JP2013227559A - 難燃性樹脂組成物の製造方法、並びに、その製造方法で製造された耐熱性樹脂組成物及び該耐熱性樹脂組成物を用いた成形品 - Google Patents

難燃性樹脂組成物の製造方法、並びに、その製造方法で製造された耐熱性樹脂組成物及び該耐熱性樹脂組成物を用いた成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】シランカップリング剤の揮発を抑えるとともに、難燃性、耐熱性、機械特性に優れた難燃性樹脂組成物の製造方法及びそれを用いた成形体を提供する。
【解決手段】(a)ポリオレフィン系樹脂と、該ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.01〜0.6質量部と、金属水和物100質量部に対してシランカップリング剤0.5〜8.0質量部の割合で表面処理した表面処理金属水和物を40質量部以上含む金属水和物120〜300質量部とを前記有機過酸化物の分解温度以上で溶融混合してシランマスターバッチを製造する工程と、(b)前記シランマスターバッチとシラノール縮合触媒とを溶融混合した後に成形する工程と、(c)前記工程の成形物を水分と接触させて架橋させる工程とを含む難燃性樹脂組成物の製造方法、及び、この製造方法により製造された難燃性架橋組成物の成形物を含む成形品。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性樹脂組成物の製造方法、並びに、その製造方法で製造された耐熱性樹脂組成物及び該耐熱性樹脂組成物を用いた成形品に関し、特には、機械特性と柔軟性、さらに耐熱性及び難燃性に優れた難燃性樹脂組成物の製造方法と該難燃性樹脂組成物の製造方法を用いて製造した難燃性樹脂組成物と該耐熱性樹脂組成物を成形した電線の絶縁体や、シース等の成形品に関するものである。
電気・電子機器の内部及び外部配線に使用される絶縁電線、ケーブル、コードや光ファイバ心線、光ファイバコードには、難燃性、耐熱性、機械特性(例えば、引張特性、耐摩耗性)など種々の特性が要求されている。これらの配線材に使用される材料としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水和物を多量に配合した樹脂組成物が用いられる。
また、電気・電子機器に使用される配線材は、連続使用の状態で80〜105℃、さらには、125℃位にまで昇温することがあり、これに対する難燃性が要求される場合がある。このような場合、配線材に高難燃性を付与することを目的として、被覆材料を電子線架橋法や化学架橋法などによって架橋する方法がとられている。
従来、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂を架橋する方法として、電子線を照射して架橋させる電子線架橋法や、成形後に熱を加えることにより有機過酸化物等を分解させて架橋反応させる化学架橋法や、シラン架橋法が知られている。シラン架橋法とは、有機過酸化物の存在下で不飽和基を有するシランカップリング剤を反応させてシラングラフトポリマーを得た後に、シラノール縮合触媒の存在下で水分と接触させることにより架橋成形体を得る方法である。これらの架橋法の中でも特にシラン架橋法は特殊な設備を要しないことが多いため、幅広い分野で使用することができる。
具体的には例えば、ハロゲンフリーの難燃性シラン架橋樹脂の製造方法は、ポリオレフィン樹脂に不飽和基を有するシランカップリング剤をグラフトさせたシランマスターバッチと、ポリオレフィンと難燃剤としての金属水和物を混練した難燃マスターバッチと、シラノール縮合触媒を含有した触媒マスターバッチとを溶融混合させる方法がある。しかし、この方法ではポリオレフィン樹脂100質量部に対して金属水和物が100質量部を超える場合では、シランマスターバッチと難燃性マスターバッチとを乾式混合して単軸押出機や二軸押出機内にて均一に溶融混練することが困難になり、外観が悪化したり、物性が大幅に低下したり、押出負荷が高く成形ができないおそれがあった。また、シランマスターバッチを含む割合が限定されてしまうため、より高難燃化・高耐熱化することが困難であった。
通常、このような金属水和物が、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して100質量部を超える場合の混練りには、連続混練機、加圧式ニーダーやバンバリーミキサーなどの密閉型ミキサーを用いることが一般的である。
一方、ニーダーやバンバリーミキサーでシラングラフトを行う場合には、不飽和基を有するシランカップリング剤は非常に揮発性が高く、グラフト反応する前に揮発してしまうため、シランマスターバッチを作製することが非常に困難であった。
そこで、バンバリーミキサーやニーダーにて、難燃シランマスターバッチを製造する場合、ポリオレフィン樹脂及び難燃剤を溶融混合した難燃マスターバッチに、加水分解性不飽和基を有するシランカップリング剤と有機過酸化物を加え、単軸押出機にてグラフト重合させる方法が考えられる。しかし、この方法では反応のばらつきによって成形体に外観不良が生じたり、マスターバッチの金属水和物の配合量を非常に多くしなければならず押出負荷が非常に大きくなったり、製造が非常に難しくなったりして所望の材料や成形体を得ることができず、外観不良が生じるおそれがあった。また、難燃マスターバッチに老化防止剤を入れたときはグラフト化の阻害が起こり、所望の長期難燃性を得ることができないおそれがある。さらに2工程となり、コスト面にも大きな課題があった。
特許文献1にはポリオレフィン系樹脂にシランカップリング剤で表面処理した金属水和物、シランカップリング剤、有機過酸化物、架橋触媒をニーダーにて十分に溶融混合した後に、単軸押出機にて成形する方法が提案されている。
しかし、この方法では、ニーダーでの溶融混合中に架橋してしまい成形体は外観不良を引き起こすばかりでなく、金属水和物を表面処理したシランカップリング剤以外のシランカップリング剤の大部分は、揮発するか又はシランカップリング剤同士が縮合するおそれがある。そのため、所望の難燃性を得ることができないばかりか、シランカップリング剤同士の縮合が電線の外観悪化の要因となるおそれがある。
また、特許文献2〜4にはブロック共重合体等をベース樹脂とし、軟化剤として非芳香族系ゴム用軟化剤を加えたビニル芳香族系熱可塑性エラストマー組成物を、シラン表面処理された金属水和物を介して有機過酸化物を用いて部分架橋する技術が提案されている。
このような技術であってさえなお、樹脂が十分な網状構造になっておらず、樹脂と金属水和物の結合は高温で結合が外れるため、高温下では溶融し、例えば電線をハンダ加工中に絶縁材が熔けてしまったり、また成形対を2次加工する際に変形して、発泡を生じたりする問題があった。さらに200℃程度に短時間加熱されると、外観が著しく劣化したり、変形したりする問題があった。
特開2001−101928号公報 特開2000−143935号公報 特開2000−315424号公報 特開2001−240719号公報
本発明は、上記の問題点を解決し、反応系からの、不飽和基を有するシランカップリング剤の揮発を抑えるとともに、難燃性、耐熱性、機械特性に優れた難燃性樹脂組成物の製造方法及び該難燃性樹脂組成物を用いた成形品を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の課題は以下の手段によって達成された。
(1)(a)ポリオレフィン系樹脂と、該ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.01〜0.6質量部と、金属水和物100質量部に対してシランカップリング剤0.5〜8.0質量部の割合で表面処理した表面処理金属水和物40質量部以上を含む金属水和物120〜300質量部とを、前記有機過酸化物の分解温度以上で溶融混合してシランマスターバッチを調製する工程と、(b)前記シランマスターバッチとシラノール縮合触媒とを溶融混合した後に成形する工程と、(c)前記(b)工程の成形物を水分と接触させて架橋させる工程とを含むことを特徴とする難燃性架橋組成物の製造方法。
(2)(a)ポリオレフィン系樹脂と、該ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.01〜0.6質量部と、金属水和物100質量部に対してシランカップリング剤0.5〜8.0質量部の割合で表面処理した表面処理金属水和物40質量部以上を含む金属水和物120〜300質量部とを、前記有機過酸化物の分解温度以上で溶融混合してシランマスターバッチを調製する工程と、(b−1)シラノール縮合触媒とキャリア樹脂を混合して触媒マスターバッチを製造する工程と、(b−2)前記(a)工程及び(b−1)工程で、それぞれ調製したシランマスターバッチと触媒マスターバッチとを溶融混合した後に成形する工程と、(c)前記(b−2)工程の成形物を水分と接触させて架橋させる工程とを含むことを特徴とする(1)に記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
(3)前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、前記シランマスターバッチ中に、表面処理金属水和物上のシランカップリング剤を0.5〜8.0質量部で含有させてなることを特徴とする(1)又は(2)に記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
(4)前記シランカップリング剤を、5.0〜8.0質量部で含有させてなることを特徴とする(3)に記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
(5)前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、さらにスチレン系エラストマー3〜40質量部及びパラフィン系オイル3〜40質量部を、前記パラフィン系オイルが前記スチレン系エラストマー100質量部に対して30〜300質量部となる割合で溶融混合することを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
(6)前記シランマスターバッチにシランカップリング剤が単独で導入されていないことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
(7)前記シランマスターバッチにシラノール縮合触媒が含まれていないことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
(8)前記シランマスターバッチに架橋助剤が含まれていないことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
(9)前記シランカップリング剤がビニルトリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランであることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
(10)前記金属水和物が水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
(11)前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、前記触媒マスターバッチの前記キャリア樹脂が1〜50質量部であることを特徴とする(2)〜(10)のいずれかに記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
(12)前記シランマスターバッチの製造の際の溶融混合を、密閉型のミキサーで行うことを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物の製造方法。
(13)(1)〜(12)のいずれかに記載の難燃性架橋組成物の製造方法により製造されたことを特徴とする難燃性架橋組成物の成形物を含む成形品。
(14)前記成形品が、電線あるいは光ファイバケーブルの被覆であることを特徴とする(13)に記載の成形品。
(15)表面処理金属水和物40質量部以上を含む金属水和物を、120〜300質量部の範囲内であって前記表面処理金属水和物に結合するシランカップリング剤量がポリオレフィン系樹脂100質量部に対して3.0〜8.0質量部となる割合で、含む難燃性樹脂組成物であって、前記ポリオレフィン系樹脂がシラノール結合を介して金属水和物と架橋してなることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
本発明によれば、難燃性(特に水平燃焼)、耐熱性、機械特性に優れるとともに、ポリオレフィン系樹脂と金属水和物との混練り前及び/又は混練り時に、シランカップリング剤を混合することにより、混練り時のシランカップリング剤の揮発を抑え、効率的に難燃性樹脂組成物、及び難燃性樹脂組成物の成形品を得ることができる。さらに金属水和物を大量に加えた高難燃の高温溶融しない架橋組成物を電子線架橋機などの特殊な機械を使用することなく製造することができる。
以下に本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
本発明の難燃性架橋組成物の製造方法は、(a)ポリオレフィン系樹脂と、該ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.01〜0.6質量部と、金属水和物100質量部に対してシランカップリング剤0.5〜8.0質量部の割合で表面処理した表面処理金属水和物40質量部以上を含む金属水和物120〜300質量部とを前記有機過酸化物の分解温度以上で溶融混合してシランマスターバッチを調製する工程と、(b)前記シランマスターバッチとシラノール縮合触媒とを溶融混合した後に成形する工程と、(c)前記(b)工程の成形物を水分と接触させて架橋させる工程とを含む。
(A)ポリオレフィン系樹脂
本発明において使用されるポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、従来、難燃性樹脂組成物に使用されている公知のものを使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、酸共重合成分又は酸エステル共重合成分を有するポリオレフィン共重合体、及びそれらのゴム、エラストマーが挙げられる。この中でも、金属水和物に対する受容性が高く、金属水和物を多量に配合しても機械的強度を維持する効果があり、また難燃性を確保しつつ耐電圧、特に、高温での耐電圧特性の低下を抑制する点から、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体及び酸共重合成分を有する共重合体が好ましい。これらのポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
ポリエチレン(PE)としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)、直鎖型低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)が挙げられる。このなかでも、直鎖型低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)が好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体としては、好ましくは、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。エチレン−α−オレフィン共重合体としては、具体的には、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレン−ブチレン共重合体(EBR)、及びシングルサイト触媒存在下に合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体等がある。好ましくはエチレン−プロピレン共重合体である。
酸共重合成分又は酸エステル共重合成分を有するポリオレフィン共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体などが挙げられる。この中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体が好ましく、さらには金属水和物への受容性及び難燃性の点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いることが特に好ましい。
(B)有機過酸化物
本発明に用いられる有機過酸化物は、熱分解によりラジカルを発生して、後述するシランカップリング剤(D)の不飽和基とポリオレフィン系樹脂(A)とのラジカル反応(ポリオレフィン系樹脂(A)からの水素ラジカルの引き抜き反応を含む)によるグラフト化反応を促進させる働きをする。この有機過酸化物(B)は、ラジカルを発生させるものであれば、特に限定されず、R−OO−R、R−OO−C(=O)RやRC(=O)−OO(C=O)Rで表される化合物が好ましい。ここで、R、R、R及びRは各々独立にアルキル基、アリール基、アシル基を表す。このうち、本発明においては、R、R、R及びRがいずれもアルキル基であるか、いずれかがアルキル基で他がアシル基であるものが好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイドなどを挙げることができる。これらのうち、臭気性、着色性、スコーチ安定性の点で、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3が最も好ましい。
有機過酸化物(B)の分解温度は、80〜195℃であるのが好ましく、125〜180℃であるのがより好ましい。
本発明において、有機過酸化物の分解温度とは、単一組成の有機過酸化物(B)を加熱したとき、ある一定の温度あるいは温度域でそれ自身が2種類以上の化合物に分解反応を起こす温度を意味し、DSC法等の熱分析により、窒素ガス雰囲気下で5℃/分の昇温速度で、室温から加熱したとき、吸熱又は発熱を開始する温度をいう。
有機過酸化物の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜0.6質量部の範囲であり、好ましくは0.1〜0.5質量部である。有機過酸化物をこの範囲内にすることにより、適切な範囲で重合を行うことができ、架橋ゲル等に起因する凝集塊(ブツ)も発生することなく押し出し性に優れた組成物が得ることができる。
すなわち、有機過酸化物の配合量が0.01質量部未満では、架橋時にシランカップリング剤を介してポリオレフィン系樹脂の架橋反応が進行せずにシランカップリング剤同士の重合が生じおそれがある。一方、0.6質量部を超えると、シランカップリング剤が揮発しやすくなり、又は、副反応によってブツが生じるおそれがある。
(C)金属水和物
本発明に用いられる金属水和物は、後述する表面処理金属水和物を含むものである。すなわち、この金属水和物は、後述する表面処理金属水和物のみでもよく、表面処理金属水和物以外の金属水和物を含んでいてもよい。表面処理金属水和物以外の金属水和物としては、例えば、表面が処理されていない表面未処理の金属水和物、後述するシランカップリング剤(D)以外のシランカップリング剤で表面処理された金属水和物、脂肪酸で表面処理された金属水和物、リン酸エステルで表面処理された金属水和物等が挙げられる。
表面未処理の金属水和物としては、特に制限が無く、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ほう酸アルミ、ウイスカ、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの水酸基あるいは結晶水を有する金属化合物のような金属水酸化物や金属水和物を使用することができる。これらは1種類を単独で配合してもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。これらの金属水和物のうち、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
金属水和物の平均粒径は、1〜5μmであることが好ましく、2〜4μmであることがより好ましく、2.5〜3.5μmであることがさらに好ましい。金属水和物の平均粒径が1μm未満であると難燃性が低下し、耐熱性が低下する傾向があり、5μmを超えると金属水和物の添加による補強効果が小さくなり、難燃性が低下する傾向がある。なお、平均粒径とは、TEM、SEM等により測定した金属水和物100個の粒径から求められる平均値をいう。
上記金属水和物(C)の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、120〜300質量部であり、好ましくは150〜250質量部である。
金属水和物の配合量が120質量部未満の場合は、難燃性架橋組成物に所望の耐燃性や機械特性を得ることができないおそれがある。一方、300質量部を超えると溶融混合が困難になるとともに、押出成形の際に所望の形状を得ることができないおそれがある。
(D)シランカップリング剤
シランカップリング剤は、ラジカルの存在下でポリオレフィン系樹脂(A)にグラフト反応しうる基と加水分解しうる基とを有するものであれば、特に限定されるものではなく、従来よりシラン架橋に用いられる不飽和基を有するシランカップリング剤を使用することができ、例えば下記の一般式(1)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2013227559
(式中、Ra11はエチレン性不飽和基を含有する基を表し、Rb11は脂肪族炭化水素基、水素原子又はY13を表す。Y11、Y12及びY13は各々独立に、加水分解する有機基を表す。Y11、Y12及びY13は互いに同じでも異なっていてもよい。)
上記一般式(1)で表されるシランカップリング剤のRa11は、エチレン性不飽和基を含有する基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基、p−スチリル基などを挙げることができ、より好ましくはビニル基である。
b11は脂肪族炭化水素基、水素原子又は後述のY13を表し、脂肪族炭化水素基としては、脂肪族不飽和炭化水素基以外の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。Rb11は、好ましくは後述のY13である。
11、Y12及びY13は加水分解する有機基を表し、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜8のアリールオキシ基、炭素数1〜4のアシルオキシ基が挙げられ、その中でも炭素数1〜4のアルコキシ基、好ましくは炭素数1のアシルオキシ基(OCOCH)のこと)、さらに好ましくは炭素数1〜2のアルコキシ基である。加水分解する有機基としは具体的には例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、アセチルオキシ基、(メタ)アクリロオキシ基等を挙げることができる。この中でも反応性の点からメトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
上記シランカップリング剤としては、好ましくは加水分解速度の速い不飽和基を有するシランカップリング剤、より好ましくはRb11がY13であり、かつY11、Y12及びY13が互いに同じであるシランカップリング剤である。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルジメトキシエトキシシラン、ビニルジメトキシブトキシシラン、ビニルジエトキシブトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエチレン性二重結合を末端に有するシランカップリング剤などを挙げることができる。これらのシランカップリング剤は単独又は2種以上併用してもよい。このような架橋性のシランカップリング剤の中でも、末端にビニル基とアルコキシ基を有するシランカップリング剤がさらに好ましく、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが特に好ましい。
シランカップリング剤(D)の表面処理量は、金属水和物(C)のうち表面処理されるべき金属水和物100質量部に対して、0.5〜8.0質量部、好ましくは0.7〜6.0質量部、より好ましくは1.2〜6.0質量部である。シランカップリング剤はそのものでもよいし、溶剤で希釈されたものを使用してもよい。
シランカップリング剤の表面処理量が0.5質量部未満の場合は、架橋が十分になされず難燃性架橋組成物に所望の耐燃性や機械特性を得ることができないおそれがある。一方、8.0質量部を超えると、それ以上のシランカップリング剤が金属水和物表面に吸着せず、混練中に揮発してしまい、経済的でないばかりか、縮合してしまい、成形体(成形物ともいう)に架橋ゲルブツや焼けが生じ外観が悪化するおそれがある。特に外観不良は8.0質量部を超える場合に顕著である。
また、シランカップリング剤(D)の使用量は、上述の表面処理量を満たすことに加えて、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、0.5〜8.0質量部であることが好ましい。換言すると、シランマスターバッチ中に、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、後述する表面処理金属水和物を表面処理しているシランカップリング剤が好ましくは0.5〜8.0質量部となる割合で、後述する表面処理金属水和物がポリオレフィン系樹脂(A)と溶融混合される。
上述のシランカップリング剤(D)の使用量は、難燃性架橋組成物の耐燃性、機械特性の点で1.0〜5.0質量部がより好ましく、一方、外観の点で5.0〜8.0質量部であることがより好ましい。
シランカップリング剤の使用量が0.5質量部未満の場合は、架橋が十分になされず難燃性架橋組成物に所望の耐燃性や機械特性を得ることができないおそれがある。一方、8.0質量部を超えると、シランカップリング剤同士が縮合してしまい、成形体に架橋ゲルのブツや焼けが生じ外観が悪くなるおそれがある。
シランカップリング剤(D)の使用量が5.0〜8.0質量部であると押出外観に優れる。その機構の詳細についてはまだ定かではないが、次のように考えられる。すなわち、工程(a)において、シランカップリング剤(D)とポリオレフィン系樹脂(A)が有機過酸化物(B)の分解温度以上で溶融混練されると、シランカップリング剤(D)がポリオレフィン系樹脂(A)にシラングラフト反応をする。このとき、副反応としてポリオレフィン系樹脂(A)同士の重合も起こると考えられる。重合反応により分子量が大きくなった分子はゲルブツとして押出外観に悪影響を与える。しかし、シランカップリング剤(D)の使用量が5.0〜8.0質量部であると、シランカップリング剤(D)とポリオレフィン系樹脂(A)とのシラングラフト反応がより優先的に行われ、結果的にポリオレフィン系樹脂(A)同士の重合による分子量の大きい分子が存在しなくなり、優れた外観になると推測される。
(E)シランカップリング剤で表面処理した表面処理金属水和物
本発明では混練り時のシランカップリング剤の揮発を低減するために、金属水和物をシランカップリング剤で表面処理した表面処理金属水和物を用いる。
金属水和物とシランカップリング剤の表面処理の方法には、特には限定しないが、無処理あるいは予めステアリン酸やオレイン酸、リン酸エステル、又は一部シランカップリング剤で表面処理した金属水和物中に上述のシランカップリング剤(D)を、加熱又は加熱せずに加え混合する方法(湿式処理)や、水などの溶媒に金属水和物を分散させた状態で上述のシランカップリング剤(D)を加える方法(乾式処理)などがあり、詳細は後述する。湿式処理後に乾式処理を行うといった、湿式処理と乾式処理を組み合わせることもできる。なお本発明においては金属水和物中にシランカップリング剤を加熱又は加熱せずに加え混合することが好ましい。
また、この表面処理は溶融混合直前及び/又は混練時に行っても良い。すなわち、混練り時に金属水和物とシランカップリング剤を同時に加えても良い。但し、ポリオレフィン系樹脂(A)とシランカップリング剤(D)を混練した後に金属水和物を加えると、シランカップリング剤(D)が揮発してしまい所望の難燃性を得ることができないため、金属水和物とシランカップリング剤(D)は同時に加える必要がある。また、同時に加える場合でも事前処理に比べ、多少のシランカップリング剤(D)は揮発してしまう可能性があるため、表面処理は事前処理又は直前処理が好ましい。
シランカップリング剤(D)の表面処理量が金属水和物100質量部に対して6.0質量部を超える場合、乾式処理又は湿式処理と乾式処理の組み合わせが成形品の外観の側面より好ましい。この理由の詳細はまだ定かではないが、湿式処理中にシランカップリング剤が加水分解を起こし、ブツの原因になるからであると推測される。
この表面処理金属水和物としては、例えばシランカップリング剤表面処理水酸化マグネシウムとして、表面無処理のもの(市販品としては、キスマ5(商品名、協和化学社製)など)、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸で表面処理されたもの(キスマ5A(商品名、協和化学社製)など)、リン酸エステル処理されたものなどを上記のシランカップリング剤(D)により表面処理したもの、又は上記のシランカップリング剤(D)によりすでに表面処理された水酸化マグネシウムの市販品(キスマ5LH、キスマ5PH(いずれも商品名、協和化学社製)など)がある。また、上記以外にも、予め脂肪酸やリン酸エステルなどで表面の一部が前処理された水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムに、さらに上記のシランカップリング剤(D)を用い表面処理を行った表面処理金属水和物なども用いることができる。
上記シランカップリング剤(D)で表面処理した表面処理金属水和物は、上記シランカップリング剤(D)で表面処理した表面処理金属水和物単体、又は上記シランカップリング剤(D)で表面処理した表面処理金属水和物をポリオレフィン系樹脂100質量部に対して40質量部以上含む混合物であり、上記表面処理金属水和物の配合量及び種類を変化させることにより、架橋レベルを制御することができ、さらには非常に難燃性の高い難燃樹脂組成物を得ることが可能となる。
このように金属水和物は少なくとも一部がシランカップリング剤で処理されていることが必要であるが、上述したように、表面処理されていない無処理の金属水和物や脂肪酸等の他の表面処理剤で処理した金属水和物を適宜併用することができる。
このとき、金属水和物(C)120〜300質量部中の表面処理金属水和物の含有量は、40質量部以上であり、45質量部以上が好ましい。表面処理金属水和物は最大で金属水和物(C)全量となり、好ましくは全量に対して20〜100質量%である。
(F)キャリア樹脂
キャリア樹脂としては、特に限定されないが、上記ポリオレフィン系樹脂(A)と同様のものを用いることができ、好ましくはシラノール縮合触媒と親和性がよく難燃性の点でエチレン系樹脂である。具体的には、エチレン系樹脂としては、直鎖型低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等の上記ポリエチレン(PE)が挙げられ、直鎖型低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが好ましく、直鎖型低密度ポリエチレンが特に好ましい。
キャリア樹脂の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは1〜25質量部である。またこのキャリア樹脂には金属水和物を加えてもよいし、加えなくてもよい。その際の金属水和物の量は、特には限定しないがキャリア樹脂の樹脂成分100質量部に対し、350質量部以下が好ましい。
キャリア樹脂の配合量が、1〜50質量部であると、シラノール縮合触媒の分散性が向上して架橋が速やかに進行し、結果、外観に優れると共に、難燃性にも優れる。
(G)シラノール縮合触媒
本発明におけるシラノール縮合触媒は、グラフト化された不飽和基を有するシランカップリング剤(D)を縮合反応により水分の存在下で結合させる働きがある。このシラノール縮合触媒(G)の働きに基づき、シランカップリング剤(D)を介してポリマー同士が架橋される。その結果、難燃性に優れた樹脂成形体(単に成形体、又は、難燃性架橋組成物ともいう)を得ることができる。
シラノール縮合触媒(G)としては、有機スズ化合物、金属石けん、白金化合物等が用いられる。一般的なシラノール縮合触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウリレート、ジオクチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ナフテン酸鉛、硫酸鉛、硫酸亜鉛、有機白金化合物などが用いることができるが、特に好ましくはジブチルスズジラウリレート、ジオクチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物である。
シラノール縮合触媒の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.0001〜0.5質量部、より好ましくは0.001〜0.1質量部である。
シラノール縮合触媒(G)の配合量が、上述の範囲内にあると、シランカップリング剤(D)の縮合反応が速やかに進行して均一な架橋構造が形成され、成形体に難燃性が発現し、また生産性も向上するうえ、部分的なゲル化を抑えて成形体の外観及び樹脂物性に優れる。
(H)スチレン系エラストマー
本発明にはスチレン系エラストマーを用いることもできる。スチレン系エラストマー(H)は、分子内にスチレン等の芳香族ビニル化合物を構成成分とするものをいう。したがって、本発明において、分子内にエチレン構成成分を含んでいても芳香族ビニル化合物構成成分を含んでいれば、スチレン系エラストマーに分類する。
このようなスチレン系エラストマーとしては、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのブロック共重合体若しくはランダム共重合体、又は、それらの水素添加物が挙げられる。共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。また、芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、p−(t−ブチル)スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−(t−ブチル)スチレン等が挙げられる。
前記したスチレン系エラストマーとしては、具体的には、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)、水素化SBS、SEEPS(スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体)、SEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体)、水素化SIS、HSBR(水素化スチレン・ブタジエンゴム)、HNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)等を挙げることができる。市販品としては、例えば、セプトン(商品名、(株)クラレ製)、ダイナロン(商品名、J
SR(株)製)等を挙げることができる。
なお、スチレン系エラストマーとしては、スチレン含有量が10〜40%であるSEPS、SEEPS、SEBSを単独で、あるいはこれらの2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
スチレン系エラストマー(H)の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、3〜40質量部が好ましい。スチレン系エラストマー(H)の配合量が上述の範囲内にあると、本発明の難燃性架橋樹脂組成物を電線に用いたときに電線の外観に優れる。
(I)パラフィン系オイル
本発明にはパラフィン系オイルを用いることもできる。パラフィン系オイル(I)としては、例えば、非芳香族系の鉱物油軟化剤又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤等を用いることができる。一般に、ゴム用として用いられる鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン鎖の三者の組み合わさった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィン系オイル、ナフテン環炭素数が30〜40%のものはナフテン系オイル、芳香族炭素数が30%以上のものは芳香族系オイルと呼ばれて区別されている。本発明ではこれらのうち、パラフィン系オイルを使用することができる。
パラフィン系オイルの、市販されているものとしては、例えば、ダイナプロセスオイル(商品名、出光興産(株)製)が挙げられる。
パラフィン系オイル(I)の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、3〜40質量部が好ましい。パラフィン系オイル(I)の配合量が上述の範囲内にあると、本発明の難燃性架橋樹脂組成物を電線に用いたときに電線の外観に優れる。
また、パラフィン系オイル(I)の配合量は、上記スチレン系エラストマー(H)100質量部に対して30〜300質量部が好ましい。パラフィン系オイル(I)の配合量が上述の範囲内にあると、溶融混練時にスチレン系エラストマー(H)を良好に分散させて練ブツの発生を低減でき、また本発明の難燃性架橋樹脂組成物を電線に用いたときに高温時での電線のブリードを防止できる。
スチレン系エラストマー(H)及びパラフィン系オイル(I)の配合量を上述の範囲にすると電線の外観に優れるという作用の詳細はまだ明らかではないが、次のように考えている。シランカップリング剤(D)とポリオレフィン系樹脂(A)が有機過酸化物(B)の分解温度以上でシラングラフト反応をするが、その際に副反応としてポリオレフィン系樹脂(A)同士の重合も起こると考えられる。このポリオレフィン系樹脂(A)同士の重合は高温ほど起こりやすいと考えられており、スチレン系エラストマー(H)とパラフィンオイル(I)を添加することで溶融混練時の局所的な発熱を抑えることが出来、ポリオレフィン系樹脂(A)同士の反応を減らし、優れた外観になると推測される。また、スチレン系エラストマー(H)により、耐熱性も保たれると思われる。
また、難燃性樹脂組成物には、電線、電気ケーブル、電気コード、シート、発泡体、チューブ、パイプにおいて、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、滑剤、金属不活性剤、難燃(助)剤や他の樹脂などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することができる。これらの添加剤はキャリア樹脂に加えた方がよく、特に酸化防止剤や金属不活性剤は金属水和物に混合されたシランカップリング剤が樹脂へのグラフトを阻害しないように、キャリア樹脂に加えた方が良い。その中でも架橋助剤を実質的に含まないことが好ましく、特に架橋助剤はマスターバッチを作成する工程に実質的に含まれないことが好ましい。架橋助剤を加えると、混練り中に有機過酸化物により架橋助剤が反応し、樹脂同士の架橋が生じ、ゲル化が生じ成形体の外観が著しく低下したり、シランカップリング剤の樹脂へのグラフトが進まないことにより、最終的な成形体の難燃性が得られなくなるおそれがあるためである。難燃性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で前記添加物を導入することができるが、少なくとも上記ポリオレフィン系樹脂(A)を50質量%以上含有し、より好ましくは70%以上含有する。
ここで、架橋助剤とは有機過酸化物の存在下において、ポリオレフィン系樹脂との間に部分架橋構造を形成するものをいい、例えばポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのメタクリレート系化合物、トリアリルシアヌレートなどのアリル系化合物、マレイミド系化合物、ジビニル系化合物などの多官能性化合物を挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えば、4,4’−ジオクチル・ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンヅイミダゾール及びその亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。
金属不活性剤としては、N,N’−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オキサミドビス−(エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などが挙げられる。
添加する場合、ポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対して、酸化防止剤は好ましくは0.1〜8.0質量部で加えることができる。
また、酸化防止剤を0.5質量部以上加える場合は、シランカップリング剤(D)のポリオレフィン系樹脂(A)へのグラフト反応を阻害する可能性があるため、触媒マスターバッチに含有させる、及び/又は、シランマスターバッチの混練工程の最後に投入することが好ましい。
難燃(助)剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ほう酸亜鉛、ホワイトカーボンなどが挙げられる。特に、シリコーンゴム、シリコーンオイルなどのシリコーン化合物は、難燃性を付与、向上させるだけでなく、電線・コードにおいては、絶縁体(難燃性樹脂組成物を含んでなる被覆層)と導体の密着力の制御を行ったり、ケーブルにおいては、滑性を付与することで、外傷を低減させる効果がある。これらの充填剤は金属水和物としてシランカップリング剤を混合させる際に添加しても、キャリア樹脂に添加してもよい。
滑剤としては、炭化水素系、シロキサン系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石けん系などが挙げられる。これらの滑剤はキャリア樹脂に加えた方がよい。
以下、本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法を説明する。
本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法においては、ポリオレフィン系樹脂、有機過酸化物、金属水和物を溶融混合する工程(a)を実施する。
工程(a)においては、最初の工程で、金属水和物及びシランカップリング剤(D)を乾式又は湿式混合して表面処理した表面処理金属水和物(E)を得るのが好ましい。
金属水和物中へのシランカップリング剤の添加は、加熱又は非加熱で加え混合する処理(乾式)や、水などの溶媒に金属水和物を分散させた状態でシランカップリング剤を加える処理(湿式)などの方法がある。本発明においては金属水和物、好ましくは乾燥させた金属水和物中にシランカップリング剤を、加熱又は非加熱で加え混合する処理、すなわち乾式処理が好ましい。
金属水和物にシランカップリング剤を水などの溶媒に金属水和物を分散させた状態でシランカップリング剤を加える方法(湿式混合)では、シランカップリング剤が強く金属水和物と結合が生じやすくなるため、その後の縮合反応が進みにくくなるおそれがある。一方で金属水和物中にシランカップリング剤を、加熱又は非加熱で加え混合する方法(乾式混合)は比較的金属水和物とシランカップリング剤の結合が弱いため、効率的に架橋が進みやすくなる。
その際にシランカップリング剤と有機過酸化物を一緒に混合して、フィラーに分散させても良いし、分けて分散させてもよいが、実質的に一緒に混合した方がよい。
金属水和物中に加えるシランカップリング剤は、金属水和物の表面を取り囲むように存在し、その一部又は全部は金属水和物に吸着されたり、金属水和物表面と化学的な結合を生じたりする。このような状態になることにより、その後のニーダーやバンバリーミキサー等で、本材料を混練り加工する際のシランカップリング剤の揮発を大幅に低減するとともに、次の工程で加える過酸化物によってシランカップリング剤の不飽和基はポリオレフィン系樹脂と架橋反応すると考えられる。また、成形の際にシラノール縮合触媒によってシランカップリング剤同士が縮合反応すると考えられる。この反応の機構は定かではないが縮合反応の際に、金属水和物とシランカップリング剤の結合があまりに強いと、シラノール縮合触媒を加えても金属水和物と結合したシランカップリング剤が金属水和物からはずれることがなく、シラノール縮合反応(架橋反応)が進みにくくなると考えられる。
次の工程で、ポリオレフィン系樹脂(A)、有機過酸化物(B)、及び上記表面処理金属水和物(E)、所望により表面処理金属水和物(E)以外の金属水和物、所望によりスチレン系エラストマー(H)、所望によりパラフィン系オイル(I)のそれぞれを加え、それらを加熱しながら溶融混合して、シランマスターバッチを調製する。なお有機過酸化物を加える方法としては、ポリオレフィン系樹脂に分散させたものでもよいし、単体で加えたり、油等に分散させて加えてもよいが、好ましくはポリオレフィン系樹脂に分散させた方がよい。
混練温度は有機過酸化物の分解温度以上、好ましくは有機過酸化物の分解温度+25℃〜110℃である。この温度で混練することにより有機過酸化物が分解し、シランカップリング剤が金属水和物にグラフトしたシラングラフトポリマーを含有するシランマスターバッチを得ることができる。この分解温度はポリオレフィン系樹脂(A)が溶融してから設定することが好ましい。また、混練時間等の混練条件も適宜設定することができる。
有機過酸化物の分解温度未満での混練りの場合、シラングラフト反応が起こらず、所望の難燃性を得ることができないばかりか、押出中に有機過酸化物が反応してしまい、所望の形状に成形できない場合がある。
混練方法としては、ゴム、プラスチックなどで通常用いられる方法であれば満足に使用でき、装置としては金属水和物の量に応じて、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサーあるいは各種のニーダーなどが用いられるが、バンバリーミキサー又は各種のニーダーなどの密閉型ミキサーが樹脂分散や架橋の安定性の面で好ましい。
通常、このような金属水和物がポリオレフィン系樹脂100質量部に対して100質量部を超える場合、連続混練機、加圧式ニーダーやバンバリーミキサーでの混練りが一般的である。
シランカップリング剤(D)は、シランマスターバッチに単独で導入されず、金属水和物と前混合等して表面処理をして導入することが好ましい。
これは、シランカップリング剤は混練中に揮発して経済的でないばかりか、吸着しないシランカップリング剤が縮合して溶融混合が困難になるとともに、押出成形の際に所望の形状を得ることができないおそれがあるためである。
なお、シランカップリング剤(D)は、金属水和物と同時にポリオレフィン系樹脂(A)等に加えられてもよい。
このようにして工程(a)で調製されるシランマスターバッチは、少なくとも、有機過酸化物(B)の分解物と、後述の工程(b)により成形可能な程度にシランカップリング剤(D)がポリオレフィン系樹脂(A)にグラフトしたシラングラフトポリマーを含有している。
本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法においては、次いで、シランマスターバッチとシラノール縮合触媒とを溶融混合した後に成形する工程(b)を実施する。この工程(b)は、シランマスターバッチとシラノール縮合触媒とを溶融混合する工程であるが、シラノール縮合触媒とキャリア樹脂を混合して触媒マスターバッチを製造する工程(b−1)と、工程(a)及び工程(b−1)でそれぞれ調製したシランマスターバッチと触媒マスターバッチとを溶融混合した後に成形する工程(b−2)とを有しているのが好ましい。
すなわち、好適な工程(b)においては、キャリア樹脂(F)とシラノール縮合触媒(G)を混合して触媒マスターバッチを得る工程(b−1)を実施する。
キャリア樹脂の溶融温度に応じて、混練温度は、80〜250℃、より好ましくは100〜240℃で行うことができる。なお混練時間等の混練条件は適宜設定することができる。
混練方法は、上記混練方法と同様の方法で行うことができる。
上記シラノール縮合触媒(G)は、触媒マスターバッチに含まれ、シランマスターバッチには含まれない。これは、シラノール縮合触媒がシランマスターバッチに含まれるとシランカップリング剤が縮合して溶融混合が困難になるとともに、押出成形の際に所望の形状を得ることができないおそれがあるためである。
次に、上記シランマスターバッチと触媒マスターバッチとを、加熱しながら被覆装置内で溶融混合し、例えば押出し電線やファイバに被覆し、所望の形状に成形する(工程(b−2))。
溶融混合は、エラストマーなどDSCなどで融点が測定不可の樹脂もあるが、少なくともポリオレフィン系樹脂及び有機過酸化物のいずれかが溶融する温度で混練する。キャリア樹脂は、シラノール縮合触媒を分散させるために溶融するのが好ましい。なお混練時間等の混練条件は適宜設定することができる。
混練方法は、上記混練方法と同様の方法で行うことができる。
このようにして工程(b)が実施される。工程(b)で得られる成形物は、シランマスターバッチとシラノール縮合触媒との混合物(未架橋物)であり、少なくとも、上述のシラングラフトポリマーを含有している。
本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法においては、次いで、成形物を水分と接触させて架橋させる工程(c)を実施する。上記成形物を水分と接触させて架橋させる工程(c)の処理自体は通常の方法によって行うことができる。上記成形物と、水分を接触させることで、シランカップリング剤が加水分解し、シラノール縮合触媒によりシランカップリング剤同士が縮合し、架橋構造を形成する。
水分と接触させる条件は、常温で保管するだけで進行していくが、架橋をさらに加速させるために、温水に浸水させたり、湿熱槽に入れたり、高温の水蒸気にさらしても良い。また、その際に水分を内部に浸透させるために圧力を掛けてもよい。
本発明の難燃性架橋組成物の製造方法は、反応機構の詳細についてはまだ定かではないが、以下のように考えられる。
すなわち、本発明におけるポリオレフィン系樹脂(A)は、金属水和物(E)と加熱混練されると、有機過酸化物(B)成分の存在下でグラフト反応したシランカップリング剤(D)を介して金属水和物(E)と架橋する。ポリオレフィン系樹脂(A)にシランカップリング剤(D)で表面処理した表面処理金属水和物(E)を含有する金属水和物(C)を特定量配合した場合に限り、成形時の押し出し加工性を損なうことなく金属水和物を多量に配合することが可能になり、優れた難燃性を確保しながらも耐熱性、及び機械特性を併せ持つことができる。
シランカップリング剤(D)で処理された表面処理金属水和物(E)が、ポリオレフィン系樹脂(A)に作用する機構についても詳細はまだ定かではないが、以下のように考えられる。すなわち、シランカップリング剤(D)で金属水和物(C)を表面処理することにより、シランカップリング剤(D)は、アルコキシ基で金属水和物(C)と結合し、もう一方の末端に存在するビニル基などのエチレン性不飽和基でポリオレフィン系樹脂(A)の未架橋部分と結合したり、又は、金属水和物(C)と結合することなく、金属水和物(C)の穴や表面に物理的及び化学的に吸着して、保持される。この状態で過酸化物を加えて混練りを行うと、シランカップリング剤がほとんど揮発することがなく、シランカップリング剤の反応性部位であるエチレン性不飽和基がポリオレフィン系樹脂(A)と反応し、グラフト反応を引き起こす。
さらにこれにキャリア樹脂が加えられ、水分と接触すると、ポリオレフィン系樹脂(A)の未架橋部分と結合したシランカップリング剤及び金属水和物(C)の穴や表面に物理的及び化学的に吸着したシランカップリング剤が加水分解してシラノール縮合し、ポリオレフィン系樹脂(A)同士がシランカップリング剤を介して結合して、架橋する。この反応により得られた樹脂組成物(架橋組成物ともいう)や成形体の難燃性は非常に高くなり、高温でも溶融しない樹脂組成物や成形体を得ることが可能となる。一方で、金属水和物の表面に予めアルコキシ基で化学的に強く結合したシランカップリング剤はこの加水分解反応が生じることがなく、金属水和物との結合が保持される。そこで、ポリオレフィン系樹脂(A)と金属水和物の結合が生じ、金属水和物を介したポリオレフィン系樹脂(A)の架橋が生じる。これにより、押し出し成形性を損なうことなく金属水和物を大量に配合することが可能になるとともに、ポリオレフィン系樹脂(A)と金属水和物の密着性が強固になり、機械強度及び耐摩耗性が良好で、傷つきにくい難燃性樹脂組成物(難燃性架橋樹脂成形体ともいう)が得られる。
本発明の製造方法は、例えば難燃耐熱性絶縁電線・耐熱難燃ケーブル被覆材料、その他耐熱難燃電線部品、難燃耐熱シート、難燃耐熱フィルム、その他種々の難燃性を有する成形体、具体的には電源プラグ、コネクター、スリーブ、ボックス、テープ基材、チューブ、シート、電気・電子機器の内部及び外部配線に使用される配線材や、電線の絶縁体や、シース等の成形部品、特に電線や光ケーブルの製造に適用することができる。それらの形状に、押出し被覆装置内で溶融混合しながら被覆する等により成形することができる。このような成形品は、金属水和物を大量に加えた高難燃性の高温溶融しない架橋組成物を電子線架橋機などの特殊な機械を使用することなく汎用の押出被覆装置を用いて、導体の周囲に、又は抗張力繊維を縦添えもしくは撚り合わせた導体の周囲に押出被覆することにより製造することができる。例えば、導体としては軟銅の単線又は撚線などの任意のものを用いることができる。また、導体としては裸線の他に、錫メッキしたものやエナメル被覆絶縁層を有するものを用いてもよい。導体の周りに形成される絶縁層(本発明の難燃性樹脂組成物からなる被覆層)の肉厚は特に限定しないが通常0.15mm〜5mm程度である。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、表1〜7において、各実施例、比較例及び参考例における数値は質量部を表す。
実施例1〜32、比較例1〜13及び参考例1〜4は、表1〜3の各成分を用いて、それぞれの諸元を表4、5に示すように変更して、それぞれ作成した。
Figure 2013227559
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Figure 2013227559
なお、表1〜5中に示す各化合物としては下記のものを使用した。
ポリオレフィン系樹脂Aはエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂として三井・デュポンケミカル社製の商品名EV180であり、ポリオレフィン系樹脂Bは直鎖型低密度ポリエチレンとして三菱油化社製のノバテックPE UE−320であり、ポリオレフィン系樹脂Cはエチレン−ブテン共重合体としてダウ・ケミカル社製のエンゲージ7256を使用した。
スチレン系エラストマーは、スチレンーエチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)(商品名:セプトン4077、(株)クラレ社製、スチレン成分含有量30%)を使用した。
パラフィン系オイルは、ダイナプロセスオイルPW90(商品名)、出光興産(株)製を使用した。
有機過酸化物Aは化薬アクゾ社製のジアルキルパーオキサイド Perkadox BC−FF(分解温度151℃)、有機過酸化物Bは日本油脂社製のパーブチルL(ペルオキシ酸tert−ブチル(分解温度129℃))を使用した。
酸化防止剤AはBASF社製のヒンダードフェノール系酸化防止剤 IRGANOX 1010(ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート))、架橋助剤は新中村化学社製のNKエステル3G(トリエチレングリコールジメタクリレート)を使用した。
シラノール縮合触媒Aはジオクチルスズジラウリレート(堺化学工業製のKS−1200A−1)、シラノール縮合触媒Bはジブチルスズジラウリレート(堺化学工業製のTN−12)を使用した。
キャリア樹脂は、直鎖型低密度ポリエチレンとして三菱油化社製のノバテックPE UE−320を使用した。
水酸化マグネシウムA〜E及びKは無修飾水酸化マグネシウムとして神島化学社製のマグシーズ X−6、水酸化マグネシウムFは神島化学社製マグシーズ S−6(表面処理 0.3%)、水酸化マグネシウムIは協和キスマ5AL%(表面処理 ステアリン酸0.7%)及び水酸化アルミニウムAは昭和電工社製のハイジライト42Mをそれぞれ、シランカップリング剤としての信越シリコーン社製のビニルトリメトキシシラン KBM−1003で表2に記載の表面処理量でヘンシェルミキサー(日本コークス社製 9L FMミキサー)で5分間混合して表面処理した。
酸化マグネシウムGは神島化学社製マグシーズ FK−621(表面処理 ビニルトリメトキシシラン 1.0%)、水酸化マグネシウムHは協和キスマ5AL(表面処理 ステアリン酸0.7%)、水酸化マグネシウムJは島化学社製のマグシーズ X−6を、それぞれ、シランカップリング剤で表面処理せずに用いた。
表3に示すように、キャリア樹脂を、シラノール縮合触媒A又はBとともに表3に示す質量部比で160℃、5分間で1Lニーダーにて溶融混合して触媒マスターバッチ1〜5を得た(工程(b−1))。
次に、表4及び表5に示す質量部比で、ポリオレフィン系樹脂、金属水和物、有機過酸化物及び酸化防止剤、所望によりスチレン系エラストマー及びパラフィン系オイルをBMミキサー(日本ロール製造製:2L インテンシブミキサー)内に投入し、BMミキサーを用いて180〜190℃で5分間加熱混練しシランマスターバッチを得た(工程(a))。
その後、調製したシランマスターバッチと触媒マスターバッチのそれぞれを、表4及び表5に示す「シランマスターバッチ(表において「シランMB」と表記する)100部に対する部数」(質量部)で、ブレンダーを用い室温にて15分間ドライブレンドを先に行った後に、導体:1/0.8A上に、肉厚:0.8mm、外径:2.4mmとなるように押出被覆した(工程(b−2))。
その後、温度60℃、湿度95%の恒温恒湿槽内にて48時間水分と接触させて架橋させ、各難燃性樹脂組成物を得た(工程(c))。
ここで、上記押出被覆の条件は、25mm押出機(L/D=24)を用い、押出し温度はシリンダー温度200℃、ヘッド温度210℃である。水酸化アルミニウムはシリンダー温度190℃、ヘッド温度195℃、線速10m/minである。
なお、実施例17は、0.1質量部の酸化防止剤をまず180〜190℃で5分間加熱混練した後に、さらに1.9質量部(合計2.0質量部)の酸化防止剤を投入し170℃で2分間加熱混練して、シランマスターバッチを調製した(工程(a))。
実施例18及び19は、表面処理金属水和物を加える代わりに、金属水和物及びシランカップリング剤を同時にBMミキサーに投入した。
比較例9は、触媒マスターバッチを用いずに、シラノール縮合触媒A、シランカップリング剤及び有機過酸化物Aを最初に同時混合した後に、ポリオレフィン系樹脂と混合してシランマスターバッチを調製した。
比較例10はシランマスターバッチの製造の際の温度を140℃で加熱混練した。
比較例11及び12は、シランカップリング剤、有機過酸化物以外の材料を先にBM混練ミキサーで180〜190℃、5分間加熱混練した後に、シランカップリング剤及び有機過酸化物を加え、単軸押出機にて再度加熱混合することで得たシランマスターバッチを用いた。なお、押出機は70mm押出機を用い、シリンダー190℃、ヘッド190℃である。
得られた各難燃性樹脂組成物について、下記の加熱変形、難燃水平燃焼、60°傾斜難燃、垂直難燃、機械特性、及び押出の際の外観を測定し、その結果を表6、7に示す。
耐熱性試験(加熱変形率)は、160℃ UL1581に基づいて行い、加熱変形で耐熱性を測定した。測定温度は160℃で、荷重は5Nとした。なお、50%以下をA、50%を超えるものをCとした。Aが合格レベルである。
難燃試験Aは、JIS C 3005に基づき難燃水平燃焼を行った。この試験は30秒以内で自消したものを合格としてカウントした。なお、30秒以内で自消したものをA、30秒以内で自消しなかったものをCとした。Aが合格レベルである。
難燃試験Bは、JIS C 3005に基づき60°傾斜難燃を行った。燃焼時間は30秒とした。なお、自己消火時間が60秒以内、燃焼長が250mm以内をAとし、それを満たさないが許容レベルのものをBとした。なお本試験は参考までに示した。
難燃試験C(垂直難燃)は、UL1581に基づきVertical Flame Testを行った。この試験は、5個のサンプルを用い、残炎時間が60秒以内の場合を合格とした。全数合格した場合をAで示した。それ以外であって許容レベルのものをBでとした。なお本試験は参考までに示した。
機械特性は、UL1581に準拠し、上記の架橋絶縁電線より管状片を切り出し、引張試験を行った。標線間25mm、引張速度500mm/分で試験を行った。なお引張強さは10MPa以上をA、それ未満をCとした。Aが合格レベルである。
また、引張伸びは100%以上をA、それ未満をCとした。Aが合格レベルである。
押出外観1は、25mm押出機にて線速10m/minで電線を作成した際の押出外観を観察した。外観が良好だったものをA、外観がやや悪いが製品上問題ないものをB、外観が著しく悪かったものをCとした。B以上は製品レベルであり、合格とした。
押出外観2は、65mm押出機にて線速80m/minで電線を作成した際の押出外観を観察した。外観が良好だったものをAA、外観がやや悪いものをA、外観が許容レベルだが悪いものをBとした。押出温度はシリンダー温度190℃、ヘッド温度195℃である。なお本試験は参考までに示した。
押出外観3は、90mm押出機にて線速150m/minで電線を作成した際の押出外観を観察した。外観が良好だったものをAA、外観がやや悪いものをA、外観が許容レベルだが悪いものをBとした。押出温度はシリンダー温度200℃、ヘッド温度205℃である。なお本試験は参考までに示した。
Figure 2013227559
Figure 2013227559
表6の結果から明らかなように、実施例1〜32は加熱変形、難燃水平燃焼、機械特性、押出外観のいずれも良好であった。
一方、表7の結果から以下のことが明らかである。
比較例1はシランカップリング剤の表面処理が少ないため耐熱性が劣った。
比較例2はシラノール縮合触媒が含まれてない触媒マスターバッチ2を用いているため耐熱性が劣った。
比較例3は金属水和物が脂肪酸で表面処理されたものであってシランカップリング剤で表面処理されたものではないため耐熱性及び機械特性が劣った。
比較例4は金属水和物の量が少ないため難燃性が劣った。
比較例5は金属水和物の量が多いため機械特性が劣った。
比較例6は有機過酸化物の量が少ないため耐熱性及び機械特性が劣った。
比較例7は有機過酸化物の量が多いため機械特性及び押出しの際の外観が劣った。
比較例8はシランカップリング剤で表面処理された金属水和物の量が少ないため耐熱性が劣った。
比較例9は、触媒マスターバッチを用いずに、シラノール縮合触媒、シランカップリング剤及び有機過酸化物Aを最初に同時混合した後にポリオレフィン系樹脂と混合しているので、混練中又はマスターバッチ調製後に、シランカップリング剤の架橋反応が進んでしまい、押出の際の外観が劣った。
比較例10は混練温度が低く有機過酸化物が分解せず、押出被覆装置内にて有機過酸化物が急激に分解したため、押出外観及び機械特性等が劣った。
比較例11はシランカップリング剤、有機過酸化物を後に加えたため押出外観が劣った。
比較例12はシランカップリング剤、有機過酸化物を後に加えているうえ、酸化防止剤が多量に入っているためグラフト阻害が起こり、耐熱性が劣った。
比較例13はシランカップリング剤の表面処理量が少なく、押出外観が劣った。
なお、参考例1はシランカップリング剤の表面処理量が多い金属水和物Dを使用しているため押出しの際の外観が劣った。
参考例2は架橋助剤を含むため機械特性及び押出しの際の外観が劣った。
参考例3は触媒マスターバッチの割合が少なく、縮合触媒の分散不良が起こり、耐熱性が劣った。
参考例4は触媒マスターバッチの割合が多く、非架橋樹脂の割合が減りすぎて、耐熱性が劣った。

Claims (15)

  1. (a)ポリオレフィン系樹脂と、該ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.01〜0.6質量部と、金属水和物100質量部に対してシランカップリング剤0.5〜8.0質量部の割合で表面処理した表面処理金属水和物40質量部以上を含む金属水和物120〜300質量部とを、前記有機過酸化物の分解温度以上で溶融混合してシランマスターバッチを調製する工程と、
    (b)前記シランマスターバッチとシラノール縮合触媒とを溶融混合した後に成形する工程と、
    (c)前記(b)工程の成形物を水分と接触させて架橋させる工程とを含むことを特徴とする難燃性架橋組成物の製造方法。
  2. (a)ポリオレフィン系樹脂と、該ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.01〜0.6質量部と、金属水和物100質量部に対してシランカップリング剤0.5〜6.0質量部の割合で表面処理した表面処理金属水和物40質量部以上を含む金属水和物120〜300質量部とを、前記有機過酸化物の分解温度以上で溶融混合してシランマスターバッチを調製する工程と、
    (b−1)シラノール縮合触媒とキャリア樹脂を混合して触媒マスターバッチを製造する工程と、
    (b−2)前記(a)工程及び(b−1)工程で、それぞれ調製したシランマスターバッチと触媒マスターバッチとを溶融混合した後に成形する工程と、
    (c)前記(b−2)工程の成形物を水分と接触させて架橋させる工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、前記シランマスターバッチ中に、表面処理金属水和物上のシランカップリング剤を0.5〜8.0質量部で含有させてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
  4. 前記シランカップリング剤を、5.0〜8.0質量部で含有させてなることを特徴とする請求項3に記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
  5. 前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、さらにスチレン系エラストマー3〜40質量部及びパラフィン系オイル3〜40質量部を、前記パラフィン系オイルが前記スチレン系エラストマー100質量部に対して30〜300質量部となる割合で、溶融混合することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
  6. 前記シランマスターバッチにシランカップリング剤が単独で導入されていないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
  7. 前記シランマスターバッチにシラノール縮合触媒が含まれていないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
  8. 前記シランマスターバッチに架橋助剤が含まれていないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
  9. 前記シランカップリング剤がビニルトリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
  10. 前記金属水和物が水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
  11. 前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、前記触媒マスターバッチの前記キャリア樹脂が1〜50質量部であることを特徴とする請求項2〜10のいずれか1項に記載の難燃性架橋組成物の製造方法。
  12. 前記シランマスターバッチの製造の際の溶融混合を、密閉型のミキサーで行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の難燃性架橋組成物の製造方法により製造された難燃性架橋組成物の成形物を含むことを特徴とする成形品。
  14. 前記成形品が、電線あるいは光ファイバケーブルの被覆であることを特徴とする請求項13に記載の成形品。
  15. 表面処理金属水和物40質量部以上を含む金属水和物を、120〜300質量部の範囲内であって前記表面処理金属水和物に結合するシランカップリング剤量がポリオレフィン系樹脂100質量部に対して3.0〜8.0質量部となる割合で、含む難燃性樹脂組成物であって、
    前記ポリオレフィン系樹脂がシラノール結合を介して金属水和物と架橋してなることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
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