JP2000219925A - 耐硫化性銀合金 - Google Patents

耐硫化性銀合金

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JP2000219925A
JP2000219925A JP11020095A JP2009599A JP2000219925A JP 2000219925 A JP2000219925 A JP 2000219925A JP 11020095 A JP11020095 A JP 11020095A JP 2009599 A JP2009599 A JP 2009599A JP 2000219925 A JP2000219925 A JP 2000219925A
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Japan
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silver
silver alloy
weight
alloy
contg
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JP11020095A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Kirihara
勉 桐原
Soichi Nagasawa
荘一 長沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明者等が鋭意研究した結果、ある特定の配
合を採用することにより、長年使用しても汗等で変色し
ない上、光輝性が損なわれることのない耐硫化性銀合金
を発明するに至ったのである。 【解決手段】プラチニウム10〜15重量%、インジウ
ム0.1〜3.5重量%、金1.5〜3.5重量%、パ
ラジウム0.5〜3.5重量%、残余を銀として、全体
が100重量%になるようにしたことを特徴とする耐硫
化性銀合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、指輪やブロー
チ、ペンダント等の装身具として使用したときに、汗等
で黒く変色したりすることのない耐硫化性銀合金を提供
しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】近年、銀合金は指輪やブローチ、ペンダ
ント等の装身具として広く使用されてきているが、従来
の銀合金からなる装身具は、使用中に汗等と接触して黒
く変色してしまうことが避けられなかった。そこで耐変
色性の代表的な銀合金として、Ag−Au−Pd合金が
知られている。
【0003】また腕時計ケース用の銀合金として、Ag
にPd,Sn,Zn,を添加し、あるいはこれにMg,
Al,Ge,In,Ni等を添加した銀合金(特開昭5
3−43620号公報参照)が知られている。
【0004】さらに、耐汗性、耐硫化性の向上を目的と
する、Ag−Pd−Auからなる銀合金(特開昭60−
9844号公報参照)や、Ag−Ptベースに特定量の
Pd,Zn,In,Snの一種以上を添加した銀合金
(特開昭61−73847号、特開昭61−73848
号公報参照)、Agに特定量のPd,Ru,Inを添加
した銀合金(特開平1−275726号公報参照)等が
提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで貴金属製装身
具においては、長年使用しても汗等で変色しない上、光
輝性を損なわれることがないということが極めて重要な
課題である。特に汗や経年変化で変色し、洗っても元に
戻らない場合には、その価値は使用できないほどに低下
してしまい、購入意欲をそぐ結果となってしまう。
【0006】しかしながら、上記のうちAg−Au−P
d合金や、AgにPd,Sn,Zn,を添加し、あるい
はこれにMg,Al,Ge,In,Ni等を添加した銀
合金においては、いずれもPdを添加量で10重量%
(重量%、以下同じ)以上含有することが必須要件にな
っている。したがって高価であることはもちろん、色調
も黒灰色を帯びているため、銀本来の美しい色調と明る
さを損なうという問題点を有している。
【0007】また、微量成分としてAgにPt、Pd等
を添加する種々の用途の銀合金においては、黒く変色す
ることをある程度押さえることができても、あくまでも
短期的な改善策であり、銀合金の大部分を占めるAgの
成分量が変わらないために根本的な解決にはなり得なか
った。
【0008】例えば、上記従来の耐硫化性銀合金を表面
研磨した試料を、0.1重量%のNa2Sおよび5重量
%のNaCl水溶液に10時間浸漬して変色度合いを調
査したところ、黒っぽく変色してしまって、長期間の使
用には耐え得ないことが判明している。
【0009】本発明者は従来例の上記欠点を解消しよう
として鋭意研究した結果、ある特定の配合を採用するこ
とにより、長年使用しても汗等で変色しない上、光輝性
が損なわれることのない耐硫化性銀合金を発明するに至
ったのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明の耐
硫化性銀合金は、プラチニウム10〜15重量%、イン
ジウム0.1〜3.5重量%、金1.5〜3.5重量
%、パラジウム0.5〜3.5重量%、残余を銀とし
て、全体が100重量%になるようにしたことを特徴と
するものである。
【0011】また、この発明の耐硫化性銀合金は、プラ
チニウム10〜15重量%、インジウム0.1〜3.5
重量%、金1.5〜3.5重量%、パラジウム0.5〜
3.5重量%、銅1.0〜3.0重量%、亜鉛0.1〜
2.0重量%、残余を銀として、全体が100重量%に
なるようにしたことをも特徴とするものである。
【0012】すなわち本発明者等が種々の配合について
鋭意研究した結果、耐硫化性銀合金として上記の組成を
採用することにより、長年使用しても汗等で何ら変色し
ない上、光輝性を損なわれることがないという効果を備
えた銀合金を得られることを見出したのである。
【0013】したがって、耐硫化性銀合金として得よう
とする光輝性等の素材の雰囲気等を損なうこともなく、
高品質でしかも適正な価格の耐硫化性銀合金を提供でき
るようになった。
【0014】
【発明の実施の形態】以下この発明の耐硫化性銀合金の
実施の形態を、実施例を用いて詳細に説明する。
【0015】
【実施例】表1に示す組成の合金試料No.1〜10を
作製した。作製に当たっては、Agと上記他の成分とを
特定の割合で混合し、必要に応じてCu、Znを特定量
添加して撹拌した。得た溶融銀合金を型に流し込み、銀
合金の地金を作製した。
【0016】これらの銀合金は、それぞれエメリーペー
パー等で表面研磨して色調と明るさを調査するととも
に、0.1重量%のNa2Sおよび5重量%のNaCl
水溶液に浸漬して変色度合いを調査した。なお、変色度
合いの判定試験は、表面研磨した試料を0.1重量%の
Na2Sおよび5重量%のNaCl水溶液に10時間な
いし4昼夜浸漬して行ない、その判定結果は大きな変色
を×、若干の変色を△、変色なく、当初の表面光沢を維
持したものを○で示した。明るさの評価は、「純銀と同
等のもの」を◎、「純銀に近いもの」を○、「純銀に似
たもの」を△、「多少純銀の感じがするもの」を×とし
た。
【0017】 (以下余白)
【0018】
【表1】 上記表1に明らかなように、Pt,In,Au,Pdが
添加されていないと、NaClに対しては耐変色性を示
すが、一方、Na2Sに対しては良好な耐変色性を得る
ことができない。
【0019】また表1からPt,In,Au,Pdの添
加量が、所定の範囲であれば耐変色性を同様に改善する
ことができ、また銀本来の色調を保つこともできること
が判明した。
【0020】
【発明の効果】この発明はAgの成分量を以上のように
構成したので、長年使用しても汗等で変色しない上、光
輝性が損なわれることのない、装身具に好適な耐硫化性
銀合金を提供することができるようになった。
【0021】しかも、耐硫化性銀合金として得ようとす
る原価や光輝性等の素材の雰囲気等を損なうこともな
く、高品質でしかも適正な価格の耐硫化性銀合金を提供
できるようになった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラチニウム10〜15重量%、インジ
    ウム0.1〜3.5重量%、金1.5〜3.5重量%、
    パラジウム0.5〜3.5重量%、残余を銀として、全
    体が100重量%になるようにしたことを特徴とする耐
    硫化性銀合金。
  2. 【請求項2】 プラチニウム10〜15重量%、インジ
    ウム0.1〜3.5重量%、金1.5〜3.5重量%、
    パラジウム0.5〜3.5重量%、銅1.0〜3.0重
    量%、亜鉛0.1〜2.0重量%、残余を銀として、全
    体が100重量%になるようにしたことを特徴とする耐
    硫化性銀合金。
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