JP2000226282A - 金属シリコンの除去方法 - Google Patents

金属シリコンの除去方法

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健治 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超耐熱構造材料、高潤滑性耐摩耗材料等とし
て使用できる、金属シリコンの含浸処理によって作製さ
れるシリコンとカーボンを主成分とする複合材料を、安
価に製造するための金属シリコンの除去方法を提供す
る。 【解決手段】 主にカーボン繊維からなるヤーン2A・
2Bを用いて作製された予備成形体に金属シリコンを含
浸処理して得られるシリコンとカーボンを主成分として
なる複合材料7の製造工程において用いられる金属シリ
コンの除去方法である。金属シリコンの含浸処理後に、
予備成形体の表面に残留する金属シリコンをアルカリ水
溶液で処理した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、超耐熱構造材
料、高潤滑性耐摩耗材料等として使用できる、金属シリ
コンの含浸処理によって作製されるシリコンとカーボン
を主成分とする複合材料を、安価に製造するための金属
シリコンの除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、技術革新が急速に進む中で、宇
宙開発分野では宇宙往還機やスペースプレーン、エネル
ギー分野では高温燃焼ガスタービン、原子力分野では高
温ガス炉や核融合炉等の使用に適する超耐熱構造材料の
実用化が切望されている。このような用途においては、
中高温域(200℃〜2000℃)における高強度特性
のみならず、材料としての信頼性を確保すべく、靭性、
耐衝撃性、耐蝕性、耐放射線性等の種々の特性に優れる
ことも、同時に要求される。
【0003】 このような特性を満足する材料の候補と
して、例えば、炭化珪素(SiC)や窒化珪素(Si3
4)等の非酸化物セラミックスが研究開発の主な対象
とされてきたが、セラミックスのもつ「脆さ」という欠
点を解消するには至っていない。そこで、セラミックス
単体のこのような欠点を克服する手段として、セラミッ
クス系繊維を複合化させたセラミックス基複合材料(C
MC)が開発された。CMCは高温でも高強度、高靭性
を有し、優れた耐衝撃性、耐蝕性等を有するために、現
在の超耐熱構造材料に関する研究開発の主流の1つとな
っている。
【0004】 CMCの形態としては、直径が10μm
前後のセラミックス長繊維を、通常、数百本から数千本
束ねて繊維束(ヤーン)を形成し、ヤーンを二次元又は
三次元方向に配列してシート或いはクロスとしたり、更
にこれらシートやクロスを積層等することにより予備成
形体を作製し、予備成型体の内部にCVI法(Chemical
Vapor Infiltration:化学的気相含浸法)や無機ポリ
マー含浸焼結法等を用いて、異相を析出させたものが挙
げられる。
【0005】 より具体的には、二次元又は三次元方向
に配列したカーボン繊維の間隙にカーボン粉末が充填さ
れたC/Cコンポジットや、SiC繊維とSiC粒子を
含む予備成型体に金属シリコン(金属Si)を含浸させ
たSiC繊維強化Si−SiC複合体等が知られてい
る。また、英国特許第1457757号明細書には、C
/Cコンポジットを溶融金属Si中に浸漬させる処理方
法が開示されており、この方法によれば、C/Cコンポ
ジット中の間隙に金属Siが含浸された複合材料が作製
されることが推定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 予備成形体を上述し
た溶融金属Siを用いて含浸処理や浸漬処理して得られ
る処理品の表面には、不要な金属Siが、処理品内の金
属Siと結合している状態で残留する場合が殆どであ
る。
【0007】 即ち、予備成形体上に所定重量の金属S
iを載置し、高温、減圧、非酸化雰囲気化として金属S
iを溶融させ、予備成形体内に含浸させる方法において
は、一度予備成形体内に含浸した金属Siが表面から滲
み出たり、過剰な金属Siが表面に残留することが殆ど
である。また、溶融金属Si中に予備成形体を浸漬する
方法にあっても、処理品の表面には金属Siが残留する
のみならず、極端な場合、浸漬処理を行った後に冷却し
て固まった金属Si中に処理品が残留する事態も想定さ
れる。
【0008】 こうして処理品の表面に残留した金属S
iは、一般的に、研削や切削等の機械加工により除去さ
れていた。しかしながら、この機械加工に要する費用は
莫大なものであり、この加工工程が製品のコスト上昇の
大きな原因となっている。
【0009】 そこで、機械加工の前に化学的な処理等
を行い、大部分の残留金属Siを除去することができれ
ば、機械加工コストの低減が図られ、好ましいと考えら
れる。ここで、例えば、Siウェハーのエッチングに
は、フッ酸と硝酸の混合溶液等の酸水溶液が使用されて
いるが、この場合のエッチ速度(溶解速度)は60μm
/時間程度と遅く、計算上は高々1mm厚の金属Siを
除去するのにも17時間程度を要することになり、実用
的とは言えない。
【0010】
【課題を解決するための手段】 本発明は、上述した従
来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的
とするところは、金属Si含浸処理体の表面に残留する
金属Siを、安価に除去する方法を提供することにあ
る。即ち、本発明によれば、予備成形体に金属シリコン
を含浸処理して得られるシリコンとカーボンを主成分と
してなる複合材料の製造工程において用いられる金属シ
リコンの除去方法であって、当該金属シリコンの含浸処
理後に、当該予備成形体の表面に残留する金属シリコン
をアルカリ水溶液で処理することを特徴とする金属シリ
コンの除去方法、が提供される。
【0011】 本発明の金属シリコンの除去方法が好適
に適用される予備成形体は、主にカーボン繊維からなる
束の外周を樹脂で被覆したヤーンを用いて成形したシー
ト或いはそのシートを積層して得られた積層体並びに当
該シートを用いた成形品を、非酸化雰囲気で焼成して形
成されたものである。ここで、このような予備成形体の
作製における焼成と、金属シリコンの含浸処理を一工程
で行っても構わない。なお、アルカリ水溶液による処理
前に、フッ酸を含む薬液で処理することも好ましい。ア
ルカリ水溶液は特に限定されるものではないが、水酸化
ナトリウム水溶液若しくは水酸化カリウム水溶液を用い
ることが、処理特性、処理コストの面で好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】 本発明の金属シリコン(金属S
i)の除去方法は、金属Siを溶融させて予備成形体の
内部に含浸させることにより作製される複合材料の製造
工程において採用されるものであり、予備成形体への金
属Siの含浸処理後に得られる処理体(以下「処理体」
といい、表面に金属Siが残留しているものを指す。)
の表面に残留する金属Si(以下、「残留金属Si」と
いう。)をアルカリ水溶液で処理し、除去するものであ
る。
【0013】 予備成形体としては、カーボン繊維、S
iC繊維、カーボン粉末、SiC粉末から選ばれた1以
上の材料から形成されたものが好適に用いられる。例え
ば、C/Cコンポジット成形体や、SiC/Cコンポジ
ット等である。なお、本発明における「カーボン繊維、
カーボン粉末」におけるカーボンの形態には制限はな
く、一般的な「炭素繊維、炭素粉末」の意味で用いるも
のである。
【0014】 ここで、後に詳述するように、本発明の
金属Siの除去方法は、基本的にアルカリ水溶液によっ
て金属Siを溶解するものであるので、残留金属Siを
除去して得られる内部に金属Siが含浸された製品の前
駆体(以下、「前駆体」という。)の表面や内部に、金
属Siの含浸処理によって存在するようになる金属Si
の量が多い構造(組織)を有する複合材料にあっては、
処理体の表面のみならず、前駆体内部にまでアルカリ水
溶液による溶解が進行することとなる。
【0015】 勿論、アルカリ水溶液の濃度や温度、処
理時間等を制御することにより、一定量の溶解の進行で
反応を止めることは可能ではあるが最適条件の探索等、
種々の課題の解決が必要とされる。
【0016】 従って、本発明は、前駆体の表面近傍に
含浸した金属Siの量が少ない組織や金属Siが溶解を
受け難い組織を有する複合材料に好適に用いられる。前
駆体の一例として、カーボン繊維からなるヤーン集合体
中で隣り合うヤーンの間に、Si−SiC系材料からな
るマトリックスを有する微構造を有した繊維複合材料が
挙げられる。以下、先ずこの繊維複合材料の構造と、処
理体の作製までの工程について説明する。
【0017】 繊維複合材料においては、最初に直径が
10μm前後のカーボン繊維を、通常、数百本〜数万本
束ねて繊維束を形成するが、このとき、少なくとも繊維
束の周囲に、熱可塑性樹脂等の樹脂からなる柔軟な被膜
を形成し、柔軟性を有する中間材料(以下、「ヤーン」
という。)とする。
【0018】 ここで、カーボン繊維に対して、粉末状
のバインダーピッチ、コークス類を包含させ、更に必要
に応じてフェノール樹脂粉末等を含有させることによっ
て、カーボン繊維束を作製することも好ましい。また、
カーボン繊維は、石油ピッチ若しくはコールタールピッ
チを原料としたピッチ系カーボン繊維や、アクリロニト
リル繊維を原料としたPAN系カーボン繊維等が用いら
れる。
【0019】 次に、この樹脂被膜を有するヤーンを二
次元方向に配列して一方向シートとしたり、或いはヤー
ンを経糸及び緯糸として編み込んで各種クロスとする等
して、シート状に成形する。得られたシートは、そのま
ま用いることもでき、また種々に加工変形させることで
所定形状の成形体とすることもできる。更にはヤーン又
はシート等を積層して加熱成形し、一体的な積層体を作
製する。この積層体の形成にあたって使用される有機バ
インダーとしては、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等の
熱硬化性樹脂及びタール、ピッチ等が挙げられる。
【0020】 積層体或いはシート(以下、「積層体
等」という。)上に所定量の金属Siを載置し、不活性
ガス雰囲気下にて1100℃〜1400℃(シリコンの
融点以下)の温度に保持して有機成分を炭化させ、次い
で1450℃〜2500℃の温度に昇温させることによ
り、金属Siを溶融させ、有機成分の炭化によって生じ
た積層体等の内部空隙へ、金属Siを含浸させる。こう
して、積層体等の金属Si含浸処理体(以下、「処理
体」という。)を得ることができる。
【0021】 なお、積層体等を単独で、不活性ガス雰
囲気下にて炭化処理して焼結体を得て、その後に、焼結
体上に金属Siを載置して金属Siの含浸処理を行って
も構わない。上述した処理体の作製方法は、あくまで一
例に過ぎず、各工程の趣旨を逸脱しない範囲で、種々に
製造方法を変更することができる。
【0022】 上述のように、周囲を樹脂で被覆したヤ
ーンを使用した炭化工程と、金属Siの含浸とを組み合
わせることにより、積層体等の焼結体においては、ヤー
ンの間隙に細長い開気孔が残り、この細長い開気孔に沿
って金属Siが積層体等の奥まで浸透する。この浸透の
過程で、金属Siがヤーンのカーボンと反応してヤーン
表面側から徐々に炭化し、繊維複合材料が得られる。
【0023】 つまり、高温の溶融金属Siは、カーボ
ン繊維束に添加したカーボン粒子や有機バインダー、樹
脂被膜が熱分解して生成される活性度の高いカーボンと
まず接触反応し、カーボン繊維束には直接に接触し難
く、その結果、カーボン繊維の構造が破壊され難い。こ
うして、繊維構造が維持されたカーボン繊維束の間に、
金属SiとSiCからなるマトリックスを有する繊維複
合材料が得られる。なお、処理体においては、ほぼ純粋
に金属Siが残留しているSi相から、ほぼ純粋なSi
C相に至るまで、いくつかの中間相を含み得る。
【0024】 図1に、前駆体、即ちの繊維複合材料の
概念を説明するための概略斜視図を示す。また、図2
(a)には、図1のIIa−IIa線断面図を、図2
(b)には図1のIIb−IIb線断面図をそれぞれ示
す。図3は図2(a)の一部拡大図である。
【0025】 繊維複合材料7の骨格は、ヤーン集合体
6によって構成されており、ヤーン集合体6は、ヤーン
配列体1A、1B、1C、1D、1E、1Fを上下方向
に積層した構造となっている。ヤーン配列体1A〜1F
においては、ヤーン2A・2Bが二次元的に配列されて
おり、ヤーン2A・2Bの長手方向はそれぞれ略平行で
ある。ヤーン配列体1A〜1Fの上下方向に隣り合うも
のどうしにおけるヤーン2A・2Bの長手方向は直交し
ている。即ち、ヤーン配列体1A・1C・1Eのヤーン
2Aの長手方向は互いに平行であり、ヤーン配列体1B
・1D・1Fのヤーン2Bの長手方向に対して直交して
いる。
【0026】 ヤーン2A・2Bは、カーボン繊維と、
カーボン繊維以外のカーボン成分を添加した場合にはそ
のカーボン成分とからなる繊維束3からなる。ヤーン配
列体1A〜1Fが積層されることによって、三次元格子
形状のヤーン集合体6が構成される。ヤーン2A・2B
は、ヤーン集合体1A〜1Fの積層方向に加圧されてい
るため、押し潰されて断面略楕円形となっている。
【0027】 ヤーン配列体1A・1C・1Eにおいて
は、隣り合うヤーン2Aの間隙にはマトリックス8Aが
形成され、マトリックス8Aはヤーン2Aの表面に沿っ
てそれと平行に延びている。ヤーン配列体1B・1D・
1Fにおいては、隣り合うヤーン2Bの間隙には、マト
リックス8Bが形成されており、コンポジット8Bはヤ
ーン2Bの表面に沿ってそれと平行に延びている。
【0028】 本例では、マトリックス8A・8Bは、
それぞれ、ヤーン2A・2Bの表面を被覆するSiC相
4A・4Bと、SiC相4A・4Bよりもカーボンの含
有割合が少ないSi−SiC系コンポジット相5A・5
Bからなっている。SiC相中にも金属Siを一部含有
していてもよい。また、本例では上下方向に隣接するヤ
ーン2A・2Bとの間にも、SiC相4A・4Bが形成
されている。
【0029】 マトリックス8A・8Bは、それぞれヤ
ーン2A・2Bの表面に沿って細長く、好ましくは直線
状に延びており、マトリックス8A・8Bは互いに直交
している。そして、ヤーン配列体1A・1C・1Eにお
けるマトリックス8Aと、これに直交するヤーン配列体
1B・1D・1Fにおけるマトリックス8Bとは、それ
ぞれヤーン2Aとヤーン2Bとの間隙部分で連続してい
る。この結果、マトリックス8A・8Bは、全体として
三次元格子を形成している。このような繊維複合材料7
においては、表面に露出している金属Siが少ないため
に、後述するようにアルカリ水溶液処理を行っても、繊
維複合材料7内部に溶解が進むことが抑制される。
【0030】 上述した前駆体を得る前段階での処理体
においては、金属Siの含浸に不要であった金属Si等
がその表面に存在する。本発明は、このような残留金属
Siを、アルカリ水溶液で処理するものである。以下、
例を挙げて説明する。
【0031】 上述したヤーンを用いて作製した積層体
(10mm×10mm×50mm)に金属Siを載置
し、1400℃、アルゴン雰囲気、圧力40Hpaで含
浸処理を行い、結果的に積層体上に4mm厚みの金属S
iが残留した処理体を得た。ビーカーに25%の水酸化
ナトリウム水溶液(NaOHaq)300mlを取り、
作製した処理体を24時間浸漬した。その結果、残留金
属Siが脱粒するかたちで、残留金属Siのみを簡単に
除去することができた。そして前駆体の表面や内部に溶
解等の異常は観察されなかった。
【0032】 ここで、残留金属Siの除去の様子か
ら、残留金属Siの溶解は金属Siの全表面で起こるの
ではなく、粒界における部分的溶解によって進行するも
のと推測された。即ち、粒界腐食によって残留金属Si
相にクラックが入り、金属Siが脱粒するものと考えら
れた。このような粒界腐食が起こる原因としては、金属
Siの表面が酸化され、二酸化珪素(SiO2)が形成
されていることが考えられる。そこで、実際にNaOH
aq処理を行う前に希フッ酸水溶液(HFaq)への浸
漬処理を行い、その後にNaOHaq処理を行ったとこ
ろ、残留金属Siは全表面で溶解するようになった。
【0033】 このように、本発明においては、処理体
のNaOHaq処理の前に、HFaq処理を行うことも
好ましい。HFaqの濃度は、0.5%程度で十分であ
り、浸漬時間は数分あれば足りる。なお、アルカリ水溶
液は、NaOHaqに限定されるものではなく、水酸化
カリウム(KOH)水溶液を用いることもできる。アル
カリ水溶液の種類や濃度は、金属Siの溶解速度に応じ
て、適宜好適に設定すればよく、工業的に量産されてい
る水溶液を用いると、安価であり、また至便である。
【0034】 なお、前駆体の表面がアルカリ水溶液に
よる溶解を受け難い場合であっても、得られた前駆体の
表面を薄く研削加工することは、前駆体の表面形態を一
定のものとし、製品の形状精度を確保する点から、好ま
しい。
【0035】
【発明の効果】 上述の通り、金属Siを含浸させた複
合材料における残留金属Siの除去に本発明を適用する
ことにより、従来の研削加工等による機械加工と比較し
て、除去加工コストを著しく低減することが可能とな
る。また、アルカリ水溶液に浸漬して放置するだけよ
く、処理が簡単である。これらによって、製品の低コス
ト化が実現されるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に好適に用いられる繊維複合材料の概
略構造を模式的に示す斜視図である。
【図2】 本発明に好適に用いられる繊維複合材料の要
部の構造を模式的に示す断面図であり、(a)は図1の
IIa−IIa線断面図を示し、(b)は図1のIIb
−IIb線断面図を示す。
【図3】 図2(a)の一部拡大図である。
【符号の説明】
1A〜1F…ヤーン配列体、2A・2B…ヤーン、3…
繊維束、4A・4B…SiC相、5A・5B…金属Si
−SiCコンポジット相、6…ヤーン集合体、7…繊維
複合材料、8A・8B…マトリックス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 11/77 // D06M 101:40

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予備成形体に金属シリコンを含浸処理し
    て得られるシリコンとカーボンを主成分としてなる複合
    材料の製造工程において用いられる金属シリコンの除去
    方法であって、 当該金属シリコンの含浸処理後に、当該予備成形体の表
    面に残留する金属シリコンをアルカリ水溶液で処理する
    ことを特徴とする金属シリコンの除去方法。
  2. 【請求項2】 当該予備成形体が、主にカーボンからな
    る束の外周を樹脂で被覆したヤーンを用いて成形したシ
    ート或いは当該シートを積層して得られた積層体並びに
    当該シートを用いた成形品を非酸化雰囲気で焼成して形
    成されたものであることを特徴とする請求項1記載の金
    属シリコンの除去方法。
  3. 【請求項3】 当該予備成形体の焼成と、当該金属シリ
    コンの含浸処理を一工程で行うことを特徴とする請求項
    1又は2記載の金属シリコンの除去方法。
  4. 【請求項4】 当該アルカリ水溶液による処理前に、フ
    ッ酸を含む薬液で処理することを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか一項に記載の金属シリコンの除去方法。
  5. 【請求項5】 当該アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウ
    ム水溶液若しくは水酸化カリウム水溶液であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属シリ
    コンの除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002317335A (ja) * 2001-04-20 2002-10-31 Mitsubishi Rayon Co Ltd 炭素繊維およびその製造方法

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JP2002317335A (ja) * 2001-04-20 2002-10-31 Mitsubishi Rayon Co Ltd 炭素繊維およびその製造方法

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