JP2000213481A - ル―ツ式流体機械 - Google Patents

ル―ツ式流体機械

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JP2000213481A
JP2000213481A JP11017527A JP1752799A JP2000213481A JP 2000213481 A JP2000213481 A JP 2000213481A JP 11017527 A JP11017527 A JP 11017527A JP 1752799 A JP1752799 A JP 1752799A JP 2000213481 A JP2000213481 A JP 2000213481A
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JP
Japan
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rotor
discharge
rotors
rotor chamber
air
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JP11017527A
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English (en)
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Masaaki Fushiki
正明 伏木
Katsuya Ochiai
克也 落合
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率を低下させずに、ロ−タ端面とロ−タ室
との連続的な摺動を防止する。 【解決手段】 ロ−タ3、5の端面と対向するロ−タ室
17の壁部に、吸入側と吐出側との間に連続して設けら
れた凸部33と、吸入側と吐出側の少なくとも一方に設
けられた凹部31とで形成され、吸入側と吐出側とを区
分して吸入気と吐出気との混合を防止する段差部35を
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、車両の
ス−パ−チャ−ジャ、あるいは、織布から水分を含む空
気を吸い取って乾燥させる乾燥器などに用いられるル−
ツ式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平8−200360号公報に図12
のようなル−ツ式流体機械201が記載されている。
【0003】このル−ツ式流体機械201は、回転中心
軸と平行な歯すじで互いに噛み合う一対のロ−タ20
3、205と、これらを回転自在に収容するロ−タ室2
07と、各ロ−タ203、205を同期回転させ互いに
接触しないように噛み合わせるタイミングギヤ組209
などから構成されている。
【0004】入力プ−リ211は入力側ロ−タ203の
ロ−タ軸213に固定されており、ベルトを介してエン
ジン側のプ−リに連結され、ロ−タ203、205を回
転させる。
【0005】ロ−タ203、205が回転すると、流体
は吸入口からロ−タ室207に吸入され、吐出口から吐
き出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ロ−タ203、205
の表面とロ−タ室207の壁面との間には、3箇所の隙
間215、217、219にそれぞれ10μ〜20μ程
度のクリアランスが必要である。又、ロ−タ203、2
05とロ−タ室207との接触を防止し、隙間215、
217、219を調整するために、ロ−タ203、20
5の表面とロ−タ室207の壁面にはコ−ティングが施
される。
【0007】隙間215、217、219が狭すぎると
ロ−タ203、205とロ−タ室207とが接触し、ル
−ツ式流体機械201に振動、騒音、温度上昇などが生
じて性能が大きく低下する恐れがあり、又、広すぎると
流体の洩れが多くなって効率が低下する。
【0008】隙間215、217、219を所定の値に
するには、高い加工精度が必要であり、それだけ高い加
工コストが掛かる。
【0009】従来、ロ−タ203、205の端面と対向
するロ−タ室207の壁面は、コ−ティングの有無に関
わらず、平面になっている。
【0010】従って、例えば、温度変化や、各ロ−タ軸
を支承するベアリングの経時変化などによってロ−タ2
03、205の端面とロ−タ室207とが接触すると、
回転方向の全周でこれらが連続的に摺動することになる
から、摩擦による発熱量が増加し、焼き付く恐れもあ
る。
【0011】又、摩耗粉が排出されないから、ロ−タ2
03、205とロ−タ室207の各摺動面がある程度摩
耗した後も、摩耗粉によって摺動が継続し、摺動が自然
に停止することを期待できない。
【0012】しかし、ロ−タ203、205の端面とロ
−タ室207との接触を防止するために、これらの隙間
215、219を広くすると、上記のように、流体の洩
れが増えて、効率が低下する。
【0013】又、従来のル−ツ式流体機械では、流体の
洩れを防止するために、ロ−タの歯先に溝を作り、ロ−
タ室との間でラビリンスシ−ルを形成することがある
が、この場合は、流体が移動する際の脈動音が大きくな
り易い。
【0014】そこで、この発明は、ロ−タの端面とロ−
タ室との隙間を広げて連続的な摺動を避けながら、効率
の低下を防止することができるル−ツ式流体機械、及
び、ロ−タの端面とロ−タ室との間で流体の洩れを防止
し、脈動音の発生と効率の低下とを防止する流体機械の
提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のル−ツ式
流体機械は、回転中心軸に平行な歯すじで互いに噛み合
う一対のロ−タと、各ロ−タを収容するロ−タ室及びこ
れと連通する流体の吸入口と吐出口を有するハウジング
とを備え、各ロ−タの端面と対向するロ−タ室の壁部
に、吸入側と吐出側との間に連続して設けられた凸部
と、吸入側と吐出側の少なくとも一方に設けられた凹部
とで形成され、吸入側と吐出側とを区分するシ−ル機能
によって吸入気と吐出気との混合を防止する段差部を設
けたことを特徴とする。
【0016】このように、請求項1のル−ツ式流体機械
では、各ロ−タの端面と対向するロ−タ室の壁部に、吸
入側と吐出側とを区分する凸部と、吸入側と吐出側の少
なくとも一方に設けられた凹部とによって段差部を形成
した。
【0017】ロ−タ室の壁面に凹部を設けたことによっ
て、ロ−タの端面との連続的な摺動が防止されると共
に、摩耗粉はこの凹部側に排出されるから、摩耗粉が摺
動面に何時までも留まって摩擦を継続させることはな
い。
【0018】従って、摩擦による発熱量が大幅に低減さ
れ、焼き付きが防止される。
【0019】特に、段差部の凹部を吐出側に設ける構成
では、摩耗粉が吐出口から直ちに外部へ排出されるか
ら、摩耗粉の排出効率が更に向上する。
【0020】又、段差部の凸部が、吸入側と吐出側とを
区分してシ−ルし、吸入気と吐出気との混合を防止する
から、ル−ツ式流体機械の効率が低下することはない。
【0021】従って、ロ−タの端面とロ−タ室との接触
を防止するために、これらの隙間を広くする必要がない
から、これに伴う効率の低下が避けられる。
【0022】更に、流体の漏れを防止しながら、ロ−タ
端面とロ−タ室との隙間を最小限まで狭く設定できるか
ら、それだけ効率を向上させることができる。
【0023】請求項2の発明は、請求項1記載のル−ツ
式流体機械であって、吸入側と吐出側の両方に凹部を形
成し、両方に段差部を設けたことを特徴とし、請求項1
の構成と同等の効果を得る。
【0024】これに加えて、吸入側と吐出側の両方に段
差部を形成したから、ロ−タ端面とロ−タ室との摺動面
積が大幅に低減される。
【0025】又、段差部の凹部を吸入側と吐出側の両方
に設けたことによって、摩耗粉の排出効率が更に向上す
る。
【0026】特に、段差部の凹部を吐出側にも設けたこ
とによって、摩耗粉が吐出口から直ちに外部へ排出さ
れ、排出効率が向上する。
【0027】こうして、摩擦熱が更に大きく低減され、
焼き付きが防止される。
【0028】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
記載のル−ツ式流体機械であって、段差部を形成する凸
部が、ロ−タ軸を挟んで形成されており、この凸部とロ
−タ軸との隙間を狭くし、そのシ−ル機能によって吸入
気と吐出気との混合を防止することを特徴とし、請求項
1又は請求項2の構成と同等の効果を得る。
【0029】これに加えて、ロ−タ軸を挟んで段差部の
凸部を形成することができるこの構成では、段差部の形
状を設定する際にロ−タ軸を避ける必要がないから、段
差部の形状の自由度がそれだけ高くなる。
【0030】従って、例えば、下記の請求項4の構成に
おいて、ロ−タ軸を利用して段差部の形状を設定できる
から、吸入気及び吐出気と段差部の凹部との干渉と、吸
入気と吐出気との混合がそれぞれ高度に防止され、効率
が高く維持される。
【0031】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
のいずれか一項に記載のル−ツ式流体機械であって、段
差部を形成する凹部の形状を、凹部が吐出側に設けられ
るときは、吸入気と干渉しないように設定し、凹部が吸
入側に設けられるときは、吐出気と干渉しないように設
定したことを特徴とし、請求項1乃至請求項3の構成と
同等の効果を得る。
【0032】これに加えて、段差部を形成する凹部の形
状を、凹部が吐出側に設けられるときは、吸入気と干渉
しないように設定し、凹部が吸入側に設けられるとき
は、吐出気と干渉しないように設定したことにより、吸
入気と吐出気との混合が高度に防止され、効率が高く維
持される。
【0033】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
のいずれか一項に記載の発明であって、段差部が、ロ−
タ室の壁部に凹部を加工することによって形成されてい
ることを特徴とし、請求項1乃至請求項4の構成と同等
の効果を得る。
【0034】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項4
のいずれか一項に記載のル−ツ式流体機械であって、段
差部が、ロ−タ室の壁部に凸部を肉盛りすることによっ
て形成されていることを特徴とし、請求項1乃至請求項
4の構成と同等の効果を得る。
【0035】これに加えて、例えば、コ−ティングなど
による凸部の肉盛りは、実施コストが安い。
【0036】又、コ−ティングによれば、段差部を複雑
な形状に成形することが容易であるから、凹部の形状を
吐出気や吸入気と干渉しないように設定する請求項4の
構成に好適である。
【0037】請求項7のル−ツ式流体機械は、回転中心
軸に平行な歯すじで互いに噛み合う一対のロ−タと、各
ロ−タを収容するロ−タ室及びこれと連通する流体の吸
入口と吐出口を有するハウジングとを備え、各ロ−タ端
面とこれと対向するロ−タ室の一方又は両方に、ほぼ径
方向の溝を複数箇所に設けてラビリンスシ−ルを形成
し、そのシ−ル機能によって流体の漏れを防止すること
を特徴とする。
【0038】このように、請求項7のル−ツ式流体機械
は、各ロ−タの端面と、これと対向するロ−タ室の壁部
の一方又は両方に、ほぼ径方向の溝を複数箇所に設けて
ラビリンスシ−ルを形成したことにより、ロ−タの端面
と、これと対向するロ−タ室の壁部との間で流体の漏れ
が防止され、効率の低下が防止される。
【0039】又、この構成では、ロ−タの歯先とロ−タ
室との間でラビリンスシ−ルを形成する従来例と異なっ
て、流体の脈動音を極めて小さくすることが可能にな
り、静粛性を大きく向上させることができる。
【0040】請求項8の発明は、請求項7記載のル−ツ
式流体機械であって、各ロ−タの間で、あるいは、各ロ
−タ端面と対向するロ−タ室の間で、それぞれの溝が互
いに不均等のピッチで配置されていることを特徴とし、
請求項7の構成と同等の効果を得る。
【0041】又、ラビリンスシ−ルの溝をロ−タの端面
やロ−タ室に設ける請求項7の構成では、従来例と異な
って、溝の配置ピッチを自由に設定することができる。
【0042】そこで、請求項8の構成は、各ロ−タの間
で、あるいは、各ロ−タ端面と対向するロ−タ室の間
で、一方のロ−タと他方のロ−タの間で流体の脈動音が
打ち消し合うように、それぞれの溝を互いに不均等のピ
ッチで配置した。
【0043】こうして、脈動音が更に低減され、静粛性
が更に向上する。
【0044】
【発明の実施の形態】図1乃至図8によって本発明の第
1実施形態を説明する。
【0045】図1はル−ツブロワ1(第1実施形態のル
−ツ式流体機械)を示している。ル−ツブロワ1は車両
用のス−パ−チャ−ジャに用いられており、請求項1、
4、5の特徴を備えている。なお、符号を与えていない
部材等は図示されていない。
【0046】ル−ツブロワ1は、入力プ−リ、一対のロ
−タ3、5、これらを収容するハウジング7、タイミン
グギヤ組などから構成されている。
【0047】ロ−タ3は、ロ−タ軸9にロ−タ本体11
を固定して構成されており、ロ−タ5は、ロ−タ軸13
にロ−タ本体15を固定して構成されている。
【0048】入力プ−リは、入力側のロ−タ軸9に連結
され、ナットで固定されている。
【0049】又、入力プ−リはベルトを介してクランク
シャフト側のプ−リに連結されており、エンジンの駆動
力によって回転駆動される。
【0050】ハウジング7には、各ロ−タ3、5を収容
するロ−タ室17と、これと連通する吸入口19と吐出
口21とが形成されている。
【0051】各ロ−タ本体11、15には、回転中心軸
に対して平行な2条の歯すじ23、25がそれぞれ形成
されており、ロ−タ3、5はこれらの歯すじ23、25
によって互いに噛み合う。
【0052】又、各歯すじ23、25にはそれぞれ空洞
部27、29が形成されており、ロ−タ3、5の慣性モ
−メントを低減させ、ス−パ−チャ−ジャ(ル−ツブロ
ワ1)の効率とエンジンの燃費とを向上させている。
【0053】図2のように、各ロ−タ3、5の端面と対
向するロ−タ室17の壁面には、吸入口19側に設けら
れた凹部31と、その他の部分に残された凸部33とに
よって段差部35が形成されている。
【0054】図1のように、凸部33は吸入口19と吐
出口21との間に連続して形成されており、吸入側と吐
出側とを区分し、そのシ−ル機能によって吸入気と吐出
気との混合を防止している。なお、凸部33を囲んで描
いた図1の破線37は吐出側の空気が実際に入り込む範
囲を示している。
【0055】この凹部31はロ−タ室17の壁面を加工
して形成されている。
【0056】又、各ロ−タ3、5のロ−タ本体11、1
3の表面とロ−タ室17の壁面には、所定の厚さのコ−
ティングが施されている。このコ−ティングは、各ロ−
タ3、5の歯すじ23、25が直接接触すること、及
び、各歯すじ23、25とロ−タ室17とが直接接触す
るのをそれぞれ防止し、更に、各歯すじ23、25間の
隙間と、各歯すじ23、25とロ−タ室13との隙間を
所定値に調整し、空気の洩れを低減して、ル−ツブロワ
1の効率を向上させている。
【0057】タイミングギヤ組は、互いに噛み合った一
対のタイミングギヤから構成されており、これらのタイ
ミングギヤは各ロ−タ軸9、13にそれぞれ固定されて
いる。
【0058】プ−リから入力したエンジンの駆動力はタ
イミングギヤ組を介して各ロ−タ3、5を、図1の矢印
のように、互いに反対方向に回転させ、ル−ツブロワ1
を駆動する。このとき、タイミングギヤ組はそれぞれの
歯すじ23、25が互いに接触しないように両ロ−タ
3、5を同期回転させる。
【0059】図3乃至図8は、各ロ−タ3、5の回転に
伴ってロ−タ室17に生じる空気の移動を示している。
又、これらの図にはロ−タ軸9、13の中心を結んだ線
に対するロ−タ5の角度を表示してある。
【0060】下記のように、ロ−タ3の両側とロ−タ室
17の間で空気39、41(斜線で表示されている)が
移動し、ロ−タ5の両側とロ−タ室17の間で空気4
3、45(反対向きの斜線で表示されている)が移動す
る。
【0061】図3のように、吸入口19から吸入された
空気39は、矢印が示すロ−タ5の回転に伴って、ロ−
タ5とロ−タ室17と間で、図4、図5、図6、図7、
図8の順序で移動すると共に、ロ−タ5の反対側で同様
に移動した空気41が、図3と図4の状態で、矢印47
のように吐出口21から吐き出される。
【0062】又、図6のように、吸入口19から吸入さ
れた空気43は、矢印が示すロ−タ3の回転に伴って、
ロ−タ3とロ−タ室17と間で、図7、図8、図3、図
4、図5の順序で移動すると共に、ロ−タ3の反対側で
同様に移動した空気45が、図6と図7の状態で、矢印
49のように吐出口21から吐き出される。
【0063】このように、ル−ツブロワ1は、吸入口1
9から吸入した空気を吐出口21から吐き出して、エン
ジンを過給する。
【0064】上記のように、ロ−タ室17の壁部に凹部
31と凸部33(段差部35)を設けたことにより、ロ
−タ3、5の端面とロ−タ室17との摺動はこの凸部3
3との間だけに限定されるから、従来例と異なって、連
続的な摺動が防止される。
【0065】従って、摩耗粉の発生量が大きく低減され
る上に、発生した摩耗粉はロ−タ3、5の回転によって
この凹部31に排出され、摩耗粉が摺動面に何時までも
留まって摩擦を継続させることはない。
【0066】こうして、摩擦による発熱量が大幅に低減
され、ロ−タ3、5とロ−タ室17との焼き付きが防止
される。
【0067】又、ロ−タ3、5の回転に伴って、凹部3
1には吸入気が入り、凸部33の周囲には破線37まで
吐出気が入るが、凸部33によって吸入側と吐出側とが
区分され、このシ−ル機能によって吸入気と吐出気との
混合が防止されるから、効率が低下することはない。
【0068】又、上記のように、ロ−タ室17の内部で
は、ロ−タ3、5の回転に伴ってロ−タ室17の壁部に
沿った空気39、41、43、45の移動パタ−ンが形
成されるが、吸入口19側に設けられた段差部35の凹
部31は、このような空気の移動パタ−ンに応じて、吸
入気と干渉しない形状に設定されている。
【0069】従って、吸入気と吐出気の混合を防止する
凸部33のシ−ル機能がそれだけ高くなっており、効率
低下を最小限にしている。
【0070】こうして、ス−パ−チャ−ジャ(ル−ツブ
ロワ1)が構成されている。
【0071】上記のように、ル−ツブロワ1では、ロ−
タ室17の壁部に、段差部35(凹部31と凸部33)
を形成したことにより、ロ−タ3、5の端面とロ−タ室
17との連続的な摺動が防止され、摩耗粉の発生量が少
なくなると共に、摩耗粉は凹部31側に排出され、摺動
面に留まって摩擦を継続させることはない。
【0072】従って、摩擦熱が大幅に低減され、ロ−タ
3、5の端面とロ−タ室17との焼き付きが防止され
る。
【0073】又、段差部35の凸部33が吸入気と吐出
気との混合を防止するから、ル−ツブロワ1の効率が低
下することはない。
【0074】従って、従来例と異なり、ロ−タ3、5の
端面とロ−タ室17との接触を防止するために、これら
の隙間を広くする必要がないから、これに伴う効率の低
下が避けられる。
【0075】更に、空気の漏れを防止しながら、ロ−タ
3、5の端面とロ−タ室17との隙間を最小限まで狭く
設定できるから、効率がそれだけ向上する。
【0076】又、空気39、41、43、45の移動パ
タ−ンに応じて、段差部35の凹部31を吸入気と干渉
しない形状にしたから、凸部33のシ−ル機能がそれだ
け向上し、吸入気と吐出気との混合が高度に防止され、
ル−ツブロワ1の効率が高く維持される。
【0077】次に、図9と図10によって本発明の第2
実施形態を説明する。
【0078】図9はル−ツブロワ77(第2実施形態の
ル−ツ式流体機械)を示しており、ル−ツブロワ77は
車両用のス−パ−チャ−ジャに用いられ、請求項1、
2、3、4、5の特徴を備えている。
【0079】なお、図9と図10及び第2実施形態の中
で、第1、2、3、4実施形態と同機能の部材には同一
の符号を与えて引用すると共に、以下、第1、2、3、
4実施形態との相違点を説明する。
【0080】各ロ−タ3、5の端面に対向するロ−タ室
17の壁面には、吸入口19側と吐出口21側にそれぞ
れ設けられた凹部79、81と、凸部83、83、85
とによって段差部87、89が形成されている。
【0081】これらの段差部87、89は、ロ−タ室1
7の壁面に凹部79、81を加工して形成されている。
【0082】又、凸部83、85は、それぞれロ−タ軸
9、13を挟んで配置されている。
【0083】図14に拡大して示したように、ロ−タ軸
13と各凸部83、85の隙間91、93は狭く設定さ
れており、そのシ−ル機能によって吐出気の逆流を防止
している。
【0084】又、ロ−タ軸9と各凸部83、85の隙間
も、同様に狭く設定され、そのシ−ル機能によって吐出
気の逆流を防止している。
【0085】このように、凸部83、85とロ−タ軸
9、13は、吸入口19と吐出口21との間に連続して
形成されており、吸入側と吐出側とを区分し、そのシ−
ル機能によって吸入気と吐出気との混合を防止してい
る。
【0086】又、凹部79、81は、ロ−タ3、5の回
転に伴う空気の移動パタ−ンに応じて、吸入気及び吐出
気と干渉しない形状に設定されている。
【0087】このように構成されたル−ツブロワ77で
は、ル−ツブロワ1、51、63、65と同様に、ロ−
タ室17の壁部に形成された凹部79、81によってロ
−タ3、5の端面とロ−タ室17との連続的な摺動を防
止するから、摩耗粉の発生量が低減されると共に、摩耗
粉は凹部79、81側に排出され、摺動面に留まって摩
擦を継続させることはない。
【0088】従って、摩擦熱が大幅に低減され、ロ−タ
3、5の端面とロ−タ室17との焼き付きが防止され
る。
【0089】又、凸部83、85、83と各ロ−タ軸
9、13とが吸入気と吐出気との混合を防止するから、
ル−ツブロワ77の効率が低下することはない。
【0090】又、段差部87、89を吸入気と干渉しな
い形状に設定し、凸部83、85、83のシ−ル機能を
高くしたから、吸入気と吐出気との混合が高度に防止さ
れ、ル−ツブロワ77の効率が高く維持される。
【0091】又、吸入口19側と吐出口21側の両方に
段差部87、89を形成したから、ロ−タ3、5の端面
とロ−タ室17との摺動面積が大幅に低減されると共
に、摩耗粉の排出効率が向上する。
【0092】更に、吐出口21側に設けた凹部81によ
って、摩耗粉が吐出口21から直ちに外部へ排出され、
排出効率が向上する。
【0093】こうして、摩擦熱が大きく低減される。
【0094】又、ロ−タ軸9、13を挟んで凸部83、
85を形成するこの構成では、段差部87、89の形状
を設定する際にロ−タ軸9、13を避ける必要がないか
ら、段差部87、89の形状の自由度がそれだけ高くな
り、上記のように、ロ−タ軸9、13を利用して段差部
87、89の形状を設定できるから、吸入気及び吐出気
と凹部79、81の干渉と、吸入気と吐出気との混合が
それぞれ高度に防止され、ル−ツブロワ77の効率が高
く維持される。
【0095】次に、図11によって本発明の第3実施形
態を説明する。
【0096】図11はル−ツブロワ95(第3実施形態
のル−ツ式流体機械)を示している。このル−ツブロワ
95は車両用のス−パ−チャ−ジャに用いられており、
請求項7、8の特徴を備えている。なお、符号を与えて
いない部材等は図示されていない。
【0097】ル−ツブロワ95は、入力プ−リ、一対の
ロ−タ97、99、これらを収容するハウジング10
1、タイミングギヤ組などから構成されている。
【0098】ロ−タ97は、ロ−タ軸103にロ−タ本
体105を固定して構成されており、ロ−タ99は、ロ
−タ軸107にロ−タ本体109を固定して構成されて
いる。
【0099】入力プ−リは、入力側のロ−タ軸103に
連結され、ナットで固定されている。
【0100】又、入力プ−リはベルトを介してクランク
シャフト側のプ−リに連結されており、エンジンの駆動
力によって回転駆動される。
【0101】ハウジング101には、各ロ−タ97、9
9を収容するロ−タ室111と、これと連通する吸入口
113と吐出口115とが形成されている。
【0102】各ロ−タ本体105、107には、回転中
心軸に対して平行な2条の歯すじ117、119がそれ
ぞれ形成されており、ロ−タ97、99はこれらの歯す
じ117、119によって互いに噛み合う。
【0103】ロ−タ97の両端面に対向するロ−タ室1
11の壁面には、ほぼ径方向の溝121が複数箇所に設
けられており、ロ−タ97の端面との間でラビリンスシ
−ルを形成し、空気の漏れを防止している。
【0104】又、ロ−タ99の両端面に対向するロ−タ
室111の壁面には、ほぼ径方向の溝123が複数箇所
に設けられており、ロ−タ99の端面との間でラビリン
スシ−ルを形成し、空気の漏れを防止している。
【0105】ロ−タ97側の溝121とロ−タ99側の
溝123は、互いに不均等なピッチで形成されている。
【0106】更に、溝121のピッチと溝123のピッ
チは、一方のロ−タ97と他方のロ−タ99との間で、
空気の脈動音が互いに打ち消し合うように設定されてい
る。
【0107】プ−リから入力したエンジンの駆動力はタ
イミングギヤ組を介して各ロ−タ97、99を、図11
の矢印のように、互いに反対方向に回転させ、ル−ツブ
ロワ95を駆動する。このとき、タイミングギヤ組はそ
れぞれの歯すじ117、119が互いに接触しないよう
に両ロ−タ97、99を同期回転させる。
【0108】ル−ツブロワ95は、吸入口113から吸
入した空気を吐出口115から吐き出して、エンジンを
過給する。
【0109】こうして、ス−パ−チャ−ジャ(ル−ツブ
ロワ95)が構成されている。
【0110】上記のように、ル−ツブロワ95は、各ロ
−タ97、99の端面とロ−タ室111との間でラビリ
ンスシ−ルを形成したことにより、空気の漏れが防止さ
れ、効率が向上する。
【0111】又、ロ−タの歯先とロ−タ室との間でラビ
リンスシ−ルを形成する従来例と異なって、ラビリンス
シ−ルを各ロ−タ97、99の端面とロ−タ室111と
の間に形成したことによって、流体の脈動音が極めて小
さくなり、ル−ツブロワ95の静粛性が向上している。
【0112】又、各ロ−タ97、99間で空気の脈動音
が打ち消し合うように、各溝121、123のピッチを
互いに不均等に設定したから、脈動音が更に低減され、
静粛性が更に向上している。
【0113】なお、請求項1乃至請求項6のル−ツ式流
体機械では、ロ−タ室の壁部に凹部を加工して段差部を
形成する第1実施形態乃至第5実施形態と異なり、請求
項6記載の発明のように、例えば、コ−ティングによっ
て凸部を肉盛りし、段差部を形成してもよい。
【0114】このコ−ティングによる凸部の形成は、低
コストで実施できる。
【0115】又、コ−ティングによれば、段差部を複雑
な形状に成形することが容易であるから、凹部の形状を
吐出気や吸入気と干渉しないように設定する請求項4の
構成に好適である。
【0116】又、請求項7、8のル−ツ式流体機械で
は、ラビリンスシ−ルを形成する溝は、第6実施形態と
異なり、各ロ−タの端面に設けてもよく、あるいは、ロ
−タの端面とロ−タ室の両方に設けてもよい。
【0117】又、本発明のル−ツ式流体機械の用途は、
ス−パ−チャ−ジャに限らず、例えば、織布から空気と
水分とを吸い取って乾燥させる乾燥器などに用いること
もできる。
【0118】更に、流体の流れによってロ−タを駆動
し、回転を取り出す流体モ−タ(膨張機)にすることも
できる。
【0119】
【発明の効果】請求項1のル−ツ式流体機械は、ロ−タ
室の壁部に段差部を形成してロ−タ端面との連続的な摺
動を防止すると共に、摩耗粉が段差部の凹部側に排出さ
れるから、摩擦熱が大幅に低減され、焼き付きが防止さ
れる。
【0120】又、段差部の凹部を吐出側に設ける構成で
は、摩耗粉が吐出口から直ちに外部へ排出されるから、
排出効率が更に向上する。
【0121】又、ロ−タ端面とロ−タ室の隙間を広くす
る必要がないから、これに伴う効率の低下が避けられる
と共に、空気の漏れを防止しながら、ロ−タ端面とロ−
タ室との隙間を最小限まで狭く設定できるから、効率が
それだけ向上する。
【0122】請求項2の発明は、請求項1の構成と同等
の効果を得ると共に、吸入側と吐出側の両方に設けた段
差部により、ロ−タ端面とロ−タ室との摺動面積が大き
く低減され、摩耗粉の排出効率が更に向上し、摩擦熱が
低減される。
【0123】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の構成と同等の効果を得ると共に、段差部の形状を設定
する際にロ−タ軸を避ける必要がないから、形状設定の
自由度がそれだけ高い。
【0124】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
の構成と同等の効果を得ると共に、吐出側や吸入気と干
渉しないように段差部の形成を設定したことにより、吸
入気と吐出気との混合が高度に防止され、効率が高く維
持される。
【0125】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
の構成と同等の効果を得る。
【0126】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項4
の構成と同等の効果を得ると共に、コ−ティングなどに
よる凸部の肉盛りは、低コストで実施できる。
【0127】又、段差部を複雑な形状に成形することが
できるから、凹部の形状を吐出気や吸入気と干渉しない
ように設定する請求項4の構成に好適である。
【0128】請求項7のル−ツ式流体機械は、ロ−タ端
面とロ−タ室との間に形成したラビリンスシ−ルによっ
て流体の漏れと効率の低下とが防止されると共に、流体
の脈動音が極めて小さくなり、静粛性が向上する。
【0129】請求項8の発明は、請求項7の構成と同等
の効果を得ると共に、不均等のピッチで配置した溝によ
り、一方のロ−タと他方のロ−タの間で流体の脈動音が
打ち消され、静粛性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の要部断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】各実施形態において、ロ−タ3、5の回転によ
るロ−タ室17中の空気の移動を示す断面図である。
【図4】各実施形態において、ロ−タ3、5の回転によ
るロ−タ室17中の空気の移動を示す断面図である。
【図5】各実施形態において、ロ−タ3、5の回転によ
るロ−タ室17中の空気の移動を示す断面図である。
【図6】各実施形態において、ロ−タ3、5の回転によ
るロ−タ室17中の空気の移動を示す断面図である。
【図7】各実施形態において、ロ−タ3、5の回転によ
るロ−タ室17中の空気の移動を示す断面図である。
【図8】各実施形態において、ロ−タ3、5の回転によ
るロ−タ室17中の空気の移動を示す断面図である。
【図9】第5実施形態の要部断面図である。
【図10】図13の要部拡大図である。
【図11】第6実施形態の要部断面図である。
【図12】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1、95 ル−ツブロワ(ル−ツ式流体機械) 3、5、97、99 ロ−タ 7、101 ハウジング 9、13、103、105 ロ−タ軸 17、111 ロ−タ室 19、113 吸入口 21、115 吐出口 31、79、81 ロ−タ室17に設けられた凹部 33、83、85 ロ−タ室17に設けられた凸部 35、87、89 段差部 121 ロ−タ97の端面に対向するロ−タ室111に
設けられた径方向の溝 123 ロ−タ99の端面に対向するロ−タ室111に
設けられた径方向の溝

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転中心軸に平行な歯すじで互いに噛み
    合う一対のロ−タと、各ロ−タを収容するロ−タ室及び
    これと連通する流体の吸入口と吐出口を有するハウジン
    グとを備え、 各ロ−タの端面と対向するロ−タ室の壁部に、吸入側と
    吐出側との間に連続して設けられた凸部と、吸入側と吐
    出側の少なくとも一方に設けられた凹部とで形成され、
    吸入側と吐出側とを区分するシ−ル機能によって吸入気
    と吐出気との混合を防止する段差部を設けたことを特徴
    とするル−ツ式流体機械。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、吸入側と
    吐出側の両方に凹部を形成し、両方に段差部を設けたこ
    とを特徴とするル−ツ式流体機械。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の発明であっ
    て、段差部を形成する凸部が、ロ−タ軸を挟んで形成さ
    れており、この凸部とロ−タ軸との隙間を狭くし、その
    シ−ル機能によって吸入気と吐出気との混合を防止する
    ことを特徴とするル−ツ式流体機械。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    記載の発明であって、段差部を形成する凹部の形状を、
    凹部が吐出側に設けられるときは、吸入気と干渉しない
    ように設定し、凹部が吸入側に設けられるときは、吐出
    気と干渉しないように設定したことを特徴とするル−ツ
    式流体機械。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に
    記載の発明であって、段差部が、ロ−タ室の壁部に凹部
    を加工することによって形成されていることを特徴とす
    るル−ツ式流体機械。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に
    記載の発明であって、段差部が、ロ−タ室の壁部に凸部
    を肉盛りすることによって形成されていることを特徴と
    するル−ツ式流体機械。
  7. 【請求項7】 回転中心軸に平行な歯すじで互いに噛み
    合う一対のロ−タと、各ロ−タを収容するロ−タ室及び
    これと連通する流体の吸入口と吐出口を有するハウジン
    グとを備え、各ロ−タ端面とこれと対向するロ−タ室の
    一方又は両方に、ほぼ径方向の溝を複数箇所に設けてラ
    ビリンスシ−ルを形成し、そのシ−ル機能によって流体
    の漏れを防止することを特徴とするル−ツ式流体機械。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の発明であって、各ロ−タ
    の間で、あるいは、各ロ−タ端面と対向するロ−タ室の
    間で、それぞれの溝が互いに不均等のピッチで配置され
    ていることを特徴とするル−ツ式流体機械。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8936450B2 (en) 2010-07-14 2015-01-20 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Roots fluid machine with reduced gas leakage
CN107218216A (zh) * 2017-07-11 2017-09-29 山东省章丘鼓风机股份有限公司 一种低噪音螺旋型叶轮罗茨鼓风机

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