JP2000215568A - ディスクアンバランス補正機構を備えたディスク装置 - Google Patents

ディスクアンバランス補正機構を備えたディスク装置

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JP2000215568A
JP2000215568A JP11014073A JP1407399A JP2000215568A JP 2000215568 A JP2000215568 A JP 2000215568A JP 11014073 A JP11014073 A JP 11014073A JP 1407399 A JP1407399 A JP 1407399A JP 2000215568 A JP2000215568 A JP 2000215568A
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JP
Japan
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disk
clamper
magnetic
magnetic balls
ball rolling
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JP11014073A
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Satoshi Yoshida
吉田  智
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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  • Rotational Drive Of Disk (AREA)
  • Holding Or Fastening Of Disk On Rotational Shaft (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクの偏心や偏重心に起因する回転振動
を抑制する。 【解決手段】 ディスククランパ40の一部を構成する
ロアークランパ41に形成した円環状のボール転動室4
1c内に複数の磁性ボール46を転動自在に配置すると
共に、ロアークランパ41の上部に開口した開口部41
dと対向して電磁石50を固定設置し、ディスクDの回
転による振動が小さい時のみ円環状のボール転動室41
c内に配置した複数の磁性ボール46を開口部41dを
通して電磁力によりディスククラン40の外に取り出し
て電磁石50に吸着している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスクの偏心や
偏重心に起因する回転振動を抑制するディスクアンバラ
ンス補正機構を備えたディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、再生専用のCD−ROM,DVD
−ROMなどのディスクを再生するCD−ROMドライ
ブ装置,DVD−ROMドライブ装置では、情報信号を
高速に処理することが要求されているいるため、ディス
クの回転数を7000rpm程度まで高速に回転させる
手法が一般的に採用されている。
【0003】また、記録再生可能なCD−R,DVD−
RAMなどのディスクを記録再生するCD−Rドライブ
装置,DVD−RAMドライブ装置では、一般的に、記
録時にディスクの回転速度を低速に設定して情報信号を
確実に記録し、再生時にディスクの回転速度を高速に設
定して再生信号の処理を高速で行うことが普通になって
いる。このため、こられのCD−Rドライブ装置,DV
D−RAMドライブ装置では、記録時の低速回転と、再
生時の高速回転の少なくとも2種類の回転速度が必要と
なる。
【0004】更に、CD−ROMとDVD−ROMの両
方のディスクの再生を兼ねる装置でも、再生時のディス
ク回転速度を2種類以上に切り換えることが求められ
る。
【0005】しかしながら、CDやDVDなどのディス
クでは、製造不良等が原因で生じるディスクのセンター
孔の位置ずれによる偏心やディスクの厚さムラによる偏
重心、又は、ユーザーがディスクにシールを貼ることに
よる偏重心によって回転中心と重心が一致せず、このよ
うなアンバランスが原因で発生する振動が悪影響を及ぼ
す、という問題が浮上してきた。具体的には、例えば光
ディスク装置の場合には、このような振動が光学式ピッ
クアップに伝達しデータの読取りや書き込みに重大な障
害が出ることがある。
【0006】特に、上記した各ドライブ装置はパーソナ
ルコンピュータ内などに設置されることが多く、ドライ
ブ装置の振動が自身の動作に支障を与えるばかりか、同
じパーソナルコンピュータ内のHDD(ハードディス
ク)ドライブ装置にさえも悪影響を及ぼしかねない。
【0007】このようなアンバランスに起因する回転振
動を抑制するために、従来例としてディスクアンバラン
ス補正機構を備えたディスク装置が実用化されている。
【0008】図5は従来のディスクアンバランス補正機
構を備えたディスク装置の概略構成を示した斜視図、図
6は従来のディスクアンバランス補正機構を備えたディ
スク装置を示した縦断面図、図7は図6に示した従来の
ディスクアンバランス補正機構を示した分解斜視図、図
8は従来のディスクアンバランス補正機構の動作を説明
するための平面図である。
【0009】図5に示した如く、従来のディスクアンバ
ランス補正機構を備えたディスク装置1Aでは、メイン
シャーシ2上にディスク(光ディスク)Dを高速に回転
させながら記録・再生するトラバースメカ10が周囲4
か所のコーナ部位を防振ゴム3によってフローティング
されて取り付けられている。
【0010】上記トラバースメカ10は、サブシャーシ
11上にスピンドルモータ12が固定されており、この
スピンドルモータ12の回転軸にターンテーブル13が
固着されている。また、ターンテーブル13にはディス
クDの中心孔Hをセンタリングするためにテーパ円筒状
のセンターコーン13aが設けられている。また、ター
ンテーブル13の上方には、ターンテーブル13上に載
置したディスクDが高速回転した時にターンテーブル1
3から離脱しないように後述する従来のディスクアンバ
ランス補正機構を内蔵したディスククランパ20が設け
られている。このディスククランパ20は、ターンテー
ブル13及びディスクDと一体に回転可能に設けられて
おり、且つ、ターンテーブル13に載置したディスクD
に対して上方から接離自在に図示しない支持手段により
支持されている。
【0011】また、ディスクD上に情報信号を記録した
り、もしくは、ディスクD上に記録した情報信号を再生
するための光ピックアップ30がディスクDの径方向に
移動自在に設けられている。
【0012】ここで、従来のディスクアンバランス補正
機構を内蔵したディスククランパ20について、図6及
び図7を併用して説明する。
【0013】図6及び図7において、スピンドルモータ
12の回転軸12aには、センターコーン13aを形成
したターンテーブル13が固着され、このターンテーブ
ル13とディスククランパ20とにディスクDが挟持さ
れた状態でクランプされている。この際、ターンテーブ
ル13の中心には、ディスクDの中心孔Hをセンタリン
グするためにテーパ円筒状のセンターコーン13aが形
成されており、且つ、センターコーン13aの上面にタ
ーンテーブル側ヨーク14が固着されている。
【0014】上記ディスククランパ20は、ロアークラ
ンパ21と、このロアークランパ21の上面に図示しな
いネジにより取り付けたアッパークランパ22とを蓋合
わせして、スピンドルモータ12の回転軸12aに対し
て同心で円筒状に形成されている。
【0015】また、ロアークランパ21は上面側から円
形凹部21aを凹状に形成し、この円形凹部21a内に
後述するアッパークランパ22側の円環状のクランパ側
ヨーク23及び円環状のマグネット24が進入できるよ
うになっており、且つ、円形凹部21aの中央を貫通し
たテーパ状の中心孔21b内にターンテーブル13のセ
ンターコーン13aが進入できるようになっている。
【0016】また、ロアークランパ21の円形凹部21
a内に、磁性材により形成した複数の磁性ボール25が
予め収納されている。
【0017】一方、アッパークランパ22は、中心部か
らロアークランパ21側に向けて突出形成した円筒状突
出部22aの外周に、円環状のクランパ側ヨーク23及
び円環状のマグネット24が嵌め込んで固着されてい
る。
【0018】そして、ロアークランパ21とアッパーク
ランパ22とを蓋合わすると、ロアークランパ21の円
形凹部21a内の内周部位にアッパークランパ22に固
着した円環状のクランパ側ヨーク23及び円環状のマグ
ネット24が進入した状態となる。この状態で、ロアー
クランパ21の円形凹部21aの外周部位とマグネット
24の外周部位との間に円環状のボール転動室21a1
が形成され、この円環状のボール転動室21a1内に予
め収納した複数の磁性ボール25が転動自在になってい
る。この際、円環状のボール転動室21a1は複数の磁
性ボール25が内周から外周に向かって移動できる溝巾
に形成されている。
【0019】ここで、ターンテーブル13のセンターコ
ーン13aにディスクDの中心孔Hをセンタリングし
て、ディスクDの上方からディスククランパ20をディ
スクD上に載置すると、アッパークランパ22に固着し
た円環状のマグネット24がターンテーブル13のセン
ターコーン13aに固着したターンテーブル側ヨーク1
4に引きつけられるので、ターンテーブル13上に載置
したディスクDがディスククランパ20によってクラン
プされる。
【0020】上記構成において、スピンドルモータ12
の停止時には、ロアークランパ21の円形凹部21aの
円環状のボール転動室21a1内に配置した複数の磁性
ボール25は、図8にて仮想線で示す如く、円環状のマ
グネット24に吸着しているが、スピンドルモータ12
が回転を開始すると、ディスククランパ20のロアーク
ランパ21が矢印方向に回転して、複数の磁性ボール2
5に働く遠心力がマグネット24の吸引力より大きくな
ったとき、複数の磁性ボール25は外周に向かって飛散
し、ロアークランパ21の円形凹部21aの外側内壁面
に押し付けられる。そして、例えば3000〜4500
rpm程度の回転数に達すると、複数の磁性ボール25
が円形凹部21aの外側内壁面に沿って周方向に転動し
ながらディスクDの偏重心とは反対側に移動する。つま
り、ディスクDの偏重心をキャンセルするべく複数の磁
性ボール25が移動することで自動的にバランス調整さ
れ、高速回転時における振動が抑制されるものである。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
構成では、上述したように、再生時にアンバランスのあ
るディスクDが高速回転になってから複数の磁性ボール
25がロアークランパ21の円形凹部21aの外側内壁
面側に移動してバランスがほぼ取れてディスクDの振動
が減少したとしても、バランスのとれた通常のディスク
Dでもある回転数以上になると、複数の磁性ボール25
がロアークランパ21の円形凹部21aの外側内壁面側
に移動するので、これら複数の磁性ボール25によって
かえってアンバランスとなる可能性がある。
【0022】上記した課題を解消するにはバランスのと
れたディスクDを複数の磁性ボール25が飛散しない程
度の回転数でしか回転させることができないためにディ
スクDの転送レートが上げられず性能向上が図れない。
【0023】また、複数の磁性ボール25が正確につり
あうことができるアンバランス量は一定であるにもかか
わらず、実際にはさまざまなアンバランス質量をもつデ
ィスクDを記録再生しなければならないので非常に不便
なオートバランサーとなってしまう。
【0024】そこで、本発明は、前記した課題を解決す
べくなされたものであり、とくに、バランスのとれたデ
ィスクDと、アンバランスあるディスクDとの両者に対
して良好にバランス機能が作用するディスクアンバラン
ス補正機構を備えたディスク装置が望まれている。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、モータの回転軸
に取り付けられ、且つ、ディスクの中心孔をセンタリン
グした状態で載置した該ディスクと一体に回転するター
ンテーブルと、前記ディスクを前記ターンテーブル側に
クランプし、該ターンテーブルに載置した該ディスクと
一体に回転するディスククランパと、前記ディスククラ
ンパ内に前記回転軸と同心的に設けた円環状のボール転
動室と、前記円環状のボール転動室内に転動自在に配置
した複数の磁性ボールと、前記ディスククランパの上部
を円環状に開口した開口部と、前記ディスククランパの
上方で前記開口部と対向して固定設置され、前記ディス
クの回転による振動が小さい時のみ前記円環状のボール
転動室内に配置した前記複数の磁性ボールを前記開口部
を通して電磁力により前記ディスククラン外に取り出し
て吸着する電磁石とを具備したことを特徴とするディス
クアンバランス補正機構を備えたディスク装置である。
【0026】また、第2の発明は、モータの回転軸に取
り付けられ、且つ、ディスクの中心孔をセンタリングし
た状態で載置した該ディスクと一体に回転するターンテ
ーブルと、前記ディスクを前記ターンテーブル側にクラ
ンプし、該ターンテーブルに載置した該ディスクと一体
に回転するディスククランパと、前記ディスククランパ
内に前記回転軸と同心的に設けた円環状のボール転動室
と、前記円環状のボール転動室内に転動自在に配置した
複数の磁性ボールと、前記ディスククランパの上部を円
環状に開口した開口部と、前記ディスククランパの上方
で前記開口部と対向して固定設置され、初期状態で前記
円環状のボール転動室内に配置した前記複数の磁性ボー
ルを前記開口部を通して電磁力により前記ディスククラ
ンパ外に取り出して吸着すると共に、前記ディスクの回
転による振動が所定の値より大きい時のみ吸着した前記
複数の磁性ボールを前記開口部を通して前記円環状のボ
ール転動室内に戻す電磁石とを具備したことを特徴とす
るディスクアンバランス補正機構を備えたディスク装置
である。
【0027】また、上記第1,第2の発明のディスクア
ンバランス補正機構を備えたディスク装置において、前
記複数の磁性ボールより質量の小さい複数の非磁性ボー
ルを前記円環状のボール転動室内に転動自在に追加した
ことを特徴とするものである。
【0028】また、上記第1,第2の発明のディスクア
ンバランス補正機構を備えたディスク装置において、前
記電磁石に永久磁石を組み合わせて設け、前記電磁石に
前記永久磁石の磁力とは逆向きの磁力を発生するように
通電することで、前記永久磁石を吸着されていた前記磁
性ボールを開放して前記ディスククランパの内部に戻す
ことを特徴とするものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係るディスクアン
バランス補正機構を備えたディスク装置の一実施例を図
1乃至図4を参照して詳細に説明する。
【0030】図1は本発明に係るディスクアンバランス
補正機構を備えたディスク装置の全体構成を示した側面
図、図2は本発明に係るディスクアンバランス補正機構
を備えたディスク装置において、要部となるディスクク
ランパを示した断面図、図3は本発明に係るディスクア
ンバランス補正機構を備えたディスク装置において、複
数の磁性ボールがディスクの回転中心に対しアンバラン
ス質量の反対側に移動した状態を示した平面図、図4は
本発明に係るディスクアンバランス補正機構を備えたデ
ィスク装置において、要部となるディスククランパの変
形例を示した断面図である。
【0031】尚、説明の便宜上、先に従来例で示した構
成部材と同一構成部材に対しては同一の符号を付して適
宜説明し、且つ、従来例と異なる構成部材に新たな符号
を付すと共に、この実施例では従来例と異なる点を中心
に説明する。
【0032】図1に示した如く、本発明に係るディスク
アンバランス補正機構を備えたディスク装置1Bでは、
メインシャーシ2上にディスク(光ディスク)Dを高速
に回転させながら記録・再生するトラバースメカ10が
周囲4か所のコーナ部位を防振ゴム3によってフローテ
ィングされて取り付けられている。また、トラバースメ
カ10のサブシャーシ11上に固定したスピンドルモー
タ12の回転軸12aにはターンテーブル13が固着さ
れ、このターンテーブル13とディスククランパ40と
の間でディスクDがセンタリングされた状態でクランプ
されている。また、ディスククランパ40の上方には、
電磁石50が固定設置されている。また、ディスクD上
に情報信号を記録したり、もしくは、ディスクD上に記
録した情報信号を再生するための光ピックアップ30が
ガイドシャフト31に案内されながらディスクDの径方
向に移動自在に設けられている。
【0033】ここで、図2に拡大して示した如く、本発
明の要部の一部となるディスククランパ40は、ロアー
クランパ41と、このロアークランパ41の内周部上部
にネジ43により取り付けたアッパークランパ42とを
蓋合わせして、スピンドルモータ12の回転軸12aに
対して同心で円筒状に形成されている。ここでは、ディ
スクDとして外径120mm,中心径15mm,厚み
1.2mmのCD,DVDなどの光ディスクを適用して
いるため、ディスククランパ40の外形を略30mm程
度に設定している。また、ディスククランパ40は先に
従来例で説明したと同様に、ターンテーブル13及びデ
ィスクDと一体に回転可能に設けられており、且つ、タ
ーンテーブル13に載置したディスクDに対して上方か
ら接離自在に図示しない支持手段により支持されてい
る。
【0034】また、ディスククランパ40の一部を構成
するロアークランパ41は、上面側の中心部に段付き円
形凹部41aを形成し、この段付き円形凹部41aの上
部にディスククランパ40の一部を構成するアッパーク
ランパ42を上方からネジ43により取り付けると共
に、段付き円形凹部41a内に下記するようにアッパー
クランパ42側の円環状のクランパ側ヨーク44及び円
環状のマグネット45が進入できるようになっており、
且つ、段付き円形凹部41aの中央部を貫通したテーパ
状の中心孔41b内にターンテーブル13のセンターコ
ーン13aが進入できるようになっている。
【0035】また、ロアークランパ41は、段付き円形
凹部41aより外周側に円環状のボール転動室41cが
スピンドルモータ12の回転軸12aに対して同軸的に
設けられ、且つ、円環状のボール転動室41c内に磁性
材を用いて形成した複数の磁性ボール46が転動自在に
配置されている。この際、円環状のボール転動室41c
は複数の磁性ボール46が内周から外周に向かって移動
できる溝巾に形成されている。
【0036】また、上記した円環状のボール転動室41
cの上部内周部には円環状の開口部41dが開口されて
おり、この開口部41dは複数の磁性ボール46が外部
に取り出し可能な大きさに形成されている。また、円環
状のボール転動室41cの上部外周部に沿ってフランジ
部41eが設けられており、このフランジ部41eによ
って後述するように複数の磁性ボール46がボール転動
室41c内を内周部から外周部に移動した時に複数の磁
性ボール46が外部に飛び出さないようになっている。
【0037】一方、アッパークランパ42の中心に形成
した円筒状突出部42aには、円環状のクランパ側ヨー
ク44及び円環状のマグネット45が嵌め込んで固着さ
れており、且つ、円環状のマグネット45はターンテー
ブル13のセンターコーン13aに固着したターンテー
ブル側ヨーク14に引きつけられるようになっている。
そして、ロアークランパ41とアッパークランパ42
とを蓋合わせしてネジ43により両者を一体化すると、
ロアークランパ41の段付き円形凹部41a内の内周部
位にアッパークランパ42に固着した円環状のクランパ
側ヨーク44及び円環状のマグネット45が進入した状
態となる。この状態で、ロアークランパ41の円環状の
ボール転動室41c内に予め収納した複数の磁性ボール
46が転動自在になる。
【0038】また、ディスククランパ40の上方には、
本発明の要部の一部となる電磁石50が1個あるいは複
数個固定設置されている。この電磁石50はロアークラ
ンパ41に形成した円環状の開口部41dと対向して設
けられており、後述するように、ディスクDの回転によ
る振動が小さい時のみ円環状のボール転動室41c内に
配置した複数の磁性ボール46をロアークランパ41の
開口部41dを通して電磁力によりディスククランパ4
0の外に取り出して吸着する機能を備えている。尚、電
磁石50を1個設けた場合には、複数の磁性ボール46
を吸着できるように、電磁石50の通電時のみ磁力が作
用するような円環状の軟磁性体を取り付ければ良い。
【0039】更に、ディスクDの近傍には、ディスクD
が高速に回転した時に生じた振動を検出する振動検出手
段51が例えば加速度ピックアップなどを用いて設けら
れており、この振動検出手段51の出力に応じて電磁石
50を制御している。
【0040】次に、上記した電磁石50の作用につい
て、図1〜図3を併用して説明する。
【0041】図3に示したように、アンバランス質量m
を持つディスクDがターンテーブル13とディスククラ
ンパ40との間に挟持され、スピンドルモータ12によ
り所定の回転数にて回転されると、ディスククランパ4
0内に配置した複数の磁性ボール46がディスクDのア
ンバランス質量mとは回転中心を挟んで反対側に移動
し、バランスが取れる。
【0042】この際、ディスク装置1B内のトラバース
メカ10のサブシャーシ11は防振ゴム3によってメイ
ンシャーシ2上にフローティングされて取り付けられて
いるので、サブシャーシ11上のスピンドルモータ12
などの質量から構成される系からきまる共振周波数がデ
ィスク装置1Bの回転周波数内に存在するようなされて
おり、かつこの共振周波数と同じ周波数であるスピンド
ルモータ12による回転周波数では、実際にディスクD
のリード、ライトが行われないようになっている。そし
てスピンドルモータ12の回転周波数が前記系の共振周
波数以上となると、図3に示したように複数の磁性ボー
ル46がディスクDのアンバランス質量mとは回転中心
を挟んで反対側に移動する。
【0043】一方、ほとんどアンバランス質量がないデ
ィスクDを回転させた時には、むしろ、複数の磁性ボー
ル46自体がアンバランス質量となり得る。実験によれ
ば複数の磁性ボール46がうまくばらけて磁性ボール自
身がバランスを取ることも確認されたが、一方、複数の
磁性ボール46が一個所に集まってしまい、ディスク装
置1Bの振動を助長することもあった。
【0044】そこで、ディスク装置1B内の振動検出手
段51により予め定めた所定の値以下の振動が発生して
いると判断された場合に、言い換えると、ディスクDの
回転による振動が小さい時のみ、振動検出手段51の検
出結果に基づいて電磁石50に電流を流し、電磁石50
に複数の磁性ボール46を吸着させ、複数の磁性ボール
46をバランサーとしての機能を失わせる。この時、磁
性ボール46は電磁石50の吸引力によりロアークラン
パ41の開口部41dから図2における矢印Aの方向、
つまりディスククランバ40の外部に取り出されて、電
磁石50に吸着される。従って、ほとんどアンバランス
質量がないディスクDを回転させた時には、複数の磁性
ボール46がディスククランバ40の外部に取り出され
ているので、複数の磁性ボール46によるアンバランス
質量の発生を抑制できる。勿論、ほとんどアンバランス
質量がないディスクDを回転させた時でも系全体として
振動検出手段51により予め定めた所定の値以上の振動
が発生していると判断された場合には、複数の磁性ボー
ル46がオートバランサーとして機能することは明かで
ある。
【0045】この際、電磁石50に吸着された複数の磁
性ボール46をディスククランパ40内に戻す場合に
は、電磁石50への通電停止をディスクDのターンテー
ブル13へのクランプを解除する時に行えば良い。
【0046】尚、ディスクDの回転中に電磁石50に磁
性ボール46を吸着させるのが困難であれば、スピンド
ルモータ12を一旦停止させるか、もしくはスピンドル
モータ12の回転数を落とすなどしてもよい。そして、
磁性ボール46が電磁石50に吸着された後、再びスピ
ンドルモータ12を所望の回転数に戻す。この際、ロア
ークランパ41の上部外周部に形成したフランジ部41
eが磁性ボール46の取り出し時に邪魔になることが懸
念されるが、このフランジ部41eの径方向の幅は大き
くする必要が無く、遠心力で磁性ボール46が飛び出さ
ない程度の必要最小限のサイズにしておけば、電磁石5
0が磁性ボール46を吸引するのを阻害することはな
い。
【0047】また、電磁石50から漏洩する磁束が問題
になる可能性があるが、電磁石50の周囲を図示しない
ヨーク材などで覆うことで解消できる。
【0048】次に、ディスククランパの変形例につい
て、図4を用いて簡略に説明する。
【0049】図4に示した変形例のディスククランパ4
0Aは、上記したディスククランパ40に対して、複数
の磁性ボール46に追加して複数の非磁性ボール47を
ロアークランパ41の円環状のボール転動室41c内に
収納したことである。ここで、複数の非磁性ボール47
は複数の磁性ボール46よりも質量を小さく設定してい
る。従って、複数の非磁性ボール47自体はアンバラン
ス補正能力が小さいものの、複数の非磁性ボール47は
電磁石50に吸着されずにバランサーとして作用する。
もし、ほとんどアンバランス質量がないディスクDを回
転させたとき、前述の通り複数の磁性ボール46は電磁
石50により吸着されるが、この時、わずかに振動が発
生することがある。この原因はターンテーブル13上で
ディスクDが正確にセンタリングされていない場合など
によるものであり、この場合小さな振動を抑えるために
複数の非磁性ボール47が有効に作用する。そして、磁
性ボール46が電磁石50により吸引されると、ディス
ククランパ40A内に質量の小さい複数の非磁性ボール
47のみが残るので、この複数の非磁性ボール47で小
さな振動を抑制することができる。
【0050】次に、実施例のディスククランパ40及び
変形例のディスククランパ40Aにおいて、上記とは逆
に最初は磁性ボール46が電磁石50に吸着されている
状態からディスクDを回転させても良い。この場合に
は、初期状態で円環状のボール転動室41c内に配置し
た複数の磁性ボール46を開口部41dを通して電磁力
によりディスククランパ40外に取り出して電磁石50
に吸着しておけば、ディスククランパ40,40A内に
バランス補正を行うための磁性ボール46が初期状態で
は一切ない状態である。この後、ディスクDを回転させ
て、記録前あるいは再生前にディスクDによる振動が発
生しているか否かを振動検出手段51で検出し、検出し
た振動の値が所定の値以上であれば電磁石50の通電を
切り、電磁石50に吸着した磁性ボール46を開口部4
1dを通してディスククランパ40,40A内に入れ
て、バランサとして作動させる。この時、複数の磁性ボ
ール46を一度にディスククランパ40,40A内に入
れても良いし、あるいは、1個づつもしくは数個づつ入
れて振動を徐々に低減させるようにしても良い。
【0051】尚、磁性ボール46を吸着する手段を電磁
石50としたが、電磁石50と図示しない永久磁石とを
組合わせたものとしてもよい。この手段を用いれば磁性
ボール46を吸着しているときは電磁石50には通電が
一切不要であり、磁性ボール46を開放するときのみ電
磁石50に永久磁石とは逆向きの磁力を発生するように
通電を行えばよく、電磁石50の消費電力を抑制でき
る。従って、電磁石50の通電時には永久磁石の磁束を
キャンセルするように磁束が発生されるために磁性ボー
ル46への吸着力が弱まるために磁性ボール46が開放
されることは言うまでもないことである。
【0052】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係るディスクアン
バランス補正機構を備えたディスク装置において、請求
項1記載によると、ディスククランパに形成した円環状
のボール転動室内に複数の磁性ボールを転動自在に配置
すると共に、ディスククランパの上部に開口した開口部
と対向して電磁石を固定設置し、ディスクの回転による
振動が小さい時のみ円環状のボール転動室内に配置した
複数の磁性ボールを開口部を通して電磁力によりディス
ククランパ外に取り出して電磁石に吸着しているので、
とくに、アンバランス質量のないディスクがディスク装
置にセットされた時にはディスクの回転による振動が小
さいため、複数の磁性ボールがディスククランパ内に存
在しないのでアンバランスの原因とはならず、高速での
ディスク回転が可能となる。勿論、アンバランス質量の
あるディスクに対しては従来と同様に複数の磁性ボール
によってディスクのアンバランス質量による振動を抑制
することができる。
【0053】また、請求項2記載によると、ディスクク
ランパに形成した円環状のボール転動室内に複数の磁性
ボールを転動自在に配置すると共に、ディスククランパ
の上部に開口した開口部と対向して電磁石を固定設置
し、初期状態で円環状のボール転動室内に配置した複数
の磁性ボールを開口部を通して電磁力によりディスクク
ランパ外に取り出して電磁石に吸着すると共に、ディス
クの回転による振動が所定の値より大きい時のみ電磁石
に吸着した複数の磁性ボールを開口部を通して円環状の
ボール転動室内に戻しているので、アンバランス質量の
ないディスクであった場合にすぐに記録再生が行え、か
つ、アンバランス質量のあるディスクであった場合には
複数の磁性ボールがオートバランサとして機能すること
ができる。
【0054】また、請求項3記載によると、複数の磁性
ボールより質量の小さい複数の非磁性ボールは電磁石に
吸着されずにバランサーとして作用するので、バランス
のとれたディスクをセットしたときにどうしても残留し
てしまうアンバランス成分をキャンセルすることができ
る。勿論、アンバランス質量のあるディスクに対しても
電磁石に通電しないことで複数の磁性ボールもバランサ
ーとして利用できるのでアンバランス質量のあるディス
クに対しても有効に作用する。
【0055】更に、請求項4記載によると、電磁石に永
久磁石を組み合わせることで、複数の磁性ボールが永久
磁石に吸着されている状態では電磁石に通電が不要であ
り、複数の磁性ボールを開放し、ディスククランパに戻
すときのみ電磁石に通電すればよいので電磁石の消費電
力を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスクアンバランス補正機構を
備えたディスク装置の全体構成を示した側面図である。
【図2】本発明に係るディスクアンバランス補正機構を
備えたディスク装置において、要部となるディスククラ
ンパを示した断面図である。
【図3】本発明に係るディスクアンバランス補正機構を
備えたディスク装置において、複数の磁性ボールがディ
スクの回転中心に対しアンバランス質量の反対側に移動
した状態を示した平面図である。
【図4】本発明に係るディスクアンバランス補正機構を
備えたディスク装置において、要部となるディスククラ
ンパの変形例を示した断面図である。
【図5】従来のディスクアンバランス補正機構を備えた
ディスク装置の概略構成を示した斜視図である。
【図6】従来のディスクアンバランス補正機構を備えた
ディスク装置を示した縦断面図である。
【図7】図6に示した従来のディスクアンバランス補正
機構を示した分解斜視図である。
【図8】従来のディスクアンバランス補正機構の動作を
説明するための平面図である。
【符号の説明】
1B…ディスク装置、12…スピンドルモータ、12a
…回転軸、13…ターンテーブル、40…ディスククラ
ンパ、41…ロアークランパ、41c…円環状のボール
転動室、42…アッパークランパ、46…磁性ボール、
47…非磁性ボール、50…電磁石、51…振動検出手
段、D…ディスク。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータの回転軸に取り付けられ、且つ、デ
    ィスクの中心孔をセンタリングした状態で載置した該デ
    ィスクと一体に回転するターンテーブルと、 前記ディスクを前記ターンテーブル側にクランプし、該
    ターンテーブルに載置した該ディスクと一体に回転する
    ディスククランパと、 前記ディスククランパ内に前記回転軸と同心的に設けた
    円環状のボール転動室と、 前記円環状のボール転動室内に転動自在に配置した複数
    の磁性ボールと、 前記ディスククランパの上部を円環状に開口した開口部
    と、 前記ディスククランパの上方で前記開口部と対向して固
    定設置され、前記ディスクの回転による振動が小さい時
    のみ前記円環状のボール転動室内に配置した前記複数の
    磁性ボールを前記開口部を通して電磁力により前記ディ
    スククラン外に取り出して吸着する電磁石とを具備した
    ことを特徴とするディスクアンバランス補正機構を備え
    たディスク装置。
  2. 【請求項2】モータの回転軸に取り付けられ、且つ、デ
    ィスクの中心孔をセンタリングした状態で載置した該デ
    ィスクと一体に回転するターンテーブルと、 前記ディスクを前記ターンテーブル側にクランプし、該
    ターンテーブルに載置した該ディスクと一体に回転する
    ディスククランパと、 前記ディスククランパ内に前記回転軸と同心的に設けた
    円環状のボール転動室と、 前記円環状のボール転動室内に転動自在に配置した複数
    の磁性ボールと、 前記ディスククランパの上部を円環状に開口した開口部
    と、 前記ディスククランパの上方で前記開口部と対向して固
    定設置され、初期状態で前記円環状のボール転動室内に
    配置した前記複数の磁性ボールを前記開口部を通して電
    磁力により前記ディスククランパ外に取り出して吸着す
    ると共に、前記ディスクの回転による振動が所定の値よ
    り大きい時のみ吸着した前記複数の磁性ボールを前記開
    口部を通して前記円環状のボール転動室内に戻す電磁石
    とを具備したことを特徴とするディスクアンバランス補
    正機構を備えたディスク装置。
  3. 【請求項3】前記複数の磁性ボールより質量の小さい複
    数の非磁性ボールを前記円環状のボール転動室内に転動
    自在に追加したことを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載のディスクアンバランス補正機構を備えたディスク
    装置。
  4. 【請求項4】前記電磁石に永久磁石を組み合わせて設
    け、前記電磁石に前記永久磁石の磁力とは逆向きの磁力
    を発生するように通電することで、前記永久磁石を吸着
    されていた前記磁性ボールを開放して前記ディスククラ
    ンパの内部に戻すことを特徴とする請求項1〜3項記載
    のいずれか1項記載のディスクアンバランス補正機構を
    備えたディスク装置。
JP11014073A 1999-01-22 1999-01-22 ディスクアンバランス補正機構を備えたディスク装置 Pending JP2000215568A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7058961B2 (en) * 2000-12-21 2006-06-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Disk player, and self-compensating-dynamic-balancer (SCDB) integrated turntable, SCDB integrated clamper and SCDB integrated spindle motor employed in the same
DE102012207035A1 (de) 2011-04-28 2012-10-31 Funai Electric Co., Ltd. Vorrichtung für optische Platten

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7058961B2 (en) * 2000-12-21 2006-06-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Disk player, and self-compensating-dynamic-balancer (SCDB) integrated turntable, SCDB integrated clamper and SCDB integrated spindle motor employed in the same
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