JP2000229533A - 車両用前照灯の光軸調整装置 - Google Patents

車両用前照灯の光軸調整装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用前照灯の光軸調整装置において、車両
走行中に常に適正な前照灯の照射方向が得られるように
する。 【解決手段】 車速検出手段１により車両の走行速度を
検出し、車体角度検出手段２により車体の前後方向の傾
斜角度を検出する。制御手段３は、それらの検出結果を
基に、車両が所定速度以上で車体傾斜角度変化が所定範
囲内で車速変化が所定範囲内の状態が一定期間継続して
いるときの車体傾斜角度とランプ制御角の差が所定範囲
を超えたときに、駆動手段４へランプ制御電圧を出力す
る。駆動手段４は、その制御電圧に従って前照灯５のラ
ンプ光軸を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の走行時に前
照灯の上下方向の角度を自動調整する車両用前照灯の光
軸調整装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来より、車両のヘッドランプの光軸を
車体の傾斜角度に応じて補正することが提案されてい
る。すなわち、荷物や乗車人員の状況によって車体の前
後の方向が路面と平行にならない場合があり、このよう
な場合、ヘッドランプの照射方向が上方あるいは下方に
ずれてしまう。そこで、車両の停止時に車体の前後方向
の傾斜角度を検出し、その傾斜角度に応じてヘッドラン
プの光軸を上下方向に調整することが提案されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような光軸調整装置にあっては、車体の荷重条件による
姿勢変化に対して適正なランプ光軸の補正ができるが、
車両の走行中は加速、減速あるいは路面の状態によって
車体姿勢が変化してもランプ光軸の補正ができない。
【０００４】このため、例えば走行前に停止していた場
所に縁石があって前輪や後輪がそれに乗り上げていた場
合や急な坂道に停止していた場合など、そのときに光軸
調整したままでは最適なランプの照射方向が得られない
という問題点があった。
【０００５】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、車両の走行中での光軸補正を可能に
し、常に最適な前照灯の照射方向が得られる車両用前照
灯の光軸調整装置を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明に係る車両用前照
灯の光軸調整装置は、次のように構成したものである。
【０００７】（１）車両の走行速度を検出する車速検出
手段と、該車両の前後方向の車体傾斜角度を検出する車
体角度検出手段と、前記車速検出手段及び車体角度検出
手段の検出結果に基づいて前照灯の光軸を変化させる駆
動手段とを備えた。
【０００８】（２）上記（１）の構成において、車両の
速度が所定値以下のときは前照灯の光軸を変化させない
ようにした。
【０００９】（３）上記（１）または（２）の構成にお
いて、車両の速度変化が所定範囲内のとき前照灯の光軸
を変化させるようにした。
【００１０】（４）上記（１）ないし（３）何れかの構
成において、車体傾斜角度の変化が所定範囲内のとき前
照灯の光軸を変化させるようにした。
【００１１】（５）上記（１）ないし（４）何れかの構
成において、車体傾斜角度が所定値以上であるとき前照
灯の光軸を変化させるようにした。
【００１２】（６）上記（１）ないし（５）何れかの構
成において、車両の発進時に一定期間は前照灯の光軸を
変化させないようにした。
【００１３】（７）上記（１）ないし（６）何れかの構
成において、車速検出手段と車体角度検出手段の検出出
力から前照灯の光軸変化量を演算し該変化量に応じた制
御信号を駆動手段に出力する制御手段を有し、駆動手段
は制御信号を入力してから所定時間後に前照灯の光軸を
変化させるようにした。
【００１４】
【発明の実施の形態】図１は本発明の実施例の基本構成
を示すブロック図である。同図において、１は車両の走
行速度を検出する車速検出手段、２は車両の前後方向の
車体傾斜角度を検出する車体角度検出手段で、例えば前
輪と後輪の上下方向のそれぞれの位置情報と前輪−後輪
間の距離情報とから車体の水平方向に対する傾斜角度を
演算する。
【００１５】また図１中、３は全体を制御するＣＰＵ、
ＲＯＭ、ＲＡＭ等を有した制御手段で、上記の各検出手
段１，２の検出出力を入力し、走行時の車両の加速度、
車体角度の平均値などを演算する。４は各検出手段１，
２の検出結果に基づく制御手段３からの制御信号に応じ
て車両の前照灯５の光軸を変化させる駆動手段、６は前
照灯５の光軸調整のための各種データやパラメータ等を
格納する記憶手段である。
【００１６】図２は本実施例における光軸補正のタイミ
ングを示す図であり、車両の発進時と走行時の補正タイ
ミングを示している。同図の（ａ）はイグニッションス
イッチのオン（ＯＮ），オフ（ＯＦＦ）信号、（ｂ）は
Ｈ／Ｌスイッチ（パッシングスイッチ）からのオン，オ
フ信号、（ｃ）は車速検出手段１の車速検出信号、
（ｄ）は車体角度検出手段２の車体角度検出信号、
（ｅ）は車体角度の平均値、（ｆ）は前照灯５の光軸を
補正するためのランプ制御電圧出力をそれぞれ示してい
る。
【００１７】車両が停止状態から走行状態に移行する
と、その速度に応じたセンサからの車速パルスが車速検
出手段１に入力されるようになっているが、その際図２
の（ｆ）の（１）のように、車速パルスが入力された発
進直前の一定期間、例えば６００ｍｓｅｃの間は、上記
センサ値の変化が制御手段３から駆動手段４へのランプ
制御電圧出力に反映されないようにしている。
【００１８】また、車速が例えば２０ｋｍ／ｈ以上で、
速度変化が３ｋｍ／ｈ以下でかつ、図２の（ｄ）の
（２）のように車速パルス入力後の車体傾斜角度の変化
が０．３°以下の状態が２５秒（ｓｅｃ）間連続した場
合、現在のランプ制御電圧の出力値に対して車体角度が
例えば上限０．２°、下限０．２°以上変化していると
きは、６００ｍｓｅｃ後にランプ制御電圧に反映させる
ようにしている。つまり、車体傾斜角度が所定値Ｄの範
囲を超えたら例えば６００ｍｓｅｃ後にランプ光軸補正
を行うようにしている。
【００１９】また、図２の（ｃ）の（３）のように、上
述の条件以外で車速パルスが入ってきても、ランプ制御
電圧は変化しない。
【００２０】図３は上述の本実施例の具体的な動作を示
すフローチャートである。このフローチャートに示す制
御処理は、図１の制御手段３のＣＰＵにより予めＲＯＭ
に格納されたプログラムに従って実行されるものであ
る。
【００２１】車両が走行状態になると、まずステップＳ
１で車速が所定値Ｖ１を超えたか否かを監視し、車速が
所定値以下のときはランプ光軸は変化させないが、車速
が所定値を超えると、ステップＳ２でｔ秒間の車速変化
（最大−最小）Δｖを計算する。そして、ステップＳ３
で車速変化Δｖが所定範囲以上（Δｖ≧ｖ２）のときは
ランプ光軸の補正は行わないが、車速変化Δｖが所定範
囲内であると、ステップＳ４で上記ｔ秒間における車体
角度変化（最大−最小）Δｄを計算する。そして、ステ
ップＳ５で車体角度変化Δｄが所定範囲以上（Δｄ≧Ｄ
１）のときはランプ光軸の補正は行わないが、車体角度
変化Δｄが所定範囲内であると、ステップＳ６で車体角
度の平均値Ｄａを計算する。
【００２２】次に、ステップＳ７で上記計算した平均値
Ｄａから補正すべきランプ制御角度Ｄｌを減じた値Ｄｒ
（＝Ｄａ−Ｄｌ）を計算する。そして、ステップＳ８，
Ｓ９で上記計算した値Ｄｒが所定範囲内であれば光軸補
正は行わないが、所定範囲外にあれば（Ｄ２＞Ｄｒ、Ｄ
３＜Ｄｒ）、ステップＳ１０でＤｌ＝Ｄａとして、ラン
プ光軸の補正を行う。
【００２３】このように、本実施例では、図３のフロー
に示されるように走行中は車速、車体傾斜角度が安定時
にのみ制御するため、常に最適な前照灯５の照射方向を
得ることができる。したがって、例えば車両の停止して
いた場所に縁石があってそれに前輪や後輪が乗り上げて
いた場合や、急な坂道に停止していた場合においても、
車両走行時に光軸補正を行うことで、前照灯５の適正な
光軸調整を行うことができる。すなわち、車両停止時の
車体姿勢が車体荷重条件を反映していない場合でも、車
両走行時の適正なランプ光軸方向を得ることができる。
【００２４】また、車両走行中は、車速、車体傾斜角度
が安定した状態にある場合のみ光軸補正が行われるた
め、加速、減速、あるいは路面の状態等の一時的で繁雑
な車体姿勢の変化での光軸補正をなくし、駆動源である
電源の節約及び本装置部品の消耗を抑えることができ
る。
【００２５】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、車両の
走行中での光軸補正を可能にすることで、常に適正な前
照灯の照射方向を得ることができるという効果がある。
【００２６】また、本発明により、車両走行中は、車
速、車体傾斜角度が安定した状態にある場合のみ光軸補
正が行われるため、加速、減速、あるいは路面の状態等
の一時的で繁雑な車体姿勢の変化での光軸補正をなく
し、駆動源である電源の節約及び本装置部品の消耗を抑
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施例の基本構成を示すブロック図
【図２】 実施例の光軸補正のタイミングを示す図
【図３】 実施例の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
１ 車速検出手段 ２ 車体角度検出手段 ３ 制御手段 ４ 駆動手段 ５ 前照灯 ６ 記憶手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 車両の走行速度を検出する車速検出手段
    と、該車両の前後方向の車体傾斜角度を検出する車体角
    度検出手段と、前記車速検出手段及び車体角度検出手段
    の検出結果に基づいて前照灯の光軸を変化させる駆動手
    段とを備えたことを特徴とする車両用前照灯の光軸調整
    装置。
  2. 【請求項２】 車両の速度が所定値以下のときは前照灯
    の光軸を変化させないことを特徴とする請求項１記載の
    車両用前照灯の光軸調整装置。
  3. 【請求項３】 車両の速度変化が所定範囲内のとき前照
    灯の光軸を変化させることを特徴とする請求項１または
    ２記載の車両用前照灯の光軸調整装置。
  4. 【請求項４】 車体傾斜角度の変化が所定範囲内のとき
    前照灯の光軸を変化させることを特徴とする請求項１な
    いし３何れか記載の車両用前照灯の光軸調整装置。
  5. 【請求項５】 車体傾斜角度が所定値以上であるとき前
    照灯の光軸を変化させることを特徴とする請求項１ない
    し４何れか記載の車両用前照灯の光軸調整装置。
  6. 【請求項６】 車両の発進時に一定期間は前照灯の光軸
    を変化させないことを特徴とする請求項１ないし５何れ
    か記載の車両用前照灯の光軸調整装置。
  7. 【請求項７】 車速検出手段と車体角度検出手段の検出
    出力から前照灯の光軸変化量を演算し該変化量に応じた
    制御信号を駆動手段に出力する制御手段を有し、駆動手
    段は制御信号を入力してから所定時間後に前照灯の光軸
    を変化させることを特徴とする請求項１ないし６何れか
    記載の車両用前照灯の光軸調整装置。
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