JP3067513B2 - フェノール樹脂積層体、及びこの積層体を用いたフェノール樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂積層体、及びこの積層体を用いたフェノール樹脂成形品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の内装部品等の成
形品に用いられるフェノール樹脂積層体、及びこのフェ
ノール樹脂積層体を用いたフェノール樹脂成形品の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂とガラス繊維からなるS
MC(シートモールディングコンパウンド)を加熱加圧
した成形品を、自動車の天井材等の内装部品に用いるこ
とが知られている。しかし、近年、自動車の内装部品は
高い剛性と共により軽量化が求められているため、従来
のSMCでは軽量になると剛性が低下する問題があっ
た。この解決策として、紙製の芯材の両側に、フェノー
ル樹脂が浸透したガラス繊維マットを積層したフェノー
ル樹脂積層体を加熱加圧した成形品が提案されている。
しかし、自動車の内装部品は、自動車のボディの内面に
沿う曲面形状に成形する必要があり、上記成形品では要
求される曲面成形ができないという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の事実に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、剛性
が高く、曲面成形ができると共に、軽量化に優れる成形
品が得られるフェノール樹脂積層体、及びこの積層体を
用いたフェノール樹脂成形品の製造方法を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
フェノ−ル樹脂積層体は、曲面成形されるフェノール樹
脂積層体であって、表層に、25℃で液状のレゾール型
フェノール樹脂と発泡剤を成分とする樹脂組成物(6)
に繊維長10〜50mmのガラス繊維(7)を散布し
た、50〜1000g/m2 のSMC(2)、及び、芯
層に、セル(12)の対向する辺間の距離が2〜10m
mの紙製のハニカム状シート体(1)からなることを特
徴とする。
【0005】本発明の請求項2に係るフェノール樹脂積
層体は、請求項1記載のフェノール樹脂積層体におい
て、上記紙製のハニカム状シート体(1)が、波板紙
(16)と平板紙(17)を有するダンボール紙(1
4)を複数枚平積みしたダンボール紙集合体(13)
で、且つ、上下に開口したセル(12)を有することを
特徴とする。
【0006】本発明の請求項3に係るフェノール樹脂積
層体は、請求項1記載のフェノール樹脂積層体におい
て、上記紙製のハニカム状シート体(1)が、ダンボー
ル紙(14)の平板紙(17)の上下に波板紙(16)
を有し、この上下の波板紙(16)の波形方向がクロス
することを特徴とする。
【0007】本発明の請求項4に係るフェノール樹脂積
層体は、請求項1乃至請求項3いずれか記載のフェノー
ル樹脂積層体において、上記SMC(2)のハニカム状
シート体(1)面側に、ポリエチレンフィルム(4)が
付着していることを特徴とする。
【0008】 本発明の請求項5に係るフェノ−ル樹
脂成形品の製造方法は、請求項1乃至請求項4いずれか
記載のフェノール樹脂積層体を加熱加圧することによ
り、上記フェノール樹脂を硬化し、曲面成形することを
特徴とする。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。図1
(a)は本発明の一実施例に係るフェノール樹脂積層体
を層毎に示した斜視図であり、(b)は本発明の一実施
例に係るフェノール樹脂積層体を用いたフェノール樹脂
成形品の斜視図であり、図2(a)は本発明の一実施例
に用いられるハニカム状シート体の層構成を示す斜視図
であり、(b)は本発明の一実施例に用いられるハニカ
ム状シート体の斜視図であり、図3(a)は本発明の他
の実施例に用いられるハニカム状シート体の斜視図であ
り、(b)は本発明の他の実施例に係るフェノール樹脂
積層体を層毎に示した斜視図であり、図4は本発明に用
いられるSMCの製造装置の側面図であり、図5は図4
で作製されたシートの断面図であり、図6(a)は本発
明の一実施例に係るフェノール樹脂積層体の層毎に示し
た断面図であり、(b)は本発明の他の実施例を示した
断面図である。
【0010】図1(a)に示す如く、本発明のフェノー
ル樹脂積層体は、表層に25℃で液状のレゾール型フェ
ノール樹脂を成分とするSMC(2)(シートモールデ
ィングコンパウンド)、芯層に紙製のハニカム状シート
体(1)からなる積層体(9)である。上記フェノール
樹脂積層体は、SMC(2)とハニカム状シート体
(1)が分離した状態の積層体(9)でも、SMC
(2)とハニカム状シート体(1)が接着した状態の積
層体(9)でも、限定しない。
【0011】上記紙製のハニカム状シート体(1)はセ
ル(12)の対向する辺間の距離が2〜10mmの範囲
である。上記範囲であると、フェノール樹脂積層体を曲
面成形した際に、得られたフェノール樹脂成形品の外観
が良好となる。上記セル(12)の対向する辺間の距離
が10mmを越えると、曲面成形の際に、フェノール樹
脂成形品にヒビ等が生じ易い。より好ましくは、上記セ
ル(12)の対向する辺間の距離は2〜5mmである。
このセル(12)が平板と波板の2辺で形成されている
場合、セル(12)の対向する辺間の距離とは、平板と
波板の頂点の距離である。
【0012】上記紙製のハニカム状シート体(1)とし
ては、ダンボール紙製のハニカム状シート体が挙げられ
る。次にこのダンボール紙製のハニカム状シート体の作
製方法について説明する。図2(a)に示す如く、複数
のセル(12)の対向する辺間の距離が2〜10mmの
波形を形成した波板紙(16)と平板紙(17)を有す
るダンボール紙(14)を、複数枚平積みし、ダンボー
ル紙集合体(13)を得る。このダンボール紙集合体
(13)を、上記平板紙(17)とクロス方向に切断す
ると、図2(b)に示す如く、上下に開口したセル(1
2)を有するダンボール紙製のハニカム状シート体が得
られる。他のダンボール紙製のハニカム状シート体の作
製方法を図3(a)に示す。セル(12)の対向する辺
間の距離が2〜10mmの波形を形成した波板紙(1
6)の片側に平板紙(17)を有するダンボール紙(1
4)を2枚用い、この平板紙(17)どおしを、波板紙
(16)の波形がクロスする方向で重ね合わせる。この
ダンボール紙製のハニカム状シート体を図3(b)に示
す如く、ハニカム状シート体(1)として用いる。
【0013】次に、図4〜図5に基づいて上記SMC
(2)について説明する。上記SMC(2)は液状レゾ
ール型フェノール樹脂と発泡剤を成分とする樹脂組成物
(6)に、繊維長10〜50mmのガラス繊維(7)を
配合し、上記フェノール樹脂をBステージ化した樹脂シ
ートである。
【0014】上記樹脂組成物(6)が25℃で液状のレ
ゾール型フェノール樹脂を主成分とするので、ガラス繊
維(7)への樹脂の含浸が良好である。この液状のレゾ
ール型フェノール樹脂は25℃で粘度が1000〜80
00cpsの樹脂が適当である。上記発泡剤は加熱によ
り気泡ができるので成形品の軽量化に寄与し、発泡剤と
しては、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン
等のニトロソテトラミン類が挙げられる。さらに、上記
樹脂組成物(6)は必要により、固形ノボラック型フェ
ノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤、シ
リコーン類等の界面活性剤、ステアリン酸亜鉛等の離型
剤が添加される。配合比率の一例を示すと、液状レゾー
ル型フェノール樹脂100重量部(以下部と記す)に対
して、発泡剤は0.5〜10部、固形ノボラック型フェ
ノール樹脂は0〜30部、硬化剤は0〜5部、界面活性
剤は0.1〜5部、離型剤は0.1〜8部が好ましい。
【0015】上記ガラス繊維(7)は繊維長10〜50
mmである。繊維長が10mm未満であると、剛性が低
下し、繊維長が50mmを越えると、上記樹脂組成物
(6)とガラス繊維(7)が分離し易くなり、フェノー
ル樹脂積層体の曲面成形が困難になる。上記樹脂組成物
(6)とガラス繊維(7)の配合比率は、樹脂組成物
(6)が20〜90重量%、ガラス繊維(7)が10〜
80重量%の範囲に設定することが好ましい。
【0016】上記SMC(2)の目付け量は、50〜1
000g/m2 の範囲である。上記目付け量が1000
g/m2 を越えると得られるフェノール樹脂成形品の軽
量化の効果が低下し、上記目付け量が50g/m2 未満
であると、ハニカム状シート体(1)への樹脂の浸透が
不足となる。
【0017】図4に示す如く、樹脂組成物(6)の溜ま
ったディップ槽(24)とベルト(26)の出口(2
5)から所望量の樹脂組成物(6)を、離型フェイルム
(3)上に塗布する。その上からチョッパー(22)で
切断したガラス繊維(7)を散布し、さらにその上に離
型フェイルム(3)を重ね、プレスロール(21)で圧
着する。離型フェイルム(3)に挟んだ状態でこの複合
体(5)を巻き取り、熟成すると、フェノール樹脂がB
ステージ状態になる。これを所望のサイズに切断する
と、図5に示す離型フェイルム(3)に挟まれたSMC
(2)が得られる。上記熟成の温度、及び時間は材料の
配合比、目付け量により適宜決定される。上記離型フェ
イルム(3)は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンのフィルムが挙げられる。
【0018】上記離型フェイルム(3)は、図6(a)
に示す如く、ハニカム状シート体(1)に配設する際は
除去されるが、図6(b)に示す如く、離型フェイルム
(3)にポリエチレンフィルム(4)を用いる場合は、
ポリエチレンフィルム(4)の融点が加熱温度より低い
ので、加熱加圧の際にポリエチレンフィルム(4)がフ
ェノール樹脂と共に溶融するため、上記SMC(2)の
ハニカム状シート体(1)面側にこのポリエチレンフィ
ルム(4)を付着させたままで積層できる。従って、離
型フェイルム(3)にポリエチレンフィルム(4)を用
いると、離型フィルム(3)の除去作業が略せるので、
作業効率が良くなる。
【0019】本発明のフェノール樹脂成形品の製造方法
は、上記ハニカム状シート体(1)の上下に上記SMC
(2)を積層した積層体(9)を、所望の形状の金型に
挟み加熱加圧する。この加熱加圧により、ハニカム状シ
ート体(1)内部にフェノール樹脂が浸入し、フェノー
ル樹脂が溶融し、硬化する。上記フェノール樹脂の硬化
により、図1(b)に示す、一体化したフェノール樹脂
成形品が得られる。この製造方法は、上記フェノール樹
脂積層体を用いているので、曲面成形されると共に、軽
量化に優れたフェノール樹脂成形品を得ることができ
る。
【0020】なお、本発明で得られるフェノール樹脂成
形品は、自動車の内装材の他に、建材等にも使用するこ
とができるものである。
【0021】
【作用】本発明の請求項1乃至請求項4いずれか記載の
フェノール樹脂積層体は、紙製のハニカム状シート体
(1)のセル(12)の対向する辺間の距離が2〜10
mmの範囲であるので、曲面成形が容易にでき、得られ
るフェノール樹脂成形品が軽量である。樹脂組成物
(6)の液状レゾール型フェノール樹脂はガラス繊維
(7)となじみが良く、樹脂組成物(6)の発泡剤は加
熱により気泡ができるのでフェノール樹脂成形品が軽量
となる。ガラス繊維(7)の繊維長が10〜50mmで
あるので、樹脂組成物(6)とガラス繊維(7)が分離
することがない。
【0022】
【実施例】
実施例1 液状のレゾール型フェノール樹脂100部、固形ノボラ
ックフェノール樹脂20部、発泡剤としてジニトロソペ
ンタメチレンテトラミン(永和化成工業株式会社製、セ
ルラーD)を5部、硬化剤としてヘキサメチレンテトラ
ミンを3部、界面活性剤としてポリエーテル変性シリコ
ーン(東芝シリコーン株式会社製、TFA4205)を
3部、離型剤としてステアリン酸亜鉛を2部配合し、樹
脂組成物(6)を調製した。
【0023】上記樹脂組成物(6)をポリプロピレンフ
ィルム製の離型フィルム(3)上に塗布し、上面から繊
維長が25mmに切断したガラス繊維(7)を散布し、
さらにその上にポリプロピレンフィルム製の離型フィル
ム(3)を載せた。樹脂組成物(6)の塗布量は45g
/m2 、ガラス繊維(7)の散布量は5g/m2 であっ
た。その後、プレスロール(21)で圧着した後に、4
0℃で2日間熟成し、フェノール樹脂がBステージ状態
となった離型フィルム(3)付きのSMC(2)を得
た。SMC(2)の目付け量は50g/m2 であった。
【0024】紙製のハニカム状シート体(1)として、
セル(12)の対向する辺間の距離が5mmの波形を形
成し、上下に開口したセル(12)を有するダンボール
紙製のハニカム状シート体を用いた。このダンボール紙
製のハニカム状シート体は300g/m2 の重さであっ
た。
【0025】上記ダンボール紙製のハニカム状シート体
の上下に、離型フィルム(3)を剥がしたSMC(2)
を積層し、フェノール樹脂積層体を得た。このフェノー
ル樹脂積層体を、170℃、10kg/cm2 、120
秒加熱加圧することにより、厚さが約5mmのフェノー
ル樹脂成形品を作製した。
【0026】実施例2 実施例1の樹脂組成物(6)の塗布量が250g/
2 、ガラス繊維(7)の散布量が250g/m2 、S
MC(2)の目付け量が500g/m2 であった以外は
実施例1と同様にして、フェノール樹脂積層体を得た。
このフェノール樹脂積層体を用いて実施例1と同様にし
てフェノール樹脂成形品を作製した。
【0027】実施例3 実施例1の樹脂組成物(6)の塗布量が200g/
2 、ガラス繊維(7)の散布量が800g/m2 、S
MC(2)の目付け量が1000g/m2 であった以外
は実施例1と同様にして、フェノール樹脂積層体を得
た。このフェノール樹脂積層体を用いて実施例1と同様
にしてフェノール樹脂成形品を作製した。
【0028】実施例4 実施例1と同様の樹脂組成物(6)をポリプロピレンフ
ィルム製の離型フィルム(3)上に塗布し、上面から繊
維長が50mmに切断したガラス繊維(7)を散布し、
さらにその上にポリプロピレンフィルム製の離型フィル
ム(3)を載せた。樹脂組成物(6)の塗布量は250
g/m2 、ガラス繊維(7)の散布量は250g/m2
であった。その後、プレスロール(21)で圧着した後
に、40℃で2日間熟成し、フェノール樹脂がBステー
ジ状態となった離型フィルム(3)付きSMC(2)を
得た。SMC(2)の目付け量は500g/m2 であっ
た。
【0029】紙製のハニカム状シート体(1)として、
平板紙(17)の上下に波板紙(16)を有し、この波
形方向がクロスし、平板紙(17)と波板紙(16)の
波形の頂点までの距離が3mmのダンボール紙製のハニ
カム状シート体を用いた。
【0030】上記ダンボール紙製のハニカム状シート体
の上下に、離型フィルム(3)を剥がしたSMC(2)
を積層し、フェノール樹脂積層体を得た。このフェノー
ル樹脂積層体を、170℃、10kg/cm2 、120
秒加熱加圧することにより、厚さが約5mmのフェノー
ル樹脂成形品を作製した。
【0031】比較例1 実施例1の樹脂組成物の塗布量が1425g/m2 、ガ
ラス繊維の散布量が75g/m2 、SMCの目付け量が
1500g/m2 であった以外は実施例1と同様にし
て、フェノール樹脂積層体を得た。このフェノール樹脂
積層体を用いて実施例1と同様にしてフェノール樹脂成
形品を作製した。
【0032】比較例2 実施例1と同様の樹脂組成物をポリプロピレンフィルム
製の離型フィルム上に塗布し、上面から繊維長が100
mmに切断したガラス繊維を散布し、さらにその上にポ
リプロピレンフィルム製の離型フィルムを載せた。樹脂
組成物の塗布量は1425g/m2 、ガラス繊維の散布
量は75g/m2 であった。その後、プレスロールで圧
着した後に、40℃で2日間熟成し、離型フィルム付き
SMCを得た。SMCの目付け量は1500g/m2
あった。
【0033】セルのサイズが13mm、厚さ5mmの紙
製のハニカム状シート体の上下に、離型フィルムを剥が
したSMCを積層して、実施例1と同様の条件で加熱し
てフェノール樹脂成形品を得た。
【0034】比較例3 実施例1と同様の樹脂組成物をポリプロピレンフィルム
製の離型フィルム上に塗布し、上面から繊維長が25m
mに切断したガラス繊維を散布し、さらにその上にポリ
プロピレンフィルム製の離型フィルムを載せた。樹脂組
成物の塗布量は750g/m2 、ガラス繊維の散布量は
750g/m2 であった。その後、プレスロールで圧着
した後に、40℃で2日間熟成し、離型フィルム付きS
MCを得た。SMCの目付け量は1500g/m2 であ
った。その後、SMCを実施例1と同様の条件で加熱
し、成形品を作製した。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1〜4、及び比較例1〜3のフェノ
ール樹脂成形品の比重、比強度、比剛性、及びフェノー
ル樹脂積層体の曲面成形性を評価した。
【0037】上記比強度は、比重に対する曲げ強度の比
率(曲げ強度/比重)で求め、上記比剛性は、比重に対
する弾性率の比率(弾性率/比重)で求めた。この曲げ
強度、及び弾性率はASTMの曲げ試験に基づき、長さ
150mm、幅50mmのフェノール樹脂成形材料をス
パン距離100mm、荷重速度50mmの条件で押圧し
て測定した。曲面成形性は、フェノール樹脂積層体を加
熱加圧する際に、図7に示すR=5mmの曲率半径で成
形した。このフェノール樹脂成形品のR部を目視で観察
し、ひび等の有無を調査した。ひび等が無いものは○、
ひび等が有るものは×で表示した。
【0038】結果は表2に示す如く、実施例1〜4はい
ずれも比較例に比べ、比重は低く、比強度、比剛性とも
高い値であった。また、外観は良好であった。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の請求項1乃至請求項4記載のフ
ェノール樹脂積層体は、重量が50〜1000g/m2
で、液状のレゾール型フェノール樹脂、発泡剤、及び繊
維長10〜50mmのガラス繊維からなるSMCと、セ
ルの対向する辺間の距離が2〜10mmの紙製のハニカ
ム状シート体からなるので、このフェノール樹脂積層体
を用いると、重量当たりの剛性が高く、曲面成形が容易
であると共に、軽量化に優れるフェノール樹脂成形品を
得ることができる。
【0041】本発明のフェノール樹脂積層体は、特に、
自動車の内装部品等に用いられるフェノール樹脂成形品
に有用である。
【0042】本発明のフェノール樹脂成形品の製造方法
は請求項1乃至請求項4いずれか記載のフェノール樹脂
積層体を用いているので、曲面成形されると共に、軽量
化に優れたフェノール樹脂成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例に係るフェノール樹
脂積層体を層毎に示した斜視図であり、(b)は本発明
の一実施例に係るフェノール樹脂積層体を用いたフェノ
ール樹脂成形品の斜視図である。
【図2】(a)は本発明の一実施例に用いられるハニカ
ム状シート体の層構成を示す斜視図であり、(b)は本
発明の一実施例に用いられるハニカム状シート体の斜視
図である。
【図3】(a)は本発明の他の実施例に用いられるハニ
カム状シート体の斜視図であり、(b)は本発明の他の
実施例に係るフェノール樹脂積層体を層毎に示した斜視
図である。
【図4】本発明に用いられるSMCの製造装置の側面図
である。
【図5】図4で作製されたシートの断面図である。
【図6】(a)は本発明の一実施例に係るフェノール樹
脂積層体の層毎に示した断面図であり、(b)は本発明
の他の実施例を示した断面図である。
【図7】実施例及び比較例で成形した曲面成形した成形
品の破断斜視図である。
【符号の説明】
1 ハニカム状シート体 2 SMC 6 樹脂組成物 7 ガラス繊維 9 積層体 12 セル
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 31:58 (56)参考文献 特開 平3−109145(JP,A) 村山宏著 改訂・増補FRP成形加工 技術 株式会社工業調査会 1983年1月 20日改訂・増補1版発行 P78−80 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 43/00 - 43/58

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲面成形されるフェノール樹脂積層体で
    あって、表層に、25℃で液状のレゾール型フェノール
    樹脂と発泡剤を成分とする樹脂組成物(6)に繊維長1
    0〜50mmのガラス繊維(7)を散布した、50〜1
    000g/m2 のSMC(2)、及び、芯層に、セル
    (12)の対向する辺間の距離が2〜10mmの紙製の
    ハニカム状シート体(1)からなることを特徴とするフ
    ェノール樹脂積層体。
  2. 【請求項2】 上記紙製のハニカム状シート体(1)
    が、波板紙(16)と平板紙(17)を有するダンボー
    ル紙(14)を複数枚平積みしたダンボール紙集合体
    (13)で、且つ、上下に開口したセル(12)を有す
    ることを特徴とする請求項1記載のフェノール樹脂積層
    体。
  3. 【請求項3】 上記紙製のハニカム状シート体(1)
    が、ダンボール紙(14)の平板紙(17)の上下に波
    板紙(16)を有し、この上下の波板紙(16)の波形
    方向がクロスすることを特徴とする請求項1記載のフェ
    ノール樹脂積層体。
  4. 【請求項4】 上記SMC(2)のハニカム状シート体
    (1)面側に、ポリエチレンフィルム(4)が付着して
    いることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか記
    載のフェノール樹脂積層体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4いずれか記載のフ
    ェノール樹脂積層体を加熱加圧することにより、上記フ
    ェノール樹脂を硬化し、曲面成形することを特徴とする
    フェノール樹脂成形品の製造方法。
JP6055739A 1994-03-25 1994-03-25 フェノール樹脂積層体、及びこの積層体を用いたフェノール樹脂成形品の製造方法 Expired - Fee Related JP3067513B2 (ja)

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