JP2000223549A - 基板搬送装置、基板搬送方法、基板搬送用ハンド機構、灰化処理装置及び灰化処理方法 - Google Patents

基板搬送装置、基板搬送方法、基板搬送用ハンド機構、灰化処理装置及び灰化処理方法

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JP2000223549A
JP2000223549A JP11022828A JP2282899A JP2000223549A JP 2000223549 A JP2000223549 A JP 2000223549A JP 11022828 A JP11022828 A JP 11022828A JP 2282899 A JP2282899 A JP 2282899A JP 2000223549 A JP2000223549 A JP 2000223549A
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axis
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Hiroshi Shimoike
浩 下池
Takashi Nakahara
隆 中原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送ロボットが基板を受け取る際、ロボット
アームの基板への接触時の衝撃を低減する。 【解決手段】 搬送ロボットの基板受け取り位置におい
て、ロボットアームを最下位置から通常速度で上昇さ
せ、所定位置でその速度を低速に切り換える。この低速
度での上昇中に基板を受け取り、そのまま上昇させて、
第2の所定位置で通常速度に戻す。この通常速度で、ロ
ボットアームを最上位置まで移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェハ等の
基板を搬送するための基板搬送装置及び基板搬送方法並
びに基板搬送用ハンド機構に関し、更には、それらを用
いた灰化処理装置(アッシャー)及び灰化処理(アッシ
ング)方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハやガラス基板等の基板を処
理するために、一連の基板を各処理ユニット部(ステー
ジ)に循環的に順次搬送し、それらの処理ユニット部で
基板の表面処理等を行う装置が知られている。
【0003】このような循環搬送型の基板搬送装置にお
いて使用される基板搬送機構の一つのタイプとして、2
つの基板保持部を上下2段に配置した上下ハンド形式の
ダブルハンド型ロボットがある。このタイプの搬送機構
では、一つの処理部に対し2つのハンドを順次にアクセ
スすることが可能であり、同一ユニットにおけるウェハ
等の高速入れ替え処理が可能となっている。
【0004】このダブルハンド型ロボットの場合も同様
であるが、基板を一枚ずつグリップして搬送する逐次搬
送型のロボットは、一般に、基板をグリップするための
基板保持部をロボットアームの先端部に有し、そのアー
ムを回転、前後方向に伸縮、更に、上下方向に昇降させ
ることで、各ステージの基板保持部との間で基板の受け
渡しを行う。また、ロボット自体が、回転及び前後、左
右、上下方向に夫々移動自在となっている場合もある。
【0005】これらの運動は、各運動に対応した軸(駆
動軸)により制御される。即ち、回転運動の軸、前後方
向運動の軸、上下方向運動の軸等が夫々設けられてい
る。
【0006】このような搬送ロボットに対する動作指示
は、一般に、ロボットが保持する軸の全てに対し、機械
的原点からの距離を座標値(ティーチングポジション)
として教示して、それらの値をロボット内のメモリに保
持させておき、それらの位置に対し、基板の受け渡し動
作、或いは、各軸単独の動作をホストのコントローラか
ら指示して行わせるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のこの
種搬送システムでは、ロボットが保持している駆動軸の
各々に対し、単一の動作速度しか設定されていなかった
ため、例えば、大径ウェハのような比較的大きくて重い
基板を搬送する際、その基板と処理ユニットの基板支持
部との間で高速度での衝突が発生し、その衝撃により、
処理ユニットへの基板の搬入時に、処理ユニット上での
基板の振動が発生して、正確な処理ができないという問
題があった。一方、搬送ロボットが処理ユニットから基
板を受け取る際には、今度は、基板と搬送ロボットの基
板保持部との間で高速度の衝突が発生し、正確な搬送が
できないという問題もあった。
【0008】また、基板を機械的にグリップして保持す
るメカニカルグリップ方式の搬送ロボットでは、従来、
基板をアーム上に載置してから保持機構駆動までの間
に、基板のズレが生じ、確実な保持が行えない場合があ
った。
【0009】そこで、本発明の目的は、搬送ロボット等
の基板搬送装置による基板搬送時に基板が高速度での衝
突を起こさないような基板搬送装置及び基板搬送方法を
提供することである。
【0010】また、本発明の別の目的は、基板のズレを
抑制することができる基板搬送装置及び基板搬送方法を
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
本発明の基板搬送装置は、基板を保持するための基板保
持部を備え、その基板保持部を所定位置まで移動させて
基板の受け渡しを行うロボットアームと、前記基板保持
部の前記所定位置までの移動を制御するための少なくと
も1つの軸と、その軸に関する前記基板保持部の移動制
御を、少なくとも、その軸に関する移動開始位置、その
軸に関する移動速度を第1の設定速度からそれとは異な
る第2の設定速度に変更するための第1の速度変更位
置、その軸に関する移動速度を前記第2の設定速度から
前記第1の設定速度に変更するための第2の速度変更位
置、及び、その軸に関する移動終了位置の4つの座標を
用いて行う制御部とを有する。
【0012】本発明の一態様では、前記基板保持部が、
機械的機構により前記基板を保持するように構成されて
いる。
【0013】また、本発明の基板搬送方法は、ロボット
アームに設けられた基板保持部に基板を保持して搬送す
る基板搬送方法であって、前記基板の受け渡しを行う位
置に前記基板保持部を移動させる際、1つの軸に関する
前記基板保持部の移動制御を、まず、その軸に関する移
動開始位置に前記基板保持部を位置させ、次いで、第1
の設定速度で前記基板保持部を前記移動開始位置から第
1の速度変更位置まで移動させ、その第1の速度変更位
置で前記基板保持部の移動速度を前記第1の設定速度か
らそれとは異なる第2の設定速度に変更した後、その第
2の設定速度で前記基板保持部を前記基板の受け渡し位
置まで移動させ、その受け渡し位置で前記基板の受け渡
しを行った後、前記第2の設定速度で前記基板保持部を
第2の速度変更位置まで移動させ、その第2の速度変更
位置で前記基板保持部の移動速度を前記第2の設定速度
から前記第1の設定速度に変更した後、その第1の設定
速度で前記基板保持部を前記軸に関する移動終了位置ま
で移動させるようにして行う。
【0014】本発明の一態様では、前記第2の設定速度
が前記第1の設定速度よりも低速度である。
【0015】本発明の一態様では、2つの軸に関する前
記基板保持部の移動制御を、まず、第1の軸に関する移
動開始位置に前記基板保持部を位置させ、次いで、その
第1の軸に関する第1の設定速度で前記基板保持部を前
記第1の軸に関する移動開始位置から第2の軸に関する
移動開始位置まで移動させ、次いで、前記第2の軸に関
する第1の設定速度で前記基板保持部を前記第2の軸に
関する移動開始位置から前記第2の軸に関する第1の速
度変更位置まで移動させ、その第2の軸に関する第1の
速度変更位置で前記基板保持部の移動速度を前記第2の
軸に関する第1の設定速度からそれとは異なる第2の設
定速度に変更した後、その第2の軸に関する第2の設定
速度で前記基板保持部を前記基板の受け渡し位置まで移
動させ、その受け渡し位置で前記基板の受け渡しを行っ
た後、前記第2の軸に関する第2の設定速度で前記基板
保持部を前記第2の軸に関する第2の速度変更位置まで
移動させ、その第2の軸に関する第2の速度変更位置で
前記基板保持部の移動速度を前記第2の軸に関する前記
第2の設定速度から前記第2の軸に関する前記第1の設
定速度に変更した後、その第2の軸に関する第1の設定
速度で前記基板保持部をその第2の軸に関する移動終了
位置まで移動させ、その第2の軸に関する移動終了位置
で、前記第1の軸に関する前記基板保持部の移動速度を
前記第1の軸に関する第1の設定速度からそれとは異な
る第2の設定速度に変更し、その第1の軸に関する第2
の設定速度で前記基板保持部をその第1の軸に関する第
2の速度変更位置まで移動させ、その第1の軸に関する
第2の速度変更位置で、その第1の軸に関する前記基板
保持部の移動速度をその第1の軸に関する第2の設定速
度からその第1の軸に関する第1の設定速度に変更し、
その第1の軸に関する第1の設定速度で前記基板保持部
をその第1の軸に関する移動終了位置まで移動させるこ
とで行う。
【0016】本発明の一態様では、前記第1の軸に関す
る第2の設定速度がその第1の軸に関する第1の設定速
度よりも低速度であり、前記第2の軸に関する第2の設
定速度がその第2の軸に関する第1の設定速度よりも低
速度である。
【0017】本発明の一態様では、前記受け渡し位置か
ら前記基板を受け取った後、前記基板保持部を前記第2
の軸に関する移動終了位置から前記第1の軸に関する第
2の速度変更位置まで移動させる間の所定位置で、前記
基板保持部に前記基板を機械的に保持させる。
【0018】また、本発明の基板搬送用ハンド機構は、
少なくとも2カ所に配置された固定爪と、それらの固定
爪との間で基板を挟み込んで保持するために、それらの
固定爪との間の距離を変更できるように設けられた少な
くとも1個の可動爪と、前記固定爪と前記可動爪との間
の距離を変更するために、前記可動爪に連結された、流
体の駆動により伸縮可能なベローズとを有する。
【0019】本発明の一態様では、前記可動爪が、各々
が揺動可能に軸支された一対の並行腕部と、その並行腕
部間を引っ張り付勢する引っ張りばねとを有しており、
前記引っ張りばねに抗して開いた状態の前記並行腕部間
の位置に基板が保持されるように構成されている。
【0020】本発明の一態様では、前記可動爪の基板に
対する接触部が、その基板に対し転がり接触するように
構成されている。
【0021】本発明の一態様では、基板を保持した時に
その基板に対向する面が、基板からの熱を逃がすために
開放されている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、好ましい実施の
形態に従い、図面を参照して説明する。
【0023】図1に、2つの基板保持部を上下2段に配
置した上下ハンド形式のダブルハンド型ロボットの上面
図を、図2に、その側面図を夫々示す。
【0024】図1に示すように、ロボット1は、各々、
先端部に基板保持部(図では、基板Wu、Wlが夫々保
持されている。)を設けた上下2段のロボットアーム
を、回転動作(θ)させるための軸(以下、「θ軸」と
称する場合がある。)及び前後動作(R)させるための
軸(以下、「R軸」と称する場合がある。)を夫々具備
している。なお、図示の例では、ロボットアームを実際
に前後動作させる機構は、パンタグラフ状のリンク機構
R1、R2で構成されている。このロボット1全体を横
方向(X方向)及び縦方向(Y方向)に移動させるため
の軸も設けられている。ロボット1は、また、図2に示
すように、アームを高さ方向(Z方向)に移動させるた
めの軸(以下、「Z軸」と称する場合がある。)も具備
している。このロボット1は、図2に明示するように、
上下2段の基板保持部に、同時に2枚の基板Wu、Wl
を保持することが可能となっている。
【0025】この搬送ロボット1は、例えば、図3に示
すような制御体系で接続されている。即ち、装置制御コ
ントローラ(HOST)2からの通信コマンド又は電気
信号により、実際に搬送ロボット1の動作を制御する搬
送ロボットコントローラ3が指示され、装置制御コント
ローラ(HOST)2でスケジュールされた順に基板を
順次搬送しながら、所定の処理ユニットを循環して処理
を行う。
【0026】この搬送ロボット1に対する動作指示は、
ロボット1が保持する軸の全てに対し、機械的原点から
の距離を座標値(ティーチングポジション)として教示
して、それらの値を搬送ロボットコントローラ3内の不
揮発性記憶装置等のメモリに保持させておき、それらの
位置に対し、基板の受け渡し動作、或いは、各軸単独の
動作を装置制御コントローラ(HOST)2から指示し
て行わせるようになっている。
【0027】図4に、この搬送ロボット1を組み込んだ
基板処理装置の例として、半導体製造プロセスにおける
感光性樹脂(フォトレジスト)の灰化処理(アッシン
グ)装置を示す。
【0028】半導体製造プロセスでは、通常、シリコン
ウェハ等の基板表面に形成された被処理膜の上に塗布装
置にて感光性樹脂を塗布し、この感光性樹脂に、露光装
置にて、予め用意されたマスク(レチクル)のパターン
を露光転写し、その後、現像装置にて現像処理を行っ
て、目的とする感光性樹脂の転写パターンを得る。そし
て、この転写パターンをマスクとして用いて、エッチン
グ、拡散、成膜等の工程を行う。そして、必要な工程終
了後、マスクとして使用した感光性樹脂のパターンを、
プラズマにより生成されたオゾンを用いて灰化し、洗浄
して除去する。
【0029】図4に示すように、灰化処理装置4には、
基板の供給及び回収を行う基板収納カセットa1、a
2、灰化処理を行う灰化処理チャンバーc1、c2、及
び、基板の冷却を行う冷却プレートb1、b2が夫々設
けられている。同一のユニットが複数存在するのは、同
じプロセスを同時並行処理することにより、スループッ
トを向上させるためである。これらのユニットへの基板
の搬送は、装置中央部に配置された搬送ロボット1によ
り行われる。
【0030】この装置における基板の搬送は、例えば、
図5に示す順序で行われる。即ち、まず、基板収納カセ
ットa1から基板を取り出す(〈1〉)。それを灰化処
理チャンバーc1に搬送する(〈2〉)。灰化処理チャ
ンバーc1では、まず、処理済の基板を取り出し
(〈3〉)、次に、搬送してきた基板をセットする
(〈4〉)。灰化処理チャンバーc1から取り出した基
板を冷却プレートb1に搬送する(〈5〉)。冷却プレ
ートb1でも、まず、冷却済の基板を取り出し
(〈6〉)、次に、搬送してきた基板をセットする
(〈7〉)。冷却プレートb1から取り出した基板を基
板収納カセットa1に搬送し(〈8〉)、基板収納カセ
ットa1に収納する(〈9〉)。
【0031】基板の灰化処理を行う灰化処理チャンバー
c1、c2には、例えば、図6に示すようなプロセスユ
ニットPCが設けられている。符号5は、基板Wを授受
する際に使用する上下動可能な支持ピンである。この支
持ピン5は、基板の受け渡し時に上昇し、その際、搬送
ロボット側の受け渡し動作に機械的干渉をしない位置に
設けられている。また、基板処理時には下降し、基板処
理条件に合致した位置で基板処理を行わせるようになっ
ている。
【0032】このプロセスユニットの支持ピン5に対し
基板の受け渡しを行う際、従来は、例えば、図7に示す
ように、Z軸のティーチングに関し、上側(U)位置と
下側(L)位置の2つの位置座標を指定して行ってい
た。
【0033】まず、この支持ピン5上に基板を載置する
従来の動作を、図8及び図9を参照して説明する。
【0034】まず、図1のθ軸及び図2のZ軸を夫々駆
動して、ロボットアームを図8の上側(U)のAの位置
に持ってくる(図9のステップS901及びS90
2)。次に、R軸を駆動して、ロボットアームを前進さ
せ、図8の上側(U)のBの位置まで移動させる(図9
のステップS903)。次に、Z軸を駆動して、ロボッ
トアームを下降させ、図8の下側(L)のCの位置まで
移動させる(図9のステップS904)。この下降の途
中で、基板Wが支持ピン5上に載置される。次に、R軸
を駆動して、ロボットアームを後退させ、図8の下側
(L)のDの位置まで移動させる(図9のステップS9
05)。
【0035】次に、この支持ピン5上から基板を取り出
す従来の動作を、図10及び図11を参照して説明す
る。
【0036】まず、θ軸及びZ軸を夫々駆動して、ロボ
ットアームを図10の下側(L)のDの位置に持ってく
る(図11のステップS1101及びS1102)。次
に、R軸を駆動して、ロボットアームを前進させ、図1
0の下側(L)のCの位置まで移動させる(図11のス
テップS1103)。次に、Z軸を駆動して、ロボット
アームを上昇させ、図10の上側(U)のBの位置まで
移動させる(図11のステップS1104)。この上昇
の途中で、基板Wが、支持ピン5上からロボットアーム
に受け渡される。次に、R軸を駆動して、ロボットアー
ムを後退させ、図10の上側(U)のAの位置まで移動
させる(図11のステップS1105)。
【0037】これらの動作は、動作速度、加速度、S字
駆動パラメータ等の各々に関して、搬送ロボット1が保
持する全ての軸に対し1つの設定しか行っていないた
め、全て同じ速度で動作する。
【0038】また、これらの動作を、装置制御コントロ
ーラ(HOST)2から搬送ロボットコントローラ3へ
指示する方法としては、各々、1つの動作指示にて、図
9又は図11に示した一連の制御の流れが実現される。
【0039】これらの動作を行った時のZ軸の動作速度
と動作時間(位置)の関係を図14に示す。図14の
(a)、(b)共、横軸が動作時間(位置)、縦軸が動
作速度である。また、グラフの原点を上側(U)位置と
し、この位置から下側(L)位置までの動作をグラフに
示している。
【0040】ここで、基板を受け取る支持ピンの位置を
αとすると、その時の基板と支持ピンとの衝突速度はα
sとなる。このαsは、UとLのティーチング位置及び
それらの間の実際の動作速度変化により変動する。例え
ば、図14の(a)は、UとLの間が、設定速度に対し
相対的に狭い場合で、動作速度は、設定速度に到達する
ことなく(或いは、到達しても瞬間的)、減速し始める
例である。また、図14の(b)は、UとLの間が相対
的に広い場合で、動作速度は、設定した速度に到達し、
或る時間定速度状態で動作した後、減速を始める。
【0041】いずれの場合も、基板と支持ピンとは比較
的高速度で衝突する。このため、その衝撃によって、処
理ユニットへの基板の搬入時に、支持ピン上での基板に
振動が発生し、正確な処理が行えないという問題があっ
た。
【0042】また、逆に、ロボットアームが支持ピンか
ら基板を受け取る時には、今度は、基板とロボットアー
ムとが高速度で衝突することになり、正確な搬送が行え
ないという問題もあった。
【0043】そこで、本発明では、例えば、図13に示
すように、従来の上側(U)位置と下側(L)位置の間
に、通常の速度よりも低速で動作を行わせる位置とし
て、UsとLsの2点を新たに追加し、また、Z軸の動
作速度として、通常状態速度Snとは別に、Us、Ls
間での動作速度Ssを、Snより低速度の値として、新
たに設定し、ティーチングを行う。
【0044】この方式により、処理ユニットから基板を
搬出する動作手順を図15に、その時の動作速度と動作
時間(位置)の関係を図16に夫々示す。
【0045】まず、θ軸及びZ軸を夫々駆動して、ロボ
ットアームを図10の下側(L)のDの位置に持ってく
る(図15のステップS1501及びS1502)。こ
の時、Z軸は、通常のZ軸速度Snで駆動される。次
に、R軸を駆動して、ロボットアームを前進させ、図1
0の下側(L)のCの位置、即ち、図13の下側(L)
の位置まで移動させる(図15のステップS150
3)。次に、Z軸を、通常のZ軸速度Snで駆動して、
図13のLsの位置まで移動させる(図15のステップ
S1504)。ロボットアームがLsの位置に到達する
と(図15のステップS1505)、Z軸速度をSsに
設定変更し(図15のステップS1506)、その速度
で、ロボットアームをUsの位置まで移動させる(図1
5のステップS1507)。この移動の途中で、基板W
が、支持ピン5上からロボットアームに受け渡される。
ロボットアームがUsの位置に到達すると(図15のス
テップS1508)、Z軸速度の設定をSsからSnに
戻し(図15のステップS1509)、その速度で、ロ
ボットアームを図13の上側(U)の位置、即ち、図1
0の上側(U)のBの位置まで移動させる(図15のス
テップS1510)。ロボットアームがU位置に到達す
ると(図15のステップS1511)、R軸を駆動し
て、ロボットアームを後退させ、図10の上側(U)の
Aの位置まで移動させる(図15のステップS151
2)。
【0046】このような制御を行うことにより、図16
に示すように、基板とロボットアームとの接触時の速度
を常に所望の低速度にコントロールすることが可能とな
って、その衝突時の衝撃を緩和することが可能となる。
【0047】また、同様の制御を、処理ユニットへの基
板の搬入時にも行うことにより、やはり、基板と支持ピ
ンとの接触時の速度を常に所望の低速度にコントロール
することが可能となるので、その衝突時の衝撃を緩和す
ることが可能となる。
【0048】このように、基板の受け渡しを行う瞬間に
のみロボットアームの駆動速度を低速に制御し、それ以
外は通常の速度でロボットアームを駆動することによ
り、全体の動作時間をそれ程長くすることなく、好適な
基板の受け渡しを実現することができる。
【0049】次に、本発明の制御を、図12に示す機械
式基板保持機構を備えたロボットアームに適用した例を
説明する。
【0050】図12に示すように、このロボットアーム
10は、一対の固定保持ガイド部Gと一対の可動保持ガ
イド部Gpとの間に基板Wを挟み込んで保持する。即
ち、それらの間に基板Wを挟み込んだ状態で、可動保持
ガイド部Gpが固定保持ガイド部Gの方へ相対的に前進
し、基板Wをグリップする。
【0051】このロボットアーム10で基板を受け取っ
て保持する際、例えば、基板収納カセット等のように、
上段又は下段の収納基板との間隔が狭い場合には、その
狭い基板受け取り位置で可動保持ガイド部Gpを駆動す
ることができず、このため、基板を受け取ってから可動
保持ガイド部Gpを駆動するまでの間、基板がフリーの
状態でロボットアーム10上に載置されることになる。
この時、ロボットアーム10の駆動速度が大きいと、基
板の位置ズレが起こり易く、正確な保持ができない場合
があった。
【0052】そこで、本例では、図17に示すように、
ロボットアーム10のR軸方向の駆動速度も、通常速度
SGnとそれより低速のグリップ前速度SGgの2つの
値を設定し、R軸方向のティーチング値として、基板位
置W、SGn→SGgの速度変更位置Wp、保持ガイド
駆動位置Gp、及び、SGg→SGnの速度変更位置
(高速搬送開始位置)Gsを夫々用いる。
【0053】但し、この例では、基板位置WとSGn→
SGgの速度変更位置Wpとに同じ座標位置が指定され
ている。即ち、このR軸の動作では、基板を保持するこ
とがない動作区間に対しても同様の速度変更制御を行う
ことは意味が無いので、ロボットアーム10からユニッ
ト側への基板搬入動作では、基板を受け渡した後のR軸
の基板位置から原点への移動動作、また、ユニット側か
らロボットアーム10への基板搬出動作では、基板を受
け取る前の基板位置までのR軸動作は全て通常速度SG
nで行われる。
【0054】図18に、ユニット側からロボットアーム
10への基板搬出動作時の動作制御の流れを示す。
【0055】まず、θ軸及びZ軸を夫々駆動して、ロボ
ットアーム10を、対象ユニットに近い所定位置におい
て、上述したと同様のZ軸に関する下側(L)位置に持
ってくる(図18のステップS1801及びS180
2:図17の(a))。この時、Z軸は、通常のZ軸速
度Snで駆動される。次に、R軸を通常速度SGnで駆
動して、ロボットアーム10を前進させ、基板位置W
(Wp)まで移動させる(図18のステップS180
3:図17の(b))。次に、Z軸を、通常のZ軸速度
Snで駆動して、Lsの位置(図13参照)まで移動さ
せる(図18のステップS1804)。ロボットアーム
10がLsの位置に到達すると(図18のステップS1
805)、Z軸速度をSsに設定変更し(図18のステ
ップS1806)、その速度で、ロボットアーム10を
Usの位置(図13参照)まで移動させる(図18のス
テップS1807)。この移動の途中で、基板Wが、ユ
ニット側からロボットアーム10に受け渡される。ロボ
ットアーム10がUsの位置に到達すると(図18のス
テップS1808)、Z軸速度の設定をSsからSnに
戻し(図18のステップS1809)、その速度で、ロ
ボットアーム10を上側(U)位置(図13参照)まで
移動させる(図18のステップS1810)。ロボット
アーム10がU位置に到達すると(図18のステップS
1811)、R軸の速度設定をSGnからSGgに変更
し(図18のステップS1812)、しかる後、R軸を
駆動して、ロボットアーム10を後退させ、図17のG
sの位置に向けて移動させる(図18のステップS18
13)。途中、ロボットアーム10がGpの位置に到達
した時点で、図17(c)に示すように、ロボットアー
ム10の基板保持機構を動作させて基板をグリップさせ
る(図18のステップS1814)。ロボットアーム1
0がGs位置に到達すると(図18のステップS181
5)、R軸の設定速度をSGgからSGnに戻し(図1
8のステップS1816)、その速度でロボットアーム
10をR軸原点まで移動させる(図18のステップS1
817)。ロボットアーム10がR軸原点に到達し(図
18のステップS1818)、処理が終了する(図17
(d))。
【0056】図19に、この動作制御における、ロボッ
トアーム10の基板位置W/WpからR軸原点Roまで
の移動時の動作速度と動作時間(位置)の関係を示す。
縦軸が動作速度、横軸が動作時間(位置)である。
【0057】上に説明した動作制御では、基板位置Wと
SGn→SGgの速度変更位置Wpとを同一座標位置に
指定しているため、ロボットアーム10は、基板を受け
取ると直ちに低速度SGgで動作を開始する。そして、
ロボットアーム10の基板保持機構の動作開始位置Gp
が高速搬送開始位置Gsの手前に設定されているので、
ロボットアーム10の基板保持機構が基板をグリップし
ていない状態でのロボットアーム10の移動を低速のS
Ggで行うことができ、従って、この状態での基板のズ
レ量を低減することができる。
【0058】以上に説明した実施の形態におけるロボッ
トアームの基板保持機構としては、図12に示したよう
な機械式保持機構や、或いは、従来も広く用いられてい
る真空吸着方式等であって良いが、次に、より好適な基
板保持機構を備えたロボットハンドについて説明する。
【0059】従来、半導体製造装置におけるウェハの搬
送装置としては、スカラ型又は直行型ロボットのアーム
先端に薄板形状をした真空吸着部を持つバキュームフィ
ンガタイプ、或いは、ウェハを凹部に落とし込んで搬送
する落とし込みタイプが主流であった。また、最近で
は、ウェハ裏面のパーティクル問題の解消と共に、ウェ
ハをハンド上で位置決めしようという目的のために、特
開平7−22502号公報に記載されているように、ウ
ェハの外形より多少大きめの円弧状をしたアーム把持部
と、そのアーム把持部に向かって移動可能な先端側把持
部とを持つハンドリング装置が提案されている。
【0060】しかしながら、バキュームタイプでは、ウ
ェハの裏面に真空吸着によるパーティクルが付着してウ
ェハ汚染になるという問題があった。また、レジスト剥
離装置(灰化処理装置)のようなウェハプロセスに使用
される装置では、通常、ウェハが高温になっており、そ
の状態でウェハ裏面を真空吸着すると、ウェハ裏面が急
速に冷却される。そのため、ウェハの表裏で熱分布が異
なるようになり、その結果、ウェハが大きく反ってしま
う。これは、ウェハ内にマイクロクラックを発生させる
原因となる。また、ウェハの反りはバキューム不良の原
因ともなり、搬送が不確実になるという問題もあった。
【0061】一方、落とし込み方式では、凹部の大きさ
の余裕をウェハの外形に対し1mm程度しか設定できな
いため(これを大きくすると、ハンド内でウェハが遊
ぶ。)、ロボットのティーチングの際、ロボットアーム
の位置決めが困難であった。また、この方式では、ウェ
ハの位置決めの際に、ウェハとそのガイド部材との間で
滑り接触が行われるため、擦れによるパーティクルの発
生の問題もあった。
【0062】更に、上述した特開平7−22502号公
報に開示されているメカニカルグリップ方式では、先端
側把持部が滑動する構成のため、パーティクルが発生
し、ウェハを汚染するという問題があった。また、駆動
源に滑動式のシリンダを使用しているため、やはり、そ
の部分でのパーティクル発生の問題があった。
【0063】更に、上述した従来例では、レジスト剥離
装置のような処理装置で高熱処理された高温ウェハを搬
送する場合、ウェハの表裏面で熱分布が異なり、ウェハ
が大きく変形して、搬送が不安定になるという問題もあ
った。従って、ウェハの温度が下がり、反りが安定する
までウェハ搬送を待機しなければならず、このため、ロ
スタイムが発生して、製造装置全体のスループットが低
下するという問題があった。
【0064】そこで、以下に説明する構成のロボットハ
ンドを用い、上述の問題点を解消する。
【0065】図20は、第1の例によるロボットハンド
の上面図で、ウェハをグリップする前の状態(以下、
「アングリップ」と称する。)を示している。図21
は、その側面図である。図22は、同じロボットハンド
の上面図であるが、ウェハをグリップした状態を示して
いる。図23は、そのロボットハンドでウェハ台上のウ
ェハを取りに行く(以下、「GET」と称する。)手順
を示している。また、図24は、そのロボットハンドで
ウェハ台上にウェハを置きに行く(以下、「PUT」と
称する。)手順を示している。
【0066】図20及び図21に示すように、ロボット
ハンド100の支持基台101は、ウェハWの平面上か
ら見ると、2本の互いに平行な角部を持ったフォーク状
をしており、それらの角部の先端に2個の固定爪102
が設けられている。一方、その対向方向には、ローラ1
14を備えた2個の可動爪103が設けられている。こ
れらの固定爪102及び可動爪103は、夫々、ウェハ
Wをグリップする際、そのウェハWの周囲に接触するよ
うに配置されている。なお、固定爪102も、ウェハ周
面に接触して回転するように構成しても良い。
【0067】各固定爪102は、上述したフォーク先端
部に固定され、そのウェハ端面との接触部は円形(又
は、円弧状)に構成されている。また、その一部に、ウ
ェハWを支持するためのウェハ受け102aを備えてい
る。
【0068】可動爪103は、支持基台101上にリニ
アモーションベアリング(転動タイプ)を介して移動可
能に取り付けられたスライダ107と、このスライダ1
07にヒンジ106により揺動可能に取り付けられた2
本のアーム105と、これら2本のアーム105をばね
掛け9を介して引っ張り保持しているばね108とを具
備している。各アーム105の先端部に取り付けられ
て、ウェハ端面と接触するローラ114は回転自在に構
成されている。また、2本のアーム105は、ばね10
8により互いに引っ張られ、且つ、所定の方向θ1、θ
2に夫々揺動可能になっている。スライダ107は、空
気圧により伸縮可能なベローズ104の一端に結合さ
れ、ベローズ104の他端は、支持基台101上に固定
されたベローズ台115に取り付けられている。
【0069】このベローズ104の伸縮動作は、スライ
ダ107の一部に設置されたストッパ(不図示)により
制限されており、その動作範囲は、固定爪102との間
で十分なグリップ力を得るために必要な最小距離から、
ウェハを受け取るのに十分なスペースが得られる最大距
離までの間である。
【0070】また、ベローズ104には、このベローズ
104にエアーを供給するための1本のエアーチューブ
116が接続されている。このエアーチューブ116の
図外の他端には電磁バルブが接続されており、この電磁
バルブにより、ベローズ104の加圧と減圧を外部から
切り換え制御するようになっている。このように、1本
のエアーチューブ116で駆動制御を行うように構成す
ることにより、ロボットアームの機構を簡単にできる利
点がある。
【0071】更に、支持基台101には、固定爪102
の一部に設けられたウェハ受け102aと協同してウェ
ハWを支持するための支持ピン112が設けられてい
る。
【0072】なお、図20及び図22において、符号1
11は、ウェハWの中心を、符号113は、ウェハを処
理するユニット側のウェハ台(図6の支持ピン5に相当
する。)を夫々示している。
【0073】ここで、上述のように構成されたロボット
ハンド100によりウェハWを把持するグリップ動作、
及び、グリップを解除するアングリップ動作を夫々説明
する。
【0074】図20は、アングリップの状態を示してい
る。ベローズ104の内部は、ウェハ載置前に、図外の
電磁バルブの制御により、エアーチューブ116を介し
て真空に引かれている。この真空吸引により、ベローズ
104は、ベローズ台115を固定点としてCS2(図
21参照)方向に収縮している。従って、このベローズ
104に結合されているスライダ107は、それが、X
−X軸に沿って摺動可能に支持基台101に取り付けら
れているため、やはり、CS2方向に、ベローズの収縮
距離だけ移動している。そして、このスライダ107に
取り付けられたアーム105も、このスライダ107と
共に移動し、そのアーム先端に取り付けられたローラ1
14と固定爪102との間に、ウェハWを載置するに十
分なスペースが形成される。この状態をアングリップと
いう。この状態で、支持基台101に固定された固定爪
102のウェハ受け102aと支持ピン112の上面に
ウェハWが載置される。
【0075】次に、このアングリップの状態からウェハ
Wをグリップするグリップ動作を、図22を参照して説
明する。
【0076】アングリップでフリーの状態のウェハWを
グリップするために、真空状態となっているベローズ1
04内に圧縮空気(以下、「圧空」と略記する。)を供
給する。この圧空への切り換えは、図外の電磁バルブに
より行う。この圧空によってベローズ104がCS1方
向に伸長し、これに伴って、スライダ107、アーム1
05、ローラ114、ばね108等により構成される可
動爪103がCS1方向に移動する。この移動過程にお
いて、ウェハWの端部にローラ114が当接し、更に、
ウェハWを、固定爪102に当たるまで押し込む。この
時点でウェハWは移動を終了し、2個の固定爪102と
2個のローラ114がウェハWの周囲に夫々当接する。
しかし、この時点では、ウェハWは、まだ十分にグリッ
プされていない。そこで、可動爪103を更に押し込む
と、2本のアーム105の先端に夫々回転自在に取り付
けられたローラ114が、ウェハWの縁部に沿って回転
しつつ移動し、ばね108を介して互いに引っ張り合っ
ている2本のアーム105が、ヒンジ106を支点にし
て夫々θ1、θ2方向に所定の角度揺動する。ばね10
8は、2本のアーム105が所定角度開いた時に、ウェ
ハWを十分に保持できる引っ張り力を与えるので、ウェ
ハWは、2個のローラ114と2個の固定爪102との
間に十分な保持力でグリップされることになる。そこ
で、この時点で、スライダ107に設けられた不図示の
ストッパによりベローズ104の伸長動作が停止し、そ
の停止状態を保持する。この状態をグリップという。
【0077】このグリップ動作時のアーム105の揺動
動作を更に詳細に説明すると、ローラ114に押された
ウェハWが固定爪102に当接した時点では、アーム1
05がθ1、θ2方向に揺動していないため、ローラ1
14には、ウェハWを十分にグリップする力が与えられ
ていない。そして、可動爪103がCS1方向に更に押
し込まれることによって、ローラ114がウェハWの縁
部に沿って回転しつつ移動し、アーム105が夫々θ
1、θ2方向に徐々に揺動する。この揺動に伴って、ば
ね108が引き伸ばされて、徐々にグリップ力を発生
し、十分にグリップできた時点でグリップが完了する。
つまり、急激にグリップするのではなく、徐々にグリッ
プする機構になっている。このため、グリップ時の衝撃
が少なく、その衝撃によるパーティクルの発生を抑制で
きる効果がある。
【0078】なお、上のグリップ動作の説明は、ノッチ
ウェハ又は円形ウェハを対象としたものであるが、ウェ
ハ円周部に切り欠きが大きいオリフラウェハを使用する
場合、オリフラの方向を予め一定方向に決めておけば、
上述と同様の動作が可能であることは言うまでもない。
【0079】以上に説明したロボットハンド100で
は、空気圧によって伸縮するベローズ104により可動
爪103を駆動するようにしているので、滑動式シリン
ダにより駆動する場合と比較して、滑動部を減らすこと
ができ、従って、パーティクルの発生を抑制することが
できる。また、エアー漏れの心配も実質的に皆無であ
る。更に、可動爪103がウェハに当接する際、ばね1
08により結合された2本のアーム105が開く方向に
夫々揺動して、衝撃を吸収するので、その衝撃が緩和さ
れ、延いては、その衝撃によるパーティクルの発生を抑
制することができる。更に、可動爪103の先端部をロ
ーラ114で構成して、この部分がウェハ周面上を回転
しつつ移動するように構成しているので、この部分の滑
動によるパーティクルの発生を防止することができる。
更に、搬送するウェハWの裏面側がフォーク状に構成さ
れて、大きく空いているので、高温のウェハWを搬送す
る場合でも、ウェハWの裏面とロボットハンド100と
の間に籠もる熱が効果的に排出され、従って、ウェハW
の表裏での熱分布が均等化されて、ウェハWの反りを防
止することができる。これにより、ウェハWを確実にグ
リップすることができる。
【0080】次に、図23及び図24を参照して、ロボ
ットハンド100によるGET動作及びPUT動作を夫
々説明する。
【0081】以下の説明において、ロボットハンド10
0は、ウェハWの中心111近傍を含むX−X軸(図2
0参照)に沿って移動し、この軸方向において、ロボッ
トハンド100がウェハ台113に接近する方向をRS
1、ウェハ台113から後退する方向をRS2とする。
また、ウェハ台113上のウェハWに対し、ロボットハ
ンド100が相対的に上下動する動作において、上昇方
向をZU、下降方向をZDとする。
【0082】図23はGET動作の説明図である。ロボ
ットハンド100が、ウェハ台113上の予め定められ
た位置に置かれたウェハWをGETしに行く時には、ま
ず、ウェハ台113上のウェハWの裏面とハンド先端の
固定爪102の上面とが接触しないように、それらの間
に所定の隙間G2が形成される状態で、ロボットハンド
100をRS1方向に移動させ、図23(a)に示す位
置に持って来る。この位置は、図示の如く、固定爪10
2のウェハ接触面とウェハWの端面との間に隙間G1が
形成される位置であり、従って、ロボットハンド100
がZU方向に移動した時に、固定爪102のウェハ接触
面とウェハWの端面とが互いに接触しないようになって
いる。また、この時、ロボットハンド100の可動爪1
03はアングリップの状態になっている。
【0083】この状態で、ロボットハンド100はZU
方向に上昇し、図23(b)に示す位置まで移動する。
この移動過程で、ウェハWは、その裏面を、ロボットハ
ンド100の固定爪102のウェハ受け102aと支持
ピン112により支持されて、ウェハ台113からロボ
ットハンド100に移載される。この時のロボットハン
ド100のZU方向への移動距離は、ウェハWの裏面が
ウェハ台113から離れ、それらの間に、後のロボット
ハンド100の移動の障害とならないための隙間Uが形
成される程度で良い。
【0084】次に、図23(c)に示すように、ロボッ
トハンド100をRS2方向に所定距離Sだけ移動させ
た時点で、可動爪103をCS1方向に移動させ、ウェ
ハWをグリップする。この時、ロボットハンド100を
移動させる距離Sは、例えば、ウェハ台113がウェハ
カセットのものである場合、そこに設けられた不図示の
ウェハストッパ(通常は、ウェハカセットの奥行き側
に、ウェハの奥行き方向の位置決めのために設けられて
いる。)に、ウェハWが、グリップ時に隙間G1分移動
しても当たらないだけの距離が必要である。
【0085】上述のようにして可動爪103がウェハW
をグリップした後、そのグリップを保持したまま、ロボ
ットハンド100はRS2方向に更に移動し、原点位置
で次動作の待機に入る。この一連の動作で、GET動作
を終了する。
【0086】次に、PUT動作を説明する。まず、ウェ
ハWをグリップしたロボットハンド100をRS1方向
に移動させ、図24(b)に示すように、ウェハ台11
3の位置まで持って来る。この時、ウェハWの裏面とウ
ェハ台113の上面とが接触しないように、それらの間
に隙間Uを確保しておく。この時のロボットハンド10
0の移動は、ウェハWの中心が、既述したウェハ台11
3上での所定位置に達するまで行い、達した時点で停止
する。それが、図24(b)に示す位置である。この位
置は、上述したGET動作時における図23(a)に示
した位置とは異なっている。これは、上述したGET動
作時のウェハに対する隙間G1により発生する位置ずれ
のためである。
【0087】ロボットハンド100の位置が決定される
と、次に、ウェハWをウェハ台113に載置する動作に
移行する。そこで、図24(c)に示すように、まず、
ウェハWのグリップを解除し、アングリップ状態にす
る。即ち、可動爪103をCS2方向に移動させて、グ
リップ状態を解除する。次に、ロボットハンド100
は、この状態を維持したまま、ZD方向に下降する。こ
の下降途中において、ウェハWはウェハ台113上に移
載され、ロボットハンド100は、更に、ウェハWの裏
面と固定爪102の上面との間に隙間G2が確保できる
まで下降を続け、隙間G2が確保できた時点で下降を停
止する。この状態が、図24(d)の状態である。次
に、ロボットハンド100は、停止した下降位置を保持
したままRS2方向に移動し、原点位置にて、次動作の
ため待機する。この一連の動作でPUT動作が終了す
る。
【0088】このように、GET時とPUT時とで、ロ
ボットハンド100のティーチング位置を変えること
で、ロボットハンド100とウェハWとの不測の接触を
避けることができ、また、GET時のウェハグリップの
タイミングを、ウェハWを受け取った位置から所定距離
Sだけ移動した後とすることにより、ウェハWとウェハ
台側の機構との不測の衝突を防止することができる。こ
れらは、ウェハWのダメージ防止及びパーティクル防止
に効果がある。
【0089】なお、上に説明したGET動作及びPUT
動作に、既述した図18と同様の動作制御を適用するこ
とができることは容易に理解されるであろう。
【0090】図25に、ロボットハンドの別の例を示
す。このロボットハンド200では、可動爪103にお
けるアーム105の構成を1本だけとし、スライダ10
7とベローズ104との間を、衝撃吸収用のU字状ばね
128で連結している。これ以外の構成は、図20に示
したロボットハンド100と実質的に同じである。この
ロボットハンド200でも、図20に示したロボットハ
ンド100と実質的に同様の効果が得られる。
【0091】図26に、ロボットハンドの更に別の例を
示す。このロボットハンド300は、図25に示したロ
ボットハンド200と同様の構成において、支持基台1
01のフォーク状部分の先端部近傍を互いに連結し、且
つ、ウェハWの中心部近傍部分に大きな排気空間121
を開口して、ウェハWと支持基台101との間に熱が籠
もらないようにしたものである。この構成では、固定爪
102の部分での剛性が増すので、固定爪102が変位
し難くなり、その結果、ウェハグリップの確実性が向上
する。
【0092】以上、本発明を、その好ましい実施の形態
に従い説明したが、本発明は、それらの実施の形態に限
定されるものでは決してない。例えば、上に説明した例
では、或る軸に関する動作速度を高速と低速の2段階に
切り換えるべくティーチングポジションを追加したが、
更に多くのティーチングポジションを追加して、設定速
度を3段階以上に切り換えて動作させることも可能であ
る。また、本発明は、ロボットにより複数のユニット間
で基板を逐次搬送する種々の搬送システムに適用が可能
である。更に、本発明のハンド機構に用いるベローズ
は、上述した空気以外の気体、場合によっては、液体で
も駆動可能である。
【0093】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、基板搬送ロボットと各種ユニットとの間で基板を受
け渡しする際の基板とロボット又はユニット側との接触
時の衝撃を緩和することができ、また、基板グリップ時
のずれ量を抑制することができる。従って、基板を確実
に搬送することが可能となる。
【0094】また、本発明の基板搬送用ハンド機構で
は、滑動部を少なく構成することができるので、パーテ
ィクルの発生が少なく、従って、ウェハ汚染の少ない基
板搬送を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる搬送ロボットの一例の上面図で
ある。
【図2】本発明で用いる搬送ロボットの一例の側面図で
ある。
【図3】本発明で用いる搬送ロボットの制御系統の一例
を示すブロック図である。
【図4】本発明による灰化処理装置の概略構成を示す概
念図である。
【図5】図4の灰化処理装置における搬送ターンを示す
概念図である。
【図6】図4の灰化処理装置に用いられているプロセス
ユニットの基板支持機構の例を示す側面図である。
【図7】Z軸方向のティーチングポジションの例を示す
概念図である。
【図8】ユニットから基板を取り出す時の動作を示す概
念図である。
【図9】図8の動作の制御手順を示すフローチャートで
ある。
【図10】ユニットへの基板の搬入動作を示す概念図で
ある。
【図11】図10の動作の制御手順を示すフローチャー
トである。
【図12】機械式基板保持機構を有するロボットアーム
の一例を示す概略図である。
【図13】本発明によるZ軸方向での速度変化を伴う基
板受け渡し動作を実現するためのティーチングポジショ
ンの例を示す概念図である。
【図14】従来の制御動作による動作速度と動作時間
(位置)の関係を示すグラフである。
【図15】本発明による速度変化を伴うZ軸動作の制御
手順を示すフローチャートである。
【図16】図15の制御動作による動作速度と動作時間
(位置)の関係を示すグラフである。
【図17】図12のロボットアームを用いて本発明によ
るR軸動作を行わせるためのティーチングポジションの
例を示す概念図である。
【図18】図17の動作の制御手順を示すフローチャー
トである。
【図19】図17の動作における動作速度と動作時間
(位置)の関係を示すグラフである。
【図20】本発明によるハンド機構の一例の上面図であ
る。
【図21】図20のハンド機構の側面図である。
【図22】図20のハンド機構のグリップ時の上面図で
ある。
【図23】図20のハンド機構のGET動作を示す概念
図である。
【図24】図20のハンド機構のPUT動作を示す概念
図である。
【図25】本発明によるハンド機構の別の例の上面図で
ある。
【図26】本発明によるハンド機構の更に別の例の上面
図である。
【符号の説明】
1:搬送ロボット 2:装置制御コントローラ(HOS
T) 3:搬送ロボットコントローラ 4:灰化処理装
置 5:支持ピン 10:ロボットアーム 100、2
00、300:ロボットハンド 101:支持基台 1
02:固定爪 102a:ウェハ受け 103:可動爪 104:ベロ
ーズ 105:アーム 106:ヒンジ 107:スライダ 108:ばね 1
09:ばね掛け 111:ウェハ中心 112:支持ピ
ン 113:ウェハ台 114:ローラ 115:ベロ
ーズ台 116:エアーチューブ 121:排気空間
128:ばね W:ウェハ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を保持するための基板保持部を備
    え、その基板保持部を所定位置まで移動させて基板の受
    け渡しを行うロボットアームと、 前記基板保持部の前記所定位置までの移動を制御するた
    めの少なくとも1つの軸と、 その軸に関する前記基板保持部の移動制御を、少なくと
    も、その軸に関する移動開始位置、その軸に関する移動
    速度を第1の設定速度からそれとは異なる第2の設定速
    度に変更するための第1の速度変更位置、その軸に関す
    る移動速度を前記第2の設定速度から前記第1の設定速
    度に変更するための第2の速度変更位置、及び、その軸
    に関する移動終了位置の4つの座標を用いて行う制御部
    とを有することを特徴とする基板搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記基板保持部が、機械的機構により前
    記基板を保持するように構成されている請求項1に記載
    の基板搬送装置。
  3. 【請求項3】 ロボットアームに設けられた基板保持部
    に基板を保持して搬送する基板搬送方法であって、 前記基板の受け渡しを行う位置に前記基板保持部を移動
    させる際、1つの軸に関する前記基板保持部の移動制御
    を、 まず、その軸に関する移動開始位置に前記基板保持部を
    位置させ、 次いで、第1の設定速度で前記基板保持部を前記移動開
    始位置から第1の速度変更位置まで移動させ、 その第1の速度変更位置で前記基板保持部の移動速度を
    前記第1の設定速度からそれとは異なる第2の設定速度
    に変更した後、その第2の設定速度で前記基板保持部を
    前記基板の受け渡し位置まで移動させ、 その受け渡し位置で前記基板の受け渡しを行った後、前
    記第2の設定速度で前記基板保持部を第2の速度変更位
    置まで移動させ、 その第2の速度変更位置で前記基板保持部の移動速度を
    前記第2の設定速度から前記第1の設定速度に変更した
    後、その第1の設定速度で前記基板保持部を前記軸に関
    する移動終了位置まで移動させるようにして行うことを
    特徴とする基板搬送方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の設定速度が前記第1の設定速
    度よりも低速度であることを特徴とする請求項3に記載
    の基板搬送方法。
  5. 【請求項5】 2つの軸に関する前記基板保持部の移動
    制御を、 まず、第1の軸に関する移動開始位置に前記基板保持部
    を位置させ、 次いで、その第1の軸に関する第1の設定速度で前記基
    板保持部を前記第1の軸に関する移動開始位置から第2
    の軸に関する移動開始位置まで移動させ、 次いで、前記第2の軸に関する第1の設定速度で前記基
    板保持部を前記第2の軸に関する移動開始位置から前記
    第2の軸に関する第1の速度変更位置まで移動させ、 その第2の軸に関する第1の速度変更位置で前記基板保
    持部の移動速度を前記第2の軸に関する第1の設定速度
    からそれとは異なる第2の設定速度に変更した後、その
    第2の軸に関する第2の設定速度で前記基板保持部を前
    記基板の受け渡し位置まで移動させ、 その受け渡し位置で前記基板の受け渡しを行った後、前
    記第2の軸に関する第2の設定速度で前記基板保持部を
    前記第2の軸に関する第2の速度変更位置まで移動さ
    せ、 その第2の軸に関する第2の速度変更位置で前記基板保
    持部の移動速度を前記第2の軸に関する前記第2の設定
    速度から前記第2の軸に関する前記第1の設定速度に変
    更した後、その第2の軸に関する第1の設定速度で前記
    基板保持部をその第2の軸に関する移動終了位置まで移
    動させ、 その第2の軸に関する移動終了位置で、前記第1の軸に
    関する前記基板保持部の移動速度を前記第1の軸に関す
    る第1の設定速度からそれとは異なる第2の設定速度に
    変更し、その第1の軸に関する第2の設定速度で前記基
    板保持部をその第1の軸に関する第2の速度変更位置ま
    で移動させ、 その第1の軸に関する第2の速度変更位置で、その第1
    の軸に関する前記基板保持部の移動速度をその第1の軸
    に関する第2の設定速度からその第1の軸に関する第1
    の設定速度に変更し、その第1の軸に関する第1の設定
    速度で前記基板保持部をその第1の軸に関する移動終了
    位置まで移動させることで行うことを特徴とする請求項
    3に記載の基板搬送装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の軸に関する第2の設定速度が
    その第1の軸に関する第1の設定速度よりも低速度であ
    り、前記第2の軸に関する第2の設定速度がその第2の
    軸に関する第1の設定速度よりも低速度であることを特
    徴とする請求項5に記載の基板搬送装置。
  7. 【請求項7】 前記受け渡し位置から前記基板を受け取
    った後、前記基板保持部を前記第2の軸に関する移動終
    了位置から前記第1の軸に関する第2の速度変更位置ま
    で移動させる間の所定位置で、前記基板保持部に前記基
    板を機械的に保持させることを特徴とする請求項6に記
    載の基板搬送装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも2カ所に配置された固定爪
    と、 それらの固定爪との間で基板を挟み込んで保持するため
    に、それらの固定爪との間の距離を変更できるように設
    けられた少なくとも1個の可動爪と、 前記固定爪と前記可動爪との間の距離を変更するため
    に、前記可動爪に連結された、流体の駆動により伸縮可
    能なベローズとを有することを特徴とする基板搬送用ハ
    ンド機構。
  9. 【請求項9】 前記可動爪が、各々が揺動可能に軸支さ
    れた一対の並行腕部と、その並行腕部間を引っ張り付勢
    する引っ張りばねとを有しており、前記引っ張りばねに
    抗して開いた状態の前記並行腕部間の位置に基板が保持
    されるように構成されていることを特徴とする請求項8
    に記載の基板搬送用ハンド機構。
  10. 【請求項10】 前記可動爪の基板に対する接触部が、
    その基板に対し転がり接触するように構成されているこ
    とを特徴とする請求項8又は9に記載の基板搬送用ハン
    ド機構。
  11. 【請求項11】 基板を保持した時にその基板に対向す
    る面が、基板からの熱を逃がすために開放されているこ
    とを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の
    基板搬送用ハンド機構。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の基板搬送装置を備え
    た灰化処理装置。
  13. 【請求項13】 請求項3に記載の基板搬送方法により
    搬送された基板を処理する灰化処理方法。
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