JP2000211169A - サ―マルヘッドの温度制御方法およびサ―マル処理装置 - Google Patents
サ―マルヘッドの温度制御方法およびサ―マル処理装置Info
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- JP2000211169A JP2000211169A JP1786099A JP1786099A JP2000211169A JP 2000211169 A JP2000211169 A JP 2000211169A JP 1786099 A JP1786099 A JP 1786099A JP 1786099 A JP1786099 A JP 1786099A JP 2000211169 A JP2000211169 A JP 2000211169A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 消去ヘッドの加熱エネルギーを全域にわたっ
て一定化させることにより、画像の消し残りを防止して
消去特性を向上させる。 【解決手段】 所定の消去温度に加熱した消去ヘッドの
発熱体をリライタブルカードのリライト層に圧接しなが
ら画像の消去処理を行うにあたり、発熱体を、一旦、消
去温度よりも高い温度に加熱し、この後に消去温度に下
げる温度制御を行ってから、消去処理を開始する。
て一定化させることにより、画像の消し残りを防止して
消去特性を向上させる。 【解決手段】 所定の消去温度に加熱した消去ヘッドの
発熱体をリライタブルカードのリライト層に圧接しなが
ら画像の消去処理を行うにあたり、発熱体を、一旦、消
去温度よりも高い温度に加熱し、この後に消去温度に下
げる温度制御を行ってから、消去処理を開始する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リライタブルカー
ドのリライト層に印字された画像をサーマル消去するサ
ーマル消去ヘッド等、記録層にサーマル処理を施すサー
マルヘッドの温度制御方法およびそのサーマルヘッドを
用いたサーマル処理装置に関する。
ドのリライト層に印字された画像をサーマル消去するサ
ーマル消去ヘッド等、記録層にサーマル処理を施すサー
マルヘッドの温度制御方法およびそのサーマルヘッドを
用いたサーマル処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、種々のカードが広い分野で使用さ
れているが、それらの中には、テレフォンカードやポイ
ントカード等、カードを使用する都度、流動的な可変情
報(残高やポイント等)を更新してカードに表示させる
形式のものがある。この種のカードにおける情報表示方
式としては、サーマルプリンタにより情報を単に印字す
る方法が挙げられる。ところが、この方法では印字され
た画像が全て残るので、印字行数を確保するために印字
画像を小さくしたり、印字エリアを広くする等の必要が
生じ、その結果、印字画像が見にくくなったり、模様や
名前等の可変情報以外の固定的な画像を表示するエリア
が狭くなったりするといった不都合な面があった。
れているが、それらの中には、テレフォンカードやポイ
ントカード等、カードを使用する都度、流動的な可変情
報(残高やポイント等)を更新してカードに表示させる
形式のものがある。この種のカードにおける情報表示方
式としては、サーマルプリンタにより情報を単に印字す
る方法が挙げられる。ところが、この方法では印字され
た画像が全て残るので、印字行数を確保するために印字
画像を小さくしたり、印字エリアを広くする等の必要が
生じ、その結果、印字画像が見にくくなったり、模様や
名前等の可変情報以外の固定的な画像を表示するエリア
が狭くなったりするといった不都合な面があった。
【0003】そこで、近年、前回の画像が消去されると
ともに、同一箇所に最新の画像のみが印字されるリライ
タブルカードが提供されている。このリライタブルカー
ドは、樹脂製基材にリライト層として積層された熱可逆
性記録材料に対し、同材料に定められた加熱/冷却処理
をカード処理装置のサーマルヘッドユニットによって施
すことにより、画像の消去/印字、すなわちリライトが
繰り返し行われるようになされている。その具体的構造
としては、通常、主体を構成する長方形状の樹脂製基材
の表面に、上記熱可逆性材料からなるリライト層が基材
の長手方向と平行にストライプ状に形成されている。
ともに、同一箇所に最新の画像のみが印字されるリライ
タブルカードが提供されている。このリライタブルカー
ドは、樹脂製基材にリライト層として積層された熱可逆
性記録材料に対し、同材料に定められた加熱/冷却処理
をカード処理装置のサーマルヘッドユニットによって施
すことにより、画像の消去/印字、すなわちリライトが
繰り返し行われるようになされている。その具体的構造
としては、通常、主体を構成する長方形状の樹脂製基材
の表面に、上記熱可逆性材料からなるリライト層が基材
の長手方向と平行にストライプ状に形成されている。
【0004】上記カード処理装置は、一般に、上記のよ
うなリライタブルカードを、消去ヘッドとプラテンロー
ラとの間から印字ヘッドとプラテンローラとの間に順次
挟み込んでリライト層の延びる方向に搬送しながら、各
ヘッドが、リライト層に圧接して消去/印字を行うよう
構成されている。同装置の印字ヘッドは、サーマルプリ
ンタの印字ヘッドと同様に、複数の発熱体が配列され、
リライト層に圧接しながら画像の印字部分に対応する発
熱体に電流を流すことにより、リライト層を印字温度に
加熱して画像をサーマル印字する構成である。一方、消
去ヘッドは、消去温度に一様に発熱する発熱体がリライ
ト層に圧接することにより、リライト層の画像をサーマ
ル消去する構成である。
うなリライタブルカードを、消去ヘッドとプラテンロー
ラとの間から印字ヘッドとプラテンローラとの間に順次
挟み込んでリライト層の延びる方向に搬送しながら、各
ヘッドが、リライト層に圧接して消去/印字を行うよう
構成されている。同装置の印字ヘッドは、サーマルプリ
ンタの印字ヘッドと同様に、複数の発熱体が配列され、
リライト層に圧接しながら画像の印字部分に対応する発
熱体に電流を流すことにより、リライト層を印字温度に
加熱して画像をサーマル印字する構成である。一方、消
去ヘッドは、消去温度に一様に発熱する発熱体がリライ
ト層に圧接することにより、リライト層の画像をサーマ
ル消去する構成である。
【0005】図9(a)、(b)、(c)は、上記消去
ヘッドの一例を示している。この消去ヘッドは、セラミ
ックス等からなるバー状の基板90のヘッド面90a
に、電極91,91および電気抵抗体からなる発熱体9
2が固着され、基板90の両端に取り付けられたコ字状
のホルダ93を介して装置に取り付けられる構成となっ
ている。発熱体92は、電極91,91を介して電流が
流され、抵抗値に応じて一様に発熱し、その温度はヘッ
ド面の裏側に取り付けられたサーミスタからなる温度セ
ンサ94により検出される。この消去ヘッドは、搬送さ
れるリライタブルカード(図9(a)の矢印Fが搬送方
向)に対して基板90および発熱体91がストライプ状
のリライト層を横断するように、すなわち直交するよう
に対向配置されてリライト層に圧接するよう装備され
る。
ヘッドの一例を示している。この消去ヘッドは、セラミ
ックス等からなるバー状の基板90のヘッド面90a
に、電極91,91および電気抵抗体からなる発熱体9
2が固着され、基板90の両端に取り付けられたコ字状
のホルダ93を介して装置に取り付けられる構成となっ
ている。発熱体92は、電極91,91を介して電流が
流され、抵抗値に応じて一様に発熱し、その温度はヘッ
ド面の裏側に取り付けられたサーミスタからなる温度セ
ンサ94により検出される。この消去ヘッドは、搬送さ
れるリライタブルカード(図9(a)の矢印Fが搬送方
向)に対して基板90および発熱体91がストライプ状
のリライト層を横断するように、すなわち直交するよう
に対向配置されてリライト層に圧接するよう装備され
る。
【0006】そして、消去処理時には、まず、温度セン
サ94により発熱体92の温度を検出しながら、その温
度が消去温度となるまでの予熱過程を、フィードバック
制御により行う。この後、発熱体92に一定の電流を流
して消去温度を保持しつつ、搬送中のリライタブルカー
ドのリライト層に発熱体92を圧接させて画像の消去を
行う。発熱体92がリライト層に圧接する実質的な消去
処理時においては、発熱体92の温度がリライタブルカ
ードに接触することにより低下するので、この温度低下
が補償され、かつ発熱体92が消去温度を保持するであ
ろうと予測される一定の電流を発熱体92に印加する予
測制御を行っている。
サ94により発熱体92の温度を検出しながら、その温
度が消去温度となるまでの予熱過程を、フィードバック
制御により行う。この後、発熱体92に一定の電流を流
して消去温度を保持しつつ、搬送中のリライタブルカー
ドのリライト層に発熱体92を圧接させて画像の消去を
行う。発熱体92がリライト層に圧接する実質的な消去
処理時においては、発熱体92の温度がリライタブルカ
ードに接触することにより低下するので、この温度低下
が補償され、かつ発熱体92が消去温度を保持するであ
ろうと予測される一定の電流を発熱体92に印加する予
測制御を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に消去ヘッドの発熱体92が予熱された後に、消去ヘッ
ドが駆動されて発熱体92がリライタブルカードのリラ
イト層に圧接する消去処理が開始されると、発熱体92
に印加される一定の加熱エネルギーEは、発熱体92か
らリライタブルカードに供給される加熱エネルギー(消
去エネルギー)Ecと、発熱体92よりも低温のホルダ
93を加熱する加熱エネルギーEhとに分割される。こ
こで、加熱エネルギーEcは、リライタブルカードの温
度が一定ならば、それに応じてほぼ一定と考えられる
が、加熱エネルギーEhは、主にホルダ93の蓄熱状態
により変化する。つまり、短時間で消去が繰り返し行わ
れたことなどに起因してホルダ93が蓄熱されていると
加熱エネルギーEhは小さくなり、その分、加熱エネル
ギーEcが増大する。また、ホルダ93の温度が低けれ
ば加熱エネルギーEhは大きくなり、その分、加熱エネ
ルギーEcが減少する。このため、発熱体92の温度
は、図10に示すように、で示す中央部は消去温度T
に近付くものの、で示す両端部の温度は消去温度より
かなり低いまま推移していた。このように、従来の消去
ヘッドでは、ホルダ93の蓄熱状態に影響されて消去エ
ネルギーが部分的に変化してしまい、その結果、消し残
りが生じるなど、消去特性の低下がみられた。
に消去ヘッドの発熱体92が予熱された後に、消去ヘッ
ドが駆動されて発熱体92がリライタブルカードのリラ
イト層に圧接する消去処理が開始されると、発熱体92
に印加される一定の加熱エネルギーEは、発熱体92か
らリライタブルカードに供給される加熱エネルギー(消
去エネルギー)Ecと、発熱体92よりも低温のホルダ
93を加熱する加熱エネルギーEhとに分割される。こ
こで、加熱エネルギーEcは、リライタブルカードの温
度が一定ならば、それに応じてほぼ一定と考えられる
が、加熱エネルギーEhは、主にホルダ93の蓄熱状態
により変化する。つまり、短時間で消去が繰り返し行わ
れたことなどに起因してホルダ93が蓄熱されていると
加熱エネルギーEhは小さくなり、その分、加熱エネル
ギーEcが増大する。また、ホルダ93の温度が低けれ
ば加熱エネルギーEhは大きくなり、その分、加熱エネ
ルギーEcが減少する。このため、発熱体92の温度
は、図10に示すように、で示す中央部は消去温度T
に近付くものの、で示す両端部の温度は消去温度より
かなり低いまま推移していた。このように、従来の消去
ヘッドでは、ホルダ93の蓄熱状態に影響されて消去エ
ネルギーが部分的に変化してしまい、その結果、消し残
りが生じるなど、消去特性の低下がみられた。
【0008】上記問題を解決する手段としては、消去ヘ
ッドの長さを、リライト層の幅よりも十分長くして温度
勾配の影響を抑えることが挙げられる。しかしながら、
リライタブルカードにあっては、リライト層の両側に、
エンボス加工による表示エリアや磁気ストライプが配置
されることが多く、これらの存在により消去ヘッドの長
さは制約を受けるので、実質的な解決策とはなり得な
い。通常、リライト層を構成する熱可逆性記録材料の消
去温度は一定範囲内にあり、一方、印字温度は消去温度
以上で特定されないことから、リライト層は全幅にわた
って所定の消去温度に均一に加熱されることが求められ
る。このため、低温時におけるリライト層の加熱温度の
ばらつきはカード処理装置の消去特性を阻害する要因と
なり、解決すべき課題である。
ッドの長さを、リライト層の幅よりも十分長くして温度
勾配の影響を抑えることが挙げられる。しかしながら、
リライタブルカードにあっては、リライト層の両側に、
エンボス加工による表示エリアや磁気ストライプが配置
されることが多く、これらの存在により消去ヘッドの長
さは制約を受けるので、実質的な解決策とはなり得な
い。通常、リライト層を構成する熱可逆性記録材料の消
去温度は一定範囲内にあり、一方、印字温度は消去温度
以上で特定されないことから、リライト層は全幅にわた
って所定の消去温度に均一に加熱されることが求められ
る。このため、低温時におけるリライト層の加熱温度の
ばらつきはカード処理装置の消去特性を阻害する要因と
なり、解決すべき課題である。
【0009】したがって本発明は、サーマル処理に供給
される加熱エネルギーが一定化してサーマル処理の特性
が向上するサーマルヘッドの温度制御方法およびサーマ
ル処理装置を提供することを目的としている。
される加熱エネルギーが一定化してサーマル処理の特性
が向上するサーマルヘッドの温度制御方法およびサーマ
ル処理装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のサーマルヘッド
の温度制御方法は、所定の処理温度に加熱したサーマル
ヘッドを記録担体の記録層に接触させてサーマル処理を
行うにあたり、サーマルヘッドを、一旦、処理温度より
も高い温度に加熱し、この後に処理温度に下げてからサ
ーマル処理を開始することを特徴としている。
の温度制御方法は、所定の処理温度に加熱したサーマル
ヘッドを記録担体の記録層に接触させてサーマル処理を
行うにあたり、サーマルヘッドを、一旦、処理温度より
も高い温度に加熱し、この後に処理温度に下げてからサ
ーマル処理を開始することを特徴としている。
【0011】本発明の温度制御方法が適用されるサーマ
ルヘッドとしては、実際に発熱して記録層に接触する発
熱体と、この発熱体を支持する支持部材(例えば前述の
ホルダ等)とを備え、支持部材を介して装置等に組み込
まれる構成が好ましい。このようなサーマルヘッドの発
熱体においては、支持部材に接触あるいは近接する部位
の放熱量が他の部分よりも多い。本発明によれば、一
旦、処理温度よりも高い温度に加熱されることにより、
サーマルヘッド(発熱体)は全域にわたって処理温度以
上の温度に達し、この後、処理温度に下げられても、放
熱しやすい部位は支持部材を含めると熱容量が大きいこ
とから温度は急激に低下しにくい。このため、サーマル
ヘッドの全域が処理温度に保持されやすくなってサーマ
ル処理に供給される加熱エネルギーが一定化し、この状
態からサーマル処理が開始されるので、サーマル処理の
特性が向上する。
ルヘッドとしては、実際に発熱して記録層に接触する発
熱体と、この発熱体を支持する支持部材(例えば前述の
ホルダ等)とを備え、支持部材を介して装置等に組み込
まれる構成が好ましい。このようなサーマルヘッドの発
熱体においては、支持部材に接触あるいは近接する部位
の放熱量が他の部分よりも多い。本発明によれば、一
旦、処理温度よりも高い温度に加熱されることにより、
サーマルヘッド(発熱体)は全域にわたって処理温度以
上の温度に達し、この後、処理温度に下げられても、放
熱しやすい部位は支持部材を含めると熱容量が大きいこ
とから温度は急激に低下しにくい。このため、サーマル
ヘッドの全域が処理温度に保持されやすくなってサーマ
ル処理に供給される加熱エネルギーが一定化し、この状
態からサーマル処理が開始されるので、サーマル処理の
特性が向上する。
【0012】また、本発明の別の温度制御方法は、サー
マルヘッドを処理温度に加熱するとともに、その処理温
度を一定時間保持した後、サーマル処理を開始すること
を特徴としている。これは、上記のように、一旦、処理
温度よりも高い温度に加熱する代わりに、処理温度に達
したらその温度を一定時間保持する方法である。その保
持時間の間に、サーマルヘッドは全域にわたって処理温
度に上昇し、上記方法と同様に加熱エネルギーが一定化
する。
マルヘッドを処理温度に加熱するとともに、その処理温
度を一定時間保持した後、サーマル処理を開始すること
を特徴としている。これは、上記のように、一旦、処理
温度よりも高い温度に加熱する代わりに、処理温度に達
したらその温度を一定時間保持する方法である。その保
持時間の間に、サーマルヘッドは全域にわたって処理温
度に上昇し、上記方法と同様に加熱エネルギーが一定化
する。
【0013】次に、本発明のサーマル処理装置は、上記
サーマルヘッドの温度制御方法を実施する上で好適な装
置であって、所定の処理温度に加熱されて記録担体の記
録層に接触することにより、該記録層のサーマル処理を
行うサーマルヘッドと、このサーマルヘッドを加熱する
加熱手段と、サーマルヘッドを記録層に接触させる駆動
手段と、加熱手段の加熱エネルギーを制御してサーマル
ヘッドの温度を制御するとともに、駆動手段を作動させ
る制御手段とを備え、該制御手段は、サーマルヘッド
を、一旦、処理温度よりも高い温度に加熱した後、処理
温度に下げる第1の温度制御を行ってから、駆動手段を
作動させることを特徴としている。また、別のサーマル
処理装置として、制御手段が、上記第1の温度制御に代
えて、サーマルヘッドが処理温度に達した後、その処理
温度を一定時間保持する第2の温度制御を行ってから、
駆動手段を作動させることを特徴としている。
サーマルヘッドの温度制御方法を実施する上で好適な装
置であって、所定の処理温度に加熱されて記録担体の記
録層に接触することにより、該記録層のサーマル処理を
行うサーマルヘッドと、このサーマルヘッドを加熱する
加熱手段と、サーマルヘッドを記録層に接触させる駆動
手段と、加熱手段の加熱エネルギーを制御してサーマル
ヘッドの温度を制御するとともに、駆動手段を作動させ
る制御手段とを備え、該制御手段は、サーマルヘッド
を、一旦、処理温度よりも高い温度に加熱した後、処理
温度に下げる第1の温度制御を行ってから、駆動手段を
作動させることを特徴としている。また、別のサーマル
処理装置として、制御手段が、上記第1の温度制御に代
えて、サーマルヘッドが処理温度に達した後、その処理
温度を一定時間保持する第2の温度制御を行ってから、
駆動手段を作動させることを特徴としている。
【0014】第1の温度制御は、サーマルヘッドの温度
を、一旦、処理温度よりも高い温度に上げた後、処理温
度に下げる制御であり、第2の温度制御は、サーマルヘ
ッドの処理温度を一定時間保持する制御である。本発明
のサーマル処理装置によれば、これら温度制御のいずれ
か一方を制御手段が採ることにより、サーマルヘッドは
全域にわたって処理温度に加熱され、加熱エネルギーが
一定化する。ここで、サーマルヘッドは、実際に加熱さ
れ、かつ記録層に接触させられる発熱体と、この発熱体
を支持する支持部材とを備える構成が、本発明に好適で
ある。その場合、上述したように、発熱体における支持
部材に接触あるいは近接して放熱しやすい部位が、第1
の温度制御あるいは第2の温度制御を採ることにより他
の部分との温度差が生じにくくなって加熱エネルギーが
一定化するわけである。
を、一旦、処理温度よりも高い温度に上げた後、処理温
度に下げる制御であり、第2の温度制御は、サーマルヘ
ッドの処理温度を一定時間保持する制御である。本発明
のサーマル処理装置によれば、これら温度制御のいずれ
か一方を制御手段が採ることにより、サーマルヘッドは
全域にわたって処理温度に加熱され、加熱エネルギーが
一定化する。ここで、サーマルヘッドは、実際に加熱さ
れ、かつ記録層に接触させられる発熱体と、この発熱体
を支持する支持部材とを備える構成が、本発明に好適で
ある。その場合、上述したように、発熱体における支持
部材に接触あるいは近接して放熱しやすい部位が、第1
の温度制御あるいは第2の温度制御を採ることにより他
の部分との温度差が生じにくくなって加熱エネルギーが
一定化するわけである。
【0015】本発明の上記温度制御方法においては、処
理温度以上に加熱する際の処理温度との温度差や、処理
温度に達してからの保持時間は、サーマルヘッドがおか
れる環境温度に応じて変化させることが望ましい。具体
的には、処理温度以上に加熱する場合には、環境温度が
低温であればあるほど処理温度との温度差を大きくし、
逆に高温であればあるほど温度差を小さくする。また、
保持時間をおく場合には、環境温度が低温であればある
ほど保持時間を長くし、逆に高温であればあるほど保持
時間を短くする。これは、低温であればあるほどサーマ
ルヘッドは昇温しにくく、かつ温度が下がりやすいから
であり、このように加熱温度や保持時間を適宜に調整す
ることにより、加熱エネルギーおよび保持時間を必要最
小限に抑えながら、サーマルヘッドを全域にわたって処
理温度に保持させることができる。処理温度との温度差
や保持時間は環境温度によって変化するので、予めサー
マルヘッドの全域が処理温度に達する時間を環境温度に
応じて把握しておき、そのデータに基づいて処理温度と
の温度差や保持時間を調整することが望ましい。
理温度以上に加熱する際の処理温度との温度差や、処理
温度に達してからの保持時間は、サーマルヘッドがおか
れる環境温度に応じて変化させることが望ましい。具体
的には、処理温度以上に加熱する場合には、環境温度が
低温であればあるほど処理温度との温度差を大きくし、
逆に高温であればあるほど温度差を小さくする。また、
保持時間をおく場合には、環境温度が低温であればある
ほど保持時間を長くし、逆に高温であればあるほど保持
時間を短くする。これは、低温であればあるほどサーマ
ルヘッドは昇温しにくく、かつ温度が下がりやすいから
であり、このように加熱温度や保持時間を適宜に調整す
ることにより、加熱エネルギーおよび保持時間を必要最
小限に抑えながら、サーマルヘッドを全域にわたって処
理温度に保持させることができる。処理温度との温度差
や保持時間は環境温度によって変化するので、予めサー
マルヘッドの全域が処理温度に達する時間を環境温度に
応じて把握しておき、そのデータに基づいて処理温度と
の温度差や保持時間を調整することが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明を
リライタブルカードの処理装置における消去ヘッドに適
用した一実施形態を説明する。図1は、リライタブルカ
ードの処理装置の右側面断面を示しており、図2は図1
のII−II線矢視図である。これら図で左側が本装置の前
側、右側が後側であり、また、図2においては上側が本
装置の左側、下側が右側である。以下の説明で、前後左
右といった方向の表現は、このようなカード処理装置を
基にした方向と定義する。当該カード処理装置は、図1
に示すように、前端部に設けられたカード挿入口10に
リライタブルカード(記録担体:以下、単にカードと略
称する)Cを挿入すると、まず、後端部の待機位置まで
カードCを搬送する。この状態から消去/印字の処理コ
マンドが発せられると、カードCを前方に搬送しなが
ら、カードCの表面に設けられたリライト層に対し、画
像の消去と印字をこの順で行う。係るカード処理装置の
構成を説明する前に、まずカードCについて説明する。
リライタブルカードの処理装置における消去ヘッドに適
用した一実施形態を説明する。図1は、リライタブルカ
ードの処理装置の右側面断面を示しており、図2は図1
のII−II線矢視図である。これら図で左側が本装置の前
側、右側が後側であり、また、図2においては上側が本
装置の左側、下側が右側である。以下の説明で、前後左
右といった方向の表現は、このようなカード処理装置を
基にした方向と定義する。当該カード処理装置は、図1
に示すように、前端部に設けられたカード挿入口10に
リライタブルカード(記録担体:以下、単にカードと略
称する)Cを挿入すると、まず、後端部の待機位置まで
カードCを搬送する。この状態から消去/印字の処理コ
マンドが発せられると、カードCを前方に搬送しなが
ら、カードCの表面に設けられたリライト層に対し、画
像の消去と印字をこの順で行う。係るカード処理装置の
構成を説明する前に、まずカードCについて説明する。
【0017】(1)リライタブルカードの構成 カードCは、例えば「JIS X 6303」で規定さ
れる長方形状のICカードであって、図2に示すよう
に、PVC(塩化ビニール)等の樹脂製基材の表面に、
熱可逆性記録材料が積層されてなるリライト層(記録
層)1と、内蔵されたICの外部端子2とが設けられ、
裏面に磁気ストライプ3が設けられている。リライト層
1は図2でカードCの上側にカードCの全長にわたって
ストライプ状に積層され、このリライト層1の下側であ
ってカードCの右側の所定位置に、外部端子2が積層さ
れている。また、裏面の磁気ストライプ3は、下方に積
層されている。
れる長方形状のICカードであって、図2に示すよう
に、PVC(塩化ビニール)等の樹脂製基材の表面に、
熱可逆性記録材料が積層されてなるリライト層(記録
層)1と、内蔵されたICの外部端子2とが設けられ、
裏面に磁気ストライプ3が設けられている。リライト層
1は図2でカードCの上側にカードCの全長にわたって
ストライプ状に積層され、このリライト層1の下側であ
ってカードCの右側の所定位置に、外部端子2が積層さ
れている。また、裏面の磁気ストライプ3は、下方に積
層されている。
【0018】リライト層1を構成する熱可逆性記録材料
は、加熱することにより可逆で、簡便・安易に高解像度
の画像を繰り返し消去/印字する、すなわちリライトす
ることができる記録材料である。その構成は、図3に示
すように、透明ポリエステルフィルム5上に、樹脂6a
中に有機低分子物質6bが分散された記録層6と、保護
層7とがこの順で積層されたものであり、有機低分子物
質6bとしては、粒径1μm以下の高級脂肪酸が用いら
れる。図4を参照して熱可逆性の原理を説明すると、透
明状態では、記録層6中の有機低分子物質6bの粒子が
比較的大きな単結晶を形成している。このため、入射し
た光が結晶の界面を通る回数が少なく、散乱されること
なく透過することにより、全体として透明に見える。一
方、白濁状態では、有機低分子物質6bの粒子は多結晶
を形成している。このため、入射した光は結晶の界面で
何度も屈折し、光が散乱されて白く見える。
は、加熱することにより可逆で、簡便・安易に高解像度
の画像を繰り返し消去/印字する、すなわちリライトす
ることができる記録材料である。その構成は、図3に示
すように、透明ポリエステルフィルム5上に、樹脂6a
中に有機低分子物質6bが分散された記録層6と、保護
層7とがこの順で積層されたものであり、有機低分子物
質6bとしては、粒径1μm以下の高級脂肪酸が用いら
れる。図4を参照して熱可逆性の原理を説明すると、透
明状態では、記録層6中の有機低分子物質6bの粒子が
比較的大きな単結晶を形成している。このため、入射し
た光が結晶の界面を通る回数が少なく、散乱されること
なく透過することにより、全体として透明に見える。一
方、白濁状態では、有機低分子物質6bの粒子は多結晶
を形成している。このため、入射した光は結晶の界面で
何度も屈折し、光が散乱されて白く見える。
【0019】熱可逆性記録材料の熱可逆特性を、図5を
参照して説明する。はじめに、室温(20〜30℃)で
白濁状態にあるとする(A)。これを加熱すると、実線
で示すように、約70℃から透過率が増加し始め、約7
5〜100℃で最大透明状態(B〜C)となる。これを
室温まで冷却しても透明状態は維持される(D)。次
に、破線で示すように、最大透明状態の当該材料を11
0℃以上に再加熱すると、最大透明状態と最大白濁状態
の中間状態となり(D→C→E)、これを室温まで冷却
すると元の白濁状態に戻る(E→A)。
参照して説明する。はじめに、室温(20〜30℃)で
白濁状態にあるとする(A)。これを加熱すると、実線
で示すように、約70℃から透過率が増加し始め、約7
5〜100℃で最大透明状態(B〜C)となる。これを
室温まで冷却しても透明状態は維持される(D)。次
に、破線で示すように、最大透明状態の当該材料を11
0℃以上に再加熱すると、最大透明状態と最大白濁状態
の中間状態となり(D→C→E)、これを室温まで冷却
すると元の白濁状態に戻る(E→A)。
【0020】(2)カード処理装置の構成 次に、図1および図2を参照してカード処理装置の構成
を説明する。これら図で符合9は、互いに離間して平行
に対向配置された左右一対の下側サイドフレームであ
る。下側サイドフレーム9,9間の中央には、前側から
順に、第1の搬送ローラ対11、第2の搬送ローラ対1
2および第3の搬送ローラ対13が配置されている。各
搬送ローラ対11,12,13は、いずれも下側の駆動
ローラ14と上側の従動ローラ15とで構成され、これ
ら上下のローラ14,15間にカードCを挟み、駆動ロ
ーラ14の回転方向にしたがって、カードCを、前方か
ら後方あるいは後方から前方に搬送する。また、第2の
搬送ローラ対12と第3の搬送ローラ対13との間に
は、前側から、印字プラテンローラ16および消去プラ
テンローラ17が配置され、さらに、印字プラテンロー
ラ16の上方には印字ヘッド40が、消去プラテンロー
ラ17の上方には消去ヘッド(サーマルヘッド)50
が、それぞれ配置されている。
を説明する。これら図で符合9は、互いに離間して平行
に対向配置された左右一対の下側サイドフレームであ
る。下側サイドフレーム9,9間の中央には、前側から
順に、第1の搬送ローラ対11、第2の搬送ローラ対1
2および第3の搬送ローラ対13が配置されている。各
搬送ローラ対11,12,13は、いずれも下側の駆動
ローラ14と上側の従動ローラ15とで構成され、これ
ら上下のローラ14,15間にカードCを挟み、駆動ロ
ーラ14の回転方向にしたがって、カードCを、前方か
ら後方あるいは後方から前方に搬送する。また、第2の
搬送ローラ対12と第3の搬送ローラ対13との間に
は、前側から、印字プラテンローラ16および消去プラ
テンローラ17が配置され、さらに、印字プラテンロー
ラ16の上方には印字ヘッド40が、消去プラテンロー
ラ17の上方には消去ヘッド(サーマルヘッド)50
が、それぞれ配置されている。
【0021】下側サイドフレーム9,9間の後端部に
は、カードCの外部接点2が接触してカードC内のIC
に対する情報の入出力を行うICユニット18が配置さ
れている。また、カード挿入口10とICユニット18
の間に、第1〜第3の搬送ローラ対11〜13における
上下のローラ14,15の間、印字プラテンローラ16
と印字ヘッド40との間、および消去プラテンローラ1
7と消去ヘッド50との間を水平に結ぶカードCの搬送
路19が形成される。この搬送路19をカードCがスム
ーズに搬送されるように、下側サイドフレーム9,9の
内面には、溝状のカードガイド9aが形成されている。
カード挿入口10にカードCを挿入すると、まず、後端
部の待機位置までカードCを搬送すると前述したが、そ
の待機位置は、ICユニット18内である。
は、カードCの外部接点2が接触してカードC内のIC
に対する情報の入出力を行うICユニット18が配置さ
れている。また、カード挿入口10とICユニット18
の間に、第1〜第3の搬送ローラ対11〜13における
上下のローラ14,15の間、印字プラテンローラ16
と印字ヘッド40との間、および消去プラテンローラ1
7と消去ヘッド50との間を水平に結ぶカードCの搬送
路19が形成される。この搬送路19をカードCがスム
ーズに搬送されるように、下側サイドフレーム9,9の
内面には、溝状のカードガイド9aが形成されている。
カード挿入口10にカードCを挿入すると、まず、後端
部の待機位置までカードCを搬送すると前述したが、そ
の待機位置は、ICユニット18内である。
【0022】第1〜第3の搬送ローラ対11〜13の各
駆動ローラ14および各プラテンローラ16,17は、
下側サイドフレーム9,9に回転自在に支持された駆動
軸20と一体回転する。図2に示すように、これら駆動
軸20は左側の下側サイドフレーム9を貫通し、その突
出端部には、駆動ギヤ21がそれぞれ固定されている。
これら駆動ギヤ21は、左側の下側サイドフレーム9の
外側(左側)に配された図示せぬ複数の中間ギヤを介し
て図1に示すメインモータ22に接続され、メインモー
タ22が駆動すると、各中間ギヤから各駆動ギヤ21に
回転力が伝達されて各駆動軸20が同一方向に回転し、
第1〜第3の搬送ローラ対11〜13の各駆動ローラ1
4および各プラテンローラ16,17が回転する。カー
ドCは、これら駆動ローラ14およびプラテンローラ1
6,17の回転方向にしたがって、搬送路19を搬送さ
れる。第2の搬送ローラ対12の駆動ローラ14の右側
には、カードCの磁気ストライプ3に対して磁気データ
の読取り/書込みを行うための磁気ヘッド24が配置さ
れている。
駆動ローラ14および各プラテンローラ16,17は、
下側サイドフレーム9,9に回転自在に支持された駆動
軸20と一体回転する。図2に示すように、これら駆動
軸20は左側の下側サイドフレーム9を貫通し、その突
出端部には、駆動ギヤ21がそれぞれ固定されている。
これら駆動ギヤ21は、左側の下側サイドフレーム9の
外側(左側)に配された図示せぬ複数の中間ギヤを介し
て図1に示すメインモータ22に接続され、メインモー
タ22が駆動すると、各中間ギヤから各駆動ギヤ21に
回転力が伝達されて各駆動軸20が同一方向に回転し、
第1〜第3の搬送ローラ対11〜13の各駆動ローラ1
4および各プラテンローラ16,17が回転する。カー
ドCは、これら駆動ローラ14およびプラテンローラ1
6,17の回転方向にしたがって、搬送路19を搬送さ
れる。第2の搬送ローラ対12の駆動ローラ14の右側
には、カードCの磁気ストライプ3に対して磁気データ
の読取り/書込みを行うための磁気ヘッド24が配置さ
れている。
【0023】図2に示すように、搬送路19には、搬送
されるカードCを検出する第1〜第4のカードセンサ3
1,32,33,34が、前から順に設けられている。
この場合、第1のカードセンサ31は右側の下側サイド
フレーム9の前端部に取り付けられ、第2〜第4のカー
ドセンサ32〜34は、左側の下側サイドフレーム9に
取り付けられている。
されるカードCを検出する第1〜第4のカードセンサ3
1,32,33,34が、前から順に設けられている。
この場合、第1のカードセンサ31は右側の下側サイド
フレーム9の前端部に取り付けられ、第2〜第4のカー
ドセンサ32〜34は、左側の下側サイドフレーム9に
取り付けられている。
【0024】図1に示すように、下側サイドフレーム
9,9には、左右一対の上側サイドフレーム35が取り
付けられている。上側サイドフレーム35,35は、そ
の後端部が下側サイドフレーム9,9に対し上下方向に
揺動自在にピン結合され、一体に開閉するようになって
いる。上側サイドフレーム35,35には、前後方向に
延びるアーム41,51が揺動可能に支持され、これら
アーム41,51の先端に、印字ヘッド40および消去
ヘッド50がそれぞれ取り付けられている。各アーム4
1,51は、図示せぬバネ等の付勢手段により下方に付
勢されている。
9,9には、左右一対の上側サイドフレーム35が取り
付けられている。上側サイドフレーム35,35は、そ
の後端部が下側サイドフレーム9,9に対し上下方向に
揺動自在にピン結合され、一体に開閉するようになって
いる。上側サイドフレーム35,35には、前後方向に
延びるアーム41,51が揺動可能に支持され、これら
アーム41,51の先端に、印字ヘッド40および消去
ヘッド50がそれぞれ取り付けられている。各アーム4
1,51は、図示せぬバネ等の付勢手段により下方に付
勢されている。
【0025】消去ヘッド50は、図9で示したものと同
様の構成である。すなわち、同図に示すように、セラミ
ックス等からなるバー状の基板90と、この基板90の
ヘッド面90aに固着された電極91,91および電気
抵抗体からなる発熱体92と、基板90の両端に取り付
けられたコ字状のホルダ(支持部材)93と、基板90
に取り付けられて発熱体92の温度を検出する温度セン
サ94とから構成されている。一方、印字ヘッド40
は、図示して詳述はしないが、複数の発熱体が配列され
た一般的なサーマルヘッドであり、リライト層1に圧接
しながら画像の印字部分に対応する発熱体に電流を流す
ことにより、リライト層1を印字温度に加熱して画像を
サーマル印字する構成である。
様の構成である。すなわち、同図に示すように、セラミ
ックス等からなるバー状の基板90と、この基板90の
ヘッド面90aに固着された電極91,91および電気
抵抗体からなる発熱体92と、基板90の両端に取り付
けられたコ字状のホルダ(支持部材)93と、基板90
に取り付けられて発熱体92の温度を検出する温度セン
サ94とから構成されている。一方、印字ヘッド40
は、図示して詳述はしないが、複数の発熱体が配列され
た一般的なサーマルヘッドであり、リライト層1に圧接
しながら画像の印字部分に対応する発熱体に電流を流す
ことにより、リライト層1を印字温度に加熱して画像を
サーマル印字する構成である。
【0026】図2に示すように、右側の下側サイドフレ
ーム9の外側(右側)には、各アーム41,51を揺動
させることにより、印字ヘッド40および消去ヘッド5
0を搬送中のカードCに対して離接させるカムギヤ(駆
動手段)60が配置されている。このカムギヤ60は、
カムギヤ軸61を介して右側の下側サイドフレーム9に
回転自在に支持されており、図6に示すカムモータ77
により、右側面から見て反時計方向に回転させられる。
カムギヤ60の内面には、印字ヘッド40側のアーム4
1を揺動させる印字ヘッドカム64と、消去ヘッド50
側のアーム51を揺動させる消去ヘッドカム65とが、
所定のカムプロフィールをもって同軸的に形成されてい
る。
ーム9の外側(右側)には、各アーム41,51を揺動
させることにより、印字ヘッド40および消去ヘッド5
0を搬送中のカードCに対して離接させるカムギヤ(駆
動手段)60が配置されている。このカムギヤ60は、
カムギヤ軸61を介して右側の下側サイドフレーム9に
回転自在に支持されており、図6に示すカムモータ77
により、右側面から見て反時計方向に回転させられる。
カムギヤ60の内面には、印字ヘッド40側のアーム4
1を揺動させる印字ヘッドカム64と、消去ヘッド50
側のアーム51を揺動させる消去ヘッドカム65とが、
所定のカムプロフィールをもって同軸的に形成されてい
る。
【0027】印字ヘッド40と消去ヘッド50は、カム
ギヤ60の回転角に応じてカードCに対する離接状態が
定められる。カムギヤ60の回転角は、図6に示すカム
センサ66により検出され、その検出信号は同図に示す
CPU(制御手段)70に入力される。そして、CPU
70は、その信号パターンに応じてカムギヤ60が所定
の回転角に位置するようカムモータ77の回転を制御す
る。
ギヤ60の回転角に応じてカードCに対する離接状態が
定められる。カムギヤ60の回転角は、図6に示すカム
センサ66により検出され、その検出信号は同図に示す
CPU(制御手段)70に入力される。そして、CPU
70は、その信号パターンに応じてカムギヤ60が所定
の回転角に位置するようカムモータ77の回転を制御す
る。
【0028】図1に示すように、カード挿入口10の下
方には、環境温度センサ69が設けられている。この環
境温度センサ69は、当該装置がおかれる室内等の環境
温度を測定する。環境温度センサ69は、環境温度を正
確に測定する上で、装置内部の温度上昇の影響を最も受
けにくい箇所に配置されていることが望ましい。装置内
部に収納する場合には、その近傍に装置外部へ通じる開
口を設けるとよい。
方には、環境温度センサ69が設けられている。この環
境温度センサ69は、当該装置がおかれる室内等の環境
温度を測定する。環境温度センサ69は、環境温度を正
確に測定する上で、装置内部の温度上昇の影響を最も受
けにくい箇所に配置されていることが望ましい。装置内
部に収納する場合には、その近傍に装置外部へ通じる開
口を設けるとよい。
【0029】図6は、上記カード処理装置の制御ブロッ
ク図である。CPU70は、シリアルIO、パラレルI
O、タイマ、ADコンバータ、ウォッチドッグタイマ等
の周辺機能を内蔵したマイクロコントローラである。こ
のCPU70には、制御プログラムや固定データを格納
したROM71が接続され、CPU70は、ROM71
に格納されたプログラムにしたがって各種制御を行う。
また、CPU70には、印字データ、コマンドデータ、
各種設定値および基準値等を必要に応じて格納すること
ができるRAM72と、消去/印字コマンド等を上位装
置から受けてCPU70に発行するシリアルインターフ
ェース73が接続されている。
ク図である。CPU70は、シリアルIO、パラレルI
O、タイマ、ADコンバータ、ウォッチドッグタイマ等
の周辺機能を内蔵したマイクロコントローラである。こ
のCPU70には、制御プログラムや固定データを格納
したROM71が接続され、CPU70は、ROM71
に格納されたプログラムにしたがって各種制御を行う。
また、CPU70には、印字データ、コマンドデータ、
各種設定値および基準値等を必要に応じて格納すること
ができるRAM72と、消去/印字コマンド等を上位装
置から受けてCPU70に発行するシリアルインターフ
ェース73が接続されている。
【0030】CPU70には、第1〜第4のカードセン
サ31〜34の検出信号が供給され、これらカードセン
サ31〜34の検出信号に基づいて、CPU70はメイ
ンモータ制御回路74に制御信号を出力し、メインモー
タ22の回転速度、回転方向、起動/停止等の動作を制
御する。メインモータ22には、FG(回転信号発生
器)75が取り付けられており、FG75から出力され
るパルスのパルス幅を計測することにより、メインモー
タ22の回転速度を検出することが可能となっている。
また、CPU70は、第2〜第4のカードセンサ32〜
34およびカムセンサ66の出力に基づき、カムモータ
制御回路76を介してカムモータ77に駆動/停止信号
を出力してカムギヤ60の回転角を制御する。磁気ヘッ
ド24には、カードCの磁気ストライプ3に書き込まれ
た磁気データを読み取る読取り回路78と、磁気ストラ
イプ3に磁気データを書き込む書込み回路79とが接続
されており、CPU70は、磁気ヘッド24およびこれ
ら回路78,79を介して磁気ストライプ3に対する磁
気データの読取り/書込みを行う。
サ31〜34の検出信号が供給され、これらカードセン
サ31〜34の検出信号に基づいて、CPU70はメイ
ンモータ制御回路74に制御信号を出力し、メインモー
タ22の回転速度、回転方向、起動/停止等の動作を制
御する。メインモータ22には、FG(回転信号発生
器)75が取り付けられており、FG75から出力され
るパルスのパルス幅を計測することにより、メインモー
タ22の回転速度を検出することが可能となっている。
また、CPU70は、第2〜第4のカードセンサ32〜
34およびカムセンサ66の出力に基づき、カムモータ
制御回路76を介してカムモータ77に駆動/停止信号
を出力してカムギヤ60の回転角を制御する。磁気ヘッ
ド24には、カードCの磁気ストライプ3に書き込まれ
た磁気データを読み取る読取り回路78と、磁気ストラ
イプ3に磁気データを書き込む書込み回路79とが接続
されており、CPU70は、磁気ヘッド24およびこれ
ら回路78,79を介して磁気ストライプ3に対する磁
気データの読取り/書込みを行う。
【0031】また、CPU70は画像(ビットマップ)
データを作成し、そのデータを、カードCの搬送距離と
同期させながら印字ヘッド制御回路80を介して印字ヘ
ッド40に転送する。これにより、任意の画像がカード
Cのリライト層1に印字される。さらに、CPU70
は、消去ヘッド制御回路81を介して消去ヘッド50を
所定の消去温度に加熱する。前記温度センサ94によっ
て検出される消去ヘッド50の発熱体92の温度は、C
PU70に内蔵されたA/Dコンバータによりデジタル
値として検出可能である。CPU70は、検出した発熱
体92の温度と、ROM71またはRAM72に格納さ
れた設定値データに基づいて通電幅データを求め、通電
幅に対応するパルス幅の通電パルスを消去ヘッド制御回
路81に出力する。このようにして、消去ヘッド50の
発熱体92の温度は、リライト層1を形成する熱可逆性
記録材料を透明にする所定の消去温度に制御される。
データを作成し、そのデータを、カードCの搬送距離と
同期させながら印字ヘッド制御回路80を介して印字ヘ
ッド40に転送する。これにより、任意の画像がカード
Cのリライト層1に印字される。さらに、CPU70
は、消去ヘッド制御回路81を介して消去ヘッド50を
所定の消去温度に加熱する。前記温度センサ94によっ
て検出される消去ヘッド50の発熱体92の温度は、C
PU70に内蔵されたA/Dコンバータによりデジタル
値として検出可能である。CPU70は、検出した発熱
体92の温度と、ROM71またはRAM72に格納さ
れた設定値データに基づいて通電幅データを求め、通電
幅に対応するパルス幅の通電パルスを消去ヘッド制御回
路81に出力する。このようにして、消去ヘッド50の
発熱体92の温度は、リライト層1を形成する熱可逆性
記録材料を透明にする所定の消去温度に制御される。
【0032】さらに、CPU70には環境温度センサ6
9の検出信号が供給され、その検出信号は、CPU70
内のA/Dコンバータに入力されてデジタル値に変換さ
れる。CPU70は、環境温度センサ69の測定値に基
づき、消去/印字処理のプロセスならびに印字ヘッド4
0および消去ヘッド50の通電幅等を制御する。
9の検出信号が供給され、その検出信号は、CPU70
内のA/Dコンバータに入力されてデジタル値に変換さ
れる。CPU70は、環境温度センサ69の測定値に基
づき、消去/印字処理のプロセスならびに印字ヘッド4
0および消去ヘッド50の通電幅等を制御する。
【0033】(3)カード処理装置の動作 次に、上記構成のカード処理装置においてカードCのリ
ライト層1に対する画像の消去/印字処理を行う場合の
動作を、図7のフローチャートにしたがって説明する。A.準備段階 図示されない上位装置からシリアルインターフェース7
3を介してCPU70に消去/印字コマンドが発行され
ると、CPU70は、ROM71に格納されたプログラ
ムにしたがって、印字コマンド処理サブルーチンS0を
呼び出す。印字コマンドサブルーチンS0は、ステップ
S1で、カードCがICユニット18内の待機位置に待
機しているか否かを、第3、第4のカードセンサ33,
34からの信号を受けて判断する。カードCが待機位置
に存在していると判断したら、ステップS3にジャンプ
する。
ライト層1に対する画像の消去/印字処理を行う場合の
動作を、図7のフローチャートにしたがって説明する。A.準備段階 図示されない上位装置からシリアルインターフェース7
3を介してCPU70に消去/印字コマンドが発行され
ると、CPU70は、ROM71に格納されたプログラ
ムにしたがって、印字コマンド処理サブルーチンS0を
呼び出す。印字コマンドサブルーチンS0は、ステップ
S1で、カードCがICユニット18内の待機位置に待
機しているか否かを、第3、第4のカードセンサ33,
34からの信号を受けて判断する。カードCが待機位置
に存在していると判断したら、ステップS3にジャンプ
する。
【0034】カードCが待機位置に存在していないと判
断するとステップS2に進み、ステップS2で第1のカ
ードセンサ31がカードCの挿入を待つ状態となる。カ
ードCの挿入が第1のカードセンサ31で検出された
ら、メインモータ制御回路74を介してメインモータ2
2が駆動し、カードCを待機位置に搬送する。このと
き、印字ヘッド40および消去ヘッド50は、カムギヤ
60の作用により搬送路19からともに上方に離れてい
る。次いで、ステップS3に進み、消去ヘッド50の予
熱を行う。
断するとステップS2に進み、ステップS2で第1のカ
ードセンサ31がカードCの挿入を待つ状態となる。カ
ードCの挿入が第1のカードセンサ31で検出された
ら、メインモータ制御回路74を介してメインモータ2
2が駆動し、カードCを待機位置に搬送する。このと
き、印字ヘッド40および消去ヘッド50は、カムギヤ
60の作用により搬送路19からともに上方に離れてい
る。次いで、ステップS3に進み、消去ヘッド50の予
熱を行う。
【0035】B.消去ヘッドの予熱 消去ヘッド50の予熱は、一旦、発熱体92を所定の消
去温度よりも高い温度に加熱した後、消去温度に下げ
る。消去温度よりも高温から消去温度へ温度を下げるに
は、CPU70によって能動的に制御したり、あるい
は、発熱体92への通電を停止して放置したりすること
による。また、発熱体92を所定の消去温度よりも高い
温度に加熱する際の消去温度との温度差は、環境温度セ
ンサ69の測定温度に基づき、消去温度に下がった際に
も発熱体92の全域が消去温度に保持され得るよう可変
的に制御される。このような温度制御により、発熱体9
2は、一旦全域にわたって消去温度以上の温度に達し、
この後、消去温度に下げられても、ホルダ93に近接す
る放熱しやすい両端部はホルダ93を含めると熱容量が
大きいことから、温度は急激に低下しにくい。このた
め、発熱体92の全域が消去温度に保持されやすくなっ
て加熱エネルギーが一定化する。
去温度よりも高い温度に加熱した後、消去温度に下げ
る。消去温度よりも高温から消去温度へ温度を下げるに
は、CPU70によって能動的に制御したり、あるい
は、発熱体92への通電を停止して放置したりすること
による。また、発熱体92を所定の消去温度よりも高い
温度に加熱する際の消去温度との温度差は、環境温度セ
ンサ69の測定温度に基づき、消去温度に下がった際に
も発熱体92の全域が消去温度に保持され得るよう可変
的に制御される。このような温度制御により、発熱体9
2は、一旦全域にわたって消去温度以上の温度に達し、
この後、消去温度に下げられても、ホルダ93に近接す
る放熱しやすい両端部はホルダ93を含めると熱容量が
大きいことから、温度は急激に低下しにくい。このた
め、発熱体92の全域が消去温度に保持されやすくなっ
て加熱エネルギーが一定化する。
【0036】発熱体92の予熱は、温度センサ94で検
出された温度TESと、ROM71またはRAM72に
格納された予熱温度設定値TERを用い、消去ヘッド通
電パルスのデューティ値をEPDとしたとき、次の EPD=(TER−TES)×GAIN(ただし最大値は100%)…(A) の関係式で通電されることにより行われる。ここで、E
PDは1回で決定されず、通電周期(例えば、10m
S)が経過するたびに、再計算を行うフィードバック制
御が行われる。
出された温度TESと、ROM71またはRAM72に
格納された予熱温度設定値TERを用い、消去ヘッド通
電パルスのデューティ値をEPDとしたとき、次の EPD=(TER−TES)×GAIN(ただし最大値は100%)…(A) の関係式で通電されることにより行われる。ここで、E
PDは1回で決定されず、通電周期(例えば、10m
S)が経過するたびに、再計算を行うフィードバック制
御が行われる。
【0037】ところで、発熱体92を予熱温度に加熱す
る際に発熱体92を急速に加熱すると、温度センサ94
の時定数や、発熱体92から温度センサ94までの熱伝
導時間等により、発熱体92の表面温度と温度センサ9
4の検出値との間に大きな差が生じる場合がある。した
がって、発熱体92は徐々に加熱されることが望まし
く、上記(A)式のGAIN値は1〜2程度が適当であ
る。消去ヘッド50の予熱が終了するとステップS4に
進み、CPU70が印字コマンドで指定された印字文字
列をRAM72内にビットマップ展開する。次いで、ス
テップS5に進み、カードCのリライト層に対する画像
の消去/印字処理が行われる。
る際に発熱体92を急速に加熱すると、温度センサ94
の時定数や、発熱体92から温度センサ94までの熱伝
導時間等により、発熱体92の表面温度と温度センサ9
4の検出値との間に大きな差が生じる場合がある。した
がって、発熱体92は徐々に加熱されることが望まし
く、上記(A)式のGAIN値は1〜2程度が適当であ
る。消去ヘッド50の予熱が終了するとステップS4に
進み、CPU70が印字コマンドで指定された印字文字
列をRAM72内にビットマップ展開する。次いで、ス
テップS5に進み、カードCのリライト層に対する画像
の消去/印字処理が行われる。
【0038】C.消去/印字 消去/印字処理は、待機位置にあるカードCを、搬送距
離を測定しながら低速で前方に搬送し、カードCの前端
が消去ヘッド50の位置に達すると、消去ヘッド50が
下方に向けて揺動し、上記温度制御によって予熱されて
いる発熱体92がカードCのリライト層1に圧接する。
リライト層1は発熱体92により所定の消去温度に加熱
され、引き続きカードCが前方に搬送されることによ
り、リライト層1の画像がサーマル消去される。
離を測定しながら低速で前方に搬送し、カードCの前端
が消去ヘッド50の位置に達すると、消去ヘッド50が
下方に向けて揺動し、上記温度制御によって予熱されて
いる発熱体92がカードCのリライト層1に圧接する。
リライト層1は発熱体92により所定の消去温度に加熱
され、引き続きカードCが前方に搬送されることによ
り、リライト層1の画像がサーマル消去される。
【0039】次いで、カードCの前端が印字ヘッド40
の位置に達すると、印字ヘッド40が下方に向けて揺動
し、リライト層1に圧接する。印字ヘッド40がリライ
ト層1に圧接すると、規定された搬送量(例えば、約
0.1mm)搬送するたびに、RAM72に格納されて
いる印字データが印字ヘッド40に順次転送される。印
字ヘッド40に対して1ラインの印字データの転送が終
了すると、CPU70に内蔵されたタイマを利用して得
られたパルス幅の印字ヘッド通電パルスが印字ヘッド制
御回路80を介して印字ヘッド40に出力されるに伴
い、印字データにより選択された印字ヘッド40の発熱
体に通電され、リライト層1に画像がサーマル印字され
る。このように、カードCの搬送に伴って消去ヘッド5
0による画像消去と印字ヘッド40による新たな画像の
印字が平行して行われる。
の位置に達すると、印字ヘッド40が下方に向けて揺動
し、リライト層1に圧接する。印字ヘッド40がリライ
ト層1に圧接すると、規定された搬送量(例えば、約
0.1mm)搬送するたびに、RAM72に格納されて
いる印字データが印字ヘッド40に順次転送される。印
字ヘッド40に対して1ラインの印字データの転送が終
了すると、CPU70に内蔵されたタイマを利用して得
られたパルス幅の印字ヘッド通電パルスが印字ヘッド制
御回路80を介して印字ヘッド40に出力されるに伴
い、印字データにより選択された印字ヘッド40の発熱
体に通電され、リライト層1に画像がサーマル印字され
る。このように、カードCの搬送に伴って消去ヘッド5
0による画像消去と印字ヘッド40による新たな画像の
印字が平行して行われる。
【0040】次いで、カードCの後端が消去ヘッド50
の位置に達すると、消去ヘッド50がカードCから上方
に離れ、そこから先は印字のみが行われる。全ての画像
データの印字が終了すると、印字ヘッド40もカードC
から上方に離れ、消去/印字処理が完了し、ステップS
6のカード排出に進む。ステップS6では、前端部がカ
ード挿入口10から排出される状態までカードCを所定
量搬送し、この後、メインモータ22が停止する。
の位置に達すると、消去ヘッド50がカードCから上方
に離れ、そこから先は印字のみが行われる。全ての画像
データの印字が終了すると、印字ヘッド40もカードC
から上方に離れ、消去/印字処理が完了し、ステップS
6のカード排出に進む。ステップS6では、前端部がカ
ード挿入口10から排出される状態までカードCを所定
量搬送し、この後、メインモータ22が停止する。
【0041】(4)一実施形態の作用効果 次に、上記一実施形態のカード処理装置による画像消去
時の温度制御方法の作用効果を述べる。消去ヘッド50
の発熱体92が、一旦、処理温度よりも高い温度に加熱
され、この後、処理温度に下げられることにより、発熱
体92の温度は、図8に示すように、で示す中央部は
一旦消去温度Tよりも上昇してから、消去温度に保持さ
れる。一方、で示すホルダ93に近接する両端部にお
いては、中央部よりも昇温速度が遅いながらも消去温度
に達し、その後もほぼ消去温度に保持される。これは、
前述したように、ホルダ93に近接する放熱しやすい両
端部はホルダ93を含めると熱容量が大きいことから、
温度は急激に低下しにくいことに起因すると推察され
る。このため、発熱体92は全域にわたって消去温度に
保持され、リライト層1に供給される加熱エネルギーが
一定化する。そして、この状態から発熱体92がカード
Cのリライト層1に圧接して消去処理が開始されるの
で、リライト層1の全域が消去温度に均一に加熱され、
その結果、消去特性が向上する。また、一旦、発熱体9
2を所定の消去温度よりも高い温度に加熱する際の消去
温度との温度差は、環境温度センサ69の測定温度に基
づき、消去温度に下がった際にも発熱体92の全域が消
去温度に保持され得るよう可変的に制御されるので、温
度上昇に要する加熱エネルギーを必要最小限に抑えなが
ら、発熱体92を全域にわたって消去温度に保持させる
ことができる。
時の温度制御方法の作用効果を述べる。消去ヘッド50
の発熱体92が、一旦、処理温度よりも高い温度に加熱
され、この後、処理温度に下げられることにより、発熱
体92の温度は、図8に示すように、で示す中央部は
一旦消去温度Tよりも上昇してから、消去温度に保持さ
れる。一方、で示すホルダ93に近接する両端部にお
いては、中央部よりも昇温速度が遅いながらも消去温度
に達し、その後もほぼ消去温度に保持される。これは、
前述したように、ホルダ93に近接する放熱しやすい両
端部はホルダ93を含めると熱容量が大きいことから、
温度は急激に低下しにくいことに起因すると推察され
る。このため、発熱体92は全域にわたって消去温度に
保持され、リライト層1に供給される加熱エネルギーが
一定化する。そして、この状態から発熱体92がカード
Cのリライト層1に圧接して消去処理が開始されるの
で、リライト層1の全域が消去温度に均一に加熱され、
その結果、消去特性が向上する。また、一旦、発熱体9
2を所定の消去温度よりも高い温度に加熱する際の消去
温度との温度差は、環境温度センサ69の測定温度に基
づき、消去温度に下がった際にも発熱体92の全域が消
去温度に保持され得るよう可変的に制御されるので、温
度上昇に要する加熱エネルギーを必要最小限に抑えなが
ら、発熱体92を全域にわたって消去温度に保持させる
ことができる。
【0042】なお、上記一実施形態では、消去ヘッド5
0の発熱体92を、一旦、消去温度よりも高い温度に上
げた後に消去温度に下げているが、これに代えて、消去
温度に達したらその温度を一定時間保持し、この後、消
去処理を開始してもよい。この温度制御方法において
は、保持時間を経た後に発熱体92は全域にわたって消
去温度に上昇しており、上記温度制御方法と同様に加熱
エネルギーを一定化させることができる。なお、この場
合にあっては、処理温度に達してからの保持時間を環境
温度に応じて変化させることにより、上記温度制御方法
と同様に消去処理の効率化が図られる。
0の発熱体92を、一旦、消去温度よりも高い温度に上
げた後に消去温度に下げているが、これに代えて、消去
温度に達したらその温度を一定時間保持し、この後、消
去処理を開始してもよい。この温度制御方法において
は、保持時間を経た後に発熱体92は全域にわたって消
去温度に上昇しており、上記温度制御方法と同様に加熱
エネルギーを一定化させることができる。なお、この場
合にあっては、処理温度に達してからの保持時間を環境
温度に応じて変化させることにより、上記温度制御方法
と同様に消去処理の効率化が図られる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
サーマルヘッドを所定の処理温度に加熱する際に、一旦
処理温度より高温としてから処理温度に設定したり、あ
るいは処理温度に加熱してから一定時間保持したりする
温度制御を行うから、サーマルヘッドの加熱エネルギー
を全域にわたって一定化させることができ、処理特性が
向上する。
サーマルヘッドを所定の処理温度に加熱する際に、一旦
処理温度より高温としてから処理温度に設定したり、あ
るいは処理温度に加熱してから一定時間保持したりする
温度制御を行うから、サーマルヘッドの加熱エネルギー
を全域にわたって一定化させることができ、処理特性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る消去ヘッドを備え
たカード処理装置の右側断面図である。
たカード処理装置の右側断面図である。
【図2】 図1のII−II線矢視図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係るリライタブルカー
ドのリライト層を構成する熱可逆性記録材料を模式的に
示す断面図である。
ドのリライト層を構成する熱可逆性記録材料を模式的に
示す断面図である。
【図4】 熱可逆性記録材料の原理を説明する図であ
る。
る。
【図5】 熱可逆性記録材料の加熱に伴う透明/白濁の
変化を示す線図である。
変化を示す線図である。
【図6】 本発明の一実施形態に係るカード処理装置の
制御ブロック図である。
制御ブロック図である。
【図7】 本発明の一実施形態に係るカード処理装置の
動作を示すフローチャートである。
動作を示すフローチャートである。
【図8】 本発明の一実施形態に係る消去ヘッドの発熱
体の、中央部と両端部の昇温状態を示す線図である。
体の、中央部と両端部の昇温状態を示す線図である。
【図9】 本発明の一実施形態に係る消去ヘッドを示
し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は下面図
である。
し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は下面図
である。
【図10】 従来の予熱方法による消去ヘッドの発熱体
の、中央部と両端部の昇温状態を示す線図である。
の、中央部と両端部の昇温状態を示す線図である。
1…リライト層(記録層)、50…消去ヘッド(サーマ
ルヘッド)、60…カムギヤ(駆動手段)、70…CP
U(制御手段)、92…発熱体、93…ホルダ(支持部
材)、C…リライタブルカード(記録担体)。
ルヘッド)、60…カムギヤ(駆動手段)、70…CP
U(制御手段)、92…発熱体、93…ホルダ(支持部
材)、C…リライタブルカード(記録担体)。
フロントページの続き (72)発明者 中村 方也 静岡県静岡市中吉田20番10号 スター精密 株式会社内 Fターム(参考) 2C065 AA01 AB01 AC04 AD07 CJ02 CJ03 CJ09
Claims (6)
- 【請求項1】 所定の処理温度に加熱したサーマルヘッ
ドを記録担体の記録層に接触させてサーマル処理を行う
にあたり、 前記サーマルヘッドを、一旦、前記処理温度よりも高い
温度に加熱し、この後に処理温度に下げてから、前記サ
ーマル処理を開始することを特徴とするサーマルヘッド
の温度制御方法。 - 【請求項2】 所定の処理温度に加熱したサーマルヘッ
ドを記録担体の記録層に接触させてサーマル処理を行う
にあたり、 前記サーマルヘッドを前記処理温度に加熱するととも
に、その処理温度を一定時間保持した後、前記サーマル
処理を開始することを特徴とするサーマルヘッドの温度
制御方法。 - 【請求項3】 前記サーマルヘッドは、実際に加熱さ
れ、かつ前記記録層に接触させられる発熱体と、この発
熱体を支持する支持部材とを備えることを特徴とする請
求項1または2に記載のサーマルヘッドの温度制御方
法。 - 【請求項4】 所定の処理温度に加熱されて記録担体の
記録層に接触することにより、該記録層のサーマル処理
を行うサーマルヘッドと、 このサーマルヘッドを加熱する加熱手段と、 前記サーマルヘッドを前記記録層に接触させる駆動手段
と、 前記加熱手段の加熱エネルギーを制御して前記サーマル
ヘッドの温度を制御するとともに、前記駆動手段を作動
させる制御手段とを備え、 該制御手段は、前記サーマルヘッドを、一旦、前記処理
温度よりも高い温度に加熱した後、処理温度に下げる第
1の温度制御を行ってから、前記駆動手段を作動させる
ことを特徴とするサーマル処理装置。 - 【請求項5】 前記制御手段は、前記第1の温度制御に
代えて、前記サーマルヘッドが前記処理温度に達した
後、その処理温度を一定時間保持する第2の温度制御を
行ってから、前記駆動手段を作動させることを特徴とす
る請求項4に記載のサーマル処理装置。 - 【請求項6】 前記サーマルヘッドは、実際に加熱さ
れ、かつ前記記録層に接触させられる発熱体と、この発
熱体を支持する支持部材とを備えることを特徴とする請
求項4または5に記載のサーマル処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1786099A JP2000211169A (ja) | 1999-01-27 | 1999-01-27 | サ―マルヘッドの温度制御方法およびサ―マル処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1786099A JP2000211169A (ja) | 1999-01-27 | 1999-01-27 | サ―マルヘッドの温度制御方法およびサ―マル処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000211169A true JP2000211169A (ja) | 2000-08-02 |
Family
ID=11955423
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1786099A Pending JP2000211169A (ja) | 1999-01-27 | 1999-01-27 | サ―マルヘッドの温度制御方法およびサ―マル処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000211169A (ja) |
-
1999
- 1999-01-27 JP JP1786099A patent/JP2000211169A/ja active Pending
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