JP2014051282A - 車両前照灯の光軸調整装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動車の車体前部に上下方向に揺動可能に支持された車両前照灯11と、上記車両用灯具を上下方向に揺動させる駆動手段12と、上記自動車の車体の車高を検出する車高センサ13と、上記車高センサからの検出信号に基づいて自動車の車体の傾きを演算して、この傾きを相殺するように駆動手段を駆動制御する制御部14と、を含んでいる、車両前照灯の光軸調整装置10であって、上記制御部が、自動車の加速時、減速時または停車時に、車両情報が閾値を越えたとき、所定時間だけ駆動手段を停止して、車両前照灯の照射角度を所定角度に固定するように、車両前照灯の光軸調整装置10を構成する。
【選択図】図1
Description
このため、特許文献1には、自動車の車体の傾斜角度に対応して、車両前照灯の光照射方向を常に一定に保持するように、車両前照灯の光軸を上下方向に調整するようにした、車両前照灯の光軸調整装置が開示されている。
制御手段が、この予測された車体のスクワット量及びダイブ量に対応して、自動車の加速時または減速時に所定の制御ルーチンに基づいて、ヘッドランプの光軸を制御して、ヘッドランプの照射方向を制御する。
さらに、このような制御は、オートレベリングだけでなく、AFS(Adaptive Front−Lighting System)やアクティブサスペンション等の車両制御にも適用され得る。
従って、制御遅れが発生することにより、実際には、図8(A)で点線により示すように、制御が行なわれることになる。
このため、車両ピッチと制御位置との間に制御ずれが発生することになり、特にバウンドにより図8(B)にて斜線で示す領域Puにて、大きな制御ずれが生ずることになる。
この場合も、同様にして、制御遅れによって、図9(A)で点線により示すように、制御が行なわれることになる。
このため、車両ピッチと制御位置との間に制御ずれが発生することになる。このため、特にバウンドにより図9(B)にて斜線で示す領域Pdにて、大きな制御ずれが生ずる。
(2)本発明に係る他の態様の車両前照灯の光軸調整装置は、自動車の車体前部に光軸を上下方向に揺動可能に支持された車両前照灯と、上記車両前照灯の光軸を上下方向に揺動させる駆動手段と、上記自動車の車体の車高を検出する車高センサと、上記車高センサからの検出信号に基づいて上記自動車の車体の傾きを演算して、この傾きを相殺するように上記駆動手段を駆動制御する制御部と、を含んでいる、車両前照灯の光軸調整装置であって、上記制御部は、上記自動車の走行加速度が予め設定された所定の閾値未満であって、かつ上記自動車のブレーキ信号がオンで、上記自動車の車速が予め設定された所定の閾値未満であるとき、車体バウンドの前兆と判定する判定部をさらに備え、上記判定部が、前記車体バウンドの前兆を判定したとき、所定時間だけ上記駆動手段を停止して、上記車両前照灯の照射角度を所定角度に固定することを特徴とする、車両前照灯の光軸調整装置である。
本発明による車両前照灯の光軸調整装置は、好ましくは、上記制御部が、自動車の加速時に、走行加速度が閾値を越えていて、且つスロットルがオンからオフに変化したとき、所定時間だけ駆動手段を停止して、車両前照灯の照射角度を所定角度に固定する。
これにより、自動車の加速終了時、減速終了時または停車直後に、サスペンションの復元力によって、車体の所謂バウンドが生ずる間、車両前照灯の照射角度が所定角度に固定される。これにより、このバウンドに対応した光軸調整の制御ずれによる実際の車体の傾斜と逆方向の制御が抑制されることになる。
このようにして、車両前照灯の光照射方向がバウンドによって一時的に上向きまたは下向きになることが抑制され、所定方向に保持され得る。従って、自動車の加速、減速や停車の際に、車体のバウンドに対する逆方向の光軸調整によって、対向車や先行車に対して幻惑光を与えるようなことがなく、また前方視認性が損なわれてしまうようなことがない。
従って、加速時、減速時または停車時に、車体のバウンドに対する制御が不要である。このため、制御処理が高速化され得て、制御遅れが低減されることになる。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1及び図2において、車両前照灯の光軸調整装置10は、自動車の車体Bの前部に上下方向に揺動可能に取り付けられた左右一対の車両前照灯11と、各車両前照灯11をそれぞれ上下方向に揺動させる一対のアクチュエータ12と、上記車体Bの前輪及び後輪のサスペンション付近に設けられた一対の車高センサ13と、これらの車高センサ13からの検出信号及び自動車の車両情報に基づいてアクチュエータ12を駆動制御する制御部14と、から構成されている。
上記車高センサ13は、サスペンションのストロークに基づいて、自動車の車体Bの高さを検出するようになっている。
これにより、上記制御部14の演算部14aは、車両ピッチ検出部14dにより、車高センサ13から入力される検出信号、そして自動車のイグニッション信号、ヘッドランプ信号及び車両情報を演算処理して、自動車の車体Bの傾き(車両ピッチ)を算出し、制御角算出部14eにより、この傾きに対応して、この傾きを相殺する方向に車両前照灯11を揺動させるための制御信号(制御角)を生成し、アクチュエータ12に送出するようになっている。
上記自動車の車両信号は、車速信号、走行加速度、スロットル信号、ブレーキ信号であり、走行検知部14bを介して演算部14aに入力されるようになっている。
通常制御においては、上記制御部14は、車高センサ13から入力される検出信号を、信号処理部14cにより演算処理して車体の傾きを算出し、この傾きに対応して、この傾きを相殺する方向に車両前照灯11を揺動させるための制御信号を生成し、出力回路14dからこの出力信号をアクチュエータ13に送出するようになっている。
この場合、所定角度θは、基準位置として、例えば特許文献1に示すように、自動車の停止時に設定され、メモリ14cに記憶される。
即ち、車体バウンドの時間は、走行加速度が大きくなる程長くなると考えられる。従って、所定時間ΔTは、走行加速度Accの絶対値|Acc|と相関させて、ΔT=a×|Acc|(a:相関係数)により設定される。
この場合、所定時間ΔTは、車体バウンドに対して応答遅れが生じるおそれがある最大時間T0を測定して、ΔT=T0とすればよい。
さらに、車体バウンドの最大周期T0を測定して、ΔT=T1としてもよい。尚、参考までに、停車時の実験においては、車体バウンド時間は約1秒程度である。
上記制御部14は、走行検知部14bを介して入力されるスロットル信号に基づいて、スロットルオンからスロットルオフで且つ走行加速度Gが前もって設定された閾値G0(例えば1m/s2)を越えた(G>G0)とき、加速終了即ち車体バウンドの前兆と判定し、照射位置固定のためのカウンタを起動する。
カウンタが所定時間ΔTをカウントするまでの間のみ、上記制御部14は、車両前照灯11の照射方向を所定角度θに固定するための制御信号を生成し、この制御信号をアクチュエータ13に送出するようになっている。
上記制御部14は、走行検知部14bを介して入力されるブレーキ信号に基づいて、ブレーキオンからブレーキオフで且つ走行加速度Gが前もって設定された閾値(例えば−1m/s2)を下回った(G<G0)とき、即ち走行加速度Gの絶対値が閾値を越えたとき、減速終了即ち車体バウンドの前兆と判定し、照射位置固定のためのカウンタを起動する。このカウンタは、カウント値が所定時間ΔTになるまでカウントを続けるように設定されている。
尚、減速時には、走行加速度Gが負の値になるため、走行加速度G<閾値G0により判定が行なわれる。
カウンタが所定時間ΔTをカウントするまでの間のみ、上記制御部14は、車両前照灯11の照射方向を所定角度θに固定するための制御信号を生成し、この制御信号をアクチュエータ13に送出するようになっている。
上記制御部14は、走行検知部14bを介して入力されるブレーキ信号及び車速信号に基づいて、ブレーキオンで且つ車速が閾値(5km/h)未満で、走行加速度Gが前もって設定された閾値(例えば−1m/s2)を下回った(G<G0)とき、即ち走行加速度Gの絶対値が閾値を越えたとき、停車直後即ち車体バウンドの前兆と判定し、照射位置固定のためのカウンタを起動する。
カウンタが所定時間ΔTをカウントするまでの間のみ、上記制御部14は、車両前照灯11の照射方向を所定角度θに固定するための制御信号を生成し、この制御信号をアクチュエータ13に送出するようになっている。
尚、上述した各閾値や所定時間ΔTは、前もって設定され、メモリ14cに記憶されている。
即ち、上記制御部14は、従来の車両前照灯の光軸調整装置1と同様にして、車高センサ13から入力される検出信号を、演算部14aにより演算処理して車体の傾きを算出する。
これにより、車体の傾きに応じて、車両前照灯11の照射角度が常に一定方向に調整され、保持されることになる。
図3のフローチャートに示すように、上記制御部14は、まずステップST1にて、車両情報のうち、スロットル信号に基づいて、スロットルオンからスロットルオフで、且つ走行加速度Gが閾値G0を越えているか否かを判定する。
ステップST1でY(イエス)の場合には、加速終了時の急激な車体ピッチの変化(車体バウンド)が発生する前兆であると判定して、上記制御部14は、ステップST2にて、照射位置固定のためのカウンタを起動して、ステップST3に進む。
また、ステップST1でN(ノー)の場合には、加速終了後でないと判定して、ステップST3に進む。
これに対して、ステップST3にて、カウンタがカウント中でない場合には、上記制御部14は、所定時間ΔTが経過したものとして、ステップST5にて、通常制御に戻って、即ち照射方向可変制御を行なう。
上述したステップST1からST5を繰返し行なうことにより、所定時間ΔTの間だけ、照射方向固定制御が行なわれることになる。
上述した特別制御によって、図4(A)に示すように、自動車の加速の際に、加速開始に伴って、車体ピッチが上向き(スクワット)となったのち、加速終了に伴って、車体ピッチが下向きとなる車体バウンドが発生するが、この場合、車両前照灯11の照射方向が所定角度θに固定制御される。
従って、制御ずれは、図4(B)に示すように、固定制御のない場合のバウンドによる領域Puと比較して、ΔPuだけ低減されることになる。
これにより、通常制御では時間的に補正しきれない車両前照灯11の車体バウンドによる光軸の上向き状態を排除して、車両前照灯11は、ほぼ所定角度θの照射角度で光を照射することになり、対向車や先行車に幻惑光を与えることが防止され得る。
図5のフローチャートに示すように、上記制御部14は、まずステップST11にて、車両情報のうち、ブレーキ信号に基づいて、ブレーキオンからブレーキオフで、且つ走行加速度Gが閾値G0を下回っている(G<G0)か否かを判定する。
ステップST11でY(イエス)の場合には、減速終了時の急激な車体ピッチの変化(車体バウンド)が発生する前兆であると判定して、上記制御部14は、ステップST12にて、照射位置固定のためのカウンタを起動して、ステップST13に進む。
また、ステップST11でN(ノー)の場合には、減速終了後でないと判定して、ステップST13に進む。
これに対して、ステップST13にて、カウンタがカウント中でない場合には、上記制御部14は、所定時間ΔTが経過したものとして、ステップST15にて、通常制御に戻って、即ち照射方向可変制御を行なう。
上述したステップST11からST15を繰返し行なうことにより、所定時間ΔTの間だけ、照射方向固定制御が行なわれることになる。
上述した特別制御によって、図6(A)に示すように、自動車の減速の際に、減速開始に伴って、車体ピッチが下向き(ダイブ)となったのち、減速終了に伴って、車体ピッチが上向きとなる車体バウンドが発生するが、この場合、車両前照灯11の照射方向が所定角度θに固定制御される。
従って、制御ずれは、図6(B)に示すように、固定制御のない場合のバウンドによる領域Pdと比較して、ΔPdだけ低減されることになる。
これにより、通常制御では時間的に補正しきれない車両前照灯11の車体バウンドによる光軸の下向き状態を排除して、車両前照灯11は、ほぼ所定角度θの照射角度で光を照射することになり、前方視認性が確保され得る。
図7のフローチャートに示すように、上記制御部14は、まずステップST21にて、車両情報のうち、ブレーキ信号、車速信号に基づいて、ブレーキオンで、且つ車速信号が閾値未満で、走行加速度Gが閾値G0を下回っている(G<G0)か否かを判定する。
ステップST21でY(イエス)の場合には、停車直後の急激な車体ピッチの変化(車体バウンド)が発生する前兆であると判定して、上記制御部14は、ステップST22にて、照射位置固定のためのカウンタを起動して、ステップST23に進む。
また、ステップST21でN(ノー)の場合には、停車直後でないと判定して、ステップST23に進む。
これに対して、ステップST23にて、カウンタがカウント中でない場合には、上記制御部14は、所定時間ΔTが経過したものとして、ステップST25にて、通常制御に戻って、即ち照射方向可変制御を行なう。
上述したステップST21からST25を繰返し行なうことにより、所定時間ΔTの間だけ、照射方向固定制御が行なわれることになる。
上述した特別制御によって、自動車の停車の際に、減速開始に伴って、車体ピッチが下向き(ダイブ)となったのち、停車直後に、車体ピッチが上向きとなる車体バウンドが発生するが、この場合、車両前照灯11の照射方向が所定角度θに固定制御される。
従って、通常制御では時間的に補正しきれない車両前照灯11の車体バウンドによる光軸の下向き状態を排除して、車両前照灯11は、ほぼ所定角度θの照射角度で光を照射することになり、前方視認性が確保され得る。
また、上述した実施形態においては、照射方向固定制御のトリガーとして、スロットル信号またはブレーキ信号のオンオフを利用しているが、これに限らず、スロットル開度、ブレーキ油圧等の車体バウンドの前兆を検出できる信号であれば、他の任意の車両情報を利用することも可能である。
また、本発明による車両前照灯の光軸調整装置10は、サスペンション制御システムに組み込むことも可能である。
11 車両前照灯
12 アクチュエータ(駆動手段)
13 車高センサ
14 制御部
Claims (2)
- 自動車の車体前部に光軸を上下方向に揺動可能に支持された車両前照灯と、
上記車両前照灯の光軸を上下方向に揺動させる駆動手段と、
上記自動車の車体の車高を検出する車高センサと、
上記車高センサからの検出信号に基づいて上記自動車の車体の傾きを演算して、この傾きを相殺するように上記駆動手段を駆動制御する制御部と、
を含んでいる、車両前照灯の光軸調整装置であって、
上記制御部は、上記自動車の走行加速度が予め設定された所定の閾値未満であって、かつ上記自動車のブレーキ信号がオンからオフに変化したとき、車体バウンドの前兆と判定する判定部をさらに備え、
上記判定部が、前記車体バウンドの前兆を判定したとき、所定時間だけ上記駆動手段を停止して、上記車両前照灯の照射角度を所定角度に固定することを特徴とする、車両前照灯の光軸調整装置。 - 自動車の車体前部に光軸を上下方向に揺動可能に支持された車両前照灯と、
上記車両前照灯の光軸を上下方向に揺動させる駆動手段と、
上記自動車の車体の車高を検出する車高センサと、
上記車高センサからの検出信号に基づいて上記自動車の車体の傾きを演算して、この傾きを相殺するように上記駆動手段を駆動制御する制御部と、
を含んでいる、車両前照灯の光軸調整装置であって、
上記制御部は、上記自動車の走行加速度が予め設定された所定の閾値未満であって、かつ上記自動車のブレーキ信号がオンで、上記自動車の車速が予め設定された所定の閾値未満であるとき、車体バウンドの前兆と判定する判定部をさらに備え、
上記判定部が、前記車体バウンドの前兆を判定したとき、所定時間だけ上記駆動手段を停止して、上記車両前照灯の照射角度を所定角度に固定することを特徴とする、車両前照灯の光軸調整装置。
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JP2015202756A (ja) * | 2014-04-14 | 2015-11-16 | 株式会社小糸製作所 | 車両用灯具の制御装置 |
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JPH11314547A (ja) * | 1998-05-01 | 1999-11-16 | Mitsubishi Electric Corp | 車両前照灯制御装置 |
JP2000229533A (ja) * | 1999-02-10 | 2000-08-22 | Stanley Electric Co Ltd | 車両用前照灯の光軸調整装置 |
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