JP3661467B2 - 回転動力伝達装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力軸と出力軸との間でトルクを伝達するための回転動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
比較的長い距離に亘って製品などを搬送したり、比較的広い範囲に亘って所定の加工を施したりする場合の動力源として、一般には、モータやエンジンなどの回転動作をおこなう装置が使用されている。そのために、各種の機械装置類では、動力源から機能部材に対して動力を伝達するための伝動機構が設けられている。
【0003】
この種の伝動機構としては、歯車を使用した機構やベルトまたはチェーンなどを使用した巻き掛け伝動機構、摩擦車を使用した摩擦伝動機構などが知られている。これらのうち、歯車伝動機構は、駆動側の部材と出力側の部材とが互いに噛み合っている歯によって連結されるから、回転速度が正確でかつ伝達可能なトルクの大きいなどの利点がある。そこで例えば特開昭63−212442号公報に記載されているようなコンタリング加工をおこなうための主軸頭の機構として歯車機構を採用すれば、工具の回転数を正確に制御し、また切削トルクを大きくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、歯車機構では、歯の噛み合いと噛み合い状態からの離脱とが連続的に生じるので、騒音や歯面の滑りによる発熱が大きくなり、これに加えて歯の噛み合いと離脱とのためにバックラッシが不可欠であるから、負荷の変動などに起因して振動が発生する不都合がある。特に上述した公報に記載されているコンタリング加工のための伝動機構として使用した場合には、工具の自転と公転とを同時に生じさせるので、高速回転時の振動が顕著になり、その振動が加工面に転写されて加工精度が悪化し、また工具の寿命が低下するなどの問題が生じる。
【0005】
この発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、高速回転させた場合の振動を抑制することのできる回転動力伝達装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、入力軸と、この入力軸に対する偏心量が変化するように構成された出力軸との間でトルクを伝達する回転動力伝達装置において、前記入力軸の外周に設けられる大径のローラおよび小径のローラを介してトルクを伝達する第1のトルク伝達経路と、前記大径のローラおよび小径のローラとは別に設けられた内歯歯車であるリングギヤに噛合する歯車によってトルクを伝達する第2のトルク伝達経路とが、前記入力軸と出力軸との間に、互いに並列に設けられ、かつ、前記第2のトルク伝達経路に、前記歯車をその回転方向に押圧する弾性機構が前記歯車が取り付けられている軸とは別に設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
したがってこの発明においては、ローラを介した第1のトルク伝達経路と歯車を介した第2のトルク伝達経路との2つの経路を経て入力軸と出力軸との間でトルクが伝達される。その場合、歯車にはバックラッシがあってこれが噛み合い部分でのガタの要因になるが、出力軸に対する負荷の変動などが生じても、ローラを介した第1のトルク伝達経路でのトルクが、歯車の噛み合いを維持する方向に常時作用しているので、噛み合っている歯の面が互いに離隔する方向の相対回転が繰り返し生じること、すなわちバックラッシで許容される振動が抑制される。また、第2のトルク伝達経路に設けられた弾性機構によって、前記歯車がその回転方向に押圧される。その場合、入力軸に対する戻り弾性が、弾性機構によって設定された弾性となって弾性機構の弾性係数が小さくなるので、出力軸に対する負荷が大きくなった場合の入力軸と出力軸との相対回転が生じやすいのと同時に相対回転によって蓄積されるトルクが小さくなる。そのため、出力軸に対して加工振動などの外乱が作用した場合に出力軸の振動が抑制される。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図面に基づいてより具体的に説明する。図1はこの発明の一例を概略的に示す断面図であり、ここに示す例は、切削機械の主軸頭に適用した例である。円筒状をなすハウジング1の一端部に、スリーブ2がはめ込まれて固定されている。このスリーブ2の内周側に、一対の軸受3によって入力軸4が回転自在に支持されており、この入力軸4の後端部はハウジング1の後方に延び、図示しない主軸モータに連結されている。また入力軸4の先端部は、スリーブ2から突出し、ハウジング1の内部に位置している。そしてこの入力軸4の先端部の外周に駆動ギヤ5が形成されている。なお、この駆動ギヤ5は、入力軸4とは別に製造したものを入力軸4に固定した構造のものであってもよい。
【0009】
またハウジング1の先端側(図1での左側)の開口端部に偏心スリーブ6が挿入され、軸受7によって回転自在に支持されている。この偏心スリーブ6は、内周側の中空部8が、外周面に対して偏心して成形された円筒状の部材であり、その中空部8の内部に出力軸9が一対の軸受10によって回転自在に支持されている。したがって偏心スリーブ6が自転することにより、その内部に保持されている出力軸9が、偏心スリーブ6の回転軸心を中心に公転するようになっている。このようにして出力軸9の偏心量を変更するために、偏心スリーブ6の先端部には、図示しない駆動歯車に噛合する公転用歯車11が固定されている。
【0010】
そして前記入力軸4の中心軸線が、出力軸9の中心軸線の公転円の円周上に配置されている。したがって入力軸4に対する出力軸9の偏心量が、出力軸9の偏心スリーブ6に対する偏心量の2倍からゼロの範囲で変化するように構成されている。
【0011】
出力軸9の先端部は、ハウジング1の先端方向に延び、図示しない切削工具を取り付けるように構成され、また後端部は、偏心スリーブ6から突出し、前記入力軸4の先端部に接近している。そしてこの出力軸9の後端部の外周に、出力ギヤ12が形成されている。なお、この出力ギヤ12は、出力軸9とは別に製造させたものを出力軸9に固定一体化したものであってもよい。
【0012】
これらの入力軸4の先端部と出力軸9の後端部とを包囲するようにこれらの外周側に伝動スリーブ13が配置されている。この伝動スリーブ13は、前記偏心スリーブ6の回転中心軸線と同一の軸線を中心に回転する円筒体であって、図2に示すように、その内周面と前記入力軸4の外周面との間に、1つの大径の伝動ローラ14とそれより小径の2つの伝動ローラ15とが圧入されている。
【0013】
これらの伝動ローラ14,15は、入力軸4と伝動スリーブ13との間でトルクを伝達するためのものであって、伝動ローラ14,15の外周面に高粘性油(図示せず)が充填され、その油膜の剪断抵抗力によってトルクを伝達するようになっている。すなわちいわゆるトラクションドライブ機構として構成されている。また、大径の伝動ローラ14の先端部(図1での左端部)の外周に、前記入力軸4における駆動ギヤ5に噛合したギヤ16が形成されている。そして、前記伝動スリーブ13の内周面の一部には、そのギヤ16に噛合する内歯歯車であるギヤ17が形成されている。なお、各伝動ローラ14,15は、前記スリーブ2に突設した支持軸18に軸受19を介して回転自在に支持されている。
【0014】
さらに、伝動スリーブ13の内周面と出力軸9の外周面との間に、図3に示すように、1つの大径の伝動ローラ20と2つの小径の伝動ローラ21とが圧入されている。これらの伝動ローラ20,21は、前述した伝動ローラ14,15と同様に、高粘性油の油膜に作用する剪断抵抗力によってトルクを伝達するトラクションドライブ機構を構成しており、伝動スリーブ13と出力軸9との間でのトルク伝達を媒介するようになっている。また、大径の伝動ローラ20の後端部(図1での右端部)の外周に、前記出力軸9における出力ギヤ12に噛合したギヤ22が形成されている。そして、前記伝動スリーブ13の内周面の一部には、そのギヤ22に噛合する内歯歯車であるギヤ23が形成されている。なお、各伝動ローラ14,15は、前記スリーブ2に突設した支持軸24に軸受25を介して回転自在に支持されている。すなわち偏心スリーブ6の回転と共に公転するようになっている。
【0015】
したがって図1に示す装置は、各伝動ローラ14,15,20,21および伝動スリーブ13によって構成されるトラクションドライブ機構に相当する第1のトルク伝達経路と、各ギヤ5,16,17,23,22,12によって構成されるギヤドライブ機構に相当する第2のトルク伝達経路とを備えている。
【0016】
つぎに上述した装置の作用について説明する。図示しないモータなどの動力源から入力軸4にトルクを入力してこれを回転させると、その外周面と伝動ローラ14,15との間に形成されている油膜に剪断作用が生じ、それに伴う剪断抵抗力によって伝動ローラ14,15にトルクが伝達される。またこれと同時に、入力軸4に形成してある駆動ギヤ5が大径の伝動ローラ14におけるギヤ16に噛合しているので、これらのギヤ5,16を介して伝動ローラ14にトルクが伝達される。
【0017】
また、各伝動ローラ14,15と伝動スリーブ13との間に形成されている油膜に、各伝動ローラ14,15がトルクを受けて回転することにより剪断作用が生じ、その結果、この油膜を介して伝動スリーブ13にトルクが伝達される。これと同時に、大径の伝動ローラ14のギヤ16と伝動スリーブ13のギヤ17とが噛み合っていることにより、これらのギヤ16,17を介して伝動スリーブ13にトルクが伝達される。これらのトラクションドライブおよびギヤドライブと同様に、伝動スリーブ13から出力軸9に対しては、伝動ローラ20,21を介したトラクションドライブと、ギヤ23,22,12を介したギヤドライブとによってトルクが伝達される。
【0018】
各ローラ14,15,20,21を介したトラクションドライブでは、高粘性油の剪断作用によってトルクが伝達されるから、駆動側と出力側との相対的な滑りが大きいほど、伝達トルクが大きくなり、また所定の滑り率以上では伝達トルクが増大せずに一定になってしまう。これに対してギヤ5,16,17,23,22,12を介したギヤドライブでは、伝達トルクが大きくなるほど、噛み合い面の面圧が高くなるとともに、噛み合っている歯がその弾性によって若干変形する。
【0019】
したがってこのギヤドライブ機構を構成している第2のトルク伝達経路が弾性系を構成し、そのため、出力軸9に対する負荷の変動などに起因して振動が生じる。これに対してトラクションドライブ機構を構成している第1のトルク伝達経路では、高粘性油の油膜を介したトルクの伝達をおこなうから、弾性振動に対しては減衰器として機能する。その結果、出力軸9に切削工具を取り付けて断続切削をおこなうなどのことにより出力軸9に対する負荷が連続的かつ繰り返し変化するとしても、出力軸9の回転の振動が抑制される。そのため、切削精度や工具寿命が低下することが回避される。
【0020】
図4は上記の図1に示す装置の振動特性を説明するための説明図であり、符号Aが入力軸を示し、ここに振動のない一定レベルの入力が作用している。また符号Bは出力軸を示し、入力軸Aとの間に、第1のトルク伝達経路における油膜Cと、この油膜Cに対して並列でかつ互いに直列の歯車の弾性系Dおよびガタ(バックラッシ)Eとが配列されている。出力軸Bに加工振動などの外乱が作用した場合、ギヤドライブのみであれば符号V1 で示すように出力軸の振動が激しくなるが、図1に示す装置は、油膜を介したトルクをおこなうトラクションドライブを併用しているので、符号V2 で示すように出力軸の振動が大幅に抑制される。
【0021】
つぎにこの発明の他の具体例を図5を参照して説明する。ここに示す例は、ギヤドライブ機構に相当する第2のトルク伝達経路に弾性機構を設けた例である。すなわち円筒状をなすハウジング1の一端部に、スリーブ2がはめ込まれて固定されている。このスリーブ2の内周側に、一対の軸受3によって入力軸30が回転自在に支持されており、この入力軸30の後端部はハウジング1の後方に延び、図示しない主軸モータに連結されている。また入力軸30の先端部は、スリーブ2から突出し、ハウジング1の内部に位置している。
【0022】
またハウジング1の先端側(図5での左側)の開口端部に偏心スリーブ6が挿入され、軸受7によって回転自在に支持されている。この偏心スリーブ6は、内周側の中空部8が、外周面に対して偏心して成形された円筒状の部材であり、その中空部8の内部に出力軸9が一対の軸受10によって回転自在に支持されている。したがって偏心スリーブ6が自転することにより、その内部に保持されている出力軸9が、偏心スリーブ6の回転軸心を中心に公転するようになっている。このようにして出力軸9の偏心量を変更するために、偏心スリーブ6の先端部には、図示しない駆動歯車に噛合する公転用歯車11が固定されている。
【0023】
そして前記入力軸30の中心軸線が、出力軸9の中心軸線の公転円の円周上に配置されている。したがって入力軸30に対する出力軸9の偏心量が、出力軸9の偏心スリーブ6に対する偏心量の2倍からゼロの範囲で変化するように構成されている。
【0024】
出力軸9の先端部は、ハウジング1の先端方向に延び、図示しない切削工具を取り付けるように構成され、また後端部は、偏心スリーブ6から突出し、前記入力軸30の先端部に所定の間隔をあけて接近している。これらの入力軸30の先端部と出力軸9の後端部とを包囲するようにこれらの外周側に伝動スリーブ31が配置されている。この伝動スリーブ31は、前記偏心スリーブ6の回転中心軸線と同一の軸線を中心に回転する円筒体であって、その内周面と前記入力軸30の外周面との間に、1つの大径の伝動ローラ32と2つの小径の伝動ローラ33とが圧入されている。これらの伝動ローラ32,33は、入力軸30と伝動スリーブ31との間でトルクを伝達するためのものであって、伝動ローラ32,33の外周面に高粘性油(図示せず)が充填され、その油膜の剪断抵抗力によってトルクを伝達するようになっている。すなわちいわゆるトラクションドライブ機構として構成されている。なお、各伝動ローラ32,33は、前記スリーブ2に突設した支持軸34に軸受35を介して回転自在に支持されている。
【0025】
さらに、伝動スリーブ31の内周面と出力軸9の外周面との間に、1つの大径の伝動ローラ36と2つの小径の伝動ローラ37とが圧入されている。これらの伝動ローラ36,37は、前述した伝動ローラ32,33と同様に、高粘性油の油膜に作用する剪断抵抗力によってトルクを伝達するトラクションドライブを構成しており、伝動スリーブ31と出力軸9との間でのトルク伝達を媒介するようになっている。なお、これらの伝動ローラ36,37は、前記偏心スリーブ6に突設した支持軸38によって軸受39を介して回転自在に支持されている。すなわち偏心スリーブ6の回転と共に公転するようになっている。
【0026】
したがって図5に示す装置は、各伝動ローラ32,33,36,37および伝動スリーブ31を介して入力軸30と出力軸9との間でトルクを伝達するように構成されている。すなわち入力軸30が回転することにより、その外周側の伝動ローラ32,33にトルクが伝達されてこれが自転し、その結果、その伝動ローラ32,33の外周側に嵌合している伝動スリーブ31が回転する。その伝動スリーブ31からその内周側に圧入されている他の伝動ローラ36,37にトルクが伝達され、この伝動ローラ36,37が自転する。そしてこれらの伝動ローラ36,37の内周側に出力軸9が圧入状態で嵌合しているので、伝動ローラ36,37からこの出力軸9にトルクが伝達される。
【0027】
その場合、入力軸30の回転方向に対して伝動スリーブ31の回転方向が反対になるが、この伝動スリーブ31の回転方向に対して出力軸9の回転方向が反対になるので、結局、出力軸9が入力軸30と同方向に同速度で回転する。なお、ハウジング1の全体を入力軸30の中心軸線を中心に回転させれば、出力軸9を自転させつつ公転させることができ、またその状態で偏心スリーブ6を回転させれば、出力軸9の偏心量が変化するので、その公転半径を変更することができる。
【0028】
図5に示す装置は、上記の伝動ローラ32,33,36,37および伝動スリーブ31を介したトラクションドライブ機構に相当する第1のトルク伝達経路と並列に第2のトルク伝達経路を備えている。すなわち前記入力軸30は、中空状に形成されており、その内部にギヤ軸40が回転自在に挿入されている。このギヤ軸40の前後両端部に入力軸30の内径とほぼ等しい外径のボス部41が形成されており、これらのボス部41の間が捩り弾性力を生じる小径のトーションバー42として形成されている。このトーションバー42に対して後端側のボス部41が入力軸30の内部にスプライン嵌合している。さらに、ギヤ軸40の先端部は入力軸30の先端側に延びて突出しており、その先端部に入力軸30の外径より大径の駆動ギヤ43が一体的に設けられている。
【0029】
また、前記出力軸9の後端部の外周に出力ギヤ12が形成されている。そしてこの出力ギヤ12と前記の駆動ギヤ43とに噛合する内歯歯車であるリングギヤ44が設けられている。このリングギヤ44は、前記スリーブ2に連結されている環状のリテーナ45の内周側に軸受46によって回転自在に保持されている。したがって入力軸30と出力軸9との間には、トーションバー42および各ギヤ43,44,12によって構成されたギヤドライブ機構に相当する第2のトルク伝達経路が設けられている。
【0030】
したがって図5に示す構成の装置では、駆動ギヤ43の入力軸30に対する捩り弾性が、トーションバー42によって設定された弾性となり、図1に示す装置では、ギヤの歯の弾性によって生じていたのに対して弾性係数が小さくなる。すなわち柔らかくなる。そのため出力軸9に対する負荷が大きくなった場合の入力軸30と出力軸9との相対回転が生じやすいと同時に相対回転によって蓄積されるトルクが小さくなる。その結果、出力軸9に対して加工振動などの外乱が作用した場合であっても、トラクションドライブ機構に相当する第1のトルク伝達経路での油膜による粘性と相俟って出力軸9の振動が抑制される。その状態を図4に符号V3 で示してある。
【0031】
なお、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、この発明におけるローラを介してトルクを伝達する第1のトルク伝達経路は、要は、ローラがトルク伝達に介在していればよいのであって、図1や図5に示すわゆる差動機構を2組連結した構成に限定されない。また、この発明における弾性機構は、上述したトーションバーに限定されないのであって、円周方向に向けて配置した弾性体やバネなどによって構成してもよく、またその配置位置は、入力軸と駆動ギヤとの間に限られないのであって、歯車を介して入力軸から出力軸にトルクを伝達するトルク伝達経路の途中に設けられていればよい。
【0032】
ここでこの発明の好ましい実施の態様を列記すれば以下のとおりである。請求項1に記載された構成に加えて、前記第1のトルク伝達経路が、前記ローラの外周面に形成されている油膜を介してトルクを伝達するように構成されていることを特徴とする回転動力伝達装置。また、前記第2のトルク伝達経路に、前記歯車をその回転方向に押圧する弾性機構が設けられていることを特徴とする回転動力伝達装置。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、ローラを介した第1のトルク伝達経路と歯車を介した第2のトルク伝達経路との2つの経路を経て入力軸と出力軸との間でトルクが伝達され、その場合、出力軸に対する負荷の変動などが生じても、ローラを介した第1のトルク伝達経路でのトルクが、歯車の噛み合いを維持する方向に常時作用しているので、噛み合っている歯の面が互いに離隔する方向の相対回転が繰り返し生じること、すなわちバックラッシで許容される振動を抑制することができる。また、第2のトルク伝達経路に設けられた弾性機構によって、前記歯車がその回転方向に押圧され、その場合、入力軸に対する戻り弾性が、弾性機構によって設定された弾性となって弾性機構の弾性係数が小さくなるので、出力軸に対する負荷が大きくなった場合の入力軸と出力軸との相対回転が生じやすいのと同時に相対回転によって蓄積されるトルクを小さくすることができる。そのため、出力軸に対して加工振動などの外乱が作用した場合に出力軸の振動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の装置の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】 図1のII−II線に沿う矢視断面図である。
【図3】 図1のIII−III線に沿う矢視断面図である。
【図4】 この発明に係る装置の出力軸の振動特性を説明するための図である。
【図5】 この発明の他の例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
4,30…入力軸、 9…出力軸、 13,31…伝動スリーブ、 14,15,20,21,32,33,36,37…伝動ローラ、 5,16,17,12,22,23,43,44,46…ギヤ、 42…トーションバー。
Claims (1)
- 入力軸と、この入力軸に対する偏心量が変化するように構成された出力軸との間でトルクを伝達する回転動力伝達装置において、
前記入力軸の外周に設けられる大径のローラおよび小径のローラを介してトルクを伝達する第1のトルク伝達経路と、前記大径のローラおよび小径のローラとは別に設けられた内歯歯車であるリングギヤに噛合する歯車によってトルクを伝達する第2のトルク伝達経路とが、前記入力軸と出力軸との間に、互いに並列に設けられ、かつ、前記第2のトルク伝達経路に、前記歯車をその回転方向に押圧する弾性機構が前記歯車が取り付けられている軸とは別に設けられていることを特徴とする回転動力伝達装置。
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