JP2000204946A - ステンレス鋳鋼製排気系複合部品及びその製造方法 - Google Patents

ステンレス鋳鋼製排気系複合部品及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000204946A
JP2000204946A JP11320646A JP32064699A JP2000204946A JP 2000204946 A JP2000204946 A JP 2000204946A JP 11320646 A JP11320646 A JP 11320646A JP 32064699 A JP32064699 A JP 32064699A JP 2000204946 A JP2000204946 A JP 2000204946A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust system
cast
stainless
steel
cast steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11320646A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Yamazaki
康之 山崎
Hirofumi Kimura
浩文 木村
Hiroshi Onuma
寛 大沼
Kenji Kitahara
健次 北原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP11320646A priority Critical patent/JP2000204946A/ja
Publication of JP2000204946A publication Critical patent/JP2000204946A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Silencers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステンレス鋳鋼製排気系部品において、主要
管状部に、部品を連結するためにせん孔加工を施される
部材を有するステンレス鋳鋼製排気系複合部品を安価に
得る。 【解決手段】 ステンレス鋳鋼製排気系部品において、
主要管状部に、部品を連結するためにせん孔加工を施さ
れる部材を溶接又は機械的に結合した。さらに、同部品
は、重量比率で、C:0.05〜1.20%、Si:2.
0%以下、Mn:2.0%以下、Ni:0.1〜2.0
%、Cr:16〜25%、Nbおよび/またはV:0.
01〜6.0%、Wおよび/またはMo:1.0〜5.0
%を含むフェライト系ステンレス鋳鋼、または、C:
0.2〜1.0%、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以
下、Ni:8〜20%、Cr:15〜30%、Nb:
0.2〜6.0%、W:1.0〜6.0%を含むオーステナ
イト系ステンレス鋳鋼からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用内燃機関
等の排気系部品に用いられる、ステンレス鋳鋼品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】排気系部品は、例えば図7に示すような
排気マニホールド1、触媒ケースならびにタービンハウ
ジングなどがある。この内、排気マニホールドは一般的
にポート1.1、フランジ1.2、およびここでは図示し
ない熱遮蔽カバーを取付けるためにせん孔加工を施され
る部分1.3で構成されている。かかる排気系部品とし
ては、鋼材製のポートとフランジ及び部品を連結する部
材などを溶接するいわゆる板金品と、鋳造により一体に
製造される鋳物品がある。板金品には、図8に示すよう
な2枚の鋼板をプレス成形後、溶接接合して管状6.1
とし、さらに部品を連結する部材6.2を溶接したプレ
ス鋼板製排気マニホールド6がある。また、板金品の他
の例としては、図9に示すようなパイプを曲げ加工して
ポート形状7とし、さらに部品を連結する部材7.1を
溶接したパイプ製排気マニホールドがある。また、部品
を連結する部材には、ネジ孔加工が施されていた。この
板金による方法では安価に製造することができる。鋳物
品は、ポート、フランジ及び部品を連結する部分が、全
て一体で鋳造され、材質的には鋳鉄製およびステンレス
鋳鋼製がある。この鋳造による方法では、部品を連結す
る部材を含め、複雑な形状を容易に製造することができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年自動車の居住性確
保のために、車体の寸法を確保したまま、客室寸法を大
きくすることが行われている。そのため、エンジンなど
を収容する車体前部の容積も極力減少させられている
が、環境問題への対応のためにエンジン以外の触媒など
の補器類が増加してきており、その間を縫って排気系部
品は配置されるため、従来にも増して複雑形状品への要
求が高くなっている。さらに、排気ガス規制に伴うエン
ジンの高性能化による排気ガス温度の上昇に対応するた
め、耐熱性、耐熱疲労性、耐酸化性に優れた排気系部品
に対する需要が高まっている。また、低熱容量化および
軽量化要求のため薄肉化の必要性がある。
【0004】上記のうち、板金製排気マニホールドは、
板金プレス成形であるため、立体的に交差したポート形
状などの複雑形状品の製造は困難である。また、鋼板の
材質および肉厚は、プレス成形性により制限されるた
め、耐熱性、耐熱疲労性、耐酸化性が低く、これらを重
視した設計の自由度も低くなる。
【0005】一方パイプ製排気マニホールドは、パイプ
のつぶれやき裂の発生を防ぐため、曲げ加工量に限界が
あり、ポートの形状自由度は低く、省スペース化が困難
である。パイプの材質および肉厚は、パイプ成形性およ
びパイプの曲げ加工性により制限されるため、耐熱性、
耐熱疲労性、耐酸化性が低く、これらを重視した設計の
自由度も低くなる。
【0006】また、高Si球状黒鉛鋳鉄、ニレジスト鋳
鉄等の鋳鉄製排気マニホールドは、周知のように形状自
由度は高い。しかし、耐熱性、耐熱変形性、耐熱疲労
性、耐酸化性が低下するため、近年要求されている排ガ
ス温度の900℃以上の高温には適用できない。
【0007】次にステンレス鋳鋼製排気マニホールド
は、形状自由度が高く、近年要求されている高い排ガス
温度での耐熱性、耐熱疲労性、耐酸化性も優れており、
排気系部材としての需要が高まっている。しかしながら
ステンレス鋳鋼品は合金含有量が多く融点も高いことか
ら、鋳鉄鋳物に比べ鋳造ひけが大きく、また、湯流れ性
も悪いため押し湯の効果が得にくい。特に、最近は排気
系部材の軽量化が進み、例えば、排気系マニホールド主
要部の肉厚は平均的には5mm程度、特に薄い所では3mm
以下の肉厚が求められている。本願発明者の実験では先
に述べたステンレス鋳鋼を用いて排気マニホールドを製
造すると鋳造欠陥が発生することが認められた。特に排
気マニホールドの4mm以下の主要管状部に、部品を連結
するためにせん孔加工を施される部分が存在すると、そ
の部分が主要管状部に比べ、肉厚となるために、鋳造時
のひけ過大、湯流れ不良により、その部分に鋳造欠陥が
発生する場合があった。さらにこの部分は鋳造後、熱遮
蔽カバー等の取付けボルトのためのせん孔加工が施され
るため、内部欠陥が加工面に露出し、加工工具を傷める
ばかりでなく、内部欠陥が管状部材の内面と連通してい
る場合には、排気系部品の重要な要求機能である気密性
が得られなくなる場合があった。
【0008】これらの状況を図で解説すると次のように
なる。図13は熱遮蔽カバー等の取り付けのためにせん
孔加工される部分を一体鋳造したときの、前記部分の内
部に頻出する鋳造欠陥の一例を断面模式図で示したもの
である。この部材に、取付けボルト等のためのせん孔加
工を施した結果は、図14に示されるようになる。すな
わち、せん孔加工によって、せん孔加工穴10と、内部
に存在する鋳造欠陥9とが連結し、製品の内面と外面が
連通し、気密性が得られなくなる。せん孔加工10を施
される部材の鋳造欠陥9は、外見上は健全に見えること
がほとんどの内部欠陥であるため、品質管理が難しく安
心して使用できないという問題を生じる。この問題は、
排気系部品の壁厚1.1が薄肉になるほど顕著になって
きている。
【0009】このようなステンレス鋳鋼製排気系部品に
おいて、部品を連結するためにせん孔加工を施される部
分の鋳造欠陥の発生を防ぐための通常の対策は、押湯を
追加することが行われている。これは、このような鋳造
欠陥発生部が、周りに比べ肉厚となり、凝固が遅れ、周
囲からの溶湯補給がなされないことから、凝固時の溶湯
の補給を確保するためである。しかし、前述のような排
気系部品の複雑形状化に伴い、部品を連結するためにせ
ん孔加工を施される部分の位置も、鋳造上押湯設置が困
難な位置に配置されることが多い。例えば、図10のよ
うにポート上の型割面D−Dから離れた位置にある、部
品を連結するためにせん孔加工を施される部分1.3
に、押湯を付加することは不可能である。その対策とし
て現状では、図11のように型割面D−Dまで、部品を
連結するためにせん孔加工を施される部分1.3を移動
して、押湯1.4を付加したり、図12のように型割面
D−Dから離れた位置にある、部品を連結するためにせ
ん孔加工を施される部分1.3と、型割面D−Dを繋ぐ
製品上湯道1.5を追加して、型割面D−D上の押湯1.
4の効果を得る方法を採用したりしている。
【0010】しかし、型割面まで移動させる前者の方法
は、部品、例えば熱遮蔽カバーの取付け面高さを維持す
るために、部品を連結するためにせん孔加工を施される
部分1.3の高さが高くなり、大きくなった本部分に附
加される押湯も更に大きなものとなるため、歩留りは大
きく減少する。さらに本部分は、1つの製品につき複数
個(通常は3つ以上)必要で、全ての本部分に前述のよ
うな大きな押湯を附加することは製造上望ましくない。
また、他部品の干渉や、部品、例えば熱遮蔽カバーの剛
性設計上の問題から、位置変更ができない場合も多い。
【0011】また、製品上に湯道を追加する後者の方法
は、押湯の効果を得るための製品上湯道1.5の大きさ
を確保するために、製品重量の増加や歩留りの低下、仕
上げ工数の増加を招くだけでなく、製品上湯道が他部品
へ干渉する場合もある。さらに製品上湯道1.5は十分
な大きさを確保できない場合が多く、部品を連結するた
めにせん孔加工を施される部分の、鋳造欠陥の発生を完
全に防止することができない原因となっている。
【0012】なお、上記のような現象は、排気マニホー
ルドに限らず、触媒ケース、タービンハウジング等のス
テンレス鋳鋼製排気系部品全てにおいて問題となってい
る。
【0013】本発明は、前述の事情に鑑みてなされたも
ので、排気系部品の主要部形状の自由度を向上するとと
もに、部品を連結するためにせん孔加工を施される部分
を有する排気系部品を、無欠陥且つ高効率で製造するこ
とを目的としている。特に、本発明は、ステンレス鋳鋼
製からなり、部品の薄肉化に対応できる排気系複合部品
を提供するものである。また、本発明は、上記の複合構
造を可能にする、最適な化学組成を有する排気系部品を
提供するものである。さらに、本発明は、排気系部品の
主要部と、部品を連結する機能を有する部分を、複合的
に製造する製造方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、ステンレス鋳鋼製排気系部品の主要部
と、部品を連結するための部材の構造、および、それを
最も合理的に製造する方法を検討した。その結果、排気
系部品の主要部は、鋳造で一体的に製造して、薄肉形状
を維持しながら、形状の設計自由度を確保し、部品を連
結するためにせん孔加工を施される部材を、別途製造し
て連結し、複合構造にすることが、解決の手段であるこ
とに想到した。すなわち、本発明のステンレス鋳鋼製排
気系部品は、鋳造に支障をきたしやすい、部品を連結す
るためにせん孔加工を施される部分を別製造として、製
品の健全性を確保し、鋳造した主要部と、複合化した構
造であることが大きな特徴である。
【0015】具体的に、本発明の第1の発明は、ステン
レス鋳鋼製排気系部品において、主要管状部に、部品を
連結する部材を有することを特徴とする、ステンレス鋳
鋼製排気系複合部品である。本発明でいうステンレス鋳
鋼製とは、C1.5%以下、Cr10%以上を含むステ
ンレス鋳鋼、耐熱鋳鋼である。また、主要管状部とは、
例えば、図1に示す排気系部品の主要部となる厚さ10
mm以下、特には5mm以下の管状の部分11をいう。
【0016】なお、排気系部品において、部品を連結す
るためにせん孔加工を施される部材とは、酸素センサー
取付けボス、熱遮蔽カバー取付けボス、EGR取付けフ
ランジおよびステー取付けボス等を言う。これらの部品
は、排気系部品の機能を満足するために、重要な部品で
あり、それを連結する機能を持たせるために、せん孔加
工を施される部材は、その内部品質の健全性、特に、気
孔のないことが重要である。
【0017】本発明の第2の発明は、ステンレス鋳鋼製
排気系部品において、主要管状部に、部品を連結する部
材が、ネジ孔を有することを特徴とする、ステンレス鋳
鋼製排気系複合部品である。
【0018】本発明の第3の発明は、ステンレス鋳鋼製
排気系部品において、主要管状部に、部品を連結するた
めにせん孔加工を施される部材を、溶接したことを特徴
とする、ステンレス鋳鋼製排気系複合部品である。
【0019】ここで、ステンレス鋳鋼製排気系部品の主
要管状部に、部品を連結するためにせん孔加工を施され
る部材を複数個有している場合、該部材を溶接するのは
1個であっても良く、その場合、他の該部材は、鋳造一
体で製造しても良い。
【0020】以上述べた本発明のステンレス鋳鋼製排気
系複合部品は、例えば、JISステンレス鋼鋳鋼、耐熱
鋼鋳鋼等で、主要管状部を鋳造して作ることができる。
部品を連結するためにせん孔加工を施される部材は、主
要管状部と同一または、類似の化学組成を有しているの
が製造しやすいが、溶接性、耐熱性、せん孔加工性を満
足すれば、異なる材料を選択しても良い。これが、本発
明のような複合化の特徴の1つでもあり、例えば、快削
元素を添加したステンレス耐熱鋼を選択し、せん孔加工
性を格段に向上させることも可能である。
【0021】ここで、部品を連結するためにせん孔加工
を施される部材は、別体で圧延棒鋼のように製造し、切
断後に複合化することが可能で、排気系部品と同じ型内
にて鋳造し、鋳造後切離し加工しても良い。また、せん
孔加工は溶接前に行うことも、また、溶接後に行っても
よい。
【0022】また、溶接とは、例えばMIG溶接、TI
G溶接、圧接および摩擦圧接などの、金属母材の溶融や
金属原子の拡散を伴う接合、およびろう接を言う。ろう
接の方法としては、ガス炎、炉、電気抵抗熱等で加熱し
て、ろう金属のみを溶かして溶接するガスろう付、炉内
ろう付、抵抗ろう付等がある。主要管状部、部品を連結
するためにせん孔加工を施される部材、溶接材を同種の
更に好適には同材質を用いると熱膨張に差が無くなり、
高温での熱疲労寿命が向上する。
【0023】本発明の第4の発明は、ステンレス鋳鋼製
排気系部品において、主要管状部に、部品を連結するた
めにせん孔加工を施される部材を、機械的に結合したこ
とを特徴とする、ステンレス鋳鋼製排気系複合部品であ
る。ここで、機械的結合とは、例えば図15に示すネジ
結合、図16に示す圧入結合などの、形状的な拘束力や
摩擦力を用いた結合を言う。
【0024】ここで、ステンレス鋳鋼製排気系部品の主
要管状部に、部品を連結するためにせん孔加工を施され
る部材を複数個有している場合、該部材を機械的に結合
するのは1個であっても良く、その場合、他の該部材
は、鋳造一体で製造しても良い。さらに、同一のステン
レス鋳鋼製排気系部品の主要管状部に、該部材を溶接し
たものと、機械的に結合したものを有していても良い。
【0025】本発明の第5の発明は、ステンレス鋳鋼製
排気系部品において、主要管状部に、部品を連結するた
めにせん孔加工を施される部材を、溶接または機械的に
結合するための台座を、一体で鋳造したことを特徴とす
る、ステンレス鋳鋼製排気系複合部品である。ここで、
図17に示すように、台座部の肉厚t′は、主要管状部
分の肉厚tと同じ肉厚にすると鋳造時の湯流れが乱され
ることがなく、鋳造欠陥が発生しにくい。図18に示す
ように台座部の肉厚t‘は、主要管状部分の肉厚tに近
いことが望ましいが、気密性を阻害するような、鋳造欠
陥が発生し難い範囲であれば、多少厚くなってもよい。
ただし、押湯を付加しやすい部位の台座についてはこの
限りではない。
【0026】排気系部品の主要管状部は、通常曲面であ
るため、部品を連結するためにせん孔加工を施される部
材を、溶接または機械的に結合する場合、溶接時の安定
が悪くなって位置ずれを生じたり、機械的な結合が不充
分となる。従って、その部位は平面である必要があり、
この台座が必要となる。
【0027】また、この台座には、部品を連結するため
にせん孔加工を施される部材、例えば、熱遮蔽カバー取
付けボスが付き、その熱遮蔽カバー取付けボスは複数個
(通常は3つ以上)ある。そのため、それら複数のボス
とボスの間隔や、ボスと熱遮蔽カバーの取付け部の位置
精度を向上させることを目的として、加工を施すことも
できる。このような場合、加工後の肉厚を確保するため
に、気密性を阻害するような鋳造欠陥が発生し難い範囲
で、台座部の肉厚を厚くすることができる。
【0028】また、部品を連結する部分の主要管状部か
らの高さを調節し、且つ、部品を連結するためにせん孔
加工を施される部材の共用化を図るために、台座の高さ
を調節することも有効である.このような場合にも、台
座および高さを調節するために付加した部分の肉厚と、
主要部分の肉厚が近いことが望ましいが、気密性を阻害
するような鋳造欠陥が発生し難い範囲であれば、多少厚
くなってもよい。
【0029】本発明の第6の発明は、ステンレス鋳鋼製
排気系部品において、排気系部品の主要管状部の肉厚
が、肉厚の大部分において、5mm以下であることを特徴
とする、ステンレス鋳鋼製排気系複合部品である。ここ
で、肉厚の大部分とは肉厚の50%以上での部分のこと
を言う。
【0030】低熱容量化および軽量化要求のため薄肉化
の必要性がある。低熱容量化は、排気系部品への熱の蓄
積を防ぎ、軽量化は車重を低減するため、排気系部品の
大部分を占める、主要管状部の肉厚を薄くする必要があ
る。
【0031】本発明を検討する過程で、特に薄肉主要部
の厚みが、2mm〜5mm程度の、排気部品を鋳造で製造
し、しかも、その耐熱性や鋳造性を向上させるには、さ
らに、望ましい化学組成が存在することが分かった。以
下に、本発明に適するフェライト系ステンレス鋳鋼と、
オーステナイト系ステンレス鋳鋼について述べる。
【0032】本発明の第7の発明は、ステンレス鋳鋼製
排気系部品の主要管状部すなわち鋳造部の化学組成が、
重量比率で、C:0.05〜1.20%、Si:2.0%
以下、Mn:2.0%以下、Ni:0.1〜2.0%、C
r:16〜25%、Nbおよび/またはV:0.01〜
6.0%、Wおよび/またはMo:1.0〜5.0%、を
含むフェライト系ステンレス鋳鋼からなることを特徴と
する、ステンレス鋳鋼製排気系複合部品である。
【0033】前記フェライト系ステンレス鋳鋼は、通常
のα相のほかにγ相からα相+炭化物に変態した相(以
下α′相という)を有するとともに、α′相の面積率
{α′/(α′+α)}が20〜90%であると良い。
【0034】さらに、前記フェライト系ステンレス鋳鋼
は重量比率で、N:0.01〜0.15%、C−Nb/
8:0.05〜0.45%を含有すると好適である。
【0035】本発明の第8の発明は、ステンレス鋳鋼製
排気系部品が、重量比率で、C:0.2〜1.0%、S
i:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Ni:8〜20
%、Cr:15〜30%、Nb:0.2〜6.0%、W:
1.0〜6.0%を含む、オーステナイト系ステンレス鋳
鋼製排気系部品である。本オーステナイト系ステンレス
鋳鋼を用いることにより、さらに高温域においても十分
な耐熱性を有する。
【0036】さらに、前記オーステナイト系ステンレス
鋳鋼製排気系部品は、重量比率で、B:0.001〜0.
01%、Mo:0.2〜1.0%、Co:20%以下、
N:0.01〜0.3%、S:0.01〜0.5%のいずれ
か一種以上、C−Nb/8:0.05〜0.6%を含有す
ると好適である。
【0037】本発明の第9の発明は、ステンレス鋳鋼製
排気系部品の主要部を鋳造で製造した後、主要管状部
に、部品を連結するためにせん孔加工を施される部材
を、溶接することを特徴とする、ステンレス鋳鋼製排気
系複合部品の製造方法である。ここで、部品を連結する
ためにせん孔加工を施される部材は、主要管状部の台座
部に平面加工を施した後に溶接しても良い。排気系部品
を鋳造後、主要管状部に、部品を連結するためにせん孔
加工を施される部材を溶接するので、主要管状部と、部
品を連結するためにせん孔加工を施される部材が、無欠
陥で強固に結合される。
【0038】ここで、部品を連結するためにせん孔加工
を施される部材は、別体で圧延棒鋼のように製造するこ
とが可能で、排気系部品と同じ型内にて鋳造し、鋳造後
切離し加工しても良い。また、せん孔加工は溶接前に行
うことも、また、溶接後に行ってもよい。
【0039】また、溶接とは、例えばMIG溶接、TI
G溶接、圧接および摩擦圧接などの、金属母材の溶融や
金属原子の拡散を伴う接合、およびろう接を言う。ろう
接の方法としては、ガス炎、炉、電気抵抗熱等で加熱し
て、ろう金属のみを溶かして溶接するガスろう付、炉内
ろう付、抵抗ろう付等がある。
【0040】本発明の第10の発明は、ステンレス鋳鋼
製排気系部品の主要部を鋳造で製造した後、主要管状部
にタップ加工または、せん孔加工を施し、部品を連結す
るためにせん孔加工を施される部材を、機械的に結合す
ることを特徴とする、ステンレス鋳鋼製排気系複合部品
の製造方法である。主要管状部に、部品を連結するため
にせん孔加工を施される部材を、機械的に結合するの
で、主要管状部と、部品を連結するためにせん孔加工を
施される部材が、強固に結合され仕上げ工数が少なくな
る。
【0041】ここで、機械的結合とは、例えば図15に
示すネジ結合、図16に示す圧入結合などの、形状的な
拘束力や摩擦力を用いた結合を言う。また、部品を連結
するためにせん孔加工を施される部材は、主要管状部の
台座部に平面加工を施した後、この台座部にタップ加工
または、せん孔加工を施し機械的に結合しても良い。
【0042】本発明の第7の発明の、ステンレス鋳鋼製
排気系部品の各合金元素の組成範囲、および相の組合せ
の限定理由について詳細に説明する。
【0043】(1)C(炭素):0.05〜1.2% Cは、溶湯の流動性即ち流動性を改善するので、主要管
状部が5mm以下の薄肉の鋳造品を製造するには非常に大
切な元素である。またCは、α′相を適当量生成する作
用を有し、さらには900℃以上の高温における強度を
高く維持する働きがある。これらの作用を有効に発揮す
るために、Cは0.05%以上必要である。なお、一般
のフェライト系ステンレス鋳鋼では室温でα相のみであ
るが、炭素量の調整により、高温から常温まで存在する
α相のほかに、高温ではCが固溶したγ相ができる。こ
のγ相は冷却中に炭化物を析出して(α相+炭化物)に
変態する。このような相をα′相と呼ぶ。
【0044】一方、Cの含有量が1.2%を越えると
α′相が存在しにくくなって、マルテンサイト組織にな
り、また耐酸化性、耐蝕性、および、台座の加工や、部
品を連結するためにせん孔加工を施される部材に適用し
た場合の、せん孔加工時の加工性の低下を引き起こす、
Cr炭化物の析出が顕著になる。また、部品を連結する
ためにせん孔加工を施される部材との溶接性を考えて
も、Cの上限は1.2%である。このため、Cは0.05
〜1.2%とする。望ましくは0.1〜1.0%である。
【0045】(2)Si(ケイ素):2.0%以下 Siは、本Fe−Cr系合金のγ相の範囲を狭め、組織
の安定性を増し、耐酸化性の改善効果もある。さらに、
鋳造性の改善、脱酸剤としての作用、溶接性の向上、鋳
物のピンホール欠陥の低減効果等もある。しかし多すぎ
ると、Cとのバランス(炭素当量)により一次炭化物を
粗大化し、鋳鋼や部品を連結するためにせん孔加工を施
される部材の加工性、溶接性を低下したり、また、フェ
ライト基地組織中のSi含有量が過多となって延性の低
下を起こしたり、高温でのδ相を形成したりする。この
ため、Siの含有量は2.0%以下とする。望ましくは
0.3〜1.5%である。
【0046】(3)Mn(マンガン):2.0%以下 Mnは、Siと同様に溶湯の脱酸剤として有効であり、
また鋳造時の湯流れ性を向上させて生産性を改善する。
このような作用を有効にするためと、多量に含むと溶接
性の阻害や、靱性が低下するため、Mnの含有量を2.
0%以下とする。望ましくは0.3〜1.5%である。
【0047】(4)Ni(ニッケル):0.1〜2.0% Niは、Cと同様にγ相形成元素であり、α′相を適当
量存在させるためには、0.1%以上添加するのが好ま
しい。一方、2.0%を越えると耐酸化性の優れたα相
が減少し、かつα′相がマルテンサイト化して著しく延
性を低下させる。そのためNi含有量を2.0%以下と
する。望ましくは0.3〜1.5%である。
【0048】(5)Cr(クロム):16〜25% Crは、耐酸化性を改善し、フェライト組織を安定にす
る元素であるが、その効果を確実にするため16%以上
とする。一方、多量の添加はCrの一次炭化物を粗大化
させ、高温でのδ相形成を助長し、著しく脆化を起こ
す。そのため、Crの上限を25%とする。望ましくは
17〜22%である。
【0049】(6)Nb(ニオブ)および/またはV
(バナジウム):0.01〜6.0% Nbおよび/またはVは、Cと結合して微細な炭化物を
形成し、高温での引張強さならびに耐熱疲労性を増大さ
せる。また、Crの炭化物の生成を抑制することによっ
て耐酸化性と切削性を向上させ、部品を連結するために
せん孔加工を施される部材のせん孔にも有利である。さ
らに、溶接性を向上させる。このような目的でNbおよ
び/またはVは0.01%以上とする。しかし、多量に
添加すると、結晶粒界に生成する共晶炭化物が多くな
り、強度と延性が著しく低下するし、主要管状部に、部
品を連結するためにせん孔加工を施される部材を、溶接
する時の溶接性も阻害するので、Nbおよび/またはV
の含有量は6.0%以下とする。望ましくは0.5〜3.
0%である。
【0050】(7)W(タングステン)および/または
Mo(モリブデン):1.0〜5.0% Wは、フェライト基地を強化して、室温における延性を
損なわずに、高温強度を向上させる作用を有する。従っ
て、耐クリープ性および、変態点温度上昇による耐熱疲
労性向上の目的で、1.0%以上のWを添加する。しか
し、その含有量が5.0%を越えると、粗大な共晶炭化
物が生成し、延性の低下および、部品を連結するために
せん孔加工を施される部材や、台座のせん孔加工性(以
下、機械加工性ともいう)の悪化を引き起こすので、
5.0%以下とする。
【0051】なお、Wとほぼ同様の効果は、Moを添加
しても得られるので、Moを単独、またはWとMoを複
合添加することも可能である。望ましくは1.0〜3.0
%である。
【0052】(8)残部 残部は、Feからなり、P、S等の一般的に考えられる
不可避的不純物を、一般的な量含むことができるものか
ら構成される。必要に応じて、Nを添加することもでき
る。
【0053】(9)α′相の面積率:20〜90% 本フェライト系ステンレス鋳鋼は、通常のα相のほかに
γ相から(α相+炭化物)に変態したα′相を有する。
なお通常のα相とはδ(デルタ)フェライトを意味す
る。また、析出した炭化物は、Fe、Cr、W、Nb等
の炭化物(M23C6、M7C3、MC等)である。この
α′相の面積率{α′/(α+α′)}が20%未満で
は、室温における延性が低く、鋳鋼は極めて脆い。一
方、90%を越えると硬くなりすぎ、室温における延性
が低下するとともに、機械加工性が著しく悪くなる。そ
のため面積率{α′/(α+α′)}は20〜90%と
する。望ましくは20〜60%である。
【0054】(10)N(窒素):0.01〜0.15% Nは、Cと同様に、高温強度および耐熱疲労性を改善す
る元素で、0.01%以上で効果が現れる。一方、製造
の安定性を確保するためと、Cr窒化物の析出による脆
化を避けるため、0.15%以下とする。望ましくは0.
03〜0.10%である。
【0055】(11)C−Nb/8:0.05〜0.45
% 本フェライト系ステンレス鋳鋼は、Nbの共晶炭化物を
生成させて、鋳造性を高めると共に、γ相から変態した
α′相を生成させ、高強度、高延性を得ている。共晶炭
化物(NbC)は、重量比率でCとCの8倍のNbとで
形成されるが、共晶炭化物(NbC)のほかにα相を適
量得るには、共晶炭化物生成に消費されるC以上のCが
必要となる。即ち、C−Nb/8が0.05%以上必要
である。しかし、C−Nb/8が0.45%を越えると
硬く脆くなるので、0.05〜0.45%とする。望まし
くは0.10〜0.30%である。
【0056】本発明の第8の発明の、オーステナイト系
ステンレス鋳鋼の各合金元素の組成範囲の限定理由につ
いて詳細に説明する。
【0057】(1)C(炭素):0.2〜1.0% Cは、溶湯の流動性、即ち鋳造性を良くする作用があ
り、また、一部基地に固溶して、固溶強化する作用があ
る。一方、一次および二次炭化物を形成し、高温強度を
高める作用もある。Nbと共晶炭化物を形成し、鋳造性
を高める作用がある。さらに、溶接性を向上させるとと
もに、溶接割れを低減する作用がある。このような作用
を有効に発揮するために、Cは0.2%以上必要であ
る。
【0058】しかし、Cの含有量が1.0%を越えると
共晶炭化物をはじめ、各種の炭化物の析出量が多くなり
過ぎて脆化し延性が低下すると共に加工性が劣化する。
また、部品を連結するためにせん孔加工を施される部材
との溶接性を考えてもCの上限は1.0%である。この
ため、Cは、0.2〜1.0%とする。望ましくは、0.
3〜0.6%である。
【0059】(2)Si(ケイ素):2.0%以下 Siは、溶湯の脱酸剤としての役割を有するほか、耐酸
化性、溶接性の改善に有効な元素である。しかし、過剰
に加えるとオーステナイト組織が不安定になり、鋳造性
の劣化を招きまた、加工性、溶接性の阻害や溶接割れを
助長するので、Siの含有量は2%以下とする。望まし
くは0.3〜1.5%である。
【0060】(3)Mn(マンガン):2.0%以下 Mnは、Siと同様に溶湯の脱酸剤として有効であるほ
か、溶接性向上にも有効である。さらに、溶接割れの低
減に有効である。しかし、あまり多く加えると耐酸化性
の劣化や、靱性が低下するので、2%以下とする。望ま
しくは、0.3〜1.5%である。
【0061】(4)Ni(ニッケル):8〜20% Niは、後記のCrとともに本ステンレス鋳鋼をオース
テナイト組織とし、その組織を安定にして鋳造性を高め
るのに有効な元素である。特に、900℃以上の高温域
において、特に本発明の望ましい肉厚である5mm以下の
主要管状部において、良好な鋳造性を有するためには、
8%以上の添加が必要である。さらに、溶接割れの低減
に有効である。Niの増加とともに上記特性は向上する
が、20%を越えても効果は飽和し、経済的にも不利で
ある。そのため、Ni含有量は8〜20%とする。望ま
しくは、8〜15%である。
【0062】(5)Cr(クロム):15〜30% Crは、上記Niと共存し、鋳鋼組織をオーステナイト
化して、高温強度や耐酸化性を高めるほか、炭化物を形
成し高温強度を高めるのに有効な元素である。さらに、
溶接性を向上させるのに有効である。特に、900℃の
高温域でこれらの効果を有効なものにするためには、1
5%以上の添加が必要である。しかし、添加量が30%
を越えると、過剰に二次炭化物が析出すること、さらに
はα相などの脆い析出物などが析出し、脆化が著しくな
る。そのためCr含有量を15〜30%とする。望まし
くは、17〜25%である。
【0063】(6)Nb(ニオブ):0.2〜6.0% Nbは、Cと結合して微細な炭化物を形成し、高温強度
を改善する。また、Cr炭化物の生成を抑制することに
よって、耐酸化性を向上させる。これらの効果を有効に
発揮させるためには、含有量は0.2%以上必要であ
る。しかし、多量に添加すると、結晶粒界に生成する共
晶炭化物が多くなって脆化し、強度と延性が著しく低下
し、さらに、溶接割れを助長するので、Nbの含有量は
6.0%以下とする。望ましくは、1.0〜4.0%であ
る。
【0064】(7)W(タングステン):1.0〜6.0
% Wは、高温強度を改善する。この効果を得るためには
1.0%以上の添加が必要である。しかし、多量に添加
すると耐酸化性が劣化するので6.0%が上限である。
そのためWの含有量は1.0〜6.0%とする。望ましく
は、2.0〜4.0%である。なお、Wとほぼ同様の効果
はMoを添加しても得られるので、Wの一部または全量
を、Moに置換することも可能である。この場合、重量
比率でW=2Moの割合でWをMoに置換するものとす
る。
【0065】(8)残部 残部は、Feからなり、P、S等の一般的に考えられる
不可避的不純物を、一般的な量含むことができるものか
ら構成される。必要に応じて、Nを添加することもでき
る。
【0066】(9)B(ボロン):0.001〜0.01
% Bは、鋳鋼の結晶粒界を微細にするとともに、その凝集
粗大化を遅らせ、高温強度と靱性を改善する。このた
め、0.001%以上の添加が望ましい。一方、Bの多
量の添加は硼化物を析出させ、高温強度を劣化させるの
で、0.01%を上限とする。そのためBの含有量は0.
001〜0.01%とする。
【0067】(10)Mo(モリブデン):0.2〜1.
0% Mo、はWと同様の作用を有する元素である。また、溶
接性を向上させるとともに、溶接割れを低減する作用を
有する。しかし、Moの単独添加はWよりも効果が少な
い。Wの一部を置換し複合効果させるためMoの添加量
は0.2〜1.0%とするのがよい。
【0068】(11)Co(コバルト):20%以下 Coは、Niと同様オーステナイト組織を安定にし、高
温強度を高める元素であり、特にNiと複合添加させる
ことにより、一層オーステナイト組織が安定する。ま
た、Sが存在する使用雰囲気では、Niは低融点の硫化
物をつくるため、特にCoの使用が有利である。Niと
Coは相互に置換することが可能であるが、Ni+Co
の合計が30%を越えても効果が飽和し、経済的にも不
利であるので8%以上、30%以下とする。なお、Co
単独で20%を越えても効果が飽和し、経済的にも不利
であるので、20%以下とする。
【0069】(12)N(窒素):0.01〜0.3% Nは、強力なオーステナイト生成元素であり、オーステ
ナイト基地を安定にする。また、結晶粒微細化に有効な
元素であり、本発明のような、鍛造・圧延などの加工に
よる結晶粒微細化が不可能な主要管状部を、鋳造で製造
する際には極めて有効である。この結晶粒微細化によ
り、構造物として重要な材料の延性の確保が可能にな
り、また、本系ステンレス鋳鋼のような、オーステナイ
ト系ステンレス鋳鋼に特有な、被削性が悪いという欠点
を改善できる。特に、部品を連結するためにせん孔加工
を施される部材を、Nを含有した鋼で製作し、主要管状
部に結合したものは、せん孔加工性が良好となって都合
が良い。
【0070】また、NはCの拡散速度を遅らせ、析出炭
化物の凝集を遅らせるので、脆化に対して有効である。
この効果を得るためには、0.01%以上の添加が必要
である。しかし、多量に添加すると、Cr2N−Cr2
3C6の粒界析出を生じ、脆化を促進する一方、有効な
Cr量が減少し耐酸化性を劣化させるので、0.3%を
上限とする。望ましくは、0.03〜0.2%である。
【0071】(13)S(硫黄):0.01〜0.5% Sは、鋳鋼においては球状もしくは、塊状の硫化物を生
成し、機械加工において、切粉の分断を促進するため、
被削性が向上する。これは、主要管状部の加工や、部品
を連結するためにせん孔加工を施される部材の、せん孔
加工に有効となる。この効果を得るためには、0.01
%以上必要である。しかし、多量に添加すると、粒界に
硫化物が多量に析出し、高温強度を劣化させ、溶接割れ
を助長し、さらに靱性が低下するので、0.5%を限度
とする。そのため、Sの含有量は0.01〜0.5%であ
る。望ましくは、0.03〜0.25%である。
【0072】(14)C−Nb/8:0.05〜0.6% 本オーステナイト系ステンレス鋳鋼は、Nbの共晶炭化
物を生成させて鋳造性を高めると共に、適当量の炭化物
を析出させ、高強度を得ている。共晶炭化物(NbC)
は、重量比率でCとCの8倍のNbとで形成されるが、
共晶炭化物(NbC)のほかに析出炭化物を適当量得る
には、共晶炭化物生成に消費されるC以上のCが必要と
なる。即ち、C−Nb/8が、0.05%以上必要であ
る。しかし、C−Nb/8が0.6%を越えると硬く脆
くなり、延性と加工性が劣化するので、0.05〜0.6
%とする。特に、薄肉鋳物では共晶炭化物の割合は鋳造
性に重要であるので、望ましくは0.07〜0.3%であ
る。
【0073】本発明によれば、ステンレス鋳鋼製排気系
部品を鋳造後、主要管状部に、部品を連結するためにせ
ん孔加工を施される部材を、溶接または機械的に結合す
る。これにより、鋳造ひけが大きく、湯流れ性も悪いス
テンレス鋳鋼であっても、厚肉となる、部品を連結する
ためにせん孔加工を施される部分を、鋳造することがな
いので、主要管状部の肉厚変動が少なくなり、主要管状
部は無欠陥で鋳造できる。しかも、鋳造後には、部品を
連結するためにせん孔加工を施される部分がないため、
押湯切断、バリ取り等の仕上げ工数が少なくて済む。
【0074】本発明により得られた、ステンレス鋳鋼性
複合排気系部品は、主要管状部が肉厚が薄いにもかかわ
らず、健全な鋳造品として得られ、さらに、無欠陥の、
部品を連結するためにせん孔加工を施される部材を、溶
接やろう接、または機械的な結合で複合化した構造なの
で、せん孔加工による欠陥発生も阻止される。よって、
自動車部材として必要な、部品を連結する機能が十分満
足されるのである。
【0075】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例により何等限定される
ものではない。
【0076】
【実施の形態1】図1は、本発明を熱遮蔽カバー取付け
ボス部2を有する、内燃機関用排気マニホールド1に実
施した例である。図2にボス部のA−A断面図を示す。
排気マニホールド1は、そのポート11を、主要肉厚4
mm、台座肉厚6mm、および台座径φ20mmで、本発明材
のオーステナイト系ステンレス鋳鋼で鋳造する。このと
きのステンレス鋳鋼材の化学成分を表1に示す。なお、
高さを調節した台座13は、ポート11と繋がってお
り、主要管状部と一体で鋳造されている。
【0077】表1において、比較例8から10は、本発
明材のオーステナイト系ステンレス鋳鋼材を用いて、排
気マニホールドと熱遮蔽カバー取付けボス部を一体で鋳
造したものである。また、比較例11は、汎用オーステ
ナイト系耐熱鋳鋼、JIS規格SCH−12材を用い
て、排気マニホールドと熱遮蔽カバー取付けボス部を一
体で鋳造したものである。
【0078】鋳造後、形成された台座に、別体で製造さ
れたφ15mm×20mm、M8ネジ加工を施された熱遮蔽
カバー取付けボス2を、φ1.2mmのオーステナイト系
ステンレスワイヤを用いたステンレスMIGパルス溶接
法により、電流130A、電圧17Vおよび送り速度8
0cmmin.の条件で溶接結合した。これにより排気マ
ニホールド1が形成される。本発明例のボス2は内燃機
関用マニホールドのポート11に結合され、無欠陥のポ
ート11および無欠陥のボス2により構成されるマニホ
ールド1を高効率で製造することができた。また、表2
に示すように、本発明による方法で製造された排気マニ
ホールドは、排気マニホールドと熱遮蔽カバー取付けボ
ス部を一体で鋳造する、従来の方法と比較して、歩留り
が16%向上し、合格率が12%向上した。すなわち、
本発明による方法は、同一の本発明材を用いて鋳造して
も、排気マニホールドと熱遮蔽カバー取付けボス部を一
体で鋳造する、従来の方法と比較すると、歩留まり、合
格率が向上することがわかる。
【0079】また、本排気マニホールドの鋳造時に、J
IS規格Y形B号供試材を同時に作製し、以下に述べる
各種の評価試験を行った。
【0080】(1)室温引張試験 標点間距離が50mm、標点の直径が14mmの丸棒試験片
(JIS4号試験片)を用いて行った。
【0081】(2)高温引張試験 標点間距離が50mm、標点の直径が10mmのつばつき試
験片を用いて、1000℃で行った。
【0082】(3)熱疲労試験 標点間距離が20mm、標点の直径が10mmの丸棒試験片
を用いて、加熱冷却に伴う伸び縮みを機械的に完全に拘
束した状態で、下記の条件で加熱冷却サイクルを繰り返
し、熱疲労破壊を起こさせた。 下限温度:150℃ 上限温度:1000℃ 各1サイクル:12分 なお、試験機として、電気−油圧サーボ方式の熱疲労試
験機を用いた。
【0083】(4)酸化試験 直径10mm、長さ20mmの丸棒試験片を作成し、100
0℃において200時間大気中に保持し、取り出し後に
ショットブラスト処理を施して、酸化スケールを除去
し、酸化試験前後の単位面積あたりの重量変化(酸化減
量:mg/mm2)を求めることにより、耐酸化性を評価し
た。
【0084】以上の室温引張試験結果と高温引張試験結
果を表3に、熱疲労試験結果と酸化試験結果を表4に示
す。本発明による方法で製造された排気マニホールド
は、従来材である比較例11と比較して、室温性質は同
等以上であって、高温性質がさらに優れていることがわ
かる。
【0085】
【表1】 化学成分(重量%、残部Fe) 実施例 Si Mn Ni Cr Nb Mo Co C-Nb/8 No.1 0.38 0.95 0.56 9.5 19.8 2.07 0.42 0.65 9.8 0.004 - - 0.33 2 0.30 0.85 0.54 10.5 19.9 2.04 0.31 0.45 - 0.003 - - 0.26 3 0.43 0.94 0.54 9.4 20.3 3.10 0.44 - 4.3 0.003 - - 0.38 4 0.29 1.12 0.50 9.6 19.8 2.91 0.28 - - 0.004 - - 0.26 5 0.45 0.86 1.08 10.8 20.1 3.00 2.50 - - - 0.12 0.10 0.14 6 0.43 0.77 0.66 10.1 20.6 2.96 1.53 - - - 0.09 0.40 0.24 7 0.80 0.68 0.79 10.2 21.1 3.54 5.95 - - - 0.14 0.13 0.06比較例 No.8 0.27 1.08 1.09 12.2 21.5 2.86 3.08 0.45 11.8 0.004 - - 0.28 9 0.28 0.96 0.42 10.5 20.4 2.13 0.38 0.52 - 0.004 - - 0.23 10 0.70 1.12 1.05 15.3 20.9 3.83 3.65 - - - 0.08 0.09 0.24 11 0.21 1.24 0.50 9.1 18.8 - - - - - - - -
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】 室温引張試験結果 高温引張試験結果(1000℃) 0.2%耐力 引張強さ 伸び 硬度 0.2%耐力 引張強さ 伸び 実施例 (Mpa) (Mpa) (%) (HB) (Mpa) (Mpa) (%) No. 1 290 540 6 217 56 90 30 2 285 540 11 183 60 97 34 3 315 540 10 201 54 89 39 4 275 590 18 179 66 93 43 5 350 570 17 179 60 110 55 6 355 555 9 187 67 108 37 7 390 625 8 187 78 114 31比較例 No. 8 340 560 15 179 52 82 33 9 365 575 12 187 60 91 39 10 370 580 9 192 69 101 43 11 250 560 20 170 31 52 50
【0088】
【表4】
【0089】
【実施の形態2】図3は本発明を、熱遮蔽カバー取付け
ボス部2を有する、内燃機関用触媒ケース3に実施した
例である。図4にボス部のB−B断面図を示す。触媒ケ
ース3は、その主要管状部14を、主要肉厚8mm、台座
肉厚12mm、および台座径φ18mmで、本発明材のフェ
ライト系ステンレス鋳鋼にて鋳造する。このときのステ
ンレス鋳鋼材の化学成分を表5に示す。
【0090】表5において、比較例17、18は、本発
明材のフェライト系ステンレス鋳鋼材を用いて、触媒ケ
ースと熱遮蔽カバー取付けボス部を一体で鋳造したもの
である。また、比較例19は、汎用オーステナイト系耐
熱鋳鋼、JIS規格SCH−12材を用いて、触媒ケー
スと熱遮蔽カバー取付けボス部を一体で鋳造したもので
ある。
【0091】鋳造後形成された触媒ケースの台座面にフ
ライス加工を施す。別体で製造されたφ14×15mm、
M8ネジ加工を施された熱遮蔽カバー取付けボス2を、
摩擦圧接法により、回転数4000rpm、摩擦圧力6
kgf/mm、摩擦時間4sec.、アプセット圧力1
2kgf/mm、およびアプセット時間10sec.の
条件で結合した。これにより内燃機関用触媒ケース3が
形成される。本発明例のボス部2は内燃機関用触媒ケー
スの主要管状部14に結合され、無欠陥の主要管状部1
4および無欠陥のボス2により構成される触媒ケース3
を高効率で製造することができた。また、表6に示すよ
うに、本発明による方法で製造された触媒ケースは、触
媒ケースと熱遮蔽カバー取付けボス部を一体で鋳造す
る、従来の方法と比較して、歩留りが8%向上し、合格
率が16%向上した。すなわち、本発明による方法は、
同一の本発明材を用いて鋳造しても、触媒ケースと熱遮
蔽カバー取付けボス部を一体で鋳造する、従来の方法と
比較すると、歩留まり、合格率が向上することがわか
る。
【0092】また、本触媒ケースの鋳造時に、JIS規
格Y形B号供試材を同時に作製し、以下に述べる各種の
評価試験を行った。
【0093】(1)室温引張試験 標点間距離が50mm、標点の直径が14mmの丸棒試験片
(JIS4号試験片)を用いて行った。
【0094】(2)高温引張試験 標点間距離が50mm、標点の直径が10mmのつばつき試
験片を用いて、900℃で行った。
【0095】(3)熱疲労試験 標点間距離が20mm、標点の直径が10mmの丸棒試験片
を用いて、加熱冷却に伴う伸び縮みを機械的に完全に拘
束した状態で、下記の条件で加熱冷却サイクルを繰り返
し、熱疲労破壊を起こさせた。 下限温度:100℃ 上限温度:900℃ 各1サイクル:12分 なお、試験機として、電気−油圧サーボ方式の熱疲労試
験機を用いた。
【0096】(4)酸化試験 直径10mm、長さ20mmの丸棒試験片を作成し、900
℃において200時間大気中に保持し、取り出し後にシ
ョットブラスト処理を施して、酸化スケールを除去し、
酸化試験前後の単位面積あたりの重量変化(酸化減量:
mg/cm2)を求めることにより、耐酸化性を評価した。
【0097】以上の室温引張試験結果と高温引張試験結
果を表7に、熱疲労試験結果と酸化試験結果を表8に示
す。本発明による方法で製造された触媒ケースは、従来
材である比較例19と比較して、室温性質は同等以上で
あって、高温性質がさらに優れていることがわかる。
【0098】
【表5】 化学成分(重量%、残部Fe) 実施例 Si Mn Ni Cr Mo Nb C-Nb/8 No.12 0.29 0.71 0.54 0.96 19.1 1.26 - 0.09 - - 0.28 13 0.26 0.60 0.71 0.72 18.3 1.97 - 0.09 - - 0.25 14 0.27 0.82 0.93 0.68 18.5 2.20 - - 0.08 - - 15 0.61 1.14 0.80 1.22 17.5 2.78 - 2.81 - 0.08 0.26 16 0.47 0.97 0.65 1.11 19.3 - 1.90 1.33 - 0.08 0.30比較例 No.17 0.26 0.70 0.61 0.71 19.3 1.97 - 0.09 - - 0.25 18 0.47 0.90 0.63 1.01 20.3 - 1.90 1.33 - 0.07 0.30 19 0.21 1.24 0.50 9.1 18.8 - - - - - -
【0099】
【表6】
【0100】
【表7】 室温引張試験結果 高温引張試験結果(900℃) 0.2%耐力 引張強さ 伸び 硬度 0.2%耐力 引張強さ 伸び 実施例 (Mpa) (Mpa) (%) (HB) (Mpa) (Mpa) (%) No.12 355 455 8 192 28 42 49 13 360 485 6 197 27 45 42 14 330 450 6 192 25 38 43 15 370 490 5 201 26 51 50 16 350 470 5 192 27 59 58比較例 No.17 330 495 5 197 25 46 53 18 350 500 6 197 27 53 55 19 250 560 20 170 65 128 31
【0101】
【表8】
【0102】
【実施の形態3】図5は本発明を、ステー取付けボス部
5を有する、内燃機関用タービンハウジング4に実施し
た例である。図6にボス部のC−C断面図を示す。ター
ビンハウジング4は、そのスクロール部15を、主要肉
厚5mm、台座肉厚8mm、および台座径18mmで、本発明
材のフェライト系ステンレス鋳鋼で鋳造する。このとき
のステンレス鋳鋼材の化学成分を表9に示す。
【0103】表9において、比較例25、26は、本発
明材のフェライト系ステンレス鋳鋼材を用いて、タービ
ンハウジングとステー取付けボスを一体で鋳造したもの
である。また、比較例27は、汎用オーステナイト系耐
熱鋳鋼、JIS規格SCH−12材を用いて、タービン
ハウジングとステー取付けボス部を一体で鋳造したもの
である。
【0104】鋳造後形成された台座面13にM8タップ
加工を施す。タービンハウジング4と同じ型内で鋳造さ
れたステー取付けボス5をφ12×20mmのサイズに切
断加工する。切断加工されたステー取付けボス5の一端
にM8ネジ加工を施す。ネジ加工を施されたステー取付
けボス5を、タービンハウジング4の台座13にネジ結
合により結合した。これにより内燃機関用タービンハウ
ジング4が形成される。本発明例のボス部5は内燃機関
用タービンハウジングのスクロール15に結合され、無
欠陥のスクロール15および無欠陥のボス2により構成
されるタービンハウジング4を高効率で製造することが
できた。また、表10に示すように、本発明による方法
で製造されたタービンハウジングは、タービンハウジン
グとステー取付けボス部を一体で鋳造する、従来の方法
と比較して、歩留りが5%向上し、合格率が13%向上
した。すなわち、本発明による方法は、同一の本発明材
を用いて鋳造しても、タービンハウジングとステー取付
けボス部を一体で鋳造する、従来の方法と比較すると、
歩留まり、合格率が向上することがわかる。
【0105】また、本タービンハウジングの鋳造時に、
JIS規格Y形B号供試材を同時に作製し、以下に述べ
る各種の評価試験を行った。
【0106】(1)室温引張試験 標点間距離が50mm、標点の直径が14mmの丸棒試験片
(JIS4号試験片)を用いて行った。
【0107】(2)高温引張試験 標点間距離が50mm、標点の直径が10mmのつばつき試
験片を用いて、900℃で行った。
【0108】(3)熱疲労試験 標点間距離が20mm、標点の直径が10mmの丸棒試験片
を用いて、加熱冷却に伴う伸び縮みを機械的に完全に拘
束した状態で、下記の条件で加熱冷却サイクルを繰り返
し、熱疲労破壊を起こさせた。 下限温度:100℃ 上限温度:900℃ 各1サイクル:12分 なお、試験機として、電気−油圧サーボ方式の熱疲労試
験機を用いた。
【0109】(4)酸化試験 直径10mm、長さ20mmの丸棒試験片を作成し、900
℃において200時間大気中に保持し、取り出し後にシ
ョットブラスト処理を施して、酸化スケールを除去し、
酸化試験前後の単位面積あたりの重量変化(酸化減量:
mg/cm2)を求めることにより、耐酸化性を評価した。
【0110】以上の室温引張試験結果と高温引張試験結
果を表11に、熱疲労試験結果と酸化試験結果を表12
に示す。本発明による方法で製造されたタービンハウジ
ングは、従来材である比較例27と比較して、室温性質
は同等以上であって、高温性質がさらに優れていること
がわかる。
【0111】
【表9】 化学成分(重量%、残部Fe) 実施例 Si Mn Ni Cr Mo Nb C-Nb/8 No.20 0.25 0.55 0.60 0.85 21.2 2.11 - 0.08 - - 0.24 21 0.26 0.68 0.80 1.12 19.0 2.22 - 0.09 - - 0.25 22 0.62 0.62 0.51 1.03 18.0 1.85 - 3.32 - 0.09 0.21 23 0.68 1.00 0.51 0.98 20.5 - 1.82 2.87 - 0.07 0.32 24 0.50 0.71 0.85 0.82 18.0 - 1.03 2.50 - 0.08 0.19比較例 No.25 0.26 0.69 0.81 1.11 19.0 2.12 - 0.09 - - 0.25 26 0.68 1.03 0.61 1.08 21.5 - 1.83 2.87 - 0.08 0.32 27 0.21 1.24 0.50 9.10 18.8 - - - - - -
【0112】
【表10】
【0113】
【表11】 室温引張試験結果 高温引張試験結果(900℃) 0.2%耐力 引張強さ 伸び 硬度 0.2%耐力 引張強さ 伸び 実施例 (Mpa) (Mpa) (%) (HB) (Mpa) (Mpa) (%) No.20 350 460 8 192 25 49 51 21 355 455 7 197 31 45 45 22 325 460 6 192 28 49 49 23 385 490 5 201 26 52 45 24 360 480 6 197 25 52 48比較例 No.25 340 460 5 192 27 42 43 26 355 475 6 197 28 41 49 27 250 560 20 170 65 128 31
【0114】
【表12】
【0115】
【発明の効果】以上、本発明によれば、排気系部品の主
要管状部に、部品を連結するためにせん孔加工を施され
る部材を、溶接または機械的に結合する、という極めて
簡単な手段を採用することにより、鋳物鋳造時の合格率
や歩留りを向上させ、ステンレス鋳鋼製排気系部品を安
価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である内燃機関用排気マニホー
ルドの平面図である。
【図2】図1のA−A線矢視断面図である。
【図3】他の実施例である内燃機関用触媒ケースの平面
図である。
【図4】図3のB−B線矢視断面図である。
【図5】他の実施例である内燃機関用タービンハウジン
グの平面図である。
【図6】図5のC−C線矢視断面図である。
【図7】従来の方法で、部品を連結するためにせん孔加
工を施される部分を、一体鋳造したステンレス鋳鋼製マ
ニホールドの平面図である。
【図8】プレス鋼板製排気マニホールドの平面図であ
る。
【図9】パイプ製排気マニホールドの平面図である。
【図10】主要管状部に、部品を連結するためにせん孔
加工を施される部分がある場合の鋳型の断面図である。
【図11】部品を連結するためにせん孔加工を施される
部分を、型割面まで移動した場合の鋳型の断面図であ
る。
【図12】型割線から離れた位置にある、部品を連結す
るためにせん孔加工を施される部分と、型割面を繋ぐ製
品上湯道を追加して、押湯の効果を得る場合の鋳型の断
面図である。
【図13】主要管状部に、部品を連結するためにせん孔
加工を施される部分を、一体で鋳造した製品の断面図で
ある。
【図14】図13にせん孔加工を施した後の断面図であ
る。
【図15】主要管状部に、部品を連結するためにせん孔
加工を施される部材を、ネジ結合した断面図である。
【図16】主要管状部に、部品を連結するためにせん孔
加工を施される部材を、圧入結合した断面図である。
【図17】主要管状部と台座部を表した断面図である。
【図18】主要管状部と台座部を表した断面図である。
【符号の説明】
1 内燃機関用排気マニホールド 2 熱遮蔽カバー取付けボス 3 内燃機関用触媒ケース 4 内燃機関用タービンハウジング 5 ステー取付けボス 6 プレス鋼板製排気マニホールド 7 パイプ製排気マニホールド 8 鋳型 9 鋳造欠陥 10 せん孔加工孔 11 内燃機関用排気マニホールドのポート部 12 内燃機関用排気マニホールドのフランジ部 13 台座部 14 内燃機関用触媒ケースの主要管状部 15 内燃機関用タービンハウジングのスクロール部 21 排気系部品の主要管状部 22 部品を連結するためにせん孔加工を施される部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 7/18 F01N 7/18 (72)発明者 北原 健次 福岡県京都郡苅田町長浜町35番地 日立金 属株式会社九州工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋳鋼製排気系部品において、
    主要管状部に、部品を連結する部材を有することを特徴
    とする、ステンレス鋳鋼製排気系複合部品。
  2. 【請求項2】 前記、部品を連結する部材がネジ孔を有
    することを特徴とする、請求項1に記載のステンレス鋳
    鋼製排気系複合部品。
  3. 【請求項3】 ステンレス鋳鋼製排気系部品において、
    主要管状部に、部品を連結するためにせん孔加工を施さ
    れる部材を、溶接したことを特徴とする、ステンレス鋳
    鋼製排気系複合部品。
  4. 【請求項4】 ステンレス鋳鋼製排気系部品において、
    主要管状部に、部品を連結するためにせん孔加工を施さ
    れる部材を、機械的に結合したことを特徴とする、ステ
    ンレス鋳鋼製排気系複合部品。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4に記載のステンレス鋳鋼
    製排気系部品において、主要管状部に、部品を連結する
    ためにせん孔加工を施される部材を、溶接または機械的
    に結合するための台座を一体で鋳造したことを特徴とす
    る、ステンレス鋳鋼製排気系複合部品。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5に記載のステンレス鋳鋼
    製排気系部品において、排気系部品の主要管状部の肉厚
    が、肉厚の大部分において、5mm以下であることを特徴
    とする、ステンレス鋳鋼製排気系複合部品。
  7. 【請求項7】 前記請求項1乃至6のいずれかに記載の
    ステンレス鋳鋼製排気系部品が、重量比率で、C:0.
    05〜1.20%、Si:2.0%以下、Mn:2.0%
    以下、Ni:0.1〜2.0%、Cr:16〜25%、N
    bおよび/またはV:0.01〜6.0%、Wおよび/ま
    たはMo:1.0〜5.0%、を含むフェライト系ステン
    レス鋳鋼からなることを特徴とする、ステンレス鋳鋼製
    排気系複合部品。
  8. 【請求項8】 前記請求項1乃至6のいずれかに記載の
    ステンレス鋳鋼製排気系部品が、重量比率で、C:0.
    2〜1.0%、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以
    下、Ni:8〜20%、Cr:15〜30%、Nb:
    0.2〜6.0%、W:1.0〜6.0%、を含むオーステ
    ナイト系ステンレス鋳鋼からなることを特徴とする、ス
    テンレス鋳鋼製排気系複合部品。
  9. 【請求項9】 ステンレス鋳鋼製排気系部品の主要部を
    鋳造で製造した後、主要管状部に、部品を連結するため
    にせん孔加工を施される部材を、溶接することを特徴と
    する、ステンレス鋳鋼製排気系複合部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 ステンレス鋳鋼製排気系部品の主要部
    を鋳造で製造した後、主要管状部に、タップ加工また
    は、せん孔加工を施し、この台座部に、部品を連結する
    ためにせん孔加工を施される部材を、機械的に結合する
    ことを特徴とする、ステンレス鋳鋼製排気系複合部品の
    製造方法。
JP11320646A 1998-11-11 1999-11-11 ステンレス鋳鋼製排気系複合部品及びその製造方法 Pending JP2000204946A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11320646A JP2000204946A (ja) 1998-11-11 1999-11-11 ステンレス鋳鋼製排気系複合部品及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32076998 1998-11-11
JP10-320769 1998-11-11
JP11320646A JP2000204946A (ja) 1998-11-11 1999-11-11 ステンレス鋳鋼製排気系複合部品及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000204946A true JP2000204946A (ja) 2000-07-25

Family

ID=26570163

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11320646A Pending JP2000204946A (ja) 1998-11-11 1999-11-11 ステンレス鋳鋼製排気系複合部品及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000204946A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003035138A (ja) * 2001-07-23 2003-02-07 Daido Steel Co Ltd 排気系部品およびその製造方法
EP1826288A1 (en) * 2006-02-23 2007-08-29 Daido Tokushuko Kabushiki Kaisha Ferritic stainless steel cast iron, cast part using the ferritic stainless steel cast iron, and process for producing the cast part
WO2009104792A1 (ja) * 2008-02-22 2009-08-27 日立金属株式会社 オーステナイト系耐熱鋳鋼及びそれからなる排気系部品
CN102051526A (zh) * 2009-11-02 2011-05-11 严方 高强度耐热铸钢模具材料
WO2012043860A1 (ja) * 2010-10-01 2012-04-05 日立金属株式会社 優れた湯流れ性、耐ガス欠陥性、靭性及び被削性を有するフェライト系耐熱鋳鋼、及びそれからなる排気系部品
KR101371715B1 (ko) * 2011-07-25 2014-03-07 기아자동차(주) 오스테나이트계 내열주강 및 이를 이용하여 제조된 배기매니폴드
EP2910661A3 (en) * 2014-02-24 2016-03-02 Honeywell International Inc. Stainless steel alloys, turbocharger turbine housings formed from the stainless steel alloys, and methods for manufacturing the same
DE102016208301A1 (de) * 2016-05-13 2017-11-16 Continental Automotive Gmbh Stahl-Werkstoff für Hochtemperatur-Anwendungen und Turbinengehäuse aus diesem Werkstoff
WO2018022950A1 (en) * 2016-07-28 2018-02-01 Borgwarner Inc. Ferritic steel for turbochargers
US11492690B2 (en) 2020-07-01 2022-11-08 Garrett Transportation I Inc Ferritic stainless steel alloys and turbocharger kinematic components formed from stainless steel alloys

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003035138A (ja) * 2001-07-23 2003-02-07 Daido Steel Co Ltd 排気系部品およびその製造方法
JP4604416B2 (ja) * 2001-07-23 2011-01-05 大同特殊鋼株式会社 排気系部品の製造方法
US7914732B2 (en) 2006-02-23 2011-03-29 Daido Tokushuko Kabushiki Kaisha Ferritic stainless steel cast iron, cast part using the ferritic stainless steel cast iron, and process for producing the cast part
EP1826288A1 (en) * 2006-02-23 2007-08-29 Daido Tokushuko Kabushiki Kaisha Ferritic stainless steel cast iron, cast part using the ferritic stainless steel cast iron, and process for producing the cast part
JPWO2009104792A1 (ja) * 2008-02-22 2011-06-23 日立金属株式会社 オーステナイト系耐熱鋳鋼及びそれからなる排気系部品
US8388889B2 (en) 2008-02-22 2013-03-05 Hitachi Metals Ltd. Heat-resistant, austenitic cast steel and exhaust member made thereof
JP5353716B2 (ja) * 2008-02-22 2013-11-27 日立金属株式会社 オーステナイト系耐熱鋳鋼及びそれからなる排気系部品
WO2009104792A1 (ja) * 2008-02-22 2009-08-27 日立金属株式会社 オーステナイト系耐熱鋳鋼及びそれからなる排気系部品
CN102051526A (zh) * 2009-11-02 2011-05-11 严方 高强度耐热铸钢模具材料
US9046029B2 (en) 2010-10-01 2015-06-02 Hitachi Metals, Ltd. Heat-resistant, ferritic cast steel having excellent melt flowability, gas defect resistance, toughness and machinability, and exhaust member made thereof
WO2012043860A1 (ja) * 2010-10-01 2012-04-05 日立金属株式会社 優れた湯流れ性、耐ガス欠陥性、靭性及び被削性を有するフェライト系耐熱鋳鋼、及びそれからなる排気系部品
JPWO2012043860A1 (ja) * 2010-10-01 2014-02-24 日立金属株式会社 優れた湯流れ性、耐ガス欠陥性、靭性及び被削性を有するフェライト系耐熱鋳鋼、及びそれからなる排気系部品
JP5862570B2 (ja) * 2010-10-01 2016-02-16 日立金属株式会社 優れた湯流れ性、耐ガス欠陥性、靭性及び被削性を有するフェライト系耐熱鋳鋼、及びそれからなる排気系部品
US8845824B2 (en) 2011-07-25 2014-09-30 Hyundai Motor Company Austenitic heat-resisting cast steel and exhaust manifold using the same
KR101371715B1 (ko) * 2011-07-25 2014-03-07 기아자동차(주) 오스테나이트계 내열주강 및 이를 이용하여 제조된 배기매니폴드
EP2910661A3 (en) * 2014-02-24 2016-03-02 Honeywell International Inc. Stainless steel alloys, turbocharger turbine housings formed from the stainless steel alloys, and methods for manufacturing the same
US9499889B2 (en) 2014-02-24 2016-11-22 Honeywell International Inc. Stainless steel alloys, turbocharger turbine housings formed from the stainless steel alloys, and methods for manufacturing the same
DE102016208301A1 (de) * 2016-05-13 2017-11-16 Continental Automotive Gmbh Stahl-Werkstoff für Hochtemperatur-Anwendungen und Turbinengehäuse aus diesem Werkstoff
WO2018022950A1 (en) * 2016-07-28 2018-02-01 Borgwarner Inc. Ferritic steel for turbochargers
CN109477190A (zh) * 2016-07-28 2019-03-15 博格华纳公司 用于涡轮增压器的铁素体钢
JP2019528375A (ja) * 2016-07-28 2019-10-10 ボーグワーナー インコーポレーテッド ターボチャージャ用フェライト系鋼
CN109477190B (zh) * 2016-07-28 2022-06-07 博格华纳公司 用于涡轮增压器的铁素体钢
US11821049B2 (en) 2016-07-28 2023-11-21 Borgwarner Inc. Ferritic steel for turbochargers
US11492690B2 (en) 2020-07-01 2022-11-08 Garrett Transportation I Inc Ferritic stainless steel alloys and turbocharger kinematic components formed from stainless steel alloys

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100537814C (zh) 高Cr高Ni奥氏体系耐热铸钢及由其构成的排气系统零件
JPWO2017164344A1 (ja) 耐熱性と加工性に優れた排気部品用オーステナイト系ステンレス鋼板およびターボチャージャー部品と、排気部品用オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法
CN110462081B (zh) 高温耐磨性优良的铁素体系不锈钢、铁素体系不锈钢板的制造方法、排气部件、高温滑动部件以及涡轮增压器部件
JP2017088928A (ja) 耐熱性と加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板とその製造方法、および当該ステンレス鋼製排気部品
KR102306578B1 (ko) 페라이트계 스테인리스 강판 및 그 제조 방법, 및, 배기 부품
JP6879877B2 (ja) 耐熱性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板及びその製造方法
JP2000204946A (ja) ステンレス鋳鋼製排気系複合部品及びその製造方法
JP2820776B2 (ja) 析出硬化フェライト―パーライト鋼
JP5626338B2 (ja) 常温靭性に優れたフェライト系耐熱鋳鋼及びそれからなる排気系部品
JP3458971B2 (ja) 高温強度および被削性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼およびそれからなる排気系部品
JP6098637B2 (ja) 被削性に優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼及びそれからなる排気系部品
WO2014057875A1 (ja) 被削性に優れたフェライト系耐熱鋳鋼及びそれからなる排気系部品
US5091147A (en) Heat-resistant cast steels
JPH07228950A (ja) 高温強度および被削性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼およびそれからなる排気系部品
JPH06228713A (ja) 高温強度および被削性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼およびそれからなる排気系部品
JPH07228948A (ja) 鋳造性および被削性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼およびそれからなる排気系部品
JP3572152B2 (ja) 高温強度と溶接性に優れた低Crフェライト鋳鋼
JP3605874B2 (ja) 耐熱鋳鋼
JPH05179406A (ja) 耐熱鋳鋼及びその製造方法並びに内燃機関用部品
JP2000204449A (ja) 冷間加工性と高温加熱安定性に優れたFe基耐熱合金
JP3417636B2 (ja) 鋳造性および被削性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼およびそれからなる排気系部品
JP2542778B2 (ja) 排気系部品
JP3054102B2 (ja) フェライト系耐熱鋳鋼
JPH05287457A (ja) 室温延性、耐酸化性の優れたフェライト系耐熱鋳鋼およびそれからなる排気系部品
EP2910661B1 (en) Stainless steel alloys, turbocharger turbine housings formed from the stainless steel alloys, and methods for manufacturing the same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090716

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091113