JP2000204679A - 目地装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は構造が簡単で、十分な強度が得られ
るとともに、左右の建物が前後左右方向に揺れ動いて
も、その揺れ動きを吸収して、損傷することなく元の状
態に戻すことができる目地装置を得るにある。 【解決手段】 目地部を介して建てられた左右の建物の
目地部側の左右の躯体にほぼ水平に設けられた一対のガ
イドレールと、一対のガイドレールに沿って両端部がス
ライド移動する傾斜状態で配置された少なくとも２個以
上のスライド支持バーと、少なくとも２個以上のスライ
ド支持バーに枢支ピンで回動可能に枢支された支持バー
と、支持バーに取付けられた両端部が目地部側の左右の
躯体を覆う目地プレートとで目地装置を構成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は目地部を介して建て
られた左右の建物の床面や天井面の目地部を覆う目地装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の目地装置は目地部を覆う
目地プレートを常時中央部に位置させるパンタグラフ形
状や四角形状の中央維持リンク機構を用いている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のパンタグラフ形
状や四角形状の中央維持リンク機構は構造が複雑で、十
分な強度が得られないとともに、コスト高になるという
欠点があった。

【０００４】本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、
構造が簡単で、十分な強度が得られるとともに、左右の
建物が前後左右方向に揺れ動いても、その揺れ動きを吸
収して、損傷することなく元の状態に戻すことができる
目地装置を提供することを目的としている。

【０００５】本発明の前記ならびにそのほかの目的と新
規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読む
と、より完全に明らかになるであろう。ただし、図面は
もっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範
囲を限定するものではない。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は目地部を介して建てられた左右の建物の目
地部側の左右の躯体にほぼ水平に設けられた一対のガイ
ドレールと、この一対のガイドレールに沿って両端部が
スライド移動する傾斜状態で配置された少なくとも２個
以上のスライド支持バーと、この少なくとも２個以上の
スライド支持バーに枢支ピンで回動可能に枢支された支
持バーと、この支持バーに取付けられた両端部が前記目
地部側の左右の躯体を覆う目地プレートとで目地装置を
構成している。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態によ
り、本発明を詳細に説明する。

【０００８】図１ないし図８に示す本発明の第１の実施
の形態において、１は目地部２を介して建てられた左右
の建物３、３の床部分の目地部を覆う本発明の目地装置
で、この目地装置１は前記目地部２側の上面に凹部４、
４が形成された床面である左右の躯体５、５にほぼ水平
に設けられた一対のガイドレール６、６と、この一対の
ガイドルール６、６に沿って両端部がスライド移動する
傾斜、最適には４５度の傾斜状態で配置された少なくと
も２個以上のスライド支持バー７、７と、この少なくと
も２個以上のスライド支持バー７、７のほぼ中央部に上
下移動可能な枢支ピン８、８で回動可能に枢支された、
金属材製の角パイプ材を用いた支持バー９と、この支持
バー９にほぼ中央部が複数本のピン１０で回動可能に支
持されるように取付けられた前記目地部２および前記目
地部側の左右の躯体５、５の凹部４、４を覆うことがで
きる目地プレート１１とで構成されている。

【０００９】前記一対のガイドレール６、６は図３に示
すように、アルミ、アルミ合金、ステンレス、ステンレ
ス合金等の金属材で躯体５に複数本の固定ビス１２によ
って固定される板状の取付け片１３と、この取付け片１
３の下端部よりＬ字状になるように形成されたガイドレ
ール本体１４とで形成されている。

【００１０】前記スライド支持バー７は図４に示すよう
に、金属材製のパイプ材を用いたスライド支持バー本体
１５と、このスライド支持バー本体１５の両端部に回動
可能に取付けられた自在キャスター等のローラー１６、
１６とで構成されている。

【００１１】前記目地プレート１１は図５に示すよう
に、両側部が前記凹部４、４の傾斜面とほぼ一致する傾
斜面に形成された目地プレート本体１７と、この目地プ
レート本体１７のほぼ中央底面に少なくとも２本以上下
方へ突出し、前記支持バー９に形成されたピン挿入孔１
８、１８に回動可能に挿入されるピン１０、１０とで構
成されている。

【００１２】上記構成の目地装置１は地震等によって左
右の建物３、３が図６に示すように目地部２が広がるよ
うに移動した場合には、スライド支持バー７、７の傾斜
が少なくなるようにスライド移動し、支持バー９を目地
部２のほぼ中央部に位置させるため、目地プレート１１
の両側部もほぼ同一寸法だけ左右の躯体５、５上をスラ
イド移動して、その揺れ動きを吸収する。

【００１３】また、図７に示すように目地部２が狭くな
るように移動した場合には、スライド支持バー７、７の
傾斜が大きくなるようにスライド移動するが、支持バー
９は目地部２のほぼ中央部に位置しているため、目地プ
レート１１の両側部が左右の躯体５、５上をスライド移
動して、上方へ押し上げられ、その揺れ動きを吸収す
る。

【００１４】さらに、図８に示すように左右の建物３、
３が異なる前後方向に揺れ動いた場合、スライド支持バ
ー７、７が前後方向にスライド移動して、目地部２の中
央部に目地プレート１１の中央部を位置させて、その揺
れ動きを吸収することができる。

【００１５】

【発明の異なる実施の形態】次に、図９ないし図２９に
示す本発明の異なる実施の形態につき説明する。なお、
これらの本発明の異なる実施の形態の説明に当って、前
記本発明の第１の実施の形態と同一構成部分には同一符
号を付して重複する説明を省略する。

【００１６】図９ないし図１１に示す本発明の第２の実
施の形態において、前記本発明の第１の実施の形態と主
に異なる点は、左右の躯体５、５に形成した凹部４Ａ、
４Ａに複数本の固定ビス１９、１９によって固定された
下地レール２０、２０、この下地レール２０、２０上を
スライド移動するように両側部寄りの部位に複数個のロ
ーラー２１を取付けた目地プレート１１Ａおよび該目地
プレート１１Ａの両側部の上部を覆うように前記下地レ
ール２０、２０に取付けられたカバープレート２２、２
２とを用いた点で、このように構成した目地装置１Ａに
しても、前記本発明の第１の実施の形態と同様な作用効
果が得られる。

【００１７】図１２ないし図１４に示す本発明の第３の
実施の形態において、前記本発明の第１の実施の形態と
主に異なる点は、平坦な左右の躯体５、５上に両側部が
傾斜面２３、２３に形成された目地プレート１１Ｂを用
いるとともに、一対のガイドレール６、６をスライド移
動する移動体２４、２４を両端部に回動可能に取付けた
スライド支持バー７Ａ、７Ａを用いた点で、このように
構成した目地装置１Ｂにしても、前記本発明の第１の実
施の形態と同様な作用効果が得られる。

【００１８】図１５ないし図１７に示す本発明の第４の
実施の形態において、前記本発明の第３の実施の形態と
主に異なる点は、天井部位の左右の躯体５Ａ、５Ａにほ
ぼ水平に一対のガイドレール６、６を設けるとともに、
目地プレート１１Ｃを常時支持バー９方向に付勢スプリ
ング２５で付勢する複数個の付勢機構２６をピン１０、
１０に取付けた点で、このように構成した目地装置１Ｃ
にしてもよい。

【００１９】図１８ないし図２０に示す本発明の第５の
実施の形態において、前記本発明の第４の実施の形態と
主に異なる点は、目地プレート１１Ｄに複数本の皿ビス
２７等によって取付けられる複数個の取付け金具２８
と、この取付け金具２８のほぼ中央部に支持バー９に付
勢機構２６を介して取付けられるピン１０を取付けた点
で、このように構成した目地装置１Ｄにしても、前記本
発明の第４の実施の形態と同様な作用効果が得られる。

【００２０】図２１および図２２に示す本発明の第６の
実施の形態において、前記本発明の第１の実施の形態と
主に異なる点は、一対のガイドレール６、６からスライ
ド支持バー７、７が脱落するのを防止するストッパー２
９、２９を複数本のビス３０によって左右の躯体５、５
に取り付けた点で、このように構成した目地装置１Ｅに
しても、前記本発明の第１の実施の形態と同様な作用効
果が得られる。

【００２１】図２３ないし図２５に示す本発明の第７の
実施の形態において、前記本発明の第１の実施の形態と
主に異なる点は、リップミゾ型鋼形状の一対のガイドレ
ール６Ａ、６Ａと、この一対のガイドレール６Ａ、６Ａ
に沿って移動するローラー１６、１６の軸受部材３１、
３１にスライド支持バー７、７の両端部を上下移動可能
な枢支ピン３２、３２で枢支させた点で、このように構
成した目地装置１Ｆにしても、前記本発明の第１の実施
の形態と同様な作用効果が得られる。

【００２２】図２６ないし図２９に示す本発明の第８の
実施の形態において、前記本発明の第１の実施の形態と
主に異なる点は、左右の建物３、３の床部分の左右の躯
体５、５の高さが異なる部位の目地部２を覆えるように
異なる高さ部位にそれぞれほぼ水平に一対のガイドレー
ル６、６を配置するとともに、この一対のガイドレール
６、６に両端部が移動可能に支持されるスライド支持バ
ー７、７のほぼ中央部に上下方向に移動可能な枢支ピン
８、８で金属材製の丸パイプ材を用いた支持バー９Ａを
支持し、この支持バー９Ａに形成された長孔状のピン挿
入孔１８Ａに回動可能に取付けられる逆Ｔ地状のピン１
０Ａ、１０Ａを用いて目地プレート１１Ａを取り付けた
点で、このように構成した目地装置１Ｇにしても、前記
本発明の第１の実施の形態と同様な作用効果が得られ
る。

【００２３】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にあっては次に列挙する効果が得られる。

【００２４】（１）目地部を介して建てられた左右の建
物の目地部側の左右の躯体にほぼ水平に設けられた一対
のガイドレールと、この一対のガイドレールに沿って両
端部がスライド移動する傾斜状態で配置された少なくと
も２個以上のスライド支持バーと、この少なくとも２個
以上のスライド支持バーに枢支ピンで回動可能に枢支さ
れた支持バーと、この支持バーに取付けられた両端部が
前記目地部側の左右の躯体を覆う目地プレートとで構成
されているので、左右の建物が異なる左右方向に地震等
によって揺れ動いた場合、傾斜状態のスライド支持バー
は傾斜が変わるようにスライド移動するが、該スライド
支持バーに枢支された支持バーおよび目地プレートの取
付け部位が移動前の目地部の位置とほぼ同一で、目地プ
レートの両側部のスライド移動量がほぼ同一にできる。
したがって、最大の移動量を設定することができる。

【００２５】（２）前記（１）によって、一対のガイド
レールに沿って両端部がスライド移動する少なくとも２
個以上のスライド支持バーを傾斜状態で設置すればよい
ので、構造が簡単で、設置も容易にできる。したがっ
て、比較的安価に設置することができる。

【００２６】（３）前記（１）によって、左右の建物が
異なる前後左右方向に揺れ動いても、スライド支持バー
がスライド移動して目地プレートを常時目地部の中央部
に位置させて、その揺れ動きを吸収することができる。
したがって、損傷することなく、長期間使用することが
できる。

【００２７】（４）請求項２も前記（１）〜（３）と同
様な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態の平面図。

【図２】図１の２−２線に沿う断面図。

【図３】本発明の第１の実施の形態のガイドレールの説
明図。

【図４】本発明の第１の実施の形態のスライド支持バー
の説明図。

【図５】本発明の第１の実施の形態の目地プレートの説
明図。

【図６】本発明の第１の実施の形態の目地部が広がった
状態の説明図。

【図７】本発明の第１の実施の形態の目地部が狭くなっ
た状態の説明図。

【図８】本発明の第１の実施の形態の前後方向に移動し
た状態の説明図。

【図９】本発明の第２の実施の形態の一部破断平面図。

【図１０】図９の１０−１０線に沿う断面図。

【図１１】図９の１１−１１線に沿う断面図。

【図１２】本発明の第３の実施の形態の一部破断平面
図。

【図１３】図１２の１３−１３線に沿う断面図。

【図１４】本発明の第３の実施の形態のスライド支持バ
ーの説明図。

【図１５】本発明の第４の実施の形態の底面図。

【図１６】本発明の第４の実施の形態の平面図。

【図１７】図１５の１７−１７線に沿う断面図。

【図１８】本発明の第５の実施の形態の底面図。

【図１９】図１８の１９−１９線に沿う断面図。

【図２０】本発明の第５の実施の形態の取付け金具の説
明図。

【図２１】本発明の第６の実施の形態の平面図。

【図２２】図２１の２２−２２線に沿う断面図。

【図２３】本発明の第７の実施の形態の平面図。

【図２４】図２３の２４−２４線に沿う断面図。

【図２５】本発明の第７の実施の形態のスライド支持バ
ーの説明図。

【図２６】本発明の第８の実施の形態の平面図。

【図２７】図２３の２４−２４線に沿う断面図。

【図２８】本発明の第８の実施の形態のスライド支持バ
ーの説明図。

【図２９】本発明の第８の実施の形態の目地プレートの
説明図。

【符号の説明】

１、１Ａ〜１Ｇ：目地装置、２：目地部、
３：建物、４、４Ａ：凹部、 ５、５Ａ：躯体、
６、６Ａ：ガイドレール、７、７Ａ、７Ｂ：スライド支
持バー、８：枢支ピン、 ９：支持バー、１
０：ピン、 １１、１１Ａ〜１１Ｄ：目地プ
レート、１２：固定ビス、 １３：取付け片、１
４：ガイドレール本体、１５：スライド支持バー本体、
１６：ローラー、 １７：目地プレート本体、１
８：ピン挿入孔、 １９：固定ビス、２０：下地レ
ール、 ２１：ローラー、２２：カバープレート、
２３：傾斜面、２４：移動体、 ２５：付勢
スプリング、２６：付勢機構、 ２７：皿ビス、
２８：取付け金具、 ２９：ストッパー、３０：ビ
ス、 ３１：軸受部材、３２：枢支ピン。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 目地部を介して建てられた左右の建物の
   目地部側の左右の躯体にほぼ水平に設けられた一対のガ
   イドレールと、この一対のガイドレールに沿って両端部
   がスライド移動する傾斜状態で配置された少なくとも２
   個以上のスライド支持バーと、この少なくとも２個以上
   のスライド支持バーに枢支ピンで回動可能に枢支された
   支持バーと、この支持バーに取付けられた両端部が前記
   目地部側の左右の躯体を覆う目地プレートとからなるこ
   とを特徴とする目地装置。
2. 【請求項２】 目地部を介して建てられた左右の建物の
   目地部側の左右の躯体にほぼ水平に設けられた一対のガ
   イドレールと、この一対のガイドレールに沿って両端部
   がスライド移動する傾斜状態で配置された少なくとも２
   個以上のスライド支持バーと、この少なくとも２個以上
   のスライド支持バーに枢支ピンで上下移動および回動可
   能に枢支された支持バーと、この支持バーに常時該支持
   バー方向に付勢する付勢機構を介して取付けられた両端
   部が前記目地部側の左右の躯体を覆う目地プレートとか
   らなることを特徴とする目地装置。