JP2000229456A - 印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続式と間欠式のいずれでも、シートに対し
て良好な印字を行えるようにした、ラインサーマルヘッ
ドを用いた印字装置を提供する。 【解決手段】 ラインサーマルヘッド１との間にシート
１０とリボンテープ２を挟んで印字を行うプラテンＰ
は、印字時にシート１０の移動に連れて変位自在及び変
位不能のいずれか一方の状態に切り替え可能となってい
る。連続式印字に際しては、上下機構１５によってプラ
テンＰが上昇されてラインサーマルヘッド１との間にフ
ィルム１０とリボンテープ２を挟むと、プラテンＰはシ
ート１０に搬送に連れて変位される。印字が終わって上
下機構１５によってプラテンＰが下降されると、プラテ
ンＰはバネ１６の反発力で自動的に元の位置に戻され
る。間欠式印字のときはプラテンＰは静止され通常の平
プラテンとして機能し印字が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ラインサーマルヘ
ッドに通電して印字対象シートに対し印字を行うように
した印字装置に関わり、特に、連続式及び間欠式のいず
れでも印字可能に構成した印字装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、包装物に対しては製造年月日、賞
味期限、製造連番など印字対象物毎に異なる文字や記号
を表示することが多い。このような場合、ラインサーマ
ルヘッドを用いて包装用プラスチックフィルムなどの印
字対象シートに印字を行うことが広く行われている。

【０００３】ラインサーマルヘッドを用いて印字対象シ
ートに印字を行う場合、ヘッドの受け側機構としてプラ
テンが用いられる。従来、連続式ラインサーマルヘッド
印字装置のプラテンとしては、丸形のプラテンローラが
使用されている。丸形のプラテンローラを用いた場合
は、印字動作時にラインサーマルヘッドを押し付けて
も、プラテンはローラになっているために、搬送されて
来る印字対象シートの移動に対し過大なブレーキをかけ
ることはない。

【０００４】しかしながら、従来の丸形のプラテンロー
ラを用いたものでは、ヘッドのヒータ位置と受け側位置
との組み合わせにおける芯出しに精度が要求されてお
り、この芯出し作業が煩わしくて時間がかかるばかり
か、芯出しが必要な為に印字位置の変更に制約を受ける
という欠点があった。

【０００５】一方、間欠式ラインサーマルヘッド印字装
置のプラテンとしては、ヘッドを平行移動しながら印字
を行うため、平らな部分を必要とし、平プラテンが使用
されてきた。その場合、平プラテンの材質としては、シ
リコンゴムなどが使用されている。そのため、印字の際
に生ずる加圧により、印字対象シートとシリコンゴムが
くっついてしまい印字対象シートを動かすときのブレー
キとなっていた。

【０００６】そのため、プラテンと搬送されている印字
対象シートの間の摩擦を減らしシートの円滑な移動が妨
げられないように、ヘッドの受け側機構として、ローラ
の周りにエンドレスなベルトを回転可能に架け渡して構
成したベルト式台座などを用いている。このように構成
したベルト式台座を用いたものは、構造が複雑な上、高
価であり、また、構成が嵩むベルト式台座を収納するた
めのスペースを必要とするものであった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前項で説明したよう
に、従来のプラテンを用いた印字装置では、取り扱いが
複雑だったり構造が複雑で、かつ、高価であるという欠
点があった。従来技術の教えから、連続式と間欠式の併
用型のラインサーマル印字装置では、連続動作時は搬送
印字対象シートに過大なブレーキをかけることなく、間
欠動作時には平プラテンとしての機能を持たせる必要の
あることがわかる。

【０００８】本発明は、構造簡単なプラテンを用いなが
らも、連続式と間欠式のいずれでも、印字対象シートに
対して良好な印字を行えるようにした、ラインサーマル
ヘッドを用いた印字装置を提供することを課題としてい
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、移動する印字
対象シートとリボンテープをプラテンとサーマルヘッド
の間に挟んで印字する印字装置における前記課題を解決
するため、印字対象シートの搬送力により水平移動を可
能にするとともに水平移動されたプラテンを元に戻す機
構とともに、プラテン面に滑り性を合わせ持たせた構成
を採用した印字装置を提供する。

【００１０】すなわち、本発明の印字装置においては、
プラテンとサーマルヘッドが印字すべき印字対象シート
とリボンテープを間に挟んだ印字時に前記シートの移動
に連れて変位自在及び変位不能のいずれか一方の状態に
切り替え可能に構成されているとともに、変位自在の状
態において変位した前記プラテンを元の位置に戻すプラ
テン戻し機構を有する構成とする。

【００１１】本発明の印字装置においては、プラテンが
印字対象シートの搬送力を伝えられて直線移動しうる状
態に切り替えられるようになっているとともに、変位し
た前記プラテンを元の位置に戻すプラテン戻し機構を有
するというだけの簡単な構造であるが、連続式と間欠式
の併用型のラインサーマル印字装置において、連続動作
時は搬送印字対象シートに過大なブレーキをかけること
なく、また、間欠動作時には平プラテンとしての機能を
併せ持たせることができる。

【００１２】本発明の印字装置において、前記プラテン
を印字対象シートの移動方向に伸びる軸回りに回転自在
に取り付けた構造にすると、そのプラテンは印字対象シ
ートの横方向に伸びているサーマルヘッドとの当たりが
良くなり、高品質な印字を行わせることができて好まし
い。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明による印字装置を図
示した実施形態により具体的に説明する。図１は本発明
による印字方法の実施の一形態を示している。図１にお
いて、１はラインサーマルヘッドである。２は熱転写リ
ボンテープでリボンテープ原反３から巻き取りロール４
へ巻き取られ、その途中でリボンテープ２はラインサー
マルヘッド１の下端のまわりを通る。

【００１４】５はプラテン台座で、プラテン台座５の上
部は、後記するようにラインサーマルヘッド１との密着
性を良くするため、硬度４０〜７５くらいのゴム材６で
形成されており、その上面には、印字対象シートとの滑
りを良くするため、例えば厚さ２５μｍの極薄のテフロ
ンシート７が張り付けられている。

【００１５】これらプラテン台座５、ゴム材６、テフロ
ンシート７がプラテンＰを構成している。ラインサーマ
ルヘッド１とプラテンＰとの間を印字対象シート１０と
前記したリボンテープ２が搬送される。１１は矢印方向
に搬送される印字対象シート１０を案内するガイドロー
ラである。

【００１６】プラテンＰには台車１２が取り付けられ、
台車１２は、支持枠８に取り付けられた軸９に沿ってプ
ラテンＰと共に摺動可能に、また、軸９のまわりに回動
可能に支持されている。このように軸９のまわりに、即
ち、印字対象シート１０の搬送方向の軸まわりに、回動
可能に取り付けることによって、プラテンＰは印字時に
ラインサーマルヘッド１との当たりが均一になり、印字
対象シート１０に対し高品質な印字を与えることができ
る。

【００１７】軸９には、印字対象シート１０の搬送方向
の前方において、ストッパ１３と台車１２の先端との間
に台車戻し機構としてのバネ１５が嵌められている。１
４は台車１２の後端において軸９に取り付けられたスト
ッパである。

【００１８】支持枠８は上下動機構１６に取り付けられ
ている。上下動機構１６は、Ｘ字形にピン２１で互いに
回動可能に連結されたリンク１７、１８を有している。
リンク１７の上端はピン１９によって支持枠８に枢着さ
れており、リンク１８の上端は支持枠８に設けられた長
孔２２にピン２０を介して摺動自在に嵌め合わせられて
いる。

【００１９】リンク１８の下端は、ピン２４により台枠
２３に枢着されており、リンク１７の下端は台枠２３に
設けられた長孔２６にピン２５を介して摺動自在に嵌め
合わせられている。以上と同様のリンク構成が紙面と垂
直方向に間隔を開けてもう一組設けられており、リンク
１７同士がピン２５の所で互いに連結されていて両者が
同じ動きをするようになっている。リンク１８の下端
は、ピン２５の所でリンク３０に連結されている。リン
ク３０はヘッド合わせを確実にするためのバネ２７、を
介してリンク２９に連結されている。リンク２９はクラ
ンク状にロータリソレノイド２８の回転板３１に連結さ
れている。

【００２０】図示した装置は以上の構成を有しており、
印字対象であるシート１０に対し、次のとうり、連続
式、間欠式のいずれによっても所望のどうりの印字を行
うことができる。

【００２１】（１）連続式印字装置として作動させると
き：印字対象シート１０が搬送されている状態で、シー
ト１０の印字すべき部分が来ると印字スタート信号を受
け取る。その印字スタート信号によりロータリソレノイ
ド２８が作動され、回転板３１が回転されると、その回
転運動はリンク２９、バネ２７、リンク３０、ピン２５
を介してリンク１７の下端に伝えられ、リンク１７の下
端は台枠２３に設けられた長孔２６に沿って図１の左方
向に摺動される。

【００２２】リンク１７のこの変位によって、リンク１
８の上端も長孔２２に沿って左方向に摺動し、リンク１
７とリンク１８は立ち上げられる。このリンク１７とリ
ンク１８の変位によって支持枠８は鉛直に上方へ平行移
動される。従って、支持枠８に支持されているプラテン
Ｐは横方向の変位なしに鉛直に上方へ押し上げられ、シ
ート１０とリボンテープ２はサーマルヘッド１とプラテ
ンＰに挟まれる。これによってシート１０とプラテンＰ
が密着し、プラテンＰはシート１０の搬送に伴われ台車
１２とともに軸９に沿いバネ１６を圧縮させつつ図１の
白矢印の左方向に変位される。軸９に沿ってプラテンＰ
が移動することにより、シート１０は搬送に対し過大な
ブレーキを受けない。

【００２３】印字が終了するとロータリソレノイド２８
が解放され、リンク１７の下端は台枠２３に設けられた
長孔２６に沿って前記したのと逆に図１の右方向に摺動
され、リンク１７とリンク１８は下方に畳まれて支持枠
８、台車１２が下がり、プラテンＰが降下される。プラ
テンＰが降下してシート１０との接触が無くなると、シ
ート１０の搬送力がプラテンＰに伝わらなくなるので、
プラテンＰはバネ１６の反発力で白矢印の右方向に移動
し、元の位置へ戻る。

【００２４】プラテンＰの進行方向へのストロークは、
プラテンＰをラインサーマルヘッド１へ押し付けている
間にシート１０が移動するだけのストロークが理想的で
あるが、実際は滑り性の良いテフロンシート等を貼りつ
けるので少量のストロークだけでよい。

【００２５】前記実施形態では印字時にプラテンＰを押
し上げているが、通常、プラテンＰへの押し付けは、ラ
インサーマルヘッド１を下げて密着させることが行われ
ており、前記実施形態でも印字時にプラテンＰを押し上
げる代わりにヘッド１を降下させてもよい。しかしなが
ら、凸型ヘッド使用の印字装置では熱時剥離型の熱転写
リボンテープを使用するため、熱時剥離を良好にするた
めにθ角が大きく、ラインサーマルヘッド１を持ち上げ
る方向に力が働く。

【００２６】また、高速な領域でラインサーマルヘッド
１を下げようとすると、リボンを巻き取る力とヘッドを
下げる力がぶつかってリボンテープ２がバウンデングす
る。このため、印字開始の時間を遅らせる必要がある
が、プラテンＰ側を押し下げて加圧する分には、リボン
テープ２の巻き経路長も変化せず、印字開始までの時間
を短縮させる事ができて好ましい。

【００２７】また、ラインサーマルヘッド１とプラテン
Ｐの密着度を高めるための遊びも、通常はヘッド側に持
たせるが、これもリボンテープ２を高速で巻き上げた
時、印字開始を遅らせる原因となる。従って、プラテン
Ｐ側にラインサーマルヘッド１との密着度を高めるため
の遊びを設けるのが好ましい。

【００２８】ここでいう高速とは、追従される搬送フィ
ルム速度でほぼ１０インチ／秒以上である。これ以下の
速度領域では、ヘッドを下げても、ラインサーマルヘッ
ド１側に遊びをつけても応答速度には問題ないないの
で、プラテンＰを水平移動させる機構のみでよい。

【００２９】（２）間欠式印字装置として作動させると
き：印字対象シート１０の搬送が止まっている状態で、
印字スタート信号を受けると、ロータリソレノイド２８
が前記したと同様にプラテンＰを押し上げる。プラテン
Ｐの押し上げによつてプラテンＰとラインサーマルヘッ
ド１との間にシート１０とリボンテープ２が挟まれた状
態でラインサーマルヘッド１を動かしながら印字動作を
行う。

【００３０】印字動作の間、台車１２は適宜のストッパ
によって動きを停められて，普通の平プラテンとして働
く。印字が終了するとロータリソレノイド２８が作動さ
れてプラテンＰが降下される。

【００３１】なお、プラテンＰの表面には、滑り性の良
いテフロンシート等を貼り付けてあるので、印字終了し
たシート１０を送る時に搬送されるシート１０がプラテ
ンＰの表面に付着することによって搬送開始時のブレー
キとなることがない。

【００３２】

【発明の効果】本発明の印字装置においては、移動する
印字対象シートとリボンテープをプラテンとサーマルヘ
ッドの間に挟んで印字する印字装置において、プラテン
とサーマルヘッドが印字対象シートとリボンテープを間
に挟んだ印字時に前記シートの移動に連れて変位自在及
び変位不能のいずれか一方の状態に切り替え可能に構成
されているとともに、変位自在状態において変位した前
記プラテンを元の位置に戻すプラテン戻し機構を設けて
いる。

【００３３】このように、本発明の印字装置は簡単な構
造であるが、連続式と間欠式の併用型のラインサーマル
印字装置であり、連続動作時は搬送シートに過大なブレ
ーキをかけることなく、また、間欠動作時には平プラテ
ンとしての機能を併せ持たせている。

【００３４】また、本発明の印字装置において、プラテ
ンを印字対象シートの移動方向に伸びる軸まわりに回転
自在に取り付けた構造にしたものでは、そのプラテンは
シートの横方向に伸びているサーマルヘッドの加熱面と
の当たりが良くなり、高品質な印字を行わせることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態による印字装置の構造を
示す側面図。

【図２】図１の印字装置におけるプラテンＰの上面図。

【図３】図１のIII−III線矢視図。

【符号の説明】

１ ラインサーマルヘッド ２ リボンテープ ３ リボンテープ原反 ４ 巻き取りロール ５ プラテン台座 ６ ゴム材 ７ テフロンシート ８ 支持枠 ９ 軸 １０ 印字対象シート １１ ガイドローラ １２ 台車 １３ ストッパ １４ ストッパ １５ バネ １６ 上下動機構 １７ リンク １８ リンク １９ ピン ２０ ピン ２１ ピン ２２ 長孔 ２３ 台枠 ２４ ピン ２５ ピン ２６ 長孔 ２７ バネ ２８ ロータリソレノイド ２９ リンク ３０ リンク ３１ 回転板 Ｐ プラテン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印字対象シートとリボンテープをプラテ
   ンとサーマルヘッドの間に挟んで印字する印字装置にお
   いて、前記プラテンは、前記プラテンとサーマルヘッド
   が印字対象シートとリボンテープを間に挟んだ印字時に
   前記印字対象シートの移動に連れて変位自在及び変位不
   能のいずれか一方の状態に切り替え可能に構成されてい
   るとともに、変位自在の状態において変位した前記プラ
   テンを元の位置に戻すプラテン戻し機構を有することを
   特徴とする印字装置。
2. 【請求項２】 前記プラテンが前記印字対象シートの移
   動方向に伸びる軸回りに揺動自在に取り付けられている
   請求項１に記載の印字装置。