着された第2の中間歯車63と、この第2の中間歯車63と歯合する感光体ドラム17の回転軸64に固着された最終段歯車65とによって回転駆動されるようになっている。
【0053】
図において、66は感光体ドラム17の回転軸64等を軸支するベアリングを示している。
【0054】
また、この実施の形態では、中間転写ベルト21を駆動するドライブロール23が、駆動用ステッピングモータ60の駆動軸に固着されたピニオン歯車61と、このピニオン歯車61と歯合する第3の中間歯車67と、この第3の中間歯車67と同じ軸に固着された第4の中間歯車68と、この第4の中間歯車68と歯合する第5の中間歯車69と、この第5の中間歯車69と同じ軸に固着された第5の中間歯車70と、この第5の中間歯車70と歯合するドライブロール23の回転軸71に固着された最終段駆動歯車72とによって回転駆動されるように構成されている。
【0055】
以上の構成において、この実施の形態に係る画像形成装置では、次のようにして、感光体ドラムの表面に記録紙に含まれるタルク等の物質が付着するのを防止可能となっている。また、この実施の形態に係る画像形成装置では、次のようにして、中間転写体を使用した白黒専用の高速な画像形成装置において、中間転写ベルト上に残留するタルク等の物質やトナーを除去するクリーニング手段に、クリーニング不良が発生するのを防止することが可能となっている。
【0056】
すなわち、この実施の形態では、図2及び図3に示すように、感光体ドラム17上に原稿の画像に応じたトナー像を形成し、当該感光体ドラム17上に形成されたトナー像を、中間転写ベルト21上に一次転写した後、この中間転写ベルト21上に一次転写されたトナー像Tを、記録紙26上に二次転写することにより、画像を形成するようになっている。
【0057】
上記複写機は、高速化が図られており、感光体ドラム17の回転速度が高速化されているとともに、記録紙26の搬送速度が高く設定されている。そのため、上記記録紙26を搬送するためのロール対32に印加される荷重等が増加し、記録紙26は、印加荷重の高いロール対32によって摺擦を受け、用紙の端面からだけではなく、用紙の全体からタルク等の物質が、中間転写ベルト21の表面に付着する。
【0058】
上記中間転写ベルト21の表面に付着したタルク等の物質や残留トナーなどの付着物75は、図1及び図4に示すように、クリーニングブレード51やクリーニングブラシ52等によって除去されるが、クリーニングブレード51のエッジ部の裏面側には、図1(b)に示すように、当該クリーニングブレード51で除去されたタルク等の粒子の細かい物質75が付着し、堆積する。
【0059】
そこで、この実施の形態では、所定枚数の記録紙26に画像形成を行った後や、感光体ドラム17の回転数が所定の回数に達した後、あるいは複写機の電源が投入された直後などの所定のタイミングで、図7に示すように、感光体ドラム17上に形成されたトナー像の中間転写ベルト21上への一次転写、及び当該中間転写ベルト21上に一次転写されたトナー像の記録紙26上への二次転写が終了した後、感光体ドラム17及び中間転写ベルト21を駆動する駆動モータ60を、所定時間Tだけ逆転させるようになっている。そのため、上記中間転写ベルト21は、図1に示すように、駆動モータ60の逆転に伴って、所定量だけ逆方向に移動して停止する。この中間転写ベルト21を逆方向に移動させる量は、例えば、クリーニングブレード51の食い込み量以上に設定され、この実施の形態では、感光体ドラム17の移動量で5mm、中間転写ベルト21の移動量で3.5mmに設定されている。
【0060】
その際、上記中間転写ベルト21を駆動する駆動ロール23の上流側近傍には、当該中間転写ベルト21の表面にクリーニングブレード51が圧接しているため、中間転写ベルト21を逆方向に移動させると、当該中間転写ベルト21の張力が一瞬低下し、クリーニングブレード51の圧接力によって中間転写ベルト21が、図1(c)及び図8(b)に示すように、撓んだ状態に変形する。この状態で、駆動ロール23を逆転させると、クリーニングブレード51のエッジ部の背面側が中間転写ベルト21の表面に接触した状態で、中間転写ベルト21が逆方向に所定量だけ移動することになる。そのため、上記クリーニングブレード51のエッジ部の裏面側に付着・堆積したタルク等の粒子の細かい物質75は、中間転写ベルト21によって摺擦され、クリーニングブレード51のエッジ部の裏面側から除去され、中間転写ベルト21の表面に転移する。この中間転写ベルト21の表面に転移したタルク等の粒子の細かい物質75は、次の画像形成時に、中間転写ベルト21を順方向に移動させることによって、クリーニングブレード51によって除去されることになる。
【0061】
これに対して、逆回転時の駆動ロール23がクリーニングブレード51の下流側にない場合には、図9に示すように、駆動ロール23を逆転させると、クリーニングブレード51が駆動ロール23の上流側に位置することになるため、当該駆動ロール23の逆転によって中間転写ベルト21には、張力が作用し、クリーニングブレード51が圧接している位置の中間転写ベルト21が撓むことがない。そのため、逆回転時の駆動ロール23がクリーニングブレード51の下流側にない場合には、駆動ロール23を逆転させても、クリーニングブレード51が圧接している位置の中間転写ベルト21が撓まず、クリーニングブレード51のエッジ部の裏面側に付着・堆積したタルク等の粒子の細かい物質75を、効率良く除去することができない。
【0062】
このように、上記実施の形態では、感光体ドラム17上に形成されたトナー像を、中間転写ベルト21を介して記録紙26上に転写するように構成したので、感光体ドラム17が記録紙26に接触することがないので、図10に示すように、感光体ドラム17の表面に記録紙26に含まれるタルク等の物質が付着するのを防止可能となっている。
【0063】
また、上記実施の形態では、所定のタイミングで、中間転写ベルト21を逆方向に移動させるように構成したので、中間転写体21を使用した白黒専用の高速な複写機において、中間転写ベルト21上に残留するタルク等の物質やトナーを除去するクリーニングブレード51に、クリーニング不良が発生するのを防止することが可能となっている。
【0064】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、感光体ドラムの表面に記録紙に含まれるタルク等の物質が付着するのを防止可能な画像形成装置を提供することができる。
【0065】
また、この発明によれば、中間転写体を使用した白黒専用の高速な画像形成装置において、中間転写ベルト上に残留するタルク等の物質やトナーを除去するクリーニング手段に、クリーニング不良が発生するのを防止することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)〜(c)はこの発明の一実施の形態に係る画像形成装置の要部をそれぞれ示す説明図である。
【図2】 図2はこの発明の一実施の形態に係る画像形成装置を示す構成図である。
【図3】 図3はこの発明の一実施の形態に係る画像形成装置の画像形成部を示す構成図である。
【図4】 図4はこの発明の一実施の形態に係る画像形成装置のクリーニング装置を示す構成図である。
【図5】 図5(a)(b)はクリーニングブレードの取り付け状態をそれぞれ示す説明図である。
【図6】 図6はこの発明の一実施の形態に係る画像形成装置の駆動系を示す構成図である。
【図7】 図7はこの発明の一実施の形態に係る画像形成装置の駆動状態を示すタイミングチャートである。
【図8】 図8(a)(b)はこの発明の一実施の形態に係る画像形成装置の駆動状態をそれぞれ示す説明図である。
【図9】 図9(a)(b)は画像形成装置の駆動状態の比較例をそれぞれ示す説明図である。
【図10】 図10は画像形成装置の転写システムとタルクの付着量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
17:感光体ドラム、21:中間転写ベルト(ベルト状の像担持体)、23:ドライブロール、50:クリーニング装置、51:クリーニングブレード、60:駆動モータ。

Claims (2)

  1. 白黒の画像のみを形成する白黒専用の画像形成装置において、
    画像情報に応じたトナー像が形成される像担持体と、前記像担持体上に形成されたトナー像を、ベルト状の中間転写体上に一次転写する一次転写手段と、前記一次転写手段によって像担持体から一次転写されたトナー像を担持した状態で移動するベルト状の中間転写体と、前記ベルト状の中間転写体上に一次転写されたトナー像を記録媒体上に二次転写するための二次転写手段と、前記ベルト状の中間転写体の表面に圧接して付着した付着物を除去するクリーニング手段と、を備え、
    前記クリーニング手段を弾性体からなるブレードによって構成するとともに、当該ブレードを、前記ベルト状の中間転写体を回転駆動する駆動ロールの上流側近傍であって、しかも、前記駆動ローラを逆転させたときに当該ブレードの圧接力によってベルト状の中間転写体が撓んだ状態に変形する位置に配設し、前記ベルト状の中間転写体を、所定のタイミングで所定量だけ逆転させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記ベルト状の中間転写体を逆転する量は、少なくともブレードの食い込み量以上に設定されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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