JP2000193894A - 内視鏡用照明光学系 - Google Patents
内視鏡用照明光学系Info
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Abstract
ことが可能な内視鏡用照明光学系を提供する。 【解決手段】 本発明の内視鏡用照明光学系は、図示し
ない光源装置からの光を導くライトガイドファイバー1
の出射端面側(物体側)に正のパワーを有する光学系1
1を配置して構成する。そして、この光学系11を構成
する光学部材の最も物体側の面を除く少なくとも1面に
光拡散面11aを形成する。
Description
に用いるのに好適な照明光学系に関する。
ば、図36に示すように、ライトガイド1の出射端面の
前側に配置された凹レンズ2で構成され、ライトガイド
1からの出射光によって図示しない観察光学系の視野全
体を照射できるようになっているものがある。しかし、
このような照明光学系では、ライトガイド1からの出射
光を外側に向けて屈折させるので、凹レンズ2の周辺で
光線がけられ、観察光学系の視野周辺の光量が不足する
という問題があった。
レンズ2の外径を大きくすることで前記問題の解決を図
ることも考えられるが、この場合は内規鏡先端部の外径
もさらに大きくする必要が生じ、細径化が望まれる内視
鏡の性質上現実的ではない。
学系としては、例えば、特開平4−326318号公報
に開示されているものがある。この内視鏡用照明光学系
は、図37に示すように、ライトガイド1の出射端面の
前側に配置された、正のパワーを有する平凸レンズ3の
みにより構成されている。このような正のパワーを有す
る内視鏡用照明光学系は、ライトガイド1からの出射光
を一度収斂させてから拡散させるので、前述の凹レンズ
により構成したものと比較して、レンズの外径を小さく
することが可能である。
の光ファイバーを束ねた状態に構成され、コア部分のみ
が光を透過するようになっているため出射端面は図38
(a)に示すように網目状になる。したがって、正のパ
ワーを有する照明光学系では、図38(b)に示すよう
に、ライトガイド1の出射端面が拡大されて物体面4に
投影することになる。このため物体面4上に投影された
照明光は、図38(c)に示すように、網目状の配光ム
ラを生じることになる。
としては、例えば、特開平5−15767号,特開平6
−148519号等の各公報に開示されているものがあ
る。これらは、図39(a),(b)に示すように、照
明光学系6中に単ファイバー5を挿入したものである。
これらの照明光学系6は、単ファイバー5により、ライ
トガイド1の出射端面の結像位置を照明光学系6の近傍
若しくは内部になるようにすると共に、単ファイバー5
の側面で反射される光線による拡散効果により、ライト
ガイド1の出射端面からの照明光を均一化させること
で、物体面上に綱目状の配光ムラが生じないようにして
いる。
て、網目状の配光ムラが全く生じないようにするための
拡散効果を単ファイバー5のみで得るには、単ファイバ
ー5の長さを十分とる必要がある。しかしながら、単フ
ァイバー5を長くすることは、照明光学系6の全長も長
くなり、このため図40に示すように、硬質部長といわ
れる内視鏡先端部から湾曲部までの長さLも長くなり、
内視鏡の操作性を悪化させるという問題が新たに生じ
る。
用照明光学系としては、例えば、特開平1−19871
7号公報に開示されているものがある。この照明光学系
は、図41に示すように、ライトガイト1の出射端面の
前側にすりガラス等の光拡散体7が配置されている。し
かし、単に光拡散体7をライトガイド1の出射端面の前
側に配置しただけでは、例えば観察範囲が120°とな
るような広角の内視鏡では、照明光の配光範囲が狭く、
視野周辺が暗くなってしまうという問題がある。また、
観察範囲が90°以下となる狭角の内視鏡では、非常に
粗い砂目面が形成された光拡散体7を用いることで、視
野周辺まで均−に照明光を配光することができるが、光
拡散体7の内部や内視鏡の筐体内部での乱反射が多量に
発生するため、観察物体の視野範囲内へ導かれる照明光
の光量が滅少し、視野全体が暗くなってしまうという問
題がある。
載されている照明光学系は、図42に示すように、砂目
8を凹レンズ2の凹面に形成し広角化させているが、前
述のように、凹レンズを用いた照明光学系では内視鏡の
太径化を招いてしまうという欠点が解消されない。ま
た、図43に示す特開平10−99268号公報に記載
された照明光学系のように、拡散板9を照明光学系中に
配置して照明光の配光ムラを防止しているものがある。
しかし、この照明光学系は構成が複雑で、且つ部品点数
も非常に多いため、製造コストも高くなる。また照明光
学系の全長が長いことから、内視鏡先端部の硬質部長も
長くなり、操作性が悪化するという問題が残る。
従来技術の有する問題点に鑑み、小型で且つ広い視野に
わたって照明光を導くことが可能な内視鏡用照明光学系
を提供することを目的とする。
め、本発明は次のような特徴を備えている。
光を物体側へ導くライトガイドファイバーの出射端側に
配置される内視鏡用照明光学系であって、照明光学系を
構成する光学部材のうち、最も物体側の面を除く少なく
とも1面以上を光拡散面として構成し、且つ全体で正の
パワーを備えたことを特徴とするものである。
の照明光学系において、平行平板と正のパワーを有する
レンズにより構成したことを特徴とするものである。
の照明光学系において、全て正のパワーを有するレンズ
のみで構成したことを特徴とするものである。
学系の基本構成を示す光軸に沿う断面図である。本発明
の照明光学系は、図示しない光源装置からの光を導くラ
イトガイドファイバー1の出射端面側(物体側)に正の
パワーを有する光学系11を配置して構成する。そし
て、この光学系11を構成する光学部材の最も物体側の
面を除く少なくとも1面に光拡散面11aを形成してい
る。
用を説明するための図である。前述のように、本発明の
照明光学系は、最も物体側の面を除く少なくとも1面に
光拡散面11aを形成した正のパワーを有する光学系1
1により構成している。なお、本発明の照明光学系で
は、光拡散面11aは通常曲率面に形成されるものとす
る。
成されていないとすると、図2に示すように、ライトガ
イド1の出射端面の中心部から出射された光は、光学系
11の屈折作用により、物体面4上にa,bの振る舞い
で投影される。一方、ライトガイド1の出射端面の周辺
部から出射された光は、光学系11の屈折作用により、
物体面4上にc,dの振る舞いで投影される。このた
め、ライトガイド1の出射端面の網目模様がそのまま拡
大されて物体面4上に投影され、配光ムラを生じること
になる。しかし、本発明の内視鏡用照明光学系では、前
述のように、最も物体側の面を除く少なくとも1面にす
りガラスのような光拡散面11aが形成されているた
め、ライトガイド1からの出射光がこの光拡散面11a
を通過する際、各々拡散し、前記光線a,b,c,dは
それぞれ光線a’,b’,c’,d’のように物体面4
上に投影されることになる。このため、物体面4上での
網目状の配光ムラが軽減若しくは消滅し、実用上,品位
上の問題はなくなる。
1a側をライトガイド1の出射端面に密着させた場合に
ついて考える。図3はこの状態を示している。このと
き、光学系11の光拡散面11aが形成されている面を
前側面とし、物体面4側の面を後側面としたとき、ライ
トガイド1の出射端面を光学系11の前側焦点位置ff
よりも光学系11側に配置できる。
1に拡散面11aが形成されていない場合について考え
る。この場合、ライトガイド1の出射端面から出射した
光線は、a,b,c,dの振る舞いのごとく収斂するも
のの結像はせず、よって物体面4上での網目状の配光ム
ラは若干改善されるが、依然残る。また、実際に照明光
学系を組み立てる場合には、観察光学系等を構成する他
の部材との干渉等から、ライトガイド1の出射端面と光
学系11との間に間隔が生じてしまうことがある。この
ような状態が生じると、ライトガイド1の出射端面が前
側焦点位置ffに近づき、ライトガイド1の出射端面の
網目状の模様が結像面4上に結像することになって、結
像面4上において照明光の配光ムラが顕著になる。
射端面とを近接させる場合にも、光学系11の曲率面に
拡散面11aを形成することが必要になる。このように
することにより、ライトガイド1の出射端面からの出射
光が拡散面11aを通過する際、拡散される。すなわ
ち、拡散面11aが形成されていない場合には、図中、
a〜dのように振る舞う光線が、光拡散面11aを通過
することによってa’〜d’のように物体面4上に投影
されることになり、配光ムラが解消される。
散面11aを形成することにより、この光学系11とラ
イトガイド1の出射端面との位置関係にかかわらず、物
体面4上に投影される照明光の配光ムラを解消すること
ができ、実用上および品位上の問題を解消することがで
きる。
全体で正のパワーを有するように構成されているため、
単なる光拡散板を用いた光学系よりも、視野内へ光線を
有効に照射しつつ広配光が得られ、また凹レンズを用い
た光学系と比較して光学系の外径を小型化することがで
きる。
ては研削研磨加工と、プレス加工がある。研削研磨加工
では、大きい粒子の砥石から段階的に細かい粒子の砥石
に代えてレンズ面の鏡面仕上げが行われる。そこで、本
発明の照明光学系をこの研削研磨加工を用いて製作する
と、通常のレンズ製作の途中工程までで本発明の照明光
学系が完成する。なぜなら、本発明の照明光学系では全
てのレンズ面を鏡面に仕上げる必要はなく、最も物体側
の面を除く少なくとも1面以上は光拡散面とするからで
ある。このように、本発明の照明光学系を研削研磨加工
により製作すれば、工程時間も通常のレンズを製作する
場合より短くて済み、コストを低減することができる。
なお、研削研磨加工により形成される光拡散面は、砂目
形状となる。
合、プレス加工を用いることもできる。この場合には、
成形用の金型も研削により製作するため、その表面を鏡
面に仕上げず、数〜数十マイクロメートル程度の粗さの
ままにしておくと、その金型を用いれば1回の工程で光
拡散面が形成されたレンズを製作することができ、加工
工程を減らし、レンズの原価を安くすることができる。
なお、前記金型の表面はマイクロレンズ形状やディフュ
ーザー形状或いはフレネルレンズであってもよい。
された光拡散面は、図4に示すように、表面が粗れてい
る。特に800番程度の大きい粒子の砥石を用いて形成
された光拡散面では表面が非常に粗れており、その光の
透過率は30%程度になってしまう。このように、粗い
粒子の砥石で形成した光拡散面は、光拡散効果が高く照
明光の配光ムラの回避には非常に有効である。しかし、
かかる光拡散面はレンズ内部や筐体内で光の乱反射を多
量に発生させ、ライトガイドからの出射光を観察視野内
へ効率よく導くことができなくなり、光の利用効率が劣
化してしまう。そこで、前述のような砂目処理を施して
図4に示した光拡散面を形成した後に、例えばフッ化水
素水を用いた化学的な表面処理を施して、図5に示すよ
うな滑らかな光拡散面を形成することにより、光の透過
率を向上させることができる。そして、これにより光拡
散効果を滅少させ、前述したような網目状の配光ムラを
実用上問題ないレベルまで減少させつつ、物体面の視野
内へ照明光を効率よく導くことができるようになる。
た光拡散面の光透過率(a)と、研削研磨加工により形
成された後に化学処理が施された光拡散面の光透過率
(b)を示すグラフである。ここに示されているよう
に、研削研磨加工のみにより形成された光拡散面の光の
透過率は20%程度であるが、その光拡散面にさらに化
学処理を施すことにより光の透過率を65%程度にまで
高めることができ、光拡散効果を減少させることができ
る。また、光拡散面の化学処理では、薬剤等と光拡散面
とを反応させる時間を制御することで、照明光学系に要
求される照明光の利用効率と配光ムラ回避のレベルとを
両立させることができる光学系が得られる。なお、プレ
ス加工により形成した光拡散面においても、このような
化学処理は有効である。
面を最も物体側の面を除く面に設けている。よって、手
技や保管時に付着する汚物やごみ等が、滅菌,消毒後に
照明光学系の最も物体側面に残留することがなく、衛生
上の問題が生じることはない。
らに詳細に説明する。
す光軸に沿う断面図である。図7に示すように、本実施
例の照明光学系12は、図示しない物体側の面12aが
平面である平凸レンズ1枚からなっており、ライトガイ
ド1の出射端面の前側に配置される。光拡散面12bは
曲率を有する凸面に形成されている。
平凸レンズ1枚のみで構成しているため、広配光を維持
しながらも、光学系の全長および外径の小型化が達成さ
れる。また、部材数が少ないことから生産コストの低減
および組立性の向上も図られている。さらに、本実施例
の照明光学系12では曲率面に光拡散面12bを形成し
たため、物体面上に網目模様となって現れる配光ムラを
防止することができる。また、光拡散面12bを砂目状
に形成する場合には、通常のレンズ製作工程の途中で照
明光学系12が完成するので、製造時間の短縮によりさ
らなるコストダウンを図ることができる。
に搭載した場合、外部に露出するのは物体側の面12a
のみである。そして、この物体側の面12aは光拡散面
とはなっていないことから、手技や保管時に付着する汚
物やごみ等が、滅菌,消毒後に物体側の面12aに残留
することがなく、衛生上の問題は生じない。
では、1ケ加工と呼ばれる方法が採用されている。この
方法では、レンズ1枚毎に各面を研磨して仕上げるもの
であるため、レンズ製作にかかるコストは高くなる。し
かしながら、本実施例の照明光学系12は、球レンズと
呼ばれる母材からの切り出しによる製作が可能である。
そこで、本実施例の照明光学系12を球レンズから製作
すれば、球レンズは同一の工程で大量生産が可能なた
め、前記1ケ加工方法を採用するよりもコスト低減が図
れる。この球レンズからの切り出しによる方法で本実施
例の照明光学系12を製作する場合、特に大量に生産す
ることが必要とされる場合に、大幅なコストダウンを実
現でき、好都合である。
用いてレンズ表面の化学処理を行うことで、本実施例の
照明光学系12の拡散面12bにおける光の透過率を向
上させ、物体面へ導く照明光量を増加させることができ
る。また、かかる化学処理を行わずとも、プレス加工法
によりこの照明光学系12を製作すれば、同様の効果が
得られる。
8に示すように、側面12cを鏡面に仕上げてもよく、
また、図9に示すように、単ファイバーレンズにより構
成することもできる。このようにすることによって、拡
散面12bで乱反射した光線も物体面の視野内へ照射で
き、ライトガイド1の出射端面からの照明光を効率よく
利用できる。
示す光軸に沿う断面図である。本実施例の照明光学系1
3は、ライトガイド1の出射端面の前側に配置された、
2つの曲率面13a,13bを有する両凸レンズ1枚か
らなり、ライトガイド1の出射端面側の曲率面13bに
光拡散処理を施している。この照明光学系13では、パ
ワーを有する面が2面あるため、各面にパワーを分散さ
せることで物体面へ照射する光線を容易に制御できるこ
とになり、より広配光が得られる。また、この照明光学
系13のように各面にパワーを分散させることで、各曲
率面13a,13bの曲率半径を大きくすることができ
るため、特に曲率半径が1より小さい光学系が必要な場
合には加工性の向上が図れる。
示す光軸に沿う断面図である。本実施例の照明光学系1
4は、ライガイド1の出射端面側に凸面を向けて配置さ
れた凸メニスカスレンズ1枚からなり、ライトガイド1
の出射端面側の曲率面14bに拡散処理を施している。
本実施例の照明光学系14も、第2実施例に示したもの
と同様に、曲率面14a,14bを形成しパワーを分散
させることで、配光の制御や加工性の向上を図ってい
る。
示す光軸に沿う断面図である。本実施例の照明光学系1
5は、ライガイド1の出射端面側に凸面を向けて配置さ
れた平凸レンズ16と、平凸レンズ16の平面16aに
接するように配置した平行平板17とからなり、平凸レ
ンズ16の平面16aに光拡散処理を施している。この
照明光学系15では、平凸レンズ16の平面16aに光
拡散処理を施しているため、曲率面16bの面精度測定
に、通常のレンズの面精度検査を行うための光の干渉を
用いたニュートンリング測定を採用することができる。
このように、照明光学系15は特殊な検査工程を必要と
せず、通常のレンズと同様の検査方法を用いることがで
きるため、品質を確保する上でのコスト上昇を招くこと
はない。
る処理(光拡散処理)は、前述のようにフッ化水素水等
による化学反応を利用し、ガラス表面を溶かして行われ
る。ところが、一般に医療用内視鏡では挿入部は薬液に
よって消毒されるため、照明光学系の最も物体側にある
レンズもこの薬液にさらされることになる。そこで、こ
のレンズには、薬液による消毒や洗浄によってガラス表
面が化学変化を起こさないような耐酸性の強いガラス材
料が用いられる。そのため、照明光学系の最も物体側に
あるレンズのガラス材料には、耐酸性の強いガラス材料
であって、なお且つフッ化水素水等による光拡散処理が
行えるという条件を満たすことが必要となり、使用でき
るガラス材料は限定されてしまう。
17を平凸レンズ16の平面16a側(物体側)に配置
しているため、平行平板17のみを消毒や洗浄に用いら
れる薬液等に耐性を有する材料で形成すればよい。一
方、平凸レンズ16は、本実施例の照明光学系15の光
学性能を決定するための重要な役割を果たす部材である
が、平行平板17によって消毒や洗浄に用いられる薬液
等から保護されるため、必要な光学性能やレンズ加工
性、および光拡散処理の容易性を考慮して最良のガラス
材料を選択することができる他、低コスト化にも有利と
なる。
を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の照明光学系
18は、ライトガイド1の出射端面側に凸面を向けて配
置した平凸レンズ19と、平凸レンズ19の平面19a
に接するように配置した平行平板20とからなり、平凸
レンズの平面19a,曲率面19bにそれぞれ光拡散処
理を施している。この照明光学系18では、2つの面に
光拡散処理を施したことで、網目状となって現れる配光
ムラを防止するための光拡散効果を分散させることによ
って、各面での光の拡散率を減少させることができる。
このため、光拡散処理が施された面19a,19bでの
光の透過率を向上させ、ライトガイド1から導かれた照
明光の利用効率を向上させながら、配光ムラを防止する
ことができる。
ガイドの素線径は30μm前後のものが多いが、50〜
70μm程度のものが用いられる場合もある。図14
(a)に示すように、30μm程度の小径の素線を用い
たライトガイド21よりも、同図(b)に示すように、
50〜70μm程度の太径の素線を用いたライトガイド
22の方が、各繊維間隔が広くなり、光が導かれない領
域23の面積が大きくなって、実際に内視鏡用照明光学
系に用いた場合に網目状の配光ムラが目立つようにな
る。このようなライトガイド22を内視鏡用照明光学系
に用いた場合、光拡散面を1面設けただけでは、その光
拡散面の光の透過率を30%程度にしないと、配光ムラ
を回避することはできない。しかし、光の透過率が低く
なると、光拡散面において光の乱反射が多量に発生し
て、内視鏡の視野内へ導かれる照明光が激減し、内視鏡
の観察画面全体が非常に暗くなってしまう。
は、光拡散面を2面備えているため、各光拡散面で段階
的に光を拡散させることができるため、各光拡散面にお
ける光の透過率を落とすことなく、網目状の配光ムラが
生じるのを防止することが可能になる。さらに、この照
明光学系18では、図8や図9に示したものと同様に、
平凸レンズ19と平行平板20の側面をそれぞれ鏡面仕
上げにするか、または平凸レンズ19と平行平板20を
単ファイバーで構成することで、乱反射した光線も観察
視野内へ導くことができ、光線の利用効率を向上させる
ことができる。
を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の照明光学系
24は、ライトガイド1の出射端面側に凸面を向けて配
置した平凸レンズ25と、平凸レンズ25の平面25a
に接するように配置した平行平板26からなり、平行平
板26の平凸レンズ25側の面26aに光拡散処理を施
している。この照明光学系24に用いられる平凸レンズ
25は、通常の平凸レンズ25と何ら変わらないため、
レンズの芯取りが精度よくできるという加工性上の利点
がある。
散処理を施しているが、例えばこの光拡散処理を砂目面
を形成することにより行うとすると、照明光学系24を
製作する工程を簡易化できる。すなわち、図16に示す
ように、まず、砂目面が形成された1枚の大きな平板2
7を製作した後、この平板27から微小な平板26を切
り出すことによって、本実施例の照明光学系24に用い
る平行平板26が容易に得られる。このようにすること
により、少ないレンズの加工工程で大量に砂目面が形成
された平行平板26を製作することができ、照明光学系
24の生産コストを低減することができる。
を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の照明光学系
28は、ライトガイド1の出射端面側に凸面を向けて配
置した平凸レンズ29と、平凸レンズ29の平面29a
に接するように配置した平行平板30からなり、平行平
板30の平凸レンズ29側の面30aに光拡散処理を施
している。また、この照明光学系28では、図18に示
すように、ライトガイド1の出射端面側を前側、物体側
を後側としたとき、照明光学系28の後側焦点位置fb
が照明光学系28の内部にくるように平行平板30を厚
く形成している。
等の固体撮像素子は、その受光素子の光入射側前面にア
レイレンズを搭載することで感度の向上を図っている。
このような撮像素子を用いた内視鏡では低出力の光源装
置を用いても、十分な明るさの観察像が得られ、光源装
置の安値化が図れる。
従来の固体撮像素子を用いた内視鏡では、十分な明るさ
の観察像を得るためには、大出力の光源装置を用いる必
要がある。この場合、照明光学系に凸レンズ系を用いる
と、ライトガイドから出射した光線は収斂するため、図
18に示したように、集光点を光学系の内部に置くこと
で、熱による患部への影響を避けることができる。
ンズは、加工が非常に困難である。しかし、本実施例の
照明光学系28を構成する平凸レンズ29は、図19に
示すように、球レンズ31から切り出して製作すること
が可能であることから、加工は非常に容易である。しか
しながら、この平凸レンズ29のみでは、図18に示し
たような後側焦点位置fbを照明光学系28の内部に配
置することはできない。したがって、本実施例では平凸
レンズ29と平行平板30で照明光学系28を構成する
ことによって、照明光学系28の内部に後側焦点位置f
bを配置できるようにした。
系に関する各種数値データを示す。
2 ,・・・・は各レンズ面等の曲率半径、d1 ,d2 ,・・・・
は各レンズ等の肉厚またはそれらの間隔、n1 ,n2 ,
・・・・は各レンズの屈折率、ν1 ,ν2 ,・・・・は各レンズ
のアッベ数を示している。
8において、平行平板30の面30aに光拡散処理を施
した場合と光拡散処理を施さない場合との配光特性を実
測値によって比較した相対強度を示すグラフである。な
お、光拡散処理を施した場合と施さない場合の配光特性
は殆ど一致しているため、図20では一本の線となって
いる。このグラフから、平凸レンズ29により得られる
光学性能を光拡散面が阻害することはなく、すなわち配
光特性は光拡散面の有無に何ら影響を受ないことが分か
る。また、物体面上の観察視野内へ導かれる照明光の利
用効率は、光拡散面がない場合と比較して、約10%程
度の劣化が生じるのみであり、網目状の配光ムラは実用
上問題ないレベルにまで改善されることが分かる。
に示すように、ライトガイド1の出射端面側に凸面を向
けて配置した厚い1枚の平凸レンズ32のみで構成し、
その曲率面32aに光拡散処理を施してもよい。このよ
うに構成することで、図18に示したものと同様に、照
明光学系内部に後側焦点位置を配置することができる。
但し、図21に示す照明光学系の場合、球レンズ母材か
ら製作することは不可能であるため、プレス加工により
光拡散処理を施し、製作する方法を用いる。また、図2
1に示した照明光学系は、図22に示すような簡易構成
の金型33,34を用いることで大量生産が可能になる
ため、生産コストを低く抑えることができる。
いて、本実施例の照明光学系と同様に集光位置をレンズ
系内部に設ける旨の記載があるが、具体的な方法論等の
詳細は何ら示されていない。
を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の照明光学系
35は、ライトガイド1の出射端面側に凸面を向けて配
置した平凸レンズ36と、平凸レンズ36の平面36a
に対して間隔を有するように配置した平行平板37によ
り構成し、平行平板37の平凸レンズ36側の面37a
に光拡散処理を施している。
浄に使われる薬液等が内視鏡内部へ流入するのを防止す
るため、十分な水密性を保つ必要がある。したがって、
図24に示すように、十分な水密性を確保するため、通
常組み立て時に、図中矢印で示す物体側から接着材38
を流し込み、平凸レンズ36,平行平板37とレンズ枠
39との間を接着剤38で埋める必要がある。この際、
接着剤38が粘性の弱いものであった場合、平行平板3
7の肉厚が非常に薄いとライトガイド1の出射端面側へ
向けて接着剤38が必要以上に流れ込んでしまう。も
し、平凸レンズ36と平行平板37が密着していると、
毛細管現象により面36aと37aとの間の光軸中心の
近傍(図中、Aで示す範囲)まで接着剤38が流れ込ん
でしまうことになる。こうなると、平行平板37に形成
された光拡散面の主要部分が接着剤38で覆われてしま
い、もはや光拡散面としての効果を発揮できなくなって
しまう。また、接着剤38が耐熱性を備えたものでない
場合には、ライトガイド1からの光により接着剤38が
焼けてしまうことがある。
実施例の照明光学系35では、平凸レンズ36と平行平
板37との間に間隔を設けた構成を採用した。このよう
にすることで、レンズ面へ接着剤が流れ込むのを回避す
ることができる。
隔を設ける具体的な方法としては、図25に示すよう
に、平凸レンズ36と平行平板37との間に間隔管40
を配置することが考えられる。また、図26に示すよう
に、間隔管40をレンズ枠と一体化させてもよい。さら
に、他の方法を用いることもできる。また、図27に示
すように、平凸レンズに代えて両凸レンズ41を用いる
ことで、間隔管を配置するのと同様の効果が得られる。
なお、これら何れの方法を用いる場合にも、接着剤は耐
熱性があり、粘性の強いものを用いることが好ましい。
学系では、全て凸レンズを採用しているため、例えば図
25に示すように、ライトガイド1からの出射光は収斂
し、面36aおよび面37a付近では殆ど光線がレンズ
周辺部に到達しないため、この部分に多少接着剤が回り
込んでも、実用上の問題はない。
を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の照明光学系
42は、平凸レンズ43,44を用い、両レンズの平面
43aと平面44aを密着させて配置し、平凸レンズ4
3の曲率面43bに光拡散処理を施したものである。な
お、耐熱性の接着剤を用いることが可能な場合には、両
レンズ43,44を接合してもよい。この照明光学系4
2は、曲率面43b,44bを備えパワーを分散させて
いるため、各曲率面43b,44bの曲率半径を大きく
することが可能になる。よって、レンズの加工性を向上
させつつ、広い配光が得られる。また、この照明光学系
42を構成する平凸レンズ43,44は、球レンズ母材
から切り出すことにより形成できるので、生産コストを
低減できる。なお、本実施例の照明光学系42におい
て、光拡散処理を施す面は、最も物体側に位置する面4
4b以外の面であればどの面に施してもよく、また複数
の面に施してもよい。
9に示すように、平凸レンズ43とと平凹レンズ45と
を組合せて構成してもよい。但し、照明光学系42全体
として正のパワーを備えている必要がある。
を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の照明光学系
46は、両凸レンズ47とライトガイド1の射出端面側
に凸面を向けて配置した平凸レンズ48からなり、平凸
レンズ48の曲率面48aに光拡散処理を施している。
この照明光学系46では、曲率面47a,47b,48
aの3面がパワーを有しているため、観察系の視野角が
130°以上の内視鏡に使用しても、十分な配光が得ら
れる。また、両凸レンズ47と平凸レンズ48の2枚の
レンズを用いているため、図31に示すように、後側焦
点位置fbを照明光学系46の内部に配置することが容
易であり、高出力の光源との組み合わせにも適してい
る。
も、凸レンズ2枚を用いることでレンズのパワー配置を
工夫し、配光ムラを防止している光学系が示されてい
る。しかし、この光学系は結像光学系であるため、配光
ムラを完全に除去することは難しい。これに対して、本
実施例の照明光学系46では、2枚の凸レンズを備え、
且つ光拡散面を形成しているので、広配光が得られると
共に、網目状となって現れる配光ムラを防止できる。
を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の照明光学系
49は、凸面をライトガイド1の出射端面側に向けて配
置した2枚の平凸レンズ50,51と、平凸レンズ51
の平面51aに接するように配置した平行平板52から
なっている。そして、平行平板52の平凸レンズ51側
の面52aに光拡散処理を施している。このように、本
実施例の照明光学系49では、凸レンズ2枚を備え且つ
光拡散面を光学系の内部に配置したことにより、広配光
が得られると共に、物体面上に網目状となって現れる配
光ムラを防止できる。また、光拡散面を平行平板に形成
したことで、凸レンズは通常の加工方法および検査が行
え、また光拡散面が平行平板にあることよりこの平行平
板(光拡散板)も大量生産に向いている。
拡散面を凸レンズ面に形成してもよい。このような構成
を採用した場合でも、光拡散面が内視鏡の外表面に出な
いため、光拡散面を形成する凸レンズの材質にはより配
光性能やレンズ加工性を高めることが可能なものを選択
できる。
を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の照明光学系
53は、凸面をライトガイド1の出射端面側に向けて配
置した平凸レンズ54と、平凸レンズ54の平面54a
に接するように配置した平行平板55と、凸面をライト
ガイド1の出射端面側に向けて配置した平凸レンズ56
からなっている。そして、平行平板55の平凸レンズ5
4側の面55aに光拡散処理を施している。
レンズと光拡散面を備えたことにより、広配光が得られ
ると共に、物体面上に網目状となって現れる配光ムラを
防止できる。また、光拡散面を平行平板に設けたこと
で、凸レンズは通常の加工方法および検査が行える。光
拡散面が設けられている平行平板も大量生産に向いてい
る。また、光拡散面が内視鏡の外表面に出ないことにな
るため、凸レンズの材質にはより配光性能やレンズ加工
性を高めることが可能なものを選択できるため、好都合
である。
を示す光軸に沿う断面図である。本実施例の照明光学系
57は、ライトガイド1の出射端面側に凸面を向けて配
置した平凸レンズ58と、平凸レンズ58の平面58a
に接するように配置したプリズム59からなっている。
そして、平凸レンズ58の平面58aに光拡散処理を施
している。
照明光学系は、図35に示すように、ライトガイド1を
観察方向へ屈曲させ、照明レンズとしての凹レンズ2が
用いられている。しかしながら、この構成では、ライト
ガイド1を屈曲させているため、組み立て時にライトガ
イド1を形成している素線が折れ易いという問題があ
る。また、凹レンズ2を使用しているため、レンズの外
径が大きくなり、内視鏡の挿入部が太径化するという問
題もある。
系57では、平凸レンズ58を用いているため光学系の
細径化が可能になる。また、プリズム59を用い光軸を
曲げることによって、斜視や側視用の内視鏡において、
小型でありながらも視野周辺まで良好な配光が得られ
る。また、ライトガイド1を屈曲させる必要がないた
め、ライトガイド1を形成する素線の折れも回避でき
る。
明光学系は、特許請求の範囲に記載の特徴と併せ、以下
(1) 〜(17)に示すような特徴も備えている。
形成したことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに
記載の内視鏡用照明光学系。
とを特徴とする請求項1ないし3何れかに記載の内視鏡
用照明光学系。
とを特徴とする請求項1ないし3または前記(1),(2) の
何れかに記載の内視鏡用照明光学系。
ことを特徴とする請求項1ないし3または前記(1),(2)
の何れかに記載の内視鏡用照明光学系。
ることを特徴とする請求項1ないし3または前記(1),
(2) の何れかに記載の内視鏡用照明光学系。
なることを特徴とする請求項1ないし3または前記(1),
(2) の何れかに記載の内視鏡用照明光学系。
の何れかに記載の内視鏡用照光学系において、ライトガ
イドの出射端面側を前側とし、物体側を後側としたと
き、前記照明光学系の後側焦点位置が光学系内部にある
ことを特徴とする内視鏡用照明光学系。
る請求項1,2または前記(3) ないし(7) の何れかに記
載の内視鏡用照明光学系。
る請求項1,2または前記(3) ないし(7) の何れかに記
載の内視鏡用照明光学系。
けて配置した平凸レンズ1枚からなりることを特徴とす
る請求項1または前記(3) ないし(7) の何れかに記載の
内視鏡用照明光学系。
1枚の凸レンズと1枚の平行平板からなることを特徴と
する請求項1,3または前記(2) ないし(9) の何れかに
記載の内視鏡用照明光学系。
1枚の平凸レンズと1枚の平行平板からなることを特徴
とする請求項1,3または前記(2) ないし(9) の何れか
に記載の内視鏡用照明光学系。
けて配置した2枚の平凸レンズからなることを特徴とす
る請求項1,3または前記(2) ないし(9) の何れかに記
載の内視鏡用照明光学系。
る請求項1ないし3または前記(1)ないし(13)の何れか
に記載の内視鏡用照明光学系。
求項1ないし3または前記(1) ないし(13)の何れかに記
載の内視鏡用照明光学系。
学系を構成する光学部材とが接していることを特徴とす
る請求項1ないし3または前記(1) ないし(15)の何れか
に記載の内視鏡用照明光学系。
徴とする請求項1または前記(1) ないし(7) の何れかに
記載の内視鏡用照明光学系。
明光学系は、細径の内視鏡に用いるのに好適であり、小
型で、配光ムラもなく、広い視野範囲にわたって明る
く、且つ光量ロスの少ない良好な配光特性が得られる。
光軸に沿う断面図である。
ための図である。
ための図である。
の構成を示す図である。
とによって形成された光拡散面の構成を示す図である。
光透過率(a)と、研削研磨加工により形成された後に
化学処理が施された光拡散面の光透過率(b)を示すグ
ラフである。
を示す光軸に沿う断面図である。
示す図である。
示す図である。
成を示す光軸に沿う断面図である。
成を示す光軸に沿う断面図である。
成を示す光軸に沿う断面図である。
成を示す光軸に沿う断面図である。
図である。
成を示す光軸に沿う断面図である。
明するための図である。
成を示す光軸に沿う断面図である。
明するための図である。
凸レンズの製作方法を説明するための図である。
理が施された平行平板を用いる場合とそれを用いない場
合との配光特性を実測値によって比較した相対強度を示
すグラフである。
例を示す図である。
平凸レンズを製作するための金型の例を示す図である。
成を示す光軸に沿う断面図である。
に組み込む手順を説明するための図である。
ンズ枠に組み込んだ状態を示す図である。
例を示す図である。
例を示す図である。
成を示す光軸に沿う断面図である。
例を示す図である。
構成を示す光軸に沿う断面図である。
説明するための図である。
説明するための図である。
説明するための図である。
説明するための図である。
照明光学系の構成を示す光軸に沿う断面図である。
に沿う断面図である。
に沿う断面図である。
の図である。(b)は従来の内視鏡用照明光学系の構成
を示す光軸に沿う断面図である。(c)は(b)に示し
た内視鏡用照明光学系における配光ムラの状態を示す図
である。
の構成を示す光軸に沿う断面図である。
に沿う断面図である。
に沿う断面図である。
に沿う断面図である。
4,48,50,51,54,56,58 平凸レンズ 4 物体面 5 単ファイバー 6,12,13,14,15,18,24,28,3
5,42,46,49,53,57 照明光学系 7 光拡散体 8 砂目 9 拡散板 11 光学系 11a,12b 光拡散面 12a,26a,30a,37a,51a,55a 面 12c 鏡面 13a,13b,14a,14b,16b,19b,3
2a,43b,44a,47a,47b,48a 曲率
面 16a,19a,25a,29a,36a,43a,4
4a,51a,54a,58a 平面 17,20,26,30,37,52,55 平行平板 23 光が導かれない領域 27 平板 31 球レンズ 33,34 金型 38 接着剤 39 レンズ枠 40 間隔管 41,47 両凸レンズ 45 平凹レンズ 59 プリズム
Claims (3)
- 【請求項1】 光源装置からの光を物体側へ導くライト
ガイドファイバーの出射端側に配置される内視鏡用照明
光学系であって、 該照明光学系を構成する光学部材のうち、最も物体側の
面を除く少なくとも1面以上を光拡散面として構成し、
且つ全体で正のパワーを備えたことを特徴とする内視鏡
用照明光学系。 - 【請求項2】 平行平板と正のパワーを有するレンズに
より構成したことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡
用照明光学系。 - 【請求項3】 全て正のパワーを有するレンズのみで構
成したことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用照明
光学系。
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