JP2000216310A - ヒ―トシンクおよびその製造方法 - Google Patents
ヒ―トシンクおよびその製造方法Info
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- JP2000216310A JP2000216310A JP11014956A JP1495699A JP2000216310A JP 2000216310 A JP2000216310 A JP 2000216310A JP 11014956 A JP11014956 A JP 11014956A JP 1495699 A JP1495699 A JP 1495699A JP 2000216310 A JP2000216310 A JP 2000216310A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】低コスト、高性能かつ信頼性の高いヒートシン
クならびにその製造方法を提供すること。 【解決手段】純銅あるいは銅合金よりなる本体部11
と、この一部表面に融点以上の温度で溶接されたモリブ
デンを主とする金属よりなる載置層12とからなるヒー
トシンク1。本体部11の一部表面に、少なくとも表面
が融点以上の高温となったモリブデンを主賭する金属を
接触させ、本体部11の表面にて急冷させることにより
銅−モリブデンの合金層よりなる境界層をもつモリブデ
ンを主とする金属よりなる載置層12を形成したもの。
接合境界層は急冷により2相分離を起こし熱伝導性の高
い良好な接合境界層を形成する。
クならびにその製造方法を提供すること。 【解決手段】純銅あるいは銅合金よりなる本体部11
と、この一部表面に融点以上の温度で溶接されたモリブ
デンを主とする金属よりなる載置層12とからなるヒー
トシンク1。本体部11の一部表面に、少なくとも表面
が融点以上の高温となったモリブデンを主賭する金属を
接触させ、本体部11の表面にて急冷させることにより
銅−モリブデンの合金層よりなる境界層をもつモリブデ
ンを主とする金属よりなる載置層12を形成したもの。
接合境界層は急冷により2相分離を起こし熱伝導性の高
い良好な接合境界層を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放熱性を高めた半
導体素子等のヒートシンクおよびその製造方法に関す
る。
導体素子等のヒートシンクおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体素子に付設されるヒートシンク
は、放熱性が重要である。このために、放熱板となる高
熱伝導性の銅板あるいはアルミ板と、半導体素子との間
に高熱伝導性の絶縁層(窒化アルミニウムAlN、炭化
珪素SiCなど)を設け、さらに放熱板と絶縁層との間
に両者の熱膨張差を緩和するために、アルミニウム/炭
化珪素や銅/タングステンなどの複合材を挟んで、半田
付けや蝋付けした構造を有するもの、あるいは、絶縁層
の窒化アルミニウムと放熱板の銅とを直接接合した構造
などが知られている。
は、放熱性が重要である。このために、放熱板となる高
熱伝導性の銅板あるいはアルミ板と、半導体素子との間
に高熱伝導性の絶縁層(窒化アルミニウムAlN、炭化
珪素SiCなど)を設け、さらに放熱板と絶縁層との間
に両者の熱膨張差を緩和するために、アルミニウム/炭
化珪素や銅/タングステンなどの複合材を挟んで、半田
付けや蝋付けした構造を有するもの、あるいは、絶縁層
の窒化アルミニウムと放熱板の銅とを直接接合した構造
などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のヒートシン
クの問題点は、前者においては放熱板と半導体素子との
間に絶縁層、複合材とを介する複雑な構造となり、ヒー
トシンクとしての冷却機能不足と、極めて作製コストが
高いことである。また、後者の絶縁板と放熱板とを直接
接合する方法では、使用時の熱応力により絶縁板が剥離
しやすいなどヒートシンクとしての信頼性の点で問題が
ある。
クの問題点は、前者においては放熱板と半導体素子との
間に絶縁層、複合材とを介する複雑な構造となり、ヒー
トシンクとしての冷却機能不足と、極めて作製コストが
高いことである。また、後者の絶縁板と放熱板とを直接
接合する方法では、使用時の熱応力により絶縁板が剥離
しやすいなどヒートシンクとしての信頼性の点で問題が
ある。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、低コスト、高性能かつ信頼性の高いヒー
トシンクならびにその製造方法を提供することを課題と
するものである。
されたもので、低コスト、高性能かつ信頼性の高いヒー
トシンクならびにその製造方法を提供することを課題と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のヒートシンク
は、純銅あるいは銅合金よりなる本体部と、該本体部の
少なくとも一部表面に溶着されたモリブデンを主とする
金属よりなる載置層を有することを特徴とする。前記載
置層の上面に窒化アルミニウム層が接合されていること
が好ましい。
は、純銅あるいは銅合金よりなる本体部と、該本体部の
少なくとも一部表面に溶着されたモリブデンを主とする
金属よりなる載置層を有することを特徴とする。前記載
置層の上面に窒化アルミニウム層が接合されていること
が好ましい。
【0006】本発明のヒートシンクの製造方法は、純銅
あるいは銅合金よりなる本体部の少なくとも一部表面
に、少なくとも融点以上の高温となったモリブデンを主
とする金属を接触させ、該本体部の表面にて急冷させる
ことによりモリブデンを主とする金属よりなる載置層を
該本体部の表面に一体的に形成することを特徴とする。
前記本体部の表面に前記モリブデンを主とする金属粉末
を溶射により接触させることが好ましい。
あるいは銅合金よりなる本体部の少なくとも一部表面
に、少なくとも融点以上の高温となったモリブデンを主
とする金属を接触させ、該本体部の表面にて急冷させる
ことによりモリブデンを主とする金属よりなる載置層を
該本体部の表面に一体的に形成することを特徴とする。
前記本体部の表面に前記モリブデンを主とする金属粉末
を溶射により接触させることが好ましい。
【0007】前記本体部の表面に形成された前記モリブ
デンを主とする金属粉末層をレーザーあるいは電子ビー
ムで照射し、前記粉末層を融点以上に加熱して接触させ
ることが好ましい。
デンを主とする金属粉末層をレーザーあるいは電子ビー
ムで照射し、前記粉末層を融点以上に加熱して接触させ
ることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のヒートシンクは、熱伝導
性の高い本体部と、該本体部の少なくとも一部表面に接
着された載置層とを有する。この載置層に高熱伝導性の
絶縁層を介して半導体素子が接合される。本体部は、熱
伝導性の高いブロックあるいは板状の銅または銅合金で
形成される。載置層は、熱伝導性が高くその熱膨脹係数
が載置層上面に接合される半導体素子あるいは絶縁層の
熱膨脹係数に近い性質を有するモリブデンを主とする金
属層が高温で接合されて形成される。この載置層は、モ
リブデンを主とする金属の温度を少なくともその融点以
上にして本体部に接触させることで、銅あるいは銅合金
とモリブデンを主とする金属の接合界面近傍で良好な接
合境界層を形成して本体部と載置層が強固に接合され
る。モリブデンを主とする金属には、金属としてのモリ
ブデンの特性が維持される範囲内で他の元素が含有され
ているものも含む。
性の高い本体部と、該本体部の少なくとも一部表面に接
着された載置層とを有する。この載置層に高熱伝導性の
絶縁層を介して半導体素子が接合される。本体部は、熱
伝導性の高いブロックあるいは板状の銅または銅合金で
形成される。載置層は、熱伝導性が高くその熱膨脹係数
が載置層上面に接合される半導体素子あるいは絶縁層の
熱膨脹係数に近い性質を有するモリブデンを主とする金
属層が高温で接合されて形成される。この載置層は、モ
リブデンを主とする金属の温度を少なくともその融点以
上にして本体部に接触させることで、銅あるいは銅合金
とモリブデンを主とする金属の接合界面近傍で良好な接
合境界層を形成して本体部と載置層が強固に接合され
る。モリブデンを主とする金属には、金属としてのモリ
ブデンの特性が維持される範囲内で他の元素が含有され
ているものも含む。
【0009】この載置層は、従来合金化が困難であった
銅とモリブデンを、モリブデンを主とする金属を少なく
ともその融点以上に上昇させて銅表面と接触させること
で接合可能としたものである。モリブデンは本来、銅と
は相互固溶度を持たないことで知られており、これが銅
とモリブデンとの冶金的な接合を困難としている。しか
し、モリブデンの融点以上の高温になると、銅とモリブ
デンの間にはある程度の相互溶解度が発生する。この性
質を利用すれば、モリブデンと銅とを高温で反応させれ
ば両者の界面近傍で反応層を形成することが可能とな
り、この反応層が銅の潜熱により急冷されると強固な接
合境界部が形成される。すなわち、溶着時に形成された
界面近傍の反応層(相互溶解層)は、急冷却の過程で2
相分離を起こし、傾斜混合組織あるいは微細に入り組ん
だ凹凸界面を形成する。この傾斜混合組織あるいは微細
に入り組んだ凹凸界面により、局所的な熱膨張係数の断
層的な急激な変化を軽減することができる。これにより
銅とモリブデンの熱膨張係数の変化に基因する剥離が抑
制できる。
銅とモリブデンを、モリブデンを主とする金属を少なく
ともその融点以上に上昇させて銅表面と接触させること
で接合可能としたものである。モリブデンは本来、銅と
は相互固溶度を持たないことで知られており、これが銅
とモリブデンとの冶金的な接合を困難としている。しか
し、モリブデンの融点以上の高温になると、銅とモリブ
デンの間にはある程度の相互溶解度が発生する。この性
質を利用すれば、モリブデンと銅とを高温で反応させれ
ば両者の界面近傍で反応層を形成することが可能とな
り、この反応層が銅の潜熱により急冷されると強固な接
合境界部が形成される。すなわち、溶着時に形成された
界面近傍の反応層(相互溶解層)は、急冷却の過程で2
相分離を起こし、傾斜混合組織あるいは微細に入り組ん
だ凹凸界面を形成する。この傾斜混合組織あるいは微細
に入り組んだ凹凸界面により、局所的な熱膨張係数の断
層的な急激な変化を軽減することができる。これにより
銅とモリブデンの熱膨張係数の変化に基因する剥離が抑
制できる。
【0010】この載置層の上面には、載置層の熱膨脹係
数がほぼ同じである窒化アルミニウムあるいは炭化珪素
等の絶縁層を、半田付け等で接合するのが好ましい。こ
の絶縁層を構成する窒化アルミニウム層あるいは炭化珪
素層等と載置層と本体部とが一体的に構成されることで
半導体素子をより確実に固定できると共に優れた冷却特
性を持ち、さらに、耐熱疲労、耐熱衝撃性の優れたヒー
トシンクが形成できる。
数がほぼ同じである窒化アルミニウムあるいは炭化珪素
等の絶縁層を、半田付け等で接合するのが好ましい。こ
の絶縁層を構成する窒化アルミニウム層あるいは炭化珪
素層等と載置層と本体部とが一体的に構成されることで
半導体素子をより確実に固定できると共に優れた冷却特
性を持ち、さらに、耐熱疲労、耐熱衝撃性の優れたヒー
トシンクが形成できる。
【0011】本発明のヒートシンクの製造方法は、純銅
あるいは銅合金よりなる本体部の少なくとも一部表面
に、少なくとも融点以上の高温となったモリブデンを主
とする金属を接触させた後、該本体部の表面にて急冷さ
せる。この過程において本体部の界面近傍には銅−モリ
ブデンの合金層が、その合金層の上面にモリブデンを主
とする金属層が形成できる。
あるいは銅合金よりなる本体部の少なくとも一部表面
に、少なくとも融点以上の高温となったモリブデンを主
とする金属を接触させた後、該本体部の表面にて急冷さ
せる。この過程において本体部の界面近傍には銅−モリ
ブデンの合金層が、その合金層の上面にモリブデンを主
とする金属層が形成できる。
【0012】これにより、銅あるいは銅合金の本体部の
表面に一体的に銅−モリブデンの合金層を介してモリブ
デンを主とする金属よりなる載置層が形成できる。本発
明の製造方法において、本体部表面に少なくとも表面が
融点以上の高温となったモリブデンを主とする金属を接
触させる方法として、溶射、レーザー、電子ビームなど
の高エネルギーを持つ加熱手段を用いることができる。
これらの加熱手段で融点以上の高温にしたモリブデンを
主とする金属を、より好ましくは少なくとも銅と接触す
る表面部が溶融したモリブデンを主とする金属を銅の本
体部に接触させる。
表面に一体的に銅−モリブデンの合金層を介してモリブ
デンを主とする金属よりなる載置層が形成できる。本発
明の製造方法において、本体部表面に少なくとも表面が
融点以上の高温となったモリブデンを主とする金属を接
触させる方法として、溶射、レーザー、電子ビームなど
の高エネルギーを持つ加熱手段を用いることができる。
これらの加熱手段で融点以上の高温にしたモリブデンを
主とする金属を、より好ましくは少なくとも銅と接触す
る表面部が溶融したモリブデンを主とする金属を銅の本
体部に接触させる。
【0013】溶射による方法は、モリブデンを主とする
金属の粉末を溶射して本体部の表面に吹き付けるもので
ある。少なくとも表面部が融点以上に加熱された粒子が
本体部の表面に衝突し、本体部の表面にモリブデンを主
とする金属が溶接される。レーザ光あるいは電子線を使
用する方法は、予め、モリブデンを主とする金属の粉末
層を本体部の表面に形成し、この粉末層をレーザー光あ
るいは電子ビームを照射して粉末を瞬時的に融点以上に
加熱させるものである。
金属の粉末を溶射して本体部の表面に吹き付けるもので
ある。少なくとも表面部が融点以上に加熱された粒子が
本体部の表面に衝突し、本体部の表面にモリブデンを主
とする金属が溶接される。レーザ光あるいは電子線を使
用する方法は、予め、モリブデンを主とする金属の粉末
層を本体部の表面に形成し、この粉末層をレーザー光あ
るいは電子ビームを照射して粉末を瞬時的に融点以上に
加熱させるものである。
【0014】なお、本体部の表面は載置層の接合をより
容易とするために、表面の凹凸処理である各種ブラスト
処理、ウオ−タジェット処理やプラズマエッチング処
理、各種表面コート処理などの予備処理をしてもよい。
この載置層は、0.2-0.7mm程度の厚みとするのが望ま
しい。本発明の製造方法は、溶射とかレーザ光あるいは
電子ビームの照射という単純な手段で載置層が本体部上
に形成できるので、低コストで製造することができる。
容易とするために、表面の凹凸処理である各種ブラスト
処理、ウオ−タジェット処理やプラズマエッチング処
理、各種表面コート処理などの予備処理をしてもよい。
この載置層は、0.2-0.7mm程度の厚みとするのが望ま
しい。本発明の製造方法は、溶射とかレーザ光あるいは
電子ビームの照射という単純な手段で載置層が本体部上
に形成できるので、低コストで製造することができる。
【0015】
【作用】載置層を構成するモリブデンを主とする金属
は、銅とは通常合金を形成しないため、これらを直接接
合することは困難であった。しかし、モリブデンはその
温度を融点以上に上昇させると、銅との合金化が可能と
なる。本発明は、この性質を利用したものであり、高エ
ネルギーを用いて、モリブデンを主とする金属を瞬時に
液状化し、銅と反応させることにより強固に溶着させる
ことができる。これにより純銅あるいは銅合金よりなる
本体部とその少なくとも一部表面に溶接されたモリブデ
ンを主とする金属よりなる載置層とを有するヒートシン
クが得られる。なお、溶着時に生じた載置層の界面近傍
の反応層は、冷却中に2相分離を起こすため、微細混合
組織あるいは微細に入り組んだ凹凸界面が形成され、熱
伝導性を損なうことなく良好な接合境界層を形成する。
は、銅とは通常合金を形成しないため、これらを直接接
合することは困難であった。しかし、モリブデンはその
温度を融点以上に上昇させると、銅との合金化が可能と
なる。本発明は、この性質を利用したものであり、高エ
ネルギーを用いて、モリブデンを主とする金属を瞬時に
液状化し、銅と反応させることにより強固に溶着させる
ことができる。これにより純銅あるいは銅合金よりなる
本体部とその少なくとも一部表面に溶接されたモリブデ
ンを主とする金属よりなる載置層とを有するヒートシン
クが得られる。なお、溶着時に生じた載置層の界面近傍
の反応層は、冷却中に2相分離を起こすため、微細混合
組織あるいは微細に入り組んだ凹凸界面が形成され、熱
伝導性を損なうことなく良好な接合境界層を形成する。
【0016】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。本実
施例ヒートシンク1に窒化珪素絶縁板2およびシリコン
半導体素子3を半田付けした半導体部品の断面図を図1
に示す。このヒートシンク1は縦横50mm×80mm、厚さ9
mmの純銅よりなる本体部11と厚さ約0.5mmのモ
リブデンよりなる載置層12とから構成されている。
施例ヒートシンク1に窒化珪素絶縁板2およびシリコン
半導体素子3を半田付けした半導体部品の断面図を図1
に示す。このヒートシンク1は縦横50mm×80mm、厚さ9
mmの純銅よりなる本体部11と厚さ約0.5mmのモ
リブデンよりなる載置層12とから構成されている。
【0017】このヒートシンク1は、純銅本体部11の
上面に、-200メッシュの純モリブデン粒子(純度99.6
%)を、プラズマガンを用いて溶射し載置層12を形成
したものである。なお、溶射されたモリブデン粒子は銅
の表面に衝突すると直ちに銅自体の低温により急冷され
銅表面に固着された。これにより本発明のヒートシンク
を製造した。
上面に、-200メッシュの純モリブデン粒子(純度99.6
%)を、プラズマガンを用いて溶射し載置層12を形成
したものである。なお、溶射されたモリブデン粒子は銅
の表面に衝突すると直ちに銅自体の低温により急冷され
銅表面に固着された。これにより本発明のヒートシンク
を製造した。
【0018】なお、プラズマ中のモリブデン粒子の温度
を、二色温度計により測定した結果、約3500℃に到達し
ていた。十分にモリブデンの融点(2510℃)を越えてお
り、溶融状態であることが確認された。図2に、純銅本
体部11と載置層12の接合界面近傍の光学顕微鏡組織
(2000倍)を示す。溶射処理前の純銅本体部11の表面
は平滑であったにもかかわらず、溶射後の接合界面は1
ミクロン以下の微細な凹凸状を呈している。このこは、
純銅本体部11の表面が一部溶融してモリブデンと合金
化した後、冷却時に2相分離を生じたことを意味してい
る。
を、二色温度計により測定した結果、約3500℃に到達し
ていた。十分にモリブデンの融点(2510℃)を越えてお
り、溶融状態であることが確認された。図2に、純銅本
体部11と載置層12の接合界面近傍の光学顕微鏡組織
(2000倍)を示す。溶射処理前の純銅本体部11の表面
は平滑であったにもかかわらず、溶射後の接合界面は1
ミクロン以下の微細な凹凸状を呈している。このこは、
純銅本体部11の表面が一部溶融してモリブデンと合金
化した後、冷却時に2相分離を生じたことを意味してい
る。
【0019】この凸凹界面により本体部11と載置層1
2とが強固に溶接され、-50℃/300℃の繰り返し加熱冷
却試験を10000回繰り返した後も全く剥離は認められな
かった。図3は、銅本体部11の裏面とモリブデン載置
層12の表面にひずみゲ−ジを添付し、室温から200℃
までの熱膨張挙動を測定した結果であり、双方の熱膨張
挙動は、それぞれ、銅およびモリブデンにほぼ近い値を
示していることが分かる。このことは、厚さ約0.5mmの
モリブデン載置層を設置することで、熱膨張差に起因す
る熱応力がほぼ緩和されている事を意味する。
2とが強固に溶接され、-50℃/300℃の繰り返し加熱冷
却試験を10000回繰り返した後も全く剥離は認められな
かった。図3は、銅本体部11の裏面とモリブデン載置
層12の表面にひずみゲ−ジを添付し、室温から200℃
までの熱膨張挙動を測定した結果であり、双方の熱膨張
挙動は、それぞれ、銅およびモリブデンにほぼ近い値を
示していることが分かる。このことは、厚さ約0.5mmの
モリブデン載置層を設置することで、熱膨張差に起因す
る熱応力がほぼ緩和されている事を意味する。
【0020】このヒートシンク1のモリブデン載置層1
2の表面を平滑に研磨した後、厚さ約0.6mmの窒化
珪素板2をPb-37%Snよりなる半田で半田付けした。そし
てさらにこの窒化珪素絶縁板2の上にシリコン半導体素
子3をPb-37%Snよりなる半田で半田付けした。半田付け
作業には特に困難はなく容易に確実に半田付け作業がで
きた。また、半田付けされた半導体素子3も強固に半田
付けされた。
2の表面を平滑に研磨した後、厚さ約0.6mmの窒化
珪素板2をPb-37%Snよりなる半田で半田付けした。そし
てさらにこの窒化珪素絶縁板2の上にシリコン半導体素
子3をPb-37%Snよりなる半田で半田付けした。半田付け
作業には特に困難はなく容易に確実に半田付け作業がで
きた。また、半田付けされた半導体素子3も強固に半田
付けされた。
【0021】窒化珪素絶縁板2とシリコン半導体素子3
とは、本来その熱膨張係数がほぼ等しく、また、その値
はモリブデン載置層12の表面におけるそれともほぼ等
しいことから、原理的にこれらの接合界面には加熱冷却
時の熱膨張差に起因する熱応力はほとんど発生しない。
当然の結果として、ヒートシンク1について、-50℃/3
00℃の繰り返し加熱冷却試験を10000回繰り返した後も
剥離等の欠陥は一切発生しなかった。
とは、本来その熱膨張係数がほぼ等しく、また、その値
はモリブデン載置層12の表面におけるそれともほぼ等
しいことから、原理的にこれらの接合界面には加熱冷却
時の熱膨張差に起因する熱応力はほとんど発生しない。
当然の結果として、ヒートシンク1について、-50℃/3
00℃の繰り返し加熱冷却試験を10000回繰り返した後も
剥離等の欠陥は一切発生しなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明は熱伝導性に優れる銅または銅合
金の本体部上に、熱伝導性が高く、しかも熱膨張係数が
絶縁層に近い性質を有するモリブデンを主とする金属
を、高エネルギー手段により高温に加熱して液相状態で
銅との間に溶解度を示す性質を利用して直接溶着してい
る。従って、本発明のヒートシンクは極めて冷却効率が
高く、耐熱疲労、耐熱衝撃特性に優れ、しかも工程が少
なく安価に半導体素子等のデバイスを構築できる。
金の本体部上に、熱伝導性が高く、しかも熱膨張係数が
絶縁層に近い性質を有するモリブデンを主とする金属
を、高エネルギー手段により高温に加熱して液相状態で
銅との間に溶解度を示す性質を利用して直接溶着してい
る。従って、本発明のヒートシンクは極めて冷却効率が
高く、耐熱疲労、耐熱衝撃特性に優れ、しかも工程が少
なく安価に半導体素子等のデバイスを構築できる。
【図1】実施例のヒートシンクに窒化珪素板とシリコン
半導体素子とを半田付けした半導体部品の断面図を示
す。
半導体素子とを半田付けした半導体部品の断面図を示
す。
【図2】実施例のヒートシンクにおける銅本体部とモリ
ブデン載置層との接合界面を示す光学顕微鏡写真であ
る。
ブデン載置層との接合界面を示す光学顕微鏡写真であ
る。
【図3】実施例のヒートシンクにおける銅本体部裏面と
モリブデン載置層表面における熱膨張挙動を示す
モリブデン載置層表面における熱膨張挙動を示す
1…ヒートシンク 2…窒化珪素板 3…シリ
コン半導体素子 11…本体部 12…載置層
コン半導体素子 11…本体部 12…載置層
Claims (5)
- 【請求項1】 純銅あるいは銅合金よりなる本体部と、
該本体部の少なくとも一部表面にモリブデンを主とする
金属層を溶着させてなる載置層とを有することを特徴と
するヒートシンク。 - 【請求項2】 前記載置層の上面に窒化アルミニウム層
あるいは炭化珪素層が接合されている請求項1記載のヒ
ートシンク。 - 【請求項3】 純銅あるいは銅合金よりなる本体部の一
部表面に、溶融状態のモリブデンを主とする金属を接触
させ、該本体部の表面にて急冷させることによりモリブ
デンを主とする金属よりなる載置層を該本体部の表面に
一体的に形成することを特徴とするヒートシンクの製造
方法。 - 【請求項4】 前記本体部の表面に前記モリブデンを主
とする金属を溶射して接触させる請求項3記載のヒート
シンクの製造方法。 - 【請求項5】 前記本体部の表面にて、前記モリブデン
を主とする粉末層にレーザーあるいは電子ビームを照射
し、前記粉末層を瞬間的に融点以上に加熱して接触させ
る請求項3記載のヒートシンクの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01495699A JP3289890B2 (ja) | 1999-01-22 | 1999-01-22 | ヒートシンクおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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