JP2000204668A - 介護用ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】介護用リフト装置を使用しないときでもリフト
に取り付けられる機具等が介護の邪魔にならず、かつ、
介護者や被介護者が搬送アームや搬送吊り具に接触する
ことを未然に防止することにより安全性を向上させた介
護用リフト装置を備える介護用ユニットを提供する。 【解決手段】本発明に係る介護用ユニット１は、屋内に
被介護者を保持する搬送吊り具２と該搬送吊り具２を支
える搬送アーム３とを有する介護用リフト装置５が設け
られ、前記室内の壁面に前記搬送吊り具２を収納する収
納用凹部１６が設けられていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は被介護者を搬送する
介護用リフト装置を備えた介護用ユニットに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】お年寄り等の身動きが不自由となった被
介護者がいる家庭では、被介護者の入浴時や排便時に介
護者が容易に被介護者を移動できるように、浴室、トイ
レ、寝室等に被介護者を運搬するための介護用リフト装
置を設けることが多い。

【０００３】この介護用リフト装置は、被介護者を保持
する搬送吊り具と、該搬送吊り具を支える搬送アーム
と、搬送アームを昇降・回動させるリフト支柱とで構成
され、介護者が被介護者を搬送吊り具に乗せて移動させ
るようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、介護者用リ
フト装置は、浴室やトイレ等の広さが限られた場所に設
置されることが多いので、被介護者を搬送させた後で介
護者が被介護者の介護を行う際に、搬送アームや搬送吊
り具が介護の邪魔となることがある。

【０００５】そのため、搬送アームや搬送吊り具を介護
の際に取り外して、邪魔にならないところに移動させる
ことができればよいのであるが、搬送アームは被介護者
を支える必要があるためリフト支柱に堅固に固定されて
おり、また、搬送吊り具も被介護者搬送時に搬送アーム
から外れないように搬送アームに取り付けられているた
め、介護時に搬送アームや搬送吊り具を容易に取り外す
ことができないようになっていることが多い。

【０００６】また、搬送アームや搬送吊り具は、被介護
者を支えるため強固な骨格を有することが多いので、搬
送アームや搬送吊り具が介護者や被介護者に接触した場
合には介護者や被介護者が怪我をするおそれがあり、こ
のような搬送アームや搬送吊り具の接触を未然に防止し
てより一層の安全性の向上を図る必要がある。

【０００７】本発明は、上記事情に鑑みて為されたもの
であり、介護用リフト装置を使用しないときでも搬送ア
ームや搬送吊り具が介護の邪魔にならず、かつ、介護者
や被介護者が搬送アームや搬送吊り具に接触することを
未然に防止することにより安全性を向上させた介護用リ
フト装置を備える介護用ユニットを提供することを目的
とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に記載の介護用ユニットは、室内に被介護
者を保持する搬送吊り具と該搬送吊り具を支える搬送ア
ームとを有する介護用リフト装置が設けられ、前記室内
の壁面に前記搬送吊り具を収納する収納用凹部が設けら
れていることを特徴とする。

【０００９】このような請求項１に記載の介護用ユニッ
トでは、搬送吊り具を壁面に設けられた収納用凹部に収
納できるようにしたので、介護者が被介護者を介護する
際に浴室を広く使用することが可能となり、搬送吊り具
が邪魔となりにくいという効果を奏する。

【００１０】また収納時には、搬送吊り具が介護者及び
被介護者に容易に接触することを防ぐことができるの
で、介護者及び被介護者が不用意な接触により怪我をす
ることが防止でき、介護用リフト装置に対する安全性を
向上させることが可能となる。

【００１１】請求項２に記載の介護用ユニットでは、請
求項１に記載の室内に前記搬送アームを支持するリフト
支柱が設けられ、前記搬送アームが該リフト支柱に沿っ
て昇降・回動されることを特徴とする。

【００１２】このような介護用ユニットでは、介護用ユ
ニットに強固に固定されたリフト支柱に搬送アームが支
持されるので、被介護者を支えるだけの強度を保ちつつ
昇降・回動機構を有する旋回アームを容易に取り付ける
ことができる。

【００１３】また、介護用ユニットが、入浴設備を備え
た浴室ユニット、排便設備を備えたトイレユニット等の
サニタリユニット、又はユニット建物を構成する建物ユ
ニット等である場合には、介護者が被介護者を入浴させ
る際、排便させる際、布団へ寝かせたり起こしたりする
際に容易に被介護者を移動させられるため、介護に対す
る介護者の肉体的疲労を低減できるという効果を有す
る。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明に係る介護用ユニット１
は、図１に示すように室内に入浴設備を備えた浴室ユニ
ットで構成されており、この室内には、搬送吊り具２
と、搬送吊り具２を支える搬送アーム３と、搬送アーム
３を支持するリフト支柱４とで構成される介護用リフト
装置５が設置されている。

【００１５】リフト支柱４は、洗い場６の浴槽７横の壁
面に設置され、被介護者が右麻痺の場合には浴槽を洗い
場から見て右側壁面に設けられ、被介護者が左麻痺の場
合に左側壁面に設けられる。リフト支柱４は、図２に示
すように浴室ユニットを構成する鉄骨体８，９にブラケ
ット１０，１１を介して締結固定されている。リフト支
柱４には操作用コントローラー（図示省略）が設けられ
ており、介護者が操作用コントローラを操作することに
より、搬送アーム３をリフト支柱４に沿って昇降・回動
することができるようになっている。

【００１６】搬送アーム３に支えられる搬送吊り具２
は、被介護者を移動させる際に被介護者の体を保持する
役割を有し、被介護者が座るための介護イス１３が設け
られている。

【００１７】この介護イス１３は折り畳み可能な構造と
なっており、容易に座面部１４を背もたれ部１５に折り
畳めるようになっている。

【００１８】浴室ユニットの壁面はＦＲＰ等で成形され
ている。この壁面には、搬送アーム３と、介護イス１３
が畳まれた搬送吊り具２とが、そのまま収納できる形状
の収納用凹部１６が設けられている。

【００１９】収納用凹部１６は、搬送アーム３を所定の
高さに保持しつつ、リフト支柱４に対して浴槽７の設置
されていない方向へ回動させた際に、搬送アーム３と浴
室壁面とが接触する位置に設置されている。

【００２０】以下、搬送アーム３及び搬送吊り具２を収
納用凹部１６に収納させる場合の動作について説明す
る。

【００２１】介護用リフト装置５の使用後、介護者は介
護イス１３を折り畳んでから操作用コントローラを操作
して搬送アーム３を移動させ、搬送アーム３及び搬送吊
り具２を収納用凹部１６に収納させる。

【００２２】収納用凹部１６の搬送アーム３が納められ
た凹部には、収納された搬送アーム３を固定するための
アーム固定カバー１７が設けられており、収納された搬
送アーム３はこのアーム固定カバー１７により容易に動
かないように固定される。

【００２３】このような介護用ユニット１では、介護用
リフト装置５が浴室ユニットに設けられているので、介
護者が被介護者を入浴させる際に容易に被介護者を移動
させることができるようになり、介護に対する介護者の
肉体的疲労を軽減できるという効果を有する。

【００２４】また、搬送アーム３及び搬送吊り具２を浴
室壁面に設けられた収納用凹部１６に収納できるように
したので、介護者が被介護者を介護する際に浴室を広く
使用することが可能となり、搬送アーム３及び搬送吊り
具２が邪魔となりにくいという効果を奏する。

【００２５】収納時には、搬送アーム３及び搬送吊り具
２が介護者及び被介護者に容易に接触することを防ぐこ
とができるので、介護者及び被介護者が不用意な接触に
より怪我をすることが防止でき、介護用リフト装置５に
対する安全性を向上させることが可能となる。

【００２６】本実施例では、リフト支柱４に対して浴槽
の設置されていない側に収納用凹部１６を設けたが、リ
フト支柱４の浴槽側に収納用凹部１６を設けても良い。

【００２７】また、本実施例では、本発明に係る介護用
ユニット１が入浴設備を備えた浴室ユニットの場合を用
いて説明したが、本発明はこの浴室ユニットだけに限定
されるものではなく、トイレユニットやユニット建物を
構成する建物ユニット等であっても、壁面に収納用凹部
１６を設けることにより本実施例と同様の効果を奏する
ことが可能である。

【００２８】本発明に係る介護用ユニット１は、上記実
施の形態に限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱
しない範囲での各種設計の変更等があっても本発明に含
まれる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に記載の
介護用ユニットでは、搬送吊り具を浴室壁面に設けられ
た収納用凹部に収納できるようにしたので、介護者が被
介護者を介護する際に浴室を広く使用することが可能と
なり、搬送吊り具が邪魔となりにくいという効果を奏す
る。

【００３０】また収納時には、搬送吊り具が介護者及び
被介護者に容易に接触することを防ぐことができるの
で、介護者及び被介護者が不用意な接触により怪我をす
ることが防止でき、介護用リフト装置に対する安全性を
向上させることが可能となる。

【００３１】請求項２に記載の介護用ユニットでは、介
護用ユニットに強固に固定されたリフト支柱に搬送アー
ムが支持されるので、被介護者を支えるだけの強度を保
ちつつ昇降・回動機構を有する旋回アームを容易に取り
付けることができる。

【００３２】また、介護用ユニットが、入浴設備を備え
た浴室ユニット、排便設備を備えたトイレユニット等の
サニタリユニット、又はユニット建物を構成する建物ユ
ニット等である場合には、介護者が被介護者を入浴させ
る際、排便させる際、布団へ寝かせたり起こしたりする
際に容易に被介護者を移動させられるため、介護に対す
る介護者の肉体的疲労を低減できるという効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る介護用ユニットを示した斜視図で
ある。

【図２】本発明に係る介護用ユニットを示した断面図で
ある

【符号の説明】

１ 介護用ユニット ２ 搬送吊り具 ３ 搬送アーム ４ リフト支柱 ５ 介護用リフト装置 １６ 収納用凹部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】室内に被介護者を保持する搬送吊り具と該
   搬送吊り具を支える搬送アームとを有する介護用リフト
   装置が設けられ、前記室内の壁面に前記搬送吊り具を収
   納する収納用凹部が設けられていることを特徴とする介
   護用ユニット。
2. 【請求項２】前記室内に前記搬送アームを支持するリフ
   ト支柱が設けられ、前記搬送アームが該リフト支柱に沿
   って昇降・回動されることを特徴とする請求項１に記載
   の介護用ユニット。