JP3588985B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真複写機やプリンター等の画像形成装置に関し、特に、無端ベルト状の中間転写体を用いて画像の形成を行う画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記電子写真複写機やプリンター等の画像形成装置においては、感光体ドラム上に静電潜像を形成し、この感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像してトナー像とし、当該トナー像を転写用紙上に転写・定着することによって、画像を形成するように構成されている。
【0003】
このような画像形成装置においては、同一の画像を複数枚複写ないしプリントする場合に、感光体ドラム上の画像形成位置が異なると、感光体ドラムの画像形成位置によって当該感光体ドラム自身が有する感度ムラや感光体ドラムの偏心による帯電ムラ、あるいは現像濃度ムラ等に起因して、再現される画像の濃度が画像を形成するたびに変化してしまうことになる。そのため、上記画像形成装置では、常に、感光体ドラム上の同一の位置を基準として画像を形成するように、感光体ドラムの回転及び画像形成位置を制御するように構成されている。
【0004】
ところで、近年、上記電子写真複写機やプリンター等の画像形成装置においては、オフィス等で使用されるドキュメント用紙の多様化等に鑑みて、種々の厚さの用紙や、OHPシート・ハガキ・トレーシングペーパー等の紙質の異なる転写材に、カラー像を含む画像を良好に形成可能とすることが要求されてきている。そのため、複数色のトナー像を形成可能な感光体ドラムと、当該感光体ドラム上に形成された複数色のトナー像が順次1次転写されるとともに、感光体ドラム上から多重転写された複数色のトナー像を転写材に2次転写する無端ベルト状の中間転写体とを組み合わせた画像形成装置が、すでに種々提案されている。このような画像形成装置では、感光体ドラム上に形成されたトナー像を、一旦無端ベルト状の中間転写体に転写するため、トナー像の一次転写の条件は、転写材の厚さや材質によらず常に一定であり、転写材の厚さや材質を問わず、高画質の画像形成が可能となるという特徴を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上述した感光体ドラムと無端ベルト状の中間転写体とを組み合わせた画像形成装置では、無端ベルト状に形成された中間転写体の厚さや長さ等の製造誤差に起因して、感光体ドラムと無端ベルト状の中間転写体との間で、相対的な位置ずれが発生することがある。かかる感光体ドラムと無端ベルト状の中間転写体との相対的な位置ずれは、単色の画像形成時には、感光体ドラム上に形成されたトナー像が、無端ベルト状の中間転写体を介して転写用紙等の転写材上に転写されるだけあるため、特に問題とはならない。
【0006】
ところが、上記の如き感光体ドラムと無端ベルト状の中間転写体とを組み合わせた画像形成装置において、多色画像を形成する場合には、感光体ドラムと無端ベルト状の中間転写体との間で相対的な位置ずれが生じると、感光体ドラム上のトナー像の位置がずれてしまい、複数色のトナー像を互いに重ね合わせることによって得られるカラー画像の色相が変化してしまい、人間の目に検知され、画質的に劣ったものとなるという問題点がある。
【0007】
そこで、感光体ドラムと中間転写体との相対的な位置ずれに起因するカラー画像の色相等の変化を解決し得る技術としては、例えば、特開平1−291260号公報に開示されているように、ドラム状の転写材担持体を使用した装置において、感光体ドラムとドラム状の転写材担持体とをそれぞれ独自の駆動系によって独立に駆動し、感光体ドラムとドラム状の転写材担持体との相対的な位置関係を修正する方法が、既に提案されている。
【0008】
しかし、この提案に係る技術の場合には、基本的に、転写体として剛性を有するドラム状のものを使用しており、しかも当該ドラム状の転写体は、その表面に転写用紙を巻き付けた状態で、感光体ドラム上からトナー像を直接転写用紙上に多重転写するものであるため、転写材担持体そのものは、感光体ドラムに対して非接触状態で回転駆動される。そのため、ドラム状の転写材担持体を感光体ドラムと別個に独立駆動しても特に問題は生じないが、無端ベルト状の中間転写体は、それ自身製造上の誤差を必然的に含んでおり、しかも感光体ドラムの表面に接触した状態で回転駆動されるため、無端ベルト状の中間転写体を感光体ドラムと独立に駆動して両者の相対的な位置を合わせようとしても、無端ベルト状の中間転写体と感光体ドラムとの間に、位置ずれや磨耗が生じてしまうという問題点を避けることができない。
【0009】
さらに説明すると、上記の如く構成される画像形成装置では、感光体ドラムは相対的に直径が大きく設定され、かつ、画質上の要求からフライホイールを備えているため、感光体ドラムの慣性モーメントは大きい。しかも、上記感光体ドラムは、クリーニング手段として、常に摺接するクリーニングブレード等を有しており、このクリーニングブレードは、ウレタンなどの比較的摩擦係数の大きい材料からなるため、感光体ドラムを駆動する際の負荷としてかなり大きなものとなっている。これらの二点から、感光体ドラムの立ち上がり及び立下がりは、図11に示すように、相対的に直径の小さな駆動ロールを用いて駆動される無端ベルト状の中間転写体より、長い時間を必要とすることとなる。その結果、感光体ドラムと無端ベルト状の中間転写体との間に速度差がある領域では、両者は互いに圧接した状態で摺擦される状態となり、例えば、感光体ドラムや無端ベルト状の中間転写体の表面に摩耗や傷が発生して画像欠陥となり、部品信頼性の低下やランニングコスト高を招くという問題点があった。
【0010】
また、上記の如く構成される画像形成装置では、感光体ドラム及びベルト状の中間転写体の駆動速度を、転写材の材質等に応じて変化させる場合にも、上記と同様に、感光体ドラムとベルト状の中間転写体との慣性等の相違によって、図12に示すように、感光体ドラムと無端ベルト状の中間転写体との間に速度差が生じ、両者は互いに圧接した状態で摺擦される状態となり、例えば、感光体ドラムや無端ベルト状の中間転写体の表面に摩耗や傷が発生して画像欠陥となり、部品信頼性の低下やランニングコスト高を招くという問題点があった。
【0011】
そこで、上記の問題点を解決するためには、感光体ドラムを駆動するモーターとして、出力トルクの大きな駆動モーターを用いて、立ち上がりの時間を短くする手段も考えられるが、これは、コスト及び消費電力の観点から得策ではない。また、仮に、感光体ドラムの立ち上げ及び立ち下げ時間を短縮することができたとしても、一定速度に至るまでの時間、即ちある程度の静定時間を必要とすることとなり、制御上不利であるという新たな問題点が生じる。
【0012】
また、無端ベルト状の中間転写体を使用した画像形成装置では、無端ベルト状の中間転写体を回転自在に支持しているロールの位置関係が変化すると、無端ベルト状の中間転写体の安定位置が変わり、無端ベルト状の中間転写体が支持ロールの軸方向に移動してしまうという問題点をも有している。この無端ベルト状の中間転写体の軸方向における移動は、支持ロールの回転周期と比較してかなり長い時間を要する移動形態であるため、当該無端ベルト状の中間転写体上にトナー像を1次転写して画像形成を行うと、画像の歪みとなり、又、カラー画像では所謂色ずれとなって画質を著しく損なうという問題点があった。
【0013】
さらに、上述したように、無端ベルト状の中間転写体の軸方向における移動量が大きいと、無端ベルト状の中間転写体の幅方向における端縁部が、支持ロールを回転自在に取り付けたフレームや近傍の部材と接触して損傷を受け、無端ベルト状の中間転写体の寿命が極端に短くなるという問題点もあった。
【0014】
そこで、この発明では、上記従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、無端ベルト状の中間転写体を使用した画像形成装置において、当該無端ベルト状の中間転写体と像担持体との間に傷や摩耗が生じるのを防止可能であり、無端ベルト状の中間転写体の長寿命化が可能な画像形成装置を提供することにある。
【0015】
また、この発明の他の目的とするところは、無端ベルト状の中間転写体を使用した画像形成装置において、当該無端ベルト状の中間転写体の軸方向における移動に起因する画像の歪みや色ずれを防止することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0016】
さらに、この発明の他の目的とするところは、無端ベルト状の中間転写体を使用した画像形成装置において、当該無端ベルト状の中間転写体と像担持体との間に位置ずれが生じるのを防止可能であり、画像の色相変化を防止することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
【0018】
すなわち、請求項1に記載された発明は、像担持体と、前記像担持体に一部が圧接するように配設された無端ベルト状の中間転写体とを備え、前記像担持体上に形成されたトナー像を無端ベルト状中間転写体上に一次転写するとともに、当該無端ベルト状中間転写体上に一次転写されたトナー像を転写材上に2次転写することにより画像を形成する画像形成装置において、前記像担持体上に形成されたトナー像を無端ベルト状中間転写体上に一次転写する一次転写ロールを、回転自在に軸支し且つ支点を中心にして傾動するアームを備えるとともに、当該アームの自由端を押し下げることにより無端ベルト状中間転写体と像担持体との圧接状態を解除するリトラクト手段と、前記像担持体と無端ベルト状中間転写体をそれぞれ独自に駆動する駆動手段と、前記像担持体と無端ベルト状中間転写体の回転位置をそれぞれ検知する回転位置検知手段と、前記回転位置検知手段からの検知信号に基づいて、前記リトラクト手段による無端ベルト状中間転写体と像担持体との圧接状態を解除するタイミングと、前記駆動手段による像担持体と無端ベルト状中間転写体の駆動タイミングとを制御する制御手段と、を具備し、前記制御手段は、前記リトラクト手段によって無端ベルト状中間転写体と像担持体との圧接状態を解除した状態で、前記駆動手段によって前記像担持体を先に立ち上げ、当該像担持体が一定速度に収束するタイミングと、前記無端ベルト状中間転写体が一定速度に収束するタイミングが一致するように、前記駆動手段によって前記無端ベルト状中間転写体を立ち上げるとともに、前記リトラクト手段による無端ベルト状中間転写体と像担持体とを圧接させるタイミングを制御するように構成したものである。
【0019】
さらに、請求項2に記載された発明は、前記制御手段は、前記像担持体あるいは無端ベルト状中間転写体のどちらか少なくとも一方の速度が切り換えられる時に、前記像担持体と無端ベルト状中間転写体との機械的接触を解除し、空隙を設けるべく離間させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0020】
また更に、請求項3に記載された発明は、前記制御手段は、前記像担持体あるいは無端ベルト状中間転写体のどちらか少なくとも一方の速度が切り換えられる時に、前記像担持体と無端ベルト状中間転写体との押圧力を低減させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0021】
更に、請求項4に記載された発明は、前記制御手段は、像担持体あるいは無端ベルト状中間転写体のどちらか少なくとも一方の速度立ち上がり開始タイミング、若しくは速度立ち下がりタイミングの少なくともどちらか一方を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0022】
また、請求項5に記載された発明は、前記回転位置検知手段は、前記像担持体の一回転に少なくとも一回出力する回転位置出力信号と前記中間転写体の一回転に少なくとも一回出力する回転位置出力信号を検知することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0023】
さらに、請求項6に記載された発明は、前記制御手段は、前記回転位置検知手段の検知結果から前記像担持体と無端ベルト状中間転写体の回転位置の時間差、位置差、回転角度差のうち、少なくとも一つを算出して制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0024】
又さらに、請求項7に記載された発明は、前記制御手段は、予め決められた基準値と前記回転位置検知手段の検知結果とを比較して制御を行い、当該予め決められた基準値は、多色画像を形成する際の一次転写において、一色目転写時の回転位置検知手段の検知結果、又は一枚目の多色一次転写の回転位置検知手段の検知結果のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。ここで、一色目転写時の回転位置検知手段の検知結果を基準とすると、枚数毎に基準が変わる虞れがあるが、一枚目の一色目転写時の回転位置検知手段の検知結果を基準とすれば、途中で加減速があっても基準は一つであり、全枚数で同一とすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0026】
実施の形態1
図1はこの発明に係る画像形成装置の一実施の形態であるデジタルカラー複写装置を示す構成図である。
【0027】
図1において、1はデジタルカラー複写装置の本体を示すものであり、このデジタルカラー複写装置本体1内の上端部には、原稿2の画像を読み取るImage Input Terminal(以下、「IIT」という。)3が配置されている。このIIT3は、プラテンガラス4上に載置された原稿2をプラテンカバー5によって押圧した状態で、このプラテンガラス4上に載置された原稿2の画像を光源6によって照明するとともに、原稿2からの反射光像を第1、第2の走査ミラー7、8及び結像レンズ9を介してCCDセンサー10に走査露光して、このCCDセンサー10によって原稿2の色材反射光像を所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るように構成されている。
【0028】
上記IIT3によって読み取られた原稿2の色材反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとしてImage Processing System(以下、「IPS」という。)12に送られ、このIPS12では、原稿2の反射率データに対し、必要に応じてシェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。
【0029】
そして、上記の如くIPS12で所定の画像処理が施された画像データは、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)(各8bit)の3色の原稿色材階調データに変換されて、次のように構成されるImage Output Terminal(以下、「IOT」という。)13によってカラー画像として出力される。上記IPS12で所定の画像処理が施された画像データは、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)(各8bit)の3色の原稿色材階調データに変換されて、IOT13のRaster Output Scanner(以下、「ROS」という。)15に送られ、このROS15では、原稿色材階調データに応じてレーザー光LBによる画像露光が行われる。
【0030】
上記ROS15は、図1に示すように、図示しない半導体レーザーを原稿色材階調データに応じて変調して、この半導体レーザーからレーザー光LBを階調データに応じて出射する。この半導体レーザーから出射されたレーザー光LBは、回転多面鏡16によって偏向走査され、f−θレンズ17及び反射ミラー18を介して感光体ドラム20上に走査露光される。
【0031】
上記ROS15によってレーザー光LBが走査露光される感光体ドラム20は、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って所定の速度で回転駆動されるようになっている。この感光体ドラム20の表面は、予め一次帯電用のスコロトロン21によって所定の電位に帯電された後、原稿色材階調データに応じて変調されたレーザー光LBが走査露光されることによって静電潜像が形成される。上記感光体ドラム20上に形成された静電潜像は、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色の現像器22K、22Y、22M、22Cを備えたロータリー方式の現像装置22によって順次現像され、所定の色のトナー像となる。なお、上記感光体ドラム20上に形成されたトナー像は、転写効率を向上させるため、転写前露光器40によって露光を受け、感光体ドラム20との静電的な付着力が弱められるようになっている。
【0032】
上記感光体ドラム20上に順次形成される所定の色のトナー像は、当該感光体ドラム20の下方に配置された無端ベルト状の中間転写体としての中間転写体ベルト23上に、1次転写ロール24の接触帯電によって順次多重に1次転写される。そして、上記中間転写体ベルト23上に多重転写された複数色のトナー像は、2次転写位置において、2次転写ロール25の接触帯電によって転写用紙等からなる転写材26上に一括して2次転写される。上記転写材26は、図1に示すように、複写装置本体1内の下部に収納された複数の給紙カセット28、29、30の何れかから給紙ロール31によって給紙されるか、又は複写装置本体1外の側面に配置された手差しトレイ38からも給紙可能となっており、給紙された転写材26は、搬送ローラ32及びレジストローラ33によって、中間転写体ベルト23の2次転写位置に所定のタイミングでそれぞれ搬送される。そして、上記転写材26には、2次転写ロール25の接触帯電によって中間転写体ベルト23上から所定の色数のトナー像が一括して転写される。なお、上記手差しトレイ38からは、ハガキ等の定形外の転写用紙以外にオーバーヘッドプロジェクター用の透明なOHPシート等も給紙可能であり、OHPシート等にも画像を形成することができるようになっている。これらの特殊な転写材26も、給紙カセットから供給するように構成しても勿論よい。また、上記手差しトレイ38からは、片面に画像が形成された転写材26を裏返して給紙することにより、両面コピーも可能となっている。
【0033】
また、上記中間転写体ベルト23上から所定の色数のトナー像が転写された転写材26は、搬送ベルト34によって吸着された状態で定着装置35へと搬送され、この定着装置35によって熱及び圧力によってトナー像が転写材26上に定着され、排出トレイ36上に排出されてカラー画像の形成工程が終了する。
【0034】
なお、図1中、37は中間転写体ベルト23の清掃を行うための中間転写体ベルト用クリーナーを、39は2次転写ロール25の清掃を行うための2次転写ロール用クリーナーを、41は感光体ドラム20の表面電位を検知する表面電位センサーを、それぞれ示している。
【0035】
さらに、トナー像の転写工程が終了した感光体ドラム20の表面は、プリクリーニングコロトロン42によって除電された後、ブラシやブレードを備えたクリーナー43によって残留トナーや紙粉等が除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。
【0036】
図2は上記多重転写方式のデジタルカラー複写装置の画像形成部を示す構成図である。
【0037】
図2において、20は上記感光体ドラムであり、この感光体ドラム20は、図示しない駆動手段によって矢印の方向に所定の回転速度で駆動されるが、当該感光体ドラム20の回転変動を防止して画質を向上させるため、その回転軸には図示しないフライホイールが取り付けられている。また、上記感光体ドラム20の表面には、無端ベルト状の中間転写体としての中間転写体ベルト23が、1次転写ロール24によって圧接されるように配置されている。
【0038】
この中間転写体ベルト23は、図2に示すように、感光体ドラム20よりも上流側に配設されるドライブロール45と、感光体ドラム20と当該中間転写体ベルト23を介して対向する1次転写ロール24と、感光体ドラム20の下流側に配設されるテンションロール46と、2次転写ロール25と当該中間転写体ベルト23を介して圧接されるバックアップロール47と、2次転写位置の近傍において当該中間転写体ベルト23を略平坦に保持するためのアイドラーロール48とによって、感光体ドラム20の周速と同一の移動速度で循環移動可能に支持されている。この中間転写体ベルト23は、ポリイミド等の合成樹脂に必要に応じて導電化剤を添加して抵抗値に調整したフィルム状の部材によって、無端ベルト状に形成されており、所定の張力でドライブロール45やテンションロール46等に掛け回されている。なお、上記中間転写体ベルト23の周長は、例えば、感光体ドラム20の周長の整数倍に設定されている。
【0039】
上記中間転写体ベルト23には、上述したように、2次転写位置において複数の給紙カセット28、29、30の何れかから転写材26が供給され、この転写材26は、中間転写体ベルト23の表面側から2次転写用の転写ロール25によって接触帯電を受け、所定の色数のトナー像が一括して転写される。
【0040】
そして、上記中間転写体ベルト23から所定の色数のトナー像が転写された転写材26は、搬送ベルト34によって定着装置35へと搬送されて、この定着装置35の定着ローラ35a及び圧力ローラ35bによってトナー像が熱及び圧力により転写材26上に定着され、フューザ出口ロール49によって装置外部の排出トレイ36上に排出される。
【0041】
ところで、上記の如く構成される画像形成装置では、前記無端ベルト状中間転写体と像担持体との圧接状態を解除するリトラクト手段と、前記リトラクト手段によって無端ベルト状中間転写体と像担持体との圧接状態を解除するタイミングを制御する制御手段と、を具備するように構成されている。
【0042】
すなわち、この実施の形態1では、図3に示すように、1次転写ロール24が支点50を中心にして傾動するアーム51に回転自在に軸支されており、この1次転写ロール24を軸支したアーム51は、通常は圧縮バネ52の反発力によって1次転写ロール24を、中間転写体ベルト23を介して感光体ドラム20に圧接するように付勢している。
【0043】
また、上記1次転写ロール24を軸支したアーム51の自由端には、当該アーム51を下方に押し下げることにより、感光体ドラム20に対する1次転写ロール24の圧接状態を解除するためのソレノイド53が連結されている。そして、このソレノイド53は、通電状態にあっては1次転写ロール24を軸支したアーム51を下方に押し下げ、感光体ドラム20に対する1次転写ロール24の圧接を解除するように構成されている。一方、上記ソレノイド53がOFFの状態にあっては、1次転写ロール24は、当該1次転写ロール24を軸支したアーム51が圧縮バネ52の反発力によって、中間転写体ベルト23を介して感光体ドラム20に圧接されるようになっている。上記ソレノイド53は、制御手段54によって、中間転写体ベルト23と感光体ドラム20との圧接状態を解除するタイミングを制御するように構成されている。
【0044】
上記制御手段54によって制御されるソレノイド53は、例えば、感光体ドラム20あるいは中間転写体ベルト23のどちらか少なくとも一方の速度が切り換えられる時に、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との機械的接触を解除し、空隙を設けるべく離間させるように、アーム51の移動量が設定される。
【0045】
しかし、これに限らず、上記制御手段54によって制御されるソレノイド53は、例えば、感光体ドラム20あるいは中間転写体ベルト23のどちらか少なくとも一方の速度が切り換えられる時に、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との押圧力を低減させるように、アーム51の移動量を設定してもよい。
【0046】
以上の構成において、この実施の形態1に係るデジタルカラー複写装置においては、次のようにして、無端ベルト状の中間転写体を使用した画像形成装置において、無端ベルト状の中間転写体及び感光体ドラムに磨耗や傷が生じるのを防止可能となっている。
【0047】
すなわち、上記実施の形態1に係るデジタルカラー複写装置では、図4に示すように、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23の駆動開始時及び停止時において、両者の慣性モーメント等の差によって、中間転写体ベルト23の立ち上がり並びに立ち下がりに比べて、感光体ドラム20の立ち上がり並びに立ち下がりが、相対的に遅くなる。その結果、そのままの状態では、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との間に速度差がある領域において、両者は互いに圧接した状態で摺擦される状態となる。
【0048】
そこで、この実施の形態1では、少なくとも感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との間に速度差がある領域において、図4に示すように、ソレノイド53をON状態とし、図3に示すように、感光体ドラム20の表面から中間転写体ドラム23の圧接状態を解除するようになっている。
【0049】
このように、上記実施の形態1においては、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との間に速度差がある領域において、図3に示すように、感光体ドラム20の表面から中間転写体ドラム23の圧接状態を解除するように構成されている。そのため、感光体ドラム20と中間転写体ドラム23との間に速度差がある領域では、両者が互いに圧接した状態で摺擦されることがないので、感光体ドラム20や中間転写体ドラム23の表面に摩耗や傷が発生して画像欠陥となるのを防止することができ、部品信頼性の低下、ランニングコスト高を招くのを防止することができる。
【0050】
図5はこの発明の実施の形態1の構成を追加的に示すものであり、この実施の形態1では、上記の構成に加えて中間転写体ドラム23の駆動を立ち上げるタイミングが異なるように構成されている。
【0051】
すなわち、上記の如く構成される画像形成装置において、単に、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との速度差による当該中間転写体ベルト23表面の磨耗や傷を防止するためには、前記実施の形態1のように、中間転写体ベルト23の感光体ドラム20への圧接状態を解除可能に構成すればよい。しかし、中間転写体ベルト23と感光体ドラム20との圧接状態を解除すると、中間転写体ドラム23の張架状態が変化するため、中間転写体ベルト23の駆動系においてベルト23が軸方向に沿って移動する虞れがある。これは、中間転写体ベルト23を支持する一次転写ロール25の位置変化時間が長いほど、当該中間転写体ベルト23の移動量が大きくなるという性質を持っている。
【0052】
そこで、この実施の形態1では、図5に示すように、感光体ドラム20を先に立ち上げ、感光体ドラム20が一定速度に収束するタイミングと、中間転写体ベルト23が一定速度に収束するタイミングが一致するように、ベルト駆動系を立ち上げるように構成されている。これに対して上記実施例1では、同時立ち上げであるので、中間転写体ベルト23は、基本的に感光体ドラム20の回転速度が収束するまでの時間だけ、一次転写ロール23を変位させておかねばならず、長い時間を要する。
【0053】
一方、この実施の形態1では、感光体ドラム20の立ち上がりに合わせて、中間転写体ベルト23を立ち上げればよく、中間転写体ベルト23を立ち上げてから、ベルト搬送系が安定する時間分だけ一次転写ロール25を変位させておけばよく、一次転写ロール25を変位させておく時間がその分だけ短くなり、中間転写体ベルト23の移動量を減少させることができる。
【0054】
このように、上記の実施の形態1では、無端ベルト状の中間転写体を使用した画像形成装置において、当該中間転写体ベルト23の軸方向における移動に起因する画像の歪みや色ずれを防止することが可能となる。
【0056】
実施の形態2
図6はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、前記中間転写体ドラム23の駆動を立ち下げるタイミングが、前記実施の形態1と異なるように構成されている。
【0057】
すなわち、この実施の形態2では、図6に示すように、中間転写体ベルト23の停止タイミングを遅らせることにより、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との間に相対的な回転位置を制御するように構成されている。
【0058】
このように、中間転写体ベルト23の停止タイミングを遅らせることにより、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との間に相対的な回転位置を制御することができ、両者の間に位置ズレが生じるのを防止可能となっている。その結果、中間転写体ベルト23を使用した画像形成装置において、当該中間転写体ベルト23と感光体ドラム20との間に位置ずれが生じるのを防止可能であり、画像の歪みや色ずれを防止することが可能となる。
【0059】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同一の部分については、その説明を省略する。
【0060】
実施の形態3
図7はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、感光体ドラム20及び中間転写体ベルト23の回転速度を、転写材26の厚さや材質等に応じて変化させる場合に、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との圧接状態を解除するように構成されている。
【0061】
すなわち、この実施の形態3では、図7に示すように、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との駆動速度を、転写材26の厚さや材質等に応じて変化させた場合でも、両者の速度が変化している間は、両者の接触状態を互いに解除するように構成されている。そのため、感光体ドラム20や中間転写体ドラム23の表面に摩耗や傷が発生して画像欠陥となるのを防止することができ、部品信頼性の低下、ランニングコスト高を招くのを防止することができる。
【0062】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同一の部分については、その説明を省略する。
【0063】
実施の形態4
図8乃至10はこの発明の実施の形態4を示すものであり、前記実施の形態3と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態4では、前記無端ベルト状中間転写体と像担持体との圧接状態を解除するリトラクト手段と、前記像担持体と無端ベルト状中間転写体をそれぞれ独自に駆動する駆動手段と、前記像担持体と無端ベルト状中間転写体の回転位置をそれぞれ検知する回転位置検知手段と、前記回転位置検知手段からの検知信号に基づいて、前記リトラクト手段による無端ベルト状中間転写体と像担持体との圧接状態を解除するタイミングと、前記駆動手段による像担持体と無端ベルト状中間転写体の駆動タイミングとを制御する制御手段と、を具備するように構成されている。
【0064】
すなわち、この実施の形態4に係る画像形成装置では、感光体ドラム20上の画像形成位置と中間転写体ベルト23との画像転写位置との変化による再現画像の色相の変化を解決するように構成されている。例えば、立ち上がりと立ち下がりの速度プロファイルが異なる感光体ドラム20と中間転写体ベルト23の回転駆動系同士を、数回立ち上がりと立ち下がりを繰り返させると、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23の各々の位置が次第にずれていってしまい、色ずれ等の原因となる。これは、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23が停止状態から立ち上がるまでの状態で、両者の速度プロファイルが異なるため、両者の間に位置ずれが生じ、このずれが次第に蓄積していくためである。また、中間転写体ベルト23の長さや厚さ等の製造誤差によっても、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との間に位置ずれが生じる。
【0065】
ここで、一見すると、立ち上がり時に遅れて立ち上がった感光体ドラム20に比べ、ベルト搬送系は停止時の位置関係より進んだ位置にあり、立ち下がり状態では感光体ドラム20が遅れて停止するため、遅れ量を取り戻すような印象を受けるが、実際には立ち上がり速度プロファイルは毎回微妙に異なり、位置関係のずれは毎回異なっている。更に、立ち下がり速度プロファイルは摩擦負荷成分が速度低下要因として効くため、立ち下がりと立ち上がり速度プロファイルは対称形ではなく、遅れの取戻しは完全ではない。この問題はジョブ間の色差となってあらわれ、同一原稿でも異なった色相のプリントとなってしまう。
【0066】
そこで、本発明者は、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との速度プロファイルの差によって、両者の間に実際にどの程度の位置ずれが生じるかを実際に計算し、この位置ずれをどのように補正すべきかを検討した。
【0067】
いま、感光体ドラム20は、図9に示すように、立ち下がり信号によって、0.2秒で速度200mm/secから立ち下がり、速度0mm/secで停止状態となり、同様に、中間転写体ベルト23は、0.15秒で停止するとした場合を考える。このとき、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23が減速する際の加速度は、一定とすると、感光体ドラム20の立ち下がり信号からの走行距離Lp/rは、
となり、20mmである。
【0068】
一方、感光体ドラム20と停止タイミングを揃えるとして、中間転写体ベルトの走行距離Lbeltは、
となり、感光体ドラム20との間に5mmの位置関係のずれが生じることがわかる。ここで、(2)式の第1項は、中間転写体ベルト23の停止タイミングを感光体ドラム20と揃えるため、中間転写体ベルト23を感光体ドラム20より0.05(sec)だけ遅く停止させ、その間に中間転写ベルト23が進む距離を示している。
【0069】
同様に、立ち上がりを考慮すれば、立ち上がり信号によって、0.25秒で速度0mm/secから感光体ドラム20が立ち上がり速度200mm/secで定常状態になり、同様に、中間転写体ベルトは0.16秒で定常状態になるとした場合を考える。このとき加速度は一定とすると、感光体ドラム20の立ち上がり信号からの走行距離Lp/rは、
となる。
【0070】
一方、定常状態に至るタイミングを揃えるとして、中間転写体ベルト23の走行距離Lbeltは、
となり、両者の間に9mmの位置関係のずれが生じることがわかる。その結果、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との間には、立ち下がり時に5mmの位置関係のずれが生じ、立ち上がり時に9mmの位置関係のずれが生じるため、立ち上がり、立ち下がりのプロファイル差によって、駆動時から停止時に4mmの位置関係の差がでることとなる。 前記計算例のごとく、通常の立ち上げ、立ち下げの差分4mmを補正するためには、中間転写体べルト23を4mm分だけ早く立ち上げれば良いことになる。その補正量である時間Tは、
だけ、中間転写体ベルト23を早く立ち上げれば良いことがわかる。即ち、立ち上がり信号発生から直ぐに、感光体ドラム20を立ち上げ、(0.25−0.16−0.02)=0.07秒後にベルト搬送系を立ち上げ、同様に0.25秒後に感光体ドラム20と中間転写体ベルト23を接触させれば良い。
但し、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23の立ち上げ、立ち下げには、必ずばらつきが存在することは前述の通りである。このばらつき成分も解消する必要がある。
【0071】
いま、最初の立ち上がり時の感光体ドラム20と中間転写体ベルト23の相対位置関係をTとする。この位置関係Tは、図8に示すように、感光体ドラム20の一回転に少なくとも一回発生する感光体の位置に同期したz信号と、同様に中間転写体ベルト23の一回転に少なくとも一回発生するベルトの位置に同期したTR0信号の時間間隔として得られる。これは毎回転毎に測定され、常に監視されていても良く、立ち上がり時、定常時、立ち下がり時のいずれかを代表値として把握していてもよい。感光体ドラム20と中間転写体ベルト23の通常速度は、ほぼTが一定であるべく設定されているので、その回転中は問題がない。しかし、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23は、前述したように、立ち下がり時等に位置関係がずれながら停止する。この時、立ち下がり信号発生から実際に停止するまでの間に、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23が各々持っている回転角速度制御用センサーであるエンコーダの出力が停止するまでの時間、もしくは、パルス数をカウントすることで得られる。これによって、立ち下がりでの位置関係変化量が定量化できる。この定量化した分を次回の立ち上げの際タイミング補正データとして、立ち上げタイムミングを制御すればよい。
【0072】
例えば、立ち下げで5mmの位置関係ずれが発生するはずが、5.1mmだとすると、次回立ち上げではばらつき補正値Taとして、
となり、実際の立ち上げ時間は、立ち上がり信号発生から直ぐに、感光体ドラム20を立ち上げ、(0.25−0.16−0.02+0.005)=0.0705秒後にベルト搬送系を立ち上げることになる。
【0073】
こうすることによって、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との立ち下がり時におけるばらつきを補正することが可能となる。
【0074】
次に、立ち上がり時のばらつき補正は、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との相対的な位置関係Tを測定することによって前回測定値、もしくは、設定値、数回分の平均値等何らかの設定値と比較することによって得られる。これを立ち上がり時のタイミング補正値Tcとして、
となり、実際の立ち上がり時間は立ち上がり信号発生から直ぐに、感光体ドラム20を立ち上げ、(0.2−0.15−0.005)=0.0495秒後にベルト搬送系を立ち下げることと。こうすることによって、立ち上がり時のばらつき補正が可能となる。
【0075】
図10は感光体ドラム及び中間転写体ベルトの駆動制御部を示すブロック図である。
【0076】
図10において、60は感光体ドラム20及び中間転写体ベルト23の駆動を制御する駆動制御部、20は感光体ドラム、61はこの感光体ドラム20を駆動する感光体駆動モーター、62は感光体駆動モーター61の回転状態を検出することにより、感光体ドラム20の回転位置を検知する回転位置検知手段としてのロータリーエンコーダ、63は感光体駆動モーター61を駆動する感光体駆動モーター駆動部、23は中間転写体ベルト、64はこの中間転写体ベルトを駆動する中間転写体駆動モーター、65は中間転写体駆動モーター64の回転状態を検出することにより、中間転写体ベルト23の回転位置を検知する回転位置検知手段としてのロータリーエンコーダ、66は中間転写体駆動モーター64を駆動する中間転写体駆動モーター駆動部、67は前記ロータリーエンコーダ62から出力される信号に基づいて感光体ドラム20の回転速度を検出する感光体速度検出部、68は前記ロータリーエンコーダ65から出力される信号に基づいて中間転写体ベルト23の回転速度を検出する中間転写体速度検出部、69は前記感光体速度検出部67と中間転写体速度検出部68から出力される信号に基づいて、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との相対的な位置の差を算出する相対位置差算出演算部、70は前記感光体速度検出部67と中間転写体速度検出部68から出力される信号に基づいて、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との相対的な速度の差を算出する相対速度差算出演算部を、それぞれ示すものである。
【0077】
また、上記ロータリーエンコーダ62、65は、感光体ドラム20の一回転に少なくとも一回出力する回転位置出力信号と、中間転写体ベルト23の一回転に少なくとも一回出力する回転位置出力信号を検知するように構成されている。
【0078】
さらに、上記駆動制御部60は、ロータリーエンコーダ62、65の検知信号から前記感光体ドラム20と中間転写体ベルト23の回転位置の時間差、位置差、回転角度差のうち、少なくとも一つを算出して制御するように構成されている。
【0079】
又、上記駆動制御部60は、予め決められた基準値と前記ロータリーエンコーダ62、65の検知結果とを比較して制御を行い、当該予め決められた基準値は、多色画像を形成する際の一次転写において、一色目転写時のロータリーエンコーダ62、65の検知結果、又は一枚目の多色一次転写のロータリーエンコーダ62、65の検知結果のいずれかであるように設定される。
【0080】
そして、この実施の形態4では、図8に示すように、相対位置差算出演算部69によって、ロータリーエンコーダ62、65からの出力信号に基づいて、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との回転位置を検出し、ロータリーエンコーダ62から出力される基準パルス信号と、ロータリーエンコーダ65から出力される基準パルス信号との時間差又は回転角度を、水晶発振器から出力される基準パルスの数をカウントするか、あるいはロータリーエンコーダ62から出力されるパルスの数をカウントすることによって測定する。上記のごとく測定された検出結果のうち、例えばロータリーエンコーダ62から出力される基準パルス信号と、ロータリーエンコーダ65から出力される基準パルス信号との回転角度に基づいて、当該測定回転角度に設定平均速度を掛けることにより、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との回転位置の差が求められる。
【0081】
したがって、このようにして求められた感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との回転位置の差の情報に基づいて、駆動制御部60は、上述したように、感光体ドラム20と中間転写体ベルト23との立ち上がりのタイミング等を制御することにより、両者の間に位置ずれ等が発生するのを確実に防止するようになっている。
【0082】
このように、上記実施の形態4では、中間転写体ベルト23を使用した画像形成装置において、中間転写体ベルト23と感光体ドラム20との間に位置ずれが生じるのを防止可能であり、画像の歪みや色ずれを防止することが可能となっている。
【0083】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、無端ベルト状の中間転写体を使用した画像形成装置において、当該無端ベルト状の中間転写体と像担持体との間に傷や摩耗が生じるのを防止可能であり、無端ベルト状の中間転写体の長寿命化が可能な画像形成装置を提供することができる。
【0085】
また、この発明によれば、無端ベルト状の中間転写体を使用した画像形成装置において、当該無端ベルト状の中間転写体の軸方向における移動に起因する画像の歪みや色ずれを防止することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0086】
さらに、この発明によれば、無端ベルト状の中間転写体を使用した画像形成装置において、当該無端ベルト状の中間転写体と像担持体との間に位置ずれが生じるのを防止可能であり、画像の色相変化を防止することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明に係る画像形成装置の一実施の形態であるデジタルカラー複写装置を示す構成図である。
【図2】図2は図1の画像形成部を示す構成図である。
【図3】図3はリトラクト手段を示す構成図である。
【図4】図4(a)(b)はリトラクト手段の制御動作をそれぞれ示すタイミングチャート及び説明図である。
【図5】図5(a)(b)はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置のリトラクト手段の制御動作をそれぞれ示すタイミングチャート及び説明図である。
【図6】図6(a)(b)はこの発明の実施の形態2に係る画像形成装置のリトラクト手段の制御動作をそれぞれ示すタイミングチャート及び説明図である。
【図7】図7(a)(b)はこの発明の実施の形態3に係る画像形成装置のリトラクト手段の制御動作をそれぞれ示すタイミングチャート及び説明図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態4に係る画像形成装置の制御動作を示すタイミングチャートである。
【図9】図9(a)(b)はこの発明の実施の形態4に係る画像形成装置のリトラクト手段の制御動作をそれぞれ示すタイミングチャート及び説明図である。
【図10】図10はこの発明の実施の形態4に係る画像形成装置の駆動制御部を示すブロック図である。
【図11】図11(a)(b)は従来の画像形成装置の動作をそれぞれ示すタイミングチャート及びグラフである。
【図12】図12(a)(b)は従来の画像形成装置の動作をそれぞれ示すタイミングチャート及びグラフである。
【符号の説明】
20感光体ドラム、23中間転写体ベルト、241次転写ロール、53ソレノイド、54制御手段、60駆動制御部、61感光体駆動モーター、62ロータリーエンコーダ、64中間転写体駆動モーター、65ロータリーエンコーダ。
Claims (7)
- 像担持体と、前記像担持体に一部が圧接するように配設された無端ベルト状の中間転写体とを備え、前記像担持体上に形成されたトナー像を無端ベルト状中間転写体上に一次転写するとともに、当該無端ベルト状中間転写体上に一次転写されたトナー像を転写材上に2次転写することにより画像を形成する画像形成装置において、
前記像担持体上に形成されたトナー像を無端ベルト状中間転写体上に一次転写する一次転写ロールを、回転自在に軸支し且つ支点を中心にして傾動するアームを備えるとともに、当該アームの自由端を押し下げることにより無端ベルト状中間転写体と像担持体との圧接状態を解除するリトラクト手段と、
前記像担持体と無端ベルト状中間転写体をそれぞれ独自に駆動する駆動手段と、
前記像担持体と無端ベルト状中間転写体の回転位置をそれぞれ検知する回転位置検知手段と、
前記回転位置検知手段からの検知信号に基づいて、前記リトラクト手段による無端ベルト状中間転写体と像担持体との圧接状態を解除するタイミングと、前記駆動手段による像担持体と無端ベルト状中間転写体の駆動タイミングとを制御する制御手段と、
を具備し、
前記制御手段は、前記リトラクト手段によって無端ベルト状中間転写体と像担持体との圧接状態を解除した状態で、前記駆動手段によって前記像担持体を先に立ち上げ、当該像担持体が一定速度に収束するタイミングと、前記無端ベルト状中間転写体が一定速度に収束するタイミングが一致するように、前記駆動手段によって前記無端ベルト状中間転写体を立ち上げるとともに、前記リトラクト手段による無端ベルト状中間転写体と像担持体とを圧接させるタイミングを制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記像担持体あるいは無端ベルト状中間転写体のどちらか少なくとも一方の速度が切り換えられる時に、前記像担持体と無端ベルト状中間転写体との機械的接触を解除し、空隙を設けるべく離間させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は,前記像担持体あるいは無端ベルト状中間転写体のどちらか少なくとも一方の速度が切り換えられる時に、前記像担持体と無端ベルト状中間転写体との押圧力を低減させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、像担持体あるいは無端ベルト状中間転写体のどちらか少なくとも一方の速度立ち上がり開始タイミング、若しくは速度立ち下がりタイミングの少なくともどちらか一方を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記回転位置検知手段は、前記像担持体の一回転に少なくとも一回出力する回転位置出力信号と前記中間転写体の一回転に少なくとも一回出力する回転位置出力信号を検知することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記回転位置検知手段の検知結果から前記像担持体と無端ベルト状中間転写体の回転位置の時間差、位置差、回転角度差のうち、少なくとも一つを算出して制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、予め決められた基準値と前記回転位置検知手段の検知結果とを比較して制御を行い、当該予め決められた基準値は、多色画像を形成する際の一次転写において、一色目転写時の回転位置検知手段の検知結果、又は一枚目の多色一次転写の回転位置検知手段の検知結果のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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