JP2000197824A - 大気浄化用材料 - Google Patents

大気浄化用材料

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JP2000197824A
JP2000197824A JP11002954A JP295499A JP2000197824A JP 2000197824 A JP2000197824 A JP 2000197824A JP 11002954 A JP11002954 A JP 11002954A JP 295499 A JP295499 A JP 295499A JP 2000197824 A JP2000197824 A JP 2000197824A
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film
photocatalytic
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Tomoyuki Tawara
知之 田原
Toshihide Suzuki
利英 鈴木
Fusao Togashi
房夫 冨樫
Hideo Takamura
日出夫 高村
Hiroshi Nagaishi
博 永石
Koji Watanabe
浩司 渡辺
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Kawasaki Steel Metal Products and Engineering Inc
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Kawasaki Steel Metal Products and Engineering Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸着剤と高含有率の光触媒とを含み、かつこれ
らが充分に接触した状態で存在するとともに、光触媒膜
と基材との接着性にも優れた光触媒膜を有する大気浄化
用材料の提供。 【解決手段】基材表面に、光触媒機能を有する物質が、
固体状吸着剤表面に担持された状態でフッ素樹脂で固定
されてなる光触媒膜を有する大気浄化用材料。光触媒膜
の最外表面は、フッ素樹脂であることが望ましい。上記
フッ素樹脂は、四フッ化エチレン系樹脂であることが好
ましい。フッ素樹脂量は、フッ素樹脂、光触媒機能を有
する物質および固体状吸着剤の合計重量に対して、5〜
30重量%であることが望ましい。上記光触媒機能を有
する物質は酸化チタンであることが好ましい。固体状吸
着剤は活性アルミナであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気浄化用材料に
関し、大気浄化能力が高く、かつ光触媒膜と基材との接
着性に優れた大気浄化用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の燃焼発生源から大気中に排出
される窒素酸化物(NOx )あるいはイオウ酸化物(S
x )など(以下これらを大気汚染物質と称す)は、人
体に呼吸器疾患を誘因したり、光化学スモッグ、酸性雨
などの原因となっている。とくに道路沿いの窒素酸化物
による大気汚染は深刻であり、その早急な解決が切望さ
れている。しかしながら大気汚染物質とくに窒素酸化物
(NOx )の主成分であるNOは、ppmオーダーの濃
度であると空気中の酸素により酸化され硝酸として大気
中から除去されるには何日間もかかる。
【0003】そこで、このような窒素酸化物などの大気
汚染物質を速やかに大気中から除去するために、酸化チ
タンなどの光触媒による酸化作用を利用することが盛ん
に研究されている。すなわち酸化チタンとくにアナター
ゼ型TiO2 は、酸素および水の存在下、波長400n
m以下の光(紫外線)があたると、表面にスーパーオキ
サイドイオン(・O2 - )、水酸基ラジカル(・OH)
などの強力な酸化作用を示す活性酸素種が生成する。こ
れら活性酸素種の酸化作用を利用すれば、NO x 、SO
x を短時間で硝酸、硫酸まで酸化し、大気中から除去す
ることができる。また有機物はCO2 、H2 Oまで酸化
される。
【0004】たとえば特開平5−253544号、特開
平9−249871号などには、光触媒TiO2 粒子を
基材表面に露出した状態でバインダーで固着させる方法
が提案されている。しかしながら上記のような光触媒に
よる窒素酸化物の酸化反応は、NOx (主にNO)→N
2 →HNO3 で進行するが、中間NO2 は遊離しやす
いため光触媒のみではHNO3 までの浄化効率(酸化効
率)は悪い。
【0005】そこでNOx 、NO2 を吸着する吸着剤を
併用することにより浄化効率を上げることも提案されて
いる。たとえば特開平6−315614号には、光触媒
とともに吸着剤として活性炭を用いることが提案されて
おり、光触媒と吸着剤との混合物を合成樹脂でシート状
またはパネル状に成形して用いることが提案されてい
る。しかしながら吸着剤共存による浄化効率の向上を充
分に発現するためには、吸着剤と光触媒とが互いに接触
した状態で共存する必要があり、上記のような混合方法
で得られる光触媒膜では、吸着剤と光触媒とが充分に接
触しているとはいえない。
【0006】また特開平10−94588号、特開平1
0−94717号には、セラミックなどの撥水性多孔質
基材の表面にTiO2を含む外層を形成するか、あるい
は該多孔質基材にTiO2を担持させる際に、TiO2
ともに活性炭あるいはゼオライトなどの吸着剤を併用
し、これらをフッ素樹脂等のバインダー中に分散させて
用いることが提案されている。しかしながらこれらの方
法において、バインダーを使用する場合には、前記と同
様に吸着剤と光触媒とが充分に接触した状態が得られ
ず、またバインダーを使用しない場合には、吸着剤自身
にバインダー能力がないため基材との接着性が不十分で
ある。
【0007】さらに、光触媒粒子と、吸着剤粒子と、コ
ロイダルシリカ、セメントなどの無機バインダーとの混
合物を塗布して光触媒膜を形成する方法(特開平9−2
49824号、特開平10−46512号)などが提案
されている。しかしながら上記のような従来の方法で得
られる光触媒膜(たとえば図2)は、光触媒が無機バイ
ンダーで覆われ、触媒活性を十分に発現できない上に、
このような光触媒膜では、本質的に触媒活性と膜の接着
性を上げるためのバインダー量とが相反する関係にある
ため、触媒機能を充分に発現し、かつ接着性に優れる光
触媒膜を得ることが困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に鑑みて、吸着剤と光触媒とが充分に接触し
た状態で存在するとともに、接着性に優れた光触媒膜を
有する大気浄化用材料を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る大気浄化用
材料は、基材表面に、光触媒機能を有する物質が、固体
状吸着剤表面に担持された状態でフッ素樹脂で固定され
てなる光触媒膜を有している。本発明は、光触媒機能を
有する物質を固体状吸着剤表面に担持させたことにより
大気汚染物質を効率よく吸着、酸化することができる。
さらには、光触媒機能を有する物質を固体状吸着剤表面
に担持させた状態でフッ素樹脂で基板上に固定した点に
も特徴がある。フッ素樹脂は、光触媒で分解され難く、
耐久性にも優れるため、光触媒機能を低下させることが
ない。
【0010】上記フッ素樹脂は、四フッ化エチレン系樹
脂であることが好ましい。フッ素樹脂量は、フッ素樹
脂、光触媒機能を有する物質および固体状吸着剤の合計
重量に対して、5〜30重量%であることが望ましい。
上記光触媒機能を有する物質は酸化チタンであることが
好ましい。固体状吸着剤は活性アルミナであることが好
ましい。
【0011】上記のような大気浄化用材料は、基材表面
に、膜形成後に光触媒機能を発現する物質を含むゾルま
たは溶液と、固体状吸着剤とを含むスラリーを塗布し、
100〜700℃で熱処理して予備固定した後、次いで
フッ素樹脂で被覆し、固定することにより製造すること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る大気浄化用材
料およびその製造方法を具体的に説明する。 <大気浄化用材料>図1に本発明に係る大気浄化用材料
の一形態を模式的に部分断面図で示す。図1において、
基材1表面には、光触媒機能を有する物質3が、固体状
吸着剤4の表面に担持された状態でフッ素樹脂5で固定
された光触媒膜2が形成されている。
【0013】下地基材1の材質は、特に限定されず基本
的に何でもよいが、大気浄化用材料は屋外で使用される
ことも多いので、吸水性の小さい材質が好ましい。たと
えば金属、琺瑯、各種樹脂、セラミックス、陶磁器、ガ
ラス、さらにはこれらの複合体(たとえば鋼、ステンレ
ス、アルミニウムなどの金属表面を各種樹脂、セラミッ
ク、ガラスなどで被覆したもの)などが挙げられ、この
うちでも琺瑯材、金属材などが好適である。金属材およ
び琺瑯材の下地基材となる金属材としては、より具体例
として、鉄、鋼、アルミニウム、ステンレスなどの金属
材、およびこれら金属材に、亜鉛メッキ、アルミニウム
メッキ、アルミニウム亜鉛合金メッキ、鉄亜鉛合金メッ
キなどのメッキ処理、化成処理、クロメート処理などの
表面処理を施して耐食性、耐候性等を備えたものが挙げ
られる。基材1は大気浄化用途に使用できるものであれ
ばよく、その形状は問わない。
【0014】光触媒機能を発現する物質3としては、活
性酸素を生成しうる程度の光活性を有する物質であれば
よい。具体的には光触媒として公知のものを広く用いる
ことができ、たとえばTiO2 、ZnO、SrTi
3 、SnO2 、GaP、CdS、CdSe、K4 Nb
17、KTaO3 などを用いることができる。以下これ
らの物質を光触媒3とも称す。
【0015】これらのうちでも、化学的に安定で、かつ
・O2 - 、・OHを生成しやすい酸化チタン(Ti
2 )が好ましい。特にルチル型TiO2 よりも、紫外
光で光触媒性を発現しやすいアナターゼ型TiO2 が好
ましい。光触媒の一次粒子の大きさは、通常100nm
以下であると充分な光活性を示すので好ましいが、さら
に好ましくは1〜50nmである。
【0016】本発明では、基材1上に光触媒3と吸着剤
4とは接触状態で固定されているが、通常、光触媒3粒
子よりも吸着剤4粒子の方が大きいので、光触媒3が吸
着剤4の表面に被覆した状態で担持され、固定されてい
る。このような状態の光触媒膜2は、後述するような方
法で得ることができるが、上記光触媒の供給源として、
TiO2 粒子が吸着剤表面に強固に固定できるためTi
2 ゾルを用いることが好ましい。上記のような光触媒
3の保持量は、基材表面あたり1〜10mg/cm2
ましくは2〜5mg/cm2 の量であることが好まし
い。
【0017】本発明で用いられる吸着剤4は、環境を汚
染し、人体に有害な大気汚染物質たとえばNOX 、SO
X などを吸着しうるものであり、このような機能を有す
る公知の固体状吸着剤を広く用いることができる。この
うちでも、NOX の吸着性が高く、さらにNOX 、SO
X の酸化により生成する硝酸、硫酸および雨水に対して
化学的に安定であり、ミクロ的に多孔質の物質が好まし
い。具体的には、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミ
ナなどが好ましく、特に活性アルミナが好ましい。
【0018】固体状吸着剤4の平均粒径は、0.1〜1
00μm好ましくは1〜50μmであることが望まし
い。この吸着剤の形状はとくに限定されないが、多孔質
であることが望ましく、比表面積が100m2 /g以上
であることが望ましい。光触媒膜2中の光触媒3と吸着
剤4との量比は、重量比で(吸着剤)/(光触媒)=
0.1〜10、好ましくは0.5〜2程度であることが
望ましい。
【0019】本発明の構成の光触媒膜2中では、光触媒
3は吸着剤4の表面に担持された状態で存在するので、
従来のように光触媒3と吸着剤4とが単に混在する場合
よりも、光触媒3を多量に(高含有率で)光触媒膜2中
に含有させ、固定することができる。さらに吸着剤とT
iO2 とが接触した状態で存在するため、大気中の有害
物質(NOX 等)を効率よく吸着、酸化することができ
る。このため大気中の有害物質の浄化効率を向上するこ
とができる。
【0020】本発明では、上記のように基材表面に光触
媒3が吸着剤4表面に担持された状態でフッ素樹脂で被
覆固定されている。フッ素樹脂は、被膜形成能を有する
ものであればよく、フッ素樹脂そのもの、あるいは他の
成分を含むものたとえば常温硬化性フッ素樹脂などが挙
げられる。
【0021】このようなフッ素樹脂としては、たとえば
三フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン樹脂(PTF
E)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)エチレン樹脂、エチレン/テト
ラフルオロエチレン共重合体(ETFE)などのポリフ
ルオロオレフィン、およびこのようなフルオロオレフィ
ンとビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルシランな
どとの共重合体たとえばテトラフルオロエチレン/パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニ
リデン系共重合体、フルオロアクリレート共重合体、フ
ルオロエポキシ化合物などの常温硬化型フッ素樹脂組成
物などが挙げられる。これらのうちでも、四フッ化エチ
レン樹脂または四フッ化エチレン成分を含む共重合体が
光触媒膜2と基材1との接着性向上および光触媒3の活
性を低下させない点で好ましい。
【0022】上記フッ素樹脂は、フッ素樹脂、光触媒お
よび吸着剤の合計重量に対して、5〜30重量%である
ことが望ましい。光触媒および吸着剤が、このような量
のフッ素樹脂で固定されていると、光触媒と吸着剤との
接触状態が充分に保たれるとともに、耐久性、耐候性を
示すことができる。なお上記フッ素樹脂量が、30重量
%を超えると、光触媒機能が低下する傾向があり、5重
量%未満であると、光触媒および吸着剤の固定効果およ
び耐久性、耐候性を充分に発現することができない。
【0023】上記のような光触媒膜2の目付量は、3〜
20mg/cm2 程度であることが望ましい。この光触
媒膜2は、上記した光触媒、吸着剤、フッ素樹脂に加え
て、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応
じて他の成分を含んでいてもよく、たとえばTiO2
ル溶液中に含まれる光触媒機能を有さないアモルファス
酸化チタンまたはSiO2 系バインダーなどを含有して
いてもよい。
【0024】<大気浄化用材料の製造方法>上記のよう
な大気浄化用材料は、基材表面に、膜形成後に光触媒機
能を発現しうる物質を含むゾルまたは溶液と、吸着剤と
を含むスラリーを塗布し、これを予備固定した後、次い
でフッ素樹脂で被覆し、固定することにより製造するこ
とができる。スラリー中の光触媒3および吸着剤4は、
前述した光触媒膜3中に含有される量比で含まれる。な
お前記光触媒機能を発現する物質を含むゾルまたは溶液
に吸着剤を添加したものを塗布してもよい。
【0025】上記ゾルまたは溶液は、被膜形成能を有し
ていることが好ましい。具体的には、たとえば粒子状光
触媒(たとえばアナターゼ型TiO2 )を含むゾル、チ
タンアルコキシドの加水分解液などの膜形成後に光触媒
機能を発現する物質を含むゾル、チタンアルコキシドに
エチルアセトアセテートなどのキレート剤を添加した溶
液などが好ましい。これらのうちでも、アナターゼ型T
iO2 粒子を含む水系のゾルが作業性がよく好ましい。
上記TiO2 粒子表面にはアルコキシドなどの架橋性基
を有していてもよい。またゾル中には、TiO2 粒子に
加えてアモルファス酸化チタン、SiO2 系などの無機
架橋性化合物を含有していてもよい。このようなゾルと
して市販品を用いることもでき、たとえば酸化チタンゾ
ル(田中転写(株)製TOゾル)などを用いることもで
きる。
【0026】ゾルまたは溶液と、スラリーの混合液は、
スプレー、バーコート、ディップ、ロールコートなどの
いずれの方法で塗布してもよい。塗布したスラリーは、
フッ素樹脂で被覆する前に、一旦熱処理して予備固定す
る。この熱処理は、100〜700℃の温度で行うこと
ができる。なお熱処理前に室温〜100℃で乾燥しても
よい。
【0027】たとえば上記酸化チタンゾルを用いてスラ
リーを調製した場合には、上記温度範囲で熱処理すれ
ば、TiO2 のルチル型への結晶転移を生じることなく
熱処理することができるが、熱処理温度は300〜55
0℃、特に500℃程度であることがとくに好ましい。
熱処理を300〜550℃特に500℃程度で行うと、
TiO2 の結晶性(アナターゼ型)が向上して光触媒活
性が向上する傾向にあり、また高硬度で高強度の膜が得
られる。なおたとえば100℃程度で熱処理したときの
予備固定膜はエンピツ硬度2H程度であるが、500℃
程度で熱処理するとエンピツ硬度9Hの予備固定膜が得
られる。
【0028】本発明では、次いで上記予備固定した膜
を、前述の被膜性フッ素樹脂5で被覆して固定する。被
覆は、フィルム状のフッ素樹脂を貼付けてもよいが、液
状フッ素樹脂を塗布または吹付けした方が、光触媒3が
吸着剤4表面に担持された状態を保持する効果が高いの
で好ましい。この際用いられる液状フッ素樹脂は、エマ
ルジョン、スラリー、溶液などいずれの状態であっても
よい。フッ素樹脂は、乾燥後の量で上記したようにフッ
素樹脂、光触媒および吸着剤の合計重量に対して5〜3
0重量%となる量で用いられる。フッ素樹脂を塗布また
は吹付けた後、室温〜100℃で乾燥する。
【0029】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 (実施例1)光触媒TiO2 のゾル溶液((株)田中転
写製TOゾル)に、吸着剤としての平均粒径20μmの
活性アルミナ粉末(Merck 社製)を、酸化物換算重量比
がTiO2 /Al2 3 =1となる量で加え、攪拌して
スラリーを調製した。このスラリーを琺瑯基板(琺瑯
面)上にスプレーで吹き付け、常温で乾燥後、500℃
で20分間熱した。この操作を、光触媒TiO2 の付着
量は3mg/cm2 であった。冷却後、常温硬化型の四
フッ化エチレン樹脂スプレー(ジャパンケミカル社製N
EW TEFコート)を付着量が0.2mg/cm2
なるように吹き付け、50℃で乾燥して光触媒膜を形成
し、琺瑯面上に光触媒膜を有する大気浄化用材料を得
た。得られた大気浄化用材料について、NO除去能力お
よび光触媒膜の接着性を以下のように評価した。結果を
表1に示す。
【0030】<NO除去能力の評価>上記で得られた大
気浄化用材料の大気浄化能力を、NOの酸化量(硝酸イ
オン生成量)で評価した。大気浄化用材料を50mm×
100mmに切り出した試験片を、NO濃度が50pp
mの雰囲気下のチャンバー内に載置し、ブラックライト
にて光強度が0.2mW/cm2 の紫外光を12時間照
射した。次いで基板を流水で洗浄し、洗浄水から生成し
た硝酸を回収してイオンクロマトグラフにより硝酸イオ
ン(NO3 - )量を測定することによりNOの酸化量を
評価した。
【0031】<接着性>基板への光触媒膜の接着性を、
碁盤目テープ剥離試験により評価した。まず被膜にカッ
ターで2mm幅の間隔で縦、横に切傷をつけて100個
の碁盤目を作り、セロハンテープを貼り付けて剥がした
後の碁盤目の残存数をカウントした。
【0032】(実施例2)吸着剤として、粒径50μm
以下に粉砕した合成ゼオライト(Merck 社製)を使用し
た以外は、実施例1と同様にして大気浄化用材料を得
た。結果を表1に示す。
【0033】(実施例3)吸着剤として粒径50μm以
下のα−アルミナ(和光純薬社製)を使用した以外は、
実施例1と同様にして大気浄化用材料を得た。結果を表
1に示す。
【0034】(比較例1)フッ素樹脂スプレーを吹き付
けなかった以外は、実施例1と同様にして大気浄化用材
料を得た。結果を表1に示す。
【0035】(比較例2)実施例1において、四フッ化
エチレン粉末を、予めTiO2 と活性アルミナ粉末との
スラリー中に含ませて用い、熱処理温度を100℃にし
た以外は、実施例1と同様にして大気浄化用材料を得
た。結果を表1に示す。
【0036】(比較例3)実施例1において、四フッ化
エチレンスプレー液に代えて、シリコーン樹脂系バイン
ダー(川鉄建材(株)製RB−Cクリア)を用いた以外
は、実施例1と同様にして大気浄化用材料を得た。結果
を表1に示す。
【0037】 *1)シリコーン樹脂付着量 *2)分母は碁盤目の数、分子は接着性試験後の残存碁盤目の数
【0038】表1より、実施例の大気浄化用材料は、N
Oの酸化除去性能に優れ、さらにフッ素樹脂を使用する
ことでTiO2 の活性を低下させずに被膜を補強するこ
とができることがわかる。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る大気浄化用材料は、光触媒
と吸着剤とが接触した状態で基材表面に、フッ素樹脂で
固定されており、大気中の大気汚染物質とくにNOx
どを積極的に吸着し分解することができ、大気浄化能力
が高い。しかも耐候性、耐久性にも優れているので、厳
しい環境下、たとえば道路に直面するガードレールおよ
び防護壁などに設置して利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る大気浄化用材料を模式的に示す
部分断面図である。
【図2】 従来の大気浄化用材料を模式的に示す部分断
面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 光触媒膜 3 光触媒機能を有する物質 4 吸着剤粒子 5 フッ素樹脂 6 バインダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 利英 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 冨樫 房夫 兵庫県神戸市東灘区魚崎南町3丁目6番24 号 川鉄建材株式会社技術研究所内 (72)発明者 高村 日出夫 千葉県習志野市東習志野2丁目18番13号 川鉄建材株式会社技術研究所内 (72)発明者 永石 博 千葉県習志野市東習志野2丁目18番13号 川鉄建材株式会社技術研究所内 (72)発明者 渡辺 浩司 千葉県習志野市東習志野2丁目18番13号 川鉄建材株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D048 AA06 AB01 BA03X BA07X BA11X BA13X BA14Y BA15Y BA16Y BA17Y BA21Y BA24Y BA39X BA50X BB03 EA01 4G069 AA03 AA08 BA01A BA01B BA04A BA04B BA07B BA13A BA14A BA17 BA22A BA22B BA48A BB02A BB04A BB06A BB09A BC03A BC12A BC17A BC22A BC35A BC36A BC50A BC55A BC56A BD07A BD09A BE34A BE34B CA07 CA13 EA07 EB18Y ED03 FA03 FB05 FB23 FB24

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材表面に、光触媒機能を有する物質が、
    固体状吸着剤表面に担持された状態でフッ素樹脂で固定
    されてなる光触媒膜を有する大気浄化用材料。
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