JP2000212291A - ノンハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物の製造方法 - Google Patents

ノンハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物の製造方法

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JP2000212291A
JP2000212291A JP11020833A JP2083399A JP2000212291A JP 2000212291 A JP2000212291 A JP 2000212291A JP 11020833 A JP11020833 A JP 11020833A JP 2083399 A JP2083399 A JP 2083399A JP 2000212291 A JP2000212291 A JP 2000212291A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン化物を含まないオレフィン系樹脂を
主成分とし、成形時に発泡を生じることなく外観不良を
招くことのないようにする。 【解決手段】 オレフィン系樹脂にシランカップリング
剤をグラフト重合させたコンパウンドに金属水酸化物を
配合してなる成分(A成分)と、オレフィン系樹脂に架
橋剤、架橋触媒を配合してなる成分(B成分)とを混練
加熱架橋して成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノンハロゲン難燃
シラン架橋ポリオレフィン組成物の製造方法に係り、成
形時に発泡を生じることなく外観不良を招くことのない
ノンハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐電圧及び絶縁抵抗が比較的高く、生産
コストが低く、単独で難燃性に優れているところから電
線・ケーブルの絶縁体やシースとして従来よりポリ塩化
ビニル樹脂組成物(ハロゲン化物)が多く用いられてい
る。ところが、このようなポリ塩化ビニル樹脂組成物を
用いた従来の電線・ケーブルにあっては、例えば、焼却
廃却処分する際、ポリ塩化ビニル樹脂組成物から腐食性
を有する塩化水素ガスが発生する。そこで、近年、ハロ
ゲン化物を用いない絶縁体やシースとしてポリエチレン
等のオレフィン系樹脂組成物を用いる試みが自動車のワ
イヤハーネス、屋内配線等の高温を発する箇所の電線・
ケーブルの絶縁体・シースになされている。このオレフ
ィン系樹脂組成物は、単独では難燃性を有しておらず、
所定の難燃性を持たせるために、水酸化マグネシウム等
の金属水酸化物を混合している。
【0003】しかし、このように金属水酸化物を混合し
たオレフィン系樹脂組成物は、ハロゲン系ガスの発生は
防止できるが、燃焼時に溶融して落下してしまうという
問題があり、近年、耐熱性を向上するためシラン架橋す
ることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに水酸化マグネシウム等の金属水酸化物によってノン
ハロゲン難燃化したベースコンパウンドに対して、シラ
ンカップリング剤を添加して架橋させたノンハロゲン難
燃シラン架橋ポリオレフィン組成物は、その押出し時に
金属水酸化物とシランカップリング剤の反応により発泡
を生じてしまうという問題がある。
【0005】本発明の目的は、ハロゲン化物を含まない
オレフィン系樹脂を主成分とし、成形時に発泡を生じる
ことなく外観不良を招くことのないようにすることにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載のノンハロゲン難燃シラン架橋ポリ
オレフィン組成物の製造方法は、オレフィン系樹脂にシ
ランカップリング剤をグラフト重合させたコンパウンド
に金属水酸化物を配合してなる成分(A成分)と、オレ
フィン系樹脂に架橋触媒、架橋剤を配合してなる成分
(B成分)とを混練加熱架橋して成形するようにしたも
のである。
【0007】すなわち、請求項1に記載の発明は、ノン
ハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物を製造す
るに2つの成分に分け、一方の成分を、オレフィン系樹
脂にシランカップリング剤をグラフト重合させたコンパ
ウンドに金属水酸化物を配合して構成する成分(A成
分)とし、他方の成分を、オレフィン系樹脂に架橋触
媒、架橋剤を配合して構成した成分(B成分)とした点
に特徴を有している。これら2つの成分には、必要に応
じて加工助剤、酸化防止剤が配合される。上記目的を達
成するために、請求項2に記載のノンハロゲン難燃シラ
ン架橋ポリオレフィン組成物の製造方法は、ポリオレフ
ィンエラストマー100重量部に対してシランカップリ
ング剤を1〜3重量部、架橋剤を0.025〜0.06
3重量部配合し加熱混練してシランカップリング剤をポ
リオレフィンエラストマーにグラフト重合させたコンパ
ウンドに金属水酸化物を100重量部ミキシングロール
にて混練しペレット化したノンハロゲン難燃シラングラ
フトマー(A成分)と、ポリオレフィンエラストマー1
00重量部に対して、架橋剤を1.0〜3.12重量
部、架橋触媒を7.14〜31.3重量部を含浸処理し
た触媒マスターバッチ(B成分)の2成分を加熱混練し
て成形するようにしたものである。
【0008】具体的には、A成分は、ベース樹脂である
ポリオレフインエラストマー100重量部に対してシラ
ンカップリング剤(シラン化合物)を1〜3重量部、及
び架橋剤を0.025〜0.063重量部添加し200
℃の押出機で混練押出してシランカップリング剤をベー
ス樹脂(ポリオレフインエラストマー)にグラフト重合
させたコンパウンドに金属水酸化(水酸化マグネシウ
ム)をミキシングロールにて混練しペレット化(ノンハ
ロゲン難燃シラングラフトマー)して形成する。B成分
は、ポリオレフィンエラストマー100重量部に対し
て、架橋剤を1.0〜3.13重量部、架橋触媒を7.
14〜31.3重量部を配合し、混合槽の下部にて高速
回転するインペラーによって、流動化した状態で混合す
る混合装置(具体的には、ドイツのヘンシェル社のへン
シェルミキサー)にて含浸処理して、触媒マスターバッ
チとして形成する。そして、このA成分、B成分の2つ
の成分を押出機に投入し、混練加熱し架橋してノンハロ
ゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物を製造する。
【0009】A成分において、シランカップリング剤
(シラン化合物)は、ポリオレフィンエラストマー10
0重量部に対して1〜3重量部配合している。このシラ
ンカップリング剤(シラン化合物)をポリオレフィンエ
ラストマー100重量部に対して1〜3重量部配合した
のは、シランカップリング剤(シラン化合物)の配合量
が1重量部を下回ると、ポリオレフィンエラストマーを
十分に架橋できないからであり、シランカップリング剤
(シラン化合物)を3重量部を超えて配合してもシラン
グラフトマーの分子間の橋かけ反応に寄与しないからで
ある。
【0010】また、A成分において、架橋剤はシランカ
ップリング剤をポリオレフィンエラストマーにグラフト
重合させるために配合するもので、ポリオレフィンエラ
ストマー100重量部に対して0.025〜0.063
重量部配合してある。この架橋剤をポリオレフィンエラ
ストマー100重量部に対して0.025〜0.063
重量部配合したのは、架橋剤の配合量が0.025重量
部を下回ると、シランカップリング剤をポリオレフィン
エラストマーにグラフト重合させることができないから
であり、架橋剤を0.063重量部より超えて配合して
も、それ以上のシランカップリング剤のポリオレフィン
エラストマーへのグラフト重合がなされないからであ
る。すなわち、ポリオレフィンエラストマー100重量
部に対して0.025〜0.063重量部配合される架
橋剤の量は、シランカップリング剤をポリオレフィンエ
ラストマーにグラフト重合させるために必要で、かつ十
分な量である。そして、A成分において、金属水酸化物
は、オレフィン系樹脂に用いられる無機系難燃剤で、オ
レフィン系樹脂組成物に難燃作用を持たせるものであ
り、この金属水酸化物がオレフィン系樹脂に配合されな
いで加熱加工成形されたオレフィン系樹脂組成物は、難
燃性を全く示さないものとなる。この金属水酸化物に
は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
ジルコニウム、水酸化カリウム等がある。この金属水酸
化物をオレフィン系樹脂に配合することによってオレフ
ィン系樹脂が燃焼し難くなり、燃焼した際に燃え殻を炭
化させ保形性を持たせる作用を有している。これらの金
属水酸化物は、1種類(例えば、水酸化マグネシウム)
を選択して配合することも、2種類以上(例えば、水酸
化マグネシウムと水酸化アルミニウム)選択して配合す
ることもできる。この金属水酸化物の配合量は、製造さ
れるシラン架橋ポリオレフィン組成物を所定の難燃性を
持たせるのに必要な量で、金属水酸化物の配合量をポリ
オレフィンエラストマー100重量部に対して100重
量部としたのは、シラン架橋ポリオレフィン組成物を難
燃化するのに十分な量であるからである。この金属水酸
化物を大量(例えば、200重量部以上)に配合すると
機械的衝撃に対する耐摩耗性が低下してしまうので適当
ではない。このように金属水酸化物をポリオレフィンエ
ラストマー100重量部に対して100重量部配合して
いるのは、A成分を難燃化するためのものである。
【0011】B成分において、A成分のポリオレフィン
エラストマーをシラン架橋するため、架橋剤をポリオレ
フィンエラストマー100重量部に対して1.0〜3.
13重量部を配合し、架橋触媒をポリオレフィンエラス
トマー100重量部に対して7.14〜31.3重量部
含浸処理してある。B成分における架橋剤は、ポリオレ
フィンエラストマーをシラン架橋するに必要なもので、
ポリオレフィンエラストマー100重量部に対して1.
0〜3.13重量部配合してある。この架橋剤の配合量
をポリオレフィンエラストマー100重量部に対して
1.0〜3.13重量部としたのは、架橋剤の配合量が
1.0重量部を下回ると、ポリオレフィンエラストマー
にシランカップリング剤をグラフト重合させたコンパウ
ンドに金属水酸化物を混練しペレット化してなるA成分
を完全にシラン架橋することができないからであり、架
橋剤を3.13重量部を超えて配合しても、超えて配合
された架橋剤は、ポリオレフインエラストマーにシラン
カップリング剤をグラフト重合させたコンパウンドに金
属水酸化物を混練しペレット化してなるA成分をシラン
架橋のために使用されないからである。また、架橋剤の
配合量の増減は、A成分に対するB成分の割合を増やし
たり減らしたりすことで可能となり、A成分に配合する
架橋剤の配合量は、B成分の配合割合を調整して行う。
架橋触媒は、ポリオレフィングラフトマーの分子間の架
橋現象を促進させるためのものであるから、B成分にお
ける架橋触媒の配合量は、B成分に配合される架橋剤の
配合量でポリオレフィングラフトマーのシラン架橋を促
進させるに必要な量で、架橋触媒の配合量はポリオレフ
ィンエラストマー100重量部に対して7.14〜3
1.3重量部である。このように架橋触媒の配合量を
7.14〜31.3重量部としたのは、架橋触媒の配合
量が7.14重量部を下回って配合したのではポリオレ
フィンエラストマーにシランカップリング剤をグラフト
重合させたコンパウンドに金属水酸化物を混練しペレッ
ト化してなるA成分をシラン架橋するときにシラン架橋
を促進することができないからであり、架橋触媒の配合
量を31.3重量部を超えて配合しても、ポリオレフィ
ンエラストマーにシランカップリング剤をグラフト重合
させたコンパウンドに金属水酸化物を混練しペレット化
してなるA成分をシラン架橋するときのシラン架橋がそ
れ以上促進されることがないからである。すなわち、架
橋触媒の配合量のポリオレフィンエラストマー100重
量部に対して7.14〜31.3重量部というのは、ポ
リオレフィンエラストマーにシランカップリング剤をグ
ラフト重合させたコンパウンドに金属水酸化物を混練し
ペレット化してなるA成分をシラン架橋するときにシラ
ン架橋を促進するに十分な量を確保するためのマスター
バッチとして最適であるからである。この架橋触媒の配
合量の増減は、架橋促進の程度を調整するもので、架橋
剤の配合量に応じてある程度決まるもので、架橋剤の配
合量に無関係に架橋触媒の配合量の増減を行うものでは
ない。なお、ミキシングロールは、2本のロール間でプ
ラスチック材料に機械的剪断力を加えて、可塑化や配合
剤の混練を行う機械である。
【0012】上記目的を達成するために、請求項3に記
載のノンハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物
の製造方法は、A成分とB成分の配合比(重量比)を、 A成分:B成分=100:(4〜7) としたものである。このA成分とB成分の配合重量比
を、100:4〜100:7としたのは、A成分とB成
分の配合重量比が100:4を下回ると、ポリオレフィ
ンエラストマーにシランカップリング剤をグラフト重合
させたコンパウンドに金属水酸化物を混練しペレット化
してなるA成分を成形時に発泡を生じることなく十分に
シラン架橋することができないからであり、A成分とB
成分の配合重量比が100:7を超えても、ポリオレフ
ィンエラストマーにシランカップリング剤をグラフト重
合させたコンパウンドに金属水酸化物を混練しペレット
化してなるA成分を成形時に発泡を生じることなくシラ
ン架橋する効果の向上がそれ以上見られないからであ
る。
【0013】上記目的を達成するために、請求項4に記
載のノンハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物
の製造方法は、オレフィン系樹脂を、直鎖状低密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共
重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチ
レン−メチルメタクリレート共重合体、エチレンーアク
リル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、メタロセン系直鎖
状低密度ポリエチレン、メタロセン超低密度ポリエチレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、ブタジエンアクリ
ロニトリルゴムのいずれか1種または2種以上の混合物
で構成したものである。
【0014】上記目的を達成するために、請求項5に記
載のノンハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物
の製造方法は、金属水酸化物を、水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カル
シウム、水酸化バリウムのいずれか1種又は2種以上の
混合物で構成したものである。
【0015】上記目的を達成するために、請求項6に記
載のノンハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物
の製造方法は、シランカップリング剤を、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチ
ルジエトキシシラン、ビニルフェニルジメトキシシラン
のいずれか1種または2種以上の混合物で構成したもの
である。
【0016】上記目的を達成するために、請求項7に記
載のノンハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物
の製造方法は、架橋剤は、ジクミルパーオキサイト、
2,5−(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,1,
3−ビス(第三ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼ
ンのいずれか1種または2種以上の混合物で構成したも
のである。
【0017】上記目的を達成するために、請求項8に記
載のノンハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物
の製造方法は、架橋触媒は、ジブチル錫ジラウレート、
ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫メチルカプチドのい
ずれかで構成したものである。
【0018】カップリング剤は、複合材料の強化材と樹
脂母材の両方と反応し界面において強い結合を形成する
かまたはそれを助長することのできる化学物質であり、
シランカップリング剤には、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシ
ラン、ノルマルヘキシルトリメトキシシラン等がある。
これらビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリブトキシシラン、ノルマルヘキシル
トリメトキシシラン等の各種シランカップリング剤は、
1種類(例えば、ビニルトリメトキシシラン)のみを配
合することも、2種類(例えば、ビニルトリメトキシシ
ランとビニルトリエトキシシラン)以上を配合すること
もできる。また、架橋触媒は、オレフィン系樹脂の分子
間にカップリング剤を介在させる架橋現象を促進させる
ためのものである。
【0019】このような架橋剤を用いた化学架橋は、ポ
リオレフィンエラストマーにシランカップリング剤をグ
ラフト重合させたコンパウンドに金属水酸化物を混練し
ペレット化してなるA成分に、ジクミルパーオキサイド
(DCP)などの架橋剤と錫系の架橋触媒が含浸処理さ
れたポリオレフィンエラストマーのマスターバッチ(B
成分)を混合、加熱することによって架橋するもので、
架橋剤を配合したオレフィン系樹脂(B成分)を加熱す
ると、まず、加熱することによって架橋剤(DCP)が
分解し、遊離基ができ、この遊離基とA成分のポリマー
が反応してポリマーを活性化し、ポリマー遊離基を生成
し、このポリマー遊離基同士が結合してポリマー架橋を
形成する。ビニルシランによる水架橋は、ポリマーであ
るオレフィン系樹脂に、遊離ラジカル発生剤(架橋剤)
であるジクミルパーオキサイド(DCP)、ビニルトリ
メトキシシラン(VTMOS)等のシラン化合物(カッ
プリング剤)、ジブチル錫ジラウレート等のシラノール
縮合触媒(シロキサン縮合触媒)を配合して加熱するこ
とによって行われる。すなわち、ポリオレフィンエラス
トマーにシランカップリング剤をグラフト重合させたコ
ンパウンドに金属水酸化物を混練しペレット化してなる
A成分と、ジクミルパーオキサイド(DCP)などの架
橋剤と錫系の架橋触媒が含浸処理されたポリオレフィン
エラストマーのマスターバッチとなるB成分を同時に押
出機に投入し、外部から熱を加えると、B成分に配合さ
れている架橋剤が分解され遊離基ができる。この遊離基
とA成分のポリマー(ポリオレフィンエラストマー)が
反応してポリマーを活性化し、ポリマー遊離基を生成
し、このポリマー遊離基とA成分に配合されるシラン化
合物(ビニルトリメトキシシラン)とが反応してグラフ
トマーが生成される。そして、このグラフトマーにB成
分に配合されている錫系の触媒(ジブチル錫ジラウレー
ト)が作用し、水の存在によって、遊離基にシランカッ
プリング剤のビニルトリメトキシシランのビニルのとこ
ろがとれて結合する。すなわち、ポリマー(オレフィン
系樹脂)分子にSi(シラン)が入った状態で鎖がつく
られ、もう一方のポリマー(オレフィン系樹脂)分子に
も同じような現象が起きて2つのポリマー(オレフィン
系樹脂)分子が、Si(シラン)を中にして酸素(O)
を真ん中にした形で架橋反応(シラン架橋)が行われ、
2つのポリマー(オレフィン系樹脂)分子が繋がって架
橋状態を形成する。
【0020】
【作用】請求項1に記載の発明によると、押出成形時に
A成分とB成分とが混合され、加熱されて生成されるた
め、ハロゲン化物を含まないオレフィン系樹脂を主成分
とし、成形時に発泡を生じることなく外観不良を招くこ
とがないようにすることができる。
【0021】請求項2に記載の発明によると、A成分と
B成分とに分け、B成分の架橋剤、架橋触媒の配合量を
適量にしてあるため、B成分の配合量を変化させること
によりA成分のシラン化合物をポリマーに架橋結合する
架橋状態を必要に応じて調整することができる。
【0022】請求項3に記載の発明によると、A成分と
B成分との配合比率を、A成分:B成分=100:4〜
7としてあるため、成形時に発泡を生じることなく外観
不良を招くことがない最適な状態でシラン架橋すること
ができる。
【0023】請求項4に記載の発明によると、ハロゲン
化物を含まないオレフィン系樹脂を主成分とするのでノ
ンハロゲン化を図ることができ、成形時に発泡を生じる
ことなく外観不良を招くことがないようにすることがで
きる。
【0024】請求項5に記載の発明によると、金属水酸
化物をオレフィン系樹脂に配合することによってハロゲ
ン化物を含まないオレフィン系樹脂が燃焼し難くなり、
燃焼した際に燃え殻を炭化させ保形性を持たせることが
できる。
【0025】請求項6に記載の発明によると、オレフィ
ン系樹脂を主成分とし、ハロゲン化物を含まず、オレフ
ィン系樹脂の分子間の架橋を促進し、水酸化マグネシウ
ム等の金属水酸化物を架橋によって格子状になっている
鎖に分散させて基準とする難燃性を確保し、成形時に発
泡を生じることなく外観不良を招くことがないようにす
ることができる。
【0026】請求項7に記載の発明によると、オレフィ
ン系樹脂を主成分とし、ハロゲン化物を含まず、シラン
カップリング剤によってオレフィン系樹脂の分子間を架
橋し、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を架橋によ
って格子状になっている鎖に分散させて難燃性を確保
し、成形時に発泡を生じることなく外観不良を招くこと
がないようにすることができる。
【0027】請求項8に記載の発明によると、オレフィ
ン系樹脂を主成分とし、ハロゲン化物を含まず、シラン
カップリング剤によるオレフィン系樹脂の分子間の架橋
を促進し、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を架橋
によって格子状になっている鎖に分散させて難燃性を確
保し、成形時に発泡を生じることなく外観不良を招くこ
とがないようにすることができる。
【0028】
【実施例】以下、オレフィン系樹脂にシランカップリン
グ剤を配合し、架橋剤でグラフト重合したコンパウンド
に金属水酸化物を混練してペレット化した成分(A成
分)と、オレフィン系樹脂に架橋剤及び架橋触媒を含浸
処理した触媒マスターバッチ(B成分)に分けて製造し
ておき、このA成分、B成分を押出機に投入し混練押出
して成形する本発明に係るノンハロゲン難燃シラン架橋
ポリオレフィン組成物の製造方法おけるA成分、B成分
のそれぞれの配合組成成分の具体的実施例について、2
成分からなる製造方法おける配合組成成分をそれぞれ違
えた実施例を比較例と比較して説明する。
【0029】各実施例、各比較例に用いられた配合組成
の詳細は、次の通りである。ポリオレフィンエラストマ
ーは、密度:0.895g/cm3 、MI:1.6g/1
0min のポリオレフィンエラストマーで、具体的には、
デュポン・ダウ・エラストマー株式会社製の『ENGA
GE 8440』を用いている。水酸化マグネシウム
(Mg(OH)2 )は、協和化学株式会社製の『キスマ
5A』を用いている。シランカップリング剤は、具体的
には、信越シリコーン株式会社製の『KBM1003』
を用いている。架橋剤は、ジクミルパーオキサイド(D
CP)で、扇谷工業株式会社製の『DCP』を用いてい
る。スズ触媒は、具体的には、共同製品株式会社製の
『KS−1260』を用いている。
【0030】実施例1 実施例1は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:4 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を1重量部配合し、架橋剤を0.02
5重量部を配合してグラフト重合したコンパウンドに金
属水酸化物を100重量部混練してペレット化する。具
体的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に
対して、シランカップリング剤1重量部と架橋剤0.0
25重量部を配合して押出機に投入し、200℃で混練
押出してシランカップリング剤をポリオレフィンエラス
トマーにグラフト重合させたコンパウンドに水酸化マグ
ネシウム100重量部をミキシングロールにて混練して
ペレット化する。すなわち、A成分は、シラン化合物
(シランカップリング剤)がグラフト重合されている。
【0031】〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部
に対し、架橋剤を1.25重量部及び架橋触媒を12.
5重量部を含浸処理して製造する触媒マスターバッチ。
具体的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部
に対して、ジクミルパーオキサイド(架橋剤)1.25
重量部及びスズ触媒を12.5重量部、混合装置(具体
的には、ドイツ国のヘンシェル社のへンシェルミキサ
ー、以下同じ)にて含浸処理して、触媒マスターバッチ
を製造する。このB成分は、架橋反応を進めるためのも
のである。
【0032】〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分
(触媒マスターバッチ)を A:B=100:4 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0033】実施例2 実施例2は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:4 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を2重量部配合し、架橋剤を0.05
重量部を配合してグラフト重合したコンパウンドに金属
水酸化物を100重量部混練してペレット化する。具体
的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に対
して、シランカップリング剤2重量部と架橋剤0.02
5重量部を配合して押出機に投入し、200℃で混練押
出してシランカップリング剤をポリオレフィンエラスト
マーにグラフト重合させたコンパウンドに水酸化マグネ
シウムを100重量部ミキシングロールにて混練してペ
レット化する。すなわち、A成分は、シラン化合物(シ
ランカップリング剤)がグラフト重合されている。
【0034】〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部
に対し、架橋剤を2.5重量部及び架橋触媒を25.0
重量部を含浸処理して製造する触媒マスターバッチ。具
体的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に
対して、ジクミルパーオキサイド(架橋剤)2.5重量
部及びスズ触媒を25.0重量部、混合装置にて含浸処
理して、触媒マスターバッチを製造する。このB成分
は、架橋反応を進めるためのものである。
【0035】〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分
(触媒マスターバッチ)を A:B=100:4 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0036】実施例3 実施例3は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:4 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を3重量部配合し、架橋剤を0.06
25重量部を配合してグラフト重合したコンパウンドに
金属水酸化物を100重量部混練してペレット化する。
具体的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部
に対して、シランカップリング剤3重量部と架橋剤0.
0625重量部を配合して押出機に投入し、200℃で
混練押出してシランカップリング剤をポリオレフィンエ
ラストマーにグラフト重合させたコンパウンドに水酸化
マグネシウムを100重量部ミキシングロールにて混練
してペレット化する。すなわち、A成分は、シラン化合
物(シランカップリング剤)がグラフト重合されてい
る。
【0037】〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部
に対し、架橋剤を3.13重量部及び架橋触媒を31.
3重量部を含浸処理して製造する触媒マスターバッチ。
具体的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部
に対して、ジクミルパーオキサイド(架橋剤)3.13
重量部及びスズ触媒を31.3重量部、混合装置にて含
浸処理して、触媒マスターバッチを製造する。このB成
分は、架橋反応を進めるためのものである。
【0038】〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分
(触媒マスターバッチ)を A:B=100:4 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0039】実施例4 実施例4は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:5 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を1重量部配合し、架橋剤を0.02
5重量部を配合してグラフト重合したコンパウンドに金
属水酸化物を100重量部混練してペレット化する。具
体的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に
対して、シランカップリング剤1重量部と架橋剤0.0
25重量部を配合して押出機に投入し、200℃で混練
押出してシランカップリング剤をポリオレフィンエラス
トマーにグラフト重合させたコンパウンドに水酸化マグ
ネシウムを100重量部ミキシングロールにて混練して
ペレット化する。すなわち、A成分は、シラン化合物
(シランカップリング剤)がグラフト重合されている。
【0040】〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部
に対し、架橋剤を1.0重量部及び架橋触媒を10重量
部を含浸処理して製造する触媒マスターバッチ。具体的
には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に対し
て、ジクミルパーオキサイド(架橋剤)1.0重量部及
びスズ触媒を10重量部、混合装置にて含浸処理して、
触媒マスターバッチを製造する。このB成分は、架橋反
応を進めるためのものである。
【0041】〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分
(触媒マスターバッチ)を A:B=100:5 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0042】実施例5 実施例5は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:5 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を2重量部配合し、架橋剤を0.05
重量部を配合してグラフト重合したコンパウンドに金属
水酸化物を100重量部混練してペレット化する。具体
的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に対
して、シランカップリング剤2重量部と架橋剤0.05
重量部を配合して押出機に投入し、200℃で混練押出
してシランカップリング剤をポリオレフィンエラストマ
ーにグラフト重合させたコンパウンドに水酸化マグネシ
ウムを100重量部ミキシングロールにて混練してペレ
ット化する。すなわち、A成分は、シラン化合物(シラ
ンカップリング剤)がグラフト重合されている。
【0043】〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部
に対し、架橋剤を2.0重量部及び架橋触媒を20重量
部を含浸処理して製造する触媒マスターバッチ。具体的
には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に対し
て、ジクミルパーオキサイド(架橋剤)2.0重量部及
びスズ触媒を20重量部、混合装置にて含浸処理して、
触媒マスターバッチを製造する。このB成分は、架橋反
応を進めるためのものである。
【0044】〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分
(触媒マスターバッチ)を A:B=100:5 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0045】実施例6 実施例6は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:5 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を2.5重量部配合し、架橋剤を0.
063重量部を配合してグラフト重合したコンパウンド
に金属水酸化物を100重量部混練してペレット化す
る。具体的には、ポリオレフィンエラストマー100重
量部に対して、シランカップリング剤2.5重量部と架
橋剤0.063重量部を配合して押出機に投入し、20
0℃で混練押出してシランカップリング剤をポリオレフ
ィンエラストマーにグラフト重合させたコンパウンドに
水酸化マグネシウムを100重量部ミキシングロールに
て混練してペレット化する。すなわち、A成分は、シラ
ン化合物(シランカップリング剤)がグラフト重合され
ている。
【0046】〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部
に対し、架橋剤を2.5重量部及び架橋触媒を25重量
部を含浸処理して製造する触媒マスターバッチ。具体的
には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に対し
て、ジクミルパーオキサイド(架橋剤)2.5重量部及
びスズ触媒を25重量部、混合装置にて含浸処理して、
触媒マスターバッチを製造する。このB成分は、架橋反
応を進めるためのものである。
【0047】〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分
(触媒マスターバッチ)を A:B=100:5 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0048】実施例7 実施例7は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:7 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を1重量部配合し、架橋剤を0.02
5重量部を配合してグラフト重合したコンパウンドに金
属水酸化物を100重量部混練してペレット化する。具
体的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に
対して、シランカップリング剤1重量部と架橋剤0.0
25重量部を配合して押出機に投入し、200℃で混練
押出してシランカップリング剤をポリオレフィンエラス
トマーにグラフト重合させたコンパウンドに水酸化マグ
ネシウムを100重量部ミキシングロールにて混練して
ペレット化する。すなわち、A成分は、シラン化合物
(シランカップリング剤)がグラフト重合されている。
【0049】〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部
に対し、架橋剤を0.71重量部及び架橋触媒を7.1
4重量部を含浸処理して製造する触媒マスターバッチ。
具体的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部
に対して、ジクミルパーオキサイド(架橋剤)0.71
重量部及びスズ触媒を7.14重量部、混合装置にて含
浸処理して、触媒マスターバッチを製造する。このB成
分は、架橋反応を進めるためのものである。
【0050】〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分
(触媒マスターバッチ)を A:B=100:7 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0051】実施例8 実施例8は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:7 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を2重量部配合し、架橋剤を0.05
重量部を配合してグラフト重合したコンパウンドに金属
水酸化物を100重量部混練してペレット化する。具体
的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に対
して、シランカップリング剤2重量部と架橋剤0.05
重量部を配合して押出機に投入し、200℃で混練押出
してシランカップリング剤をポリオレフィンエラストマ
ーにグラフト重合させたコンパウンドに水酸化マグネシ
ウムを100重量部ミキシングロールにて混練してペレ
ット化する。すなわち、A成分は、シラン化合物(シラ
ンカップリング剤)がグラフト重合されている。
【0052】〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部
に対し、架橋剤を1.43重量部及び架橋触媒を14.
3重量部を含浸処理して製造する触媒マスターバッチ。
具体的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部
に対して、ジクミルパーオキサイド(架橋剤)1.43
重量部及びスズ触媒を14.3重量部、混合装置にて含
浸処理して、触媒マスターバッチを製造する。このB成
分は、架橋反応を進めるためのものである。
【0053】〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分
(触媒マスターバッチ)を A:B=100:7 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0054】実施例9 実施例9は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:7 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を2.5重量部配合し、架橋剤を0.
063重量部を配合してグラフト重合したコンパウンド
に金属水酸化物を100重量部混練してペレット化す
る。具体的には、ポリオレフィンエラストマー100重
量部に対して、シランカップリング剤2.5重量部と架
橋剤0.063重量部を配合して押出機に投入し、20
0℃で混練押出してシランカップリング剤をポリオレフ
ィンエラストマーにグラフト重合させたコンパウンドに
水酸化マグネシウムを100重量部ミキシングロールに
て混練してペレット化する。すなわち、A成分は、シラ
ン化合物(シランカップリング剤)がグラフト重合され
ている。
【0055】〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部
に対し、架橋剤を1.79重量部及び架橋触媒を17.
9重量部を含浸処理して製造する触媒マスターバッチ。
具体的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部
に対して、ジクミルパーオキサイド(架橋剤)1.79
重量部及びスズ触媒を17.9重量部、混合装置にて含
浸処理して、触媒マスターバッチを製造する。このB成
分は、架橋反応を進めるためのものである。
【0056】〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分
(触媒マスターバッチ)を A:B=100:7 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0057】比較例1 比較例1は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:3 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を3重量部配合し、架橋剤を0.06
3重量部を配合してグラフト重合したコンパウンドに金
属水酸化物を100重量部混練してペレット化する。具
体的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に
対して、シランカップリング剤3重量部と架橋剤0.0
63重量部を配合して押出機に投入し、200℃で混練
押出してシランカップリング剤をポリオレフィンエラス
トマーにグラフト重合させたコンパウンドに水酸化マグ
ネシウムを100重量部ミキシングロールにて混練して
ペレット化する。 〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、架橋
剤を4.17重量部及び架橋触媒を41.75重量部を
含浸処理して製造する触媒マスターバッチ。具体的に
は、ポリオレフィンエラストマー100重量部に対し
て、ジクミルパーオキサイド(架橋剤)4.17重量部
及びスズ触媒を41.75重量部、混合装置にて含浸処
理して、触媒マスターバッチを製造する。 〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分(触媒マスタ
ーバッチ)を A:B=100:3 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0058】比較例2 比較例2は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:5 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を0.9重量部配合し、架橋剤を0.
023重量部を配合してグラフト重合したコンパウンド
に金属水酸化物を100重量部混練してペレット化す
る。具体的には、ポリオレフィンエラストマー100重
量部に対して、シランカップリング剤0.9重量部と架
橋剤0.023重量部を配合して押出機に投入し、20
0℃で混練押出してシランカップリング剤をポリオレフ
ィンエラストマーにグラフト重合させたコンパウンドに
水酸化マグネシウムを100重量部ミキシングロールに
て混練してペレット化する。 〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、架橋
剤を0.9重量部及び架橋触媒を9重量部を含浸処理し
て製造する触媒マスターバッチ。具体的には、ポリオレ
フィンエラストマー100重量部に対して、ジクミルパ
ーオキサイド(架橋剤)0.9重量部及びスズ触媒を9
重量部、混合装置にて含浸処理して、触媒マスターバッ
チを製造する。 〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分(触媒マスタ
ーバッチ)を A:B=100:5 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0059】比較例3 比較例3は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:5 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を1重量部配合し、架橋剤を0.02
6重量部を配合してグラフト重合したコンパウンドに金
属水酸化物を100重量部混練してペレット化する。具
体的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に
対して、シランカップリング剤1重量部と架橋剤0.0
26重量部を配合して押出機に投入し、200℃で混練
押出してシランカップリング剤をポリオレフィンエラス
トマーにグラフト重合させたコンパウンドに水酸化マグ
ネシウムを100重量部ミキシングロールにて混練して
ペレット化する。 〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、架橋
剤を2.6重量部及び架橋触媒を26重量部を含浸処理
して製造する触媒マスターバッチ。具体的には、ポリオ
レフィンエラストマー100重量部に対して、ジクミル
パーオキサイド(架橋剤)2.6重量部及びスズ触媒を
26重量部、混合装置にて含浸処理して、触媒マスター
バッチを製造する。 〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分(触媒マスタ
ーバッチ)を A:B=100:5 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0060】比較例4 比較例4は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:5 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、金属
水酸化物を100重量部混練してペレット化する。具体
的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に対
して、水酸化マグネシウム100重量部をミキシングロ
ールにて混練してペレット化する。 〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を40重量部、架橋剤を2.0重量
部、及び架橋触媒を20重量部を配合して製造する触媒
マスターバッチ。具体的には、ポリオレフィンエラスト
マー100重量部に対して、シランカップリング剤を4
0重量部、ジクミルパーオキサイド(架橋剤)2.0重
量部及びスズ触媒を20重量部を混合装置にて含浸処理
して、触媒マスターバッチを製造する。すなわち、比較
例4においては、B成分のベース樹脂(ポリオレフィン
エラストマー)に対するシラン化合物の添加量が多いた
め、ブリードがひどい。
【0061】〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分
(触媒マスターバッチ)を A:B=100:5 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0062】比較例5 比較例5は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:5 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、架橋
剤を0.05重量部、架橋触媒を0.05重量部を配合
したものに金属水酸化物を100重量部混練してペレッ
ト化する。具体的には、ポリオレフィンエラストマー1
00重量部に対して、ジクミルパーオキサイド(架橋
剤)0.05重量部及びスズ触媒を0.05重量部、水
酸化マグネシウム100重量部をミキシングロールにて
混練してペレット化する。 〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を40重量部、架橋剤を2.0重量部
を配合して製造する触媒マスターバッチ。具体的には、
ポリオレフィンエラストマー100重量部に対して、シ
ランカップリング剤を40重量部を配合して押出機に投
入し、200℃で混練押出してシランカップリング剤を
ポリオレフィンエラストマーにグラフト重合させたコン
パウンドをペレット化する。このように比較例5におい
ては、B成分のベース樹脂(ポリオレフィンエラストマ
ー)にシラン化合物がグラフト結合されているが、シラ
ン化合物の添加量が多いため、未反応のシラン化合物が
残っている。
【0063】〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分
(触媒マスターバッチ)を A:B=100:5 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0064】比較例6 比較例6は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:8 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。 〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部に対し、シラ
ンカップリング剤を2重量部配合し、架橋剤を0.05
重量部を配合してグラフト重合したコンパウンドに金属
水酸化物を100重量部混練してペレット化する。具体
的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に対
して、シランカップリング剤2重量部と架橋剤0.05
重量部を配合して押出機に投入し、200℃で混練押出
してシランカップリング剤をポリオレフィンエラストマ
ーにグラフト重合させたコンパウンドに水酸化マグネシ
ウム100重量部をミキシングロールにて混練してペレ
ット化する。
【0065】〔B成分〕オレフィン系樹脂100重量部
に対し、架橋剤を1.56重量部及び架橋触媒を15.
7重量部を配合して触媒マスターバッチを製造する。具
体的には、ポリオレフィンエラストマー100重量部に
対して、ジクミルパーオキサイドを1.56重量部及び
スズ触媒を15.7重量部配合し、含浸処理して、触媒
マスターバッチを製造する。 〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分(触媒マスタ
ーバッチ)を A:B=100:8 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0066】比較例7 比較例7は、A成分とB成分の配合重量比が、 A成分:B成分=100:5 で、A成分、B成分の各成分は次の如く構成される。
【0067】〔A成分〕オレフィン系樹脂100重量部
に対し、金属水酸化物を100重量部を混練してペレッ
ト化する。具体的には、ポリオレフィンエラストマー1
00重量部に対して、水酸化マグネシウム100重量部
をミキシングロールにて混練してペレット化する。
【0068】〔B成分〕シランカップリング剤を16重
量部、架橋剤を0.8重量部及び架橋触媒を8.0重量
部を配合して液状物を製造する。具体的には、シランカ
ップリング剤を16重量部を配合し、ジクミルパーオキ
サイド(架橋剤)0.8重量部及びスズ触媒を8.0重
量部を配合して液状物を製造する。
【0069】〔製造方法〕A成分(ペレット)、B成分
(液状マスターバッチ)を A:B=100:5 の重量比で押出機に投入し、2つの成分を加熱混練して
押出す。
【0070】このように組成される実施例1〜9、比較
例1〜7に基づくA成分、B成分を押出機に投入し、混
練して1mmの厚さで幅約30mmのヒモ状に押出して
サンプルを作製した。
【0071】このサンプルについて加熱変形率(%)
と、加工上の問題点と、外観状態と、発泡の有無を測定
し、総合判定についての結果を表1,表2,表3,表4
に示してある。
【0072】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】 この表1〜4中の加熱変形率(%)は、日本工業規格
(JIS)のC3005に基づいてサンプルを120℃
で30分加熱放置し、その後、10Nの加重を掛けて3
0分放置した後の変形の度合いを見たもので、変形率が
40%以下で合格となる。
【0073】また、表1〜4中の加工上の問題点は、加
工する上で生じる問題点のことで、加工上に何等かの問
題点がある場合、その問題点を明記してある。この加工
上の問題点については、問題がないことが基準となる。
【0074】さらに、表1〜4中の押出外観は、押出機
で押出して作製した1mmの厚さで幅約30mmのヒモ
状体(サンプル)表面に凹凸が1つでも発生しているか
否かを見たもので、目測でサンプル表面に凹凸の発生が
全く確認ができない状態の場合を『良好』とし、目測で
サンプル表面に1か所でも凹凸の確認が有った場合を
『不良』としている。この押出外観にあっては、『良
好』である必要があり、『不良』では、製品性が悪くな
ってしまう。また、表1〜4中の発泡の有無は、サンプ
ル中に発泡が全く生じていない状態の場合を『なし』と
し、サンプル中に発泡が数えられる程度に散見される状
態の場合を『若干あり』とし、サンプル中に発泡が多数
見受けられる場合を『あり』としている。この発泡の有
無にあっては、『なし』であることが重要で、発泡が若
干でも有ると、機械的強度が低下してしまい製品性が低
下してしまうことになる。
【0075】総合判定は、加熱変形率が40%以下で、
加工上の問題点がなく、押出外観が良好で、発泡がない
場合に『○』で、加熱変形率が40%を超えた場合、加
工上に問題点がある場合、押出外観が不良で、発泡があ
る場合のいずれか1つでも該当すると、絶縁体として使
用に耐えられないので『×』としてある。
【0076】実施例1〜9については、いずれもシラン
化合物がA成分のベース樹脂に予めグラフト重合された
コンパウンドに水酸化マグネシウムが添加されている。
このため、B成分との混練押出時にA成分からシランが
揮発したり、シランと水酸化マグネシウムが反応するこ
とがないので発泡を生じることがなく、外観も良好とな
る。すなわち、実施例1〜9については、加熱変形率が
14.8〜37.1%と40%以下となっており、加工
上には何も問題点がなく、押出外観はサンプル表面に凹
凸が1個もない良好な状態で、サンプル中に発泡が全く
生じていない状態で『○』となっている。
【0077】比較例1については、シラン化合物がA成
分のベース樹脂に予めグラフト重合されたコンパウンド
に水酸化マグネシウムが添加されている。このため、B
成分との混練押出時にA成分からシランが揮発したり、
シランと水酸化マグネシウムが反応することがないので
発泡を生じることがなく、外観も良好であるが、B成分
に配合されるスズ触媒の配合量が多いため、スズ触媒の
ブリードがひどく加工上に問題がある。したがって、比
較例1は、総合判定が『×』となっている。
【0078】比較例2については、シラン化合物がA成
分のベース樹脂に予めグラフト重合されたコンパウンド
に水酸化マグネシウムが添加されている。このため、B
成分との混練押出時にA成分からシランが揮発したり、
シランと水酸化マグネシウムが反応することがないので
発泡を生じることがなく、外観も良好であるが、シラン
化合物がA成分のベース樹脂に対して少ないため、加工
変形率が40%を超える値となっており、総合判定が
『×』となっている。
【0079】比較例3については、シラン化合物がA成
分のベース樹脂に予めグラフト重合されたコンパウンド
に水酸化マグネシウムが添加されており、B成分にジク
ミルパーオキサイドとスズ触媒を配合しているため、シ
ランと水酸化マグネシウムが反応することがないので発
泡を生じることがない筈であるが、B成分にジクミルパ
ーオキサイドの配合量とスズ触媒の配合量が多いため、
外観に多少の発泡が生じる。このため、比較例3は、総
合判定が『×』となっている。
【0080】比較例4については、水酸化マグネシウム
がA成分に配合され、シラン化合物(シランカップリン
グ剤)がB成分に配合されており、シラン化合物の添加
量がベース樹脂(ポリオレフィンエラストマー)に比し
て多いため、このB成分のシラン化合物がB成分からブ
リードし、加工上に問題が生じる。さらに、B成分に配
合されているシラン化合物が、A成分とB成分を混練押
出時にB成分のシラン化合物が揮発し、この揮発したシ
ラン化合物と水酸化マグネシウムと反応して発泡を生じ
る。このため、特性において発泡の有無が『あり』とな
っており、この混練押出時に水酸化マグネシウムと反応
して発泡が生じているため、この発泡が外観にも影響を
与え、押出外観の特性が『不良』となっている。
【0081】比較例5については、シラン化合物がB成
分のベース樹脂(ポリオレフィンエラストマー)にグラ
フト結合されているが、シラン化合物の添加量がベース
樹脂(ポリオレフィンエラストマー)に比して多いた
め、未反応のシラン化合物が残ってしまい、このB成分
の未反応のシラン化合物がA成分との混練押出時に水酸
化マグネシウムと反応し、若干ではあるが発泡を生じ
る。このため、特性において発泡の有無が『若干有』と
なっている。しかし、混練押出時に水酸化マグネシウム
と反応して生じる発泡が若干であるため、外観に影響を
与えることがなく、押出外観の特性が『良好』となって
いる。
【0082】比較例6については、シラン化合物(シラ
ンカップリング剤)がA成分のベース樹脂に予めグラフ
ト重合されたコンパウンドに水酸化マグネシウムが添加
されている。このため、B成分との混練押出時にA成分
からシランが揮発したり、シランと水酸化マグネシウム
が反応することがないので発泡を生じることがなく、外
観も良好であるが、A成分とB成分の比が、100:8
とB成分のベース樹脂の使用量が多く、コスト高という
問題がある。このため、比較例6は、総合判定が『×』
となっている。
【0083】比較例7については、比較例1、2、3、
4、5、6のB成分がシラン化合物(シランカップリン
グ剤)のマスターバッチで構成されているが、比較例7
のB成分は、ベース樹脂(ポリオレフィンエラストマ
ー)がなく液状となっており、ペレット化されているA
成分との混練押出時に加熱されることによってシラン化
合物が揮発し、この揮発するシラン化合物と水酸化マグ
ネシウムとが反応し、発泡を生じる。このため、特性に
おいて発泡の有無が『あり』となっている。この発泡が
サンプル表面に生じて、外観に影響を与えることにな
り、押出外観の特性が『不良』となっている。さらに、
比較例7は、B成分が液状のため、スリップし易く混練
し難いという加工上の問題点を有している。したがっ
て、比較例7は、総合判定が『×』となっている。
【0084】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0085】請求項1に記載の発明によれば、押出成形
時にA成分とB成分とが混合され、加熱されて生成され
るため、ハロゲン化物を含まないオレフィン系樹脂を主
成分とし、成形時に発泡を生じることなく外観不良を招
くことがないようにすることができる。
【0086】請求項2に記載の発明によれば、A成分と
B成分とに分け、B成分の架橋剤、架橋触媒の配合量を
適量にしてあるため、B成分の配合量を変化させること
によりA成分のシラン化合物をポリマーに架橋結合する
架橋状態を必要に応じて調整することができる。
【0087】請求項3に記載の発明によれば、A成分と
B成分との配合比率を、A成分:B成分=100:4〜
7としてあるため、成形時に発泡を生じることなく外観
不良を招くことがない最適な状態でシラン架橋すること
ができる。
【0088】請求項4に記載の発明によれば、ハロゲン
化物を含まないオレフィン系樹脂を主成分とするのでノ
ンハロゲン化を図ることができ、成形時に発泡を生じる
ことなく外観不良を招くことがないようにすることがで
きる。
【0089】請求項5に記載の発明によれば、金属水酸
化物をオレフィン系樹脂に配合することによってハロゲ
ン化物を含まないオレフィン系樹脂が燃焼し難くなり、
燃焼した際に燃え殻を炭化させ保形性を持たせることが
できる。
【0090】請求項6に記載の発明によれば、オレフィ
ン系樹脂を主成分とし、ハロゲン化物を含まず、オレフ
ィン系樹脂の分子間の架橋を促進し、水酸化マグネシウ
ム等の金属水酸化物を架橋によって格子状になっている
鎖に分散させて基準とする難燃性を確保し、成形時に発
泡を生じることなく外観不良を招くことがないようにす
ることができる。
【0091】請求項7に記載の発明によれば、オレフィ
ン系樹脂を主成分とし、ハロゲン化物を含まず、シラン
カップリング剤によってオレフィン系樹脂の分子間を架
橋し、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を架橋によ
って格子状になっている鎖に分散させて難燃性を確保
し、成形時に発泡を生じることなく外観不良を招くこと
がないようにすることができる。
【0092】請求項8に記載の発明によれば、オレフィ
ン系樹脂を主成分とし、ハロゲン化物を含まず、シラン
カップリング剤によるオレフィン系樹脂の分子間の架橋
を促進し、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を架橋
によって格子状になっている鎖に分散させて難燃性を確
保し、成形時に発泡を生じることなく外観不良を招くこ
とがないようにすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA07 AA13 AA15 AA16 AA28 AA29 AA32 AB07 AB08 AB09 AC13 AC14 AC56 AC67 AC73 AC75 AE07 AE08 GA01 GA05 GA06 GB01 4J002 AC072 BB032 BB052 BB062 BB072 BB082 BB122 BB152 BN041 BN141 DE066 DE076 DE086 DE096 DE146 EK038 EZ047 EZ077 FD136 FD148 FD157

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂にシランカップリング
    剤をグラフト重合させたコンパウンドに金属水酸化物を
    配合してなる成分(A成分)と、オレフィン系樹脂に架
    橋触媒、架橋剤を配合してなる成分(B成分)とを混練
    加熱架橋して成形することを特徴とするノンハロゲン難
    燃シラン架橋ポリオレフィン組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンエラストマー100重量
    部に対してシランカップリング剤を1〜3重量部、架橋
    剤を0.025〜0.063重量部配合し加熱混練して
    シランカップリング剤をポリオレフィンエラストマーに
    グラフト重合させたコンパウンドに金属水酸化物を10
    0重量部ミキシングロールにて混練しペレット化したノ
    ンハロゲン難燃シラングラフトマー(A成分)と、ポリ
    オレフィンエラストマー100重量部に対して、架橋剤
    を1.0〜3.12重量部、架橋触媒を7.14〜3
    1.3重量部を含浸処理した触媒マスターバッチ(B成
    分)の2成分を混練加熱架橋して成形することを特徴と
    するノンハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記A成分とB成分の配合重量比率は、 A成分:B成分=100:(4〜7) である請求項1又は2に記載のノンハロゲン難燃シラン
    架橋ポリオレフィン組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記オレフィン系樹脂は、直鎖状低密度
    ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニ
    ル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、
    エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレンー
    アクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合
    体、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、メタロセン
    系直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン超低密度ポリ
    エチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ブタジエン
    アクリロニトリルゴムのいずれか1種または2種以上の
    混合物である請求項1、2又は3に記載のノンハロゲン
    難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記金属水酸化物は、水酸化マグネシウ
    ム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化
    カルシウム、水酸化バリウムのいずれか1種又は2種以
    上の混合物である請求項1、2、3又は4に記載のノン
    ハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 上記シランカップリング剤は、ビニルト
    リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
    メチルジエトキシシラン、ビニルフェニルジメトキシシ
    ランのいずれか1種または2種以上の混合物である請求
    項1、2、3、4又は5に記載のノンハロゲン難燃シラ
    ン架橋ポリオレフィン組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記架橋剤は、ジクミルパーオキサイ
    ト、2,5−(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,
    1,3−ビス(第三ブチルペルオキシイソプロピル)ベ
    ンゼンのいずれか1種または2種以上の混合物である請
    求項1、2、3、4、5又は6に記載のノンハロゲン難
    燃シラン架橋ポリオレフィン組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記架橋触媒は、ジブチル錫ジラウレー
    ト、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫メチルカプチド
    のいずれかである請求項1、2、3、4、5、6又は7
    に記載のノンハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組
    成物の製造方法。
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