JP2002130164A - 流体機械 - Google Patents

流体機械

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JP2002130164A
JP2002130164A JP2000319918A JP2000319918A JP2002130164A JP 2002130164 A JP2002130164 A JP 2002130164A JP 2000319918 A JP2000319918 A JP 2000319918A JP 2000319918 A JP2000319918 A JP 2000319918A JP 2002130164 A JP2002130164 A JP 2002130164A
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Japan
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rotor
fluid
seal portion
seal
rotors
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JP2000319918A
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English (en)
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Hideyuki Inose
秀之 猪瀬
Noboru Higano
昇 日向野
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GKN Driveline Japan Ltd
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Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体のシール機能を高く保ちながら、騒音を
低減させる。 【解決手段】 ロータ室27と吸入口29と吐出口31
とを有するケーシング13と、ロータ室27に収容さ
れ、回転中心軸と平行な歯すじ45,47で噛み合うロ
ータ5,7と、ロータ5,7のロータ軸9,11にそれ
ぞれ連結されたヘリカルタイミングギア75,77から
なるタイミングギア組15と、歯すじ45,47の頂部
に形成され、流体の漏れを防止するシール部83,85
と、吐出口31の周囲に形成された開放端部とを備え、
この開放端部とシール部83,85とを相対的に傾斜さ
せたことにより、流体の流出開始点になるこれらの交点
が、ロータ5,7の回転に伴ってその軸方向に移動す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、車両用
のスーパーチャージャに用いられる流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】U.S.Patent 5335640
号登録証に図6のようなルーツ式流体機械201が記載
されている。
【0003】このルーツ式流体機械201は、一対のロ
ータ203,205と、これらを回転自在に収容するケ
ーシング207などから構成されている。
【0004】各ロータ203,205はケーシング20
7のロータ室に収容されており、このロータ室には、流
体の吸入口と吐出口が設けられている。各ロータ20
3,205にはそれぞれ回転中心軸と平行な凹凸状の3
葉の歯すじ209,211が形成されている。また、各
ロータ203,205はタイミングギヤ組によって連結
されている。
【0005】入力側のロータが回転駆動されると、各ロ
ータ203,205はタイミングギヤ組の同期機能によ
って、歯すじ209,211を互いに接触しないように
噛み合わせながら、矢印のように反対方向に回転する。
【0006】ロータ203,205が回転すると、流体
は吸入口からロータ室に吸入され、各ロータ203,2
05とロータ室の壁面との間に形成される閉空間と共に
移動して、吐出口から吐き出される。
【0007】歯すじ209,211の頂部には、シール
部213,215がそれぞれ形成されており、これらの
シール部213,215は、各ロータ203,205と
ロータ室の壁面との隙間及びロータ203,205間の
隙間を可能な限り小さくすることによって、上記閉空間
からの流体漏れを低減させている。
【0008】図6のように、これらのシール部213,
215は凸状に形成されており、図7のように、各ロー
タ203,205の回転中心軸と平行に形成されてい
る。
【0009】また、各シール部213,215には、回
転中心軸と平行な2本のシール溝217,219がそれ
ぞれ設けられており、ロータ203,205とロータ室
の壁面との間及びロータ203,205の間でラビリン
スシールを形成し、流体のシール機能を高めている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のルーツ式流体機
械201では、各ロータ203,205のシール部21
3,215が回転中心軸と平行に配置されており、ま
た、一般に吐出口の縁部(開放端部)も同様に回転中心
軸と平行に形成されているから、シール部213,21
5と開放端部とが平行になっている。
【0011】従って、各ロータ203,205が回転
し、シール部213,215が吐出口の開放端部を越え
たときに、上記閉空間の吐出流体が開放端部の幅方向全
域で一気に開放される。
【0012】このように、吐出流体の開放が極めて短時
間で行われるから、流体の開放時に破裂音(騒音)が生
じると共に、これに伴って吐出圧力が変動する。
【0013】また、図6,7のように、凸状のシール部
213,215を設けたことによって、シール部21
3,215と歯すじ209,211の基礎面221,2
23との間に段差部225,227が形成される。
【0014】これらの段差部225,227によって、
流体の流れに乱れが生じ、風切り音が発生すると共に、
流体に渦流や部分的な圧縮と開放などが生じて破裂音が
発生し、騒音をさらに悪化させる。
【0015】また、回転中心軸と平行なシール溝21
7,219も吐出口の開放端部と平行になっている。
【0016】従って、各ロータ203,205が回転
し、シール溝217,219が吐出口の開放端部と重な
ったとき、シール溝217,219に捕らわれていた流
体が一気に開放され、吐出圧力が変動し、騒音が発生す
る。
【0017】吐出側で流体の逆流が生じるルーツ式流体
機械の場合、吐出圧力のグラフは等振幅で変動するが、
ロータ203,205の各歯すじ209,211が吐出
を開始する際にシール溝217,219の流体が吐出口
に開放されることによって、吐出圧力のグラフの各ピー
クにはそれぞれ2条のシール溝217,219に対応し
て2箇所に小さな圧力変動が生じる。
【0018】この圧力変動によって騒音レベルが悪化す
る上に、騒音が高周波になって耳障りになり易い。
【0019】そこで、この発明は、流体のシール機能を
高く保ちながら、騒音を低減することができる流体機械
の提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1の流体機械は、
ロータ室及びこのロータ室と連通する流体の流入口と流
出口を有するケーシングと、凹凸状の歯すじを有し、ロ
ータ室に収容されて回転するロータと、前記歯すじの頂
部に形成され、流体の漏れを防止するシール部と、ロー
タ室の壁面と流出口との間に形成された開放端部とを備
え、この開放端部とシール部とを相対的に傾斜させたこ
とにより、流体の流出開始点になるこれらの交点が、ロ
ータの回転に伴ってロータの軸方向に移動することを特
徴としている。
【0021】このように吐出口の開放端部とロータのシ
ール部とを相対的に傾斜させる構成は、 (1)軸方向に平行な吐出口の開放端部に対して、ロー
タのシール部を軸方向に傾斜させる構成。
【0022】(2)軸方向に平行なシール部に対して、
吐出口の開放端部を軸方向に傾斜させる構成。
【0023】(3)シール部と開放端部の両方を軸方向
に傾斜させる構成。
【0024】などがあるが、いずれにしても、本発明の
流体機械では、ロータ室の壁面と流出口との間に形成さ
れた開放端部とロータのシール部とを相対的に傾斜させ
たことにより、流体の流出開始点になるこれらの交点
が、ロータの回転に伴ってロータの軸方向に(あるい
は、開放端部の縁に沿って)移動し、流出開始点が移動
している間、ロータと共に回転する閉空間から流体の流
出が連結して行われる。
【0025】このように、流体の流出開始が、従来例の
ように短時間で一気に行われるのではなく、ある程度の
時間を掛けて徐々に行われるから、流体の流出開始に伴
う破裂音(騒音)が低減されて静粛性が向上すると共
に、圧力の変動も軽減され、流体機械の性能が安定す
る。
【0026】また、流入口でも、流出口と同様に、流体
の流入開始が徐々に行われるから、圧力変動と騒音が低
減される。
【0027】また、上記のように、流体の流出開始と流
入開始が徐々に行われることにより、流出と流入が開始
されるときに生じる正圧と負圧(圧縮型の流体機械だけ
でなく、非圧縮型の流体機械でも僅かな圧力が生じる)
によってロータに掛かる制動力が緩和されるから、ロー
タの回転数変動と圧力変動がさらに低減され、これに伴
って騒音も低減される。
【0028】請求項2の発明は、請求項1に記載の流体
機械であって、シール部の頂面が、ロータ室の壁面と同
曲率の面で形成されていることを特徴としており、請求
項1の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0029】また、シール部の頂面をロータ室の壁面と
同曲率の面にしたこの構成では、例えば、ルーツ式流体
機械のようにシール部の頂面とロータ室の壁面との間に
僅かな隙間がある場合は、シール部の頂面全体に亘っ
て、ロータ室壁面との間隔が均一になり、高いシール性
が得られる。
【0030】また、シール部の頂面とロータ室の壁面と
が摺動しながらロータが回転する、例えば、ベーン式流
体機械のような場合は、頂面全体に亘ってシール部がロ
ータ室壁面と接触するから、高いシール性が得られる。
【0031】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載の流体機械であって、シール部が、歯すじ頂部
の基礎面に対して凸状に形成されていることを特徴とし
ており、請求項1または請求項2の構成と同等の作用・
効果を得ることができる。
【0032】また、歯すじの基礎面に対してシール部を
凸状に形成したことによって、基礎面とシール部との間
に段差部が形成され、この段差部によってシール性が向
上し、流体の漏洩が低減される。
【0033】また、基礎面とシール部との間に段差部を
設けたことによって、ロータ室の壁面と基礎面との距離
がそれだけ大きくなり、流体を収容する閉空間の容積が
大きくなるから、移動する流体の量(例えば、吐出量)
が増加する。
【0034】請求項3の流体機械は、これらの理由によ
って、体積効率が向上する。
【0035】また、シール部を軸方向に対して傾斜させ
た上記(1)の構成では、シール部と流体が斜めに当た
るから、シール部と流体が直角に当たる従来例と異なっ
て、段差部による流体の乱れ、風切り音、渦流、部分的
な圧縮と開放、この圧縮と開放に伴う破裂音などが緩和
され、騒音の増加が軽減される。
【0036】請求項4の発明は、請求項3に記載の流体
機械であって、シール部と基礎面との間の段差部が、滑
らかな面で形成されていることを特徴としており、請求
項3の構成と同等の作用・効果を得ることができる。
【0037】また、凸状のシール部と基礎面とを滑らか
な面(傾斜面)で連結したこの構成では、この滑らかな
面が流体と斜めに当たるから、シール部の立ち上がり部
と流体が直角に当たる従来例と異なって、流体の流れを
乱すことが少なくなり、風切り音が軽減される。
【0038】さらに、この滑らかな面によって流体が徐
々に圧縮されるから、渦流や部分的な圧縮と開放、この
圧縮と開放に伴う破裂音などが緩和され、これらに起因
する騒音の増加が軽減される。
【0039】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かに記載の流体機械であって、シール部の範囲の中に、
シール溝が形成されていることを特徴としており、請求
項1〜4の構成と同等の作用・効果を得ることができ
る。
【0040】また、シール溝を形成したことによってシ
ール部のシール機能がさらに向上し、流体の漏洩が低減
され、体積効率が向上する。
【0041】また、ロータが回転駆動されて流体を吸入
し吐出する構成では、ロータの回転に伴ってシール溝と
吐出口の開放端部との交点が移動するから、シール溝に
捕らわれている流体はこの移動に伴って徐々に開放され
る。
【0042】このように、シール溝の流体は、従来例の
ように短時間で一気に開放されるのではなく、ある程度
の時間を掛けて徐々に開放されるから、吐出圧力のグラ
フに、シール溝に起因する従来例のような圧力変動が発
生することがなくなり、騒音レベルの悪化が防止され
る。
【0043】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かに記載の流体機械であって、回転中心軸と平行な歯す
じで互いに噛み合いながら回転する一対のロータと、各
ロータをそれぞれの歯すじが接触しないように反対方向
に同期回転させるタイミングギア組とを備え、流入口か
ら流入した流体が回転中心軸とほぼ直角方向に移動して
流出口から流出するルーツ式流体機械であり、前記のタ
イミングギア組が、各ロ−タのロータ軸にそれぞれ連結
され、互いに噛み合った一対のヘリカルタイミングギア
で構成されており、傾斜したシール部が流体から受ける
スラスト力と、相手側タイミングギアとの噛み合いによ
って各タイミングギアに生じる噛み合いスラスト力とが
互いに相殺する方向に、シール部の傾斜方向とタイミン
グギアの捻れ角とが設定されていることを特徴としてお
り、請求項1〜5の構成と同等の作用・効果を得ること
ができる。
【0044】また、この構成では、傾斜したシール部が
流体から受けるスラスト力(流体から受ける力(例え
ば、吐出圧)の軸方向分力)と、各ロータに連結された
ヘリカルタイミングギアの噛み合いスラスト力とが互い
に相殺し合うから、ロータを支承するベアリングの負担
が軽減され、耐久性が向上する。
【0045】また、ロータのスラスト力が、ヘリカルタ
イミングギアの歯面に掛かる力を軽減する方向に働くか
ら、各ヘリカルタイミングギアの耐久性も向上する。
【0046】また、従来は、ヘリカルタイミングギアの
噛み合いスラスト力を受けるために、ロータの軸受けに
は高価なアンギュラーコンタクトベアリングが用いられ
ているが、ヘリカルタイミングギアの噛み合いスラスト
力がキャンセルされるこの構成では、安価なベアリング
を用いることが可能になり、それだけコストが低減され
る。
【0047】また、シール部を歯すじと共に回転中心軸
に対して傾斜させるのではなく、回転中心軸と平行な歯
すじに傾斜したシール部を設けるだけで、上記のような
効果が得られ、ロータの成形コストが大幅に低減され
る。
【0048】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]図1,2,3,
4によってスーパーチャージャ1(本発明の第1実施形
態:流体機械:ルーツ式流体機械)の説明をする。
【0049】スーパーチャージャ1は請求項1,2,
3,4,6の特徴を備えている。図1,2はこのスーパ
ーチャージャ1を示しており、符号を与えていない部材
等は図示されていない。
【0050】スーパーチャージャ1は、ルーツ式の流体
機械であって、入力プーリ3、ロータ5,7、ロータ軸
9,11、ケーシング13、タイミングギア組15、エ
ンドカバー17などから構成されている。
【0051】入力プーリ3は入力側ロータ5のロータ軸
9にスプライン連結され、ナットで固定されている。入
力プーリ3はベルトを介してエンジン側のプーリに連結
されており、エンジンの駆動力をロータ5に伝達する。
【0052】ケーシング13は、ケーシング本体19と
プレート21からなり、プレート21はノックピン23
によってケーシング本体19に位置決めされている。ま
た、プレート21は、エンドカバー17と共に、ボルト
25によってケーシング本体19に固定されている。
【0053】図2のように、ケーシング13には、ロー
タ室27と、これと連通する吸入口29(流入口)と吐
出口31(流出口)とが形成されている。
【0054】また、図1のように、エンドカバー17と
プレート21との間にはギア室33が形成されており、
タイミングギア組15はこのギア室33に収容されてい
る。ギア室33にはエンドカバー17のオイルフィラー
35からオイルが注入され、オイル溜りが形成されてい
る。また、エンドカバー17とプレート21との間には
Oリング37が配置されており、ギア室33から外部へ
のオイル洩れを防止している。
【0055】ロータ5,7は、ロータ室27に収容され
ている。
【0056】一方のロータ5はロータ軸9とロータ本体
39とから構成されており、他方のロータ7はロータ軸
11とロータ本体41とから構成されている。
【0057】各ロータ軸9,11と各ロータ本体39,
41は、互いの間に設けられたねじ部を相対回転させ、
小径の圧入部と大径の圧入部をそれぞれ圧入して組付け
られている。
【0058】図2のように、各ロータ本体39,41に
はロータ5,7の回転中心軸43(図3)に対して平行
な2条の山歯45,47(凸状の歯すじ)が形成されて
いる。各山歯45,47の間には谷歯49,51(凹状
の歯すじ)が形成されており、それぞれの山歯45,4
7は相手側の谷歯51,49と噛み合っている。
【0059】各山歯45,47には、それぞれを軸方向
に貫通した空洞部53,55が形成されており、ロータ
5,7の慣性モーメントを低減させ、スーパーチャージ
ャ1の効率とエンジンの燃費とを向上させている。
【0060】図1のように、各ロータ軸9,11は、ロ
ータ本体39,41の左側でシール型のボールベアリン
グ57,59により、また、ロータ本体39,41の右
側でボールベアリング61,63により、それぞれケー
シング本体19とプレート21に支承されている。
【0061】シール型のボールベアリング57,59に
よってロータ室27から外部への吸気洩れと、塵や埃な
どの侵入とが防止されている。
【0062】また、ボールベアリング61,63の左側
にはロータ軸9,11とケーシング13(プレート2
1)との間にシール65,67がそれぞれ配置されてお
り、ロータ室27からギア室33への吸気漏れと、ギア
室33からロータ室27へのオイル洩れとを防止してい
る。
【0063】また、ケーシング本体19に設けられたベ
アリングハウジング69(ボールベアリング59用)の
開口部71にはスナップリングによってカバー73が装
着されており、開口部71からの塵や埃などの侵入を防
止している。
【0064】タイミングギア組15は互いに噛み合った
一対のヘリカルタイミングギア75,77から構成され
ている。タイミングギア75はテーパーリング固定機構
によってロータ軸9の右端部に固定されており、タイミ
ングギア77はロータ軸11の右端部に圧入されてい
る。
【0065】テーパーリング固定機構は、テーパーリン
グとロータ軸9の右端に螺着されるナットからなり、タ
イミングギア75とロータ軸9との間にテーパーリング
をナットで押し込むことによって、タイミングギア75
を回転方向に位置決めする。
【0066】タイミングギア75の位置決めは、各ロー
タ5,7の山歯45,47と谷歯51,49とを互いに
接触しないように噛み合わせた状態で、タイミングギア
75をタイミングギア77に噛み合わせて行う。
【0067】プーリ3から入力したエンジンの駆動力
は、タイミングギア組15を介してロータ5,7を回転
させる。このとき、タイミングギア組15は、図2の矢
印79,81のように、ロータ5,7を互いに接触しな
いように反対方向に同期回転させる。
【0068】ロータ5,7が回転すると、スーパーチャ
ージャ1は吸入口29から吸入した吸気を吐出口31か
ら吐出してエンジンに供給する。
【0069】図2のように、山歯45,47の頂部には
シール部83,85がそれぞれ設けられており、これら
のシール部83,85は、山歯45,47の頂部の基礎
面87,89に対して凸状に形成されている。
【0070】図1,3のように、シール部83,85
は、回転中心軸43に対して互いに反対方向に、同一の
角度で傾斜している。
【0071】また、各シール部83,85は、ロータ室
27の壁面との隙間及び相手側ロータ5,7の谷歯5
1,49との隙間が(これらを互いに接触させない範囲
で)可能な限り小さくなるように形成されており、吸気
を吸入口11から吐出口13へ移送するこれらの閉空間
からの吸気漏れを低減させている。
【0072】また、シール部83,85の頂面にはロー
タ室27の壁面と同一の曲率が与えられており、各頂面
全体に亘ってロータ室27の壁面との間隔が均一になる
から、高いシール性が得られる。
【0073】なお、これらのシール部83,85の幅
(長手方向に対して直角の寸法)は、6〜9mmであ
る。
【0074】また、シール部83,85を凸状に形成し
たことによって、シール部83,85の回転方向両側と
基礎面87,89との間には段差部91,93が形成さ
れている。これらの段差部91,93は、シール部8
3,85側に設けた凸状のR部と基礎面87,89側に
設けた凹状のR部とを、局部的な凹凸のない滑らかな曲
面で連結して形成されている。
【0075】図2のように、ロータ室27の壁面には、
吐出口13の周辺で、矢印95のように、切削加工が施
されており、この加工によって、吐出口13とロータ室
27の壁面との間には、図3のように、矩形の縁部97
が形成されている。
【0076】この縁部97は、軸方向線99に対して平
行な開放端部101,103と、軸方向線99に対して
直角な端部105,107から形成されており、ロータ
5は開放端部101側から吐出口31に吸気を吐出し、
ロータ7は開放端部103側から吐出口31に吸気を吐
出する。
【0077】また、軸方向線99に直角な端部105,
107を形成して縁部97を軸方向に広げたことによ
り、シール部83,85の大部分が開放端部101,1
03とそれぞれ交差するようにされている。
【0078】上記のように、シール部83,85は回転
中心軸43に対して傾斜しており、開放端部101,1
03は軸方向線99に対して平行であることにより、こ
れらは互いに傾斜している。
【0079】図3はロータ5の例を示しており、ロータ
5は図1,3の矢印109の方向に回転する。このと
き、シール部83の左側(図3の左側)に形成された閉
空間111には次に吐出される吸気があり、ロータ5の
回転に伴ってシール部83が開放端部101を通過する
と、この吸気の吐出が開始される。
【0080】このとき、互いに傾斜しているシール部8
3と開放端部101の交点が吸気の流出開始点になり、
ロータ5の回転に伴って、この交点がロータ本体39の
軸方向に(あるいは、開放端部101の縁に沿って)移
動し、交点(流出開始点)が移動している間、ロータ5
と共に回転する閉空間から吸気の吐出が徐々に開始され
る。
【0081】ロータ7の場合も、これと同様に、シール
部85と開放端部103との傾斜によって吸気の吐出開
始が徐々に行われる。
【0082】このように、吸気の吐出開始が、従来例の
ように短時間で一気に行われるのではなく、ある程度の
時間を掛けて徐々に行われるから、吸気の吐出開始に伴
う破裂音(騒音)が低減されて静粛性を向上すると共
に、吐出圧の変動も軽減され、スーパーチャージャ1の
性能が安定する。
【0083】また、吸入側でも、シール部83,85と
吸入口29との傾斜によって、吐出側と同様に、吸気の
吸入開始が徐々に行われるから、圧力変動と騒音が低減
される。
【0084】また、このように吸気の吐出開始と吸入開
始の両方が徐々に行われるから、吐出開始時と吸入開始
時にロータ5,7に掛かる正圧と負圧(非圧縮型のスー
パーチャージャ1:ルーツ式流体機械でも圧力が生じ
る)によってロータ5,7の回転を制動する力が緩和さ
れ、ロータ5,7の回転数変動と吐出圧変動がさらに低
減され、これに伴って騒音も低減される。
【0085】また、上記のように、端部105,107
を形成して吐出口31の縁部97を軸方向に広げ、各シ
ール83,85の大部分が開放端部101,103とそ
れぞれ交差するようにしたことにより、騒音の低減効
果、回転数及び吐出圧の安定化効果などがさらに向上す
る。
【0086】また、回転中心軸43に対して傾斜したシ
ール部83,85が吸気と斜めに当たるから、シール部
213,215と流体が直角に当たる従来例と異なっ
て、シール部83,85(段差部91,93)による吸
気の乱れ、風切り音、渦流、吸気の部分的な圧縮と開
放、この圧縮と開放に伴う破裂音などが緩和され、これ
らに起因する騒音の増加が軽減される。
【0087】さらに、凸状のシール部83,85と基礎
面87,89との間では、これらを滑らかな傾斜面で連
結した段差部91,93が吸気と斜めに当たるから、シ
ール部213,215の立ち上がり部と流体が直角に当
たる従来例と異なって、吸気の流れを乱すことが少な
く、風切り音が軽減される。
【0088】また、滑らかな段差部91,93によって
吸気が徐々に圧縮されるから、渦流や部分的な圧縮と開
放、この圧縮と開放による破裂音などが緩和され、騒音
の増加が軽減される。
【0089】図4は、回転数(rpm)の変化に対する
吐出側の騒音(dB)の変化を従来例のルーツ式流体機
械と実施形態のスーパーチャージャ1との間で比較した
グラフである。一点鎖線のグラフ251は従来例のグラ
フであり、実線のグラフ113はスーパーチャージャ1
のグラフである。
【0090】これらのグラフ251,113が示すよう
に、スーパーチャージャ1の騒音レベルは、上記のよう
な騒音低減効果によって、ほぼ全ての回転数域で従来例
を下回っており、静粛性が向上していることが分かる。
特に、従来例との差は、回転数が上昇する程大きくな
り、騒音低減効果が著しくなっている。
【0091】また、図1のように、ロータ5とそのタイ
ミングギア75は矢印109の方向に回転し、ロータ7
とそのタイミングギア77はこれらと反対方向に回転す
る。
【0092】このとき、ロータ7のシール部85には吐
出する吸気の吐出圧によって直角方向の力115が掛か
り、ロータ軸11にはその軸方向成分であるスラスト力
117が発生する。また、タイミングギア77には、タ
イミングギア75との噛み合いによって噛み合いスラス
ト力119が発生する。
【0093】シール部85の傾斜方向とタイミングギア
77の捻れ方向は、スラスト力117と噛み合いスラス
ト力119が反対方向になるように設定されており、こ
れらのスラスト力117,119はロータ軸11上で相
殺される。
【0094】また、ロータ5では、シール部83に掛か
る吸気の吐出圧によってロータ軸9にスラスト力121
が発生し、タイミングギア75には、タイミングギア7
7との噛み合いによって噛み合いスラスト力123が発
生する。
【0095】シール部83の傾斜方向とタイミングギア
75の捻れ方向は、スラスト力121と噛み合いスラス
ト力123が反対方向になるように設定されており、こ
れらのスラスト力121,123はロータ軸9上で相殺
される。
【0096】このように、各ロータ5,7に生じるスラ
スト力121,117がタイミングギア75,77の噛
み合いスラスト力123,119によってそれぞれキャ
ンセルされるから、ロータ5,7を支承するベアリング
57,61、59,63の負担が大幅に軽減され、耐久
性が向上する。
【0097】また、ロータ5,7のスラスト力121,
117が、タイミングギア75,77の歯面に掛かる力
を軽減する方向に働くから、タイミングギア75,77
の耐久性も向上する。
【0098】また、従来は、タイミングギア75,77
の噛み合いスラスト力123,119を受けるために、
ロータの軸受けには高価なアンギュラーコンタクトベア
リングが用いられているが、噛み合いスラスト力12
3,119がキャンセルされるスーパーチャージャ1で
は、安価なベアリング57,61、59,63を用いる
ことが可能になり、それだけコストが低減されている。
【0099】こうして、スーパーチャージャ1が構成さ
れている。
【0100】スーパーチャージャ1は、上記のように、
ロータ5,7のシール部83,85を吐出口31の開放
端部101,103に対して傾斜させたことにより、従
来例と異なって、吸気の吐出が徐々に開始されるから、
吐出口31での破裂音(騒音)が低減されて静粛性を向
上すると共に、吐出圧力の変動も軽減され、性能が安定
する。
【0101】また、吸入口29でも、吸気の流入開始が
徐々に行われて圧力変動と騒音が低減される。
【0102】また、吸気の吐出と吸入が開始されるとき
に発生する正圧と負圧によってロータ5,7に掛かる制
動力が緩和され、回転数変動と吐出圧変動と騒音がさら
に低減される。
【0103】また、ロータ室27の壁面と同一の曲率が
与えられているシール部83,85の頂面全体に亘って
ロータ室27の壁面との間隔が均一になり、高いシール
性が得られる。
【0104】また、凸状のシール部83,85に伴って
生じた段差部91,93により、シール性が向上し、吸
気の漏洩が低減される。
【0105】また、凸状のシール部83,85を形成し
たことにより、ロータ室27の壁面と基礎面87,89
との距離が大きくなり、吸気の吐出量が増加し、効率が
向上する。
【0106】また、シール部83,85を回転中心軸4
3に対して傾斜させたこと、及び、シール部83,85
と基礎面87,89との間に滑らかな段差部91,93
を形成したことにより、シール部83,85と段差部9
1,93に吸気が斜めに当たるから、従来例と異なっ
て、吸気の流れを乱すことが少なくなり、風切り音が軽
減され、さらに、傾斜したシール部83,85と滑らか
な段差部91,93によって吸気が徐々に圧縮されるか
ら、吸気の渦流、吸気の部分的な圧縮と開放、この圧縮
と開放に伴う破裂音などが防止され、騒音の増加が軽減
される。
【0107】また、シール部83,85が吸気から受け
るスラスト力121,117が、ヘリカルタイミングギ
ア75,77の噛み合いスラスト力123,119によ
ってキャンセルされるから、ロータ5,7を支承するベ
アリング57,61、59,63の負担が軽減されて耐
久性が向上すると共に、ヘリカルタイミングギア75,
77の歯面に掛かる負担が軽減され、これらの耐久性も
向上する。
【0108】また、このようにロータ軸9,11上のス
ラスト力がキャンセルされるから、高価なアンギュラー
コンタクトベアリングの代わりに、安価なベアリング5
7,61、59,63を用いて低コストに実施すること
ができる。
【0109】また、シール部を歯すじと共に回転中心軸
に対して傾斜させるのではなく、回転中心軸43と平行
な歯すじ45,47に傾斜したシール部83,85を設
けるだけで上記のような効果が得られるから、歯すじを
回転中心軸に対して傾斜させる構成と較べて、ロータ
5,7の成形コストが大幅に低減され、それだけ低コス
トに実施できる。
【0110】[第2実施形態]図5によってスーパーチ
ャージャ(本発明の第2実施形態:流体機械:ルーツ式
流体機械)の説明をする。
【0111】第2実施形態のスーパーチャージャは、第
1実施形態のスーパーチャージャ1において、ロータ
5,7のシール部83,85にそれぞれシール溝を設け
たものであり、請求項1,2,3,4,5,6の特徴を
備えている。
【0112】以下、スーパーチャージャ1と同機能の部
材には同一の符号を与えて引用しながら、相違点を説明
する。
【0113】図5はロータ5を示しており、シール部8
3には、その中心を通るシール溝151が形成されてい
る。同様に、ロータ7のシール部85にも、その中心を
通るシール溝が形成されている。
【0114】これらのシール溝によって、シール部8
3,85とロータ室27の壁面との間と、シール部8
3,85と相手側の谷歯51,49との間のシール性が
向上し、スーパーチャージャの機械効率がさらに向上し
ている。
【0115】また、シール部83,85の中心を通る各
シール溝は、それぞれ開放端部101,103に対して
傾斜している。
【0116】また、端部105,107によって吐出口
31の縁部97を軸方向に広げたことにより、各シール
溝は大部分が開放端部101,103とそれぞれ交差す
るようにされている。
【0117】ロータ5が回転すると、吸気の吐出に先立
って、シール溝151が開放端部101と交差し、これ
らの交点は開放端部101に沿って移動する。このと
き、シール溝151に捕らえられていた吸気は、シール
溝151と開放端部101とが交差したときに開放が開
始され、交点が移動している間連続して吐出される。
【0118】ロータ7の場合も、同様に、シール溝に捕
らえられていた吸気はシール溝と開放端部103とが交
差し、その交点が移動する間連続して吐出される。
【0119】このように、各シール溝の吸気は、短時間
に一気に開放されるのではなく、徐々に吐出される。
【0120】従って、シール溝217,219が吐出口
の開放端部と平行に形成されている従来例のルーツ式流
体機械201と異なり、吐出圧力のグラフに、シール溝
に起因するピークが生じることがなくなり、騒音レベル
の悪化が防止される。
【0121】また、各シール溝の大部分が開放端部10
1,103とそれぞれ交差するから、騒音低減効果がさ
らに向上する。
【0122】また、各シール溝は、それぞれシール部8
3,85の範囲内に設けられており、シール部83,8
5のシール作用が保全されるから、吸気のシール機能が
高く保たれ、吐出圧力の低下が防止される。
【0123】こうして、第2実施形態のスーパーチャー
ジャが構成されている。
【0124】このスーパーチャージャは、ロータ5,7
のシール部83,85に設けたシール溝によってシール
性と機械効率が向上すると共に、シール溝の吸気が徐々
に吐出され、騒音レベルの悪化が防止される。
【0125】これに加えて、第2実施形態のスーパーチ
ャージャは、シール溝を設けたことによる効果を除い
て、スーパーチャージャ1と同等の効果が得られる。
【0126】なお、本発明の流体機械において、請求項
1の作用欄で説明したように、吐出口の開放端部とロー
タのシール部とを相対的に傾斜させる構成には、軸方向
に平行な開放端部に対してシール部を軸方向に傾斜させ
る実施形態のような構成の他に、軸方向に平行なシール
部に対して開放端部を軸方向に傾斜させる構成と、シー
ル部と開放端部の両方を軸方向に対して傾斜させる構成
などがあり、いずれも、流体の流出開始と流入開始が徐
々に行われて騒音レベルが低くなると共に、効率が高く
保たれる。
【0127】また、ロータのシール部と吐出口の開放端
部は互いに傾斜していれば、本発明の効果が得られるか
ら、この限りにおいて、シール部と開放端部は直線状に
限らず、任意の曲線状にしてもよい。
【0128】また、本発明の流体機械において、シール
部の傾斜角は任意に設定することが可能であり、流体機
械の種類、使用目的、負荷などに応じて、最も大きな騒
音低減効果、流体圧の安定化効果を得ることができる。
【0129】また、シール部の頂面は、ロータ室の壁面
と同じ曲率に限らず、例えば、平面でも、あるいは、任
意の曲率の凹面でも凸面でもよく、シール性と加工性と
のバランスによって、任意の形状の面を選択すればよ
い。
【0130】また、請求項5の構成において、シール溝
は、シール部の外部に出ない範囲で、傾斜させてもよ
く、その場合、これらは互いに同方向に傾斜させても、
反対方向に傾斜させてもよい。
【0131】このようにシール溝の傾斜角を変えること
によって、シール溝の流体が開放される時間が変わり、
騒音の低減効果を調整できる。
【0132】また、シール溝は複数本設けてもよく、こ
れらは互いに不連続でもよい。
【0133】また、シール溝の断面形状は、例えば、3
角形、矩形、円や楕円の一部のような、任意の形状を選
択できる。
【0134】なお、本発明の流体機械は、ルーツ式の流
体機械に限らない。
【0135】例えば、ベーン式の流体機械、スクロール
式の流体機械、ロータリー式の流体機械などでも実施可
能であり、それぞれのロータと流出口の開放端部とを傾
斜させることによって、上記と同様の効果を得ることが
できる。
【0136】また、本発明の流体機械は、ロータを回転
駆動して流体を移動させるポンプやコンプレッサに限ら
ず、流体圧を与えてロータから回転を取り出すタービン
(膨張器)として用いてもよい。
【0137】
【発明の効果】請求項1の流体機械は、流体の流出が徐
々に開始されるから、流体の流出開始に伴う破裂音と吐
出圧力の変動が低減され、性能が安定する。
【0138】また、流入側でも、流体の流入が徐々に開
始されるから、騒音と圧力変動とが低減される。
【0139】また、流出と流入の開始時にロータに掛か
る制動力が緩和され、回転変動、圧力変動、騒音がさら
に低減される。
【0140】請求項2の流体機械は、請求項1の構成と
同等の効果を得ることができる。
【0141】また、ルーツ式流体機械のようにシール部
の頂面とロータ室の壁面との間に僅かな隙間がある場合
は、シール部の頂面全体に亘ってロータ室壁面との間隔
が均一になり、高いシール性が得られる。
【0142】また、シール部の頂面とロータ室の壁面と
が摺動しながらロータが回転するベーン式流体機械のよ
うな場合は、頂面全体に亘ってシール部がロータ室壁面
と接触するから、高いシール性が得られる。
【0143】請求項3の流体機械は、請求項1または請
求項2の構成と同等の効果を得ることができる。
【0144】また、凸状のシール部によって、シール性
が向上し流体の漏洩が低減されると共に、流体を収容す
る閉空間の容積が大きくなり、移動する流体の量(例え
ば、吐出量)が増加し、体積効率が向上する。
【0145】また、シール部を軸方向に対して傾斜させ
た構成では、段差部による流体の乱れ、風切り音、渦
流、部分的な圧縮と開放、破裂音などが緩和され、騒音
の増加が軽減される。
【0146】請求項4の流体機械は、請求項3の構成と
同等の効果を得ることができる。
【0147】また、凸状のシール部と基礎面との間の滑
らかな段差部が流体と斜めに当たることにより、流体の
乱れと風切り音が軽減されると共に、流体が徐々に圧縮
されて、渦流、部分的な圧縮と開放、破裂音などが緩和
され、騒音の増加が軽減される。
【0148】請求項5の流体機械は、請求項1〜4の構
成と同等の効果を得ることができる。
【0149】また、シール溝のシール作用によって流体
の漏洩がさらに低減し、体積効率が向上する。
【0150】また、流体を吐出する構成では、シール溝
に捕らわれている流体の開放が徐々に行われ、吐出圧力
に変動が発生することがなくなり、騒音レベルの悪化が
防止される。
【0151】請求項6の流体機械は、請求項1〜5の構
成と同等の効果を得ることができる。
【0152】また、ロータに生じるスラスト力とヘリカ
ルタイミングギアの噛み合いスラスト力とが相殺され、
ベアリングとヘリカルタイミングギアの負担が軽減さ
れ、これらの耐久性が向上する。
【0153】また、ヘリカルタイミングギアの噛み合い
スラスト力を負担するための高価なアンギュラーコンタ
クトベアリングが不要になり、安価なベアリングを用い
て低コストに実施できる。
【0154】また、シール部を歯すじと共に回転中心軸
に対して傾斜させずに、回転中心軸と平行な歯すじに傾
斜したシール部を設けるだけで上記のような効果が得ら
れ、ロータの成形コストが大幅に低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の実施形態においてシール部と開放端部と
の傾斜を示す図面である。
【図4】実施形態と従来例との間で騒音レベルを比較す
るグラフである。
【図5】第2実施形態に用いられているロータを示す図
面である。
【図6】従来例の横断面図である。
【図7】図6の従来例に用いられているロータの要部を
示す図面である。
【符号の説明】
1 スーパーチャージャ(流体機械:ルーツ式流体機
械) 5,7 ロータ 13 ケーシング 15 タイミングギア組 27 ロータ室 29 吸入口(流入口) 31 吐出口(流出口) 45,47 山歯(回転中心と平行な歯すじ) 75,77 タイミングギア組15を構成するヘリカル
タイミングギア 83,85 凸状のシール部 87,89 山歯45,47の頂部の基礎面 91,93 滑らかな段差部 101,103 吐出口31の開放端部 117,121 ロータ7,5に生じるスラスト力 119,123 タイミングギア77,75に生じる噛
み合いスラスト力 151 シール部83に設けられたシール溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータ室及びこのロータ室と連通する流
    体の流入口と流出口を有するケーシングと、 凹凸状の歯すじを有し、ロータ室に収容されて回転する
    ロータと、 前記歯すじの頂部に形成され、流体の漏れを防止するシ
    ール部と、 ロータ室の壁面と流出口との間に形成された開放端部と
    を備え、 この開放端部とシール部とを相対的に傾斜させたことに
    より、流体の流出開始点になるこれらの交点が、ロータ
    の回転に伴ってロータの軸方向に移動することを特徴と
    する流体機械。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明であって、シール
    部の頂面が、ロータ室の壁面と同曲率の面で形成されて
    いることを特徴とする流体機械。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の発明で
    あって、シール部が、歯すじ頂部の基礎面に対して凸状
    に形成されていることを特徴とする流体機械。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の発明であって、シール
    部と基礎面との間の段差部が、滑らかな面で形成されて
    いることを特徴とする流体機械。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の発明で
    あって、シール部の範囲の中に、シール溝が形成されて
    いることを特徴とする流体機械。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の発明で
    あって、回転中心軸と平行な歯すじで互いに噛み合いな
    がら回転する一対のロータと、各ロータをそれぞれの歯
    すじが接触しないように反対方向に同期回転させるタイ
    ミングギア組とを備え、流入口から流入した流体が回転
    中心軸とほぼ直角方向に移動して流出口から流出するル
    ーツ式流体機械であり、前記のタイミングギア組が、各
    ロ−タのロータ軸にそれぞれ連結され、互いに噛み合っ
    た一対のヘリカルタイミングギアで構成されており、傾
    斜したシール部が流体から受けるスラスト力と、相手側
    タイミングギアとの噛み合いによって各タイミングギア
    に生じる噛み合いスラスト力とが互いに相殺する方向
    に、シール部の傾斜方向とタイミングギアの捻れ角とが
    設定されていることを特徴とする流体機械。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013158554A3 (en) * 2012-04-17 2014-05-08 Eaton Corporation Supercharger rotor with uneven tip surface and method of manufacturing same
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