JP2000219119A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

Info

Publication number
JP2000219119A
JP2000219119A JP11022777A JP2277799A JP2000219119A JP 2000219119 A JP2000219119 A JP 2000219119A JP 11022777 A JP11022777 A JP 11022777A JP 2277799 A JP2277799 A JP 2277799A JP 2000219119 A JP2000219119 A JP 2000219119A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
brake
emergency
control valve
normal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11022777A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinobu Suzuki
吉宜 鈴木
Takeshi Naito
剛 内藤
Shingo Sugiura
慎吾 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP11022777A priority Critical patent/JP2000219119A/ja
Publication of JP2000219119A publication Critical patent/JP2000219119A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2つのブレーキ系統を備えた装置において、
緊急ブレーキ要求時に緊急弁がフェールした場合であっ
ても、確実にブレーキ装置にブレーキ力が作用するよう
にする。 【解決手段】 圧力供給源ACC1/2からの圧力によ
りブレーキ装置W/Cにブレーキ圧力を供給し増圧する
増圧弁およびブレーキ装置のブレーキ圧力を減圧する減
圧弁が2重系となったブレーキ制御装置100におい
て、一方が通常ブレーキ制御を行う通常弁SOL1/
5,SOL2/6、他方が緊急時の制動を主として行う
緊急弁SOL3/7,SOL4/8を備え、緊急弁のフ
ェールを常時検出し、緊急ブレーキ要求時に緊急弁がフ
ェールした場合には正常な弁によりブレーキ制御を行う
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキ制御装置
に関するものであり、特に、2つの油圧系統(特に、前
後左右X配管)でブレーキ制御を行うブレーキ制御装置
において、緊急ブレーキ要求時等に増圧弁あるいは減圧
弁にフェールが発生した場合であってもブレーキ制御が
行えるブレーキ制御装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来、先行車を検出して先行車と安全距
離を保ちながら走行を行う場合、渋滞時に先行車の速度
に合わせて追従走行を行う場合、先行車を検出して走行
途中で自車が先行車または障害物等にぶつかると判断さ
れる緊急制動の場合等において、車輪に対して自動的に
ブレーキを作動させるブレーキ制御装置が知られてお
り、このような装置は、例えば、特開平6−10714
1号公報に開示されている。
【0003】この公報に示される装置は、マスタシリン
ダとブレーキ装置(ホイールシリンダ)の間に、マスタ
シリンダとの連通を遮断する遮断弁が設けられ、この遮
断弁が開位置にあるときにはブレーキペダルの踏込力に
応じて各車輪のブレーキ装置にブレーキ力が作用すると
共に、自動ブレーキ制御中(遮断弁が閉位置にあると
き)、自動ブレーキ装置のもつ圧力供給源からブレーキ
圧力が増圧弁を介して各車輪のブレーキ装置に供給され
る構成となっている。
【0004】また、この装置では、自動的にブレーキ制
御を行うブレーキ装置の増圧弁がフェールした場合でも
ブレーキ圧を確保するため、フェール用の圧力供給源お
よび増圧弁が自動ブレーキ装置の油圧系に対して並列に
設けられている。自動ブレーキ装置の増圧弁がフェール
した場合(自動ブレーキ作動中に設定圧力にブレーキ圧
が上昇しない場合)には、フェール用の圧力供給源から
ブレーキ圧力が各車輪のブレーキ装置に対して供給され
る。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】上記の公報に示され
るものでは、ブレーキ制御装置のブレーキ圧力を供給す
る圧力供給源が故障したり、増圧弁が閉状態等で故障し
たりして、各車輪のブレーキ装置に対して十分な圧力供
給ができなくなってしまった場合には、フェール用の圧
力供給源を基にブレーキ力を供給できる。一方、増圧側
でのフェール時には遮断弁を通常ブレーキ状態に戻し、
マスタシリンダとブレーキ装置の油圧経路を連通させれ
ば、運転者がブレーキペダルを踏み込めば、その踏力に
応じてブレーキ装置にブレーキ力が作用する。
【0006】しかしながら、運転者による通常のブレー
キ操作によりブレーキ力を作用させるのではなく、自動
ブレーキのみによって、車両を減速または停止させるブ
レーキ制御装置において、上記の構成では減圧側が故障
(例えば、減圧弁が開状態で故障)した場合には、ブレ
ーキ装置に対してブレーキ圧力の制御が適切に行えなく
なる。
【0007】つまり、このような装置においてはシステ
ムフェールを考え、少なくとも2つのブレーキ系統を設
けた場合においては、油圧系にフェールが発生した場合
であっても、特に、通常のブレーキ制御では通常使用し
ない弁(主として緊急時に使用するので、緊急弁と称
す)のフェールを確実に判断し、緊急時のブレーキ制御
においては、各車輪に対して増圧または減圧のブレーキ
制御が確実に行えなくてはならない。
【0008】よって、本発明は上記の問題点に鑑みてな
されたものであり、2つのブレーキ系統を備えた装置に
おいて、緊急ブレーキ要求時に緊急弁がフェールした場
合であっても、確実にブレーキ装置にブレーキ力が作用
するものとすることを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに講じた技術的手段は、圧力供給源(ACC1/2)
からブレーキ装置(W/C)に供給されるブレーキ圧力
をブレーキ圧制御弁により制御するブレーキ制御装置に
おいて、緊急時の制動を主として行う緊急ブレーキ圧制
御弁(SOL3/7,SOL4/8)をブレーキ圧制御
弁(SOL1/5,SOL2/6)に並列に設け、緊急
ブレーキ圧制御弁のフェールを常時検出し、緊急ブレー
キ要求があった時(S501,601,701,80
1)は緊急ブレーキ圧制御弁がフェールした状態(S4
01,403,405,407)にてブレーキ圧制御弁
によりブレーキ制御を行うようにした(S402,40
4,406,408)。
【0010】これによれば、緊急ブレーキ圧制御弁のフ
ェールを常時検出し、緊急ブレーキ要求時に緊急ブレー
キ圧制御弁がフェールした場合には正常な弁によりブレ
ーキ制御を行うようにしたことにより、緊急ブレーキ圧
制御弁がフェール状態でも正常な弁により代替でブレー
キ制御が行え、確実にブレーキ装置にブレーキ力が作用
するものとする。
【0011】この場合、X配管を採用し、異常が発生し
ている系を異常系とし、異常が発生していない系を正常
系とした場合、一方の緊急ブレーキ圧制御弁の増圧側
(SOL3/7)が開状態(連通しっぱなし)でフェー
ルしたとき、緊急ブレーキ要求時(S501)に正常系
の緊急ブレーキ圧制御弁の増圧側(SOL3/7)のみ
を作動させれば(S502)、緊急ブレーキ圧制御弁の
増圧側が開状態でフェールした場合であっても、正常な
1系統の緊急ブレーキ圧制御弁の増圧側により確実なブ
レーキ作動が可能となる。
【0012】また、一方の緊急ブレーキ圧制御弁の増圧
側(SOL3/7)が閉状態でフェールした(連通でき
ない)とき(S403)、緊急ブレーキ要求時(S60
1)に正常系では緊急ブレーキ圧制御弁の増圧側(SO
L3/7)を作動させ、異常系ではブレーキ圧制御弁の
増圧側(SOL1/5)を作動させれば(S602)、
緊急ブレーキ圧制御弁の増圧側が閉状態でフェールした
場合であっても、正常系では緊急ブレーキ圧制御弁の増
圧側により緊急時のブレーキを作動させ、異常系では緊
急ブレーキ圧制御弁の増圧側に代わってブレーキ圧制御
弁の増圧側によりブレーキを確実に作動させることが可
能となる。
【0013】更に、一方の緊急ブレーキ圧制御弁の減圧
側(SOL4/8)が開状態でフェールした(連通しっ
ぱなし)とき(S405)、緊急ブレーキ要求時(S7
01)に正常系の緊急ブレーキ圧制御弁の増圧側(SO
L3/7)を作動させれば(S702)、緊急ブレーキ
圧制御弁の減圧側が開状態でフェールした場合であって
も、異常系のブレーキ制御を中止し、正常系のみを使用
して正常系の緊急ブレーキ圧制御弁の増圧側を作動させ
ることによりブレーキを確実に作動させることが可能と
なる。
【0014】更にその上、一方の緊急ブレーキ圧制御弁
の減圧側(SOL4/8)が閉状態でフェールした(連
通できない)とき(S407)、緊急ブレーキ要求時
(S801)に正常系および異常系では緊急ブレーキ圧
制御弁の増圧側(SOL3/7)を作動させれば(S8
02)、異常系の緊急減圧弁が閉状態でフェールした場
合であっても緊急増圧弁によりブレーキ力を確保でき、
ブレーキを確実に作動させることが可能となる。
【0015】尚、上記の括弧内には、図面に示し後述す
る対応要素の図番およびステップ番号を参考までに付記
し、括弧内のスラッシュは、「または」を示すものとす
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。
【0017】図1は本発明のシステム構成を示してお
り、FR輪とRL輪(FR−RL系)、FL輪とRR輪
(FL−RR系)はX配管を採用し、前輪と後輪の間に
は前輪に対して後輪のブレーキ圧を抑えるプロポーショ
ニングバルブPV1,PV2が設けられている。
【0018】制御油圧系(以下、油圧系と称す)は、F
R−RL系およびFL−RR系の各車輪に設けられたホ
イールシリンダ(ブレーキ装置)W/Cにかかる油圧を
検出する圧力センサP1,P2が設けられており、この
センサP1,P2からの情報を基に、ソレノイド(SO
L)を通電/非通電(オン/オフ)することにより各車
輪のホイールシリンダに対してブレーキ液を供給または
リザーバRV1,RV2に排出することによって、ブレ
ーキ圧制御がなされるようになっている。ここで用いる
SOL1〜8は互いに電磁的に作用する常閉型2ポート
2位置弁であり、各SOL1〜8はオン(通電)するこ
とによってインレットとアウトレットは連通し、オフ
(非通電)することによってインレットとアウトレット
が非連通(遮断状態)となる。
【0019】(FR−RL系)圧力供給源となるアキュ
ムレータ(ACC1)からFR−RL系には圧力を一定
圧まで低下させる調圧弁AV1およびSOL1を介して
ブレーキ圧が供給されるようになっており、ACC1と
調圧弁AV1の間にはオリフィスOF1が設けられ、調
圧弁AV1とSOL1との間にはオリフィスOF2およ
びSOL1側へ異物の通過を防止するフィルタFL1が
介在されている。
【0020】また、FR−RL系の車輪に供給されたブ
レーキ液の減圧(リザーバRV1への排出)はSOL2
を介して行われ、SOL2をオンすることによりオリフ
ィスOF3を介してブレーキ液をリザーバRV1へと逃
がし、車輪にかかるブレーキ圧力を低下させることがで
きる。
【0021】リザーバRV1に溜まったブレーキ液はポ
ンプモータPM1の駆動により汲み上げられ、アキュム
レータACC1に高圧の状態で蓄圧されるようになって
いる。この場合、リザーバRV1とポンプPP1との間
にはブレーキ液がリザーバRV1からポンプ側のみにな
がれるようチェックバルブCV11および配管内で異物
の流れを阻止するフィルタFL11が介在して設けられ
ている。また、ポンプPP1とACC1の間にはACC
1側のみにブレーキ液が流れるチェックバルブCV1が
設けられており、更に、ACC1の圧力が一定圧以上の
高圧になった場合に、リザーバRV1へと逃がすリリー
フ弁RR1がACC1とリザーバRV1との間に設けら
れている。
【0022】更に、通常ブレーキ制御で増圧を行うSO
L1をアシストまたはフェールセーフ的に作動し、増圧
代替弁または緊急増圧弁となるSOL3が設けられ、通
常ブレーキ制御で減圧を行うSOL2をアシストまたは
フェールセーフ的に作動し、減圧代替弁または緊急減圧
弁となるSOL4が設けられており、例えば、SOL1
が故障した場合、SOL3はACC1の圧力をオリフィ
スOF1およびSOL3側へ異物の通過を防止するフィ
ルタFL11を介してFR−RL系に供給する増圧用の
ソレノイドである。また、SOL2が故障した場合、S
OL4はFR−RL系に供給されたブレーキ圧をRV1
へと逃がして減圧する減圧用のソレノイドである。
【0023】(FL−RR系)圧力供給源となるアキュ
ムレータ(ACC2)からFL−RR系には圧力を一定
圧まで低下させる調圧弁AV2およびSOL5を介して
ブレーキ圧が供給されるようになっており、ACC2と
調圧弁AV2の間にはオリフィスOF4が設けられ、調
圧弁AV2とSOL5との間にはオリフィスOF5およ
びSOL5側へ異物の通過を防止するフィルタFL2が
介在されている。
【0024】また、通常のブレーキ制御においてFL−
RR系の車輪に供給されたブレーキ液の減圧(リザーバ
RV2への排出)はSOL6を介して行われ、SOL6
をオンすることによりオリフィスOF6を介してブレー
キ液をリザーバRV2へと逃がし、車輪のW/Cにかか
るブレーキ圧力を低下させることができる。
【0025】リザーバ2に溜まったブレーキ液はポンプ
モータPM2の駆動により汲み上げられ、アキュムレー
タACC2に高圧の状態で蓄圧されるようになってい
る。この場合、リザーバRV2とポンプPP2との間に
はブレーキ液がRV2からポンプ側のみにながれるよう
チェックバルブCV22および配管内で異物の流れを阻
止するフィルタFL22が介在して設けられている。ま
た、ポンプPP2とACC2の間にはACC2側のみに
ブレーキ液が流れるチェックバルブCV2が設けられて
おり、更に、ACC2の圧力が一定圧以上の高圧になっ
た場合に、リザーバRV2へと逃がすリリーフ弁RR2
がACC2とリザーバRV2との間に設けられている。
【0026】更に、通常ブレーキ制御で増圧を行うSO
L5をアシストまたはフェールセーフ的に作動し、増圧
代替弁または緊急増圧弁となるSOL7が設けられ、通
常ブレーキ制御で減圧を行うSOL6をアシストまたは
フェールセーフ的に作動し、減圧代替弁または緊急減圧
弁となるSOL8が設けられており、例えば、SOL5
が故障した場合、SOL7はACC2の圧力をオリフィ
スOF4およびSOL7側へ異物の通過を防止するフィ
ルタFL22を介してFL−RR系に供給する増圧用の
ソレノイドである。また、SOL6が故障した場合、S
OL8はFL−RR系に供給されたブレーキ圧をRV2
へと逃がして減圧する減圧用のソレノイドであり、油圧
系は対角輪がそれぞれ独立したブレーキ制御が行える。
つまり、この構成では油圧系のフェールセーフを考慮し
て増圧および減圧側のソレノイドがメイン油圧系(フェ
ールが発生していない状態の基で、通常のブレーキ制御
を行う油圧系)に対して、サブ油圧系(フェールまたは
緊急時の油圧系)をもつ2重系となっており、SOL
1,2が正常時、FR−RL系においてブレーキ圧力を
増加させる(増圧制御を行う)場合には、蓄圧されたA
CC1の圧力を供給源としてSOL1をオンすることに
よりブレーキ圧力の増圧を行う。ブレーキ圧力を減圧さ
せる(減圧制御を行う)場合には、SOL1をオフ、S
OL2をオンすることによってブレーキ液をRV1へと
逃がしてホイールシリンダW/Cにかかる圧力を減圧さ
せる。
【0027】また、SOL5,6が正常時、通常のブレ
ーキ制御においてFL−RR系においてブレーキ圧力を
増加させる(増圧制御を行う)場合には、蓄圧されたA
CC2の圧力を供給源として、SOL5をオンすること
によりブレーキ圧力の増圧を行い、ブレーキ圧力を減圧
させる(減圧制御を行う)場合には、SOL5をオフし
てSOL6をオンすることによってブレーキ液をRV2
へと逃がして減圧させる。更に、これらの増圧および減
圧を行うSOL1〜8を共にオフすることにより保持制
御が可能である。
【0028】尚、この場合、例えば、ACC1,ACC
2のアキュムレータ圧を150Kgf/cmとしたと
き、調圧弁AV1,AV2により30〜40Kgf/c
に減圧されないため、調圧弁AV1,AV2を通ら
ないサブ油圧系の方が調圧弁AV1,AV2を通るメイ
ン油圧系に比べ、高圧が供給されるようになっている。
ここでは、2重系をもつ2つの油圧系統において、X配
管を採用しているが、前後配管を採用することも可能で
ある。
【0029】次に、図2を参照してブレーキ制御装置1
00のコントローラ3との接続関係について説明する。
自動ブレーキ制御を司るコントローラ3には車両のバッ
テリーBTからイグニッションスイッチIG SWを介
して電源が供給されるようになっており、IG SWを
オンすることによりコントローラ3に電源が供給され
る。
【0030】また、コントローラ3には車両速度を検出
する車速センサ4からの情報が入力されている。この車
速情報は車両の速度がわかれば良く、その信号は変速機
のギヤの回転から回転信号をとってきても、走行時に回
転する車輪速度センサから信号をとってきても良い。更
に、コントローラ3にはFR−RL系およびFL―RR
系のホイールシリンダにかかる油圧を検出する圧力セン
サ(ホイールシリンダ圧センサ)P1,P2、車両走行
時の車両にかかる加減速度を検出するGセンサ7、ブレ
ーキ液を貯蔵するリザーバRV1,RV2の液量を検出
するオイルレベルセンサLVL1,LVL2、及び、レ
ーザーや超音波等を用いて先行車の状態あるいは障害物
等を検出し、予め定められた走行路面において停止すべ
く停止位置の情報を基にして算出された目標減速度情報
および緊急ブレーキ要求が車両制御コンピュータCPT
から入力されている。
【0031】尚、このブレーキ制御装置100は、予め
定められた周回路において、数台の車両を走らせ、自車
の前にいる先行車をレーザーまたは超音波といった検知
センサ等により検知しながら、先行車との車間距離を一
定に保ったり、先行車と所定距離だけ離れて走行した
り、あついは、障害物に衝突しないように走行を行うも
のであり、ここでは特定の走行パターンで周回路の自動
走行を行うものについて適用しているが、これに限定さ
れないものとする。
【0032】コントローラ3は、これら入力された情報
(信号)を基に、FR−RL系のソレノイドSOL1〜
4,ポンプモータPM1を作動させると共に、FL−R
R系のソレノイドSOL5〜8,ポンプモータPM2を
作動させ、ソレノイドSOL1〜8の信号状態を常時監
視(電圧モニタ)しており、これらの油圧系に異常が生
じた場合に発生した異常を乗員に知らせるため、ブザー
BZ、ウォーニングランプWL等によって運転者または
乗員に対して報知がなされる。また、車両の停止を行う
場合には停止保持情報(停止保持フラグ)が車両制御コ
ンピュータCPTから送られてくるようになっている。
【0033】次に、図3を参照してコントローラ3の処
理について説明する。コントローラ3はIG ONによ
り電源が供給されると、図3に示すフローチャートを実
行する。先ず、ステップS11ではイニシャル処理が行
われる。ここでは、コントローラ内のROMおよびRA
Mのチェックがなされ、処理に必要なメモリに初期値が
設定され、その後、コントローラ3が正常に動くがどう
かのチェックがなされる。ステップS12ではコントロ
ーラ3に入力される信号の入力処理がなされ、車速セン
サ4、W/C圧センサP1,P2、加減速度(G)セン
サ7、オイルレベルセンサLVL1,2からの信号が入
力され、必要なメモリに記憶される。ステップS13で
は車速センサ4からの車速信号(車速パルス)を基に、
車速演算処理により自車の車速が求められた後、ステッ
プS14において車両制御コンピュータCPTから送ら
れてくる目標減速度、緊急ブレーキ要求等が入力され
る。尚、この目標減速度は、予め決められた走行路面で
の停止位置および自車の車速に基づき、車両制御コンピ
ュータCPTから情報を得ているが、これに限定され
ず、車速センサ4、Gセンサ7、W/C圧センサP1,
P2等からの情報を基に、コントローラ内部で目標減速
度を求めても良い。また、緊急ブレーキ要求は、先行車
が急に停止した場合や、前方に先行車または障害物が急
に割込んできた場合,走行中に突然ドアを開けたりした
場合等に周囲の状況をインフラあるいはセンサ等により
検知して、車両制御コンピュータCPTから内部演算に
より出力されるものであり、ここでは詳細の説明を省略
する。
【0034】次に、ステップS15では図4に示すフェ
ール判定を行う。このフェール判定は、このフェール判
定は最初にFR−RL系の処理を行った後、FL−RR
系の処理を繰り返し2回行うものであり、ここでは1回
目の処理について説明を行う。ステップS101におい
て、現在のホイールシリンダW/Cにかかっているブレ
ーキ圧力をW/C圧センサP1,P2により検出を行
う。この場合、FR−RL系の演算時には圧力センサP
1の値、FL−RR系の演算時には圧力センサP2の値
をW/Cの圧力を記憶するPRSに記憶させる。その
後、ステップS102において、自動ブレーキ制御中フ
ラグがオンであるかがチェックされる。ここで、自動ブ
レーキ制御中でない場合には、ステップS115に移
り、W/C現在圧メモリを更新してこの処理を終了す
る。
【0035】一方、ステップS102において自動ブレ
ーキ制御中である場合には、次に、増圧制御を行ってい
る最中である(増圧制御中である)かが判定される。こ
こで、増圧制御中である場合にはステップS104を行
うが、そうでない場合にはステップS107に移る。
【0036】ステップS103において増圧制御を行っ
ている場合、ステップS104において増圧勾配演算を
行う。増圧勾配GAIN−Aは今回の油圧値(現在の油
圧値)PRSと前回の油圧値PRSOとの偏差をとり、
その偏差を演算周期ΔTで割算したものから算出する。
次のステップS105では演算により求めた増圧勾配G
AIN−Aと予めメモリに記憶された設定値1と比較を
行う。この設定値1は正常な状態でアキュムレータAC
C1,ACC2から増圧を行った場合の増圧勾配を予め
求め、それに0.9程度の安全率をかけて求めることが
できる。ステップS105において増圧勾配GAIN−
Aが設定値1より大きい場合には増圧時にW/Cに対し
て供給するブレーキ圧力が上昇しすぎているとみなし
て、ステップS106において通常ブレーキ制御におい
て増圧行うSOL1またはSOL5(SOL1/5の形
式で以下に示す)が閉状態となりホイールシリンダW/
Cにブレーキ圧力がかかりすぎているため、通常SOL
増圧異常1フラグをオン(セット)した後ステップS1
15に移るが、増圧勾配GAIN−Aが設定値1以下の
場合にはステップS113を行う。ステップS113で
はGAIN−Aと設定値2とを比較する。ここで、設定
値2は設定値1より小さく、零より多少大きい値に設定
し、この設定値2よりGAIN−Aが小さい場合には、
ステップS114において通常ブレーキ制御において増
圧を行う(SOL1/5)が閉状態となり、ブレーキ圧
力を供給するアキュムレータとの連通が不可であるとみ
なし、通常SOL増圧異常2フラグをオン(セット)し
た後、ステップS115に移る。しかし、GAIN−A
が設定値2以上の場合には、メイン油圧系が正常な状態
で増圧しているものとみなし、異常フラグの設定は行わ
ない。
【0037】一方、ステップS103において増圧制御
中でない場合、今度はステップS107において減圧制
御中であるかが判定される。ここで、減圧制御中でない
場合にはステップS115に移るが、減圧制御中である
場合には、ステップS108において減圧勾配演算を行
う。減圧勾配GAIN−Rは前回の油圧値PRSOと今
回の油圧値(現在の油圧値)PRSとの偏差をとり、そ
の偏差を演算周期ΔTで割算したものから算出する。そ
の後、ステップS109では演算により求めた減圧勾配
GAIN−Rを予めメモリに記憶された設定値3と比較
する。この設定値3は正常な状態でSOL2,6をオン
して減圧を行った場合の減圧勾配を予め求め、それに
0.9程度の安全率をかけて求めることができる。ステ
ップS109において減圧勾配GAIN−Rが設定値3
より大きい場合には、減圧しすぎているものとして、ス
テップS110において通常ブレーキ制御において減圧
行うSOL(SOL2/SOL6)が閉状態となって、
ブレーキ圧力を抜きすぎているものとみなし、通常SO
L減圧異常1フラグをオン(セット)する。しかし、減
圧勾配GAIN−Rが設定値3以下の場合には、次にス
テップS111においてGAIN−Rと設定値4とを比
較する。ここで、設定値4は設定値3より小さく零より
多少大きい値に設定し、この設定値4より小さい場合に
はステップS112において通常ブレーキ制御において
減圧を行う(SOL2/6)が閉状態となり、リザーバ
との連通が不可であるとみなし、通常SOL減圧異常2
フラグをオン(セット)するが、設定値4以上の場合に
は油圧系が正常な状態で減圧しているものとみなして異
常フラグの設定は行わず、ステップS115においてW
/C現在圧メモリの新旧の更新を行う。
【0038】フェール判定が終了すると、その後、メイ
ンルーチンに戻り、ステップS16においてフェール判
定で異常があった場合にセットされた異常フラグの状態
に基づき、ブレーキ圧力を供給する油圧系に異常が発生
しているかが判定される。ここで、油圧系に異常がある
場合にはステップS18においてバックアップ制御を行
う。ここでのバックアップ制御は概略を説明すると、F
R−RL系が増圧異常である場合にはSOL1に代わっ
て増圧を代替するSOL3をオンすることにより増圧を
行い、減圧異常である場合にはSOL2に代わって減圧
を代替するSOL4をオンする。また、FL−RR系が
増圧異常である場合にはSOL5に代わって増圧を代替
するSOL7をオンすることにより増圧を行い、減圧異
常である場合にはSOL6に代わって減圧を代替するS
OL8をオンするものであり、このような対角輪制御が
行える2重系の油圧構成を使って、車両制御コンピュー
タCPTから送られてくる目標減速度になるようにW/
Cに対して最適なブレーキ力を確保するものである。こ
のとき、異常が発生した場合にはバックアップ制御の中
でウォニングランプ出力を行ったり、ブザーBZ等を鳴
らして運転者または乗員に装置の異常を報知し、故障が
発生したことを知らせることができる。
【0039】一方、ステップS16において異常がない
場合には、ステップS17で図5に示す自動ブレーキ制
御を行う。この自動ブレーキ制御では、ステップS20
1において最初に車両制御コンピュータCPTから送ら
れてくる停止保持フラグの状態がチェックされる。停止
保持フラグがオンの状態(車両の停止を保持する場合)
では、ステップS207において停止保持制御を行う。
ここでの停止保持制御は、増圧側と減圧側のSOL(正
常なSOL1〜8)をオフしてホイールシリンダW/C
にかかる圧力を保持した後、ステップS208ではブレ
ーキ制御を主に行うメイン油圧系の代替あるいは緊急制
動時に主として使用するサブ油圧系のフェール判定を行
った後、この処理を終了する。尚、このサブ油圧系のフ
ェール判定については、後述する。
【0040】しかし、ステップS201において停止保
持フラグがオフの状態(停止保持要求が出ていない状
態)では、ステップS202において車両制御コンピュ
ータCPTから送られてくる目標現速度Gtが零(自動
ブレーキ制御の要求無)でないかが判定される。目標減
速度Gtが零でない場合にはステップS203以降の処
理を実行するが、目標減速度Gtが零である場合にはス
テップS209に移る。
【0041】ステップS203では車両制御コンピュー
タCPTから減速度要求が出されていることから、自動
ブレーキ制御を開始するため、自動ブレーキ制御中フラ
グをオンした後、ステップS204で現在の減速度Gc
をGセンサ7から入力し、取り込む。その後、ステップ
S205において目標減速度Gtと現在の減速度Gcと
の偏差を所定減速度ΔG1(例えば、0.03G)と比
較し、ΔG1よりその偏差が大きい場合には、ステップ
S206においてSOL1,SOL5といった増圧SO
Lを作動させ、対角輪(FR−RL系およびFL−RR
系)で独立に増圧制御を行う。
【0042】しかし、偏差(Gt−Gc)が所定減速度
ΔG1以下の場合には、ステップS213において今度
はGt−Gcを求め、その偏差を−G1と比較する。こ
こで、Gt−Gcの値が−ΔG1より小さい場合にはス
テップS214において、SOL2,SOL6といった
減圧SOLを作動させ、対角輪(FR−RL系およびF
L−RR系)で独立に減圧制御を行うが、Gt−Gcの
値が−ΔG1以上である場合には、ステップS215に
おいてブレーキ圧力の保持を行うために、保持増圧側の
SOL1,SOL5および減圧側のSOL2,SOL6
を作動させず、対角輪(FR−RL系およびFL−RR
系)で独立に保持制御を行う。
【0043】一方、ステップS202において車両制御
コンピュータCPTから送られてくる目標減速度が零で
ある場合にはステップS209において、自動ブレーキ
制御を終了するため、自動ブレーキ制御中フラグをオフ
(クリア)する。その後、再度、W/C圧を検出し、ス
テップS210においてFR−RL系の圧力をP12に
記憶し、FL−RR系の圧力をP22に記憶する。ステ
ップS211においてその記憶された圧力P12,P2
2が零であるかが判定され、P12,P22の圧力が零
の場合(ホイールシリンダW/Cに圧力がかかっていな
い状態のとき)はホイールシリンダW/Cに圧力が全て
リザーバRV1,2へと開放されたことから、更なる圧
力開放は行わず、この処理を終了する。しかし、P1
2,P22の圧力が零でなく、ホイールシリンダW/C
に圧力がかかっている場合には圧力が残っている系の減
圧SOLを作動させて、ホイールシリンダW/Cにかか
る圧力をリザーバRV1,RV2へと逃がし、自動ブレ
ーキを解除する。このように、自動ブレーキ制御終了時
にホイールシリンダW/Cに残っている圧力を完全に開
放することにより、ブレーキ制御開始時のブレーキの引
きずりが防止される。
【0044】次に、図5のステップS208に示される
サブ油圧系のフェール判定について、図6および図7を
参照して説明する。ステップS301では車両が停止状
態(車速が零)であるかが、まず判定される。ここで、
車速が零でない(車両が動いている)場合には、ステッ
プS333においてサブ油圧系のフェール判定終了フラ
グをオフした後、この処理を終了する。
【0045】車両が停止している(車速が零である)場
合には、ステップS302において今度はサブ油圧系フ
ェール判定が終了したかを示すサブ油圧系フェール判定
終了フラグの状態がチェックされる。ここで、そのフラ
グがオン(セット)されている場合にはこの処理を終了
するが、サブ油圧系フェール判定終了フラグがオフ(ク
リア)の状態では、ステップS303においてFR−R
L系のホイールシリンダW/Cの圧力をP10に記憶
し、FL−RR系の圧力をP20に記憶する。
【0046】その後、ステップS304においてサブ油
圧系の増圧側のSOL3/7をブレーキ制御に影響を与
えない範疇(発進時にブレーキのひきずりのない状態)
において所定時間(例えば、300msec)の間オン
にして、ホイールシリンダW/Cにかかるブレーキ圧を
擬似的に増圧させることにより、車両停止毎に通常のブ
レーキ制御では使用しない緊急弁のチェックを行う。そ
して、増圧させた後のW/C圧を再び検出し、増圧後の
FR−RL系の圧力をP11に記憶し、FL−RR系の
圧力をP21に記憶する。
【0047】(緊急SOLの増圧異常判定)ステップS
306において、FR−RL系において増圧前と増圧後
の圧力変化P11−P10を所定値Pj1(例えば、S
OL3をオンしても通常の演算周期では増圧しきれない
圧力:10kgf/cm)と比較し、P11−P10
がPj1より大きければ、SOL3の作動による増圧に
おける圧力変化が大きく、増圧しっぱなしであるものと
みなし、ステップS308において緊急SOL増圧異常
1フラグをオンするが、増圧による圧力変化がPj1以
下の場合には、圧力変化が正常であるものと見なし、ス
テップS307において緊急SOL増圧異常1フラグを
オフする。
【0048】同様にして、ステップS309において、
FR−RL系において増圧前と増圧後の圧力変化P11
−P10を今度は所定値Pj2(例えば、SOL3をオ
ンしない状態での圧力:1kgf/cm)と比較し、
P11−P10がPj2より小さければ、SOL3の作
動による増圧における圧力変化が小さいものとみなし、
ステップS311において緊急SOL増圧異常2フラグ
をオンするが、増圧による圧力変化がPj2以上の場合
には、圧力変化が正常であるものと見なし、ステップS
310において緊急SOL増圧異常2フラグをオフす
る。
【0049】また、FL−RR系においてもFR−RL
系の処理と同様に行い、増圧前と増圧後の圧力変化P2
1−P20を所定値Pj1(例えば、10kgf/cm
)と比較し、P21−P20がPj1より大きけれ
ば、SOL7の作動に伴う増圧における圧力変化が大き
く、増圧しっぱなしであるものとみなし、ステップS3
14において緊急SOL増圧異常1フラグをオンする。
しかし、増圧おける圧力変化がPj1以下の場合には、
圧力変化が正常であるものと見なし、緊急SOL増圧異
常1フラグをオフする。
【0050】また、増圧前と増圧後の圧力変化P21−
P20を所定値Pj2(例えば、1kgf/cm)と
比較し、P21−P20がPj2より小さければ、SO
L7の作動に伴う増圧における圧力変化が小さく増圧で
きないものとみなし、ステップS317において緊急S
OL増圧異常2フラグをオンする。しかし、増圧おける
圧力変化がPj2以上の場合には、圧力変化が正常であ
るものと見なし、緊急SOL増圧異常2フラグをオフす
る。
【0051】その後、ステップS318においてSOL
3あるいはSOL7がフェールしたときにオンされる緊
急SOL増圧異常1,2フラグがオンされているかが判
定され、ここで、いずれかのフラグがオンされている
(異常がある)場合にはこの処理を終了するが、SOL
3/7に異常がない場合には、ステップS319以降で
SOL4/8の減圧異常判定が行われる。
【0052】ここでは、減圧側の緊急時に使用するSO
L4,SOL8をブレーキ制御に影響を与えない範疇に
おいて所定時間(例えば、200msec)の間オンに
して、ホイールシリンダW/Cにかかるブレーキ圧を擬
似的に減圧させる。そして、減圧させた後のW/C圧を
再び検出し、増圧の異常判定と同様にして、減圧後のF
R−RL系の圧力をP12に記憶し、FL−RR系の圧
力をP22に記憶する。
【0053】(緊急減圧SOLの減圧異常判定)ステッ
プS321において、FR−RL系において減圧前と減
圧後の圧力変化P11−P12を所定値Pj3(例え
ば、SOL4をオンしても通常の演算周期では減圧しき
れない圧力:1kgf/cm)と比較し、P11−P
12がPj3より大きければ、SOL4の作動による減
圧における圧力変化が減圧しっぱなしであるものとみな
し、ステップS323において緊急SOL減圧異常1フ
ラグをオンするが、減圧による圧力変化がPj3以下の
場合には、圧力変化が正常であるものと見なし、ステッ
プS322において緊急SOL減圧異常1フラグをオフ
する。
【0054】同様にして、ステップS324において、
FR−RL系において減圧前と減圧後の圧力変化P11
−P12を所定値Pj4(例えば、SOL4をオンしな
い状態での圧力:5kgf/cm)と比較し、P11
−P12がPj4より小さければ、SOL4の作動によ
る減圧における圧力変化が小さいものとみなし、ステッ
プS326において緊急SOL減圧異常2フラグをオン
するが、減圧による圧力変化がPj4以上の場合には、
圧力変化が正常であるものと見なし、ステップS325
において緊急SOL減圧異常2フラグをオフする。
【0055】また、FL−RR系においてもFR−RL
系の処理と同様にして、増圧前と増圧後の圧力変化P2
1−P22を減圧時の所定値Pj3(例えば、5kgf
/cm)と比較し、P21−P22がPj3より大き
ければ、SOL8の作動に伴う減圧における圧力変化が
大きく、減圧しっぱなしであるものとみなし、ステップ
S329において緊急SOL減圧異常1フラグをオンす
る。しかし、減圧おける圧力変化がPj3以下の場合に
は、圧力変化が正常であるものと見なし、緊急SOL減
圧異常1フラグをオフする。
【0056】また、増圧前と増圧後の圧力変化P21−
P22を減圧時の所定値Pj4(例えば、1kgf/c
)と比較し、P21−P22がPj4より小さけれ
ば、SOL8の作動に伴う減圧における圧力変化が小さ
く減圧できないものとみなし、ステップS332におい
て緊急SOL減圧異常2フラグをオンする。しかし、減
圧おける圧力変化がPj4以上の場合には、圧力変化が
正常であるものと見なし、緊急SOL減圧異常2フラグ
をオフし、この処理を終了する。従って、以上のような
判定により、増圧時のSOL3/7および減圧時のSO
L4/8の閉状態でのフェールまたは開状態でのフェー
ルがわかる。
【0057】次に、油圧系に異常がある場合に行う図3
のバックアップ制御について、図8を参照して説明す
る。このバックアップ制御では、ステップS401にお
いてSOL3またはSOL7(SOL3/7)の増圧異
常1フラグがセットされているかがチェックされる。こ
こで、緊急SOL増圧異常1フラグがセットされている
場合(緊急時ブレーキ制御において増圧を行うSOL3
がオンして開状態となり、ACC1とホイールシリンダ
W/Cとが連通しっぱなしの状態、または、SOL7が
開状態となり、ACC2とホイールシリンダW/Cとが
連通しっぱなしの状態)には、ステップS402におい
てはバックアップ制御1を行い、この処理を終了する
が、緊急SOL増圧異常1フラグがセットされていない
場合にはステップS403に移る。
【0058】ステップS403では緊急時に増圧を行う
増圧SOL(SOL3/7)の増圧異常2フラグがセッ
トされているかがチェックされる。ここで、緊急SOL
増圧異常2フラグがセットされている場合(SOL3が
閉状態となり、ACC1とホイールシリンダW/Cとが
遮断状態、または、緊急増圧SOL7が閉状態となり、
ACC2とホイールシリンダW/Cとが遮断状態)には
ステップS404においてバックアップ制御2を行った
後、この処理を終了するが、そのフラグがセットされて
いない場合にはステップS405に移る。
【0059】ステップS405では緊急時に減圧を行う
減圧SOL(SOL4/8)の減圧異常1フラグがセッ
トされているかがチェックされる。ここで、緊急SOL
減圧異常1フラグがセットされている場合(緊急時にブ
レーキ制御において減圧を行うSOL4が開状態とな
り、ACC1とホイールシリンダW/Cとが連通しっぱ
なしの状態、または、SOL8が開状態となり、ACC
2とホイールシリンダW/Cとが連通しっぱなしの状
態)にはステップS406においてはバックアップ制御
3を行うが、そのフラグがセットされていない場合には
ステップS407に移る。
【0060】ステップS407では緊急時に減圧を行う
減圧SOL(SOL4/8)の減圧異常2フラグがセッ
トされているかがチェックされる。ここで、緊急SOL
減圧異常2フラグがセットされている場合(SOL4が
閉状態となり、ACC1とホイールシリンダW/Cとが
遮断状態、または、SOL8が閉状態となり、ACC2
とホイールシリンダW/Cとが遮断状態)にはステップ
S408においてバックアップ制御4を行うが、そのフ
ラグがセットされていない場合には、この処理を終了す
る。
【0061】そこで、前述したバックアップ制御1〜4
について、説明する。
【0062】(バックアップ制御1)バックアップ制御
1の処理は図9に示される。ここでは、ステップS50
1において急なブレーキ制御が必要とされるとき(先行
車が急に停止したり、走行中にドアが開けられたりして
緊急停止を必要とする場合)に車両制御コンピュータC
PTから送られてくる緊急ブレーキ要求があるか否かが
判定される。緊急ブレーキ要求がありの場合には、ステ
ップS502において正常系では緊急増圧SOL(SO
L3/7)をオンして正常系のみでブレーキを作動さ
せ、ここでは、異常系の緊急増圧SOLは既に閉状態と
なっているため、何もしない。
【0063】一方、緊急ブレーキ要求がない場合には、
ステップS503において異常系の減圧SOL(SOL
4/8)をオンして、突発ブレーキを防止する。その
後、ステップS504において乗員への報知を行うた
め、ランプ、ブザー出力を行い、ステップS505にお
いて緊急を要しない通常ブレーキ操作時には異常系は作
動させず、正常系のみの通常増圧SOL(SOL1/
5)をオンさせ、ブレーキ制御を行うことでブレーキ力
を確保する。
【0064】(バックアップ制御2)バックアップ制御
2は図10に示される。ここでは、ステップS601に
おいて車両制御コンピュータCPTから送られてくる緊
急ブレーキ要求があるかが判定され、その要求がない場
合にはこの処理はスルーするが、緊急ブレーキ要求があ
る場合には正常系では緊急増圧SOL(SOL3/7)
をオンして作動させ、異常系では通常増圧SOL(SO
L1/5)をオンさせることにより、異常系では通常増
圧SOLにより緊急増圧SOLの代替を図り、ブレーキ
力を確保する。
【0065】(バックアップ制御3)バックアップ制御
3は図11に示される。ここでは、ステップS701に
おいて緊急ブレーキ要求があるかが判定され、その要求
がない場合にはこの処理はスルーするが、緊急ブレーキ
要求がある場合には正常系では緊急増圧SOL(SOL
3/7)をオンして作動させ、異常系は緊急増圧SOL
(SOL3/7)作動させても増圧が得られないないこ
とにより、異常系は作動させず、正常系のみでブレーキ
力を確保する。
【0066】(バックアップ制御4)バックアップ制御
4は図12に示される。ここでは、ステップS801に
おいて緊急ブレーキ要求があるかが判定され、その要求
がない場合にはこの処理はスルーするが、緊急ブレーキ
要求がある場合には正常系および異常系では緊急増圧S
OL(SOL3/7)をオンして作動させ、ブレーキ力
を確保する。ここでは,SOL4/8がフェールしてい
る場合に緊急ブレーキ要求が来た場合には、緊急の増圧
を必要とすることから、緊急増圧SOLをオンさせて増
圧を行うことにより、ブレーキ力を確保している。
【0067】このように、緊急の場合には緊急増圧SO
L(SOL3/7)がフェールした場合であっても、通
常増圧SOL(SOL1/5)を作動させてブレーキ力
を確保することにより、信頼性および安全性が向上する
ものとなる。
【0068】
【効果】本発明によれば、緊急弁のフェールを常時検出
し、緊急ブレーキ要求時に緊急弁がフェールした場合に
は正常な弁によりブレーキ制御を行うようにしたことに
より、緊急弁がフェール状態でも正常な弁により代替で
ブレーキ制御が行え、確実にブレーキ装置にブレーキ力
が作用するものとする。
【0069】この場合、X配管を採用し、異常が発生し
ている系を異常系とし、異常が発生していない系を正常
系とした場合、一方の緊急増圧弁が開状態でフェールし
たとき、緊急ブレーキ要求時に正常系の緊急増圧弁のみ
を作動させれば、緊急増圧弁が開状態でフェールした場
合であっても、正常な1系統の緊急増圧弁により確実な
ブレーキ作動ができる。
【0070】また、一方の緊急増圧弁が閉状態でフェー
ルしたとき、緊急ブレーキ要求時に正常系では緊急増圧
弁を作動させ、異常系では通常増圧弁を作動させれば、
緊急増圧弁が閉状態でフェールした場合であっても、正
常系では緊急増圧弁により緊急時のブレーキを作動さ
せ、異常系では緊急増圧弁に代わって通常増圧弁により
ブレーキを確実に作動させることができる。
【0071】更に、一方の緊急減圧弁が開状態でフェー
ルしたとき、緊急ブレーキ要求時に正常系の緊急増圧弁
を作動させれば、緊急減圧弁が開状態でフェールした場
合であっても、異常系のブレーキ制御を中止し、正常系
のみを使用して正常系の緊急増圧弁を作動させることに
よりブレーキを確実に作動させることが可能となる。
【0072】更にその上、一方の緊急減圧弁が閉状態で
フェールしたとき、緊急ブレーキ要求時に正常系および
異常系では緊急増圧弁を作動させれば、異常系の緊急減
圧弁が閉状態でフェールした場合であっても緊急増圧弁
によりブレーキ力を確保でき、ブレーキを確実に作動さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態におけるブレーキ制御装
置の油圧構成図である。
【図2】 本発明の一実施形態におけるブレーキ制御装
置のコントローラの外部接続図である。
【図3】 図2に示すコントローラの処理を示すメイン
フローチャートである。
【図4】 図3に示すフェール判定のフローチャートで
ある。
【図5】 図3に示す自動ブレーキ制御のフローチャー
トである。
【図6】 図5に示すサブ油圧系フェール判定のフロー
チャートである。
【図7】 図6に示すサブ油圧系フェール判定のフロー
チャートのつづきである。
【図8】 図3に示すバックアップ制御のフローチャー
トである。
【図9】 図8に示すバックアップ制御1のフローチャ
ートである。
【図10】 図8に示すバックアップ制御2のフローチ
ャートである。
【図11】 図8に示すバックアップ制御3のフローチ
ャートである。
【図12】 図8に示すバックアップ制御4のフローチ
ャートである。
【符号の説明】
3 コントローラ 100 ブレーキ制御装置 ACC1,2 アキュムレータ(圧力供給源) W/C ホイールシリンダ(ブレーキ装置) SOL1,5 増圧ソレノイド(通常のブレーキ圧制御
における通常増圧弁) SOL2,6 減圧ソレノイド(通常のブレーキ圧制御
における通常減圧弁) SOL3,7 増圧ソレノイド(増圧側の緊急ブレーキ
圧制御弁) SOL4,8 減圧ソレノイド(減圧側の緊急ブレーキ
圧制御弁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D046 BB01 BB17 CC04 DD04 FF03 HH02 HH16 HH26 JJ16 LL23 LL36 LL43 MM03 MM16 3D049 BB05 CC02 HH20 HH47 HH48 KK17 PP02 QQ04 RR01 RR02 RR04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力供給源からブレーキ装置に供給され
    るブレーキ圧力をブレーキ圧制御弁により制御するブレ
    ーキ制御装置において、 緊急時の制動を主として行う緊急ブレーキ圧制御弁を前
    記ブレーキ圧制御弁に並列に設け、前記緊急ブレーキ圧
    制御弁のフェールを常時検出し、前記緊急ブレーキ要求
    があった時は前記緊急ブレーキ圧制御弁がフェールした
    状態にて前記ブレーキ圧制御弁によりブレーキ制御を行
    うことを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 X配管を採用し、異常が発生している系
    を異常系とし、異常が発生していない系を正常系とした
    場合、一方の緊急ブレーキ圧制御弁の増圧側が開状態で
    フェールしたとき、緊急ブレーキ要求時に正常系の前記
    緊急ブレーキ圧制御弁の増圧側のみを作動させる請求項
    1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 X配管を採用し、異常が発生している系
    を異常系とし、異常が発生していない系を正常系とした
    場合、一方の緊急ブレーキ圧制御弁の増圧側が閉状態で
    フェールしたとき、緊急ブレーキ要求時に正常系では前
    記緊急ブレーキ制御弁の増圧側を作動させ、異常系では
    前記ブレーキ圧制御弁の増圧側を作動させる請求項1に
    記載のブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 X配管を採用し、異常が発生している系
    を異常系とし、異常が発生していない系を正常系とした
    場合、一方の緊急ブレーキ圧制御弁の減圧側が閉状態で
    フェールしたとき、緊急ブレーキ要求時に正常系の緊急
    ブレーキ圧制御弁の増圧側を作動させる請求項1に記載
    のブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 X配管を採用し、異常が発生している系
    を異常系とし、異常が発生していない系を正常系とした
    場合、一方の緊急ブレーキ圧制御弁の減圧側が閉状態で
    フェールしたとき、緊急ブレーキ要求時に正常系および
    異常系では緊急ブレーキ圧制御弁の増圧側を作動させる
    請求項1に記載のブレーキ制御装置。
JP11022777A 1999-01-29 1999-01-29 ブレーキ制御装置 Pending JP2000219119A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11022777A JP2000219119A (ja) 1999-01-29 1999-01-29 ブレーキ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11022777A JP2000219119A (ja) 1999-01-29 1999-01-29 ブレーキ制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000219119A true JP2000219119A (ja) 2000-08-08

Family

ID=12092108

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11022777A Pending JP2000219119A (ja) 1999-01-29 1999-01-29 ブレーキ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000219119A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105015577A (zh) * 2015-08-03 2015-11-04 南车株洲电力机车有限公司 一种机车制动机电子紧急阀的控制方法、装置及系统

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105015577A (zh) * 2015-08-03 2015-11-04 南车株洲电力机车有限公司 一种机车制动机电子紧急阀的控制方法、装置及系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3941388B2 (ja) 車輌の制動制御装置
JP4390892B2 (ja) 自動車ブレーキ装置の制御方法および装置
JP3258316B2 (ja) 制動装置の圧液制御装置
JPH08230634A (ja) アンチロック制御/トラクション制御系の制御方法及び装置
JP5114575B2 (ja) 制動制御装置
JPH09328069A (ja) 車両用ブレーキ装置
JPH09240446A (ja) ブレーキ制御装置
JPS6374755A (ja) ブレ−キシステム
JP2681945B2 (ja) 液圧ブレーキ装置
US11407394B2 (en) Method and parking brake apparatus for an autonomously drivable vehicle
JPH11301463A (ja) 車輌の制動力制御装置の異常判定装置
JP2000219128A (ja) 自動ブレーキ制御装置
JP2000219119A (ja) ブレーキ制御装置
JP2001063553A (ja) 電子制御ブレーキ装置
JPH06312655A (ja) 自動ブレーキ装置の制御方法
JP2000219129A (ja) ブレーキ制御装置
JP2000219127A (ja) ブレーキ制御装置
JP2008239114A (ja) ブレーキの制御装置及び制御方法
JP4320480B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP3769969B2 (ja) 車輌の制動力制御装置の異常検出方法
JPH0680065A (ja) 自動ブレーキ装置の制御方法
JP4006791B2 (ja) 車両用ブレーキ装置
JPH11255110A (ja) 車両用流体圧発生装置及び車両用液圧ブレーキ装置
JPH06312654A (ja) 自動ブレーキ装置の制御方法
JP3183113B2 (ja) 車輌の制動力制御装置