JP2000216026A - チップ形インダクタアレイおよびその製造方法 - Google Patents

チップ形インダクタアレイおよびその製造方法

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JP2000216026A
JP2000216026A JP1676599A JP1676599A JP2000216026A JP 2000216026 A JP2000216026 A JP 2000216026A JP 1676599 A JP1676599 A JP 1676599A JP 1676599 A JP1676599 A JP 1676599A JP 2000216026 A JP2000216026 A JP 2000216026A
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JP
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green sheet
sheet molded
forming
inductor array
chip
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Application number
JP1676599A
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English (en)
Inventor
Kazuo Oishi
一夫 大石
Tatsuya Nakamori
達哉 中森
Tomoyuki Washisaki
智幸 鷲崎
Minoru Sobane
実 曽羽
Hidekazu Uryu
英一 瓜生
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 端子電極間の磁気的結合および静電的結合に
よるクロストークを低減させることができ、これによ
り、小形でかつ狭ピッチのチップ形インダクタアレイを
提供することを目的とする。 【解決手段】 少なくとも2素子以上の複数個の内部導
体を内蔵した絶縁基板21の相対向する面に少なくとも
1個以上の切り欠き部22を設け、この切り欠き部22
で分離された絶縁基板21の凸部に前記内部導体と電気
的に接続される端子電極23を形成し、かつこの端子電
極23の表面にめっき電極24,25を形成したもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器の小型
・軽薄短小化と不要輻射ノイズ対策等に使用されるチッ
プ形インダクタアレイおよびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器のデジタル化・軽薄
短小化の進展に伴い、不要輻射障害の問題が急増してお
り、それらの電磁放射ノイズの低減や外来ノイズを緩和
低減するイミュニティ対策の重要性が増している。前記
各種電子機器のI/Oケーブルのコネクタ周辺や、電子
機器内部のプリント基板間の接続ケーブルおよびコネク
タ周辺より放射されたり、流入する電磁ノイズに対し
て、複数個のインダクタンス素子を内蔵したチップ形イ
ンダクタアレイがその障害対策に有効であり、その小形
化や性能面での向上が望まれている。
【0003】以下、従来のチップ形インダクタアレイに
ついて、図面を参照しながら説明する。
【0004】図5(a)は従来のチップ形インダクタア
レイの外観を示す斜視図である。図5(a)において、
1は磁性体または誘電体等から成る直方体形状の絶縁基
板である。2は前記絶縁基板1の相対向する面に形成さ
れた複数個の端子電極であり、かつこの端子電極2の表
面には、Niめっき電極3およびはんだめっき電極4が
端子電極2の全面を覆うように形成されている。
【0005】図5(b)は従来のチップ形インダクタア
レイの内部等価回路図を示したもので、前記絶縁基板1
の内部に4個のインダクタンス素子5a,5b,5c,
5dが独立して形成され、そしてそれぞれのインダクタ
ンス素子5a,5b,5c,5dに対して絶縁基板1の
相対向する2面に出力端子6a,6b,6c,6dが導
出されている。
【0006】図5(c)は従来のチップ形インダクタア
レイの断面図を示したもので、磁性体または誘電体等か
ら成る直方体形状の絶縁基板1の内部に、前記インダク
タンス素子5a,5b,5c,5dを構成する渦巻き状
に形成されたコイルからなる複数個の内部導体7と、こ
れらの内部導体7の層間を接続するスルーホール導体8
が内蔵されている。また前記内部導体7は、絶縁基板1
の相対向する面に導出され、端子電極2と電気的かつ機
械的に接続されている。さらに端子電極2の表面にはN
iめっき電極3およびはんだめっき電極4が端子電極2
の全面を覆うように形成されている。
【0007】以上のように構成された従来のチップ形イ
ンダクタアレイについて、以下にその製造方法を説明す
る。
【0008】図6(a)〜(d)は従来のチップ形イン
ダクタアレイの製造方法を示す工程図である。図6
(a)において、9は磁性体グリーンシート成形体で、
この磁性体グリーンシート成形体9はNiZnCu系ソ
フトフェライト仮焼成粉とブチラール系有機バインダお
よび酢酸ブチル等の溶剤を混合し、かつ均一分散処理を
施したスラリー状混合物をドクターブレード法等のシー
ト成形機を用いて塗膜形成された20〜200μmの膜
厚を有するシート状絶縁体である。7は前記磁性体グリ
ーンシート成形体9を複数枚設けた中で所定の2枚に形
成されたコイルからなる内部導体で、この内部導体7は
Ag系またはAgPd系の厚膜導体ペーストをスクリー
ン印刷法等を用いて渦巻き状にパターン形成されている
ものである。そして、このような複数枚の磁性体グリー
ンシート成形体9を圧力が50〜200kg/cm2
温度が70〜110℃の積層プレス機により、仮接着し
た後、常温にて400〜1000kg/cm2の加圧を
行うことにより、チップ形インダクタアレイの素体が縦
横に配置されたグリーンシート積層体10を得る。
【0009】次に図6(b)に示すように、前記グリー
ンシート積層体10をそれぞれ縦方向、横方向に一定間
隔で切断ブレードにより切断し、図6(c)に示す個片
状の積層体11を得る。この個片状の積層体11には相
対向する面にコイルからなる内部導体7の引き出し導体
部7aがそれぞれのインダクタンス素子として確実に露
出するように位置規制されて切断処理が施されている。
【0010】前記図6(c)に示した個片状の積層体1
1は、850〜950℃の空気中で焼成することによ
り、スピネル化した磁性体と内蔵されたコイルからなる
内部導体7が同時焼結されて前述した4個のインダクタ
ンス素子5a,5b,5c,5dを内蔵する焼結体が得
られる。
【0011】次に図6(d)に示すように、コイルから
なる内部導体7の引き出し導体部7aに重なるように端
子電極2をストライプ状に塗布形成する。この端子電極
2は、Ag系またはAgPd系の厚膜導体ペーストをロ
ーラ上にストライプ状に分離塗布して形成された塗膜を
前記焼結された個片状の積層体11に転写することによ
り形成した後、580〜900℃の空気中で焼成するこ
とにより得られる。
【0012】次に端子電極2の表面に、電気バレルめっ
きによりNiめっき電極3およびはんだめっき電極4を
端子電極2の全面を覆うように形成する。
【0013】以上の工程を経て、従来のチップ形インダ
クタアレイは製造されていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このチップ形インダク
タアレイにおいては、電子機器の小型高密度化に伴い、
ますます小形・狭ピッチ化が求められており、端子電極
2は0.8mmピッチが現在主流となっている。しかし
ながら、前記チップ形インダクタアレイに接続されるI
Cやコネクタの端子間ピッチはさらに狭ピッチ化が進ん
でおり、0.5mmピッチあるいは0.3mmピッチに
対応できるチップ形インダクタアレイが求められてい
る。
【0015】前述したチップ形インダクタアレイの小形
・狭ピッチ化については、第1の問題点として、端子電
極2間の磁気的結合および静電的結合によるクロストー
クが問題となるため、0.5mm以下の狭ピッチ化は困
難であった。また、第2の製造上の問題点として、端子
電極2の塗膜形成工程における厚膜導体ペーストの塗布
にじみが発生し、その結果、個片状の積層体11におけ
る平面状の端面に高精度なストライプ状の端子電極2の
形成が困難である点が上げられる。また第3の問題点と
して、絶縁基板1として用いられる磁性体または誘電体
は、Niめっき電極3、はんだめっき電極4を形成する
際のめっきの伸びが発生し、下地である端子電極2の幅
寸法の増大が発生する。上記した第2、第3の製造上の
問題点により、例えば、0.3mmの電極幅、0.2m
mの電極間距離を安定的に確保することは量産技術上困
難となっていた。
【0016】本発明は上記従来のチップ形インダクタア
レイの問題点を解決するもので、端子電極間の磁気的結
合および静電的結合によるクロストークを低減させるこ
とができ、これにより、小形でかつ狭ピッチのチップ形
インダクタアレイを提供することを目的とするものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のチップ形インダクタアレイは、磁性体または
誘電体から成る直方体形状の絶縁基板と、この絶縁基板
の内部に内蔵される少なくとも2素子以上の複数個の内
部導体とを備え、前記絶縁基板の相対向する面に少なく
とも1個以上の切り欠き部を設け、この切り欠き部で分
離された絶縁基板の凸部に前記内部導体と電気的に接続
される端子電極を形成し、かつこの端子電極の表面にめ
っき電極を形成したもので、この構成によれば、端子電
極間の磁気的結合および静電的結合によるクロストーク
を低減させることができ、これにより、小形でかつ狭ピ
ッチのチップ形インダクタアレイが得られるものであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、磁性体または誘電体から成る直方体形状の絶縁基板
と、この絶縁基板の内部に内蔵される少なくとも2素子
以上の複数個の内部導体とを備え、前記絶縁基板の相対
向する面に少なくとも1個以上の切り欠き部を設け、こ
の切り欠き部で分離された絶縁基板の凸部に前記内部導
体と電気的に接続される端子電極を形成し、かつこの端
子電極の表面にめっき電極を形成したもので、この構成
によれば、絶縁基板の相対向する面に少なくとも1個以
上の切り欠き部を設け、この切り欠き部で分離された絶
縁基板の凸部に内部導体と電気的に接続される端子電極
を形成しているため、端子電極間の絶縁基板の構成材料
となる磁性体または誘電体が切り欠き部によって除去さ
れた構造となり、これにより、端子電極表面近傍の磁気
的結合および静電的結合を最小化することができるた
め、特に10MHz以上の高周波信号に対する隣接した
インダクタンス素子間のクロストークを低減させること
ができるという作用を有するものである。
【0019】請求項2に記載の発明は、磁性体グリーン
シート成形体または誘電体グリーンシート成形体の内部
に少なくとも2素子以上の複数個の内部導体を形成する
工程と、前記グリーンシート成形体の相対向する面に少
なくとも1個以上の切り欠き部を形成する工程と、前記
グリーンシート成形体を複数個の切り欠き部で個片に切
断分離する工程と、前記切断分離された個片状のグリー
ンシート成形体を焼成する工程と、前記切り欠き部で分
離されたグリーンシート成形体の複数個の凸部に前記内
部導体と電気的に接続される端子電極を形成する工程
と、前記端子電極の表面にめっき電極を形成する工程と
を有し、前記切り欠き部はグリーンシート成形体を焼成
する工程以前に形成するようにしたもので、この製造方
法によれば、グリーンシート成形体を焼成する工程以前
に、内部に少なくとも2素子以上の複数個の内部導体を
形成したグリーンシート成形体の相対向する面に複数個
の切り欠き部を形成するようにしているため、前記複数
個の切り欠き部で分離されたグリーンシート成形体の複
数個の凸部に端子電極を形成する際に導体ペーストの塗
布にじみが発生しても、余剰な導体ペーストは切り欠き
部に回り込むことになり、これにより、端子電極間の絶
縁距離を確保しやすくなるため、高精度の端子電極を形
成することができ、また端子電極の表面にめっき電極を
形成する工程においても、めっきの伸びが平面上に成長
することはなく、切り欠き部で吸収されるため、めっき
電極間の絶縁距離が確保されるものである。このよう
に、端子電極間が切り欠き部で分離されることにより、
各インダクタンス素子間のクロストークを低減させるこ
とができるとともに、端子電極およびめっき電極間の絶
縁距離のばらつきが小さくなり、その結果、磁気的結合
および静電的結合によるクロストークのばらつきも低減
されるものであり、また前記切り欠き部はグリーンシー
ト成形体を焼成する工程以前に形成されるため、機械的
加工が容易であり、かつクラックやチッピングが発生す
るということもないため、高速で、かつ信頼性の高い切
り欠き部の形成が実現できるという作用を有するもので
ある。
【0020】請求項3に記載の発明は、磁性体グリーン
シート成形体または誘電体グリーンシート成形体の内部
に少なくとも2素子以上の複数個の内部導体を形成する
工程と、前記グリーンシート成形体に打ち抜きプレス法
により複数個の角穴、丸穴、楕円穴のいずれかを形成す
る工程と、前記グリーンシート成形体を複数個の穴の形
成部で個片に切断分離する工程と、前記切断分離された
個片状のグリーンシート成形体を焼成する工程とを順次
経た後、前記穴の形成部で個片に切断分離することによ
り形成される切り欠き部で分離されたグリーンシート成
形体の複数個の凸部に前記内部導体と電気的に接続され
る端子電極を形成するようにしたもので、この製造方法
によれば、内部に少なくとも2素子以上の複数個の内部
導体を形成したグリーンシート成形体に打ち抜きプレス
法により複数個の角穴、丸穴、楕円穴のいずれかを形成
し、かつこの複数個の穴の形成部で個片に切断分離し、
その後、切断分離された個片状のグリーンシート成形体
を焼成するようにしているため、グリーンシート成形体
の焼成以前の柔軟な状態で穴加工および切断加工を施す
ことができ、これにより、クラックおよびチッピングの
無い信頼性の高い切り欠き部の形成が高い生産性で実現
できるという作用を有するものである。
【0021】請求項4に記載の発明は、磁性体グリーン
シート成形体または誘電体グリーンシート成形体の内部
に少なくとも2素子以上の複数個の内部導体を形成する
工程と、前記グリーンシート成形体を個片に切断分離す
る工程と、前記切断分離された個片状のグリーンシート
成形体の相対向する面に複数個の切り欠き部を形成する
工程と、前記切断分離された個片状のグリーンシート成
形体を焼成する工程とを順次経た後、前記複数個の切り
欠き部で分離された凸部に前記内部導体と電気的に接続
される端子電極を形成するようにしたもので、この製造
方法によれば、個片に切断分離された個片状のグリーン
シート成形体の相対向する面に、焼成以前の柔軟な状態
で複数個の切り欠き部を形成するようにしているため、
クラックおよびチッピングの無い信頼性の高い切り欠き
部の形成が高い生産性で実現できるという作用を有する
ものである。
【0022】請求項5に記載の発明は、請求項2または
4記載のチップ形インダクタアレイの製造方法におい
て、切り欠き部を加熱圧縮プレス法によって形成したも
のである。
【0023】請求項6に記載の発明は、請求項2または
4記載のチップ形インダクタアレイの製造方法におい
て、切り欠き部を打ち抜きプレス法で形成したものであ
る。
【0024】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照しながら説明する。
【0025】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1におけるチップ形インダクタアレイの外観を示す斜
視図である。図1において、21は磁性体から成る直方
体形状の絶縁基板である。22は前記絶縁基板21の相
対向する面に形成された複数個の切り欠き部で、この切
り欠き部22で分離された絶縁基板21の凸部には端子
電極23を形成し、かつこの端子電極23の表面には、
Niめっき電極24およびはんだめっき電極25が端子
電極23の全面を覆うように形成されている。
【0026】以上のように構成された本発明の実施の形
態1におけるチップ形インダクタアレイについて、以下
にその製造方法を説明する。
【0027】図2(a)〜(f)は本発明の実施の形態
1におけるチップ形インダクタアレイの製造方法を示す
工程図である。
【0028】図2(a)において、21aは磁性体グリ
ーンシート成形体で、この磁性体グリーンシート成形体
21aはNiZnCu系ソフトフェライト仮焼成粉とブ
チラール系有機バインダおよび酢酸ブチル等の溶剤とを
混合し、かつ均一分散処理を施したスラリー状混合物を
ドクターブレード法等のシート成形機を用いて塗膜形成
された20〜200μmの膜厚を有するシート状絶縁体
である。26は前記磁性体グリーンシート成形体21a
を複数枚設けた中で所定の2枚に形成されたコイルから
なる内部導体で、この内部導体26は、Ag系またはA
gPd系の厚膜導体ペーストをスクリーン印刷法等を用
いて渦巻き状にパターン形成されているものである。そ
して、このような複数枚の磁性体グリーンシート成形体
21aを圧力が50〜200kg/cm2、温度が70
〜110℃の積層プレス機により、仮接着した後、常温
にて400〜1000kg/cm2の加圧を行うことに
より、チップ形インダクタアレイの素体が縦横に配置さ
れたグリーンシート積層体27を得る。
【0029】次に図2(b)に示すように、前記グリー
ンシート積層体27に打ち抜きプレス法により複数個の
長方形の角穴28を形成する。この角穴28は図2
(a)に示す複数の内部導体26における引き出し導体
部26aの間に位置するように、あらかじめ座標を決定
して打ち抜き穴加工が施されている。
【0030】次に図2(c)に示すように、角穴28の
中心を切断するように、横方向に一定間隔で切断ブレー
ドにより切断溝29を形成した後、縦方向にも一定間隔
で切断ブレードにより切断溝29aを形成し、この切断
溝29,29aで切断することにより、図2(d)に示
す個片状の積層体30を得る。この個片状の積層体30
にはコイルからなる内部導体26の引き出し導体部26
aがそれぞれのインダクタンス素子として確実に露出す
るように位置規制されて切断処理がなされるとともに、
各引き出し導体部26aの間には角穴28を中心線より
分離して形成された切り欠き部22が配置されている。
【0031】前記図2(d)に示した個片状の積層体3
0は、850〜950℃の空気中で焼成することによ
り、スピネル化した磁性体と内蔵されたコイルからなる
内部導体26が同時焼結されて4個のインダクタンス素
子を内蔵する焼結体が得られる。
【0032】次に図2(e)に示すように、切り欠き部
22で分離された凸部に、端子電極23をコイルからな
る内部導体26の引き出し導体部26aに重ねるように
して塗布形成する。この端子電極23は、Ag系または
AgPd系厚膜導体ペーストをローラ上に全面塗布して
形成された塗膜23aを図2(f)に示すように前記焼
結された個片状の積層体30の凸部に転写することによ
り形成した後、580〜900℃の空気中で焼成するこ
とにより得られる。
【0033】次に端子電極23の表面に、電気バレルめ
っきによりNiめっき電極およびはんだめっき電極(い
ずれも図示せず)を端子電極23の全面を覆うように形
成する。
【0034】以上の工程を経て、本発明の実施の形態1
におけるチップ形インダクタアレイは製造される。
【0035】図3は本発明の実施の形態1におけるチッ
プ形インダクタアレイと従来のチップ形インダクタアレ
イのクロストーク特性を示す図である。図3において、
実線Aは従来のチップ形インダクタアレイにおいて、端
子間寸法を0.15mm(端子電極の幅寸法0.35m
m)とした場合、点線Bは同じく従来のチップ形インダ
クタアレイにおいて、端子間寸法を0.35mm(端子
電極の幅寸法0.15mm)とした場合、一点鎖線Cは
本発明の実施の形態1におけるチップ形インダクタアレ
イにおいて、端子間寸法を0.15mm(端子電極の幅
寸法0.35mm)とした場合のクロストーク特性を測
定した結果を示したものである。この測定は、100K
Hz〜2GHzの周波数で矩形波を掃引しながら、チッ
プ形インダクタアレイの内部の左端に位置するインダク
タンス素子に入力信号を印加し、隣接するインダクタン
ス素子への漏れ信号をネットワークアナライザで測定し
た。各インダクタンス素子は50Ωの特性インピーダン
スを有するマイクロストリップ構造のプリント配線板に
実装され、かつ終端には50Ωの抵抗を挿入した。
【0036】図3に示す通り、100MHz以下の信号
周波数においては、チップ形インダクタアレイの端子電
極構造の差異によるクロストーク特性の差はほとんど認
められなかったが、100MHz以上の高周波信号に対
しては、従来のチップ形インダクタアレイは、端子間寸
法が狭いほどクロストークが大きい結果となり、1GH
zにおいては−26dBであった。一方、本発明の実施
の形態1における切り欠き部を設けた構造のチップ形イ
ンダクタアレイでは端子間寸法が0.15mmの場合
は、−31dBとクロストーク特性が改善されており、
この結果、従来のチップ形インダクタアレイにおいて、
端子間寸法を2倍以上確保したものより、改善効果が高
かった。
【0037】以上のように本発明の実施の形態1におけ
るチップ形インダクタアレイは、内部に複数個の内部導
体26を内蔵する絶縁基板21の相対向する面に切り欠
き部22を設け、この切り欠き部22で分離された絶縁
基板21の凸部に前記内部導体26と電気的に接続され
る端子電極23を形成しているため、端子電極23間の
絶縁基板21の構成材料が切り欠き部で除去されること
になり、これにより、高周波信号に対する隣接したイン
ダクタンス素子間のクロストークを低減させることがで
きるものである。また端子電極23の塗布形成時および
めっき電極24,25の形成時の電極寸法ばらつきの少
ない高精度な端子電極23を備えることにより、クロス
トーク特性のばらつきも少なくすることができるもので
ある。
【0038】そしてまた、本発明の実施の形態1におけ
るチップ形インダクタアレイの製造方法においては、グ
リーンシート積層体27の状態で一括して角穴28を形
成した後、この角穴28の中心を切断することによって
切り欠き部22を形成するようにしているため、生産性
が高く、かつ高い信頼性を有するものである。
【0039】(実施の形態2)図4(a)〜(e)は本
発明の実施の形態2におけるチップ形インダクタアレイ
の製造方法を示す工程図である。
【0040】図4(a)において、21aは磁性体グリ
ーンシート成形体、26はコイルからなる内部導体で、
これらは上記本発明の実施の形態1と同様の製造方法で
チップ形インダクタアレイの素体が縦横に配置されたグ
リーンシート積層体27を得る。
【0041】次に図4(b)に示すように、前記グリー
ンシート積層体27をそれぞれ縦方向、横方向に一定間
隔で切断ブレードにより切断し、図4(c)に示す直方
体形状をなす個片状の積層体30を得る。
【0042】次に図4(d)に示すように、前記直方体
形状をなす個片状の積層体30をその外形寸法とほぼ等
しい寸法の凹部31aを有する加熱成形金型31に挿入
固定した後、複数個の角型ピン32で同時に圧縮成形す
る。前記加熱成形金型31には加熱ヒータ33が内蔵さ
れており、この加熱ヒータ33によって個片状の積層体
30が瞬時に軟化し、加工性が向上するように70〜1
10℃の温度に保持されている。前記加熱成形金型31
で圧縮成形された個片状の積層体27は図4(e)に示
す切り欠き部22を加熱圧縮プレス法により形成した
後、850〜950℃の空気中で焼成することにより、
スピネル化した磁性体と内蔵されたコイルからなる内部
導体26が同時焼結されて4個のインダクタンス素子を
内蔵する焼結体が得られる。
【0043】以下、本発明の実施の形態1で説明した図
2(e)および図2(f)の工程と同様の工程を経て、
端子電極23を切り欠き部22で分離された凸部に形成
した後、Niめっき電極およびはんだめっき電極(いず
れも図示せず)を形成して本発明の実施の形態2におけ
るチップ形インダクタアレイが製造される。
【0044】なお、上記本発明の実施の形態2において
は、切断分離された直方体形状をなす個片状の積層体3
0に加熱圧縮プレス法により切り欠き部22を形成した
が、打ち抜きプレス法で内蔵されたコイルからなる内部
導体26の各引き出し導体部26a間を角形ピンで打ち
抜いて切り欠き部22を形成しても良いものである。
【0045】また、上記のようにして製造された本発明
の実施の形態1,2におけるチップ形インダクタアレイ
は、焼成前の柔軟なグリーンシート積層体27に切り欠
き部22を形成するようにしているため、クラックやチ
ッピングのない高い信頼性を有するものが得られるもの
である。
【0046】そしてまた、上記本発明の実施の形態1に
おいては、絶縁基板21を磁性体で構成したものについ
て説明したが、アルミナ・ガラス系等の誘電体で絶縁基
板21を構成してもよいものである。さらに本発明の実
施の形態1においては、はんだめっき電極25を設けた
ものについて説明したが、Snめっき電極を設けても同
様の効果が得られるものである。
【0047】さらにまた、本発明の実施の形態1におい
ては、グリーンシート積層体27に複数個の長方形の角
穴28を設けたものについて説明したが、この角穴28
に限定されるものではなく、これ以外の丸穴あるいは楕
円穴を設けても良いものである。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明のチップ形インダク
タアレイは、磁性体または誘電体から成る直方体形状の
絶縁基板と、この絶縁基板の内部に内蔵される少なくと
も2素子以上の複数個の内部導体とを備え、前記絶縁基
板の相対向する面に少なくとも1個以上の切り欠き部を
設け、この切り欠き部で分離された絶縁基板の凸部に前
記内部導体と電気的に接続される端子電極を形成し、か
つこの端子電極の表面にめっき電極を形成したもので、
この構成によれば、絶縁基板の相対向する面に少なくと
も1個以上の切り欠き部を設け、この切り欠き部で分離
された絶縁基板の凸部に内部導体と電気的に接続される
端子電極を形成しているため、端子電極間の絶縁基板の
構成材料となる磁性体または誘電体が切り欠き部によっ
て除去された構造となり、これにより、端子電極表面近
傍の磁気的結合および静電的結合を最小化することがで
きるため、特に10MHz以上の高周波信号に対する隣
接したインダクタンス素子間のクロストークを低減させ
ることができるというすぐれた効果を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるチップ形インダ
クタアレイの外観を示す斜視図
【図2】(a)〜(f)同チップ形インダクタアレイの
製造方法を示す工程図
【図3】本発明の実施の形態1におけるチップ形インダ
クタアレイと従来のチップ形インダクタアレイのクロス
トーク特性を示す図
【図4】(a)〜(e)本発明の実施の形態2における
チップ形インダクタアレイの製造方法を示す工程図
【図5】(a)従来のチップ形インダクタアレイの外観
を示す斜視図 (b)同チップ形インダクタアレイの内部等価回路図 (c)同チップ形インダクタアレイの断面図
【図6】(a)〜(d)同チップ形インダクタアレイの
製造方法を示す工程図
【符号の説明】 21 絶縁基板 21a 磁性体グリーンシート成形体 22 切り欠き部 23 端子電極 24 Niめっき電極 25 はんだめっき電極 26 内部導体 28 角穴
フロントページの続き (72)発明者 鷲崎 智幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 曽羽 実 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 瓜生 英一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E062 DD04 FG07 FG12 5E070 AA01 AA20 AB01 AB03 AB10 BA12 CB03 CB13 CB17 CB18 CB20 EA01 EB01 EB03 EB10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体または誘電体から成る直方体形状
    の絶縁基板と、この絶縁基板の内部に内蔵される少なく
    とも2素子以上の複数個の内部導体とを備え、前記絶縁
    基板の相対向する面に少なくとも1個以上の切り欠き部
    を設け、この切り欠き部で分離された絶縁基板の凸部に
    前記内部導体と電気的に接続される端子電極を形成し、
    かつこの端子電極の表面にめっき電極を形成したことを
    特徴とするチップ形インダクタアレイ。
  2. 【請求項2】 磁性体グリーンシート成形体または誘電
    体グリーンシート成形体の内部に少なくとも2素子以上
    の複数個の内部導体を形成する工程と、前記グリーンシ
    ート成形体の相対向する面に少なくとも1個以上の切り
    欠き部を形成する工程と、前記グリーンシート成形体を
    個片に切断分離する工程と、前記切断分離された個片状
    のグリーンシート成形体を焼成する工程と、前記切り欠
    き部で分離されたグリーンシート成形体の複数個の凸部
    に前記内部導体と電気的に接続される端子電極を形成す
    る工程と、前記端子電極の表面にめっき電極を形成する
    工程とを有し、前記切り欠き部はグリーンシート成形体
    を焼成する工程以前に形成するようにしたことを特徴と
    するチップ形インダクタアレイの製造方法。
  3. 【請求項3】 磁性体グリーンシート成形体または誘電
    体グリーンシート成形体の内部に少なくとも2素子以上
    の複数個の内部導体を形成する工程と、前記グリーンシ
    ート成形体に打ち抜きプレス法により複数個の角穴、丸
    穴、楕円穴のいずれかを形成する工程と、前記グリーン
    シート成形体を複数個の穴の形成部で個片に切断分離す
    る工程と、前記切断分離された個片状のグリーンシート
    成形体を焼成する工程とを順次経た後、前記穴の形成部
    で個片に切断分離することにより形成される切り欠き部
    で分離されたグリーンシート成形体の複数個の凸部に前
    記内部導体と電気的に接続される端子電極を形成するよ
    うにしたことを特徴とするチップ形インダクタアレイの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 磁性体グリーンシート成形体または誘電
    体グリーンシート成形体の内部に少なくとも2素子以上
    の複数個の内部導体を形成する工程と、前記グリーンシ
    ート成形体を個片に切断分離する工程と、前記切断分離
    された個片状のグリーンシート成形体の相対向する面に
    複数個の切り欠き部を形成する工程と、前記切断分離さ
    れた個片状のグリーンシート成形体を焼成する工程とを
    順次経た後、前記複数個の切り欠き部で分離された凸部
    に前記内部導体と電気的に接続される端子電極を形成す
    るようにしたことを特徴とするチップ形インダクタアレ
    イの製造方法。
  5. 【請求項5】 切り欠き部を加熱圧縮プレス法によって
    形成したことを特徴とする請求項2または4記載のチッ
    プ形インダクタアレイの製造方法。
  6. 【請求項6】 切り欠き部を打ち抜きプレス法で形成し
    たことを特徴とする請求項2または4記載のチップ形イ
    ンダクタアレイの製造方法。
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