JP2000229367A - 成形パネルとその製造方法並びに解体方法 - Google Patents
成形パネルとその製造方法並びに解体方法Info
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Abstract
び再生が容易な成形パネルとその製造方法並びに解体方
法を提供する。 【解決手段】 樹脂成型品を粉砕した粉砕物を接着剤と
ともに混合して第2の層4を得た後、これを第1の層5
である着色したABS樹脂の裏打ち材として用いるべく
積層した前駆体を用いて成形することによって、新たに
成形パネル1を得る。さらに、この成形パネル1が廃棄
された際の分別処理を、加熱して第1、第2の層の何れ
かを軟化した状態にさせ、積層した界面から剥離するこ
とによって達成し、再生利用に供することを可能とす
る。
Description
形パネルとその製造方法並びに解体方法に係り、さらに
詳しくは廃棄された樹脂の粉砕物を含む層を備える多層
構造の形成に関するものである。
材などに用いられている多種多様な樹脂に関し、再利用
が困難な使用済みの樹脂成型品を廃棄または燃焼処分に
供する際の有害物質の流出や有害ガスの発生の可能性を
無くするため、これら樹脂の有効活用または再利用に供
する用途および技術が求められている。
の分別方法は、冷蔵庫やエアコンなどでは圧縮機や熱交
換機などの主要部品を外した断熱箱体や筺体部分をクラ
ッシャーによって数mm程度の大きさに粉砕後、磁力に
よる鉄を中心とした磁性材料を回収し、その後、振動に
よる比重差や渦電流による吸着を応用した分別方法によ
って金属と樹脂との分別を行う。さらに、非鉄金属類は
比重の差を利用してアルミ類と銅類とを分別、さらに樹
脂類についても風力によって発泡体の分別後に、場合に
よっては樹脂類をさらに水などを用いて、浮沈による選
別を行えばオレフィン類の回収を行うことも可能であ
る。
開平9−194716号公報には冷蔵庫の内箱や内装材
に用いられている熱可塑性樹脂と断熱材である発泡ウレ
タンとを特定の範囲を有する比率で溶融混合したものが
記載され、さらに、特開平10−151629号公報に
は複数種のプラスチックスを高速回転する羽根を備えた
混合機で撹拌し、その摩擦熱で溶融混合物を得る方法が
記載されている。これら混合物は何れもこのままの状態
で他の成型品への応用が成されることを目的に得られた
ものである。
れた樹脂を用いて再度の利用を図る場合には、上記の樹
脂混合物に任意の顔料を添加して着色した後、適当な成
形方法によって任意の形状に賦形されて再度の利用に供
することとなる。
生樹脂を用いることは、それが本来に保有する色を隠蔽
して、更なる所望の発色を得るうえで、多量の顔料を添
加することが不可欠であるばかりか、使用済みの樹脂の
変質に伴う著しい変色が加味されて退色を促進させ、初
期の意匠性を損ないやすいという問題を負うことにな
る。
脂による混合物であるから、常に安定した特性を得るこ
とが困難であるため、例えば、真空成形法を用いて成型
品を得る場合、その樹脂が任意の高温雰囲気下で示す伸
びを一定の範囲で制御することは極めて困難であるか
ら、常に温度や延伸速度を調整するなどをして、生産の
安定性を確保することに煩雑な作業と非常な困難を伴う
ことになる。
混合する場合には相溶性に劣る組み合わせもあることか
ら、得られた成型品の意匠面には不均一な縞模様や、場
合によってはボイドなどの空孔の発生によって凹凸を生
じることさえある。
いた各種製品が使用済みの廃棄品として回収された後
に、再度の処理を行う場合には、その粉砕後の分別によ
って、更なる種類の樹脂混合物となりうることから、そ
の再利用に一層の困難を来すこととなる。
たものであり、廃棄された家電品などに用いられていた
樹脂成型品などの粉砕品を有効に活用するうえで、意匠
性を損なうこと無しに成型品に再生材として応用する手
段と製品の態様、さらに前記再生材を用いた成型品が再
度の使用を完了して廃棄された場合においても有効に活
用し易い再生材として分別する方法を提供するものであ
る。
る成形パネルは、任意に着色された樹脂を賦形して意匠
面に位置する第1の層と、この第1の層の反意匠面側の
面上に、樹脂の粉砕物を第1の層を構成する樹脂成分よ
りも低い融点を有する樹脂成分を含んで固化した第2の
層と、を積層した状態で一体化して成るものである。
第1の層と第2の層との間に、繊維状物質を非直線およ
び無秩序な配向状態で保持して成る不織布状のシートを
備える。
第2の層が、第1の層の反対側の表面に難燃性繊維を非
直線で無秩序な配向状態で保持して成る不織布状のシー
トを備える。
造方法は、意匠面に位置する第1の層をシート状に成形
する工程と、前記第1の層を構成する樹脂の融点よりも
低い融点の樹脂と樹脂の粉砕物を混合して第2の層を構
成する樹脂混合物を得る工程と、前記第1の層と前記第
2の層を構成する樹脂混合物とを積層して積層シートを
得る工程と、前記積層シートを熱成形する工程と、を備
える。
造方法は、熱成形をする工程において、真空および圧空
を用いて金型に押し付けて第1の層を意匠面に位置して
形成するものである。
造方法は、意匠面に位置する第1の層をシート状に成形
する工程と、前記第1の層を構成する樹脂の融点よりも
低い融点の樹脂と樹脂の粉砕物を混合して第2の層を構
成する樹脂混合物を得る工程と、前記第1の層を構成す
る樹脂の融点よりも低い融点の樹脂が繊維状物質を非直
線および無秩序な配向状態に保持されて成る不織布状の
シートを成形する工程と、前記第1の層の上に前記不織
布状のシートを載置し、さらにその上に前記第2の層を
構成する樹脂混合物を撒布して成形前駆体を得る工程
と、前記成形前駆体を熱成形する工程と、を備える。
造方法は、意匠面に位置する第1の層をシート状に成形
する工程と、前記第1の層と繊維状物質を非直線および
無秩序な配向状態で保持して成る不織布状のシートとを
積層して積層シートを得る工程と、前記第1の層を構成
する樹脂の融点よりも低い融点の樹脂と樹脂の粉砕物を
混合して第2の層を構成する樹脂混合物を得る工程と、
前記積層シートの前記不織布状のシート側に前記第2の
層を構成する樹脂混合物を撒布して成形前駆体を得る工
程と、前記成形前駆体を熱成形する工程と、を備える。
造方法は、成形前駆体を得る工程において、樹脂混合物
を撒布した後に、さらに不織布状のシートを前記樹脂混
合物の上に載置するものである。
造方法は、第2の層を構成する樹脂混合物を得る工程に
おいて、樹脂の粉砕物中にオレフィン系樹脂を含む場
合、第1の層を構成する樹脂の融点よりも低い融点であ
ることに加え、前記オレフィン樹脂の融点よりも高い融
点の樹脂と混合するものである。
解体方法は、本発明の第2の発明又は第3の発明による
成形パネルを、第1の層を成す熱可塑性樹脂の軟化温度
よりも高い温度で加熱した後、曲折させることによっ
て、樹脂の分別を行うものである。
解体方法は、本発明の第3の発明による成形パネルを、
第1の層または第2の層が軟化する温度よりも高い温度
に加熱後、第1の層と第2の層の間に設けた不織布状の
シートを含めて剥離することによって、樹脂の分別を行
うものである。
べる態様は、本発明の請求項1、4、5、9に係るもの
であり、以下、図示の実施形態に基づいて説明する。図
1は成形パネルを下方から見た場合の斜視図、図2は図
1の成型品におけるA−Aで切断して内部構造を示す断
面の概念図、図3は成形パネルの製造方法を示す製造工
程図である。
ると、図1および図2に示す態様は、本発明に係る成形
パネルであって、天井埋込型の空気調和機に用いる空気
吹き出し口を備えた成形パネル1であり、幅および長さ
が500〜1200mmにも達する大形の成型品であ
る。ここで、図1は成形パネル1であり、A面2は室内
側に露出して意匠性の確保を必要とする反面、裏側であ
るB面3は天井側に位置するので、ほとんど意匠に供す
ることがない。従って、B面3の表面には凹凸や色むら
を有していても、寸法や形状を保持して必要な強度の確
保に寄与できればよいことになる。
で切断した断面構造を示した図2に基づき、その内部構
造の詳細を以下に述べる。まず、第2の層4は廃棄され
た各種成型品から回収した樹脂の粉砕物と、それを固着
するために接着に供する融点の低い熱可塑性樹脂の混合
物を含んで成る樹脂混合物であり、必要に応じてカーボ
ンブラックなどで着色された層である。次に、均一で任
意に着色された平滑な面を有して意匠性を確保する第1
の層5には、未使用の樹脂を用い、廃棄された成型品か
ら回収した樹脂を用いた前記第2の層4を隠蔽する肉厚
を有して成る。つまり、第2の層4が有する色によって
色の濃さと肉厚を決定すれば良く、従って、1mm以下
の薄い層で形成されて成る。
成形装置の概念図を基づいて成形パネルの製造方法を説
明する。まず、第2の層4に用いる廃棄された各種成型
品などを粉砕した不特定な種類の樹脂が混合した粉砕物
7に、粉砕物7に対して20〜100重量%のEVA樹
脂8を添加し、加熱下で撹拌混合することによって、シ
ート状に成形が可能な組成物を得る(S−1)。このと
き、例えば、押出機6aを用いた撹拌混合時の温度は、
EVA樹脂が溶融する110〜170℃が好ましく、1
30〜150℃が特に好ましい。もし、粉砕物7中に、
この温度条件下で溶融しない樹脂が含まれていても、押
出機6a内での混合、混練過程で粒子同志が擦れ合って
角が無くなり、球に近い形状の島構造物として残存する
うえ、EVA樹脂がそれら粒子を包み込んで接着、一体
化した組成物を得ることが出来るので、後の意匠性を備
える第1の層5との積層および積層されたシートを熱成
形する場合に、意匠性を損なうような意匠面への損傷を
与えることを抑制できる。
能を備えた樹脂との混合物を用いて、前述した第1の層
5と積層に供する第2の層4をシート状に形成した(S
−2)。ここで用いる廃棄された樹脂は2mm以下であ
り、好ましくは0.5mm以下に粉砕および選別したも
のを用い、接着に供する低融点の樹脂は第1の層5を形
成する着色したABS樹脂よりも低い融点を有する。も
し、ここで廃棄された樹脂の粉砕物7が接着に供する樹
脂の融点が第1の層5よりも高い場合には、第2の層4
が硬くて変形を来し難い凸状部分を保持することにな
り、これが積層時や積層した状態にあるシートの熱成形
時に第1の層5を押し付けると、製品の意匠面に供する
第1の層5を変形させ、得られた成型品の意匠性を低下
させるので、好ましくない。
融点の樹脂にはEVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重
合体)が好適であり、特に酢酸ビニル含有率が5〜7%
のものは接着性に優れた可とう性を有する強じんな性質
を有するので強固に積層して一体化するとともに、第1
の層5に用いるABS樹脂と比較して軟化点が20〜4
0℃の低い温度であるから、廃棄された樹脂に融点の高
い樹脂が含まれていたとしても、熱成形がABS樹脂の
熱成形にかかる温度条件を保持すれば、第2の層4が第
1の層5を押し付けたとしても硬くて変形を来し難い凸
状部分が容易に移動して応力の付加が回避できるので変
形の発生が抑制できる。
フィン系樹脂が混合している場合は、可能な限り排除す
ることが好ましい。もし、オレフィン系樹脂を排除する
ことが出来ずに多量の残存が見られる場合には、EVA
樹脂を過剰に投入したり、オレフィン系樹脂が溶融する
温度条件近くにまで加温した状態で混合、混練すること
により、粉砕物7中にある他の樹脂およびEVA樹脂と
一体化できるので、剥離部分が無視できるほどの微小な
ものにしたり、接着性のある樹脂によって包み込むこと
によって欠陥部が排除でき、シート形状のうち、特に外
観を損なうことのないように調整できる。なお、オレフ
ィン系樹脂が溶融する温度条件近くにまで加温した状態
で混合すると摩擦により、オレフィン樹脂の融点よりも
高い温度となる。すなわち、第2の層4は第1の層5を
構成する樹脂の融点よりも低い融点であることに加え、
オレフィン樹脂の融点よりも高い融点の樹脂とも混合す
ることになる。
である第1の層5をシート状に形成した(S−3)。こ
の時に用いるシート用材料は、通常の成型品が無着色の
樹脂重量に対して0.5〜1.5%の顔料を用いて着色
に供して成る肉厚が1.4mmのものであるのに対し、
当該第1の層5との積層に供する第2の層4が一定では
ない着色色むらや異なった色を呈する)を有することか
ら、シートの肉厚をそのままにして顔料の添加量を増す
か、場合によっては通常より厚い成型品肉厚である1.
8mmにして隠蔽力を増加させて用いる。本実施の形態
では、後の工程で廃棄された各種成型品から回収した樹
脂の粉砕物を含む樹脂組成物を裏打ちして補強効果が得
られることから、肉厚を0.5mmの薄肉化することに
よって使用樹脂の削減と軽量化を両立させることとし、
顔料の濃度を通常よりも多い2.5%の顔料を用いて濃
い着色のシート材を備えた。
て各種成型品を粉砕した不特定で複数の樹脂が混合した
粉砕物7とEVA樹脂8を混練した混合物から成る第2
の層4と未使用で任意に着色したABS樹脂9から成る
第1の層5を積層して(S−4)、押出しシート11
a,11bを成形する。図5は押出しシート11a,1
1bを賦型するTダイ10a,10bの斜視図である。
ABS樹脂9を押出機6bからシート状に押出した押出
しシート11bを第1の冷却ロール12で任意のシート
表面温度に調整したものと、組成物7,8の押出しシー
ト11aと一体化することにより、両樹脂材料を積層し
たシート積層物15を得る。さらに、シート積層物15
は加圧ロール13を用いて押圧を付与することによって
層間が完全に密着して融着できるとともに、シート積層
物15のうち、少なくとも着色したABS樹脂の表面層
が表面平滑性に優れる第2の冷却ロール14によって平
滑となって優れた意匠性が確保できる。
らない樹脂の粉砕物の粒子が、軟化に近い状態にあって
硬度が不足した状態の第1の層5を成すABS樹脂を過
度に押し付けることによって、意匠面に紋様を与えるこ
とが予測できる。このような場合には、押出機6a,6
bを交換してABS樹脂9を押出機6aから出た後の第
1の冷却ロール12の温度を下げるなどして硬度を高く
するとともに加圧ロール13による押圧を小さくするな
どして、第1の層5の積層時の剛性向上と第2の層4の
軟化状態の維持および粉砕物粒子が負荷を受けたときに
移動するのを阻害しないように調整することが肝要であ
る。また、第1の層5と第2の層4の間にガラス繊維な
どを備えた不織布を挟み込むことも有効である。
5は、端辺をナイフおよびシャー16などを用いて切除
することによって成形パネルの成形に必要な任意の大き
さの積層シート17を得る(S−5)。
17は、真空及び圧空、またはそれらを併用して意匠面
である第1の層5を金型に押し付ける熱成形(S−6)
によって成型品である成形パネル1を得た(S−7)。
熱成形は、図6に示す真空・圧空併用成形装置18を用
いることにより、通常の成形機に対し、圧空による遅い
引張り速度で積層シート17に予備的な延伸を付与した
後に、高速で引張ることによって積層シート17を延伸
して賦形するので、厚肉であっても著しい肉厚の差異で
ある偏肉を抑制するとともに、層間の密着が遊離するの
を防止して保持するうえで有利となる。
具体的な成形方法を図7の製造工程図を用いて以下に述
べる。まず、前記積層シート温度を第2層の軟化点をや
や上回る温度にまで加熱(S−11)する。このときの
温度は140〜170℃であって、第1層に含まれるE
VA樹脂が溶融に供するが、決して流れ落ちることのな
いように酢酸ビニルの含有量や分子量の調整したものを
用いることが肝要である。 また、第1層が上面になる
ように成形機内の金型配置を設定しておくことも有効で
ある。
込んで、加熱により軟化した積層シート17を金型19
と反対方向に膨らませて予備延伸をさせた後(S−1
2)、金型19の下部にある金型内を真空状態に保持す
るように排気管20より排気を行う(S−13)ように
すれば、金型19の表面に第1の層5を密接させること
ができる。この成形時において、もしガラス繊維の不織
布を備えていれば、その挙動は成形パネル1の形状が深
い絞り構造を有さないので、大きな変形を受けることが
ないうえ、わずかな面方向に及ぼす引張りの歪みには上
下の樹脂層、特に第1の層5が軟化した状態であること
から、繊維間が滑って大きな反発応力を来すことなく、
上下の層に追随して変形し、樹脂と良くなじんで密着を
維持した状態の成型品を得ることが出来る。
程(S−4)にて、加圧ロールを用いた押圧付与が十分
であれば、これら一連の工程(S−11、12)にある
加熱状態下で層間が剥離することはないが、さらに、該
工程(S−13)で上部箱21内に空気(圧空)を給気
管22より送り込むことによって、積層シート17に押
圧を付加するようにすれば、なお一層、層間の剥離を防
止する効果が得られる。
シート17は、変形を来すことのない温度にまで樹脂温
度を冷却する(S−14)ことによって、取出し時にか
かる応力によって変形するのを防止するとともに、金型
との離型(S−15)時に意匠面である第1の層5が円
滑に離脱して成型品表面の艶を確保でき、意匠性に優れ
た成型品を得ることが出来る。最後に、必要部分だけを
残して切断を行うトリミング)(S−16)ことによっ
て、所望する形状の成形パネル1を得ることができる
(S−17)。
には、廃棄された各種成型品から回収した樹脂の粉砕物
を好適に取込んで有効活用が図れるとともに、第1の層
5である未使用のABS樹脂の量を限定して削減使用す
ることが出来るという効果が得られる。
予め樹脂粉砕物を含んで複合化したシートを備えるの
で、通常の熱成形をそのまま活用でき、また、前記シー
トのみを作り溜めできるという長所を有する。
は、本発明の請求項1、2、3、6、8、9に係るもの
であり、図8は実施の形態2を示す成形パネルの断面
図、図10は成形パネルの製造方法を示す製造工程図、
図11は成形方法を示す説明図である。
様な天井埋込型の空気調和機に用いる空気吹き出し口を
備えた成形パネルであり、図1の斜視図に示す形状と同
様に室内側に露出して意匠性を必要とするA面2と、天
井側に位置して凹凸や色むらを有していても寸法や形状
を保持して必要な強度の確保に寄与するB面3を備えて
いる。図8は本発明の成形パネル1の断面図であり、任
意に着色された平滑面を有して意匠性を確保するA面2
側にある第2の層4と、廃棄された各種成型品から回収
した樹脂の粉砕物と接着剤との混合物を含むB面3側に
ある第1の層5、及び第1の層5と第2の層4の間と第
2の層のA面と反対側に積層されたガラス繊維の不織布
27から成る。また、成形板の機器本体への取り付けや
ブレードなどの部品の取り付け構造についてもB面3側
の層に部分的な肉厚部分24を設けたり、図9に示す如
く、両層の境界部に鍔部分25を配した部品23を用い
て固定すればよい。
製造工程図及び図11の成形方法を示す説明図に基づい
て説明する。まず、使用済みの樹脂成型品などを回転刃
を備えたクラッシャーなどを用いて粉砕して樹脂粉砕物
を得た(S−21)後、前記樹脂粉砕物と半硬化状態の
熱硬化性樹脂であって接着剤として機能する半硬化状態
のエポキシ樹脂を混合(S−22)する。混合は混合羽
根を備えた混合機や回転ドラムなどを用いて行うことが
好適である。
に粉末状となって樹脂粉砕物同志が擦れて発生する静電
気によって表面に均一に付着する状態が得られる微粉末
状態を維持するとともに、意匠性を確保すべきA面2側
の層が変形を来すことのない低い融点を有し、さらに短
時間の加熱で硬化が進行する高活性なものであることが
好ましい。その一例として、本実施の形態で用いた接着
剤の組成を表1に示す。
下に述べると、まず、これらの原料を均一に混合後、例
えばポリエチレンテレフタレートやアルミ箔などの耐熱
性と柔軟性を有するシート上に薄く散布した後、これを
90℃の恒温槽中で10分間の乾燥処理を行ってアセト
ンの除去と予備反応を進行させる。得られた接着剤であ
る半硬化状態のエポキシ樹脂は非常に脆くて容易に粉砕
できる状態にあるから、混合時には微粉末状態を確保で
きるので、必ずしも事前に粉砕を行う必要が無く、前記
シートから剥がしたままの状態で用いることも可能であ
る。
であるA面2側の層となるシート26を、押出し成形な
どによってシート状に形成(S−23)して得た後、そ
の反意匠側の面に、別途に作成していた表1に示す樹脂
を含浸後に乾燥させたガラス繊維不織布27を図11
(a)に示す如くの状態で載置する。このガラス不織布
27は、表1に示す樹脂液にガラス繊維の不織布を浸漬
(S−24)した後、90℃の恒温槽中で10分間の乾
燥処理(S−25)を行って得たもので、得られたシー
トはガラス繊維に非常に脆い半硬化状態のエポキシ樹脂
が付着して成るので、脆くて硬い状態を呈する。
ポキシ樹脂を含浸したガラス不織布27を載置し、さら
にその上に樹脂粉砕物と半硬化状態エポキシ樹脂との混
合物28を約5mmの厚さに散布することによって積層
(S−26)した後、余剰の前記不織布27)の端部を
図11(b)に示す如く折り曲げて取り巻いた状態の成
形前駆体29を形成する(S−27)。この時、混合時
に発生する静電気により樹脂粉砕物の表面に吸着しない
余剰の半硬化状態エポキシ樹脂を生じるが、これを前記
散布に供しない方が本成型品が再度の廃棄物として処理
されるときの解体性を損なうことがないので好ましい。
す如く状態で175℃に加温した圧縮成形用の下金型3
0の上面に外周を固定31した状態で載置してA面2側
の層となるABS樹脂のシート26が熱変形温度近傍に
まで加温後、図11(d)に示すように、上金型32を
下降させて1〜10kg/cm2、好ましくは2〜5k
g/cm2の圧力を付与して、圧縮成形(S−28)を
行った。15分間の保持によって、接着剤であるエポキ
シ樹脂が硬化して樹脂粉砕物と接着剤の混合物28が固
化する。その後、金型温度を、好ましくはエポキシ樹脂
の熱変形温度以下である135℃以下に、さらに好まし
くはA面2側の層となるABS樹脂の熱変形温度である
95℃以下にまで低下させた後に、成型品を取り出した
(S−29)。
ポキシ樹脂の熱変形温度以下の金型温度で取り出したか
ら、金型からの取り出しに係る応力を受けたとしても、
成型品が変形を来し難くなるとともに、ABS樹脂の熱
変形温度以下の金型温度で取り出した場合には意匠面に
優れた光沢を得ることができた。
を接着剤として、本来は廃棄物である樹脂の粉砕物を意
匠面を形成する成型品の裏打ちに用いて成型品を形成し
たので、簡易な圧縮成形によって意匠性と強度、剛性に
優れる成型品が得られた。
によって、空気調和機などの成形パネル成形品で必要と
される難燃性が、難燃剤を用いなくとも付与できた。
しかも、表面層に配したこのガラス繊維を無方向に配向
させた不織布であるから、圧縮などによる変形挙動を有
しても、繊維間が容易にずれを生じて変形に追随するの
で、破れるなどの欠陥を生じることがない。
エポキシ樹脂を用いたが、意匠面であるA面2側の層を
形成する使用樹脂に対して、溶解やクレイジングなどの
不具合を侵すことのない組成の接着剤であれば、液状の
ものを用いても良く、同様の効果が得ることができる。
請求項1、2、3、7、8、9に係り、実施の形態2の
別な態様を示すものでありものであり、本発明の成形パ
ネルの構造は、図8に示す断面構造を備える成型品であ
り、任意に着色された平滑面を有して意匠性を確保する
意匠面、および樹脂粉砕物と接着剤との混合物を含む反
意匠面である補強を目的とした裏打ち材から成り、接着
剤が実施の形態2と異なり、意匠面に用いた樹脂よりも
低い融点を備える熱可塑性樹脂を用いることにある。
態2の図11の成形方法の説明図に基づいて説明する。
まず、使用済みの樹脂成型品をクラッシャーなどを用い
て粉砕して得た樹脂粉砕物などである樹脂の粒子を得た
(S−31)後、意匠面に用いた樹脂より低い融点を備
えて接着剤として機能する樹脂の粉末を、混合羽根を備
えた混合機や回転ドラムなどを用いて混合する(S−3
2)。
樹脂には、EVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合
体)が好適であり、特に酢酸ビニル含有率が5〜7%の
ものは接着性に優れた可とう性を有する強じんな性質を
有するので強固に積層して一体化するとともに、意匠面
である第1の層5に用いるABS樹脂よりも十分に低い
融点と溶融粘度を備えるので、廃棄された複数種の樹脂
が混合した粉砕物中に、溶融に至らない硬い粒子が含ま
れていても、第2の層4を第1の層5を押し付けた際
に、硬くて変形を来し難い凸状部分が容易に移動して応
力の付加が回避できるので意匠面の変形発生が抑制でき
る。
面2側の層となるシート26を押出し成形などによって
シート状に形成(S−33)して得た後、その反意匠側
の面に、ガラス繊維の不織布27を図11(a)に示す
如くの状態で載置して積層する(S−34)。さらに、
載置したガラス不織布27上には、樹脂粉砕物とEVA
樹脂粉末の混合物28を約5mmの厚さに散布(S−3
5)した。この時、混合時に発生する静電気により樹脂
粉砕物の表面に吸着しない余剰のEVA樹脂粉末を生じ
るが、これも前記散布、特にガラス不織布27上に直接
散布することによって、特にガラス不織布27に含浸し
て本成型品における補強効果の向上に寄与できるので好
ましい。この後、余剰のガラス不織布27を図9−bの
如く折り曲げることによって成形の前駆体29を得た
(S−36)。
如く、50℃に加温した圧縮成形用の下金型30の上面
に外周固定部31を固定した状態で載置した上に160
℃に加温した上金型32を0.1kg/cm2以下の軽
く当接した状態で保持し、意匠面に位置する第1の層5
となるABS樹脂のシート26を熱変形温度の近傍にま
で加温する(S−37)ことによって変形を来し始める
状態を得た後、図11(d)に示すように1〜10kg
/cm2、好ましくは2〜5kg/cm2の圧力を付与し
て上金型32を下降させて圧縮成形(S38)を行っ
た。その後、金型温度を、好ましくは第1の層5となる
ABS樹脂の熱変形温度である95℃以下、さらに好ま
しくは第2の層4が十分に固化する50℃近傍にまで低
下させた後に、成型品を取り出した(S−38)。
EVA樹脂の熱変形温度以下の金型温度で取り出したか
ら、金型からの取り出しに係る応力によって成型品に変
形を来し難くなり、さらに、ABS樹脂の熱変形温度よ
りも十分に低い金型温度であるから意匠面に優れた光沢
を得ることができた。
各種樹脂粉砕物の混合物を意匠面を形成する樹脂シート
上に散布した状態で熱成形を行ったので、ガラス繊維に
EVA樹脂が含浸するとともにABS樹脂面との接着に
供する態様を確保でき、簡易に成形を得ることができ
た。さらに、前記混合物を裏打ちに用いた成型品を形成
したので、光沢に優れるなどの意匠性と強度、剛性など
に優れた機械的特性を備えた成型品が得られた。
持したので、空気調和機などの成形パネル成形品で必要
とされる難燃性が、難燃剤を用いなくとも付与できた。
用いたが、図8の意匠面であるA面2側の層を形成する
材料が鋼板などの耐熱性に優れるものであれば、一層の
高い融点を備える接着剤を用いても良く、同様の効果を
得ることができる。
求項10に係るものであり、実施の形態2にて得られた
意匠面である第1の層の樹脂材料よりも高い軟化点を有
する接着剤を用いた裏打ち材を備える成型品が使用を完
了して廃棄物として供される場合の分別を目的とした解
体方法であり、図13に示す第1の層5と第2の層4を
剥離する方法を示す工程図に基づいて、以下に説明す
る。
成型品は、廃棄された樹脂成型品などの樹脂粉砕物に接
着剤として半硬化状態のエポキシ樹脂を混合したものを
第2の層4として成型品の裏打ちに用いたものであっ
て、このエポキシ樹脂が成形時の加熱によって完全硬化
に至るので、第1の層を成すABS樹脂よりも高い軟化
点を備えるとともに、意匠性と強度、剛性が特に優れた
成形品である。
ネルの意匠面を形成するABS樹脂である第1の層5の
軟化温度をわずかに超える110〜140℃まで加熱す
る(S−41)。この状態では、大半の廃棄成型品の樹
脂粉砕物が軟化した状態を呈しているのに反し、エポキ
シ樹脂は剛直な状態を保持したままにある。
形パネルを、図14の概念図に示すように、ローラ33
などの円筒状の回転工具を用いて加圧するようにして移
動させる(S−42)。このとき、裏打ち材である第2
の層4が高い剛性を維持した接着剤であるエポキシ樹脂
によって保持されているので、両層の間の曲率が異なる
ように作用して界面に剪断力が発生し、その界面で破壊
を来して剥離が生じる。これに衝撃的な振動を付与(S
−43)すれば、意匠面を形成するABS樹脂と反意匠
面に位置する樹脂粉砕物とエポキシ樹脂の混合物および
ガラス繊維の不織布27から成る層4が分離できる。
BS樹脂5と分離した反意匠面に位置する層4に対して
衝撃的な振動を付与したり細かく折り曲げるなどをすれ
ば、エポキシ樹脂を任意に付着したガラス繊維の不織布
が剥離する(S−44)。また、意匠面に対しては、A
BS樹脂層の意匠面に凹みを生じさせないようなヘラな
どで軽く擦るなどすれば殆ど全ての裏打ち材が除去でき
る。残りの混合樹脂組成物については、簡易な羽根状の
撹拌機を用いて剥離物同志を擦り合わせれば(S4
5)、エポキシ樹脂を任意に付着しているものの、実施
の形態2および3と同様手段を用いて成型品の裏打ちに
供することのできる樹脂粉砕物の如きものが、容易に粉
砕された状態で得られる(S−46)。
達成されるが、解体に供される本成型品の反意匠面が多
量の接着剤であるエポキシ樹脂を用いて固化されたもの
ではないことから、比較的わずかな応力によって剥離と
粉砕状態のものとしての回収が行われるうえ、意匠面に
位置するABS樹脂の軟化温度まで加熱したことによっ
て、前記意匠面を構成するのに用いられた熱可塑性樹脂
が容易に剥離できる。
に位置するABS樹脂には、接着剤に用いたエポキシ樹
脂が殆ど付着していないので、他の用途への転用が容易
に行うことができる。また、反意匠面に用いた樹脂組成
物は適度な大きさに容易に粉砕できたので、再度の利用
が可能であるほか、これもまた同様に、他用途への転用
が容易である。
ポキシ樹脂の混合組成物をガラス繊維の不織布が包み込
んで形成したことによって、引き剥がし時に当該樹脂層
が意匠面に位置するABS樹脂から確実に、しかも飛散
すること無しに引き剥がすことができるほか、表面層に
おける難燃性の向上に寄与することができる。もし、難
燃性を必要としない部品であって、特に小型の成型品で
あれば、表面層と反意匠面の層との間にのみガラス繊維
の不織布を配設しても同様手段を達成することが可能で
ある。さらに本実施の形態では剥離に供する層間シート
にガラス繊維の不織布を用いたが、不織布をクロス地に
変更したり、ガラス繊維を他の繊維状物質の使用を妨げ
るものではない。
求項11に係り、実施の形態3にて得られた成型品が使
用を完了して廃棄物として供される場合の廃棄方法であ
って、構成する意匠面と反意匠面の両層を解体、分別す
るものである。以下に図15の工程図を用いて、その分
別方法を説明する。
再利用を目的とし、意匠面と反意匠面の両層の分離を容
易に行うものである。従って、各々の層がもう一方の層
の物質を殆ど含まないことが肝要であり、その為に以下
の手段を行うものである。まず、実施の形態3にて得た
成形パネルを加熱する(S−51)ことによって第2の
層4に含まれるEVA樹脂を軟化させる。この軟化によ
って、EVA樹脂の層間の接着強度が急激に低下するの
で、容易に引き剥がすことが可能になるうえ、意匠面に
位置するABS樹脂に過度な応力を付与しない限り、変
形を来すことがない。この時の温度は、意匠面に位置す
るABS樹脂の軟化温度が100〜110℃であるか
ら、EVA樹脂の軟化点をわずかに上回る70〜90℃
が好ましく、80℃近傍が特に好ましい。
工具を用いて削ぎ落とすようにして剥離する方法もある
が、意匠面に位置する第1の層5であるABS樹脂の層
上に第2の層4である樹脂粉砕物とEVA樹脂粉末の混
合物28が残存し易く、好適ではない。本発明では、図
16に示す方法のように、両層間に配設したガラス繊維
の不織布27を持ち上げ(S−52)、好ましくは前記
ABS樹脂層4と90度以下の角度を成して配設方向か
ら折返した後(S−53)、使用済み成型品からの裏打
ち材である樹脂粉砕物とEVA樹脂の混合組成物4と共
にゆっくりと引張るようにして剥離させる(S−5
4)。この手段によれば、安定して広範囲に両層を剥離
する挙動が付与できるので、ABS樹脂から成る意匠面
に局部的に過度な応力を付与させることがないので、意
匠面が変形して凹凸を来すこともないので、再度の使用
も可能になる。さらに、裏打ち材からガラス繊維の不織
布27を引き剥がせば(S−55)、樹脂混合物28を
回収することができる(S−56)。
の解体を行うことによれば、得られた各層が相対する層
を構成する材料の残存が極端に抑制できるので、再度の
利用に供することが可能になる。つまり、本方法によっ
て回収した意匠面を形成するABS樹脂の層には、殆
ど、EVA樹脂などの反意匠面にある樹脂が付着するこ
と無しに回収することができるので、破砕して同様成型
品を再度に得ることも可能である。一方の反意匠面に位
置する層にあった使用済み成型品の樹脂粉砕物とEVA
樹脂の混合組成物については、剥離時に引張り応力によ
って変形を来しているから、そのままの形状での再利用
は困難であるが、適度な大きさに粉砕して、同様の裏打
ち材として、再度の利用に供することが可能である。
ことによって形成した空隙内に圧縮空気を封入して、剥
離面を拡大していく方法を用いることも有効である。
成物をガラス繊維の不織布が包み込んで形成しているの
で、前記混合組成物を軟化点近傍にまで加温された状態
であれば前記不織布との間で容易に剥離でき、不織布を
残存させずに前記混合組成物のみを回収可能な状態で、
確実に引き剥がすことができた。このとき、成型品の一
辺の大きさが数10cm程度の小型の成型品であれば、
表面層と反意匠面の層との間にのみガラス繊維の不織布
を配設しても同様手段を達成することが可能である。
例えば空気調和機を暖房状態で使用する際に意匠面とし
ての必要強度の発現が困難な程に上昇するようであれ
ば、であれば、EVA樹脂が含むの酢酸ビニルの成分量
を低下させたり、さらには意匠面に用いるABS樹脂の
アクリロニトリル含有率を向上して耐熱性を向上したも
のを用いたり、他の種類の樹脂や意匠鋼板に代替するな
どして高い熱変形温度のものを用いても良く、ここで使
用する樹脂の種類にこだわるものではない。さらに、本
実施の形態では剥離に供する層間シートにガラス繊維の
不織布を反意匠面側の層を包み込むようにして用いた
が、反意匠面の上層にある難燃性付与のためのシートを
用いずとも、また、不織布をクロス地に、ガラス繊維を
他の繊維を用いることを妨げるものではない。
成型品の構造およびその成型方法について説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、例えば建材や
構造材などのパネル、軽量で高剛性の板材構造体として
の中間に廃棄樹脂成型品の粉砕物を挟んで用いる手段な
ど、従来のパネル状構造体の用途への代替え使用も可能
であり、その要旨を脱し得ない範囲で種々変形して実施
することができる。
は、任意に着色された樹脂を賦形して意匠面に位置する
第1の層と、この第1の層の反意匠面側の面上に、樹脂
の粉砕物を第1の層を構成する樹脂成分よりも低い融点
を有する樹脂成分を含んで固化した第2の層と、を積層
した状態で一体化して成るものであるから、不均一で不
定の着色を成された廃棄された樹脂を用いても意匠面の
意匠性を損なうことなく第1の層を成す成型品に裏打ち
できるので、樹脂成型品の廃棄物を有効に利用できる。
第1の層と第2の層の間に、繊維状物質を非直線および
無秩序な配向状態で保持して成る不織布状のシートを備
えるものであるから、意匠面に第2の層に含まれる粒子
による変形を受けにくいので、平滑で美麗な面を確保で
きる。
第2の層が、第1の層の反対側の表面に難燃性繊維を非
直線で無秩序な配向状態で保持して成る不織布状のシー
トを備えるものであるから、圧縮などによる変形挙動を
有しても、繊維間が容易にずれを生じて変形に追随する
ので、破れるなどの欠陥を生じることなしに難燃性を向
上することができる。
造方法は、意匠面に位置する第1の層をシート状に成形
する工程と、前記第1の層を構成する樹脂の融点よりも
低い融点の樹脂と樹脂の粉砕物を混合して第2の層を構
成する樹脂混合物を得る工程と、前記第1の層と前記第
2の層を構成する樹脂混合物とを積層して積層シートを
得る工程と、前記積層シートを熱成形する工程と、を備
えるものであるから、意匠面に位置する第2の層に廃棄
された樹脂の剛性や着色によって変形や色写りなどの影
響を受けることなく成型品を得ることができるうえ、予
め樹脂粉砕物を含んで複素化したシートを備えるので、
通常の熱成形をそのまま活用でき、また、前記シートの
みを作り溜めできる。
造方法は、熱成形をする工程において、真空および圧空
を用いて金型に押し付けて第1の層を意匠面に位置して
形成するものであるから、粉砕材を備えて粉砕材または
それを含む層が遊離するのを防止でき、剛直な裏打ち材
を備えたものとすることができる。
造方法は、意匠面に位置する第1の層をシート状に成形
する工程と、前記第1の層を構成する樹脂の融点よりも
低い融点の樹脂と樹脂の粉砕物を混合して第2の層を構
成する樹脂混合物を得る工程と、前記第1の層を構成す
る樹脂の融点よりも低い融点の樹脂が繊維状物質を非直
線および無秩序な配向状態に保持されて成る不織布状の
シートを成形する工程と、前記第1の層の上に前記不織
布状のシートを載置し、さらにその上に前記第2の層を
構成する樹脂混合物を撒布して成形前駆体を得る工程
と、前記成形前駆体を熱成形する工程と、を備えるもの
であるから、意匠面に過度の軟化を来すことなく良好な
成形条件を付与することができるので、光沢低下や凹凸
発生などの意匠性の低下を招かないようにすることがで
きる。
造方法は、意匠面に位置する第1の層をシート状に成形
する工程と、前記第1の層と繊維状物質を非直線および
無秩序な配向状態で保持して成る不織布状のシートとを
積層して積層シートを得る工程と、前記第1の層を構成
する樹脂の融点よりも低い融点の樹脂と樹脂の粉砕物を
混合して第2の層を構成する樹脂混合物を得る工程と、
前記積層シートの前記不織布状のシート側に前記第2の
層を構成する樹脂混合物を撒布して成形前駆体を得る工
程と、前記成形前駆体を熱成形する工程と、を備えたも
のであるから、簡易に成形することができ、光沢に優れ
るなどの意匠性と強度、剛性などに優れた機械的特性を
付与することができる。
造方法は、成形前駆体を得る工程において、樹脂混合物
を撒布した後に、さらに不織布状のシートを前記樹脂混
合物の上に載置するものであるから、空気調和機などの
成形パネル成形品で必要とされる難燃性が、難燃剤を用
いなくとも付与することができる。
造方法は、第2の層を構成する樹脂混合物を得る工程に
おいて、樹脂の粉砕物中にオレフィン系樹脂を含む場
合、第1の層を構成する樹脂の融点よりも低い融点であ
ることに加え、前記オレフィン樹脂の融点よりも高い融
点の樹脂と混合するものであるから、粉砕物中にある他
の樹脂およびEVA樹脂と一体化できるので、剥離部分
が無視できるほどの微小なものにしたり、接着性のある
樹脂によって包み込むことによって欠陥部が排除でき、
シート形状のうち、特に外観を損なうことのないように
調整できる。
解体方法は、本発明の第2の発明又は第3の発明による
成形パネルを、第1の層を成す熱可塑性樹脂の軟化温度
よりも高い温度で加熱した後、曲折させることによっ
て、樹脂の分別を行うものであるから、容易かつ簡便に
各組成物を剥離できるので、再度の利用が可能な成形部
材を回収することができる。
解体方法は、本発明の第3の発明による成形パネルを、
第1の層または第2の層が軟化する温度よりも高い温度
に加熱後、第1の層と第2の層の間に設けた不織布状の
シートを含めて剥離することによって、樹脂の分別を行
うものであるから、意匠面に損傷を与えること無しに剥
離を行うことができるので、再度の利用に供することが
できる成形部材を回収することができる。
視図である。
造方法を示す工程図である。
る樹脂シートを成形するのに用いる成形装置の概念図で
ある。
図である。
造に係る熱成形を行うための圧空併用成形装置の概念図
である。
程図である。
面図である。
造方法を示す工程図である。
設けた鍔部分の配設方法を示す断面図である。
繊維状物質であるガラス繊維マットの配設に係る成形方
法の説明図である。
係る成形パネルの製造方法を示す工程図である。
解体方法を示す工程図である。
解体方法の説明図である。
解体方法を示す工程図である。
体方法の説明図である。
脂の粉砕物、8 低融点樹脂(EVA樹脂)、9 着色
された樹脂、17 積層シート、18 真空・圧空併用
成形機、27 ガラス繊維の不織布、28 樹脂混合
物、29 成形前駆体、30,32金型。
Claims (11)
- 【請求項1】 任意に着色された樹脂を賦形して意匠面
に位置する第1の層と、 この第1の層の反意匠面側の面上に、樹脂の粉砕物を第
1の層を構成する樹脂成分よりも低い融点を有する樹脂
成分を含んで固化した第2の層と、 を積層した状態で一体化して成ることを特徴とする成形
パネル。 - 【請求項2】 第1の層と第2の層の間に、繊維状物質
を非直線および無秩序な配向状態で保持して成る不織布
状のシートを備えることを特徴とする請求項1記載の成
形パネル。 - 【請求項3】 第2の層が、第1の層の反対側の表面に
難燃性繊維を非直線で無秩序な配向状態で保持して成る
不織布状のシートを備えることを特徴とする請求項1記
載の成形パネル。 - 【請求項4】 意匠面に位置する第1の層をシート状に
成形する工程と、 前記第1の層を構成する樹脂の融点よりも低い融点の樹
脂と樹脂の粉砕物を混合して第2の層を構成する樹脂混
合物を得る工程と、 前記第1の層と前記第2の層を構成する樹脂混合物とを
積層して積層シートを得る工程と、 前記積層シートを熱成形する工程と、を備えたことを特
徴とする成形パネルの製造方法。 - 【請求項5】 熱成形をする工程において、真空および
圧空を用いて金型に押し付けて第1の層を意匠面に位置
して形成することを特徴とする請求項4記載の成形パネ
ルの製造方法。 - 【請求項6】 意匠面に位置する第1の層をシート状に
成形する工程と、 前記第1の層を構成する樹脂の融点よりも低い融点の樹
脂と樹脂の粉砕物を混合して第2の層を構成する樹脂混
合物を得る工程と、 前記第1の層を構成する樹脂の融点よりも低い融点の樹
脂が繊維状物質を非直線および無秩序な配向状態に保持
されて成る不織布状のシートを成形する工程と、 前記第1の層の上に前記不織布状のシートを載置し、さ
らにその上に前記第2の層を構成する樹脂混合物を撒布
して成形前駆体を得る工程と、 前記成形前駆体を熱成形する工程と、を備えたことを特
徴とする成形パネルの製造方法。 - 【請求項7】 意匠面に位置する第1の層をシート状に
成形する工程と、 前記第1の層と繊維状物質を非直線および無秩序な配向
状態で保持して成る不織布状のシートとを積層して積層
シートを得る工程と、 前記第1の層を構成する樹脂の融点よりも低い融点の樹
脂と樹脂の粉砕物を混合して第2の層を構成する樹脂混
合物を得る工程と、 前記積層シートの前記不織布状のシート側に前記第2の
層を構成する樹脂混合物を撒布して成形前駆体を得る工
程と、 前記成形前駆体を熱成形する工程と、を備えたことを特
徴とする成形パネルの製造方法。 - 【請求項8】 成形前駆体を得る工程において、樹脂混
合物を撒布した後に、さらに不織布状のシートを前記樹
脂混合物の上に載置することを特徴とする請求項6又は
請求項7記載の成形パネルの製造方法。 - 【請求項9】 第2の層を構成する樹脂混合物を得る工
程において、樹脂の粉砕物中にオレフィン系樹脂を含む
場合、第1の層を構成する樹脂の融点よりも低い融点で
あることに加え、前記オレフィン樹脂の融点よりも高い
融点の樹脂と混合することを特徴とする請求項4乃至請
求項8のいずれかに記載の成形パネルの製造方法。 - 【請求項10】 請求項2又は請求項3記載の成形パネ
ルを、第1の層を成す熱可塑性樹脂の軟化温度よりも高
い温度で加熱した後、曲折させることによって、樹脂の
分別を行う成形パネルの解体方法。 - 【請求項11】 請求項3記載の成形パネルを、第1の
層または第2の層が軟化する温度よりも高い温度に加熱
後、第1の層と第2の層の間に設けた不織布状のシート
を含めて剥離することによって、樹脂の分別を行う成形
パネルの解体方法。
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