JP2000203170A - 熱転写記録媒体 - Google Patents
熱転写記録媒体Info
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- JP2000203170A JP2000203170A JP11007360A JP736099A JP2000203170A JP 2000203170 A JP2000203170 A JP 2000203170A JP 11007360 A JP11007360 A JP 11007360A JP 736099 A JP736099 A JP 736099A JP 2000203170 A JP2000203170 A JP 2000203170A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 特に熱感度および耐摩擦性にすぐれた熱転写
記録媒体を提供する。 【解決手段】 支持体上に熱溶融性物質及び着色剤を主
成分とする熱溶融性インク層を設けた熱転写記録媒体に
おいて、該熱溶融性インク層の上に、熱拡散率が0.0
3cm2/sec以下の低熱拡散層を設けたことを特徴
とする。
記録媒体を提供する。 【解決手段】 支持体上に熱溶融性物質及び着色剤を主
成分とする熱溶融性インク層を設けた熱転写記録媒体に
おいて、該熱溶融性インク層の上に、熱拡散率が0.0
3cm2/sec以下の低熱拡散層を設けたことを特徴
とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写記録媒体に関
し、詳しくは、熱感度、耐摩擦性が良好であり、しかも
得られた転写画像は解像性にすぐれたものとなる熱転写
記録媒体に関する。
し、詳しくは、熱感度、耐摩擦性が良好であり、しかも
得られた転写画像は解像性にすぐれたものとなる熱転写
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱転写記録媒体は、一般に、染料、顔料
のような着色剤とパラフィンのような熱可融性物質とか
らなる転写層(熱溶融性インク層)を支持体上に設けた
ものである。しかし、この熱転写記録媒体は、パラフィ
ンワックス類の機械的強度が弱いため、転写画像の耐摩
擦性に劣るという欠点がある。もっとも、転写層に熱可
塑性樹脂を添加して耐摩擦性を改善することができる
が、接着力が強くなって転写しにくくなったり、熱感度
が悪くなったりしてしまう。
のような着色剤とパラフィンのような熱可融性物質とか
らなる転写層(熱溶融性インク層)を支持体上に設けた
ものである。しかし、この熱転写記録媒体は、パラフィ
ンワックス類の機械的強度が弱いため、転写画像の耐摩
擦性に劣るという欠点がある。もっとも、転写層に熱可
塑性樹脂を添加して耐摩擦性を改善することができる
が、接着力が強くなって転写しにくくなったり、熱感度
が悪くなったりしてしまう。
【0003】こうした欠点を解消するものとして、
(1)熱溶融性インク層を着色剤、融点又は軟化点が6
0〜140℃の樹脂粒子、融点又は軟化点が70〜13
0℃のワックス及び水溶性樹脂を主成分として構成する
熱転写記録媒体(特開昭63−45091号公報)、
(2)熱溶融性インク層を樹脂およびワックスからなる
固溶体粒子と着色剤とバインダーとを主成分として構成
する熱転写記録媒体(特開昭63−84980号公
報)、(3)支持体上に、スチレン系樹脂粒子及びワッ
クスを主成分とする第1層、着色剤、粘着性付与樹脂粒
子及びワックスを主成分とする第2層を順に設けた熱転
写記録媒体(特開昭63−84981号公報)などが提
案されている。
(1)熱溶融性インク層を着色剤、融点又は軟化点が6
0〜140℃の樹脂粒子、融点又は軟化点が70〜13
0℃のワックス及び水溶性樹脂を主成分として構成する
熱転写記録媒体(特開昭63−45091号公報)、
(2)熱溶融性インク層を樹脂およびワックスからなる
固溶体粒子と着色剤とバインダーとを主成分として構成
する熱転写記録媒体(特開昭63−84980号公
報)、(3)支持体上に、スチレン系樹脂粒子及びワッ
クスを主成分とする第1層、着色剤、粘着性付与樹脂粒
子及びワックスを主成分とする第2層を順に設けた熱転
写記録媒体(特開昭63−84981号公報)などが提
案されている。
【0004】これらの熱転写記録媒体は、各素材を粒状
化することにより、印字部と非印字部との境界を明確に
でき、熱転写記録時に転写層が切れ易く、解像性が向上
するとしている。
化することにより、印字部と非印字部との境界を明確に
でき、熱転写記録時に転写層が切れ易く、解像性が向上
するとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの熱
転写記録媒体は転写層の接着が必ずしも十分とはいえ
ず、地汚れが発生しがちであり、また、熱感度、耐摩擦
性のいずれかの点で本発明者が満足する程度のものには
なっていない。従って、本発明の目的は、上記問題を解
決し、特に高熱感度と耐摩擦性を両立させた熱転写記録
媒体を提供することである。
転写記録媒体は転写層の接着が必ずしも十分とはいえ
ず、地汚れが発生しがちであり、また、熱感度、耐摩擦
性のいずれかの点で本発明者が満足する程度のものには
なっていない。従って、本発明の目的は、上記問題を解
決し、特に高熱感度と耐摩擦性を両立させた熱転写記録
媒体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、先に高熱感
度、耐摩擦性を両立させるために、熱溶融性インク層の
熱拡散率を0.019cm2/sec以下とした(熱溶
融性インク層を低熱拡散性にした)熱転写記録媒体を提
案した(特開平5−155138号公報)。だが、その
後の検討で、この熱溶融性インク層のみで十分な低熱拡
散性をもたせようとすると、熱溶融性インク層は比較的
厚味が厚いため、層方向(厚味方向)の熱伝導も抑えて
しまい、熱転写性に部分ムラが生じ印字品質を損ない、
また熱感度低下にもなる。
度、耐摩擦性を両立させるために、熱溶融性インク層の
熱拡散率を0.019cm2/sec以下とした(熱溶
融性インク層を低熱拡散性にした)熱転写記録媒体を提
案した(特開平5−155138号公報)。だが、その
後の検討で、この熱溶融性インク層のみで十分な低熱拡
散性をもたせようとすると、熱溶融性インク層は比較的
厚味が厚いため、層方向(厚味方向)の熱伝導も抑えて
しまい、熱転写性に部分ムラが生じ印字品質を損ない、
また熱感度低下にもなる。
【0007】そこで本発明者は熱溶融性インク層での熱
伝導性を損なわず、かつ熱吸収の主体である熱転写記録
媒体への熱伝導をより確実にするために、より低熱拡散
率の材料から成る層を最上層に設けた方が、悪影響なく
より確実に熱伝導を抑えられることを見出した。ただ
し、この時熱溶融性インク層の熱拡散性はいくらでも良
い訳ではない。熱拡散率が大きいと、加熱時熱溶融性イ
ンク層の被加熱部分が拡がり本来加熱されてはならない
領域まで加熱されることになり、もって印字品質上は解
像度の低下となって表われるため、熱拡散率はある程度
以上低くなければならない。本発明はこうした知見に基
づいてなされたものである。
伝導性を損なわず、かつ熱吸収の主体である熱転写記録
媒体への熱伝導をより確実にするために、より低熱拡散
率の材料から成る層を最上層に設けた方が、悪影響なく
より確実に熱伝導を抑えられることを見出した。ただ
し、この時熱溶融性インク層の熱拡散性はいくらでも良
い訳ではない。熱拡散率が大きいと、加熱時熱溶融性イ
ンク層の被加熱部分が拡がり本来加熱されてはならない
領域まで加熱されることになり、もって印字品質上は解
像度の低下となって表われるため、熱拡散率はある程度
以上低くなければならない。本発明はこうした知見に基
づいてなされたものである。
【0008】本発明によれば、第一に、支持体上に熱溶
融性物質及び着色剤を主成分とする熱溶融性インク層を
設けた熱転写記録媒体において、該熱溶融性インク層の
上に、熱拡散率が0.03cm2/sec以下の低熱拡
散層を設けたことを特徴とする熱転写記録媒体が提供さ
れる。
融性物質及び着色剤を主成分とする熱溶融性インク層を
設けた熱転写記録媒体において、該熱溶融性インク層の
上に、熱拡散率が0.03cm2/sec以下の低熱拡
散層を設けたことを特徴とする熱転写記録媒体が提供さ
れる。
【0009】第二に、低熱拡散層が熱溶融性物質、熱軟
化性物質および無機フィラーから選ばれる少なくとも1
種を主成分とし、かつ、そのうちの少なくとも1種の物
質は平均粒径0.3〜1.0μmの微粒子からなること
を特徴とする上記第一の熱転写記録媒体が提供される。
化性物質および無機フィラーから選ばれる少なくとも1
種を主成分とし、かつ、そのうちの少なくとも1種の物
質は平均粒径0.3〜1.0μmの微粒子からなること
を特徴とする上記第一の熱転写記録媒体が提供される。
【0010】第三に、熱溶融性物質、熱軟化性物質また
は無機フィラーが炭酸カルシウム、ポリスチレン、ポリ
エチレン、塩化銀、ゴムエラストマーのいずれかである
ことを特徴とする上記第二の熱転写記録媒体が提供され
る。
は無機フィラーが炭酸カルシウム、ポリスチレン、ポリ
エチレン、塩化銀、ゴムエラストマーのいずれかである
ことを特徴とする上記第二の熱転写記録媒体が提供され
る。
【0011】第四に、低熱拡散層が水分を含んだ吸湿剤
及び/又はゲル化剤を有することを特徴とする上記第一
〜三のいずれかに記載の熱転写記録媒体が提供される。
及び/又はゲル化剤を有することを特徴とする上記第一
〜三のいずれかに記載の熱転写記録媒体が提供される。
【0012】第五に、熱溶融性インク層の熱拡散率が
0.08cm2/sec以下、好ましくは0.03〜
0.08cm2/secであることを特徴とする上記第
一〜四のいずれかに記載の熱転写記録媒体が提供され
る。
0.08cm2/sec以下、好ましくは0.03〜
0.08cm2/secであることを特徴とする上記第
一〜四のいずれかに記載の熱転写記録媒体が提供され
る。
【0013】第六に、支持体と熱溶融性インク層との間
に中間層、低熱拡散層上にオーバー層、及び/又は支持
体の裏面に保護層を設けたことを特徴とする上記第一〜
五のいずれかに記載の熱転写記録媒体が提供される。
に中間層、低熱拡散層上にオーバー層、及び/又は支持
体の裏面に保護層を設けたことを特徴とする上記第一〜
五のいずれかに記載の熱転写記録媒体が提供される。
【0014】第七に、低熱拡散層がオーバー層を兼ねる
ことを特徴とする上記第六の熱転写記録媒体が提供され
る。
ことを特徴とする上記第六の熱転写記録媒体が提供され
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明をさらに詳細に説明す
る。本発明の熱転写記録媒体は熱溶融性インク層上に熱
拡散率が0.03cm2/sec以下の低熱拡散層を設
けることを特徴とする。熱拡散率は真空理工社製PIT
−R1で容易に測定できる。この低熱拡散層を設けたこ
とにより、サーマルヘッドから加えられた熱が被転写紙
へ逃げ難くなると共に、着色剤を含んだ熱溶融性インク
層の溶融に有効に消費されるようになる。このため、少
ない印字エネルギーでの印字が可能となり、熱感度が向
上する。熱感度が向上することは、従来使用していた適
正エネルギー条件(20mJ/mm2)より低いエネル
ギー、例えば12mJ/mm2で従来の熱転写記録媒体
を印字記録した場合には虫くいや転写不良が発生し、画
像の解像度が不十分となっていたが、本発明の熱転写記
録媒体では12mJ/mm2のエネルギーでも良好な画
像となることになる。これによって感度向上が実施する
ことで確認できる。
る。本発明の熱転写記録媒体は熱溶融性インク層上に熱
拡散率が0.03cm2/sec以下の低熱拡散層を設
けることを特徴とする。熱拡散率は真空理工社製PIT
−R1で容易に測定できる。この低熱拡散層を設けたこ
とにより、サーマルヘッドから加えられた熱が被転写紙
へ逃げ難くなると共に、着色剤を含んだ熱溶融性インク
層の溶融に有効に消費されるようになる。このため、少
ない印字エネルギーでの印字が可能となり、熱感度が向
上する。熱感度が向上することは、従来使用していた適
正エネルギー条件(20mJ/mm2)より低いエネル
ギー、例えば12mJ/mm2で従来の熱転写記録媒体
を印字記録した場合には虫くいや転写不良が発生し、画
像の解像度が不十分となっていたが、本発明の熱転写記
録媒体では12mJ/mm2のエネルギーでも良好な画
像となることになる。これによって感度向上が実施する
ことで確認できる。
【0016】低熱拡散層を得るには、低熱拡散物質を含
有させて形成するのが有利である。低熱拡散物質は水の
他、熱溶融性物質、熱軟化性物質又は無機フィラーの使
用が望ましい。これらの具体例としては、炭酸カルシウ
ム、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、塩
化銀、ゴムエラストマーなどがあり、ここで、ゴムエラ
ストマーとしては、例えば、ブタジエンゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ニトリル−ブタジエ
ンゴム、スチレン−イソプレンゴム、イソプレンゴム、
アクリルゴム、エピクロルピドリンゴム、ブチルゴム、
エチレン−プロピレンゴムなどの合成ゴムや天然ゴムな
どがあげられる。なお、水は熱拡散率が4.88×10
-4cm2/secと低く、低熱拡散物質として有効であ
る。この水の含有量は室温において層中に5〜50重量
%の範囲が好ましい。
有させて形成するのが有利である。低熱拡散物質は水の
他、熱溶融性物質、熱軟化性物質又は無機フィラーの使
用が望ましい。これらの具体例としては、炭酸カルシウ
ム、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、塩
化銀、ゴムエラストマーなどがあり、ここで、ゴムエラ
ストマーとしては、例えば、ブタジエンゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ニトリル−ブタジエ
ンゴム、スチレン−イソプレンゴム、イソプレンゴム、
アクリルゴム、エピクロルピドリンゴム、ブチルゴム、
エチレン−プロピレンゴムなどの合成ゴムや天然ゴムな
どがあげられる。なお、水は熱拡散率が4.88×10
-4cm2/secと低く、低熱拡散物質として有効であ
る。この水の含有量は室温において層中に5〜50重量
%の範囲が好ましい。
【0017】また、低熱拡散層はその層内に空気を含有
した構成にしてもよい。これは中空粒子の利用や粒状物
質を点在させることにより、被転写紙と熱溶融性インク
層との間にエア層を設けることができる。このエア層を
設ける場合は、0.01μm程度の薄層でも充分に効果
が発揮できる。
した構成にしてもよい。これは中空粒子の利用や粒状物
質を点在させることにより、被転写紙と熱溶融性インク
層との間にエア層を設けることができる。このエア層を
設ける場合は、0.01μm程度の薄層でも充分に効果
が発揮できる。
【0018】上記の低熱拡散物質は単独で用いられて
も、2種以上が併用されてもよい。低熱拡散層はこれら
低熱拡散物質のうちの1種が用いられる場合には、その
用いられる低熱拡散物質は平均粒径0.3〜1.0μm
の微粒子からなり、また、これら低熱拡散物質のうちの
2種以上が用いられる場合には、少なくともその1種は
平均粒径0.3〜1.0μmの微粒子からなるのが望ま
しい。
も、2種以上が併用されてもよい。低熱拡散層はこれら
低熱拡散物質のうちの1種が用いられる場合には、その
用いられる低熱拡散物質は平均粒径0.3〜1.0μm
の微粒子からなり、また、これら低熱拡散物質のうちの
2種以上が用いられる場合には、少なくともその1種は
平均粒径0.3〜1.0μmの微粒子からなるのが望ま
しい。
【0019】このように低熱拡散層は好ましくは(1)
微粒子状の低熱拡散物質を含有しているか、あるいは
(2)微粒子状の低熱拡散物質によって構成される。
(1)の低熱拡散物質を含有する低熱拡散層を形成する
には、例えば、上記の微粒子状低熱拡散物質を結着樹脂
溶液に分散し、これを熱溶融性インク層上又は中間層上
に塗布し乾燥すればよい。ここでの結着樹脂には熱溶融
性インク層で用いられる結着樹脂がそのまま用いられ
る。(2)は微粒子状の低熱拡散物質で低熱拡散層を形
成するには、低熱拡散物質の水分散体あるいは微粒子状
の低熱拡散物質の水分散体を熱溶融性インク層上又は中
間層上に塗布し乾燥すればよい。
微粒子状の低熱拡散物質を含有しているか、あるいは
(2)微粒子状の低熱拡散物質によって構成される。
(1)の低熱拡散物質を含有する低熱拡散層を形成する
には、例えば、上記の微粒子状低熱拡散物質を結着樹脂
溶液に分散し、これを熱溶融性インク層上又は中間層上
に塗布し乾燥すればよい。ここでの結着樹脂には熱溶融
性インク層で用いられる結着樹脂がそのまま用いられ
る。(2)は微粒子状の低熱拡散物質で低熱拡散層を形
成するには、低熱拡散物質の水分散体あるいは微粒子状
の低熱拡散物質の水分散体を熱溶融性インク層上又は中
間層上に塗布し乾燥すればよい。
【0020】低熱拡散物質の平均粒径は直接求めるか、
低熱拡散層の断面より観察される粒形態を透過型電子顕
微鏡(TEM)によって測定する。このTEM観察での
粒径と低熱拡散層を形成する塗液の粒径は大体一致す
る。従って、塗液状態での粒径によって適宜設定するこ
とが可能である。塗液での粒径は、レーザー拡散方式に
よる堀場製作所社製LA−700等によって容易に測定
できる。
低熱拡散層の断面より観察される粒形態を透過型電子顕
微鏡(TEM)によって測定する。このTEM観察での
粒径と低熱拡散層を形成する塗液の粒径は大体一致す
る。従って、塗液状態での粒径によって適宜設定するこ
とが可能である。塗液での粒径は、レーザー拡散方式に
よる堀場製作所社製LA−700等によって容易に測定
できる。
【0021】低熱拡散層には吸湿剤及び/又はゲル化剤
が含まれているのが好ましい。これらの大きさは粒径
0.3〜1.0μmであり、低熱拡散層に占めるこれら
吸湿剤及び/又はゲル化剤の割合は10〜90重量%が
適当である。これら吸湿剤及び/又はゲル化剤が添加さ
れたことにより、低熱拡散物質である水を含有させるこ
とができ、これにより低熱拡散付与という効果がもたら
される。吸湿剤、ゲル化剤には公知のものが使用でき、
この吸湿剤、ゲル化剤には適量の水分が含まれているの
が好ましい。この適量の水分を含有した吸湿剤、ゲル化
剤が用いられることによって記録媒体は、サーマルヘッ
ドから加えられた熱が被転写紙へ逃げ難くなるととも
に、着色剤を含んだ熱溶融性インク層の溶融に有効に消
費されるという効果がもたらされる。
が含まれているのが好ましい。これらの大きさは粒径
0.3〜1.0μmであり、低熱拡散層に占めるこれら
吸湿剤及び/又はゲル化剤の割合は10〜90重量%が
適当である。これら吸湿剤及び/又はゲル化剤が添加さ
れたことにより、低熱拡散物質である水を含有させるこ
とができ、これにより低熱拡散付与という効果がもたら
される。吸湿剤、ゲル化剤には公知のものが使用でき、
この吸湿剤、ゲル化剤には適量の水分が含まれているの
が好ましい。この適量の水分を含有した吸湿剤、ゲル化
剤が用いられることによって記録媒体は、サーマルヘッ
ドから加えられた熱が被転写紙へ逃げ難くなるととも
に、着色剤を含んだ熱溶融性インク層の溶融に有効に消
費されるという効果がもたらされる。
【0022】低熱拡散層の厚みは、0.05〜1.50
μmが好ましい。1.50μmを超えると画像の解像度
が低下し、0.05μmより薄いと効果が出ない。
μmが好ましい。1.50μmを超えると画像の解像度
が低下し、0.05μmより薄いと効果が出ない。
【0023】低熱拡散層の熱拡散率は0.03cm2/
sec以下が好ましいが、より好ましくは0.001〜
0.020cm2/secである。
sec以下が好ましいが、より好ましくは0.001〜
0.020cm2/secである。
【0024】本発明の熱転写記録媒体は、支持体の裏面
(支持体のサーマルヘッドに接する側の面)に耐熱性及
び/又は滑性の保護層が設けられてもよい。この保護層
は必要により設けられるものであるが、これを設けるこ
とによって支持体の耐熱性及び/又は滑性を向上させる
ことができる他、従来用いることのできなかった支持体
材料を用いることができるようになる。保護層の厚さは
0.01〜1.00μmくらいが適当である。保護層の
材料としては、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、シリ
コーン変成樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ニトロセルロ
ースなどをあげることができる。
(支持体のサーマルヘッドに接する側の面)に耐熱性及
び/又は滑性の保護層が設けられてもよい。この保護層
は必要により設けられるものであるが、これを設けるこ
とによって支持体の耐熱性及び/又は滑性を向上させる
ことができる他、従来用いることのできなかった支持体
材料を用いることができるようになる。保護層の厚さは
0.01〜1.00μmくらいが適当である。保護層の
材料としては、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、シリ
コーン変成樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ニトロセルロ
ースなどをあげることができる。
【0025】また、本発明の熱転写記録媒体は、必要に
応じて、アンダー層、中間層、オーバー層などが設けら
れる。アンダー層は中間層と支持体の接着性を向上させ
るものである。中間層は剥離層といってもよく、従っ
て、この層は加熱時熱溶融性インク層が支持体から剥離
するのを促進し、非加熱時には熱溶融性インク層の支持
体への接着性を高めるのに効果的である。また、オーバ
ー層は被転写体への接着性向上及び/又は地汚れ防止の
ために有利である。
応じて、アンダー層、中間層、オーバー層などが設けら
れる。アンダー層は中間層と支持体の接着性を向上させ
るものである。中間層は剥離層といってもよく、従っ
て、この層は加熱時熱溶融性インク層が支持体から剥離
するのを促進し、非加熱時には熱溶融性インク層の支持
体への接着性を高めるのに効果的である。また、オーバ
ー層は被転写体への接着性向上及び/又は地汚れ防止の
ために有利である。
【0026】支持体としては、例えば、ポリエステル、
ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ナイロ
ン、ポリイミド等の比較的耐熱性の良いプラスチックの
フィルムの他、グラシン紙、コンデンサー紙、金属箔等
があり、その厚さは約2〜15μm、好ましくは3〜1
0μm程度である。
ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ナイロ
ン、ポリイミド等の比較的耐熱性の良いプラスチックの
フィルムの他、グラシン紙、コンデンサー紙、金属箔等
があり、その厚さは約2〜15μm、好ましくは3〜1
0μm程度である。
【0027】熱溶融性インク層は着色剤、結着剤及びワ
ックスを主成分として形成される。また、熱溶融性イン
ク層はこれら成分にさらにゴムエラストマーを加えて形
成される。このインク層の厚さは0.5〜4μm好まし
くは1〜3である。更にこの層の主成分となる着色剤と
結着樹脂との重量割合は5:95〜20:80くらいが
適当である。このインク層は熱溶融性層であり、更に具
体的には着色剤、ワックス、ゴムエラストマーを或いは
これらに更に結着樹脂を加え主成分とする。
ックスを主成分として形成される。また、熱溶融性イン
ク層はこれら成分にさらにゴムエラストマーを加えて形
成される。このインク層の厚さは0.5〜4μm好まし
くは1〜3である。更にこの層の主成分となる着色剤と
結着樹脂との重量割合は5:95〜20:80くらいが
適当である。このインク層は熱溶融性層であり、更に具
体的には着色剤、ワックス、ゴムエラストマーを或いは
これらに更に結着樹脂を加え主成分とする。
【0028】着色剤としては従来公知の染料および顔料
の中から適宜選択される。
の中から適宜選択される。
【0029】ワックスとしては、例えばパラフィンワッ
クス、マイクロクリスタリンワックス、酸化パラフィン
ワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワック
ス、モンタンワックス、セレシンワックス、ポリエチレ
ンワックス、酸化ポリエチレンワックス、カスターワッ
クス、牛脂硬化油、ラノリン、木ロウ、ソルビタンステ
アレート、ソルビタンパルミテート、ステアリルアルコ
ール、ポリアミドワックス、オレイルアミド、ステアリ
ルアミド、ヒドロキシステアリン酸、合成エステルワッ
クス、合成合金ワックスなどのろう状物質が挙げられ
る。ここでのワックスは25℃、60%RHの条件下で
針入度2%以下のものの使用が望ましく、特にカルナバ
ワックスが効果的である。
クス、マイクロクリスタリンワックス、酸化パラフィン
ワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワック
ス、モンタンワックス、セレシンワックス、ポリエチレ
ンワックス、酸化ポリエチレンワックス、カスターワッ
クス、牛脂硬化油、ラノリン、木ロウ、ソルビタンステ
アレート、ソルビタンパルミテート、ステアリルアルコ
ール、ポリアミドワックス、オレイルアミド、ステアリ
ルアミド、ヒドロキシステアリン酸、合成エステルワッ
クス、合成合金ワックスなどのろう状物質が挙げられ
る。ここでのワックスは25℃、60%RHの条件下で
針入度2%以下のものの使用が望ましく、特にカルナバ
ワックスが効果的である。
【0030】ワックスとさらに結着樹脂を用いる場合、
結着樹脂としてはポリアミド系、ポリエステル系、ポリ
ウレタン系、塩化ビニル系、セルロース系、石油系、ス
チレン系、ブチラール系、フェノール系などの樹脂の
他、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリ
ル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としてはポリアミド系、ポリエステル系、ポリ
ウレタン系、塩化ビニル系、セルロース系、石油系、ス
チレン系、ブチラール系、フェノール系などの樹脂の
他、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリ
ル系樹脂が挙げられる。
【0031】熱溶融性インク層を構成する各材料の重量
割合は、着色剤/ワックス/結着樹脂=5〜50/30
〜90/5〜80くらいが適当である。また、着色剤/
ワックス/結着樹脂/ゴムエラストマー=5〜50/3
0〜90/5〜50/3〜30くらいが適当である。
割合は、着色剤/ワックス/結着樹脂=5〜50/30
〜90/5〜80くらいが適当である。また、着色剤/
ワックス/結着樹脂/ゴムエラストマー=5〜50/3
0〜90/5〜50/3〜30くらいが適当である。
【0032】熱溶融性インク層としては、これらの他に
公知である脂肪酸エステル、グリコールエステル、リン
酸エステル、エポキシ化アミニ油などの可塑剤やオイル
なども少量(30%以下)なら添加しても構わない。
公知である脂肪酸エステル、グリコールエステル、リン
酸エステル、エポキシ化アミニ油などの可塑剤やオイル
なども少量(30%以下)なら添加しても構わない。
【0033】熱溶融性インク層はホットメルトあるいは
溶剤に溶解あるいは分散した状態で塗布し、乾燥するこ
とで形成でき、その厚さは1〜10μm、好ましくは2
〜6μmである。このインク層の厚さが、1μmより厚
いと濃度不足や平滑度の比較的少ない紙への印字欠けが
生じ、逆に、10μmを超えると接着強度が低下し、低
温下におけるインク層剥がれが発生する。また、熱溶融
性インク層の層厚が大きずきると剪断強度は増大するた
め転写不良を招く場合もあり、画像の解像力の低下を招
く。
溶剤に溶解あるいは分散した状態で塗布し、乾燥するこ
とで形成でき、その厚さは1〜10μm、好ましくは2
〜6μmである。このインク層の厚さが、1μmより厚
いと濃度不足や平滑度の比較的少ない紙への印字欠けが
生じ、逆に、10μmを超えると接着強度が低下し、低
温下におけるインク層剥がれが発生する。また、熱溶融
性インク層の層厚が大きずきると剪断強度は増大するた
め転写不良を招く場合もあり、画像の解像力の低下を招
く。
【0034】中間層はワックス/ゴムエラストマー=9
〜75/5〜25(重量比)くらいで構成されているの
が望ましい。ここで用いられるワックスとしては、熱溶
融性インク層の説明であげたワックスがそのまま利用で
きる。中間層には、これらワックス、ゴムエラストマー
の他に、必要に応じて、ポリビニルブチラール、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ニトロセルロース、エポ
キシ樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン
−α−オレフィン共重合樹脂、α−オレフィン−無水マ
レイン酸共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹
脂、エチルセルロースなどの樹脂の一種または二種以上
が適当量混合されてよい。中間層の厚さは0.5〜10
μm、好ましくは1〜3μmである。厚さが0.5μm
より薄いと剥離層としての機能が低下し、平滑度の比較
的小さい紙への転写性が悪くなる。また、厚さが10μ
mを超えると接着強度が低下し、低温(5〜10℃)に
おけるインク層剥がれが発生する。また、中間層の厚味
が大きずきると剪断強度は増大するため転写不良を招く
こともあり、画像の解像力低下を招く。
〜75/5〜25(重量比)くらいで構成されているの
が望ましい。ここで用いられるワックスとしては、熱溶
融性インク層の説明であげたワックスがそのまま利用で
きる。中間層には、これらワックス、ゴムエラストマー
の他に、必要に応じて、ポリビニルブチラール、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ニトロセルロース、エポ
キシ樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン
−α−オレフィン共重合樹脂、α−オレフィン−無水マ
レイン酸共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹
脂、エチルセルロースなどの樹脂の一種または二種以上
が適当量混合されてよい。中間層の厚さは0.5〜10
μm、好ましくは1〜3μmである。厚さが0.5μm
より薄いと剥離層としての機能が低下し、平滑度の比較
的小さい紙への転写性が悪くなる。また、厚さが10μ
mを超えると接着強度が低下し、低温(5〜10℃)に
おけるインク層剥がれが発生する。また、中間層の厚味
が大きずきると剪断強度は増大するため転写不良を招く
こともあり、画像の解像力低下を招く。
【0035】オーバー層はワックス、アクリル樹脂、ス
チレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニリデン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、オレフィン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、あるいは
これらの共重合体の中の少なくとも1種で形成されるの
がよく、厚さ0.2〜3μmくらいが適当である。低熱
拡散層はオーバー層を兼ねることができる。
チレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニリデン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、オレフィン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、あるいは
これらの共重合体の中の少なくとも1種で形成されるの
がよく、厚さ0.2〜3μmくらいが適当である。低熱
拡散層はオーバー層を兼ねることができる。
【0036】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を具体的に説明す
る。ここでの部は重量基準である。
る。ここでの部は重量基準である。
【0037】 (A成分) カルナバワックス 60部 キャンデリラワックス 13部 ポリブタジエンゴムの5%トルエン溶液 240部 (日本合成ゴム社製:JSR BR 31) カーボンブラック(三菱化成工業社製:MA−7) 15部 トルエン 492部 メチルイソブチルケトン 180部 なお、A成分の塗液の調製は、予めポリブタジエンゴム
(5%トルエン溶液)を除く組成物を昇温混融後、常温
においてボールミリングを12時間にわたって行い分散
液とし、続いてこの分散液に撹拌下でポリブタジエンゴ
ム(5%トルエン溶液)を添加した。
(5%トルエン溶液)を除く組成物を昇温混融後、常温
においてボールミリングを12時間にわたって行い分散
液とし、続いてこの分散液に撹拌下でポリブタジエンゴ
ム(5%トルエン溶液)を添加した。
【0038】 (B成分) カルナバワックス 88部 ポリブタジエンゴムの5%トルエン溶液 240部 (日本合成ゴム社製:JSR BR 31) トルエン 492部 メチルイソブチルケトン 180部 なお、B成分の塗液の調製は、A成分の例と同様に、ゴ
ム成分を除く組成物を予め分散後、これにゴム成分を添
加して行った。
ム成分を除く組成物を予め分散後、これにゴム成分を添
加して行った。
【0039】 (C成分) カルナバワックス水分散体(固形分30%) 183部 キャンデリラワックス水分散体(固形分30%) 67部 エチレン−酢酸ビニル共重合体水分散体(固形分30%) 33部 カーボンブラック水分散体(固形分20%) 75部 界面活性剤(花王アトラス社製:レオドールTW−S120) 1部 水 61部 メタノール 80部
【0040】 (D成分) カルナバワックス水分散体(固形分30%、粒径2μm) 30部 水 40部 メタノール 30部
【0041】 (E成分) カルナバワックス水分散体(固形分30%、粒径0.7μm) 30部 水 40部 メタノール 30部
【0042】 (F成分) 炭酸カルシウム水分散体(固形分30%、粒径1μm) 30部 エチレン−酢酸ビニル共重合体水分散体(固形分30%) 30部 水 40部
【0043】 (G成分) ポリブタジエンゴムの水分散体(固形分30%、非粒子連続体) 30部 水 70部
【0044】 (H成分) ゲル化剤(非粒子連続体) 100部
【0045】 (I成分) グラファイト水分散体(固形分30%、粒径0.7μm) 10部 エチレン−酢酸ビニル共重合体水分散体(固形分30%) 40部 水 50部
【0046】実施例1〜9及び比較例1〜3 表1に示したように各成分を用いて熱転写記録媒体を作
成した。すなわち、厚さ約4.5μmのポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム上に、中間層を乾燥後
の厚みが約1.5μmになるように塗布し、60℃で乾
燥して形成する。この中間層上に熱溶融性インク層を乾
燥後の厚みが約2.0μmになるようにワイヤーバーを
用いて塗布し、70℃で乾燥して形成する。更に、低熱
拡散層を乾燥後の厚みが約0.2μmになるように(但
し、実施例4では約1.2μm、実施例9では約1.0
μmになるように)ワイヤーバーを用いて塗布し、60
℃で乾燥して形成して熱転写記録媒体を作成する。な
お、実施例5および8の熱転写記録媒体は低熱拡散層が
オーバー層を兼ねている例である。
成した。すなわち、厚さ約4.5μmのポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム上に、中間層を乾燥後
の厚みが約1.5μmになるように塗布し、60℃で乾
燥して形成する。この中間層上に熱溶融性インク層を乾
燥後の厚みが約2.0μmになるようにワイヤーバーを
用いて塗布し、70℃で乾燥して形成する。更に、低熱
拡散層を乾燥後の厚みが約0.2μmになるように(但
し、実施例4では約1.2μm、実施例9では約1.0
μmになるように)ワイヤーバーを用いて塗布し、60
℃で乾燥して形成して熱転写記録媒体を作成する。な
お、実施例5および8の熱転写記録媒体は低熱拡散層が
オーバー層を兼ねている例である。
【0047】
【表1】
【0048】これらの熱転写記録媒体について、ベック
平滑度が約1000秒の普通紙と約400秒の軽量コー
ト紙(神崎製紙社製 ニューエイジ70)に、バーコー
ド用熱転写プリンタを用いて、20℃60%RHの条件
下において、12mJ/mm 2の印字エネルギーを与え
て印字を行った。結果は表2のとおりである。表2から
明らかなように、実施例1〜9の熱転写記録媒体は被転
写体の如何にかかわらず、良質の転写画像が得られる。
平滑度が約1000秒の普通紙と約400秒の軽量コー
ト紙(神崎製紙社製 ニューエイジ70)に、バーコー
ド用熱転写プリンタを用いて、20℃60%RHの条件
下において、12mJ/mm 2の印字エネルギーを与え
て印字を行った。結果は表2のとおりである。表2から
明らかなように、実施例1〜9の熱転写記録媒体は被転
写体の如何にかかわらず、良質の転写画像が得られる。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】(1)請求項1および5の発明によれ
ば、熱溶融性インク層の上に低熱拡散層を設けたことに
より、熱感度が向上し、従来のものより少ない印字エネ
ルギーで十分な印字品質が得られ、高速印字に適した熱
転写記録媒体を得ることができる。 (2)請求項2及び3の発明によれば、低熱拡散層が平
均粒径0.3〜1.0μmの微粒子よりなるため、熱転
写により高濃度で解像性にすぐれた画像が得られる。 (3)請求項4の発明によれば、低熱拡散層に吸湿剤及
び/又はゲル化剤を加えておいたことにより、含水分率
を高め、低熱拡散性能発現の効果がもたらされる。 (4)請求項6の発明によれば、保護層、アンダー層、
中間層及び/又はオーバー層を設けることにより、より
良質の熱転写記録媒体が得られ、また良質の転写画像が
得られるようになる。
ば、熱溶融性インク層の上に低熱拡散層を設けたことに
より、熱感度が向上し、従来のものより少ない印字エネ
ルギーで十分な印字品質が得られ、高速印字に適した熱
転写記録媒体を得ることができる。 (2)請求項2及び3の発明によれば、低熱拡散層が平
均粒径0.3〜1.0μmの微粒子よりなるため、熱転
写により高濃度で解像性にすぐれた画像が得られる。 (3)請求項4の発明によれば、低熱拡散層に吸湿剤及
び/又はゲル化剤を加えておいたことにより、含水分率
を高め、低熱拡散性能発現の効果がもたらされる。 (4)請求項6の発明によれば、保護層、アンダー層、
中間層及び/又はオーバー層を設けることにより、より
良質の熱転写記録媒体が得られ、また良質の転写画像が
得られるようになる。
Claims (7)
- 【請求項1】 支持体上に熱溶融性物質及び着色剤を主
成分とする熱溶融性インク層を設けた熱転写記録媒体に
おいて、該熱溶融性インク層の上に、熱拡散率が0.0
3cm2/sec以下の低熱拡散層を設けたことを特徴
とする熱転写記録媒体。 - 【請求項2】 低熱拡散層が熱溶融性物質、熱軟化性物
質および無機フィラーから選ばれる少なくとも1種を主
成分とし、かつ、そのうちの少なくとも1種の物質は平
均粒径0.3〜1.0μmの微粒子からなることを特徴
とする請求項1記載の熱転写記録媒体。 - 【請求項3】 熱溶融性物質、熱軟化性物質または無機
フィラーが炭酸カルシウム、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、塩化銀、ゴムエラストマーのいずれかであることを
特徴とする請求項2記載の熱転写記録媒体。 - 【請求項4】 低熱拡散層が水分を含んだ吸湿剤及び/
又はゲル化剤を有することを特徴とする請求項1〜3の
いずれかに記載の熱転写記録媒体。 - 【請求項5】 熱溶融性インク層の熱拡散率が0.08
cm2/sec以下であることを特徴とする請求項1〜
4のいずれかに記載の熱転写記録媒体。 - 【請求項6】 支持体と熱溶融性インク層との間に中間
層、低熱拡散層上にオーバー層、及び/又は支持体の裏
面に保護層を設けたことを特徴とする請求項1〜5のい
ずれかに記載の熱転写記録媒体。 - 【請求項7】 低熱拡散層がオーバー層を兼ねることを
特徴とする請求項6記載の熱転写記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11007360A JP2000203170A (ja) | 1999-01-14 | 1999-01-14 | 熱転写記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11007360A JP2000203170A (ja) | 1999-01-14 | 1999-01-14 | 熱転写記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000203170A true JP2000203170A (ja) | 2000-07-25 |
Family
ID=11663806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11007360A Pending JP2000203170A (ja) | 1999-01-14 | 1999-01-14 | 熱転写記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000203170A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022021647A (ja) * | 2020-07-22 | 2022-02-03 | フジコピアン株式会社 | 熱転写記録媒体 |
-
1999
- 1999-01-14 JP JP11007360A patent/JP2000203170A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022021647A (ja) * | 2020-07-22 | 2022-02-03 | フジコピアン株式会社 | 熱転写記録媒体 |
JP7470408B2 (ja) | 2020-07-22 | 2024-04-18 | フジコピアン株式会社 | 熱転写記録媒体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
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