JP2000225666A - シリコ―ンで被覆した工業用布の製造法 - Google Patents

シリコ―ンで被覆した工業用布の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成繊維からなるシリコーンで被覆した工業
用布。 【解決手段】 製織法によって得られる生地を、未加工
状態で、オルガノシロキサンを含有する水性エマルジョ
ンで被覆する。 【効果】 本発明方法により、シリコーンで被覆した工
業用布を、生地とシリコーン層との間の付着が公知の方
法の場合よりも一層良好で経済的に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オルガノシロキサ
ンを含有する水性エマルジョンによる生地の被覆によ
る、殊にエアバックで使用するための、合成繊維からの
シリコーンで被覆した生地の製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】エアバックで使用するための、シリコー
ン加工とも呼ばれるシリコーンを用いる生地の被覆によ
り、公知のように、シリコーンの熱吸収能に基づき、エ
アバックの作動の際に生じる熱い燃焼ガス及び推進剤の
粒子が生地を、あまり迅速には貫通できないという利点
がもたらされる。従って、この種の被覆は、場合による
燃焼からの搭乗者の保護に有用である。
【0003】更に、シリコーンを用いる被覆は、数年に
亘って狭い空間に封入されるエアバック生地がさらされ
ることが多く、引裂き強さの減少につながることのあ
る、振動によって引き起こされる糸と糸との摩擦を減少
させる。最終的に、エアバック生地の空気透過性もシリ
コーン被覆によって低下させることができる。シリコー
ン層とエアバック生地との間の付着は、数年の貯蔵後で
あっても、エアバックの作動の際に層の機能が少なくと
も著しく損なわれるような、生地からのシリコーン層の
剥離に至らない程度でなければならないことは自明であ
る。この種の被覆法法は、例えば欧州特許出願公開第0
758666号中に記載されている。この文献には、乾
燥していない生地の上に塗布された、オルガノシロキサ
ンを含有する水性エマルジョンが開示されている。この
欧州特許出願公開第0758666号によれば、被覆材
料の塗布は、洗浄工程の間又は直後に行われている。こ
れについては殊に、洗浄及び乾燥させなければならない
合成繊維が適している。被覆に必要とされる組成物を、
なお湿っている生地に直接、洗浄工程の後に直ちに塗布
し、乾燥工程の間に加硫させることに留意している。こ
の欧州特許出願公開第第0758666号からの被覆法
には、従来公知のこの種の方法に比して、その中で特許
の保護を請求したオルガノシロキサンを含有するエマル
ジョンを用いて、事前に乾燥工程を接続することなく生
地を直接被覆することができ、従って、乾燥後に付加的
な被覆工程が必要ではないが、それでもやはり生地への
シリコーン層の付着が改善されているという利点があ
る。殊に、合成繊維からなる生地の場合に、洗浄工程が
不可避であると見なされている。
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の基礎
となる課題は、生地とシリコーン層との間の付着が公知
の方法の場合よりも一層良好であるか又は少なくとも同
程度に良好であるできるだけ経済的な1つの別の被覆法
を提供することであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、製織法
によって得られる生地を、未加工状態で、オルガノシロ
キサンを含有する水性エマルジョンで被覆することによ
って特徴付けられる、オルガノシロキサンを含有する水
性エマルジョンを用いる生地の被覆による、殊にエアバ
ックで使用するための、シリコーンで被覆された、合成
繊維からなる生地の製造法によって解決される。
【0005】織機によって得られ、なお洗浄されていな
い生地を、本発明の範囲内では「未加工状態」とと見な
している。この点では、生地は、事前に洗浄工程を接続
することなく、オルガノシロキサンを含有する水性エマ
ルジョンで被覆することができる。製織と被覆との間の
時間は、一般に重要ではない。専ら、極めて長い貯蔵時
間の後に、生地が被覆工程の前に水で若干湿潤される場
合に有利である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による方法で、生
地とシリコーン層との間の付着は、公知技術水準に記載
された洗浄工程の接続により生じた付着よりも強いか又
は少なくとも同等であることが判明した。生地の洗浄
は、製織工程及び前に接続された工程に由来し、かつ例
えば仕上げ加工剤及び増白剤のような後の処理工程で支
障となる付着物を生地から剥離させるのに用いられてい
る。前記の付着物は、一般に、生地と被覆との間の付着
にとっては不利であると見なされており、それ故、洗浄
工程によって該付着物を除去しようとされているのであ
る。驚異的なことに本発明による方法の実施の際には、
付着に関連する欠点を甘受することなく、洗浄工程を不
要にできることが判明した。
【0007】本発明による方法は、殊に、被覆が、製織
法によって得られる未加工状態の生地の、オルガノシロ
キサンを含有する水性乳濁液中への浸漬工程によって実
施されることによって顕著である。
【0008】同様に、染め上げ技術(Aufpflatsch-Tech
nik)によって、オルガノシロキサンを含有する水性エ
マルジョンを未加工状態の生地の上に塗布することも可
能である。
【0009】被覆には、通常のオルガノシロキサンを含
有する水性エマルジョンが適しているが、しかし、本発
明による方法にとっては、欧州特許出願公開第0758
666号中に記載されているエマルジョンが特に有利で
ある。
【0010】未加工状態の生地の被覆を、被覆の量が、
生地の重量全体の多くとも20%、有利に多くとも15
%になるように実施する場合に有利である。
【0011】開放又は閉鎖構造体のような使用されるべ
き工業用布の選択には、特別な制限はないが、被覆せず
に使用した生地よりも、開放生地構造体が有利である。
【0012】生地製造の方法も重要ではない。通常の全
ての織機、例えば水流織機、気流織機又はレピア織機に
より製造された生地を使用することができる。本発明に
とっては、気流織機及びレピア織機が有利である。
【0013】シリコーン加工のために選択される生地
は、少なくとも主として、110〜580dtex、更
に有利に110〜470dtex、特に有利に110〜
350dtexの全滴定を有する合成フィラメント・ヤ
ーンから製造されることが有利であることが判明した。
110dtex、235dtexないし350dtex
の全滴定を有するフィラメント・ヤーンが最も有利であ
ることが判明した。
【0014】本発明による方法にとっては、シリコーン
加工のために少なくとも主として、個々のフィラメント
滴定が2.2〜4.5dtexである合成フィラメント
・ヤーンから製造される生地を選択することは有利であ
る。
【0015】本発明による方法に使用されるオルガノシ
ロキサンを含有する水性エマルジョンは、勿論、更に別
の被覆した工業用布の性質に対して有利に作用する添加
剤を含有していてもよい。この場合、生地中でいわゆる
難燃剤(「難燃剤(Flame retardants)」)として作用
するカーボンブラックの添加剤が特筆すべきである。ま
た、この種の難燃剤の存在は、被覆した工業用布のエア
バックでの使用の際に特に有利である。
【0016】従って、水性エマルジョンに、エマルジョ
ンの重量全体に対してカーボンブラックを約1〜10Vo
l%、有利に約2〜6Vol%配合する場合には、生地の被
覆の前に実施するのが有利である。
【0017】本発明を、制限するものではないが以下の
実施例によって詳細に説明する。
【0018】
【実施例】図1は、本発明によるシリコーン加工工程の
実施のための装置を略示するものである。
【0019】生地1を、ローラー2から繰り出し、次に
方向転換ローラーを経て、湿潤ローラー3に導き、これ
によって、オルガノシロキサンを含有する水性エマルジ
ョン4で湿らせる。この生地を、引き続き、加熱管(図
示していない)中で乾燥させ、最終的に巻き取る。
【0020】それぞれ470dtexの全滴定を有する
ポリアミド6.6糸からなる2つの生地を、図1で示し
た装置を用いてシリコーン加工する。試料1とする第1
の生地を、製織後及びシリコーン加工前に洗浄した。第
2の生地、試料2を、未加工状態、即ち、製織後に洗浄
工程を施さずに使用した。Dehesive 38197 VP を水性乳
濁液中のオルガノシロキサンとしてそれぞれ使用した。
乾燥後に、生地とシリコーン層との間の付着を、DIN
53530により試験した。更に、ISO5981によ
るいわゆるこすり洗い試験を実施した。
【0021】以下の結果が得られた:
【0022】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシリコーン加工工程の実施のため
の装置を示す略図である。
【符号の説明】
1 生地、 2 ローラー、 3 湿潤ローラー、 4
水性エマルジョン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランク ライマン ドイツ連邦共和国 ヴィッリッヒ クレラ ート 18 (72)発明者 ヴェルナー ベルンレール ドイツ連邦共和国 エルレンバッハ ズデ ーテンシュトラーセ 2アー (72)発明者 フォルカー ジーヤック ドイツ連邦共和国 ドゥイスブルク ベル ンカステラー シュトラーセ 27 (72)発明者 ハンス アルベルト グレーフェ ドイツ連邦共和国 シュヴェルム ハウプ トシュトラーセ 172 (72)発明者 ハンス ウルリッヒ アイヒェルト ドイツ連邦共和国 ヴェルベルト デンク マールシュトラーセ 21

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オルガノシロキサンを含有する水性エマ
    ルジョンによる生地の被覆によって、合成繊維から、シ
    リコーンで被覆した工業用布を製造する方法において、
    製織法により得られた生地を、未加工状態で、オルガノ
    シロキサンを含有する水性エマルジョンで被覆すること
    を特徴とする、シリコーンで被覆した工業用布の製造
    法。
  2. 【請求項2】 製織法により得られた生地を、未加工状
    態で、オルガノシロキサンを含有する水性エマルジョン
    中に浸漬させる、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 被覆の量が、生地の総重量の多くとも1
    5%である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 シリコーン加工のために、少なくとも主
    として、110〜580dtexの全滴定を有する合成
    フィラメント・ヤーンから製造される生地を選択する、
    請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 シリコーン加工のために、少なくとも主
    として、110〜470dtexの全滴定を有する合成
    フィラメント・ヤーンから製造される生地を選択する、
    請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 シリコーン化のために、少なくとも主と
    して、個々のフィラメント滴定が2.2〜4.5dte
    xの間である合成フィラメント・ヤーンから製造される
    生地を選択する、請求項1から5までのいずれか1項に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 生地の被覆を実施する前に、水性エマル
    ジョンに、エマルジョンの全質量に対してカーボンブラ
    ック約1〜10Vol.%を混入する、請求項1から6まで
    のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 生地の被覆を実施する前に、水性エマル
    ジョンに、エマルジョンの全質量に対してカーボンブラ
    ック約2〜6Vol.%を混入する、請求項7に記載の方
    法。
JP11353218A 1998-12-11 1999-12-13 シリコ―ンで被覆した工業用布の製造法 Pending JP2000225666A (ja)

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DE (1) DE59911484D1 (ja)
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