JP2000205358A - 回転動力伝達装置 - Google Patents

回転動力伝達装置

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JP2000205358A JP11008936A JP893699A JP2000205358A JP 2000205358 A JP2000205358 A JP 2000205358A JP 11008936 A JP11008936 A JP 11008936A JP 893699 A JP893699 A JP 893699A JP 2000205358 A JP2000205358 A JP 2000205358A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力軸の回転振動を抑制することのできる回
転動力伝達装置を胎教する。 【解決手段】 入力軸4と出力軸9との間でトルクを伝
達する回転動力伝達装置であって、ローラ14,15,
20,21を介してトルクを伝達する第1のトルク伝達
経路と、歯車5,16,17,23,22,12によっ
てトルクを伝達する第2のトルク伝達経路とが、前記入
力軸4と出力軸9との間に、互いに並列に設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入力軸と出力軸
との間でトルクを伝達するための回転動力伝達装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】比較的長い距離に亘って製品などを搬送
したり、比較的広い範囲に亘って所定の加工を施したり
する場合の動力源として、一般には、モータやエンジン
などの回転動作をおこなう装置が使用されている。その
ために、各種の機械装置類では、動力源から機能部材に
対して動力を伝達するための伝動機構が設けられてい
る。
【0003】この種の伝動機構としては、歯車を使用し
た機構やベルトまたはチェーンなどを使用した巻き掛け
伝動機構、摩擦車を使用した摩擦伝動機構などが知られ
ている。これらのうち、歯車伝動機構は、駆動側の部材
と出力側の部材とが互いに噛み合っている歯によって連
結されるから、回転速度が正確でかつ伝達可能なトルク
の大きいなどの利点がある。そこで例えば特開昭63−
212442号公報に記載されているようなコンタリン
グ加工をおこなうための主軸頭の機構として歯車機構を
採用すれば、工具の回転数を正確に制御し、また切削ト
ルクを大きくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、歯車機
構では、歯の噛み合いと噛み合い状態からの離脱とが連
続的に生じるので、騒音や歯面の滑りによる発熱が大き
くなり、これに加えて歯の噛み合いと離脱とのためにバ
ックラッシが不可欠であるから、負荷の変動などに起因
して振動が発生する不都合がある。特に上述した公報に
記載されているコンタリング加工のための伝動機構とし
て使用した場合には、工具の自転と公転とを同時に生じ
させるので、高速回転時の振動が顕著になり、その振動
が加工面に転写されて加工精度が悪化し、また工具の寿
命が低下するなどの問題が生じる。
【0005】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、高速回転させた場合の振動を抑制する
ことのできる回転動力伝達装置を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、入力軸と出力軸との
間でトルクを伝達する回転動力伝達装置において、ロー
ラを介してトルクを伝達する第1のトルク伝達経路と、
歯車によってトルクを伝達する第2のトルク伝達経路と
が、前記入力軸と出力軸との間に、互いに並列に設けら
れていることを特徴とするものである。
【0007】したがってこの発明においては、ローラを
介した第1のトルク伝達経路と歯車を介した第2のトル
ク伝達経路との2つの経路を経て入力軸と出力軸との間
でトルクが伝達される。その場合、歯車にはバックラッ
シがあってこれが噛み合い部分でのガタの要因になる
が、出力軸に対する負荷の変動などが生じても、ローラ
を介した第1のトルク伝達経路でのトルクが、歯車の噛
み合いを維持する方向に常時作用しているので、噛み合
っている歯の面が互いに離隔する方向の相対回転が繰り
返し生じること、すなわちバックラッシで許容される振
動が抑制される。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面に基づいて
より具体的に説明する。図1はこの発明の一例を概略的
に示す断面図であり、ここに示す例は、切削機械の主軸
頭に適用した例である。円筒状をなすハウジング1の一
端部に、スリーブ2がはめ込まれて固定されている。こ
のスリーブ2の内周側に、一対の軸受3によって入力軸
4が回転自在に支持されており、この入力軸4の後端部
はハウジング1の後方に延び、図示しない主軸モータに
連結されている。また入力軸4の先端部は、スリーブ2
から突出し、ハウジング1の内部に位置している。そし
てこの入力軸4の先端部の外周に駆動ギヤ5が形成され
ている。なお、この駆動ギヤ5は、入力軸4とは別に製
造したものを入力軸4に固定した構造のものであっても
よい。
【0009】またハウジング1の先端側(図1での左
側)の開口端部に偏心スリーブ6が挿入され、軸受7に
よって回転自在に支持されている。この偏心スリーブ6
は、内周側の中空部8が、外周面に対して偏心して成形
された円筒状の部材であり、その中空部8の内部に出力
軸9が一対の軸受10によって回転自在に支持されてい
る。したがって偏心スリーブ6が自転することにより、
その内部に保持されている出力軸9が、偏心スリーブ6
の回転軸心を中心に公転するようになっている。このよ
うにして出力軸9の偏心量を変更するために、偏心スリ
ーブ6の先端部には、図示しない駆動歯車に噛合する公
転用歯車11が固定されている。
【0010】そして前記入力軸4の中心軸線が、出力軸
9の中心軸線の公転円の円周上に配置されている。した
がって入力軸4に対する出力軸9の偏心量が、出力軸9
の偏心スリーブ6に対する偏心量の2倍からゼロの範囲
で変化するように構成されている。
【0011】出力軸9の先端部は、ハウジング1の先端
方向に延び、図示しない切削工具を取り付けるように構
成され、また後端部は、偏心スリーブ6から突出し、前
記入力軸4の先端部に接近している。そしてこの出力軸
9の後端部の外周に、出力ギヤ12が形成されている。
なお、この出力ギヤ12は、出力軸9とは別に製造させ
たものを出力軸9に固定一体化したものであってもよ
い。
【0012】これらの入力軸4の先端部と出力軸9の後
端部とを包囲するようにこれらの外周側に伝動スリーブ
13が配置されている。この伝動スリーブ13は、前記
偏心スリーブ6の回転中心軸線と同一の軸線を中心に回
転する円筒体であって、図2に示すように、その内周面
と前記入力軸4の外周面との間に、1つの大径の伝動ロ
ーラ14とそれより小径の2つの伝動ローラ15とが圧
入されている。
【0013】これらの伝動ローラ14,15は、入力軸
4と伝動スリーブ13との間でトルクを伝達するための
ものであって、伝動ローラ14,15の外周面に高粘性
油(図示せず)が充填され、その油膜の剪断抵抗力によ
ってトルクを伝達するようになっている。すなわちいわ
ゆるトラクションドライブ機構として構成されている。
また、大径の伝動ローラ14の先端部(図1での左端
部)の外周に、前記入力軸4における駆動ギヤ5に噛合
したギヤ16が形成されている。そして、前記伝動スリ
ーブ13の内周面の一部には、そのギヤ16に噛合する
内歯歯車であるギヤ17が形成されている。なお、各伝
動ローラ14,15は、前記スリーブ2に突設した支持
軸18に軸受19を介して回転自在に支持されている。
【0014】さらに、伝動スリーブ13の内周面と出力
軸9の外周面との間に、図3に示すように、1つの大径
の伝動ローラ20と2つの小径の伝動ローラ21とが圧
入されている。これらの伝動ローラ20,21は、前述
した伝動ローラ14,15と同様に、高粘性油の油膜に
作用する剪断抵抗力によってトルクを伝達するトラクシ
ョンドライブ機構を構成しており、伝動スリーブ13と
出力軸9との間でのトルク伝達を媒介するようになって
いる。また、大径の伝動ローラ20の後端部(図1での
右端部)の外周に、前記出力軸9における出力ギヤ12
に噛合したギヤ22が形成されている。そして、前記伝
動スリーブ13の内周面の一部には、そのギヤ22に噛
合する内歯歯車であるギヤ23が形成されている。な
お、各伝動ローラ14,15は、前記スリーブ2に突設
した支持軸24に軸受25を介して回転自在に支持され
ている。すなわち偏心スリーブ6の回転と共に公転する
ようになっている。
【0015】したがって図1に示す装置は、各伝動ロー
ラ14,15,20,21および伝動スリーブ13によ
って構成されるトラクションドライブ機構に相当する第
1のトルク伝達経路と、各ギヤ5,16,17,23,
22,12によって構成されるギヤドライブ機構に相当
する第2のトルク伝達経路とを備えている。
【0016】つぎに上述した装置の作用について説明す
る。図示しないモータなどの動力源から入力軸4にトル
クを入力してこれを回転させると、その外周面と伝動ロ
ーラ14,15との間に形成されている油膜に剪断作用
が生じ、それに伴う剪断抵抗力によって伝動ローラ1
4,15にトルクが伝達される。またこれと同時に、入
力軸4に形成してある駆動ギヤ5が大径の伝動ローラ1
4におけるギヤ16に噛合しているので、これらのギヤ
5,16を介して伝動ローラ14にトルクが伝達され
る。
【0017】また、各伝動ローラ14,15と伝動スリ
ーブ13との間に形成されている油膜に、各伝動ローラ
14,15がトルクを受けて回転することにより剪断作
用が生じ、その結果、この油膜を介して伝動スリーブ1
3にトルクが伝達される。これと同時に、大径の伝動ロ
ーラ14のギヤ16と伝動スリーブ13のギヤ17とが
噛み合っていることにより、これらのギヤ16,17を
介して伝動スリーブ13にトルクが伝達される。これら
のトラクションドライブおよびギヤドライブと同様に、
伝動スリーブ13から出力軸9に対しては、伝動ローラ
20,21を介したトラクションドライブと、ギヤ2
3,22,12を介したギヤドライブとによってトルク
が伝達される。
【0018】各ローラ14,15,20,21を介した
トラクションドライブでは、高粘性油の剪断作用によっ
てトルクが伝達されるから、駆動側と出力側との相対的
な滑りが大きいほど、伝達トルクが大きくなり、また所
定の滑り率以上では伝達トルクが増大せずに一定になっ
てしまう。これに対してギヤ5,16,17,23,2
2,12を介したギヤドライブでは、伝達トルクが大き
くなるほど、噛み合い面の面圧が高くなるとともに、噛
み合っている歯がその弾性によって若干変形する。
【0019】したがってこのギヤドライブ機構を構成し
ている第2のトルク伝達経路が弾性系を構成し、そのた
め、出力軸9に対する負荷の変動などに起因して振動が
生じる。これに対してトラクションドライブ機構を構成
している第1のトルク伝達経路では、高粘性油の油膜を
介したトルクの伝達をおこなうから、弾性振動に対して
は減衰器として機能する。その結果、出力軸9に切削工
具を取り付けて断続切削をおこなうなどのことにより出
力軸9に対する負荷が連続的かつ繰り返し変化するとし
ても、出力軸9の回転の振動が抑制される。そのため、
切削精度や工具寿命が低下することが回避される。
【0020】図4は上記の図1に示す装置の振動特性を
説明するための説明図であり、符号Aが入力軸を示し、
ここに振動のない一定レベルの入力が作用している。ま
た符号Bは出力軸を示し、入力軸Aとの間に、第1のト
ルク伝達経路における油膜Cと、この油膜Cに対して並
列でかつ互いに直列の歯車の弾性系Dおよびガタ(バッ
クラッシ)Eとが配列されている。出力軸Bに加工振動
などの外乱が作用した場合、ギヤドライブのみであれば
符号V1 で示すように出力軸の振動が激しくなるが、図
1に示す装置は、油膜を介したトルクをおこなうトラク
ションドライブを併用しているので、符号V2 で示すよ
うに出力軸の振動が大幅に抑制される。
【0021】つぎにこの発明の他の具体例を図5を参照
して説明する。ここに示す例は、ギヤドライブ機構に相
当する第2のトルク伝達経路に弾性機構を設けた例であ
る。すなわち円筒状をなすハウジング1の一端部に、ス
リーブ2がはめ込まれて固定されている。このスリーブ
2の内周側に、一対の軸受3によって入力軸30が回転
自在に支持されており、この入力軸30の後端部はハウ
ジング1の後方に延び、図示しない主軸モータに連結さ
れている。また入力軸30の先端部は、スリーブ2から
突出し、ハウジング1の内部に位置している。
【0022】またハウジング1の先端側(図5での左
側)の開口端部に偏心スリーブ6が挿入され、軸受7に
よって回転自在に支持されている。この偏心スリーブ6
は、内周側の中空部8が、外周面に対して偏心して成形
された円筒状の部材であり、その中空部8の内部に出力
軸9が一対の軸受10によって回転自在に支持されてい
る。したがって偏心スリーブ6が自転することにより、
その内部に保持されている出力軸9が、偏心スリーブ6
の回転軸心を中心に公転するようになっている。このよ
うにして出力軸9の偏心量を変更するために、偏心スリ
ーブ6の先端部には、図示しない駆動歯車に噛合する公
転用歯車11が固定されている。
【0023】そして前記入力軸30の中心軸線が、出力
軸9の中心軸線の公転円の円周上に配置されている。し
たがって入力軸30に対する出力軸9の偏心量が、出力
軸9の偏心スリーブ6に対する偏心量の2倍からゼロの
範囲で変化するように構成されている。
【0024】出力軸9の先端部は、ハウジング1の先端
方向に延び、図示しない切削工具を取り付けるように構
成され、また後端部は、偏心スリーブ6から突出し、前
記入力軸30の先端部に所定の間隔をあけて接近してい
る。これらの入力軸30の先端部と出力軸9の後端部と
を包囲するようにこれらの外周側に伝動スリーブ31が
配置されている。この伝動スリーブ31は、前記偏心ス
リーブ6の回転中心軸線と同一の軸線を中心に回転する
円筒体であって、その内周面と前記入力軸30の外周面
との間に、1つの大径の伝動ローラ32と2つの小径の
伝動ローラ33とが圧入されている。これらの伝動ロー
ラ32,33は、入力軸30と伝動スリーブ31との間
でトルクを伝達するためのものであって、伝動ローラ3
2,33の外周面に高粘性油(図示せず)が充填され、
その油膜の剪断抵抗力によってトルクを伝達するように
なっている。すなわちいわゆるトラクションドライブ機
構として構成されている。なお、各伝動ローラ32,3
3は、前記スリーブ2に突設した支持軸34に軸受35
を介して回転自在に支持されている。
【0025】さらに、伝動スリーブ31の内周面と出力
軸9の外周面との間に、1つの大径の伝動ローラ36と
2つの小径の伝動ローラ37とが圧入されている。これ
らの伝動ローラ36,37は、前述した伝動ローラ3
2,33と同様に、高粘性油の油膜に作用する剪断抵抗
力によってトルクを伝達するトラクションドライブを構
成しており、伝動スリーブ31と出力軸9との間でのト
ルク伝達を媒介するようになっている。なお、これらの
伝動ローラ36,37は、前記偏心スリーブ6に突設し
た支持軸38によって軸受39を介して回転自在に支持
されている。すなわち偏心スリーブ6の回転と共に公転
するようになっている。
【0026】したがって図5に示す装置は、各伝動ロー
ラ32,33,36,37および伝動スリーブ31を介
して入力軸30と出力軸9との間でトルクを伝達するよ
うに構成されている。すなわち入力軸30が回転するこ
とにより、その外周側の伝動ローラ32,33にトルク
が伝達されてこれが自転し、その結果、その伝動ローラ
32,33の外周側に嵌合している伝動スリーブ31が
回転する。その伝動スリーブ31からその内周側に圧入
されている他の伝動ローラ36,37にトルクが伝達さ
れ、この伝動ローラ36,37が自転する。そしてこれ
らの伝動ローラ36,37の内周側に出力軸9が圧入状
態で嵌合しているので、伝動ローラ36,37からこの
出力軸9にトルクが伝達される。
【0027】その場合、入力軸30の回転方向に対して
伝動スリーブ31の回転方向が反対になるが、この伝動
スリーブ31の回転方向に対して出力軸9の回転方向が
反対になるので、結局、出力軸9が入力軸30と同方向
に同速度で回転する。なお、ハウジング1の全体を入力
軸30の中心軸線を中心に回転させれば、出力軸9を自
転させつつ公転させることができ、またその状態で偏心
スリーブ6を回転させれば、出力軸9の偏心量が変化す
るので、その公転半径を変更することができる。
【0028】図5に示す装置は、上記の伝動ローラ3
2,33,36,37および伝動スリーブ31を介した
トラクションドライブ機構に相当する第1のトルク伝達
経路と並列に第2のトルク伝達経路を備えている。すな
わち前記入力軸30は、中空状に形成されており、その
内部にギヤ軸40が回転自在に挿入されている。このギ
ヤ軸40の前後両端部に入力軸30の内径とほぼ等しい
外径のボス部41が形成されており、これらのボス部4
1の間が捩り弾性力を生じる小径のトーションバー42
として形成されている。このトーションバー42に対し
て後端側のボス部41が入力軸30の内部にスプライン
嵌合している。さらに、ギヤ軸40の先端部は入力軸3
0の先端側に延びて突出しており、その先端部に入力軸
30の外径より大径の駆動ギヤ43が一体的に設けられ
ている。
【0029】また、前記出力軸9の後端部の外周に出力
ギヤ12が形成されている。そしてこの出力ギヤ12と
前記の駆動ギヤ43とに噛合する内歯歯車であるリング
ギヤ44が設けられている。このリングギヤ44は、前
記スリーブ2に連結されている環状のリテーナ45の内
周側に軸受46によって回転自在に保持されている。し
たがって入力軸30と出力軸9との間には、トーション
バー42および各ギヤ43,44,12によって構成さ
れたギヤドライブ機構に相当する第2のトルク伝達経路
が設けられている。
【0030】したがって図5に示す構成の装置では、駆
動ギヤ43の入力軸30に対する捩り弾性が、トーショ
ンバー42によって設定された弾性となり、図1に示す
装置では、ギヤの歯の弾性によっていたのに対して弾性
係数が小さくなる。すなわち柔らかくなる。そのため出
力軸9に対する負荷が大きくなった場合の入力軸30と
出力軸9との相対回転が生じやすいと同時に相対回転に
よって蓄積されるトルクが小さくなる。その結果、出力
軸9に対して加工振動などの外乱が作用した場合であっ
ても、トラクションドライブ機構に相当する第1のトル
ク伝達経路での油膜による粘性と相俟って出力軸9の振
動が抑制される。その状態を図4に符号V3 で示してあ
る。
【0031】なお、この発明は上述した具体例に限定さ
れないのであって、この発明におけるローラを介してト
ルクを伝達する第1のトルク伝達経路は、要は、ローラ
がトルク伝達に介在していればよいのであって、図1や
図5に示すわゆる差動機構を2組連結した構成に限定さ
れない。また、この発明における弾性機構は、上述した
トーションバーに限定されないのであって、円周方向に
向けて配置した弾性体やバネなどによって構成してもよ
く、またその配置位置は、入力軸と駆動ギヤとの間に限
られないのであって、歯車を介して入力軸から出力軸に
トルクを伝達するトルク伝達経路の途中に設けられてい
ればよい。
【0032】ここでこの発明の好ましい実施の態様を列
記すれば以下のとおりである。請求項1に記載された構
成に加えて、前記第1のトルク伝達経路が、前記ローラ
の外周面に形成されている油膜を介してトルクを伝達す
るように構成されていることを特徴とする回転動力伝達
装置。また、前記第2のトルク伝達経路に、前記歯車を
その回転方向に押圧する弾性機構が設けられていること
を特徴とする回転動力伝達装置。
【0033】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
ローラを介した第1のトルク伝達経路と歯車を介した第
2のトルク伝達経路との2つの経路を経て入力軸と出力
軸との間でトルクが伝達され、その場合、出力軸に対す
る負荷の変動などが生じても、ローラを介した第1のト
ルク伝達経路でのトルクが、歯車の噛み合いを維持する
方向に常時作用しているので、噛み合っている歯の面が
互いに離隔する方向の相対回転が繰り返し生じること、
すなわちバックラッシで許容される振動を抑制すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の装置の一例を模式的に示す断面図
である。
【図2】 図1のII−II線に沿う矢視断面図である。
【図3】 図1のIII−III線に沿う矢視断面図である。
【図4】 この発明に係る装置の出力軸の振動特性を説
明するための図である。
【図5】 この発明の他の例を模式的に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
4,30…入力軸、 9…出力軸、 13,31…伝動
スリーブ、 14,15,20,21,32,33,3
6,37…伝動ローラ、 5,16,17,12,2
2,23,43,44,46…ギヤ、 42…トーショ
ンバー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸と出力軸との間でトルクを伝達す
    る回転動力伝達装置において、 ローラを介してトルクを伝達する第1のトルク伝達経路
    と、歯車によってトルクを伝達する第2のトルク伝達経
    路とが、前記入力軸と出力軸との間に、互いに並列に設
    けられていることを特徴とする回転動力伝達装置。
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