JP2000203945A - スパッタリングタ―ゲット用焼結炉およびそれを用いたitoスパッタリングタ―ゲットの製造方法 - Google Patents
スパッタリングタ―ゲット用焼結炉およびそれを用いたitoスパッタリングタ―ゲットの製造方法Info
- Publication number
- JP2000203945A JP2000203945A JP10374857A JP37485798A JP2000203945A JP 2000203945 A JP2000203945 A JP 2000203945A JP 10374857 A JP10374857 A JP 10374857A JP 37485798 A JP37485798 A JP 37485798A JP 2000203945 A JP2000203945 A JP 2000203945A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- furnace
- sputtering target
- molded product
- heating element
- sintering furnace
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Furnace Charging Or Discharging (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 成型品を焼結した際、不均一な収縮により発
生するソリ、クラック、内部歪みなどを低減することの
できる、低コストのスパッタリングターゲット用焼結
炉、およびそれを用いたITOスパッタリングターゲッ
トの製造方法を提供する。 【解決手段】 成型品3は成型品支持具5の上に設置さ
れたアルミナ系セッター上に水平に載置され、発熱体7
は発熱体支持台上に成型品に対して水平に設置され、4
面の炉側壁には補助ヒーターが設けられ、さらに成型品
支持具5を含む炉底下部と、補助ヒーターを含む炉上部
とが分割され、いずれか一方が垂直移動して分割可能で
ある水平型焼結炉を用いて成型品3を焼結する方法であ
って、成型品3を加熱・昇温する速度を200℃/時間
以上に設定する。また成型品を載置するためのアルミナ
系セッターが、一枚板からなるAl2 O3 ・SiO2 セ
ッターと、この上に載置される分割型のAl2 O3 セッ
ターの2段階構造である。
生するソリ、クラック、内部歪みなどを低減することの
できる、低コストのスパッタリングターゲット用焼結
炉、およびそれを用いたITOスパッタリングターゲッ
トの製造方法を提供する。 【解決手段】 成型品3は成型品支持具5の上に設置さ
れたアルミナ系セッター上に水平に載置され、発熱体7
は発熱体支持台上に成型品に対して水平に設置され、4
面の炉側壁には補助ヒーターが設けられ、さらに成型品
支持具5を含む炉底下部と、補助ヒーターを含む炉上部
とが分割され、いずれか一方が垂直移動して分割可能で
ある水平型焼結炉を用いて成型品3を焼結する方法であ
って、成型品3を加熱・昇温する速度を200℃/時間
以上に設定する。また成型品を載置するためのアルミナ
系セッターが、一枚板からなるAl2 O3 ・SiO2 セ
ッターと、この上に載置される分割型のAl2 O3 セッ
ターの2段階構造である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリングタ
ーゲットを製造するための焼結炉、およびその焼結炉を
用いてITOスパッタリングターゲットを焼結する製造
方法に関する。
ーゲットを製造するための焼結炉、およびその焼結炉を
用いてITOスパッタリングターゲットを焼結する製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶パネルや半導体の製造における成膜
方法としてスパッタリング法が広く採用され、これには
板状や円形状スパッタリングターゲットが用いられる。
方法としてスパッタリング法が広く採用され、これには
板状や円形状スパッタリングターゲットが用いられる。
【0003】成膜工程において成膜効率を上げるために
は単位時間に成膜する面積をできるだけ大きくする必要
があり、そのためには大型のスパッタリングターゲット
を用いることが有利であることからスパッタリングター
ゲットの大型化が進んでいる。
は単位時間に成膜する面積をできるだけ大きくする必要
があり、そのためには大型のスパッタリングターゲット
を用いることが有利であることからスパッタリングター
ゲットの大型化が進んでいる。
【0004】スパッタリングターゲットの一般的な製造
方法は、まず原料粉末をプレス成型、鋳込み成型などに
より成型して成型品を作り、この成型品を電気炉などで
焼成して焼結品とし、これを任意の寸法に機械加工する
方法である。成型品を焼結する際に用いられる従来の電
気炉の構造を、図1に示す。図1に示すように、成型品
を焼結するとき、成型品3は成型品支持具5上に水平に
載置され、また発熱体7は炉側壁近くに取付けられ成型
品3に対して垂直に設置される(以下、「垂直型焼結
炉」という)。発熱体から成型品の中央部までの距離と
発熱体から成型品の周辺部までの距離の比率は、成型品
のサイズが大型化する程違ってくる。このため、焼結時
における成型品の温度分布は、成型品のサイズが大型化
する程不均一となる。
方法は、まず原料粉末をプレス成型、鋳込み成型などに
より成型して成型品を作り、この成型品を電気炉などで
焼成して焼結品とし、これを任意の寸法に機械加工する
方法である。成型品を焼結する際に用いられる従来の電
気炉の構造を、図1に示す。図1に示すように、成型品
を焼結するとき、成型品3は成型品支持具5上に水平に
載置され、また発熱体7は炉側壁近くに取付けられ成型
品3に対して垂直に設置される(以下、「垂直型焼結
炉」という)。発熱体から成型品の中央部までの距離と
発熱体から成型品の周辺部までの距離の比率は、成型品
のサイズが大型化する程違ってくる。このため、焼結時
における成型品の温度分布は、成型品のサイズが大型化
する程不均一となる。
【0005】成型品を電気炉などで焼結した場合、一般
に成型品は昇温の途中であっても、成型品の収縮開始温
度を越えると収縮を開始し、焼結温度保持終了まで継続
する。このため成型品の温度分布が不均一であると昇温
中または焼結温度保持中に、成型品の収縮が早めに進行
する部分と進行しない部分ができ、成型品に歪みが生じ
る。この歪みを緩和しようとしてソリや、クラックが発
生し、その結果、焼結品は、成型品が均一に収縮した形
にはならず、歪んだ形となる。これを是正するために、
任意の寸法に機械加工する際に、目標の形状に対して削
りシロを多めに取るように考慮する必要があったため、
原料歩留まりが低下すると共に、研磨量、研磨時間が増
大するという問題があった。
に成型品は昇温の途中であっても、成型品の収縮開始温
度を越えると収縮を開始し、焼結温度保持終了まで継続
する。このため成型品の温度分布が不均一であると昇温
中または焼結温度保持中に、成型品の収縮が早めに進行
する部分と進行しない部分ができ、成型品に歪みが生じ
る。この歪みを緩和しようとしてソリや、クラックが発
生し、その結果、焼結品は、成型品が均一に収縮した形
にはならず、歪んだ形となる。これを是正するために、
任意の寸法に機械加工する際に、目標の形状に対して削
りシロを多めに取るように考慮する必要があったため、
原料歩留まりが低下すると共に、研磨量、研磨時間が増
大するという問題があった。
【0006】従来、これらの問題を解決するために次の
ような方策が取られていた。ひとつは、焼結炉内で成型
品を垂直に設ける方策である。これにより発熱体と成型
品との距離が一定になるため、成型品は均一に加熱され
る。しかし、成型品が大型化する程、自重によりクラッ
クや歪みが生じてしまう。また他のひとつは、発熱体を
成型品より遠く離して取付け、発熱体から成型品の中央
部までの距離と、発熱体から成型品の周辺部までの距離
の差を相対的に小さくする方策である。しかし、これに
より焼結炉自体の寸法が大型となり、装置コストが高く
なる。またさらに雰囲気制御を行う場合、焼結炉全体を
適当な材料で覆う必要があるため炉が大きくなり、装置
コストも高くなると共に、電力消費量や雰囲気制御用の
ガス消費量も多くなるためランニングコストも高くな
る。
ような方策が取られていた。ひとつは、焼結炉内で成型
品を垂直に設ける方策である。これにより発熱体と成型
品との距離が一定になるため、成型品は均一に加熱され
る。しかし、成型品が大型化する程、自重によりクラッ
クや歪みが生じてしまう。また他のひとつは、発熱体を
成型品より遠く離して取付け、発熱体から成型品の中央
部までの距離と、発熱体から成型品の周辺部までの距離
の差を相対的に小さくする方策である。しかし、これに
より焼結炉自体の寸法が大型となり、装置コストが高く
なる。またさらに雰囲気制御を行う場合、焼結炉全体を
適当な材料で覆う必要があるため炉が大きくなり、装置
コストも高くなると共に、電力消費量や雰囲気制御用の
ガス消費量も多くなるためランニングコストも高くな
る。
【0007】このような状況にあって、水平に載置され
た成型品を均一に加熱することができ、かつ好ましくは
雰囲気制御可能な、低コストの焼結炉の出現が、スパッ
タリングターゲットの製造の上で強く求められている。
た成型品を均一に加熱することができ、かつ好ましくは
雰囲気制御可能な、低コストの焼結炉の出現が、スパッ
タリングターゲットの製造の上で強く求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成型品を焼
結した際、不均一な収縮により発生するソリ、クラッ
ク、内部歪みなどを低減することのできる、低コストの
スパッタリングターゲット用焼結炉、およびその焼結炉
を用いたスパッタリングターゲットの製造方法を提供す
ることを目的としている。
結した際、不均一な収縮により発生するソリ、クラッ
ク、内部歪みなどを低減することのできる、低コストの
スパッタリングターゲット用焼結炉、およびその焼結炉
を用いたスパッタリングターゲットの製造方法を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の事項を
その特徴としている。 (1) 成型品支持具5、アルミナ系セッター4、発熱
体7、発熱体支持台6、補助ヒーター8、およびこれら
を覆い囲む雰囲気保持用密閉容器2からなる焼結炉であ
って、炉底に載置された成型品支持具5の上に設置され
たアルミナ系セッター4はその上に成型品3を水平に維
持し、発熱体7は炉底に載置された発熱体支持台6上に
水平に設置され、4面の炉側壁には補助ヒーター8が設
けられ、さらに成型品支持具を含む炉底下部と、補助ヒ
ーターを含む炉上部とが断面A−A(図2、3)を境に
分割され、いずれか一方が垂直移動して分割可能である
ことを特徴とする、スパッタリングターゲット用焼結
炉。 (2) 成型品3を載置するためのアルミナ系セッター
4が、一枚板からなるAl2 O3 ・SiO2 セッター1
0と、この上に載置される分割型のAl2 O3セッター
9の2段階構造である前記(1)に記載のスパッタリン
グターゲット用焼結炉。 (3) 成型品が、ITOスパッタリングターゲットで
ある前記(1)に記載のスパッタリングターゲット用焼
結炉。
その特徴としている。 (1) 成型品支持具5、アルミナ系セッター4、発熱
体7、発熱体支持台6、補助ヒーター8、およびこれら
を覆い囲む雰囲気保持用密閉容器2からなる焼結炉であ
って、炉底に載置された成型品支持具5の上に設置され
たアルミナ系セッター4はその上に成型品3を水平に維
持し、発熱体7は炉底に載置された発熱体支持台6上に
水平に設置され、4面の炉側壁には補助ヒーター8が設
けられ、さらに成型品支持具を含む炉底下部と、補助ヒ
ーターを含む炉上部とが断面A−A(図2、3)を境に
分割され、いずれか一方が垂直移動して分割可能である
ことを特徴とする、スパッタリングターゲット用焼結
炉。 (2) 成型品3を載置するためのアルミナ系セッター
4が、一枚板からなるAl2 O3 ・SiO2 セッター1
0と、この上に載置される分割型のAl2 O3セッター
9の2段階構造である前記(1)に記載のスパッタリン
グターゲット用焼結炉。 (3) 成型品が、ITOスパッタリングターゲットで
ある前記(1)に記載のスパッタリングターゲット用焼
結炉。
【0010】(4) 成型品支持具、アルミナ系セッタ
ー、発熱体、発熱体支持台、補助ヒーター、およびこれ
らを覆い囲む雰囲気保持用密閉容器からなる焼結炉であ
って、成型品は成型品支持具の上に設置されたアルミナ
系セッター上に水平に載置され、発熱体は発熱体支持台
上に成型品に対して水平に設置され、4面の炉側壁には
補助ヒーターが設けられ、さらに成型品支持具を含む炉
底下部と、補助ヒーターを含む炉上部とが分割され、い
ずれか一方が垂直移動して分割可能である水平型焼結炉
を用いて成型品を焼結する方法であって、成型品を加熱
・昇温する速度を200℃/時間以上に設定することを
特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。 (5) 成型品が、ITOスパッタリングターゲットで
ある前記(4)に記載のスパッタリングターゲットの製
造方法。
ー、発熱体、発熱体支持台、補助ヒーター、およびこれ
らを覆い囲む雰囲気保持用密閉容器からなる焼結炉であ
って、成型品は成型品支持具の上に設置されたアルミナ
系セッター上に水平に載置され、発熱体は発熱体支持台
上に成型品に対して水平に設置され、4面の炉側壁には
補助ヒーターが設けられ、さらに成型品支持具を含む炉
底下部と、補助ヒーターを含む炉上部とが分割され、い
ずれか一方が垂直移動して分割可能である水平型焼結炉
を用いて成型品を焼結する方法であって、成型品を加熱
・昇温する速度を200℃/時間以上に設定することを
特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。 (5) 成型品が、ITOスパッタリングターゲットで
ある前記(4)に記載のスパッタリングターゲットの製
造方法。
【0011】本発明に係る発熱体を水平に設置したスパ
ッタリングターゲット用焼結炉(以下、「水平型焼結
炉」という)の構造を、図2に示す。またその発熱体の
配列を、図3に示す。
ッタリングターゲット用焼結炉(以下、「水平型焼結
炉」という)の構造を、図2に示す。またその発熱体の
配列を、図3に示す。
【0012】図2、図3に示すように、成型品3は、成
型品支持具5の上に設置されたアルミナ系セッター4上
に水平に載置され、また発熱体7は発熱体支持台6上
に、成型品3に対して水平に設置される。また4つの炉
側壁には熱量を補うための補助ヒーター8が増設され
る。そしてこの水平型焼結炉は成型品支持具を含む炉底
下部と、図2、3に示す断面A−Aを境として、補助ヒ
ーターを含む炉上部とが分割され、いずれか一方が垂直
移動して分割可能となっている。成型品および焼結品
は、この炉下部または上部を垂直移動することによって
装入と取り出しが行われる。
型品支持具5の上に設置されたアルミナ系セッター4上
に水平に載置され、また発熱体7は発熱体支持台6上
に、成型品3に対して水平に設置される。また4つの炉
側壁には熱量を補うための補助ヒーター8が増設され
る。そしてこの水平型焼結炉は成型品支持具を含む炉底
下部と、図2、3に示す断面A−Aを境として、補助ヒ
ーターを含む炉上部とが分割され、いずれか一方が垂直
移動して分割可能となっている。成型品および焼結品
は、この炉下部または上部を垂直移動することによって
装入と取り出しが行われる。
【0013】また図4に示すように、全体が成型品支持
具(耐熱レンガ11)で支持された、成型品3を載置す
るためのアルミナ系セッターを2段階構造としてもよ
い。すなわち、一枚板からなるAl2 O3 ・SiO2 セ
ッター10上に分割タイプのAl2 O3 セッター9を設
け、さらその上に成型品3を載置するものである。Al
2 O3 はITOと反応し難いため、成型品がITOの場
合に特に有利である。約1550℃を超える高温になる
とAl2 O3 もITOと反応し易くなるので、Al2 O
3 セッターの隙間を開けると接触面を極力減らすことが
できる。
具(耐熱レンガ11)で支持された、成型品3を載置す
るためのアルミナ系セッターを2段階構造としてもよ
い。すなわち、一枚板からなるAl2 O3 ・SiO2 セ
ッター10上に分割タイプのAl2 O3 セッター9を設
け、さらその上に成型品3を載置するものである。Al
2 O3 はITOと反応し難いため、成型品がITOの場
合に特に有利である。約1550℃を超える高温になる
とAl2 O3 もITOと反応し易くなるので、Al2 O
3 セッターの隙間を開けると接触面を極力減らすことが
できる。
【0014】本発明のスパッタリングターゲット用焼結
炉を用いると、成型品の寸法が大型化しても発熱体と成
型品との距離は一定であり、また200℃/時間以上の
急速昇温や1500℃以上の高温保持中などの発熱体か
ら放出される熱量が多くても発熱体と成型品との距離は
一定である。
炉を用いると、成型品の寸法が大型化しても発熱体と成
型品との距離は一定であり、また200℃/時間以上の
急速昇温や1500℃以上の高温保持中などの発熱体か
ら放出される熱量が多くても発熱体と成型品との距離は
一定である。
【0015】
【実施例】本発明を実施例および比較例により、さらに
説明する。実施例1、比較例1 市販のITO原料粉末に適当な成型助剤を添加した後、
プレス成型により300×300×8mmのITO成型
品を作製した。このITO成型品を、水平型焼結炉また
は垂直型焼結炉を用いて焼結した。水平型焼結炉は、雰
囲気焼結可能な炉外寸法1500×1500×1500
mm、炉内寸法800×800×250mmであり、発
熱体としてMoSi2 系のヒーターを用いた。垂直型焼
結炉は、雰囲気焼結可能な炉外寸法1500×1500
×1500mm、炉内寸法800×800×250mm
であり、発熱体としてMoSi2 系のヒーターを用い
た。
説明する。実施例1、比較例1 市販のITO原料粉末に適当な成型助剤を添加した後、
プレス成型により300×300×8mmのITO成型
品を作製した。このITO成型品を、水平型焼結炉また
は垂直型焼結炉を用いて焼結した。水平型焼結炉は、雰
囲気焼結可能な炉外寸法1500×1500×1500
mm、炉内寸法800×800×250mmであり、発
熱体としてMoSi2 系のヒーターを用いた。垂直型焼
結炉は、雰囲気焼結可能な炉外寸法1500×1500
×1500mm、炉内寸法800×800×250mm
であり、発熱体としてMoSi2 系のヒーターを用い
た。
【0016】焼結条件は、水平型焼結炉も垂直型焼結炉
も同じであり、ITO成型品を200℃/時間の昇温速
度で、1400、1500、1600および1650℃
の焼結温度で5時間保持した後、室温まで50℃/時間
で冷却した。得られた各焼結品のソリを3次元測定装置
(ザイアナ 16C 東京精密(株)製)を用いて測定
した。ソリの値としては、焼結品の同一面の一番高い位
置と一番低い位置との差の値を用いた。またクラックの
発生率も調べた。それらの結果を、表1に示す。
も同じであり、ITO成型品を200℃/時間の昇温速
度で、1400、1500、1600および1650℃
の焼結温度で5時間保持した後、室温まで50℃/時間
で冷却した。得られた各焼結品のソリを3次元測定装置
(ザイアナ 16C 東京精密(株)製)を用いて測定
した。ソリの値としては、焼結品の同一面の一番高い位
置と一番低い位置との差の値を用いた。またクラックの
発生率も調べた。それらの結果を、表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1の結果から分るように、どの焼結温度
においても、本発明に係る水平型焼結炉を用いたITO
焼結品のソリは、垂直型焼結炉を用いたもののソリに比
べ半分以下になっている。またクラックの発生率につい
ても水平型焼結炉を用いたITO成型品にはクラックが
見られない。
においても、本発明に係る水平型焼結炉を用いたITO
焼結品のソリは、垂直型焼結炉を用いたもののソリに比
べ半分以下になっている。またクラックの発生率につい
ても水平型焼結炉を用いたITO成型品にはクラックが
見られない。
【0019】実施例2、比較例2 市販のITO原料粉末に適当な成型助剤を添加した後、
プレス成型により100×100×8mm、300×3
00×8mm、600×600×8mmの3種のITO
成型品を作製した。これらのITO成型品を、実施例1
に用いたと同様の水平型焼結炉または垂直型焼結炉を用
いて、200℃/時間の昇温速度で、1500℃の焼結
温度で5時間保持した後、室温まで50℃/時間で冷却
した。得られた各焼結品のソリの程度とクラックの発生
率を測定した。その測定結果を、表2に示す。
プレス成型により100×100×8mm、300×3
00×8mm、600×600×8mmの3種のITO
成型品を作製した。これらのITO成型品を、実施例1
に用いたと同様の水平型焼結炉または垂直型焼結炉を用
いて、200℃/時間の昇温速度で、1500℃の焼結
温度で5時間保持した後、室温まで50℃/時間で冷却
した。得られた各焼結品のソリの程度とクラックの発生
率を測定した。その測定結果を、表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2の結果から分るように、100×10
0mmのサイズでは水平型焼結炉を用いたITO焼結品
のソリは垂直型焼結炉を用いたそれと比べて差はみられ
ないが、300×300mm、600×600mmとサ
イズが大きくなるにつれて垂直型焼結炉を用いたITO
焼結品のソリは大きくなり、またクラックの発生率も高
くなる。一方、水平型焼結炉を用いたITO焼結品のソ
リは、焼結体のサイズが大きくなっても小さく、またク
ラックも発生しない。
0mmのサイズでは水平型焼結炉を用いたITO焼結品
のソリは垂直型焼結炉を用いたそれと比べて差はみられ
ないが、300×300mm、600×600mmとサ
イズが大きくなるにつれて垂直型焼結炉を用いたITO
焼結品のソリは大きくなり、またクラックの発生率も高
くなる。一方、水平型焼結炉を用いたITO焼結品のソ
リは、焼結体のサイズが大きくなっても小さく、またク
ラックも発生しない。
【0022】これらのデータから、焼結品のサイズが大
型化する程発熱体を水平に設置した本発明に係る水平型
焼結炉が有利であることが分る。
型化する程発熱体を水平に設置した本発明に係る水平型
焼結炉が有利であることが分る。
【0023】実施例3、比較例3 市販のITO原料粉末に適当な成型助剤を添加した後、
プレス成型により、300×300×8mmのITO成
型品を作製した。このITO成型品を、実施例1に用い
たと同様の水平型焼結炉または垂直型焼結炉を用いて、
100、200、300、400℃/時間の各昇温速度
で、1500℃の焼結温度で5時間保持した後、室温ま
で50℃/時間で冷却した。得られた各焼結品のソリの
程度およびクラックの発生率を測定した。その測定結果
を、表3に示す。
プレス成型により、300×300×8mmのITO成
型品を作製した。このITO成型品を、実施例1に用い
たと同様の水平型焼結炉または垂直型焼結炉を用いて、
100、200、300、400℃/時間の各昇温速度
で、1500℃の焼結温度で5時間保持した後、室温ま
で50℃/時間で冷却した。得られた各焼結品のソリの
程度およびクラックの発生率を測定した。その測定結果
を、表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】表3の結果から分るように、200℃/時
間以上の昇温速度で発熱体を水平に設置すると、ソリを
少なく、クラックの発生もない。
間以上の昇温速度で発熱体を水平に設置すると、ソリを
少なく、クラックの発生もない。
【0026】
【発明の効果】本発明の水平型焼結炉は、均熱部分を増
やすために炉内を大きくする必要がなく、また炉の構造
上成型品のサイズが大型化しても発熱体を継ぎ足す、あ
るいは新たに発熱体を増設することによりどのようなサ
イズの成型品にも対応できる。
やすために炉内を大きくする必要がなく、また炉の構造
上成型品のサイズが大型化しても発熱体を継ぎ足す、あ
るいは新たに発熱体を増設することによりどのようなサ
イズの成型品にも対応できる。
【0027】また本発明の水平型焼結炉を使用してスパ
ッタリングターゲットを製造したとき、成型品が均一に
加熱されるため成型品が均一に収縮し、焼結品にソリが
少なくクラック発生がない。このためスパッタリングタ
ーゲットの製造設計時にソリなどの歪み分を考慮する必
要がなくなり、焼結品の削り代を少なくすることがで
き、原料歩留まりの向上、加工費、加工時間の短縮が図
られる。そしてこれらの効果は、スパッタリングターゲ
ットが大型化する程大きくなる。
ッタリングターゲットを製造したとき、成型品が均一に
加熱されるため成型品が均一に収縮し、焼結品にソリが
少なくクラック発生がない。このためスパッタリングタ
ーゲットの製造設計時にソリなどの歪み分を考慮する必
要がなくなり、焼結品の削り代を少なくすることがで
き、原料歩留まりの向上、加工費、加工時間の短縮が図
られる。そしてこれらの効果は、スパッタリングターゲ
ットが大型化する程大きくなる。
【図1】従来の発熱体を垂直に設置した垂直型焼結炉を
示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は側面断面
図、(c)は平面断面図である。
示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は側面断面
図、(c)は平面断面図である。
【図2】本発明に係る発熱体を水平に設置した水平型焼
結炉を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は側
面断面図、(c)は平面断面図である。
結炉を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は側
面断面図、(c)は平面断面図である。
【図3】本発明に係る水平型焼結炉の発熱体の配列を示
す図であり、(a)は正面断面図、(b)は側面断面
図、(c)は平面断面図である。
す図であり、(a)は正面断面図、(b)は側面断面
図、(c)は平面断面図である。
【図4】2段階構造を有するアルミナ系セッターの実施
例を示す図である。
例を示す図である。
1 耐火・断熱材 2 雰囲気保持用密閉容器 3 成型品 4 アルミナ系セッター 5 成型品支持具 6 発熱体支持台 7 発熱体 8 補助ヒーター 9 Al2 O3 セッター 10 Al2 O3 ・SiO2 セッター 11 耐熱レンガ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 博 光 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井金属鉱業株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA34 AA39 BA02 BA15 GA28 GA31 4K055 AA08 HA02 HA15 HA18 HA21 HA23 HA27
Claims (5)
- 【請求項1】成型品支持具、アルミナ系セッター、発熱
体、発熱体支持台、補助ヒーター、およびこれらを覆い
囲む雰囲気保持用密閉容器からなる焼結炉であって、炉
底に載置された成型品支持具の上に設置されたアルミナ
系セッターはその上に成型品を水平に維持し、発熱体は
炉底に載置された発熱体支持台上に水平に設置され、4
面の炉側壁には補助ヒーターが設けられ、さらに成型品
支持具を含む炉底下部と、補助ヒーターを含む炉上部と
が分割され、いずれか一方が垂直移動して分割可能であ
ることを特徴とする、スパッタリングターゲット用焼結
炉。 - 【請求項2】成型品を載置するためのアルミナ系セッタ
ーが、一枚板からなるAl2 O3 ・SiO2 セッター
と、この上に載置される分割型のAl2 O3 セッターの
2段階構造である請求項1に記載のスパッタリングター
ゲット用焼結炉。 - 【請求項3】成型品が、ITOスパッタリングターゲッ
トである請求項1に記載のスパッタリングターゲット用
焼結炉。 - 【請求項4】成型品支持具、アルミナ系セッター、発熱
体、発熱体支持台、補助ヒーター、およびこれらを覆い
囲む雰囲気保持用密閉容器からなる焼結炉であって、成
型品は成型品支持具の上に設置されたアルミナ系セッタ
ー上に水平に載置され、発熱体は発熱体支持台上に成型
品に対して水平に設置され、4面の炉側壁には補助ヒー
ターが設けられ、さらに成型品支持具を含む炉底下部
と、補助ヒーターを含む炉上部とが分割され、いずれか
一方が垂直移動して分割可能である水平型焼結炉を用い
て成型品を焼結する方法であって、 成型品を加熱・昇温する速度を200℃/時間以上に設
定することを特徴とするスパッタリングターゲットの製
造方法。 - 【請求項5】成型品が、ITOスパッタリングターゲッ
トである請求項4に記載のスパッタリングターゲットの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10374857A JP2000203945A (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | スパッタリングタ―ゲット用焼結炉およびそれを用いたitoスパッタリングタ―ゲットの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10374857A JP2000203945A (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | スパッタリングタ―ゲット用焼結炉およびそれを用いたitoスパッタリングタ―ゲットの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000203945A true JP2000203945A (ja) | 2000-07-25 |
Family
ID=18504552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10374857A Pending JP2000203945A (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | スパッタリングタ―ゲット用焼結炉およびそれを用いたitoスパッタリングタ―ゲットの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000203945A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002226278A (ja) * | 2001-01-26 | 2002-08-14 | Tosoh Corp | セラミックス焼結体の製造法 |
KR100946312B1 (ko) | 2007-11-05 | 2010-03-08 | 충남대학교산학협력단 | 진공증착 장비용 세라믹 및 금속 타겟의 제조 방법 |
CN104296529A (zh) * | 2014-06-27 | 2015-01-21 | 长沙矿冶研究院有限责任公司 | 可用于ito靶材烧结的气氛钟罩炉 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58163553U (ja) * | 1982-04-27 | 1983-10-31 | 石川島播磨重工業株式会社 | 横型真空熱処理炉 |
JPH05144557A (ja) * | 1991-11-19 | 1993-06-11 | Toshiba Corp | 加熱ヒータ |
JPH05271751A (ja) * | 1992-03-26 | 1993-10-19 | Daido Steel Co Ltd | 真空炉の温度制御方法 |
JPH0735481A (ja) * | 1993-07-19 | 1995-02-07 | Murata Mfg Co Ltd | 焼成炉 |
-
1998
- 1998-12-28 JP JP10374857A patent/JP2000203945A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58163553U (ja) * | 1982-04-27 | 1983-10-31 | 石川島播磨重工業株式会社 | 横型真空熱処理炉 |
JPH05144557A (ja) * | 1991-11-19 | 1993-06-11 | Toshiba Corp | 加熱ヒータ |
JPH05271751A (ja) * | 1992-03-26 | 1993-10-19 | Daido Steel Co Ltd | 真空炉の温度制御方法 |
JPH0735481A (ja) * | 1993-07-19 | 1995-02-07 | Murata Mfg Co Ltd | 焼成炉 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002226278A (ja) * | 2001-01-26 | 2002-08-14 | Tosoh Corp | セラミックス焼結体の製造法 |
KR100946312B1 (ko) | 2007-11-05 | 2010-03-08 | 충남대학교산학협력단 | 진공증착 장비용 세라믹 및 금속 타겟의 제조 방법 |
CN104296529A (zh) * | 2014-06-27 | 2015-01-21 | 长沙矿冶研究院有限责任公司 | 可用于ito靶材烧结的气氛钟罩炉 |
CN104296529B (zh) * | 2014-06-27 | 2016-06-15 | 长沙矿冶研究院有限责任公司 | 可用于ito靶材烧结的气氛钟罩炉 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2011235098A (ja) | 歯科用窯 | |
JPWO2006038538A1 (ja) | スパッタリングターゲット用ターゲット材の製造方法 | |
JP6198363B1 (ja) | 円筒形スパッタリングターゲット材の焼成装置及び焼成方法 | |
JP7405121B2 (ja) | 組立体 | |
JP2000203945A (ja) | スパッタリングタ―ゲット用焼結炉およびそれを用いたitoスパッタリングタ―ゲットの製造方法 | |
NO784236L (no) | Anordning for bruk ved oppvarming av keramiske former | |
CN108621432A (zh) | 一种用于激光3d增材制造的加热装置 | |
JPH04292782A (ja) | 焼成炉 | |
CN212924790U (zh) | 一种大尺寸光学玻璃元件表面平整度热处理的校正装置 | |
JPS632421Y2 (ja) | ||
KR101622850B1 (ko) | 플레이트의 서냉 방법 | |
JPH0440157Y2 (ja) | ||
CN217785845U (zh) | 烧成夹具 | |
CN112050622B (zh) | 拼接成型的大尺寸石墨舟皿及其拼接组装方法 | |
JP2707351B2 (ja) | シリコン単結晶製造用カーボンルツボ | |
JPH04302991A (ja) | セラミック焼成用容器 | |
JP2007113051A (ja) | スパッタリングターゲット用ターゲット材の製造方法およびこれに用いる箱体 | |
JPH0388776A (ja) | セラミックス基板の製造方法 | |
JPH0340968A (ja) | セラミック基板の製造方法 | |
JP3651547B2 (ja) | 半導体製造用セラミックチューブ | |
JP2002226278A (ja) | セラミックス焼結体の製造法 | |
JP3016424U (ja) | 焼成用匣鉢 | |
JP2004251484A (ja) | ローラーハース炉、その搬送用ローラー、及び搬送用ローラーの製造方法 | |
KR100946312B1 (ko) | 진공증착 장비용 세라믹 및 금속 타겟의 제조 방법 | |
CN114729442A (zh) | 圆筒形溅射靶的制造方法以及该制造方法中使用的烧成夹具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040824 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070202 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070323 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071109 |