JP2000223671A - 半導体集積回路装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体集積回路装置およびその製造方法

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JP2000223671A
JP2000223671A JP11024452A JP2445299A JP2000223671A JP 2000223671 A JP2000223671 A JP 2000223671A JP 11024452 A JP11024452 A JP 11024452A JP 2445299 A JP2445299 A JP 2445299A JP 2000223671 A JP2000223671 A JP 2000223671A
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integrated circuit
ruthenium
etching
forming
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Takashi Yunogami
隆 湯之上
Kazuo Nojiri
一男 野尻
Sukeyoshi Tsunekawa
助芳 恒川
Masahiko Hiratani
正彦 平谷
Yuichi Matsui
裕一 松井
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトレジスト膜のアッシングの際にルテニ
ウム膜が浸食あるいは消失を受けることを防止する。 【解決手段】 DRAMのメモリセルの下部電極51と
なるルテニウム膜55上に白金膜79を形成し、さらに
シリコン酸化膜71を形成する。その後、シリコン酸化
膜71上にフォトレジスト膜70をパターニングする。
フォトレジスト膜70をマスクとしてシリコン酸化膜7
1をエッチングし、シリコン酸化膜からなるハードマス
ク72を形成する。ルテニウム膜55上に白金膜79が
存在する状態でフォトレジスト膜70をアッシングによ
り除去する。その後、ハードマスク72をマスクとして
白金膜79およびルテニウム膜55をエッチングし、下
部電極51を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強(高)誘電体キ
ャパシタを有する半導体集積回路装置およびその製造方
法に関し、特に、キャパシタの下部電極を構成する導電
材料を高アスペクト比であるいは高異方性で形成するプ
ロセスに適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平10−98162号公報(湯之上
ら)には、Ptなどの薄膜をレジストマスクを用いたド
ライエッチングでパターニングする際、蒸気圧の低い反
応生成物をパターンの側面に残留させず、しかも高い寸
法精度で微細なパターンを形成することを目的として、
少なくとも下側半分の側面がほぼ垂直で、頭部の外周部
に順テーパまたは丸みを有する所定のパターンのフォト
レジストをマスクにして、薄膜パターンの側面にその下
端に達する順テーパが形成されるように、ドライエッチ
ングによりパターニングする技術が記載されている。
【0003】また、特開平8−153707号公報(渡
嘉敷)には、白金や導電性酸化物の微細パターンの形成
過程で、その表面に生じた炭素やハロゲン元素等の汚染
を除去し、かつ、電極表面状態を電極材料形成時と同等
あるいは極めて近い状態にすることを目的として、ルテ
ニウムまたはルテニウム酸化物等を含む電極を選択的に
ドライエッチングした後に、引き続き酸素、オゾン、水
蒸気または窒素酸化物ガスを用いて電極表面を処理する
技術が記載されている。
【0004】また、特開平9−266200号公報(中
川ら)は、強誘電体や白金の微細加工の容易な実現を目
的として、以下の製造技術を開示している。すなわち、
半導体基板およびデバイス絶縁膜上に下層白金膜、強誘
電体膜および上層白金膜の積層膜を形成し、さらに前記
積層膜厚の10分の1以下の膜厚のチタン膜を形成す
る。チタン膜をフォトレジスト膜を用いてパターニング
した後、このパターニングされたチタン膜を用いて前記
積層膜厚を酸素濃度40%の酸素および塩素の混合ガス
でエッチングする。その後チタン膜を塩素ガスでエッチ
ングし除去する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】1Gbit 以降の大容量
DRAM(Dynamic Random Access Memory)は、メモリセ
ルの微細化に伴う蓄積電荷量の減少を補う対策として、
情報蓄積容量素子(キャパシタ)の容量絶縁膜を比誘電
率が20程度であって非ペロブスカイト型構造を有する
Ta2 5 、比誘電率が100以上でABO3 型複酸化
物すなわちペロブスカイト型複酸化物であるBST
((Ba,Sr)TiO3 )等の高誘電体材料、さらに
は、PZT(PbZrX Ti1-X 3 ) 、PLT(Pb
LaX Ti1-X3 ) 、PLZT、PbTiO3 、Sr
TiO3 、BaTiO3 といったペロブスカイト構造等
の結晶構造を含む強誘電体で構成することが検討されて
いる。他方、不揮発性メモリの分野においても、前記し
た強誘電体材料の分極反転を記憶保持に利用した強誘電
体メモリの開発が進められている。
【0006】キャパシタの容量絶縁膜を前記のような強
誘電体材料で構成する場合、あるいは、不揮発性メモリ
の分極反転用膜に前記のような強誘電体材料を用いる場
合には、前記文献に記載されているように、強誘電体材
料膜を挟む電極用の導電膜をこれらの材料に対して親和
性の高い、例えば白金族元素(ルテニウム(Ru)、ロ
ジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(O
s)、イリジウム(Ir)、白金(Pt))を主構成材
料とする金属、あるいはそれらの酸化物で構成する必要
がある。
【0007】ところが、それら白金族金属またはその酸
化物は、一般に異方性良くエッチングすることが困難で
あり、また、エッチング残りによる短絡不良の発生が懸
念される。たとえばPtを使用してキャパシタを形成す
る場合の問題点として、基板上に堆積したPt薄膜をド
ライエッチングで加工する際に、蒸気圧の低い反応生成
物がパターンの側面に多量に付着し、これがキャパシタ
同士の短絡を引き起こす原因になる。このようなパター
ンの側面に付着する反応生成物の存在がパターンの異方
性を悪くする原因ともなる。
【0008】すなわち、本発明者らの検討によれば、1
GビットDRAMのキャパシタに高誘電体のBSTを容
量絶縁膜に用いた場合、下部電極のサイズとして0.13
μmの最小幅、0.45μmの高さが必要とされる。ま
た、下部電極間のスペースには0.13μmの間隔が要求
される。このような微細なパターンを実用に耐えるだけ
の信頼性とともに製造するには80度以上、好ましくは
85度以上のテーパ角が必要である。ここで、テーパ角
は、下部電極の側壁と下地材料表面とのなす角度をい
う。
【0009】図34は、テーパ角と微細パターン形状と
の関係を模式的に示した断面図である。図34(a)に
示すようにテーパ角が90度であることが理想である。
パターン底面の幅を0.13μm、パターン高さを0.45
μmと仮定すれば、テーパ角が80度の場合(図34
(f))では、パターン高さが実現できず、テーパ角が
82度(図34(e))となって初めてパターン高さが
確保できる。しかしこれではパターン上面の面積が確保
できず、テーパ角が85度の場合(図34(d))でパ
ターン上面の面積がある程度確保でき、テーパ角が87
度の場合(図34(c))でパターン上面の面積が十分
に確保できる。テーパ角が89度の場合(図34
(b))には、ほぼ理想状態となる。
【0010】一方、本発明者らは、窒化チタン膜等をマ
スクとしてルテニウム等の白金族金属あるいはそれらの
酸化物を塩素を含む酸素プラズマにおいてエッチングす
る技術について検討し、エッチングガスの大流量化およ
びオーバーエッチングを図ることにより、テーパ角が8
9度のほぼ理想的なエッチング断面形状を実現する未だ
公知にされていない技術を開発した。
【0011】ところが、エッチング直後においてはほぼ
理想的なエッチング断面形状であっても、マスクである
窒化チタン膜等を除去する処理の後に、そのマスク除去
処理によりエッチング形状が鈍るつまりテーパ角の鈍化
あるいはパターンの細りが発生するという問題がある。
また、マスク除去処理により下部電極である白金族金属
あるいはその酸化物の表面が粗面化し、容量絶縁膜の接
着性が低下するという問題がある。さらに、マスクであ
る窒化チタン膜の除去の際のエッチング処理により、柱
状下部電極の底部に隣接する下地絶縁膜の削れが生じ
る。このような削れの発生は、容量絶縁膜の段差被覆性
の困難性を高め、高信頼性の容量絶縁膜を形成する観点
からは好ましくない。
【0012】本発明の目的は、BST等の強誘電体膜に
適したルテニウムあるいは酸化ルテニウム等の微細なエ
ッチング加工を実現することにある。
【0013】また、本発明の目的は、窒化チタン膜等の
ハードマスクの除去工程に伴うパターンの細り、パター
ン上面の荒れの発生、下地絶縁膜の削れを防止し、高信
頼な容量絶縁膜の形成工程を提供することにある。
【0014】さらに本発明の目的は、蓄積容量形成工程
を簡略化することにある。
【0015】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に項に分けて説
明すれば、次のとおりである。
【0017】1.以下の構成を有する半導体集積回路装
置: (a)第1の主面を有する集積回路基体; (b)前記第1の主面上にその幅と同程度またはそれ以
下の間隔を置いて配置され、それぞれメモリセルの情報
蓄積容量素子を構成する第1の材料を主要な構成要素と
する複数の柱状下部電極; (c)前記複数の柱状下部電極の各々の上端部に設けら
れた第2の材料を主要な構成要素とする被膜; (d)前記複数の柱状下部電極の各々の側面および上面
に設けられたメモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁
膜を構成する高誘電体または強誘電体からなる誘電体
膜; (e)前記誘電体膜上に設けられたメモリセルの情報蓄
積容量素子を構成する単一または複数の上部電極;を有
し、前記第2の材料は、酸素を含むプラズマ雰囲気、酸
素ラジカルを含む雰囲気、またはオゾンを含む雰囲気に
おける前記第1の材料のエッチング速度に比較して小さ
なエッチング速度を有するものである。
【0018】2.項1記載の半導体集積回路装置であっ
て、前記第1の材料は、ルテニウム、イリジウムまたは
それらの酸化物から選択された何れかの材料であり、前
記第2の材料は、白金、二酸化ルテニウム、酸化タンタ
ル、酸化チタン、BST、シリコン酸化物、イリジウム
または二酸化イリジウムから選択された何れかの材料で
ある。
【0019】3.項2記載の半導体集積回路装置であっ
て、前記第1の材料はルテニウムであり、前記第2の材
料は白金である。
【0020】4.項3記載の半導体集積回路装置であっ
て、前記複数の柱状下部電極の各々はその幅が狭い方向
の断面形状が2以上のアスペクト比を有する。
【0021】5.以下の構成を有する半導体集積回路装
置: (a)第1の主面を有する集積回路基体; (b)前記第1の主面上にその幅と同程度またはそれ以
下の間隔を置いて配置され、それぞれメモリセルの情報
蓄積容量素子を構成する複数の柱状下部電極; (c)前記複数の柱状下部電極の各々の側面および上面
に設けられたメモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁
膜を構成する高誘電体または強誘電体からなる誘電体
膜; (d)前記誘電体膜上に設けられたメモリセルの情報蓄
積容量素子を構成する単一または複数の上部電極;を有
し、前記上部電極の少なくともその表面部を構成する材
料が、酸素を含むプラズマ雰囲気、酸素ラジカルを含む
雰囲気、またはオゾンを含む雰囲気におけるルテニウム
のエッチング速度に比較して小さなエッチング速度を有
する。
【0022】6.項5記載の半導体集積回路装置であっ
て、前記上部電極は、白金、イリジウムまたは二酸化イ
リジウムから選択された何れかの材料からなる。
【0023】7.項5記載の半導体集積回路装置であっ
て、前記上部電極は、ルテニウムからなる下層部と、窒
化チタン、シリコン酸化物、酸化タンタル、二酸化ルテ
ニウム、白金、酸化チタン、イリジウムまたは二酸化イ
リジウムから選択された何れかの材料からなる上層部と
を含む。
【0024】8.項7記載の半導体集積回路装置であっ
て、前記上部電極は、ルテニウムからなる下層部と、窒
化チタン、シリコン酸化物、酸化タンタルから選択され
た何れかの材料からなる上層部とを含む。
【0025】9.以下の構成を有する半導体集積回路装
置: (a)第1の主面を有する集積回路基体; (b)前記第1の主面上にその幅と同程度またはそれ以
下の間隔を置いて配置され、それぞれメモリセルの情報
蓄積容量素子を構成する第1の材料を主要な構成要素と
する複数の柱状下部電極; (c)前記複数の柱状下部電極の各々の上端部に設けら
れた第2の材料を主要な構成要素とする被膜; (d)前記複数の柱状下部電極の各々の側面および上面
に設けられたメモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁
膜を構成する高誘電体または強誘電体からなる誘電体
膜; (e)前記誘電体膜上に設けられたメモリセルの情報蓄
積容量素子を構成し、少なくともその表面が第3の材料
で構成された単一または複数の上部電極;を有し、前記
第2および第3の材料は、酸素を含むプラズマ雰囲気、
酸素ラジカルを含む雰囲気、またはオゾンを含む雰囲気
における前記第1の材料のエッチング速度に比較して小
さなエッチング速度を有する。
【0026】10.項9記載の半導体集積回路装置であ
って、前記第1の材料は、ルテニウム、イリジウムまた
はそれらの酸化物から選択された何れかの材料であり、
前記第2の材料は、白金、二酸化ルテニウム、酸化タン
タル、酸化チタン、BST、シリコン酸化物、イリジウ
ムまたは二酸化イリジウムから選択された何れかの材料
であり、前記第3の材料は、窒化チタン、シリコン酸化
物、酸化タンタル、二酸化ルテニウム、白金、酸化チタ
ン、イリジウムまたは二酸化イリジウムから選択された
何れかの材料である。
【0027】11.項10記載の半導体集積回路装置で
あって、前記第1の材料はルテニウムであり、前記第2
の材料は白金であり、前記第3の材料は窒化チタン、シ
リコン酸化物、酸化タンタルから選択された何れかの材
料である。
【0028】12.項11記載の半導体集積回路装置で
あって、前記複数の柱状下部電極の各々はその幅が狭い
方向の断面形状が2以上のアスペクト比を有する。
【0029】13.以下の工程を含む半導体集積回路装
置の製造方法: (a)集積回路ウェハの主面上にメモリセルの情報蓄積
容量素子の下部電極を構成すべき導電性の第1の被膜を
形成する工程; (b)前記第1の被膜上に、前記第1の被膜よりもフォ
トレジスト膜の除去工程におけるアッシング雰囲気での
エッチング速度が小さい第2の被膜を形成する工程; (c)前記第2の被膜上に無機質の第3の被膜を形成す
る工程; (d)前記第3の被膜上にフォトレジスト膜パターンを
形成する工程; (e)前記フォトレジスト膜パターンがある状態で前記
第3の被膜に対してドライエッチングを施し、前記第2
の被膜上に前記第3の被膜の無機膜パターンを形成する
工程; (f)前記フォトレジスト膜パターンをアッシングによ
り除去する工程; (g)前記無機膜パターンがある状態で、前記第1およ
び第2の被膜に対して、ドライエッチングを施すことに
よって、前記第1および第2の被膜をパターニングする
工程; (h)パターニングされた前記第1および第2の被膜表
面に前記メモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜を
構成すべき誘電体膜を形成する工程。
【0030】14.項13記載の半導体集積回路装置の
製造方法であって、前記第1の被膜はルテニウムからな
り、前記第2の被膜は白金、二酸化ルテニウム、酸化タ
ンタル、酸化チタン、BST、シリコン酸化物、イリジ
ウムまたは二酸化イリジウムから選択された何れかの材
料からなる。
【0031】15.項14記載の半導体集積回路装置の
製造方法であって、さらに、 (i)前記容量絶縁膜上に、単層または積層で構成さ
れ、少なくともその表面を構成する材料が、前記第1の
被膜よりもフォトレジスト膜の除去工程におけるアッシ
ング雰囲気でのエッチング速度が小さい材料で構成され
た導電性の第4の被膜を形成する工程; (j)前記第4の被膜上にフォトレジスト膜パターンを
形成する工程; (k)前記フォトレジスト膜パターンがある状態で前記
第4の被膜に対してドライエッチングを施し、前記第4
の被膜をパターニングする工程; (l)前記フォトレジスト膜パターンをアッシングによ
り除去する工程;を含む。
【0032】16.項15記載の半導体集積回路装置の
製造方法であって、前記第4の被膜は、ルテニウムから
なる下層と、窒化チタン、シリコン酸化膜または酸化タ
ンタルからなる上層との2層で形成される。
【0033】17.項14記載の半導体集積回路装置の
製造方法であって、さらに、 (i)前記容量絶縁膜上に、単層または積層で構成さ
れ、少なくともその表面を構成する材料が、前記第1の
被膜よりもフォトレジスト膜の除去工程におけるアッシ
ング雰囲気でのエッチング速度が小さい材料で構成され
た導電性の第4の被膜を形成する工程; (j)前記第4の被膜上に無機膜の第5の被膜を形成す
る工程; (k)前記第5の被膜上にフォトレジスト膜パターンを
形成する工程; (l)前記フォトレジスト膜パターンがある状態で前記
第5の被膜に対してドライエッチングを施し、前記第5
の被膜の無機膜パターンを形成する工程; (m)前記フォトレジスト膜パターンをアッシングによ
り除去する工程; (n)前記無機膜パターンがある状態で、前記第4の被
膜に対して、ドライエッチングを施すことによって、前
記第4の被膜をパターニングする工程;を含む。
【0034】18.項17記載の半導体集積回路装置の
製造方法であって、前記第4の被膜は、ルテニウムから
なる下層と、窒化チタンからなる上層との2層で形成さ
れ、前記第5の被膜は、シリコン酸化膜で構成される。
【0035】19.以下の工程を含む半導体集積回路装
置の製造方法: (a)集積回路ウェハの主面上にメモリセルの情報蓄積
容量素子の下部電極を構成すべき導電性の第1の被膜を
形成する工程; (b)前記第1の被膜上に無機質の第3の被膜を形成す
る工程; (c)前記第3の被膜上にフォトレジスト膜パターンを
形成する工程; (d)前記フォトレジスト膜パターンがある状態で前記
第3の被膜に対してドライエッチングを施す工程; (e)前記フォトレジスト膜パターンをアッシングによ
り除去する工程; (f)前記第3の被膜がある状態で、前記第1の被膜に
対して、ドライエッチングを施すことによって、前記第
1の被膜をパターニングする工程; (g)パターニングされた前記第1の被膜表面に前記メ
モリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜を構成すべき
誘電体膜を形成する工程;を有し、前記(d)工程にお
けるドライエッチングは、前記第3の被膜の底面に達す
るまで行われることなく、前記第3の被膜に凹凸を形成
するものであり、前記ドライエッチングの後には前記第
3の被膜の凹部においても前記第3の被膜が残存してい
る。
【0036】20.以下の工程を含む半導体集積回路装
置の製造方法: (a)集積回路ウェハの主面上にメモリセルの情報蓄積
容量素子の下部電極を構成すべき導電性の第1の被膜を
形成する工程; (b)前記第1の被膜上に無機質の第3の被膜を形成す
る工程; (c)前記第3の被膜上にフォトレジスト膜パターンを
形成する工程; (d)前記フォトレジスト膜パターンがある状態で前記
第3の被膜に対してドライエッチングを施し、前記第1
の被膜上に前記第3の被膜の無機膜パターンを形成する
工程; (e)前記フォトレジスト膜パターンを除去する工程; (f)前記無機膜パターンがある状態で、前記第1の被
膜に対して、ドライエッチングを施すことによって、前
記第1の被膜をパターニングする工程; (g)パターニングされた前記第1の被膜表面に前記メ
モリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜を構成すべき
誘電体膜を形成する工程;を有し、前記(e)工程にお
ける前記フォトレジスト膜パターンの除去は、ピーリン
グ法またはウェットエッチング法により行われる。
【0037】また、本願の他の発明の概要を項に分けて
記載し、以下に示す。すなわち、 1.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法: (a)集積回路ウェハの主面上にメモリセルの情報蓄積
容量素子の下部電極を構成すべき第1の導電膜を形成す
る工程; (b)前記第1の導電膜上に高誘電体または強誘電体膜
からなる第1の誘電体膜パターンを形成する工程; (c)前記第1の誘電体膜パターンがある状態で、前記
第1の導電膜に対して、ドライエッチングを施すことに
よって、前記第1の導電膜をパターニングする工程; (d)パターニングされた前記第1の導電膜および前記
第1の誘電体膜パターン表面に前記メモリセルの情報蓄
積容量素子の容量絶縁膜を構成すべき高誘電体または強
誘電体膜からなる第2の誘電体膜を形成する工程; (e)前記第2の誘電体膜上に前記メモリセルの情報蓄
積容量素子の上部電極を構成すべき第2の導電膜を形成
する工程。
【0038】2.前記項1において、前記(c)工程で
はフォトレジストパターンは使用しないことを特徴とす
る半導体集積回路装置の製造方法。
【0039】3.前記項2において、前記第1の誘電体
膜と前記第2の誘電体膜は、実質的に同一の分子構造を
有する物質からなることを特徴とする半導体集積回路装
置の製造方法。
【0040】4.前記項3において、前記第1の導電膜
は白金族元素またはその酸化物からなることを特徴とす
る半導体集積回路装置の製造方法。
【0041】5.以下の工程を含む半導体集積回路装置
の製造方法: (a)集積回路ウェハの主面上にメモリセルの情報蓄積
容量素子の下部電極を構成すべき白金族またはその酸化
物からなる第1の導電膜を形成する工程; (b)前記第1の導電膜上に第1の無機膜パターンを形
成する工程; (c)前記第1の無機膜パターンがある状態で、前記第
1の導電膜に対して、ドライエッチングを施すことによ
って、前記第1の導電膜をパターニングする工程; (d)パターニングされた前記第1の導電膜および前記
第1の無機膜パターン表面に前記メモリセルの情報蓄積
容量素子の容量絶縁膜を構成すべき第2の誘電体膜を形
成する工程; (e)前記第2の誘電体膜上に前記メモリセルの情報蓄
積容量素子の上部電極を構成すべき第2の導電膜を形成
する工程。
【0042】6.前記項5において、前記(c)工程で
はフォトレジストパターンは使用しないことを特徴とす
る半導体集積回路装置の製造方法。
【0043】7.前記項6において、前記第1の無機膜
パターンはシリコン酸化膜からなることを特徴とする半
導体集積回路装置の製造方法。
【0044】8.前記項6において、前記第1の無機膜
パターンは金属と窒素を含む化合物からなることを特徴
とする半導体集積回路装置の製造方法。
【0045】9.以下の工程を含む半導体集積回路装置
の製造方法: (a)集積回路ウェハの主面上にメモリセルの情報蓄積
容量素子の下部電極を構成すべきルテニウム、イリジウ
ムまたはそれらの酸化物からなる第1の導電膜を形成す
る工程; (b)前記第1の導電膜上に第1の白金膜パターンを形
成する工程; (c)前記第1の白金膜パターンがある状態で、前記第
1の導電膜に対して、ドライエッチングを施すことによ
って、前記第1の導電膜をパターニングする工程; (d)パターニングされた前記第1の導電膜および前記
第1の白金膜パターン表面に前記メモリセルの情報蓄積
容量素子の容量絶縁膜を構成すべき高誘電体または強誘
電体膜からなる第1の誘電体膜を形成する工程; (e)前記第1の誘電体膜上に前記メモリセルの情報蓄
積容量素子の上部電極を構成すべき第2の導電膜を形成
する工程。
【0046】10.前記項9において、前記(c)工程
ではフォトレジストパターンは使用しないことを特徴と
する半導体集積回路装置の製造方法。
【0047】11.前記項10において、前記第1の導
電膜は、ルテニウムまたはその酸化物からなることを特
徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
【0048】12.前記項10において、前記第1の導
電膜は、イリジウムまたはその酸化物からなることを特
徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
【0049】13.以下の構成を有する半導体集積回路
装置: (a)第1の主面を有する集積回路基体; (b)前記第1の主面上にその幅と同程度またはそれ以
下の間隔を置いて配置され、それぞれメモリセルの情報
蓄積容量素子を構成する複数の柱状下部電極; (c)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られたメモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜を構
成する高誘電体または強誘電体膜からなる第1の誘電体
膜; (d)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られた前記第1の誘電体膜上に設けられたメモリセルの
情報蓄積容量素子を構成する単一または複数の上部電
極;を有し、前記複数の柱状下部電極の各々は、その上
面の面積がその底面の面積の25%以下となるように、
その側面がテーパを有している。
【0050】14.前記項13において、前記複数の柱
状下部電極の少なくとも一部は、その幅が狭い方向の断
面がほぼ三角形の形状を有することを特徴とする半導体
集積回路装置。
【0051】15.前記項14において、前記複数の柱
状下部電極の各々はその幅が狭い方向の断面形状が2以
上のアスペクト比を有することを特徴とする半導体集積
回路装置。
【0052】16.前記項14において、前記複数の柱
状下部電極の各々はその幅が狭い方向の断面形状が3以
上のアスペクト比を有することを特徴とする半導体集積
回路装置。
【0053】17.以下の構成を有する半導体集積回路
装置: (a)第1の主面を有する集積回路基体; (b)前記第1の主面上にその幅と同程度またはそれ以
下の間隔を置いて配置され、それぞれメモリセルの情報
蓄積容量素子を構成する複数の柱状下部電極; (c)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られたメモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜を構
成する高誘電体または強誘電体膜からなる第1の誘電体
膜; (d)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られた前記第1の誘電体膜上に設けられたメモリセルの
情報蓄積容量素子を構成する単一または複数の上部電
極;を有し、前記複数の柱状下部電極の各々の上面に対
応する部分の対応するメモリセルの情報蓄積容量素子に
対する容量の寄与は3%以下である。
【0054】18.前記項17において、前記複数の柱
状下部電極の少なくとも一部はその幅が狭い方向の断面
がほぼ三角形の形状を有することを特徴とする半導体集
積回路装置。
【0055】19.前記項18において、前記複数の柱
状下部電極の各々はその幅が狭い方向の断面形状が2以
上のアスペクト比を有することを特徴とする半導体集積
回路装置。
【0056】20.前記項18において、前記複数の柱
状下部電極の各々はその幅が狭い方向の断面形状が3以
上のアスペクト比を有することを特徴とする半導体集積
回路装置。
【0057】21.以下の構成を有する半導体集積回路
装置: (a)第1の主面を有する集積回路基体; (b)前記第1の主面上にその幅と同程度またはそれ以
下の間隔を置いて配置され、それぞれメモリセルの情報
蓄積容量素子を構成する複数の柱状下部電極; (c)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られたメモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜を構
成する高誘電体または強誘電体膜からなる第1の誘電体
膜; (d)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られた前記第1の誘電体膜上に設けられたメモリセルの
情報蓄積容量素子を構成する単一または複数の上部電
極;を有し、前記複数の柱状下部電極の各々はその最大
の容積を占める下部電極主要部とその上面を覆うように
配置された材質の異なる下部電極上端部を含み、この下
部電極上端部の頭部両端部には前記下部電極主要部の頭
部両端部の断面形状と比較して大きな面取り形状を有し
ている。
【0058】22.前記項21において、前記複数の柱
状下部電極の各々の下部電極上端部は台形状の断面を有
することを特徴とする半導体集積回路装置。
【0059】23.前記項21において、前記複数の柱
状下部電極の各々の下部電極上端部は三角形状の断面を
有することを特徴とする半導体集積回路装置。
【0060】24.前記項21において、前記複数の柱
状下部電極の各々の下部電極上端部は頭部側面が厚さ方
向に半分以上切り取られた長方形状の断面を有すること
を特徴とする半導体集積回路装置。
【0061】25.前記項21において、前記複数の柱
状下部電極の各々の下部電極上端部は頭部側面が厚さ方
向に半分以上に渡って丸みを帯びさせた断面形状を有す
ることを特徴とする半導体集積回路装置。
【0062】26.以下の構成を有する半導体集積回路
装置: (a)第1の主面を有する集積回路基体; (b)前記第1の主面上にその幅と同程度またはそれ以
下の間隔を置いて配置され、それぞれメモリセルの情報
蓄積容量素子を構成するルテニウムまたはその酸化物を
主要な構成要素とする複数の柱状下部電極; (c)前記複数の柱状下部電極の各々の上端部に設けら
れた白金からなる導電膜; (d)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られたメモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜を構
成する高誘電体または強誘電体膜からなる第1の誘電体
膜; (e)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られた前記第1の誘電体膜上に設けられたメモリセルの
情報蓄積容量素子を構成する単一または複数の上部電
極。
【0063】27.前記項26において、前記複数の柱
状下部電極の各々の厚さはその上に形成された前記導電
膜よりも厚いことを特徴とする半導体集積回路装置。
【0064】28.前記項27において、前記複数の柱
状下部電極の各々の厚さはその上に形成された前記導電
膜よりも2倍以上厚いことを特徴とする半導体集積回路
装置。
【0065】29.以下の構成を有する半導体集積回路
装置: (a)第1の主面を有する集積回路基体; (b)前記第1の主面上にその幅と同程度またはそれ以
下の間隔を置いて配置され、それぞれダイナミックRA
Mのメモリセルの情報蓄積容量素子を構成するイリジウ
ムまたはその酸化物を主要な構成要素とする複数の柱状
下部電極; (c)前記複数の柱状下部電極の各々の上端部に設けら
れた白金からなる導電膜; (d)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られたメモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜を構
成する高誘電体または強誘電体膜からなる第1の誘電体
膜; (e)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られた前記第1の誘電体膜上に設けられたメモリセルの
情報蓄積容量素子を構成する単一または複数の上部電
極。
【0066】30.前記項29において、前記複数の柱
状下部電極の各々の厚さはその上に形成された前記導電
膜よりも厚いことを特徴とする半導体集積回路装置。
【0067】31.前記項30において、前記複数の柱
状下部電極の各々の厚さはその上に形成された前記導電
膜よりも2倍以上厚いことを特徴とする半導体集積回路
装置。
【0068】32.以下の構成を有する半導体集積回路
装置: (a)第1の主面を有する集積回路基体; (b)前記第1の主面上に設けられた第1の膜パター
ン; (c)前記第1の膜パターン上に設けられた白金族元素
またはその酸化物からなる第2の膜パターン; (d)前記第2の膜パターンをドライエッチングにより
パターニングする際に、その側面に付着した側壁付着
膜; (e)前記側壁付着膜および前記第2の膜パターンを覆
うように、前記第1の膜パターン上に直接または間接に
形成された絶縁膜。
【0069】33.以下の工程を含む半導体集積回路装
置の製造方法: (a)集積回路ウェハの主面上に第1の膜を形成する工
程; (b)前記第1の膜上に無機部材からなる第2の膜を形
成する工程; (c)前記第2の膜上にフォトレジスト膜を形成する工
程; (d)前記フォトレジスト膜をパターニングする工程; (e)パターニングされた前記フォトレジスト膜がある
状態で、前記第2の膜に対してドライエッチング処理を
施すことによって、前記第2の膜をパターニングすると
ともに、そのパターニングの側面に側壁付着膜を形成す
る工程; (f)パターニングされ、側壁付着膜を有する前記第2
の膜のある状態で、前記第1の膜に対して、ドライエッ
チング処理を施すことによって、前記第1の膜をパター
ニングする工程。
【0070】さらに、本願のその他の発明の概要を項に
分けて記載し、以下に示す。すなわち、 1.(a)集積回路ウェハの主面上にメモリセルの情報
蓄積容量素子の下部電極を構成すべき白金族またはその
酸化物からなる第1の導電膜を形成する工程; (b)前記第1の導電膜上に第1の無機膜パターンを形
成する工程; (c)前記第1の無機膜パターンがある状態で、前記第
1の導電膜に対して、ドライエッチングを施すことによ
って、前記第1の導電膜をパターニングする工程; (d)パターニングされた前記第1の導電膜および前記
第1の無機膜パターン表面に前記メモリセルの情報蓄積
容量素子の容量絶縁膜を構成すべき第2の誘電体膜を形
成する工程; (e)前記第2の誘電体膜上に前記メモリセルの情報蓄
積容量素子の上部電極を構成すべき第2の導電膜を形成
する工程;を有し、前記第1の無機膜パターンはシリコ
ン窒化膜、白金膜、ルテニウム膜、BST膜、PZT
膜、またはこれらとシリコン酸化膜との積層膜、の何れ
かからなることを特徴とする半導体集積回路装置の製造
方法。
【0071】2.(a)第1の主面を有する集積回路基
体; (b)前記第1の主面上にその幅と同程度またはそれ以
下の間隔を置いて配置され、それぞれメモリセルの情報
蓄積容量素子を構成する複数の柱状下部電極; (c)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られたメモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜を構
成する高誘電体または強誘電体膜からなる第1の誘電体
膜; (d)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られた前記第1の誘電体膜上に設けられたメモリセルの
情報蓄積容量素子を構成する単一または複数の上部電
極;を有し、前記複数の柱状下部電極の各々は、その上
面と前記第1の誘電体膜との間に第2の誘電体膜が形成
され、前記第1の誘電体膜が接する前記柱状下部電極の
第1の面積S1と、前記第2の誘電体膜が接する前記柱
状下部電極の第2の面積S2とは、S1/(S1+S
2)>85%、の関係を有する半導体集積回路装置。
【0072】3.前記項2において、前記第1の誘電体
膜の誘電率は前記第2の誘電体膜の誘電率以上であるこ
とを特徴とする半導体集積回路装置。
【0073】4.(a)集積回路ウェハの主面上にメモ
リセルの情報蓄積容量素子の下部電極を構成すべき白金
族またはその酸化物からなる第1の導電膜を形成する工
程; (b)前記第1の導電膜上に第1の導電膜よりも膜厚の
薄い第2の導電膜を形成する工程; (c)前記第2の導電膜上に第1の無機膜パターンを形
成する工程; (d)前記第1の無機膜パターンがある状態で、前記第
1および第2の導電膜に対して、ドライエッチングを施
すことによって、前記第1および第2の導電膜をパター
ニングする工程; (e)パターニングされた前記第1および第2の導電膜
表面に前記メモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜
を構成すべき第2の誘電体膜を形成する工程; (f)前記第2の誘電体膜上に前記メモリセルの情報蓄
積容量素子の上部電極を構成すべき第2の導電膜を形成
する工程;を有し、前記(d)工程の完了時またはオー
バーエッチングの期間中に前記第1の無機膜パターンが
エッチングされ、消失することを特徴とする半導体集積
回路装置の製造方法。
【0074】5.前記項4において、前記第1の導電膜
の膜厚は、前記第2の導電膜の膜厚の10倍以上である
ことを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
【0075】6.前記項5において、前記第1の導電膜
はルテニウム、イリジウムまたはそれらの酸化物からな
り、前記第2の導電膜は白金からなることを特徴とする
半導体集積回路装置の製造方法。
【0076】7.前記項6において、前記第1の無機膜
パターンは、シリコン酸化膜からなることを特徴とする
半導体集積回路装置の製造方法。
【0077】8.(a)第1の主面を有する集積回路基
体; (b)前記第1の主面上にその幅と同程度またはそれ以
下の間隔を置いて配置され、それぞれメモリセルの情報
蓄積容量素子を構成するルテニウム、イリジウムまたは
それらの酸化物を主要な構成要素とする複数の柱状下部
電極; (c)前記複数の柱状下部電極の各々の上端部に設けら
れた白金からなる導電膜; (d)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られたメモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜を構
成する高誘電体または強誘電体膜からなる第1の誘電体
膜; (e)前記柱状下部電極の各々の側面および上面に設け
られた前記第1の誘電体膜上に設けられたメモリセルの
情報蓄積容量素子を構成する単一または複数の上部電
極;を有し、前記複数の柱状下部電極の各々の厚さはそ
の上に形成された前記導電膜よりも10倍以上厚いこと
を特徴とする半導体集積回路装置。
【0078】9.(a)集積回路ウェハの主面上にメモ
リセルの情報蓄積容量素子の下部電極を構成すべき白金
族またはその酸化物からなる第1の導電膜を形成する工
程; (b)前記第1の導電膜上に第1の導電膜よりも膜厚の
薄い第2の導電膜を形成する工程; (c)前記第2の導電膜上に誘電体膜を形成する工程; (d)前記誘電体膜上に前記メモリセルの情報蓄積容量
素子の上部電極を構成すべき白金族またはその酸化物か
らなる第3の導電膜を形成する工程; (e)前記第3の導電膜上に第3の導電膜よりも膜厚の
薄い第4の導電膜を形成する工程; (f)前記第4の導電膜をパターニングし、前記第4の
導電膜のパターンが存在する状態で前記第3の導電膜の
導電膜をパターニングする工程; (g)前記第2の導電膜をパターニングし、前記第2の
導電膜のパターンが存在する状態で前記第1の導電膜の
導電膜をパターニングする工程;を有することを特徴と
する半導体集積回路装置の製造方法。
【0079】10.前記項9において、前記第1および
第3の導電膜はルテニウム、イリジウムまたはそれらの
酸化物であり、前記第2および第4の導電膜は白金であ
ることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
【0080】11.前記項10において、前記第2およ
び第4の導電膜は残存することを特徴とする半導体集積
回路装置の製造方法。
【0081】
【発明の実施の形態】以下の実施の形態では特に必要な
とき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰
り返さない。
【0082】さらに、以下の実施の形態では便宜上その
必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態
に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それ
らはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部
または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0083】また、本願で半導体集積回路装置というと
きは、シリコンウェハ上に作られるものだけでなく、特
にそうでない旨明示された場合を除き、TFT液晶等の
他の基板上に作られるもの等も含むものとする。また、
本願でウェハの主面または主面上という場合は、状況に
より基板の主面それ自体または基板上に単層または多層
の薄膜が形成された上面をいう。
【0084】また、以下の実施の形態において、要素の
数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場
合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数
に限定される場合等を除き、その数に限定されるもので
はなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0085】更に、以下の実施の形態において、その構
成要素(要素ステップ等を含む)は、特に明示した場合
および原理的に明らかに必須であると考えられる場合を
除き、必ずしも必須のものではないことはいうまでもな
い。
【0086】同様に、以下の実施の形態において、構成
要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示
した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられ
る場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似
するもの等を含むものとする。このことは前記数値、範
囲等についても同様である。
【0087】以下、本発明の実施の形態を図面に基づい
て詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための
全図において同一機能を有するものは同一の符号を付
し、その繰り返しの説明は省略する。
【0088】(実施の形態1)図1は、実施の形態1の
DRAMを形成した半導体チップの全体平面図である。
図示のように、単結晶シリコンからなる半導体チップ1
Aの主面には、X方向(半導体チップ1Aの長辺方向)
およびY方向(半導体チップ1Aの短辺方向)に沿って
多数のメモリアレイMARYがマトリクス状に配置され
ている。X方向に沿って互いに隣接するメモリアレイM
ARYの間にはセンスアンプSAが配置されている。半
導体チップ1Aの主面の中央部には、ワードドライバW
D、データ線選択回路などの制御回路や、入出力回路、
ボンディングパッドなどが配置されている。
【0089】図2は、実施の形態2のDRAMの等価回
路図である。図示のように、このDRAMのメモリアレ
イ(MARY)は、マトリクス状に配置された複数のワ
ード線WL(WL0 、WL1 、WLn …)と複数のビッ
ト線BLおよびそれらの交点に配置された複数のメモリ
セル(MC)により構成されている。1ビットの情報を
記憶する1個のメモリセルは、1個の情報蓄積容量素子
Cとこれに直列に接続された1個のメモリセル選択用M
ISFETQsとで構成されている。メモリセル選択用
MISFETQsのソース、ドレインの一方は、情報蓄
積容量素子Cと電気的に接続され、他方はビット線BL
と電気的に接続されている。ワード線WLの一端は、ワ
ードドライバWDに接続され、ビット線BLの一端は、
センスアンプSAに接続されている。
【0090】次に、本実施の形態のDRAMの製造方法
を図面を用いて工程順に説明する。図3〜図12および
図15は、実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を
工程順に示した断面図である。
【0091】まず、図3に示すように、素子分離領域お
よび不純物が導入されたウェル領域を形成する。
【0092】p型で比抵抗が10Ωcm程度の単結晶シリ
コンからなる集積回路基体1(集積回路ウェハ)を用意
し、たとえば850℃程度でウェット酸化して形成した
膜厚10nm程度の薄いシリコン酸化膜(図示せず)およ
びたとえばCVD(ChemicalVapor Deposition )法で
形成した膜厚140nm程度のシリコン窒化膜(図示せ
ず)を集積回路基体1上に堆積する。なお、本願で集積
回路ウェハと言うときは、半導体集積回路装置製造用の
ウェハまたは半導体ウェハであって、SOS、SOI、
単結晶シリコン基板、TFT等の絶縁基板を含む。ま
た、言うまでもないが、未加工のウェハだけでなく、ウ
ェハ工程途中の絶縁膜や導電膜が形成されたものも含ま
れる。また、本願で集積回路基体というときは、言うま
でもないことであるが、未加工のウェハやダイシング工
程が完了した半導体単結晶片だけでなく、ウェハ工程途
中のものも含まれる。一般に半導体チップはペレットを
指し、場合により半導体集積回路装置用ウェハまたは半
導体ウェハであって、SOS、SOI、単結晶シリコン
基板、TFT等の絶縁基板を含む。
【0093】次に、フォトレジスト膜(図示せず)をマ
スクにして、溝5が形成される領域の前記シリコン窒化
膜およびシリコン酸化膜をパターニングし、このシリコ
ン窒化膜をマスクとして集積回路基体1をドライエッチ
ングすることにより、素子分離領域の集積回路基体1に
深さ300〜400nm程度の溝5を形成する。
【0094】次に、前記フォトレジスト膜を除去した
後、前記のエッチングによって溝5の内壁に生じたダメ
ージ層を除去するために、たとえば850〜900℃程
度のウェット酸化による薄い(膜厚10nm程度の)シリ
コン酸化膜6を溝5の内壁に形成し、たとえばオゾン
(O3 )とテトラエトキシシラン(TEOS)とをソー
スガスに用いたプラズマCVD法で堆積されたシリコン
酸化膜(図示せず)を300〜400nm程度の膜厚で堆
積する。このシリコン酸化膜は、1000℃程度でドラ
イ酸化によりシンタリング(焼き締め)を行なってもよ
い。
【0095】次に、このシリコン酸化膜をCMP法によ
り研磨して溝5以外の領域のシリコン酸化膜を除去し、
溝5の内部にシリコン酸化膜7を残して素子分離領域を
形成する。なお、このCMP法による研磨の前に、溝5
の領域にシリコン窒化膜を形成して、溝5領域のシリコ
ン酸化膜が過剰に深く研磨されるディッシングを防止す
ることができる。
【0096】次に、集積回路基体1の表面に残存してい
るシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜をたとえば熱リ
ン酸を用いたウェットエッチングで除去した後、メモリ
セルを形成する領域(メモリアレイ)の集積回路基体1
にn型不純物、たとえばP(リン)をイオン打ち込みし
てn型半導体領域10を形成し、メモリアレイと周辺回
路の一部(nチャネル型MISFETを形成する領域)
にp型不純物、たとえばB(ホウ素)をイオン打ち込み
してp型ウエル11を形成し、周辺回路の他の一部(p
チャネル型MISFETを形成する領域)にn型不純
物、たとえばP(リン)をイオン打ち込みしてn型ウエ
ル12を形成する。また、このイオン打ち込みに続い
て、MISFETのしきい値電圧を調整するための不純
物、たとえばBF2 (フッ化ホウ素)をp型ウエル11
およびn型ウエル12にイオン打ち込みする。n型半導
体領域10は、入出力回路などから集積回路基体1を通
じてメモリアレイのp型ウエル11にノイズが侵入する
のを防止するために形成される。
【0097】次に、集積回路基体1の表面をたとえばH
F(フッ酸)系の洗浄液を使って洗浄した後、集積回路
基体1を850℃程度でウェット酸化してp型ウエル1
1およびn型ウエル12の各表面に膜厚7nm程度の清浄
なゲート酸化膜13を形成する。特に限定はされない
が、前記ゲート酸化膜13を形成した後、集積回路基体
1をNO(酸化窒素)雰囲気中またはN2 O(亜酸化窒
素)雰囲気中で熱処理することによって、ゲート酸化膜
13と集積回路基体1との界面に窒素を偏析させてもよ
い(酸窒化処理)。
【0098】次に、図4に示すように、ゲート酸化膜1
3の上部にゲート電極14A、14B、14Cを形成す
る。ゲート電極14Aは、メモリセル選択用MISFE
Tの一部を構成し、活性領域以外の領域ではワード線W
Lとして使用される。このゲート電極14A(ワード線
WL)の幅、すなわちゲート長は、メモリセル選択用M
ISFETの短チャネル効果を抑制して、しきい値電圧
を一定値以上に確保できる許容範囲内の寸法で構成さ
れ、隣接するゲート電極14A(ワード線WL)同士の
間隔は、フォトリソグラフィの解像限界で決まる寸法で
構成できる。ゲート電極14Bおよびゲート電極14C
は、周辺回路のnチャネル型MISFETおよびpチャ
ネル型MISFETの各一部を構成する。
【0099】ゲート電極14A(ワード線WL)および
ゲート電極14B、14Cは、たとえばP(リン)など
のn型不純物がドープされた膜厚70nm程度の多結晶シ
リコン膜を集積回路基体1上にCVD法で堆積し、次い
でその上部に膜厚50nm程度のWN(タングステンナイ
トライド)膜と膜厚100nm程度のW膜とをスパッタリ
ング法で堆積し、さらにその上部に膜厚150nm程度の
シリコン窒化膜15をCVD法で堆積した後、フォトレ
ジスト膜16をマスクにしてこれらの膜をパターニング
することにより形成する。WN膜は、高温熱処理時にW
膜と多結晶シリコン膜とが反応して両者の界面に高抵抗
のシリサイド層が形成されるのを防止するバリア層とし
て機能する。バリア層は、WN膜の他、TiN(チタン
ナイトライド)膜などを使用することもできる。
【0100】次に、フォトレジスト膜16を除去した
後、図5に示すように、n型ウエル12にp型不純物、
たとえばB(ホウ素)をイオン打ち込みしてゲート電極
14Cの両側のn型ウエル12にp- 型半導体領域17
を形成する。また、p型ウエル11にn型不純物、たと
えばP(リン)をイオン打ち込みしてゲート電極14B
の両側のp型ウエル11にn- 型半導体領域18を形成
し、ゲート電極14Aの両側のp型ウエル11にn型半
導体領域19を形成する。これにより、メモリアレイに
メモリセル選択用MISFETQsが形成される。
【0101】次に、集積回路基体1上にCVD法で膜厚
50〜100nm程度のシリコン窒化膜20を堆積した
後、メモリアレイのシリコン窒化膜20をフォトレジス
ト膜21で覆い、周辺回路のシリコン窒化膜20を異方
性エッチングすることにより、ゲート電極14B、14
Cの側壁にサイドウォールスペーサ20aを形成する。
このエッチングは、ゲート酸化膜13や素子分離溝5に
埋め込まれたシリコン酸化膜7の削れ量を最少とするた
めに、シリコン酸化膜に対するシリコン窒化膜20のエ
ッチングレートが大きくなるようなエッチングガスを使
用して行う。また、ゲート電極14B、14C上のシリ
コン窒化膜15の削れ量を最少とするために、オーバー
エッチング量を必要最小限にとどめるようにする。
【0102】次に、フォトレジスト膜21を除去した
後、周辺回路領域のn型ウエル12にp型不純物、たと
えばB(ホウ素)をイオン打ち込みしてpチャネル型M
ISFETのp+ 型半導体領域22(ソース、ドレイ
ン)を形成し、周辺回路領域のp型ウエル11にn型不
純物、たとえばAs(ヒ素)をイオン打ち込みしてnチ
ャネル型MISFETのn+ 型半導体領域23(ソー
ス、ドレイン)を形成する。これにより、周辺回路領域
にLDD(Lightly Doped Drain) 構造を備えたpチャネ
ル型MISFETQpおよびnチャネル型MISFET
Qnが形成される。
【0103】次に、図6に示すように、集積回路基体1
上に膜厚300nm程度のSOG(Spin On Glass )膜2
4をスピン塗布した後、集積回路基体1を800℃、1
分程度熱処理してSOG膜24をシンタリング(焼き締
め)する。また、SOG膜24の上部に膜厚600nm程
度のシリコン酸化膜25を堆積した後、このシリコン酸
化膜25をCMP法で研磨してその表面を平坦化する。
さらに、シリコン酸化膜25の上部に膜厚100nm程度
のシリコン酸化膜26を堆積する。このシリコン酸化膜
26は、CMP法で研磨されたときに生じた前記シリコ
ン酸化膜25の表面の微細な傷を補修するために堆積す
る。シリコン酸化膜25、26は、たとえばオゾン(O
3 )とテトラエトキシシラン(TEOS)とをソースガ
スに用いたプラズマCVD法で堆積する。シリコン酸化
膜26に代えてPSG(Phospho Silicate Glass)膜など
を堆積してもよい。
【0104】次に、フォトレジスト膜をマスクにしたド
ライエッチングでメモリセル選択用MISFETQsの
n型半導体領域19(ソース、ドレイン)の上部のシリ
コン酸化膜26、25およびSOG膜24を除去する。
このエッチングは、シリコン窒化膜20に対するシリコ
ン酸化膜26、25およびSOG膜24のエッチングレ
ートが大きくなるような条件で行い、n型半導体領域1
9や素子分離溝5の上部を覆っているシリコン窒化膜2
0が完全には除去されないようにする。続いて、前記フ
ォトレジスト膜をマスクにしたドライエッチングでメモ
リセル選択用MISFETQsのn型半導体領域19
(ソース、ドレイン)の上部のシリコン窒化膜20とゲ
ート酸化膜13とを除去することにより、n型半導体領
域19(ソース、ドレイン)の一方の上部にコンタクト
ホール28を形成し、他方の上部にコンタクトホール2
9を形成する。このエッチングは、シリコン酸化膜(ゲ
ート酸化膜13および素子分離溝5内のシリコン酸化膜
7)に対するシリコン窒化膜15のエッチングレートが
大きくなるような条件で行い、n型半導体領域19や素
子分離溝5が深く削れないようにする。また、このエッ
チングは、シリコン窒化膜20が異方的にエッチングさ
れるような条件で行い、ゲート電極14A(ワード線W
L)の側壁にシリコン窒化膜20が残るようにする。こ
れにより、フォトリソグラフィの解像限界以下の微細な
径を有するコンタクトホール28、29がゲート電極1
4A(ワード線WL)に対して自己整合で形成される。
コンタクトホール28、29をゲート電極14A(ワー
ド線WL)に対して自己整合で形成するには、あらかじ
めシリコン窒化膜20を異方性エッチングしてゲート電
極14A(ワード線WL)の側壁にサイドウォールスペ
ーサを形成しておいてもよい。
【0105】次に、フォトレジスト膜を除去し、フッ酸
+フッ化アンモニウム混液などのエッチング液を使っ
て、コンタクトホール28、29の底部に露出した基板
表面のドライエッチング残渣やフォトレジスト残渣など
を除去した後、コンタクトホール28、29の内部にプ
ラグ30を形成する。プラグ30は、シリコン酸化膜2
6の上部にn型不純物(たとえばP(リン))をドープ
した多結晶シリコン膜をCVD法で堆積した後、この多
結晶シリコン膜をCMP法で研磨してコンタクトホール
28、29の内部に残すことにより形成する。
【0106】次に、図7に示すように、シリコン酸化膜
26の上部に膜厚200nm程度のシリコン酸化膜31を
堆積した後、集積回路基体1を800℃程度で熱処理す
る。シリコン酸化膜31は、たとえばオゾン(O3 )と
テトラエトキシシラン(TEOS)とをソースガスに用
いたプラズマCVD法で堆積する。この熱処理によっ
て、プラグ30を構成する多結晶シリコン膜中のn型不
純物がコンタクトホール28、29の底部からメモリセ
ル選択用MISFETQsのn型半導体領域19(ソー
ス、ドレイン)に拡散し、n型半導体領域19が低抵抗
化される。
【0107】次に、フォトレジスト膜をマスクにしたド
ライエッチングで前記コンタクトホール28の上部のシ
リコン酸化膜31を除去してプラグ30の表面を露出さ
せる。その後、新たなフォトレジスト膜をマスクにした
ドライエッチングで周辺回路領域のシリコン酸化膜3
1、26、25、SOG膜24およびゲート酸化膜13
を除去することにより、nチャネル型MISFETQn
のn+ 型半導体領域23(ソース、ドレイン)の上部に
コンタクトホール34、35を形成し、pチャネル型M
ISFETQpのp+ 型半導体領域22(ソース、ドレ
イン)の上部にコンタクトホール36、37を形成す
る。
【0108】次に、フォトレジスト膜を除去した後、シ
リコン酸化膜31の上部にビット線BLおよび周辺回路
の第1層配線38、39を形成する。ビット線BLおよ
び第1層配線38、39を形成するには、まずシリコン
酸化膜31の上部に膜厚50nm程度のTi膜をスパッタ
リング法で堆積し、集積回路基体1を800℃程度で熱
処理する。次いで、Ti膜の上部に膜厚50nm程度のT
iN膜をスパッタリング法で堆積し、さらにその上部に
膜厚150nm程度のW膜と膜厚200nm程度のシリコン
窒化膜40とをCVD法で堆積した後、フォトレジスト
膜をマスクにしてこれらの膜をパターニングする。
【0109】シリコン酸化膜31の上部にTi膜を堆積
した後、集積回路基体1を800℃程度で熱処理するこ
とにより、Ti膜と下地Siとが反応し、nチャネル型
MISFETQnのn+ 型半導体領域23(ソース、ド
レイン)の表面とpチャネル型MISFETQpのp+
型半導体領域22(ソース、ドレイン)の表面とプラグ
30の表面とに低抵抗のTiSi2 (チタンシリサイ
ド)層42が形成される。これにより、n+ 型半導体領
域23、p+ 型半導体領域22およびプラグ30に接続
される配線(ビット線BL、第1層配線38、39)の
コンタクト抵抗を低減することができる。また、ビット
線BLをW膜/TiN膜/Ti膜で構成することによ
り、そのシート抵抗を2Ω/□以下にまで低減できるの
で、情報の読み出し速度および書き込み速度を向上させ
ることができると共に、ビット線BLと周辺回路の第1
層配線38、39とを一つの工程で同時に形成すること
ができるので、DRAMの製造工程を短縮することがで
きる。さらに、周辺回路の第1層配線(38、39)を
ビット線BLと同層の配線で構成した場合には、第1層
配線をメモリセルの上層のAl配線で構成する場合に比
べて周辺回路のMISFET(nチャネル型MISFE
TQn、pチャネル型MISFETQp)と第1層配線
とを接続するコンタクトホール(34〜37)のアスペ
クト比が低減されるため、第1層配線の接続信頼性が向
上する。
【0110】ビット線BLは、隣接するビット線BLと
の間に形成される寄生容量をできるだけ低減して情報の
読み出し速度および書き込み速度を向上させるために、
その間隔がその幅よりも長くなるように形成する。
【0111】次に、フォトレジスト膜を除去した後、ビ
ット線BLの側壁と第1層配線38、39の側壁とにサ
イドウォールスペーサ43を形成する。サイドウォール
スペーサ43は、ビット線BLおよび第1層配線38、
39の上部にCVD法でシリコン窒化膜を堆積した後、
このシリコン窒化膜を異方性エッチングして形成する。
【0112】次に、図8に示すように、ビット線BLお
よび第1層配線38、39の上部に膜厚300nm程度の
SOG膜44をスピン塗布する。次いで、集積回路基体
1を800℃、1分程度熱処理してSOG膜44をシン
タリング(焼き締め)する。SOG膜44は、BPSG
膜に比べてリフロー性が高く、微細な配線間のギャップ
フィル性に優れているので、フォトリソグラフィの解像
限界程度まで微細化されたビット線BL同士の隙間を良
好に埋め込むことができる。
【0113】次に、SOG膜44の上部に膜厚600nm
程度のシリコン酸化膜45を堆積した後、このシリコン
酸化膜45をCMP法で研磨してその表面を平坦化す
る。シリコン酸化膜45は、たとえばオゾン(O3 )と
テトラエトキシシラン(TEOS)とをソースガスに用
いたプラズマCVD法で堆積する。
【0114】このように、本実施の形態では、ビット線
BLおよび第1層配線38、39の上部に成膜直後でも
平坦性が良好なSOG膜44を塗布し、さらにその上部
に堆積したシリコン酸化膜45をCMP法で平坦化す
る。これにより、ビット線BL同士の微細な隙間のギャ
ップフィル性が向上すると共に、ビット線BLおよび第
1層配線38、39の上部の絶縁膜の平坦化を実現でき
る。
【0115】次に、シリコン酸化膜45の上部に膜厚1
00nm程度のシリコン酸化膜46を堆積する。このシリ
コン酸化膜46は、CMP法で研磨されたときに生じた
前記シリコン酸化膜45の表面の微細な傷を補修するた
めに堆積する。シリコン酸化膜46は、たとえばオゾン
(O3 )とテトラエトキシシラン(TEOS)とをソー
スガスに用いたプラズマCVD法で堆積する。
【0116】次に、シリコン酸化膜46の上部に膜厚5
0nm程度の窒化チタン膜47を堆積する。窒化チタン
膜47は、CVD法あるいはスパッタ法により堆積でき
る。窒化チタン膜47は、後に説明するルテニウム膜の
エッチングの際のストッパ膜として機能する。
【0117】次に、フォトレジスト膜をマスクにしたド
ライエッチングでコンタクトホール29の上部の窒化チ
タン膜47を除去し、さらに、シリコン酸化膜46、4
5、SOG膜44およびシリコン酸化膜31を除去して
プラグ30の表面に達するスルーホール48を形成す
る。このシリコン酸化膜物系の被膜エッチングは、シリ
コン酸化膜46、45、31およびSOG膜44に対す
るシリコン窒化膜のエッチングレートが小さくなるよう
な条件で行い、スルーホール48とビット線BLの合わ
せずれが生じた場合でも、ビット線BLの上部のシリコ
ン窒化膜40やサイドウォールスペーサ43が深く削れ
ないようにする。これにより、スルーホール48がビッ
ト線BLに対して自己整合で形成される。
【0118】次に、フォトレジスト膜を除去した後、フ
ッ酸+フッ化アンモニウム混液などのエッチング液を使
って、スルーホール48の底部に露出したプラグ30の
表面のドライエッチング残渣やフォトレジスト残渣など
を除去する。その際、スルーホール48の側壁に露出し
たSOG膜44もエッチング液に曝されるが、SOG膜
44は、前記800℃程度のシンタリングによってフッ
酸系のエッチング液に対するエッチングレートが低減さ
れているので、このウェットエッチング処理によってス
ルーホール48の側壁が大きくアンダーカットされるこ
とはない。
【0119】次に、スルーホール48の内部にプラグ4
9を形成する。プラグ49は、導電性部材であれば良
く、特に材料は限定されない。たとえば多結晶シリコ
ン、金属化合物たとえば窒化チタン膜からなる。プラグ
49は、たとえば集積回路基体1の全面へのスルーホー
ル48を埋め込む多結晶シリコン膜の堆積の後、この多
結晶シリコン膜をエッチバックすることにより形成でき
る。
【0120】また、プラグ49の上部にバリアメタル5
0を形成する。バリアメタル50は、後に説明する情報
蓄積容量素子の下部電極とプラグ49との間に形成され
ることとなり、情報蓄積容量素子の容量絶縁膜の熱処理
等、高温熱工程の際の下部電極とプラグ49との反応を
抑制する作用を有する。バリアメタル50としてたとえ
ば、チタン、アルミニウムおよびシリコンの合金を用い
ることができる。バリアメタル50は、たとえば前記合
金を集積回路基体1の全面に堆積した後、スルーホール
48以外の前記合金をエッチバックすることにより形成
できる。また、エッチバックに代えてCMP法による研
磨を用いることができる。
【0121】次に、図9に示すように、ルテニウム金属
からなる柱状の下部電極51、BSTからなる容量絶縁
膜53およびルテニウム金属からなる上部電極54を有
する情報蓄積容量素子Cを形成する。このように下部電
極51としてBSTと親和性の高いルテニウム金属を用
いることにより、高誘電体あるいは強誘電体であるBS
T膜を容量絶縁膜53に用いることができる。また、上
部電極54をもルテニウム金属とすることにより、高誘
電率のBST膜を絶縁膜としたMIM(MetalInsulater
Metal )キャパシタを親和性良く構成できる。これに
より1Gbit以上のDRAMの実現を図ることができ
る。なお、本願で高誘電体とは、BST等のごとく比誘
電率が50以上のものを示す。一般にABO3 型ペロブ
スカイトまたはその類似構造ものもが多い。また、本願
で強誘電体とは、PZT等のごとく比誘電率が少なくと
も100以上のものを示す。一般にABO3 型ペロブス
カイトまたはその類似構造(複合構造または層構造を含
む)ものもが多い。
【0122】柱状の下部電極51の上面には、後に説明
するルテニウム膜のエッチングの際のハードマスクの一
部であるシリコン酸化膜52が残存している。このよう
なシリコン酸化膜52を残存させることによるプロセス
上のメリットは後述する。一方、シリコン酸化膜52を
残存させることにより、下部電極51と容量絶縁膜53
との間に誘電率の小さなシリコン酸化膜52が介在する
こととなり、下部電極51の上面が実質上キャパシタと
して作用する場合の実効性が低下することとなる。しか
し、下部電極51は、図10(a)の平面図に示すよう
に、ビット線方向(x方向)に長辺を有する長方形状の
平面パターンで形成され、図10(b)の斜視図に示す
ように、細長い柱状で形成される。本実施の形態の場合
の下部電極51の寸法を例示すれば、下部電極51の平
面パターンの長辺方向に0.39μm、短辺方向に0.13
μm、パターン間隔が0.13μmであり、柱状の下部電
極51の高さが0.45μmである。このような数値を前
提にすると、キャパシタとして働くべき下部電極51の
表面積は、上面部51aの面積(0.13μm×0.39μ
m=0.0507μm2 )+側面部51bの面積(0.13
μm×0.45μm×2+0.39μm×0.45μm×2=
0.468μm2 )であり、仮に下部電極51の上面部5
1aがキャパシタとして寄与しないとしても、下部電極
51の側面部51bの面積(0.468μm2 )が全表面
積(0.5187μm2 )の約90%を占有するため、全
体としての容量値の低下は10%程度に止まる。つま
り、情報蓄積容量素子Cの著しい蓄積性能の低下は発生
しない。このような容量値の低下は許容できる範囲内の
ものであり、後に説明するプロセス上のメリットが製造
工程の簡略化、信頼性の向上等に寄与することとなっ
て、総合的には本発明を適用することが技術的効果が大
きいと言える。
【0123】なお、下部電極51の上面部51aがキャ
パシタとして寄与している割合は3%以下と考えられ
る。
【0124】なお、図10(a)の平面パターンにおい
ては、長方形として描画しているが、実際の下部電極5
1の形状は、図示するような長方形状で形成されるわけ
ではなく、各稜部が丸みを帯びた形状あるいはテーパを
有する形状で形成される。すなわち、図10(a)の平
面パターンはフォトリソグラフィマスクのパターンであ
り、露光光の回折現象等によりパターン形状は正確に再
現されず、実際には長円あるいは楕円に近い形状で形成
されることは言うまでもない。
【0125】以下、情報蓄積容量素子Cの形成工程を図
11および図12に従って説明する。図11および図1
2は実施の形態1のDRAMの情報蓄積容量素子の製造
工程の一例を工程順に示した断面図である。なお、柱状
下部電極51は、前記したとおり長方柱状形状を有する
が、図9に示す情報蓄積容量素子Cの断面図は、図10
(a)におけるA−A線断面を示している。一方、図1
1および図12においては、図10(a)におけるB−
B線断面について説明する。本発明が適用される微細加
工の領域では、図10(a)に示すB−B線断面の方向
に下部電極51がパターン幅0.13μm、パターン間隔
0.13μm、パターン高さが0.45μmで形成されるこ
ととなる。このような高アスペクト比の下部電極の形成
は、下部電極51が異方性エッチングの困難なルテニウ
ム等白金族で形成されることを考慮すれば技術的困難性
が極めて高くなる。本発明は、このような技術的困難性
の高いエッチングを実現し、精密に形成された加工形状
を損なうことなく情報蓄積容量素子Cを簡便に信頼性良
く形成する点に意義があり、本発明の特徴を明瞭に説明
するためにエッチング困難な方向であるB−B線断面に
ついて説明する。また、図11および図12において
は、情報蓄積容量素子Cの部分のみを示す。
【0126】前記した図8の工程の後、図11(a)に
示すように、窒化チタン膜47上にルテニウム膜55お
よびシリコン酸化膜56を形成し、シリコン酸化膜56
上にパターニングされたフォトレジスト膜57を形成す
る。
【0127】ルテニウム膜55は、たとえばスパッタ法
またはCVD法により形成でき、膜厚は0.45μmとす
る。ルテニウム膜55は、後に下部電極51となるもの
であり、その膜厚は下部電極51の高さとなる。ルテニ
ウム膜55の膜厚を調整することにより下部電極51の
高さを調整できる。なお、ルテニウム膜55に代えて、
二酸化ルテニウム膜を用いることができる。
【0128】シリコン酸化膜56は、ルテニウム膜55
をエッチングする際のハードマスクとして機能するもの
であり、その組成および膜厚は、後のエッチング工程で
減少することを考慮して決定する。ここでは、シリコン
酸化膜56として、TEOS(テトラメトキシシラン)
ガスを原料ガスに含むプラズマCVD法により形成され
たシリコン酸化膜(以下PTEOS膜という。)を用い
た場合を例示する。PTEOS膜の場合、後のエッチン
グ工程により膜厚が減少することを考慮して、その膜厚
は0.3μmとする。
【0129】フォトレジスト膜57は、シリコン酸化膜
56をパターニングする際のマスクに用いられ、通常の
フォトリソグラフィ工程により形成する。パターニング
は、図10(a)の下部電極51の平面パターンと同じ
パターンを用いる。すなわち、図11(a)の断面図に
おいては、0.13μmのラインアンドスペースで形成さ
れる。パターンは、プラグ49(バリアメタル50)上
に形成し、後に下部電極51がプラグ49(バリアメタ
ル50)に接続されるように形成する。フォトレジスト
膜57の膜厚はたとえば0.3μmとする。フォトレジス
ト膜57は、解像度の向上を考慮してEB(Electron B
eam )レジストを用いることも可能である。
【0130】次に、図11(b)に示すように、フォト
レジスト膜57をマスクとしてシリコン酸化膜56をパ
ターニングし、ハードマスクとなるシリコン酸化膜52
を形成する。シリコン酸化膜56は異方性良くエッチン
グできるため、シリコン酸化膜52は、再現性良くフォ
トレジスト膜57のパターンを再現する。従って、シリ
コン酸化膜52はその底部において0.13μmのライン
アンドスペースが確保される。シリコン酸化膜56のエ
ッチングは、たとえば狭電極反応性イオンエッチングを
用いることができる。エッチング条件は、たとえば反応
圧力を50mTorr、投入電力を上下電極に各々1k
W、エッチングガスを四炭化八フッ素(C4 8 )、ア
ルゴンおよび酸素(O2 )を各々12sccm、400
sccmおよび5sccm、基板温度を0℃とすること
ができる。このようなエッチング条件では、PTEOS
膜のエッチングレートは約300nm/minでありフ
ォトレジスト膜57に対する選択比は約3である。この
ため、シリコン酸化膜56のエッチング完了時には約1
00nmの膜厚のフォトレジスト膜57がシリコン酸化
膜52の上部に残存する。
【0131】次に、図11(c)に示すように、フォト
レジスト膜57を除去する。フォトレジスト膜57の除
去にはたとえば酸素プラズマを用いたアッシングにより
行える。これにより、パターニングされたシリコン酸化
膜52が形成され、次工程におけるルテニウム膜55の
エッチングの際のエッチングマスクに用いることができ
る。後に説明するように、ルテニウム膜55のエッチン
グガスに酸素系ガスを用いるため、マスクとして耐酸化
性のマスクが必要であり、シリコン酸化膜52からなる
マスクはこの要求を満足する。
【0132】次に、図11(d)に示すように、シリコ
ン酸化膜52をマスクとしてルテニウム膜55をエッチ
ングすることにより下部電極51を形成する。このルテ
ニウム膜55のエッチングは、以下のエッチング方法を
用いてエッチングすることができる。
【0133】図13は、ルテニウム膜55のエッチング
に使用するエッチング装置の一例を示した断面概念図で
ある。このエッチング装置は、その内容積が約33.3リ
ットルの反応室101と、反応室101の排気口に接続
された真空配管102と、真空配管102の途中に配置
されたコントロールバルブCVと、真空配管102の他
方に接続されたターボ分子ポンプTMPと、ターボ分子
ポンプTMPの排気口側に設けられた荒引きバルブRV
を介して接続されたメカニカルブースターポンプ(容積
型荒引き用ドライポンプ)MBPとからなるオイルフリ
ーな排気系を有する。反応室101は、減圧状態に維持
できるだけの機械的強度を有し、前記した排気系により
内部を高真空状態にすることができる。また、後に説明
するガス供給系からの供給される処理ガス(エッチング
ガス)を排気系により排気する際に、コントロールバル
ブCVによるコンダクタンスの調整により反応室101
内部の圧力を所望の値に調整することができる。
【0134】なお、反応室101の真空引きを大気圧か
ら低真空度領域まで行う荒引き真空系を設けても良い
が、図示は省略している。また、荒引き排気系はメカニ
カルブースターポンプMBPに代えてターボ型ドライポ
ンプ、油回転ポンプ等を用いてもよい。
【0135】また、本エッチング装置は、マスフローコ
ントローラMFC1を介して塩素ガス(Cl2 )が、マ
スフローコントローラMFC2を介して酸素ガス
(O2 )が、反応室101に導入されるガス供給系を有
している。なお、各マスフローコントローラの入出力側
あるいは反応室101のガス導入部の直前等に適当なバ
ルブ(ストップバルブ)を挿入できるが、図示は省略し
ている。また、ガス供給系には適当なパージ系を設ける
ことができるが、これも図示は省略している。また、塩
素ガスと酸素ガスとの混合部分にマニホールドを設ける
こともできるが図示は省略している。さらに、他のガス
系、たとえばシリコン酸化膜のエッチング用のフッ素系
ガスの供給系、レジストアッシング用のガス系を設けて
もよい。
【0136】反応室101内には、試料台103が設置
されている。図示するように、半導体基板(半導体集積
回路装置製造用ウェハ)1は試料台103上にフェイス
アップで設置される。集積回路基体1は、たとえば6イ
ンチ径のシリコンウェハであり、たとえば静電チャック
により保持される。図示するように、本エッチング装置
は、反応室101に1枚のウェハが導入される1枚葉エ
ッチング装置である。また、図示するように、ガス供給
ノズル110からガスが供給される。また、試料台10
3は、反応室101から電気的にアイソレーションさ
れ、バイアス用の高周波電力RF2が印加できるように
なっている。これにより集積回路基体1に高周波バイア
スを印加することが可能となる。
【0137】反応室101の上部は石英筒104で真空
封止され、石英筒104の周囲には誘導結合コイル10
5が配置されている。誘導結合コイル105には、たと
えば13.56MHzの高周波電源RF1が接続されてい
る。高周波電源RF1の電力は、誘導結合コイル105
を介した誘導結合により石英筒104および反応室10
1内にプラズマを発生する。このように誘導結合プラズ
マを用いて低動作圧力(高真空度領域)において高い密
度のプラズマを発生する。ただし、本装置は、誘導結合
プラズマに限られるものではなく、低圧力でのプラズマ
発生機構であればこれを適用することが可能である。た
とえば、ECR(Electron CycrotoronResonans)プラ
ズマ、ICP(Inductively Coupled Plasma)、マグネ
トロンRIEプラズマ、ヘリコン波プラズマ等を用いて
もよい。
【0138】本エッチング装置の概要は前記の通りであ
るが、ルテニウム膜55を異方性良くエッチングする際
に特徴的な装置特性を次に説明する。すなわち、ルテニ
ウム膜55を異方性良くエッチングするには大流量のエ
ッチングガスが供給され、これが高速で排気される。ま
た、通常行われるよりの大きなオーバーエッチングが行
われる。オーバーエッチングの概念については後述す
る。
【0139】本エッチング装置では、酸素と塩素の各ガ
スのトータルガス流量の供給能力が2000sccmと
いう大流量を可能とし、一方、このような大流量のガス
を供給しても十分に低い動作圧力(たとえば15mTo
rr)を得るために、ターボ分子ポンプTMPとして最
大排気能力が2000リットル/秒のものを用いてい
る。なお、ターボ分子ポンプTMPの最大排気能力(圧
縮比)を確保するためにその背圧を十分に低くできるだ
けの荒引き系の排気能力(荒引きバルブRVおよび配管
のコンダクタンスを含めたメカニカルブースターポンプ
MBPの排気速度)が確保されていることはいうまでも
ない。
【0140】このように、排気速度が2000リットル
/秒のターボ分子ポンプTMPを用いて排気系を構成し
たことにより、たとえば酸素と塩素とのトータルガス流
量が約800sccmのときに、実効排気速度として約
600リットル/秒が得られる。なお、排気系の実効排
気速度とは、真空配管102、コントロールバルブCV
のコンダクタンス、ターボ分子ポンプTMP、荒引き排
気系(メカニカルブースターポンプMBP、荒引きバル
ブRVおよび配管)を含めた排気系全体の排気速度をい
う。
【0141】次に、前記したエッチング装置を用いて、
ルテニウム膜55をエッチング方法について説明する。
【0142】反応室101内にマスフローコントローラ
MFC1,2を調整して塩素および酸素を各々80sc
cmおよび720sccmの流量で供給する。そして、
コントロールバルブCVを調整して15mTorrの圧
力に調整する。さらに、誘導結合コイル105および基
板に高周波電源RF1、2から各々500Wおよび20
0Wの高周波電力を印加してプラズマを生成させる。こ
のプラズマで生成した主に酸素イオンまたは酸素ラジカ
ルとルテニウム膜55との反応によりエッチングを行
う。
【0143】また、このような条件で100%のオーバ
ーエッチングを行う。ここで本明細書におけるオーバー
エッチングの概念を図14を用いて説明する。図14
は、たとえばチタンを含む下地膜(たとえば窒化チタン
膜(TiN膜))上のルテニウム膜をエッチングした場
合のプラズマ発光強度を処理時間についてプロットした
グラフである。プラズマ発光は、たとえばチタンの発光
ピークである波長が406nmの光をモニタできる。時
刻t=0でエッチングを開始する。Ru膜がエッチング
されている途中(時刻t=0〜T1)では、未だTiN
膜は露出していないので406nm光の発光強度は低い
レベルで維持される。時刻t=T1に達すると、エッチ
ングレートの相対的に速いウェハセンタの部分でRuO
2 /Ru膜のエッチングが終了し、下地のTiN膜が露
出しはじめる。この結果、406nm光の発光強度が上
昇しはじめ、時間の経過すなわち下地のTiN膜の露出
面積の増加に従い、406nm光の発光強度が上昇す
る。時刻t=T2に達すると、エッチングレートの相対
的に遅いウェハセンタの部分でもRu膜のエッチングが
終了し、下地TiN膜の全面が露出する。この結果、4
06nm光の発光強度は高いレベルでほぼ一定に維持さ
れる。この時刻t=T2をジャストエッチング時刻と定
義し、t=0〜T2の時間をメインエッチング時間と定
義する。さらにエッチングを継続し、時刻t=T3でエ
ッチングを終了する。t=T2〜T3の時間をオーバー
エッチング時間と定義する。したがって、オーバーエッ
チングは、(T3−T2)/(T2−0)×100
(%)と定義できる。なお、処理圧力が15mTorr
の場合を例示しているが、処理圧力はプラズマが安定に
生成する圧力であれば良く、100mTorrから0.1
mTorrの範囲、さらに好ましくは30mTorrか
ら1mTorrの範囲で選択できる。
【0144】ルテニウム膜55は、側壁付着性の部材で
あり、白金族等であるため、エッチング過程において反
応生成物がエッチング側壁に付着し、エッチングの異方
性を阻害してテーパ形状を呈する。しかし、前記のよう
な条件でエッチングを行うことによりルテニウム膜55
をエッチングした下部電極51の断面形状はほぼ垂直
(テーパ角が89度)で形成できる。なお、側壁付着性
の部材とは、ドライエッチング時に生成物の蒸気圧が低
いために側壁に付着する傾向が強く、微細なエッチング
が困難とされるものをいい、主に、白金族元素それらを
含む酸化物または副酸化物(白金族等)、ペロブスカイ
ト等のABO3 型遷移金属酸化物等をいう。ここで、白
金族元素またはその酸化物というときには、白金族元素
およびそれらを含む酸化物、白金元素およびそれらの構
成元素を含む酸化物ならびにそれらの構成元素の複数の
元素を含むまたは他の族と白金族元素を含む複酸化物、
それらの固溶体等を含む概念である。
【0145】このようにエッチング特性が改善されるの
は、第1にエッチングガスが大流量で供給されるため、
生成された反応生成物(主にRuO4 、RuOX )が高
速で排気されるためである。白金族元素のエッチングで
は、蒸気圧の低い反応生成物(特にRuOX )が形成さ
れるため、側壁付着しやすく、この付着物がエッチング
形状を阻害するが、高速排気されれば側壁付着する確率
が低下し、エッチング形状が改善される。なお、オーバ
ーエッチングが20%程度であっても、高速排気するだ
けでエッチング形状のテーパ角は84度程度に改善され
る。
【0146】また、エッチング特性が改善されるのは、
第2にオーバーエッチングを100%行うためである。
つまり、ルテニウム膜55のエッチングはあるテーパ角
をもって終了しているため、オーバーエッチングの状況
下では、下地材料である窒化チタン膜47が露出してい
る。この窒化チタン膜は酸素イオンあるは酸素ラジカル
によりエッチングされることがないため、エッチング底
面からの反応生成物は発生せず、側壁への反応生成物の
飛来はない。側壁部においては酸素イオンあるは酸素ラ
ジカルによるエッチングと側壁部で発生した反応生成物
の再付着との競合が生じているが、前記したエッチング
状況下のように底部からの反応生成物の飛来が無い分だ
け反応生成物の飛来が減少し、エッチングが勝ることと
なる。このため、オーバーエッチング時の側壁付着物は
極めて少なくなり、これがテーパ角上昇の原因となる。
【0147】このように、前記条件下、すなわち、反応
圧力15mTorr、プラズマソースパワー500W、
RFバイアスパワー200W、酸素および塩素流用72
0sccmおよび80sccm(総流量約800scc
m)の条件下で、オーバーエッチング量を100%とす
ることにより、エッチング異方性をテーパ角で表して8
9度に向上することができる。
【0148】このようにルテニウム膜55をテーパ角8
9度でエッチングできることは、ルテニウム等の白金族
元素系の金属あるいはその酸化物の垂直形状のエッチン
グが原理的に困難である、すなわち、反応生成物の蒸気
圧が低く、側壁付着性の高い反応性生成物が生じるエッ
チング系であることを考慮すれば、極めて顕著な効果で
あり、1GビットDRAM級の微細加工を可能ならしめ
るものである。
【0149】また、このようなエッチング方法を用いる
ことにより、パターン幅およびスペースが0.13μmと
いう微細なパターン形状において、しかもパターン高さ
が0.45μm(アスペクト比約3.5、すなわちアスペク
ト比2あるいは3以上の高アスペクト領域)というエッ
チング加工においては極めて厳しい状況下で、テーパ角
が89度という理想的な柱状パターン(内部の詰まった
ものの他、シリンダー様のものも含む)の形成が実現で
きる。なお、本願で柱状パターンというときは、円柱や
正角柱に限らず、錐状や縦横の長さが異なるもの等を含
む。
【0150】これは、また、エッチングの微細加工マー
ジンが大きいことを示しており、リソグラフィの限界が
伸びて、更に微細なマスクの形成が可能となった場合に
は、本技術を用いて十分に微細な加工(パターン幅およ
びスペースが0.13μm以下の微細パターンの加工)が
可能であることを意味する。
【0151】なお、前記のエッチング条件では、ルテニ
ウム膜55に対するシリコン酸化膜52(PTEOS
膜)のエッチング選択比は約10である。従って、0.4
5μmのルテニウム膜55のエッチングにおいてハード
マスクであるシリコン酸化膜52は45nm程度その膜
厚が減少することとなるが、大きなオーバーエッチング
(100%)を施しているため、シリコン酸化膜52の
ファセットが大きくなり、エッチング後のシリコン酸化
膜52は図11(d)に示すような錐形状となる。その
高さは図示の通り約100nmである。
【0152】また、このルテニウム膜55のエッチング
ではフォトレジスト膜をマスクとしては用いず、シリコ
ン酸化膜をハードマスクに用いる。これは、フォトレジ
スト膜よりもシリコン酸化膜の方がルテニウムとのエッ
チング選択比を大きくすることができるとともに、フォ
トレジスト膜からの有機物の離脱による側壁付着の生成
を防止してエッチング形状を改善できるという効果を有
する。
【0153】次に、図11(e)に示すように、シリコ
ン酸化膜52をマスクとしてルテニウム膜55の下地で
ある窒化チタン膜47をエッチングする。窒化チタン膜
47のエッチングは、たとえばECR(Electron Cycro
tron Resonance)プラズマを用いて行うことができる。
エッチング条件は、たとえば処理圧力を8mTorr、
μ波電力を300W、周波数800kHzのRFバイア
ス電力を70W、エッチングガスを三塩化ボロン(BC
3 )および塩素(Cl2 )を各々30sccmおよび
70sccm、基板温度を50℃とすることができる。
窒化チタン膜47のエッチング処理によりシリコン酸化
膜52(マスク)も一部削れ、その膜厚が図示するよう
に減少する。なお、シリコン酸化膜52の稜部は前記の
ような工程で削られるため丸みを帯びる。このような丸
みを有しているため、次工程のBST膜58の堆積が被
覆性よく行えるというメリットがある。
【0154】次に、図11(f)に示すように、シリコ
ン酸化膜52を除去することなくBST膜58を堆積す
る。BST膜58はCVD法により堆積でき、その膜厚
は20nmとする。BST膜58はCVD法により形成
されるため、本実施の形態のような微細加工され、アス
ペクト比が高い下部電極51上にも均一に膜形成を行う
ことができる。なお、BST膜58に代えて他の高誘電
体膜、たとえば酸化タンタル膜、PZT、PLZT等を
用いてもよい。
【0155】このようにシリコン酸化膜52を除去する
ことなくBST膜58を堆積するため、シリコン酸化膜
52の除去処理に伴う下部電極51の形状の変化、一般
に下部電極51パターンの細り、下部電極51の稜部の
丸まり等の微細加工にとって好ましくない形状変化を防
止することができる。可能な限り微細に加工した後に生
じるパターンの形状変化は、微細に加工したが故にその
影響が大きく、せっかく微細に加工できてもその後に形
状が変化してしまっては微細加工を行った意義が半減し
好ましくない。そこで、本発明では加工形状を阻害する
シリコン酸化膜52の除去処理を省略し、最も精密に加
工された下部電極51の状態を維持するものである。
【0156】また、シリコン酸化膜52を除去しないこ
とにより、シリコン酸化膜52の除去処理工程で発生す
るであろう下部電極51表面の荒れを防止できる。シリ
コン酸化膜52を除去すれば、シリコン酸化膜52のエ
ッチング処理に伴い、下部電極51の表面に荒れが発生
する。このような荒れ(粗面化)は、BST膜58の接
着性を低下し、情報蓄積容量素子Cの信頼性を低下させ
る要因となり、著しい場合にはBST膜58の剥離を生
じてDRAMの歩留まりを低下させる恐れもある。そこ
で、本発明ではこのような荒れの発生を未然に防止する
ためにシリコン酸化膜52を残存させるものである。
【0157】さらに、シリコン酸化膜52の除去工程を
省略することにより、シリコン酸化膜52の除去工程自
体がなくなり、DRAMの製造工程が簡略化されるばか
りでなく、エッチング処理(シリコン酸化膜52の除去
工程)の後の洗浄工程等除去工程に付随する処理工程を
も省略してDRAM製造工程を簡略化することができ
る。
【0158】下部電極51の上部にシリコン酸化膜52
を残存させることにより前記のような工程上あるいはD
RAMの性能上のメリットがある。一方、前記したとお
りシリコン酸化膜52を残存させることによるデメリッ
トは存在するが、本実施の形態のような寸法で微細加工
される下部電極51に適用する限り、そのデメリットは
さほど支配的で無いことは前記した通りである。
【0159】次に、図11(g)に示すように、BST
膜58を酸素雰囲気で熱処理(アニール)を行なう。熱
処理温度は約700℃である。この熱処理によりBST
膜58の酸素欠陥をなくすことができる。700℃とい
う温度条件は、酸素雰囲気における熱処理により下部電
極51およびその上面の残留物が膨張等体積変化をしな
いという要件から選択される。シリコン酸化膜52は7
00℃の酸素雰囲気熱処理で体積膨張することがなく、
前記要件を満足する。
【0160】次に、図11(h)に示すように、BST
膜58上にルテニウム膜59を堆積し、図12(i)に
示すようにルテニウム膜59上にフォトレジスト膜60
を形成する。フォトレジスト膜60はDRAMのメモリ
セル領域を覆うように形成する。次に、図12(j)に
示すようにこのフォトレジスト膜60をマスクとしてル
テニウム膜59およびBST膜58をエッチングし、容
量絶縁膜53および上部電極54を形成する。その後、
フォトレジスト膜60をアッシング等により除去し、ル
テニウムからなる下部電極51、BSTからなる容量絶
縁膜53およびルテニウムからなる上部電極54を有す
る情報蓄積容量素子Cを完成する(図12(k))。こ
れにより、メモリセル選択用MISFETQsとこれに
直列に接続された情報蓄積容量素子Cとで構成されるD
RAMのメモリセルが完成する。
【0161】ルテニウム膜59の堆積にはたとえばスパ
ッタ法またはCVD法を用いることができる。また、ル
テニウム膜59およびBST膜58のエッチングには、
前記した図13に示すエッチング装置を用いることがで
きる。エッチング条件は、たとえば反応圧力2mTor
r、プラズマソースパワー300W、RFバイアスパワ
ー600W、四フッ化炭素(CF4 )およびアルゴン
(Ar)を各々10sccmおよび40sccmで、オ
ーバーエッチング量を10%とすることができる。この
ような条件では、エッチング形状は異方性を発揮せず、
テーパ角は約60度となるが、ここでは微細加工を要求
されるわけではないので不都合はない。
【0162】なお、上部電極54上には、適当なバリア
メタルを形成してもよい。また、上部電極54を構成す
る材料としては、二酸化ルテニウム膜に代えて、窒化チ
タン膜、ルテニウム膜、あるいはタングステン膜を用い
ることができる。
【0163】次に、図15に示すように、情報蓄積容量
素子Cの上部にSOGからなるシリコン酸化膜61を形
成する。シリコン酸化膜61にSOG膜を用いた場合に
はメモリセルの形成された領域を平坦化すると同時に、
周辺回路領域との段差を緩和することができる。なお、
情報蓄積容量素子Cの上部とシリコン酸化膜61との間
に膜厚40nm程度のたとえばオゾン(O3 )とテトラエ
トキシシラン(TEOS)とをソースガスに用いたプラ
ズマCVD法で堆積されたシリコン酸化膜を形成しても
良い。
【0164】次に、フォトレジスト膜をマスクにしたド
ライエッチングで周辺回路の第1層配線38の上部のシ
リコン酸化膜61、46、45、SOG膜44およびシ
リコン窒化膜40を除去することにより、スルーホール
62を形成する。また、同様に上部電極54の上部のシ
リコン酸化膜61を除去することにより、スルーホール
63を形成する。その後、スルーホール62、63の内
部にプラグ64を形成し、続いてシリコン酸化膜61の
上部に第2層配線65を形成する。プラグ64は、シリ
コン酸化膜61の上部にスパッタリング法で膜厚100
nm程度のTiN膜を堆積し、さらにその上部にCVD法
で膜厚500nm程度のW膜を堆積した後、これらの膜を
エッチバックしてスルーホール62、63の内部に残す
ことにより形成する。第2層配線65は、シリコン酸化
膜61の上部にスパッタリング法で膜厚50nm程度のT
iN膜、膜厚500nm程度のAl(アルミニウム)膜、
膜厚50nm程度のTi膜を堆積した後、フォトレジスト
膜をマスクにしたドライエッチングでこれらの膜をパタ
ーニングして形成する。
【0165】その後、層間絶縁膜を介して第3層配線を
形成し、その上部にシリコン酸化膜とシリコン窒化膜と
で構成されたパッシベーション膜を堆積するが、その図
示は省略する。以上の工程により、本実施の形態のDR
AMが略完成する。
【0166】なお、第3層配線およびそれに接続するプ
ラグは第2層配線の場合と同様に形成することができ、
層間絶縁膜は、たとえば膜厚300nm程度のシリコン酸
化膜、膜厚400nm程度のSOG膜および膜厚300nm
程度のシリコン酸化膜で構成できる。シリコン酸化膜
は、たとえばオゾン(O3 )とテトラエトキシシラン
(TEOS)とをソースガスに用いたプラズマCVD法
で堆積できる。
【0167】本実施の形態によれば、下部電極51の材
料としてBSTのような強誘電性の容量絶縁膜53に親
和性のよいルテニウムを用い、この下部電極51のエッ
チングの際にハードマスクであるシリコン酸化膜52を
残存させ、シリコン酸化膜52を残存させた状態で容量
絶縁膜53を形成する。これにより、シリコン酸化膜5
2の除去工程を省略して工程を簡略化することができ、
また、除去工程で発生するであろう下部電極51上面の
荒れ、あるいは、下地の荒れを防ぎ、容量絶縁膜53を
信頼性良く形成することができる。さらに、シリコン酸
化膜52の除去工程で生じるであろう下部電極51のパ
ターンの鈍りあるいは細りを防止して、微細に加工形成
されたル下部電極51の形状を保持することができる。
【0168】なお、本実施の形態では、下部電極51が
ルテニウム膜の場合を説明したが、二酸化ルテニウム、
あるいはルテニウムと二酸化ルテニウムとの積層膜とす
ることもできる。
【0169】また、本実施の形態では、ルテニウム膜5
5のエッチングストッパとして窒化チタン膜47を用い
たが、窒化チタン膜47に代えてシリコン窒化膜を用い
ることができる。すなわち、シリコン窒化膜も窒化チタ
ン膜47と同様に酸素ラジカルを主体とするエッチング
作用に対して大きなエッチング選択比を有するため、本
実施の形態のエッチングストッパに用いることができ
る。この場合、シリコン窒化膜は不導体であるため、ル
テニウム膜55のエッチング後つまり下部電極51の形
成後にエッチングして除去する必要がなく、前記図11
(e)の工程は必要なくなる。この場合には、図11
(d)の工程の後のBST膜58を形成すればよい。従
って、工程を簡略化できる。ただし、下部電極51上に
は比較的厚いシリコン酸化膜52が残存する。しかし、
このようなシリコン酸化膜52が情報蓄積容量素子Cの
性能を阻害するものではないことは前記した通りであ
る。
【0170】(実施の形態2)本実施の形態2のDRA
Mは、実施の形態1のDRAMと情報蓄積容量素子Cの
構成および製造方法において相違するのみで、他の構成
および製造方法は実施の形態1と同様である。従って、
情報蓄積容量素子Cの製造方法について説明し、その他
の説明は省略する。
【0171】図16は、実施の形態2のDRAMの情報
蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順に示した断面図
である。図16は、図11および図12と同様に、図1
0(a)におけるB−B線断面を示し、また、DRAM
の情報蓄積容量素子Cの領域のみを示している。
【0172】実施の形態1の図8の工程の後、図16
(a)に示すように、窒化チタン膜47上にルテニウム
膜55および白金膜66を形成し、白金膜66上にパタ
ーニングされたフォトレジスト膜67を形成する。
【0173】ルテニウム膜55については、実施の形態
1と同様であるため詳細な説明は省略する。白金膜66
は、ルテニウム膜55をエッチングする際のハードマス
クとして機能し、また下部電極の一部として機能するも
のである。その膜厚は後のエッチング工程で減少するこ
とを考慮して0.1μmとする。
【0174】フォトレジスト膜67は、白金膜66をパ
ターニングする際のマスクに用いられ、通常のフォトリ
ソグラフィ工程により形成する。フォトレジスト膜67
のパターニングは、実施の形態1の場合と相違し、白金
膜66のエッチングの際の側壁部着物による底面積の増
加を考慮してあらかじめその幅を小さく形成する。すな
わち、図示するようにパターン幅を0.1μmとして形成
する。また、パターン間隔は190nmとする。フォト
レジスト膜67の膜厚は、白金膜66のエッチングの際
の減少分を考慮して300nmとする。フォトレジスト
膜67にEB(Electron Beam )レジストを用いること
ができることは実施の形態1と同様である。なお、フォ
トレジスト膜67は、その上部(稜部)が丸みを帯びた
形状、あるいは面取り形状、すなわちラウンドレジスト
で形成される。このようにフォトレジスト膜67をラウ
ンドレジストで形成することにより白金のエッチングの
際の側壁付着物を低減して異方性よく白金をエッチング
することができる。
【0175】次に、図16(b)に示すように、フォト
レジスト膜67をマスクとして白金膜66をパターニン
グし、白金からなるハードマスク68を形成する。白金
膜66のエッチングには、たとえばマグネトロン反応性
イオンエッチングを用いることができる。エッチング条
件は、たとえば反応圧力を5mTorr、RF電力を2
kW、エッチングガスをアルゴン15sccm、基板温
度を30℃とすることができる。すなわちスパッタリン
グで白金膜をエッチングする。このようなエッチング条
件では、白金のエッチングレートは約150nm/mi
nでありフォトレジスト膜67に対する選択比は約1で
ある。このため、白金膜66のエッチング完了時には約
200nmの膜厚のフォトレジスト膜67がハードマス
ク68の上部に残存する。また、フォトレジスト膜67
およびハードマスク68の側壁には側壁付着物69が形
成される。側壁付着物69は、白金エッチングの際に生
成する反応生成物の蒸気圧が低いため、再付着により形
成されるものであり、容易に形成できる。本実施の形態
では、この側壁付着物69を次工程のルテニウム膜55
のエッチングマスクに積極的に利用するものである。側
壁付着物69が形成されることにより、ハードマスク6
8とともにマスクとして作用する領域が広がり、その領
域の底面部でルテニウム膜55のパターニング寸法とし
て意図する0.13μmになるようにする。これにより0.
13μm幅の下部電極パターンが形成される。
【0176】次に、図16(c)に示すように、フォト
レジスト膜67を除去する。フォトレジスト膜67の除
去は実施の形態1と同様である。
【0177】次に、図16(d)に示すように、ハード
マスク68および側壁付着物69をマスクとしてルテニ
ウム膜55をエッチングすることにより下部電極51を
形成する。ルテニウム膜55のエッチングは、実施の形
態1と同様に行う。従って、ルテニウム膜55は、異方
性よくテーパ角89度でほぼ垂直に形成される。なお、
ルテニウム膜55のエッチングに際して、ハードマスク
68の稜部および側壁付着物69の突出部がエッチング
されて丸みを帯びる。
【0178】次に、図16(e)に示すように、ハード
マスク68および側壁付着物69をマスクとしてルテニ
ウム膜55の下地である窒化チタン膜47をエッチング
する。窒化チタン膜47のエッチングは、実施の形態1
と同様である。窒化チタン膜47のエッチング処理によ
りハードマスク68および側壁付着物69も一部削れ、
その膜厚が図示するように減少する。なお、ハードマス
ク68および側壁付着物69の稜部は前記のような工程
で削られるためさらに丸みを帯びる。このような丸みを
有しているため、次工程のBST膜58の堆積が被覆性
よく行えるというメリットがある。
【0179】次に、図16(f)に示すように、ハード
マスク68および側壁付着物69を除去することなくB
ST膜58を堆積する。BST膜58は実施の形態1と
同様に形成できる。このようにハードマスク68および
側壁付着物69を除去することなくBST膜58を堆積
するメリットは、実施の形態1で説明したメリットと同
様である。その後の工程は実施の形態1と同様であるた
め説明を省略する。なお、下部電極51の表面に残存す
るハードマスク68は白金で構成されるため、耐熱性に
優れ、BST膜58の酸化雰囲気における熱処理によっ
ても体積増加が発生しないばかりか変質も起こらない。
【0180】本実施の形態によれば、実施の形態1で説
明した効果に加えて、下部電極51上部に残存させたハ
ードマスク68が導電体である白金からなるため、ハー
ドマスク68も下部電極51の一部として機能させるこ
とができ、ハードマスク68の上部に相当する面積分だ
け下部電極面積を増加できる。これにより、情報蓄積容
量素子Cの蓄積容量を増加してDRAMの性能向上を図
ることができる。なお、側壁付着物69は一般に導電体
ではなく、側壁付着物69がBST膜58と接する部分
はキャパシタとして機能することは期待できないが、こ
のような場合であっても、実施の形態1で説明したよう
に、その不利益の影響は余り大きくない。
【0181】なお、下部電極51を二酸化ルテニウム、
あるいはルテニウムと二酸化ルテニウムとの積層膜とす
ることができること、窒化チタン膜47をシリコン窒化
膜に代えることができることは実施の形態1と同様であ
る。
【0182】(実施の形態3)本実施の形態3のDRA
Mは、実施の形態1のDRAMと情報蓄積容量素子Cの
構成および製造方法において相違するのみで、他の構成
および製造方法は実施の形態1と同様である。従って、
情報蓄積容量素子Cの製造方法について説明し、その他
の説明は省略する。
【0183】図17は、実施の形態3のDRAMの情報
蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順に示した断面図
である。図17は、図11および図12と同様に、図1
0(a)におけるB−B線断面を示し、また、DRAM
の情報蓄積容量素子Cの領域のみを示している。
【0184】実施の形態1の図8の工程の後、図17
(a)に示すように、窒化チタン膜47上にルテニウム
膜55および白金膜66を形成し、白金膜66上にパタ
ーニングされたフォトレジスト膜70を形成する。
【0185】ルテニウム膜55については、実施の形態
1と同様であるため詳細な説明は省略する。白金膜66
は、ルテニウム膜55をエッチングする際のハードマス
クとして機能し、また下部電極の一部として機能するも
のである。その膜厚は後のエッチング工程で減少するこ
とを考慮して0.1μmとする。
【0186】フォトレジスト膜70は、白金膜66をパ
ターニングする際のマスクに用いられ、通常のフォトリ
ソグラフィ工程により形成する。フォトレジスト膜70
のパターニングは、実施の形態1の場合と相違し、白金
膜66のエッチングの際のテーパ部の形成による底面積
の増加を考慮してあらかじめその幅を小さく形成する。
すなわち、図示するようにパターン幅を0.08μmとし
て形成する。また、パターン間隔は260nmとする。
フォトレジスト膜70の膜厚は、白金膜66のエッチン
グの際の減少分を考慮して300nmとする。フォトレ
ジスト膜70にEB(Electron Beam )レジストを用い
ることができることは実施の形態1と同様である。な
お、フォトレジスト膜70は、実施の形態2と同様にそ
の上部(稜部)が丸みを帯びた形状、あるいは面取り形
状、すなわちラウンドレジストで形成される。
【0187】次に、図17(b)に示すように、フォト
レジスト膜70をマスクとして白金膜66をパターニン
グし、白金からなるハードマスク68を形成する。白金
膜66のエッチングには、実施の形態2と同様にマグネ
トロン反応性イオンエッチングを用いることができる
が、エッチングの条件が相違する。すなわちエッチング
条件は、たとえば反応圧力を1mTorr、RF電力を
2kW、エッチングガスを塩素(Cl2 )15scc
m、基板温度を30℃とする。すなわち実施の形態2で
はスパッタリングで白金膜をエッチングしたが、実施の
形態3では塩素ラジカルによる化学的な作用により白金
膜66をエッチングする。このようなエッチング条件で
は、白金のエッチングレートは約150nm/minで
ありフォトレジスト膜70に対する選択比は約0.5とな
る。すなわち、フォトレジスト膜70は大量に削られ、
エッチング終了時にはパターニングされた白金膜66
(ハードマスク68)に僅かに残存する程度までその膜
厚が減少する。しかし、パターニングされたハードマス
ク68の側壁には、側壁付着物が形成されない。これは
塩素ラジカルによって側壁付着物が削りとられたためで
ある。ただし、白金膜66の異方性は悪く、テーパ角が
約75度となる。このためハードマスク68の底部が当
初のフォトレジスト膜70のパターン幅より太り、エッ
チング終了時にハードマスク68底部の幅が0.13μm
となる。これにより0.13μm幅の下部電極パターンが
形成される。
【0188】次に、図17(c)に示すように、フォト
レジスト膜70を除去する。フォトレジスト膜70の除
去は実施の形態1と同様である。
【0189】次に、図17(d)に示すように、ハード
マスク68をマスクとしてルテニウム膜55をエッチン
グすることにより下部電極51を形成する。ルテニウム
膜55のエッチングは、実施の形態1と同様に行う。従
って、ルテニウム膜55は、異方性よくテーパ角89度
でほぼ垂直に形成される。なお、ルテニウム膜55のエ
ッチングに際して、ハードマスク68も一部エッチング
されその膜厚が70nmまで減少する。
【0190】次に、図17(e)に示すように、ハード
マスク68をマスクとしてルテニウム膜55の下地であ
る窒化チタン膜47をエッチングする。窒化チタン膜4
7のエッチングは、実施の形態1と同様である。窒化チ
タン膜47のエッチング処理によりハードマスク68も
一部削れ、その膜厚が図示するように減少する。なお、
ハードマスク68の稜部は前記のような工程で削られる
ためさらに丸みを帯びる。このような丸みを有している
ため、次工程のBST膜58の堆積が被覆性よく行える
というメリットがある。
【0191】次に、図17(f)に示すように、ハード
マスク68を除去することなくBST膜58を堆積す
る。BST膜58は実施の形態1と同様に形成できる。
このようにハードマスク68を除去することなくBST
膜58を堆積するメリットは、実施の形態1で説明した
メリットと同様である。その後の工程は実施の形態1と
同様であるため説明を省略する。なお、下部電極51の
表面に残存するハードマスク68は白金で構成されるた
め、耐熱性に優れ、BST膜58の酸化雰囲気における
熱処理によっても体積増加が発生しないばかりか変質も
起こらないことは実施の形態2と同様である。
【0192】本実施の形態によれば、実施の形態1で説
明した効果に加えて、下部電極51上部に残存させたハ
ードマスク68が導電体である白金からなるためハード
マスク68も下部電極51の一部として機能し、また、
ハードマスク68の側面に側壁付着物が形成されないた
め、BST膜58と接するハードマスク68の全領域を
キャパシタとして機能させることができる。すなわち、
ハードマスク68の上面だけでなく、ハードマスク68
の側面をもキャパシタとして機能させることができ。こ
れにより、下部電極51およびハードマスク68表面の
全表面積がキャパシタに寄与し、情報蓄積容量素子Cの
蓄積容量を実施の形態2に比較してさらに増加しDRA
Mの性能向上を図ることができる。つまり、実施の形態
1で説明したようなハードマスク68を残存させること
による効果が得られるにもかかわらず、ハードマスク6
8を残存させることによる不利益が存在しない。
【0193】なお、下部電極51を二酸化ルテニウム、
あるいはルテニウムと二酸化ルテニウムとの積層膜とす
ることができること、窒化チタン膜47をシリコン窒化
膜に代えることができることは実施の形態1と同様であ
る。
【0194】(実施の形態4)本実施の形態4のDRA
Mは、実施の形態1のDRAMと情報蓄積容量素子Cの
構成および製造方法において相違するのみで、他の構成
および製造方法は実施の形態1と同様である。従って、
情報蓄積容量素子Cの製造方法について説明し、その他
の説明は省略する。
【0195】図18は、実施の形態4のDRAMの情報
蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順に示した断面図
である。図18は、図11および図12と同様に、図1
0(a)におけるB−B線断面を示し、また、DRAM
の情報蓄積容量素子Cの領域のみを示している。
【0196】実施の形態1の図8の工程の後、図18
(a)に示すように、窒化チタン膜47上にルテニウム
膜55、白金膜66およびシリコン酸化膜71を形成
し、シリコン酸化膜71上にパターニングされたフォト
レジスト膜70を形成する。
【0197】ルテニウム膜55、白金膜66について
は、実施の形態3と同様であるため詳細な説明は省略す
る。また、シリコン酸化膜71は、実施の形態1のシリ
コン酸化膜56と同様である。白金膜66はルテニウム
膜55をエッチングする際のハードマスクとして機能
し、また下部電極の一部として機能するものである。そ
の膜厚は後のエッチング工程で減少することを考慮して
0.1μmとする。また、シリコン酸化膜56は白金膜6
6をエッチングする際のハードマスクとして機能するも
のであり、その膜厚は後のエッチング工程で減少するこ
とを考慮して0.3μmとする。
【0198】フォトレジスト膜70は、シリコン酸化膜
71をパターニングする際のマスクに用いられ、通常の
フォトリソグラフィ工程により形成する。フォトレジス
ト膜70のパターニングは、実施の形態3の場合と同様
に、白金膜66のエッチングの際のテーパ部の形成によ
る底面積の増加を考慮してあらかじめその幅を小さく形
成する。しかし、本実施の形態では白金膜66のエッチ
ングを実施の形態3よりも異方性よく形成するため、パ
ターン幅を若干大きくし0.1μmとして形成する。ま
た、パターン間隔は190nmとする。フォトレジスト
膜70の膜厚は、シリコン酸化膜71のエッチングの際
の減少分を考慮して300nmとする。フォトレジスト
膜70にEB(Electron Beam )レジストを用いること
ができることは実施の形態1〜3と同様である。
【0199】次に、図18(b)に示すように、フォト
レジスト膜70をマスクとしてシリコン酸化膜71をエ
ッチングし、白金膜66をパターニングするためのハー
ドマスク72を形成する。シリコン酸化膜は異方性よく
形成されるため、フォトレジスト膜70のパターンを忠
実に再現し、ハードマスク72の底部においてもパター
ン幅100nm、パターン間隔190nmで形成され
る。
【0200】次に、図18(c)に示すように、フォト
レジスト膜70を除去する。フォトレジスト膜70の除
去は実施の形態1と同様である。
【0201】次に、図18(d)に示すように、シリコ
ン酸化膜からなるハードマスク72をマスクとして白金
膜66をパターニングし、白金からなるハードマスク6
8を形成する。白金膜66のエッチングには、実施の形
態2、3と同様にマグネトロン反応性イオンエッチング
を用いることができるが、エッチングの条件が相違す
る。すなわちエッチング条件は、たとえば反応圧力を5
mTorr、RF電力を1.2kW、エッチングガスを酸
素(O2 )および塩素(Cl2 )を各々80sccmお
よび20sccm、オーバーエッチングを100%、基
板温度を160℃とする。すなわち実施の形態2ではス
パッタリングで白金膜をエッチングし、実施の形態3で
は塩素ラジカルによる化学的エッチングを行ったが、実
施の形態4では酸素ラジカルによる化学的な作用により
白金膜66を基板温度160℃という高温状態でエッチ
ングする。このようなエッチング条件では、白金のエッ
チングレートは約150nm/minでありシリコン酸
化膜からなるハードマスク72に対する選択比は約1と
なる。このような条件では、ハードマスク68の側壁に
は側壁付着物が形成されず、また、白金エッチングの異
方性は実施の形態3よりも改善されてハードマスク68
のテーパ角は約85度となる。このため、ハードマスク
68の底部が当初のハードマスク72のパターン幅より
太り、エッチング終了時にハードマスク68底部の幅が
0.13μmとなる。これにより0.13μm幅のラインア
ンドスペースパターンが形成される。このように白金膜
66のエッチング特性が改善されるため、エッチング工
程のマージンが増加し、また、より高集積に対応が可能
な微細加工を行うことができる。
【0202】次に、図18(e)に示すように、ハード
マスク68をマスクとしてルテニウム膜55をエッチン
グすることにより下部電極51を形成する。なお、この
段階でハードマスク72も一部が削られ、その膜厚が減
少する。ルテニウム膜55のエッチングは、実施の形態
1と同様に行う。従って、ルテニウム膜55は、異方性
よくテーパ角89度でほぼ垂直に形成される。
【0203】次に、図18(f)に示すように、ハード
マスク68をマスクとしてルテニウム膜55の下地であ
る窒化チタン膜47をエッチングする。この段階でハー
ドマスク72が削られ、ほぼ消滅する。窒化チタン膜4
7のエッチングは、実施の形態1と同様である。窒化チ
タン膜47のエッチング処理によりハードマスク68も
一部削れ、その膜厚が図示するように減少する。
【0204】次に、図18(g)に示すように、ハード
マスク68を除去することなくBST膜58を堆積す
る。BST膜58は実施の形態1と同様に形成できる。
このようにハードマスク68を除去することなくBST
膜58を堆積するメリットは、実施の形態1で説明した
メリットと同様である。その後の工程は実施の形態1と
同様であるため説明を省略する。なお、下部電極51の
表面に残存するハードマスク68は白金で構成されるた
め、耐熱性に優れ、BST膜58の酸化雰囲気における
熱処理によっても体積増加が発生しないばかりか変質も
起こらないことは実施の形態2と同様である。
【0205】本実施の形態によれば、実施の形態1で説
明した効果に加えて、下部電極51上部に残存させたハ
ードマスク68が導電体である白金からなるためハード
マスク68も下部電極51の一部として機能し、また、
ハードマスク68の側面に側壁付着物が形成されないた
め、BST膜58と接するハードマスク68の全領域を
キャパシタとして機能させることができる。すなわち、
ハードマスク68の上面だけでなく、ハードマスク68
の側面をもキャパシタとして機能させることができ。こ
れにより、下部電極51およびハードマスク68表面の
全表面積がキャパシタに寄与し、情報蓄積容量素子Cの
蓄積容量を実施の形態2に比較してさらに増加しDRA
Mの性能向上を図ることができる。さらに、本実施の形
態では最初のパターニングを行うフォトレジスト膜70
を実施の形態3よりも幅広に形成できるため、フォトリ
ソグラフィマージンを増加できる。逆にいえば、本実施
の形態の方が微細加工性に優れている。
【0206】なお、下部電極51を二酸化ルテニウム、
あるいはルテニウムと二酸化ルテニウムとの積層膜とす
ることができること、窒化チタン膜47をシリコン窒化
膜に代えることができることは実施の形態1と同様であ
る。
【0207】(実施の形態5)本実施の形態5のDRA
Mは、実施の形態1のDRAMと情報蓄積容量素子Cの
構成および製造方法において相違するのみで、他の構成
および製造方法は実施の形態1と同様である。従って、
情報蓄積容量素子Cの製造方法について説明し、その他
の説明は省略する。
【0208】図19は、実施の形態5のDRAMの情報
蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順に示した断面図
である。図19は、図11および図12と同様に、図1
0(a)におけるB−B線断面を示し、また、DRAM
の情報蓄積容量素子Cの領域のみを示している。
【0209】実施の形態1の図8の工程の後、図19
(a)に示すように、窒化チタン膜47上にルテニウム
膜55およびBST膜73を形成し、BST膜73上に
パターニングされたフォトレジスト膜70を形成する。
【0210】ルテニウム膜55については、実施の形態
1と同様であるため詳細な説明は省略する。BST膜7
3は、ルテニウム膜55をエッチングする際のハードマ
スクとして機能し、また容量絶縁膜の一部として機能す
るものである。その膜厚は後のエッチング工程で減少す
ることを考慮して0.1μmとする。
【0211】フォトレジスト膜70は、BST膜73を
パターニングする際のマスクに用いられ、通常のフォト
リソグラフィ工程により形成する。フォトレジスト膜7
0のパターニングは、実施の形態2の場合と同様に、B
ST膜73のエッチングの際のテーパ部の形成による底
面積の増加を考慮してあらかじめその幅を小さく形成す
る。すなわち、図示するようにパターン幅を0.1μmと
して形成する。また、パターン間隔は190nmとす
る。フォトレジスト膜70の膜厚は、BST膜73のエ
ッチングの際の減少分を考慮して300nmとする。フ
ォトレジスト膜70にEB(Electron Beam )レジスト
を用いることができることは実施の形態1と同様であ
る。なお、フォトレジスト膜70は、実施の形態2と同
様にその上部(稜部)が丸みを帯びた形状、あるいは面
取り形状、すなわちラウンドレジストで形成される。
【0212】次に、図19(b)に示すように、フォト
レジスト膜70をマスクとしてBST膜73をパターニ
ングし、BSTからなるハードマスク74を形成する。
BST膜73のエッチングには、実施の形態3と同様に
行う。すなわちエッチング条件は、たとえば反応圧力を
1mTorr、RF電力を2kW、エッチングガスを塩
素(Cl2 )15sccm、基板温度を30℃とする。
このようなエッチング条件では、BST膜73のエッチ
ングレートは約150nm/minでありフォトレジス
ト膜70に対する選択比は約1となる。エッチング終了
時にはパターニングされたBST膜73(ハードマスク
74)のテーパ角は70度から80度となり、ハードマ
スク74の底部が当初のフォトレジスト膜70のパター
ン幅より太り、エッチング終了時にハードマスク74底
部の幅が0.13μmとなる。これにより0.13μm幅の
ラインアンドスペースパターンが形成される。
【0213】次に、図19(c)に示すように、フォト
レジスト膜70を除去する。フォトレジスト膜70の除
去は実施の形態1と同様である。
【0214】次に、図19(d)に示すように、ハード
マスク74をマスクとしてルテニウム膜55をエッチン
グすることにより下部電極51を形成する。ルテニウム
膜55のエッチングは、実施の形態1と同様に行う。従
って、ルテニウム膜55は、異方性よくテーパ角89度
でほぼ垂直に形成される。なお、ルテニウム膜55のエ
ッチングに際して、ハードマスク74も一部エッチング
される。
【0215】次に、図19(e)に示すように、ハード
マスク74をマスクとして窒化チタン膜47をエッチン
グする。窒化チタン膜47のエッチングは、実施の形態
1と同様である。窒化チタン膜47のエッチング処理に
よりハードマスク74も一部削れ、その膜厚が減少す
る。
【0216】次に、図19(f)に示すように、ハード
マスク74を除去することなくBST膜58を堆積す
る。BST膜58は実施の形態1と同様に形成できる。
このようにハードマスク74を除去することなくBST
膜58を堆積するメリットは、実施の形態1で説明した
メリットと同様である。
【0217】次に、図19(g)に示すように、BST
膜58に酸素雰囲気で熱処理を施す。このときBSTか
らなるハードマスク74をBST膜58とが一体化す
る。その後の工程は実施の形態1と同様であるため説明
を省略する。
【0218】本実施の形態によれば、実施の形態1で説
明した効果に加えて、下部電極51上部に残存させたハ
ードマスク74がBSTからなるため、ハードマスク7
4とBST膜58とが一体化して形成される。このた
め、下部電極51上部のBST膜58の接着性が極めて
良好になる。これにより情報蓄積容量素子Cを信頼性よ
く形成できる。また、BSTは強誘電材料であるため、
下部電極51上部におけるキャパシタ容量値への寄与が
実施の形態1と比較して幾分大きくなる。このため情報
蓄積容量素子Cの蓄積容量が大きくできる。
【0219】なお、下部電極51を二酸化ルテニウム、
あるいはルテニウムと二酸化ルテニウムとの積層膜とす
ることができること、窒化チタン膜47をシリコン窒化
膜に代えることができることは実施の形態1と同様であ
る。
【0220】(実施の形態6)本実施の形態6のDRA
Mは、実施の形態1のDRAMと情報蓄積容量素子Cの
構成および製造方法において相違するのみで、他の構成
および製造方法は実施の形態1と同様である。ただし、
本実施の形態では、実施の形態1の窒化チタン膜47に
代えて、酸化チタン膜75を用いる。酸化チタン膜75
はCVD法またはスパッタ法により形成でき、膜厚は3
0nmとする。従って、情報蓄積容量素子Cの製造方法
について説明し、その他の説明は省略する。
【0221】図20は、実施の形態6のDRAMの情報
蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順に示した断面図
である。図20は、図11および図12と同様に、図1
0(a)におけるB−B線断面を示し、また、DRAM
の情報蓄積容量素子Cの領域のみを示している。
【0222】実施の形態1の図8の工程の後(ただし窒
化チタン膜47に代えて酸化チタン膜75を形成してい
る。)、図20(a)に示すように、酸化チタン膜75
上にルテニウム膜55および酸化チタン膜76を形成
し、酸化チタン膜76上にパターニングされたフォトレ
ジスト膜70を形成する。
【0223】ルテニウム膜55については、実施の形態
1と同様である。酸化チタン膜76は、ルテニウム膜5
5をエッチングする際のハードマスクとして機能するも
のである。酸化チタン膜76の膜厚は30nmとする。
【0224】フォトレジスト膜70は、酸化チタン膜7
6をパターニングする際のマスクに用いられ、通常のフ
ォトリソグラフィ工程により形成する。フォトレジスト
膜70のパターニングは、実施の形態1と同様にする。
【0225】次に、図20(b)に示すように、フォト
レジスト膜70をマスクとして酸化チタン膜76をパタ
ーニングし、ハードマスク77を形成する。酸化チタン
膜76のエッチングは、実施の形態3と同様に行うこと
ができる。また、酸化チタン膜76は30nmと薄いの
で、エッチング異方性は問題にならず、フォトレジスト
膜70とほぼ同一の寸法でハードマスク77がパターニ
ングされる。これにより0.13μm幅のラインアンドス
ペースパターンが形成される。
【0226】次に、図20(c)に示すように、フォト
レジスト膜70を除去する。フォトレジスト膜70の除
去は実施の形態1と同様である。
【0227】次に、図20(d)に示すように、ハード
マスク77をマスクとしてルテニウム膜55をエッチン
グすることにより下部電極51を形成する。ルテニウム
膜55のエッチングは、実施の形態1と同様に行う。
【0228】次に、図20(e)に示すように、ハード
マスク77(酸化チタン膜)および酸化チタン膜75を
エッチングする。
【0229】次に、図20(f)に示すように、BST
膜58を堆積する。BST膜58は実施の形態1と同様
に形成できる。このようにハードマスク77として酸化
チタンを用いて前記実施の形態1〜5と同様に下部電極
51を形成できる。なお、酸化チタン膜に代えて酸化タ
ンタルを用いることもできる。
【0230】(実施の形態7)本実施の形態7のDRA
Mは、実施の形態1のDRAMと情報蓄積容量素子Cの
構成および製造方法において相違するのみで、他の構成
および製造方法は実施の形態1と同様である。従って、
情報蓄積容量素子Cの製造方法について説明し、その他
の説明は省略する。
【0231】図21は、実施の形態7のDRAMの情報
蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順に示した断面図
である。図21は、図11および図12と同様に、図1
0(a)におけるB−B線断面を示し、また、DRAM
の情報蓄積容量素子Cの領域のみを示している。
【0232】実施の形態1の図8の工程の後(ただし、
実施の形態1の窒化チタン膜47に代えてシリコン窒化
膜78を形成する。)、図21(a)に示すように、シ
リコン窒化膜78上にルテニウム膜55、白金膜79お
よびシリコン酸化膜71を形成し、シリコン酸化膜71
上にパターニングされたフォトレジスト膜70を形成す
る。
【0233】ルテニウム膜55については、実施の形態
3と同様であるため詳細な説明は省略する。白金膜79
は、ルテニウム膜55をエッチングする際の一種のブロ
ッキング膜であり、下部電極51の表面を保護する機能
を有する。また、白金膜79は下部電極51の一部とし
て機能する。白金膜79の膜厚は30nmである。
【0234】シリコン酸化膜71は、実施の形態1のシ
リコン酸化膜56と同様である。シリコン酸化膜56は
白金膜79およびルテニウム膜55をエッチングする際
のハードマスクとして機能するものであり、その膜厚は
後のエッチング工程で減少することを考慮して0.3μm
とする。
【0235】フォトレジスト膜70は、シリコン酸化膜
71をパターニングする際のマスクに用いられ、通常の
フォトリソグラフィ工程により形成する。フォトレジス
ト膜70のパターニングは、実施の形態1の場合と同様
である。
【0236】次に、図21(b)に示すように、フォト
レジスト膜70をマスクとしてシリコン酸化膜71をエ
ッチングし、シリコン酸化膜からなるハードマスク72
を形成する。シリコン酸化膜は異方性よく形成されるた
め、フォトレジスト膜70のパターンを忠実に再現し、
ハードマスク72の底部においてもパターン幅130n
m、パターン間隔130nmで形成される。
【0237】次に、図21(c)に示すように、フォト
レジスト膜70を除去する。フォトレジスト膜70の除
去は実施の形態1と同様である。
【0238】次に、図21(d)に示すように、シリコ
ン酸化膜からなるハードマスク72をマスクとして白金
膜79およびルテニウム膜55をエッチングする。ルテ
ニウム膜55のエッチングは、実施の形態1と同様に行
う。従って、ルテニウム膜55は、異方性よくテーパ角
89度でほぼ垂直に形成される。これにより下部電極5
1を形成する。なお、下部電極51の上面には白金膜7
9が形成されており、白金膜はこのエッチング工程でほ
とんど削れないためルテニウム膜の肩削れを防止するこ
とができる。また、ハードマスク72は大きく削られ、
下部電極51の上部に僅かに残存する程度にその膜厚が
減少する。
【0239】次に、図21(e)に示すように、ハード
マスク72を除去する。このハードマスク72の除去工
程では白金膜79はほとんど削られない。なお、下地は
シリコン窒化膜78で構成されるため、下地が過剰にエ
ッチングされることもない。
【0240】次に、図21(f)に示すように、白金膜
79を除去することなくBST膜58を堆積する。BS
T膜58は実施の形態1と同様に形成できる。このよう
に白金膜79を除去することなくBST膜58を堆積す
るメリットは、実施の形態1で説明したメリットと同様
である。その後の工程は実施の形態1と同様であるため
説明を省略する。
【0241】なお、下部電極51の表面に残存するのは
白金膜79であるため、耐熱性に優れ、BST膜58の
酸化雰囲気における熱処理によっても体積増加が発生し
ないばかりか変質も起こらない。また、白金膜79は下
部電極51の一部として機能し、BST膜58と接する
下部電極51の全表面をキャパシタとして機能させるこ
とができる。これにより、下部電極51の全表面積がキ
ャパシタに寄与し、情報蓄積容量素子Cの蓄積容量を増
加しDRAMの性能向上を図ることができる。
【0242】なお、下部電極51を二酸化ルテニウム、
あるいはルテニウムと二酸化ルテニウムとの積層膜とす
ることができることは実施の形態1と同様である。
【0243】(実施の形態8)本実施の形態8のDRA
Mは、実施の形態1のDRAMと情報蓄積容量素子Cの
構成および製造方法において相違するのみで、他の構成
および製造方法は実施の形態1と同様である。従って、
情報蓄積容量素子Cの製造方法について説明し、その他
の説明は省略する。
【0244】図22は、実施の形態8のDRAMの情報
蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順に示した断面図
である。図22は、図11および図12と同様に、図1
0(a)におけるB−B線断面を示し、また、DRAM
の情報蓄積容量素子Cの領域のみを示している。
【0245】実施の形態1の図8の工程の後、図22
(a)に示すように、窒化チタン膜47上にルテニウム
膜55およびシリコン窒化膜80を形成し、シリコン窒
化膜80上にパターニングされたフォトレジスト膜70
を形成する。
【0246】ルテニウム膜55については、実施の形態
1と同様であるため詳細な説明は省略する。シリコン窒
化膜80は、ルテニウム膜55をエッチングする際のハ
ードマスクとして機能し、その膜厚はルテニウム膜55
のエッチングの際の膜厚減少分を考慮して60nmとす
る。
【0247】フォトレジスト膜70は、シリコン窒化膜
80をパターニングする際のマスクに用いられ、通常の
フォトリソグラフィ工程により形成する。フォトレジス
ト膜70のパターニングは、実施の形態1の場合と同様
である。
【0248】次に、図22(b)に示すように、フォト
レジスト膜70をマスクとしてシリコン窒化膜80をエ
ッチングし、シリコン窒化膜からなるハードマスク81
を形成する。シリコン窒化膜は異方性よく形成されるた
め、フォトレジスト膜70のパターンを忠実に再現し、
ハードマスク81の底部においてもパターン幅130n
m、パターン間隔130nmで形成される。
【0249】次に、図22(c)に示すように、フォト
レジスト膜70を除去する。フォトレジスト膜70の除
去は実施の形態1と同様である。
【0250】次に、図22(d)に示すように、シリコ
ン酸化膜からなるハードマスク81をマスクとしてルテ
ニウム膜55をエッチングする。ルテニウム膜55のエ
ッチングは、実施の形態1と同様に行う。従って、ルテ
ニウム膜55は、異方性よくテーパ角89度でほぼ垂直
に形成される。これにより下部電極51を形成する。な
お、このエッチング工程でハードマスク81は幾分エッ
チングされ、その膜厚は40nmに減少する。
【0251】次に、図22(e)に示すように、窒化チ
タン膜47を除去する。この窒化チタン膜の除去工程で
は、ハードマスク81がさらに削られ、その稜部が丸み
を帯びるようになる。この結果、次工程のBST膜58
の被覆性を向上し、情報蓄積容量素子Cの信頼性を向上
できる。
【0252】次に、図22(f)に示すように、ハード
マスク81を除去することなくBST膜58を堆積す
る。BST膜58は実施の形態1と同様に形成できる。
このようにハードマスク81を除去することなくBST
膜58を堆積するメリットは、実施の形態1で説明した
メリットと同様である。さらに、本実施の形態ではハー
ドマスク81として、シリコン酸化膜よりも誘電率の高
いシリコン窒化膜を用いているため、実施の形態1の場
合と比較して下部電極51上部のキャパシタ容量値に寄
与する割合が大きくなる。その後の工程は実施の形態1
と同様であるため説明を省略する。
【0253】なお、下部電極51を二酸化ルテニウム、
あるいはルテニウムと二酸化ルテニウムとの積層膜とす
ることができることは実施の形態1と同様である。
【0254】(実施の形態9)本実施の形態9のDRA
Mは、実施の形態1のDRAMと情報蓄積容量素子Cの
構成および製造方法において相違するのみで、他の構成
および製造方法は実施の形態1と同様である。従って、
情報蓄積容量素子Cの製造方法について説明し、その他
の説明は省略する。
【0255】図23は、実施の形態9のDRAMの情報
蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順に示した断面図
である。図23は、図11および図12と同様に、図1
0(a)におけるB−B線断面を示し、また、DRAM
の情報蓄積容量素子Cの領域のみを示している。
【0256】実施の形態1の図8の工程の後(ただし、
実施の形態1の窒化チタン膜47に代えてシリコン窒化
膜78を形成する。)、図23(a)に示すように、シ
リコン窒化膜78上にルテニウム膜55およびシリコン
酸化膜82を形成し、シリコン酸化膜82上にパターニ
ングされたフォトレジスト膜70を形成する。
【0257】ルテニウム膜55については、実施の形態
1と同様であるため詳細な説明は省略する。シリコン酸
化膜82は、ルテニウム膜55をエッチングする際のハ
ードマスクとして機能し、その膜厚はルテニウム膜55
のエッチングが完了した時点でちょうど消失するように
膜厚を選択する。たとえば150nmとする。
【0258】フォトレジスト膜70は、シリコン酸化膜
82をパターニングする際のマスクに用いられ、通常の
フォトリソグラフィ工程により形成する。フォトレジス
ト膜70のパターニングは、シリコン酸化膜82の膜厚
も考慮したうえで、ルテニウム膜55のエッチングが完
了した時点でちょうどシリコン酸化膜82が消失するよ
うに選択する。シリコン酸化膜82の膜厚が150nm
の場合、たとえばパターン幅を80nm、パターン間隔
を180nmとする。
【0259】次に、図23(b)に示すように、フォト
レジスト膜70をマスクとしてシリコン酸化膜82をエ
ッチングし、シリコン窒化膜からなるハードマスク83
を形成する。シリコン酸化膜は異方性よく形成されるた
め、フォトレジスト膜70のパターンを忠実に再現し、
ハードマスク83の底部においてもパターン幅80n
m、パターン間隔180nmが維持される。
【0260】次に、図23(c)に示すように、フォト
レジスト膜70を除去する。フォトレジスト膜70の除
去は実施の形態1と同様である。
【0261】次に、図23(d)に示すように、シリコ
ン酸化膜からなるハードマスク83をマスクとしてルテ
ニウム膜55をエッチングする。ルテニウム膜55のエ
ッチングは、実施の形態1のエッチング条件を若干変更
し、ルテニウム膜55のエッチング形状が若干テーパ形
状を有する条件を選択する。たとえば実施の形態1では
オーバーエッチングを100%行っているが、これを3
0%にする。その他の条件は実施の形態1の場合と同様
とする。このような条件では。ルテニウム膜55はテー
パ角89度にエッチングされず、85度程度でエッチン
グされる。また、前記の通りルテニウム膜55のエッチ
ング終了時点でハードマスク83が消失するようにその
膜厚およびパターン幅を選択している。この結果、エッ
チングが終了した時点で、下部電極51の断面形状は、
図示するように、三角形状になる。このように本実施の
形態では下部電極51の形成完了時点でハードマスク8
3が消失しており、これをエッチングして除去する必要
がない。この結果、工程を簡略し、また、下部電極51
の加工形状を悪化させず、さらに、下地を荒れさせるこ
ともない。
【0262】次に、図23(e)に示すように、BST
膜58を堆積する。BST膜58は実施の形態1と同様
に形成できる。
【0263】このように本実施の形態ではハードマスク
83を除去する必要がないため、実施の形態1で説明し
たと同様の効果が得られるさらに、本実施の形態では下
部電極51とBST膜58との間に、容量値を低下させ
るような物質が形成されておらず、下部電極51の全表
面積を有効に使用することができる。
【0264】なお、下部電極51を二酸化ルテニウム、
あるいはルテニウムと二酸化ルテニウムとの積層膜とす
ることができることは実施の形態1と同様である。ま
た、シリコン窒化膜78を窒化チタン膜に代えることが
できる。この場合、図23(d)工程の後に、窒化チタ
ン膜をエッチングする必要がある。エッチング工程の増
加を考慮すればシリコン窒化膜78用いる方が好まし
い。
【0265】(実施の形態10)本実施の形態10のD
RAMは、実施の形態1のDRAMと情報蓄積容量素子
Cの構成および製造方法において相違し、またその他の
構成は各部材の寸法の点で相違する。すなわち、実施の
形態1では、下部電極51が図10(a)におけるB−
B線方向に260μmピッチで形成されるが、本実施の
形態では160μmピッチで形成される。つまり、本実
施の形態のDRAMは4〜16Gbitの集積度を有す
るデバイスに適用されるものである。従って、情報蓄積
容量素子C以外の部分の寸法は、前記160μmピッチ
の適合するように形成される。
【0266】図24は、実施の形態10のDRAMの情
報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順に示した断面
図である。図24は、図11および図12と同様に、図
10(a)におけるB−B線断面を示し、また、DRA
Mの情報蓄積容量素子Cの領域のみを示している。
【0267】実施の形態1の図8の工程の後(ただし各
部材は前記した寸法に適合するように形成される。ま
た、窒化チタン膜47に代えて酸化チタン膜75を形成
している。)、図24(a)に示すように、シリコン窒
化膜75上にイリジウム膜84、ルテニウム膜85およ
びシリコン酸化膜86を形成し、シリコン酸化膜86上
にパターニングされたフォトレジスト膜70を形成す
る。
【0268】イリジウム膜84は、たとえばCVD法ま
たはスパッタ法により形成され、下部電極51の一部と
なるものである。その膜厚はたとえば300nmとす
る。ルテニウム膜85は、イリジウム膜84のエッチン
グの際のハードマスクの一部として用いられるものであ
り、100nmの膜厚で形成される。シリコン酸化膜8
6は、実施の形態1のシリコン酸化膜56と同様であ
り、ルテニウム膜85をエッチングする際のハードマス
クとして機能する。その膜厚は後のエッチング工程で減
少することを考慮して100nmとする。
【0269】フォトレジスト膜70は、シリコン酸化膜
86をパターニングする際のマスクに用いられ、通常の
フォトリソグラフィ工程により形成する。フォトレジス
ト膜70のパターニングは、実施の形態1の場合と同様
に形成する。ただし、パターン寸法は実施の形態1より
も小さく、パターン幅を80nm、パターン間隔を80
nmとする。フォトレジスト膜70の膜厚は、シリコン
酸化膜86のエッチングの際の減少分を考慮して300
nmとする。フォトレジスト膜70にEB(Electron B
eam )レジストを用いることができることは実施の形態
1と同様である。
【0270】次に、図24(b)に示すように、フォト
レジスト膜70をマスクとしてシリコン酸化膜86をエ
ッチングし、ルテニウム膜85をパターニングするため
のハードマスク87を形成する。シリコン酸化膜は異方
性よく形成されるため、フォトレジスト膜70のパター
ンを忠実に再現し、ハードマスク87の底部においても
パターン幅80nm、パターン間隔80nmで形成され
る。
【0271】次に、図24(c)に示すように、フォト
レジスト膜70を除去する。フォトレジスト膜70の除
去は実施の形態1と同様である。
【0272】次に、図24(d)に示すように、シリコ
ン酸化膜からなるハードマスク87をマスクとしてルテ
ニウム膜85をパターニングし、ルテニウムからなるハ
ードマスク88を形成する。ルテニウム膜85のエッチ
ングには、実施の形態1の図11(d)工程で説明した
ルテニウムの高異方性エッチングを用いる。このような
エッチング条件では、ルテニウム膜85のエッチングレ
ートは約112nm/minでありシリコン酸化膜から
なるハードマスク87に対する選択比は約10と大き
い。このような条件では、ハードマスク88のテーパ角
は89度とほぼ垂直に形成され、ハードマスク87のパ
ターンを忠実に再現したハードマスク88のパターンが
形成される。なお、この段階でハードマスク87も一部
が削られ、その膜厚が減少する。
【0273】次に、図24(e)に示すように、ハード
マスク87、88をマスクとしてイリジウム膜84をエ
ッチングすることにより下部電極51を形成する。な
お、この段階でハードマスク87がさらに削られ、その
膜厚がさらに減少する。イリジウム膜84のエッチング
は、前工程のルテニウム膜85のエッチングと同様に行
う。従って、イリジウム膜84は、異方性よくテーパ角
89度でほぼ垂直に形成される。
【0274】次に、図24(f)に示すように、ハード
マスク87、88を除去することなくPZT膜89を堆
積する。PZT膜89はたとえばスパッタ法またはCV
D法により形成できる。このようにハードマスク87、
88を除去することなくPZT膜89を堆積するメリッ
トは、実施の形態1で説明したメリットと同様である。
なお、下部電極51の表面部分に形成されたハードマス
ク88はルテニウムで構成されるため、耐熱性に優れ、
PZT膜89との親和性も高い。さらに、ハードマスク
88の側面部分はキャパシタ容量値に寄与することがで
きる。ただし、ハードマスク87はシリコン酸化膜で構
成されるため、その部分はキャパシタ容量値に寄与しな
い。このようにキャパシタ容量値に寄与しない部分があ
っても、容量値全体の低下率は許容できる範囲であるこ
とは実施の形態1と同様である。
【0275】その後の工程は実施の形態1とほぼ同様で
あるため説明を省略する。ただし、PZT膜89のアニ
ールは約500℃で行い、上部電極としてはイリジウム
膜を用いる。
【0276】本実施の形態によれば、実施の形態1で説
明した効果に加えて、さらに高集積な情報蓄積容量素子
Cが形成できる。これにより4〜16Gbitクラスの
DRAMを製造できる。
【0277】なお、下部電極51を酸化イリジウム、あ
るいはイリジウムと酸化イリジウムとの積層膜とするこ
とができる。また、前記図24(e)の工程の後、シリ
コン窒化膜75をエッチングするとともにハードマスク
87を除去することもできる。この場合、ハードマスク
87が存在しなくなり、ハードマスク88の上面部もキ
ャパシタの容量値に寄与することができる。これにより
蓄積容量の増加を図ることができる。
【0278】(実施の形態11)図25および図26
は、実施の形態11のFeRAMの製造工程の一例をそ
の情報蓄積容量素子Cの部分について工程順に示した断
面図である。本実施の形態のFeRAMは、選択MIS
FETおよび周辺回路の部分は実施の形態1と同様であ
る。以下、情報蓄積容量素子Cの部分についてのみ説明
する。
【0279】実施の形態1の図8の工程の後、図25
(a)に示すように、膜厚20nmのチタン膜90、膜
厚150nmのイリジウム膜91、膜厚20nmの白金
膜92、膜厚250nmのPZT膜93、膜厚150n
mのイリジウム膜94、および膜厚20nmの白金膜9
5を順次堆積する。さらに、白金膜95上に実施の形態
2で説明したと同様なラウンドレジスト膜96を形成す
る。ラウンドレジスト膜96は、プラグ49上に形成す
る。
【0280】次に、図25(b)に示すように、ラウン
ドレジスト膜96をマスクにして白金膜95をエッチン
グする。この白金膜95のエッチングは、たとえばマグ
ネトロン反応性イオンエッチング法を用いることができ
る。エッチング条件は、たとえば反応圧力を5mTor
r、RF電力を1.2kW、エッチングガスを塩素(Cl
2 )およびアルゴンを各々20sccmおよび10sc
cm、基板温度を30℃とすることができる。このよう
な条件の場合、テーパ角が70度程度の異方性を発現す
る。このエッチングでは、ラウンドレジスト膜96が形
成されているため、エッチングされた白金膜95の側壁
に不着物は発生しない。
【0281】次に、図25(c)に示すように、ラウン
ドレジスト膜96をアッシング等で除去し、エッチング
された白金膜95をマスクにしてイリジウム膜94をエ
ッチングする(図25(d))。このイリジウム膜94
のエッチングも前記白金膜95のエッチングと同様に行
う。エッチングされたイリジウム膜94のテーパ角はほ
ぼ70度となり、側壁付着物は発生しない。
【0282】次に、イリジウム膜94のエッチングの際
のハードマスクとして用いた白金膜95を除去すること
なく、エッチングされたイリジウム膜94を覆うように
レジスト膜97を形成する(図25(e))。その後、
レジスト膜97をマスクにしてPZT膜93をエッチン
グする(図25(f))。PZT膜93のエッチング
は、白金膜95のエッチングと同様に行う。エッチング
されたPZT膜93のテーパ角はほぼ70度となり、側
壁付着物は発生しない。
【0283】次に、レジスト膜97を除去し(図26
(g))、エッチングされたPZT膜93を覆うように
レジスト膜98を形成する。その後、レジスト膜98を
マスクにして白金膜92をエッチングする(図26
(h))。さらに、レジスト膜98およびエッチングさ
れた白金膜92をマスクにして、イリジウム膜91、チ
タン膜90をエッチングする(図26(i))。最後に
レジスト膜98をアッシング等で除去する(図26
(j))。
【0284】このようにして、パターニングされた白金
膜95およびイリジウム膜94からなる上部電極と、パ
ターニングされたPZT膜93からなる誘電体膜と、パ
ターニングされた白金膜92およびイリジウム膜91か
らなる下部電極とからなるキャパシタが形成される。
【0285】本実施の形態によれば、白金膜95、92
を用いてイリジウム膜94、91をエッチングすること
ができ、精度よくFeRAMのキャパシタを形成でき
る。
【0286】なお、白金に代えてルテニウムを用いるこ
とができる。この場合のエッチングは、実施の形態1で
説明したルテニウム膜のエッチング方法を用いることが
できる。また、PZTに代えてBSTを用いることもで
きる。
【0287】(実施の形態12)本実施の形態12のD
RAMは、実施の形態7のDRAMと情報蓄積容量素子
Cにおいて相違するのみで、他の構成および製造方法は
実施の形態7と同様である。従って、情報蓄積容量素子
Cの製造方法について説明し、その他の説明は省略す
る。
【0288】図27および図28は、実施の形態12の
DRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順
に示した断面図である。図27および図28は、図11
および図12と同様に、図10(a)におけるB−B線
断面を示し、また、DRAMの情報蓄積容量素子Cの領
域のみを示している。
【0289】実施の形態7と同様に、図27(a)に示
すように、シリコン窒化膜78上にルテニウム膜55、
白金膜79およびシリコン酸化膜71を形成し、シリコ
ン酸化膜71上にパターニングされたフォトレジスト膜
70を形成する。
【0290】シリコン窒化膜78、ルテニウム膜55、
シリコン酸化膜71およびフォトレジスト膜70につい
ては、実施の形態7と同様である。白金膜79は、実施
の形態7と同様に、下部電極51の一部として機能し、
下部電極51の表面を保護する機能を有する。また、白
金膜79は、フォトレジスト膜70をアッシングする際
の保護膜としての機能をさらに有する。アッシングの際
の保護膜的機能については後述する。白金膜79の膜厚
は20nmである。
【0291】次に、図27(b)に示すように、フォト
レジスト膜70をマスクとしてシリコン酸化膜71をエ
ッチングし、シリコン酸化膜からなるハードマスク72
を形成する。シリコン酸化膜は実施の形態7と同様に、
異方性よく加工されるため、フォトレジスト膜70のパ
ターンを忠実に再現し、ハードマスク72の底部におい
てもパターン幅130nm、パターン間隔130nmで
形成される。
【0292】次に、図27(c)に示すように、フォト
レジスト膜70を除去する。フォトレジスト膜70の除
去はアッシングにより行われる。アッシングは、酸素を
原料ガスに含む枚葉式プラズマアッシャ、バレル型アッ
シャ、あるいはオゾンガスによるオゾンアッシャ等を例
示できる。すなわち、酸素ラジカル、オゾン等の活性酸
素、強酸性ガス等の雰囲気に暴露することによりアッシ
ングが実現できる。
【0293】本実施の形態では、ルテニウム膜55上に
白金膜79が形成されているため、このアッシングの際
にルテニウム膜55が浸食されることがなく、ルテニウ
ム膜55の浸食あるいは消失を防止できる。すなわち、
アッシング雰囲気においては活性な酸素ラジカルあるい
はオゾンが多量に存在するため、下部電極51となるル
テニウム膜55を浸食する可能性がある。つまり、ルテ
ニウムは活性な酸素またはオゾンにより浸食(エッチン
グ)されるため、仮にルテニウム膜55が露出している
場合にはハードマスク72の存在しない領域のルテニウ
ム膜55が浸食を受ける場合が生じる。ハードマスク7
2の存在しない領域は次工程においてエッチングされ除
去される領域ではあるが、アッシングによる浸食は等方
性であるため、ハードマスク72の下部領域に入り込
み、下部電極51の加工精度を低下させる場合がある。
また、著しい場合にはルテニウム膜55が消失する恐れ
もある。
【0294】しかし、本実施の形態では、ルテニウム膜
55上に白金膜79が形成されている。白金膜79は、
ルテニウム膜55とは相違し、活性な酸素またはオゾン
で浸食されることがない。この結果、アッシング工程に
おいてルテニウム膜55が活性な酸素またはオゾンに暴
露されることはなく、ルテニウム膜55が浸食されるこ
とはない。したがって、次工程の下部電極51の加工精
度を向上でき、また、ルテニウム膜55の消失を防止し
て下部電極51の加工を実現できる。
【0295】次に、図27(d)に示すように、実施の
形態7で説明したと同様に、シリコン酸化膜からなるハ
ードマスク72をマスクとして白金膜79およびルテニ
ウム膜55をエッチングする。ルテニウム膜55は、前
記したとおり浸食されることなく存在しているため、ま
た、異方性よくテーパ角89度でほぼ垂直に形成される
ため、その加工精度を高くすることができる。
【0296】ここで、白金膜79とルテニウム膜55と
は一度のエッチング工程により連続してエッチング加工
されるが、白金79のエッチングにより不揮発性の白金
反応生成物が生じる可能性がある。しかし、白金膜79
はその膜厚が20nmと薄いため不揮発性の白金反応生
成物の発生量は少ない。このため、白金膜79の加工に
続いて行われるルテニウム膜55のエッチング加工にお
いては、この白金反応生成物の存在は特に問題となら
ず、ルテニウム膜55加工の異方性への影響は極めて小
さい。この結果、ルテニウム膜55はテーパ角89度で
ほぼ垂直に形成されることとなる。
【0297】なお、白金膜79は前記アッシング工程に
おいても、また、本エッチング工程のルテニウムエッチ
ングにおいてもほとんど削れないため、ルテニウム膜の
肩削れを防止することができることは実施の形態7と同
様である。また、ハードマスク72は大きく削られ、下
部電極51の上部に僅かに残存する程度にその膜厚が減
少することも実施の形態7と同様である。
【0298】次に、実施の形態7と同様に、ハードマス
ク72を除去する(図27(e))。このハードマスク
72の除去工程では白金膜79はほとんど削られない
点、および下地がシリコン窒化膜78で構成されるため
過剰に下地がエッチングされることがない点は実施の形
態7と同様である。
【0299】なお、ハードマスク72は除去する必要は
なく、ハードマスク72が存在したまま次工程のBST
膜58を堆積してもよい。この場合には下部電極51の
上面部はキャパシタとして作用しないが、上面部の面積
(寄与率)が十分に小さいため問題とならないことは実
施の形態1と同様である。
【0300】次に、図27(f)に示すように、白金膜
79を除去することなくBST膜58を堆積する。BS
T膜58は実施の形態1と同様に形成できる。このよう
に白金膜79を除去することなくBST膜58を堆積す
るメリットは、実施の形態1で説明したメリットと同様
である。
【0301】次に、図27(g)に示すように、BST
膜58を酸素雰囲気で熱処理(アニール)を行なう。熱
処理条件等は実施の形態1と同様である。
【0302】次に、図27(h)に示すように、BST
膜58上に白金膜120を堆積する。白金膜120は、
スパッタ法またはCVD法により堆積できる。白金膜1
20は、白金膜79と同様に、フォトレジスト膜60を
アッシングする際に浸食されないという特性を有する。
この点は後述する。
【0303】次に、図28(i)に示すように白金膜1
20上にフォトレジスト膜60を形成する。フォトレジ
スト膜60はDRAMのメモリセル領域を覆うように形
成する。
【0304】次に、図28(j)に示すようにこのフォ
トレジスト膜60をマスクとして白金膜120およびB
ST膜58をエッチングし、容量絶縁膜53および上部
電極54を形成する。白金膜120のエッチングは、前
記ルテニウムのように異方性よくはエッチングされない
が、上部電極54は一般にメモリセル領域の全面に一体
として形成されるため、エッチング端部が多少テーパ状
に形成されても微細加工性に大きな影響はない。白金膜
120のエッチングは、約60度のテーパ角で形成され
る。
【0305】次に、図28(k)に示すように、フォト
レジスト膜60をアッシングにより除去する。このアッ
シングは、前記フォトレジスト膜70のアッシングの場
合と同様である。本実施の形態では、上部電極54とな
る材料として白金膜120を用いているため、下部電極
51の白金膜79の場合と同様、アッシングによる浸食
を防止できる。これにより、白金膜120が浸食あるい
は消失することなく、上部電極54を加工し、実現でき
る。
【0306】このようにして、ルテニウムおよび白金か
らなる下部電極51、BSTからなる容量絶縁膜53お
よび白金からなる上部電極54を有する情報蓄積容量素
子Cを完成する(図28(k))。これにより、メモリ
セル選択用MISFETQsとこれに直列に接続された
情報蓄積容量素子Cとで構成されるDRAMのメモリセ
ルが完成する。
【0307】白金膜120の堆積にはたとえばスパッタ
法またはCVD法を用いることができる。また、白金膜
120およびBST膜58のエッチングには、実施の形
態1の図13に示すエッチング装置を用いることができ
る。エッチング条件は、たとえば反応圧力2mTor
r、プラズマソースパワー300W、RFバイアスパワ
ー600W、四フッ化炭素(CF4 )およびアルゴン
(Ar)を各々10sccmおよび40sccmで、オ
ーバーエッチング量を10%とすることができる。この
ような条件では、エッチング形状は異方性を発揮せず、
テーパ角は約60度となるが、ここでは微細加工を要求
されるわけではないので不都合はない。なお、この条件
での白金のエッチングレートは100nm/min、B
STのエッチングレートは100nm/minである。
【0308】その後の工程は実施の形態1と同様である
ため説明を省略する。
【0309】なお、下部電極51の表面に残存するのは
白金膜79であるため、耐熱性に優れ、BST膜58の
酸化雰囲気における熱処理によっても体積増加が発生し
ないばかりか変質も起こらない。しかも本発明者らの知
見によれば、白金はBSTとの結晶的相性が良い。この
ため、BSTの特性が向上し、下部電極51の上面にお
けるキャパシタ特性およびBSTの接着性を向上でき
る。また、白金膜79は下部電極51の一部として機能
し、BST膜58と接する下部電極51の全表面をキャ
パシタとして機能させることができる。これにより、下
部電極51の全表面積がキャパシタに寄与し、情報蓄積
容量素子Cの蓄積容量を増加しDRAMの性能向上を図
ることができる。これらの点は、実施の形態7と同様で
ある。また、下部電極51を二酸化ルテニウム、あるい
はルテニウムと二酸化ルテニウムとの積層膜とすること
ができることは実施の形態1と同様である。
【0310】また、下部電極51の白金79に代えて、
二酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化チタン、BS
T、シリコン酸化物、イリジウムまたは二酸化イリジウ
ムを用いることができる。これらの材料は、白金同様に
アッシングによりエッチングされることがない、あるい
はルテニウムよりもエッチング速度が小さいため、白金
膜79と同様にルテニウム膜55の浸食あるいは消失を
防止できる。なお、二酸化ルテニウム、酸化タンタル、
酸化チタン、BST、シリコン酸化物を用いる場合に
は、白金のように従来プロセスで用いられていなかった
新規物質を用いるわけではなく、プロセス上その性質あ
るいは製法が熟知された材料を用いることとなる。この
ため、従来工程上で得られている知見を生かすことがで
きるというメリットがある。
【0311】(実施の形態13)本実施の形態13のD
RAMは、実施の形態12のDRAMと情報蓄積容量素
子Cの上部電極において相違するのみで、他の構成およ
び製造方法は実施の形態12と同様である。従って、情
報蓄積容量素子Cの製造方法について説明し、その他の
説明は省略する。
【0312】図29は、実施の形態13のDRAMの情
報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順に示した断面
図である。図29は、図11および図12と同様に、図
10(a)におけるB−B線断面を示し、また、DRA
Mの情報蓄積容量素子Cの領域のみを示している。
【0313】実施の形態12における図27(g)まで
の工程と同様に、下部電極51上にBST膜58を形成
する。
【0314】次に、図29(a)に示すように、BST
膜58上にルテニウム膜121および窒化チタン膜12
2を堆積する。ルテニウム膜121および窒化チタン膜
122は、スパッタ法またはCVD法により堆積でき
る。
【0315】このように本実施の形態では、ルテニウム
膜121上に窒化チタン膜122を形成しているため、
実施の形態12の下部電極51における白金膜79と同
様に、フォトレジスト膜60のアッシングの際のルテニ
ウム膜121の浸食あるいは消失を防止できる。つま
り、窒化チタン膜122は、フォトレジスト膜60のア
ッシングの際のルテニウム膜121の浸食に対するブロ
ッキング膜として作用する。
【0316】すなわち、図29(b)に示すように窒化
チタン膜122上にDRAMのメモリセル領域を覆うよ
うにフォトレジスト膜60を形成し、図29(c)に示
すようにこのフォトレジスト膜60をマスクとして窒化
チタン膜122、ルテニウム膜121およびBST膜5
8をエッチングする。これにより、BST膜58からな
る容量絶縁膜53と、窒化チタン膜122およびルテニ
ウム膜121からなる上部電極54とを形成する。さら
に、図29(d)に示すように、フォトレジスト膜60
をアッシングにより除去する。このアッシングは、実施
の形態12のフォトレジスト膜70のアッシングの場合
と同様である。
【0317】本実施の形態では、上部電極54となる材
料としてルテニウム膜121および窒化チタン膜122
を用い、かつ、窒化チタン膜122をルテニウム膜12
1上に形成しているため、実施の形態12の白金膜79
の場合と同様、アッシングによる浸食を防止できる。す
なわち、窒化チタン膜122は、アッシングの雰囲気で
ある活性な酸素ラジカルあるいはオゾンによりエッチン
グされないため、窒化チタン膜122の下地であるルテ
ニウム膜121を保護することができる。これによりル
テニウム膜121の浸食あるいは消失を防止し、上部電
極54を加工し実現できる。
【0318】なお、窒化チタン膜122およびルテニウ
ム膜121のエッチング端面にはルテニウムが露出し、
この部分の浸食が発生するが、上部電極54は一般にメ
モリセル領域の全面に一体として形成されるため、エッ
チング端部に多少の浸食が生じても微細加工性に大きな
影響はない。
【0319】このようにして、ルテニウムおよび白金か
らなる下部電極51、BSTからなる容量絶縁膜53お
よびルテニウムと窒化チタンとからなる上部電極54を
有する情報蓄積容量素子Cを完成する(図29
(d))。これにより、メモリセル選択用MISFET
Qsとこれに直列に接続された情報蓄積容量素子Cとで
構成されるDRAMのメモリセルが完成する。
【0320】窒化チタン膜122、ルテニウム膜121
およびBST膜58のエッチングには、実施の形態1の
図13に示すエッチング装置を用いることができる。エ
ッチング条件は、たとえば反応圧力2mTorr、プラ
ズマソースパワー300W、RFバイアスパワー600
W、四フッ化炭素(CF4 )およびアルゴン(Ar)を
各々10sccmおよび40sccmで、オーバーエッ
チング量を10%とすることができる。このような条件
では、エッチング形状は異方性を発揮せず、テーパ角は
約60度となるが、ここでは微細加工を要求されるわけ
ではないので不都合はない。なお、この条件でのルテニ
ウムのエッチングレートは150nm/min、BST
のエッチングレートは100nm/min、窒化チタン
のエッチングレートは120nm/minである。
【0321】その後の工程は実施の形態1と同様である
ため説明を省略する。
【0322】なお、下部電極51の表面に白金膜79を
残存させる効果は、実施の形態12と同様である。ま
た、下部電極51を二酸化ルテニウム、あるいはルテニ
ウムと二酸化ルテニウムとの積層膜とすることができる
ことは実施の形態1と同様である。
【0323】また、下部電極51の白金79に代えて、
二酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化チタン、BS
T、シリコン酸化物、イリジウムまたは二酸化イリジウ
ムを用いることができることも実施の形態12と同様で
ある。
【0324】また、本実施の形態では、情報蓄積容量素
子Cの形成後、実施の形態1と同様にSOGからなるシ
リコン酸化膜61を形成し、さらにプラグ64を形成で
きるが、上部電極54の上層(表面層)には窒化チタン
が形成されている。このように窒化チタンが形成されて
いるため、上部電極54とプラグ64とのコンタクト抵
抗を低減できる。
【0325】(実施の形態14)本実施の形態14のD
RAMは、実施の形態13のDRAMと情報蓄積容量素
子Cの上部電極において相違するのみで、他の構成およ
び製造方法は実施の形態13と同様である。従って、情
報蓄積容量素子Cの製造方法について説明し、その他の
説明は省略する。
【0326】図30は、実施の形態13のDRAMの情
報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順に示した断面
図である。図30は、図11および図12と同様に、図
10(a)におけるB−B線断面を示し、また、DRA
Mの情報蓄積容量素子Cの領域のみを示している。
【0327】実施の形態13と同様、実施の形態12の
図27(g)に示すように下部電極51上にBST膜5
8を形成する。
【0328】次に、図30(a)に示すように、BST
膜58上にルテニウム膜121およびシリコン酸化膜1
23を堆積する。ルテニウム膜121はスパッタ法また
はCVD法により堆積できる。シリコン酸化膜123は
たとえばTEOSを原料ガスに用いたCVD法により形
成できる。シリコン酸化膜123の膜厚は30nmとす
る。
【0329】このように本実施の形態では、ルテニウム
膜121上にシリコン酸化膜123を形成しているた
め、実施の形態13の窒化チタン膜122と同様に、フ
ォトレジスト膜60のアッシングの際のルテニウム膜1
21の浸食あるいは消失に対するブロッキング膜として
作用させることができる。
【0330】すなわち、図30(b)に示すようにシリ
コン酸化膜123上にDRAMのメモリセル領域を覆う
ようにフォトレジスト膜60を形成し、図30(c)に
示すようにこのフォトレジスト膜60をマスクとしてシ
リコン酸化膜123、ルテニウム膜121およびBST
膜58をエッチングする。これにより、BST膜58か
らなる容量絶縁膜53と、シリコン酸化膜123および
ルテニウム膜121からなる上部電極54とを形成す
る。さらに、図30(d)に示すように、フォトレジス
ト膜60をアッシングにより除去する。このアッシング
は、実施の形態12のフォトレジスト膜70のアッシン
グの場合と同様である。
【0331】本実施の形態では、上部電極54となる材
料としてルテニウム膜121およびシリコン酸化膜12
3を用い、かつ、シリコン酸化膜123をルテニウム膜
121上に形成しているため、実施の形態13の窒化チ
タン膜122と同様、アッシングによる浸食を防止でき
る。シリコン酸化膜123は、アッシングの雰囲気であ
る活性な酸素ラジカルあるいはオゾンによりエッチング
されないため、シリコン酸化膜123の下地であるルテ
ニウム膜121を保護することができる。
【0332】なお、シリコン酸化膜123およびルテニ
ウム膜121のエッチング端面にはルテニウムが露出す
るが、実施の形態13と同様、大きな問題は生じない。
【0333】このようにして、ルテニウムおよび白金か
らなる下部電極51、BSTからなる容量絶縁膜53お
よびルテニウムとシリコン酸化膜とからなる上部電極5
4を有する情報蓄積容量素子Cを完成する(図30
(d))。これにより、メモリセル選択用MISFET
Qsとこれに直列に接続された情報蓄積容量素子Cとで
構成されるDRAMのメモリセルが完成する。なお、絶
縁膜であるシリコン酸化膜123は電極としては作用し
ないが、上部電極54を構成するルテニウムと一体に形
成されることから、本明細書では、シリコン酸化膜12
3を上部電極54に含めて考える。また、シリコン酸化
膜123に代えて、他の絶縁膜たとえばシリコン窒化膜
を用いることもできる。
【0334】シリコン酸化膜123、ルテニウム膜12
1およびBST膜58のエッチングには、実施の形態1
3と同様に実施の形態1の図13に示すエッチング装置
を用いることができ、エッチング条件も実施の形態13
と同様である。この条件でのルテニウムのエッチングレ
ートは150nm/min、BSTのエッチングレート
は100nm/min、シリコン酸化膜のエッチングレ
ートは300nm/minである。
【0335】その後の工程は実施の形態1と同様である
ため説明を省略する。
【0336】なお、下部電極51の表面に白金膜79を
残存させる効果は、実施の形態12と同様である。ま
た、下部電極51を二酸化ルテニウム、あるいはルテニ
ウムと二酸化ルテニウムとの積層膜とすることができる
ことは実施の形態1と同様である。
【0337】また、下部電極51の白金79に代えて、
二酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化チタン、BS
T、シリコン酸化物、イリジウムまたは二酸化イリジウ
ムを用いることができることも実施の形態12と同様で
ある。
【0338】また、本実施の形態では、情報蓄積容量素
子Cの形成後、実施の形態1と同様にSOGからなるシ
リコン酸化膜61を形成するが、シリコン酸化膜123
はSOGからなるシリコン酸化膜61と伴に層間絶縁膜
の一部となる。なお、上部電極表面に凹凸が形成される
場合には、上部電極とSOGとの間に埋め込みようのシ
リコン酸化膜(TEOS酸化膜)が形成されるが、シリ
コン酸化膜123をこのシリコン酸化膜の一部として機
能させることもできる。
【0339】(実施の形態15)図31は、実施の形態
15のDRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を
工程順に示した断面図である。図31では、図11およ
び図12と同様に、図10(a)におけるB−B線断面
を示し、また、DRAMの情報蓄積容量素子Cの領域の
みを示している。
【0340】本実施の形態の製造方法は、実施の形態1
2の図27(g)までの工程については同様である。
【0341】図27(g)のように下部電極51上にB
ST膜58を形成すした後、図31(a)に示すよう
に、ルテニウム膜121、窒化チタン膜122およびシ
リコン酸化膜123を順次形成する。ルテニウム膜12
1、窒化チタン膜122およびシリコン酸化膜123の
形成は各々実施の形態13、14で説明したと同様に行
える。
【0342】次に、図31(b)に示すようにシリコン
酸化膜123上にDRAMのメモリセル領域を覆うよう
にフォトレジスト膜60を形成し、図31(c)に示す
ようにこのフォトレジスト膜60をマスクとしてシリコ
ン酸化膜123をエッチングし、フォトレジスト膜60
をアッシングして除去する。
【0343】このように本実施の形態では、ルテニウム
膜121上に窒化チタン膜122を残した状態でフォト
レジスト膜60のアッシングを行うため、ルテニウム膜
121がアッシングにより浸食されることがない。
【0344】次に、図31(d)に示すように、前記エ
ッチングによりパターニングされたシリコン酸化膜12
3をマスクとして窒化チタン膜122、ルテニウム膜1
21およびBST膜58をドライエッチングにより異方
性エッチする。これにより、BST膜58からなる容量
絶縁膜53と、シリコン酸化膜123、窒化シリコン膜
122およびルテニウム膜121からなる上部電極54
とを形成する。
【0345】このように、窒化チタン膜122、ルテニ
ウム膜121およびBST膜58のエッチングではドラ
イエッチングを用い、その後アッシング雰囲気に暴露さ
れることがないので、ルテニウム膜121のエッチング
端部においても浸食あるいは消失の発生が防止できる。
これにより、加工精度を向上して微細加工に寄与でき
る。その他の効果は実施の形態13、14と同様であ
る。
【0346】(実施の形態16)図32は、実施の形態
16のDRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を
工程順に示した断面図である。図32では、図11およ
び図12と同様に、図10(a)におけるB−B線断面
を示し、また、DRAMの情報蓄積容量素子Cの領域の
みを示している。
【0347】本実施の形態の製造方法は、実施の形態1
の図8までの工程については同様である。
【0348】実施の形態1の図8の工程の後、図32
(a)に示すように、窒化チタン膜47上にルテニウム
膜55およびシリコン酸化膜56を形成し、シリコン酸
化膜56上にパターニングされたフォトレジスト膜57
を形成する。
【0349】ルテニウム膜55、シリコン酸化膜56、
フォトレジスト膜57については、実施の形態1と同様
である。
【0350】次に、図32(b)に示すように、フォト
レジスト膜57をマスクとしてシリコン酸化膜56をエ
ッチングする。このエッチングでは、シリコン酸化膜5
6の底面に達するまでエッチングせず、底部に薄いシリ
コン酸化膜が残るようにエッチングをストップする。つ
まり、シリコン酸化膜56を完全にはパターニングせ
ず、凹凸を有した断面形状となるように形成する。シリ
コン酸化膜52のエッチング方法は、実施の形態1と同
様である。
【0351】次に、図32(c)に示すように、フォト
レジスト膜57を除去する。フォトレジスト膜57の除
去には実施の形態12〜15と同様にアッシング法を用
いる。このアッシングに際して、シリコン酸化膜52が
完全にパターニングされていないため、つまりルテニウ
ム膜55の表面が露出されていないため、ルテニウム膜
55がアッシング雰囲気に暴露されることがない。これ
により、ルテニウム膜55の浸食あるいは消失を防止で
きる。
【0352】次に、図32(d)に示すように、凹凸を
有するシリコン酸化膜52の存在下部電極でエッチング
を施す。シリコン酸化膜52の薄い部分が先に消失する
ため、シリコン酸化膜52の薄い部分が消失した後は、
このシリコン酸化膜がマスクとして機能し、ルテニウム
膜55をエッチングすることができる。これにより下部
電極51を形成する。このルテニウム膜55のエッチン
グは、実施の形態1と同様に行える。
【0353】このように本実施の形態では、ルテニウム
膜55の浸食あるいは消失を防止するため、実施の形態
1と同様に、下部電極51を精度よく加工することがで
きる。
【0354】なお、シリコン酸化膜52に代えて、他の
絶縁膜たとえばシリコン窒化膜等を用いることができ
る。
【0355】(実施の形態17)図33は、実施の形態
17のDRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を
工程順に示した断面図である。図33では、図11およ
び図12と同様に、図10(a)におけるB−B線断面
を示し、また、DRAMの情報蓄積容量素子Cの領域の
みを示している。
【0356】本実施の形態の製造方法は、実施の形態1
2の図27(c)までの工程については同様である。実
施の形態12で説明したと同様にハードマスク72上の
フォトレジスト膜70を除去する。このときルテニウム
膜55上に白金膜79が形成されているため、ルテニウ
ム膜55の浸食あるいは消失が防げることは実施の形態
12と同様である。
【0357】次に、本実施の形態では、実施の形態12
のように白金膜79とルテニウム膜55とを同一工程で
エッチング加工せず、図33(a)に示すように、白金
膜79をハードマスク72の存在下でエッチングしてパ
ターニングする。このエッチングには、たとえば実施の
形態1の図13に示すエッチング装置を用いることがで
き、エッチング条件としては、たとえば反応圧力2mT
orr、プラズマソースパワー300W、RFバイアス
パワー600W、四フッ化炭素(CF4 )およびアルゴ
ン(Ar)を各々10sccmおよび40sccmで、
約10秒間のエッチング時間とすることができる。
【0358】次に、実施の形態12の図27(d)にお
けるエッチングと同様に、ルテニウム膜55をエッチン
グ加工する(図33(b))。その後の工程は実施の形
態12と同様である。
【0359】本実施の形態では、白金膜79とルテニウ
ム膜55とを1ステップで加工することなく、2ステッ
プでの加工方法を採ることから、エッチング加工の加工
精度を向上できる。すなわち、第1ステップでの白金膜
79のエッチングの際には、前記のような条件つまり不
揮発性の白金反応生成物が発生し難い条件でエッチング
加工して白金反応生成物の発生を抑制し、ついで第2ス
テップでルテニウム膜55の加工を優れた異方性が得ら
れる条件(実施の形態1のルテニウム膜55のエッチン
グ条件)で行う。これにより、ルテニウム膜55の加工
の際には白金反応生成物は存在せず、ルテニウム膜55
の加工精度が向上される。なお、白金膜79の前記した
条件(不揮発性の白金反応生成物が発生し難い条件)で
の加工により、白金膜79はテーパ角の小さな異方性の
良くない断面形状で加工されるが、白金膜79の膜厚が
20nmと薄いため、ルテニウム膜55の加工精度への
影響は小さく、特に問題にはならない。
【0360】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前記
実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0361】たとえば、実施の形態2では、ルテニウム
膜55のエッチングの際のハードマスクに白金を用いて
いるが、下部電極51をイリジウム、酸化イリジウム、
あるいはイリジウムと酸化イリジウムとの積層膜とする
ことができる。この場合下部電極51となるイリジウム
等導電膜の膜厚を300nm、フォトレジスト膜67の
寸法を、パターン幅60nm、パターン間隔100nm
とすることができる。また、容量絶縁膜としてPZT膜
を用い、上部電極としてリジウム、酸化イリジウム、あ
るいはイリジウムと酸化イリジウムとの積層膜を適用す
ることができる。このような構成において実施の形態2
の製造方法を適用すれば、実施の形態10と同様に4〜
16GbitクラスのDRAMを製造できる。
【0362】また、PZT膜をイリジウム、酸化イリジ
ウム、あるいはイリジウムと酸化イリジウムとの積層膜
のエッチングマスク(ハードマスク)に適用することも
できる。実施の形態5のルテニウム膜55をイリジウ
ム、酸化イリジウム、あるいはイリジウムと酸化イリジ
ウムとの積層膜に置き換え、BST膜73をPZT膜に
置き換え、フォトレジスト膜70の寸法を、パターン幅
60nm、パターン間隔100nmとし、実施の形態5
の加工方法を適用してイリジウム等からなる下部電極を
形成することができる。このような構成においても実施
の形態10と同様に4〜16GbitクラスのDRAM
を製造できる。なお、この場合、容量絶縁膜としてPZ
T膜を用い、上部電極としてリジウム、酸化イリジウ
ム、あるいはイリジウムと酸化イリジウムとの積層膜を
適用することは前記と同様である。
【0363】実施の形態12〜16では、フォトレジス
ト膜をアッシングにより除去する方法を説明したが、フ
ォトレジスト膜の除去は、ピーリング法あるいはウェッ
トエッチング法により行うこともできる。このような方
法による場合は、アッシング雰囲気に曝されるわけでは
ないので、フォトレジスト膜の除去工程の際に、ルテニ
ウム膜の一部または全部が露出していても構わない。
【0364】
【発明の効果】本願によって開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0365】(1)BST等の強誘電体膜に適したルテ
ニウムあるいは酸化ルテニウム等の微細なエッチング加
工を実現できる。
【0366】(2)窒化チタン膜等のハードマスクの除
去工程に伴うパターンの細り、パターン上面の荒れの発
生、下地絶縁膜の削れを防止し、高信頼な容量絶縁膜の
形成ができる。
【0367】(3)蓄積容量形成工程が簡略化できる。
【0368】(4)フォトレジスト膜のアッシングの際
にルテニウムが浸食あるいは消失を受けること、消失す
ることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるDRAMを形成し
た半導体チップの全体平面図である。
【図2】実施の形態1のDRAMの等価回路図である。
【図3】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図4】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図5】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図6】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図7】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図8】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図9】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図10】(a)は下部電極パターンの平面図であり、
(b)は下部電極の斜視図である。
【図11】(a)〜(h)は、実施の形態1のDRAM
の製造工程の一例を工程順に示した断面図である。
【図12】(i)〜(k)は、実施の形態1のDRAM
の製造工程の一例を工程順に示した断面図である。
【図13】ルテニウム膜のエッチングに使用するエッチ
ング装置の一例を示した断面概念図である。
【図14】オーバーエッチングの概念を説明するグラフ
である。
【図15】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を
工程順に示した断面図である。
【図16】(a)〜(f)は、本発明の実施の形態2の
DRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順
に示した断面図である。
【図17】(a)〜(f)は、本発明の実施の形態3の
DRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順
に示した断面図である。
【図18】(a)〜(g)は、本発明の実施の形態4の
DRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順
に示した断面図である。
【図19】(a)〜(g)は、本発明の実施の形態5の
DRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順
に示した断面図である。
【図20】(a)〜(f)は、本発明の実施の形態6の
DRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順
に示した断面図である。
【図21】(a)〜(f)は、本発明の実施の形態7の
DRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順
に示した断面図である。
【図22】(a)〜(f)は、本発明の実施の形態8の
DRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順
に示した断面図である。
【図23】(a)〜(e)は、本発明の実施の形態9の
DRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程順
に示した断面図である。
【図24】(a)〜(f)は、本発明の実施の形態10
のDRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程
順に示した断面図である。
【図25】(a)〜(f)は、本発明の実施の形態11
のFeRAMの製造工程の一例をその情報蓄積容量素子
の部分について工程順に示した断面図である。
【図26】(g)〜(j)は、本発明の実施の形態11
のFeRAMの製造工程の一例をその情報蓄積容量素子
の部分について工程順に示した断面図である。
【図27】(a)〜(h)は、本発明の実施の形態12
のDRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程
順に示した断面図である。
【図28】(i)〜(k)は、本発明の実施の形態12
のDRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程
順に示した断面図である。
【図29】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態13
のDRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程
順に示した断面図である。
【図30】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態14
のDRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程
順に示した断面図である。
【図31】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態15
のDRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程
順に示した断面図である。
【図32】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態16
のDRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程
順に示した断面図である。
【図33】(a),(b)は、本発明の実施の形態17
のDRAMの情報蓄積容量素子の製造工程の一例を工程
順に示した断面図である。
【図34】(a)〜(f)は、テーパ角と微細パターン
形状との関係を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1 集積回路基体 1A 半導体チップ 5 溝(素子分離溝) 6 シリコン酸化膜 7 シリコン酸化膜 10 n型半導体領域 11 p型ウエル 12 n型ウエル 13 ゲート酸化膜 14A ゲート電極 14B ゲート電極 14C ゲート電極 15 シリコン窒化膜 16 フォトレジスト膜 17 p- 型半導体領域 18 n- 型半導体領域 19 n型半導体領域 20 シリコン窒化膜 20a サイドウォールスペーサ 21 フォトレジスト膜 22 p+ 型半導体領域 23 n+ 型半導体領域 24 SOG膜 25 シリコン酸化膜 26 シリコン酸化膜 28 コンタクトホール 29 コンタクトホール 30 プラグ 31 シリコン酸化膜 34 コンタクトホール 36 コンタクトホール 38 第1層配線 40 シリコン窒化膜 43 サイドウォールスペーサ 44 SOG膜 45 シリコン酸化膜 46 シリコン酸化膜 47 窒化チタン膜 48 スルーホール 49 プラグ 50 バリアメタル 51 下部電極 51a 上面部 51b 側面部 52 シリコン酸化膜 53 容量絶縁膜 54 上部電極 55 ルテニウム膜 56 シリコン酸化膜 57 フォトレジスト膜 58 BST膜 59 ルテニウム膜 60 フォトレジスト膜 61 シリコン酸化膜 62 スルーホール 63 スルーホール 64 プラグ 65 第2層配線 66 白金膜 67 フォトレジスト膜 68 ハードマスク 69 側壁付着物 70 フォトレジスト膜 71 シリコン酸化膜 72 ハードマスク 73 BST膜 74 ハードマスク 75 シリコン窒化膜 75 酸化チタン膜 76 酸化チタン膜 77 ハードマスク 78 シリコン窒化膜 79 白金膜 80 シリコン窒化膜 81 ハードマスク 82 シリコン酸化膜 83 ハードマスク 84 イリジウム膜 85 ルテニウム膜 86 シリコン酸化膜 87 ハードマスク 88 ハードマスク 89 PZT膜 90 チタン膜 91 イリジウム膜 92 白金膜 93 PZT膜 94 イリジウム膜 95 白金膜 96 ラウンドレジスト膜 97 レジスト膜 98 レジスト膜 100 オーバーエッチング量 101 反応室 102 真空配管 103 試料台 104 石英筒 105 誘導結合コイル 110 ガス供給ノズル 120 白金膜 121 ルテニウム膜 122 窒化チタン膜 123 シリコン酸化膜 BL ビット線 BST 強誘電材料 C 情報蓄積容量素子 CV コントロールバルブ MARY メモリアレイ MBP メカニカルブースターポンプ MFC1 マスフローコントローラ MFC2 マスフローコントローラ Qn nチャネル型MISFET Qp pチャネル型MISFET Qs メモリセル選択用MISFET RF1 高周波電源 RF2 高周波電力 RV 荒引きバルブ S1 第1の面積 S2 第2の面積 SA センスアンプ TMP ターボ分子ポンプ WD ワードドライバ WL ワード線 t 時刻
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/8247 H01L 29/78 371 29/788 29/792 (72)発明者 恒川 助芳 東京都青梅市新町六丁目16番地の2 株式 会社日立製作所熱器ライティング事業部内 (72)発明者 平谷 正彦 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 松井 裕一 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5F001 AA17 AD17 AG07 AG09 AG10 AG21 AG28 AG40 5F004 AA09 BA20 BB18 CB02 CB16 DA04 DA26 DB00 EA06 EA23 5F058 BA11 BC03 BC09 BC20 BF02 BH01 BJ01 5F083 AD02 AD10 AD48 AD49 FR02 GA03 HA02 JA02 JA06 JA13 JA14 JA35 JA38 JA39 JA40 JA56 KA05 MA02 MA06 MA15 MA17 MA20 PR03 PR06 PR07 PR12 PR21 PR23 PR29 PR39 PR40 PR43 PR44 PR45 PR53 PR54 PR55

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)第1の主面を有する集積回路基
    体; (b)前記第1の主面上にその幅と同程度またはそれ以
    下の間隔を置いて配置され、それぞれメモリセルの情報
    蓄積容量素子を構成する第1の材料を主要な構成要素と
    する複数の柱状下部電極; (c)前記複数の柱状下部電極の各々の上端部に設けら
    れた第2の材料を主要な構成要素とする被膜; (d)前記複数の柱状下部電極の各々の側面および上面
    に設けられたメモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁
    膜を構成する高誘電体または強誘電体からなる誘電体
    膜; (e)前記誘電体膜上に設けられたメモリセルの情報蓄
    積容量素子を構成する単一または複数の上部電極;を有
    し、 前記第2の材料は、酸素を含むプラズマ雰囲気、酸素ラ
    ジカルを含む雰囲気、またはオゾンを含む雰囲気におけ
    る前記第1の材料のエッチング速度に比較して小さなエ
    ッチング速度を有するものであることを特徴とする半導
    体集積回路装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体集積回路装置であ
    って、 前記第1の材料は、ルテニウム、イリジウムまたはそれ
    らの酸化物から選択された何れかの材料であり、前記第
    2の材料は、白金、二酸化ルテニウム、酸化タンタル、
    酸化チタン、BST、シリコン酸化物、イリジウムまた
    は二酸化イリジウムから選択された何れかの材料である
    ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の半導体集積回路装置であ
    って、 前記第1の材料はルテニウムであり、前記第2の材料は
    白金であることを特徴とする半導体集積回路装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体集積回路装置であ
    って、 前記複数の柱状下部電極の各々はその幅が狭い方向の断
    面形状が2以上のアスペクト比を有することを特徴とす
    る半導体集積回路装置。
  5. 【請求項5】 (a)第1の主面を有する集積回路基
    体; (b)前記第1の主面上にその幅と同程度またはそれ以
    下の間隔を置いて配置され、それぞれメモリセルの情報
    蓄積容量素子を構成する複数の柱状下部電極; (c)前記複数の柱状下部電極の各々の側面および上面
    に設けられたメモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁
    膜を構成する高誘電体または強誘電体からなる誘電体
    膜; (d)前記誘電体膜上に設けられたメモリセルの情報蓄
    積容量素子を構成する単一または複数の上部電極;を有
    し、 前記上部電極の少なくともその表面部を構成する材料
    が、酸素を含むプラズマ雰囲気、酸素ラジカルを含む雰
    囲気、またはオゾンを含む雰囲気におけるルテニウムの
    エッチング速度に比較して小さなエッチング速度を有す
    るものであることを特徴とする半導体集積回路装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の半導体集積回路装置であ
    って、 前記上部電極は、白金、イリジウムまたは二酸化イリジ
    ウムから選択された何れかの材料からなることを特徴と
    する半導体集積回路装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の半導体集積回路装置であ
    って、 前記上部電極は、ルテニウムからなる下層部と、窒化チ
    タン、シリコン酸化物、酸化タンタル、二酸化ルテニウ
    ム、白金、酸化チタン、イリジウムまたは二酸化イリジ
    ウムから選択された何れかの材料からなる上層部とを含
    むことを特徴とする半導体集積回路装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の半導体集積回路装置であ
    って、 前記上部電極は、ルテニウムからなる下層部と、窒化チ
    タン、シリコン酸化物、酸化タンタルから選択された何
    れかの材料からなる上層部とを含むことを特徴とする半
    導体集積回路装置。
  9. 【請求項9】 (a)第1の主面を有する集積回路基
    体; (b)前記第1の主面上にその幅と同程度またはそれ以
    下の間隔を置いて配置され、それぞれメモリセルの情報
    蓄積容量素子を構成する第1の材料を主要な構成要素と
    する複数の柱状下部電極; (c)前記複数の柱状下部電極の各々の上端部に設けら
    れた第2の材料を主要な構成要素とする被膜; (d)前記複数の柱状下部電極の各々の側面および上面
    に設けられたメモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁
    膜を構成する高誘電体または強誘電体からなる誘電体
    膜; (e)前記誘電体膜上に設けられたメモリセルの情報蓄
    積容量素子を構成し、少なくともその表面が第3の材料
    で構成された単一または複数の上部電極;を有し、 前記第2および第3の材料は、酸素を含むプラズマ雰囲
    気、酸素ラジカルを含む雰囲気、またはオゾンを含む雰
    囲気における前記第1の材料のエッチング速度に比較し
    て小さなエッチング速度を有するものであることを特徴
    とする半導体集積回路装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の半導体集積回路装置で
    あって、 前記第1の材料は、ルテニウム、イリジウムまたはそれ
    らの酸化物から選択された何れかの材料であり、前記第
    2の材料は、白金、二酸化ルテニウム、酸化タンタル、
    酸化チタン、BST、シリコン酸化物、イリジウムまた
    は二酸化イリジウムから選択された何れかの材料であ
    り、前記第3の材料は、窒化チタン、シリコン酸化物、
    酸化タンタル、二酸化ルテニウム、白金、酸化チタン、
    イリジウムまたは二酸化イリジウムから選択された何れ
    かの材料であることを特徴とする半導体集積回路装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の半導体集積回路装置
    であって、 前記第1の材料はルテニウムであり、前記第2の材料は
    白金であり、前記第3の材料は窒化チタン、シリコン酸
    化物、酸化タンタルから選択された何れかの材料である
    ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の半導体集積回路装置
    であって、 前記複数の柱状下部電極の各々はその幅が狭い方向の断
    面形状が2以上のアスペクト比を有することを特徴とす
    る半導体集積回路装置。
  13. 【請求項13】 以下の工程を含む半導体集積回路装置
    の製造方法: (a)集積回路ウェハの主面上にメモリセルの情報蓄積
    容量素子の下部電極を構成すべき導電性の第1の被膜を
    形成する工程; (b)前記第1の被膜上に、前記第1の被膜よりもフォ
    トレジスト膜の除去工程におけるアッシング雰囲気での
    エッチング速度が小さい第2の被膜を形成する工程; (c)前記第2の被膜上に無機質の第3の被膜を形成す
    る工程; (d)前記第3の被膜上にフォトレジスト膜パターンを
    形成する工程; (e)前記フォトレジスト膜パターンがある状態で前記
    第3の被膜に対してドライエッチングを施し、前記第2
    の被膜上に前記第3の被膜の無機膜パターンを形成する
    工程; (f)前記フォトレジスト膜パターンをアッシングによ
    り除去する工程; (g)前記無機膜パターンがある状態で、前記第1およ
    び第2の被膜に対して、ドライエッチングを施すことに
    よって、前記第1および第2の被膜をパターニングする
    工程; (h)パターニングされた前記第1および第2の被膜表
    面に前記メモリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜を
    構成すべき誘電体膜を形成する工程。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の半導体集積回路装置
    の製造方法であって、 前記第1の被膜はルテニウムからなり、前記第2の被膜
    は白金、二酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化チタ
    ン、BST、シリコン酸化物、イリジウムまたは二酸化
    イリジウムから選択された何れかの材料からなることを
    特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の半導体集積回路装置
    の製造方法であって、さらに、 (i)前記容量絶縁膜上に、単層または積層で構成さ
    れ、少なくともその表面を構成する材料が、前記第1の
    被膜よりもフォトレジスト膜の除去工程におけるアッシ
    ング雰囲気でのエッチング速度が小さい材料で構成され
    た導電性の第4の被膜を形成する工程; (j)前記第4の被膜上にフォトレジスト膜パターンを
    形成する工程; (k)前記フォトレジスト膜パターンがある状態で前記
    第4の被膜に対してドライエッチングを施し、前記第4
    の被膜をパターニングする工程; (l)前記フォトレジスト膜パターンをアッシングによ
    り除去する工程;を含むことを特徴とする半導体集積回
    路装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の半導体集積回路装置
    の製造方法であって、 前記第4の被膜は、ルテニウムからなる下層と、窒化チ
    タン、シリコン酸化膜または酸化タンタルからなる上層
    との2層で形成されることを特徴とする半導体集積回路
    装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項14記載の半導体集積回路装置
    の製造方法であって、さらに、 (i)前記容量絶縁膜上に、単層または積層で構成さ
    れ、少なくともその表面を構成する材料が、前記第1の
    被膜よりもフォトレジスト膜の除去工程におけるアッシ
    ング雰囲気でのエッチング速度が小さい材料で構成され
    た導電性の第4の被膜を形成する工程; (j)前記第4の被膜上に無機膜の第5の被膜を形成す
    る工程; (k)前記第5の被膜上にフォトレジスト膜パターンを
    形成する工程; (l)前記フォトレジスト膜パターンがある状態で前記
    第5の被膜に対してドライエッチングを施し、前記第5
    の被膜の無機膜パターンを形成する工程; (m)前記フォトレジスト膜パターンをアッシングによ
    り除去する工程; (n)前記無機膜パターンがある状態で、前記第4の被
    膜に対して、ドライエッチングを施すことによって、前
    記第4の被膜をパターニングする工程;を含むことを特
    徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の半導体集積回路装置
    の製造方法であって、 前記第4の被膜は、ルテニウムからなる下層と、窒化チ
    タンからなる上層との2層で形成され、前記第5の被膜
    は、シリコン酸化膜で構成されることを特徴とする半導
    体集積回路装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 (a)集積回路ウェハの主面上にメモ
    リセルの情報蓄積容量素子の下部電極を構成すべき導電
    性の第1の被膜を形成する工程; (b)前記第1の被膜上に無機質の第3の被膜を形成す
    る工程; (c)前記第3の被膜上にフォトレジスト膜パターンを
    形成する工程; (d)前記フォトレジスト膜パターンがある状態で前記
    第3の被膜に対してドライエッチングを施す工程; (e)前記フォトレジスト膜パターンをアッシングによ
    り除去する工程; (f)前記第3の被膜がある状態で、前記第1の被膜に
    対して、ドライエッチングを施すことによって、前記第
    1の被膜をパターニングする工程; (g)パターニングされた前記第1の被膜表面に前記メ
    モリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜を構成すべき
    誘電体膜を形成する工程;を有し、 前記(d)工程におけるドライエッチングは、前記第3
    の被膜の底面に達するまで行われることなく、前記第3
    の被膜に凹凸を形成するものであり、前記ドライエッチ
    ングの後には前記第3の被膜の凹部においても前記第3
    の被膜が残存していることを特徴とする半導体集積回路
    装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 (a)集積回路ウェハの主面上にメモ
    リセルの情報蓄積容量素子の下部電極を構成すべき導電
    性の第1の被膜を形成する工程; (b)前記第1の被膜上に無機質の第3の被膜を形成す
    る工程; (c)前記第3の被膜上にフォトレジスト膜パターンを
    形成する工程; (d)前記フォトレジスト膜パターンがある状態で前記
    第3の被膜に対してドライエッチングを施し、前記第1
    の被膜上に前記第3の被膜の無機膜パターンを形成する
    工程; (e)前記フォトレジスト膜パターンを除去する工程; (f)前記無機膜パターンがある状態で、前記第1の被
    膜に対して、ドライエッチングを施すことによって、前
    記第1の被膜をパターニングする工程; (g)パターニングされた前記第1の被膜表面に前記メ
    モリセルの情報蓄積容量素子の容量絶縁膜を構成すべき
    誘電体膜を形成する工程;を有し、 前記(e)工程における前記フォトレジスト膜パターン
    の除去は、ピーリング法またはウェットエッチング法に
    より行われることを特徴とする半導体集積回路装置の製
    造方法。
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