JP4147037B2 - 照明システムおよびそれを有する内視鏡 - Google Patents

照明システムおよびそれを有する内視鏡 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体腔内を観察、処置等するために利用される医療用内視鏡や配管内部を検査、修理等するために利用される工業用内視鏡において、観察部位を照明するための照明システムおよびそれを有する内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡観察においては、観察部位を照明するための照明システムが必要であり、内視鏡本体には、内視鏡本体と一体または別体の光源装置からの光を内視鏡先端部まで伝える為の光ファイバー束が設けられている。光源装置内には、光源ランプと光源ランプからの光の配光具合をコントロールする光学系を有する光源部分と、光源ランプを発光させる為の電源(電池)等が含まれる。内視鏡本体に光源装置を一体に備えるタイプの内視鏡は、それらを外部に有し内視鏡本体と更にフレキシブルな光ファイバー束等で結ばれるタイプの内視鏡と区別されて、特に携帯内視鏡と呼ばれることがある。
【0003】
携帯内視鏡の利便性、操作性の向上、あるいは消費電力の削減を図るため、光源装置の小型化、省電力化が要求されており、近年では、携帯内視鏡の光源ランプとして発光ダイオード(LED)などの小型省電力光源ランプの採用が必須である。
【0004】
小型光源を使用した場合、観察部位に光を十分照射させるため、光源から放射される光をできるだけ効率よく集光させて光ファイバー束の入射面に入射させる必要がある。照明光の光量損失を抑える構成として、2つ以上の光学部品(例えば2個以上のレンズや1つの凹面鏡と1つ以上のレンズの組み合わせ)から成る集光光学系を所定の条件式を満たすように配置する構成が知られている(特開2000−10021号参照)。また、できるだけ多くの光を入射面に入射させるため、集光光学系を設ける代わりに複数のLEDを入射面に向けて配置する構成も知られている(例えば、特開2001−78961号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
集光光学系として2つ以上の光学部品を使った場合、光源装置の小型化、ローコスト化が不十分となる。また、複数のLED光源を配置した場合、光源装置の小型化実現が困難となり、また、光ファイバー束の開口数(NA)の制限から光ファイバー束を伝わっていくことのできない光が多くなり、集光効率が悪化する。
【0006】
そこで本発明では、簡素な構成によって光源からの光を効率よく集光させることができる照明システムおよびそれを有する内視鏡を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の照明システムを有する内視鏡は、観察部位へ光を照射するため光を発光する光源ランプと、光ファイバー束によって構成され、光源からの光を観察部位へ伝達するライトガイドと、光源ランプとライトガイドの入射端との間に設けられ、光源ランプからの光をライトガイドの入射端へ集光させる集光光学系とを備える。光源ランプとしては、消費電力の抑制、光源システムの小型化を考慮して、例えば発光ダイオード(LED)などの小型光源が適用可能である。集光光学系の近軸焦点距離は光源システムの小型化を考慮して、以下の式を満たすように規定される。ただし、近軸焦点距離をf(単位はミリ:mm)で表す。
4.5<f<7.0 ・・・・・(1)
【0008】
本発明の携帯内視鏡は、以下の式を満たすように、光源、集光光学系およびライトガイドが構成、配置されている。
|(d+SA(ω))× tanω|<h ・・・・・(2)
( −30°≦ ω ≦ 30°)
ただし、入射端から近軸焦点距離と光源ランプの集光光学系に対する位置とに従って定められる近軸像面までの距離をd(mm)、入射端への光の入射角をω、集光光学系の構成および入射角に従って定められる球面収差の量をSA(ω)(mm)、入射端の半径をh(mm)と表す。入射角ωは、集光光学系における光の射出角に相当する角度であり、集光光学系の光軸に対する角度である。ライトガイドの入射端付近におけるライトガイド中心は、光軸上にあるものとする。ここでは、球面収差は、入射端への入射角度ωそれぞれの結像位置に対する近軸像面からの距離を球面収差として規定する。
【0009】
内視鏡で使用されるライトガイドの開口数(NA)はたいてい入射角30°以下に応じた値であることから、30°以下で入射する光を漏れることなく取り込むことが望ましい。集光光学系を球面のみで構成すると球面収差が生じており、集光光学系から射出する光は光軸上において1点(近軸像点)に集まらず、結像位置がずれる。球面収差によってライトガイドの入射端へ入射しない光、あるいは球面収差によって開口数NAの限度を超えて入射する光が生じた場合、光源からの光を十分取り込むことができずに光量損失を招き、観察部位を十分照明できない。特に、光源として発光ダイオードなど単独では発光量の少ない小型光源を使用する場合、光量損失は大きな問題となる。一方、集光光学系に非球面を導入すれば、球面収差はある程度補正することが可能であり、光量損失を防止するという観点からは球面収差をできるだけゼロに補正することが好ましい。しかし、球面収差を補正し過ぎた場合、レンズの中心部と周辺部の形状変化があまりにも激しくなり、製造することが困難になったり、製造時のレンズ偏心による性能劣化が著しくなるという問題点が発生する。実際問題、球面収差をそこまで補正する必要はなく、むしろ、球面収差の発生量を考慮して照明システム全体のバランスを取ることが重要である。本発明では、(2)式を満たす光源システムが構成されている。すなわち、球面収差によって入射端への入射角ωに応じて、光軸上での結像位置が異っていても、所定範囲(半量30°以下)の角度で集光光学系から射出した光はすべて、ライトガイドの入射端へ入射し、ライトガイド内を伝わっていく。その結果、本願の照明システムを有する内視鏡の使用においても観察部位に光が十分照射され、オペレータは鮮明な光学画像を観察することができる。
【0010】
携帯内視鏡のような集光光学系の配置スペースの制限が厳しい場合には、集光光学系は、1枚の光学レンズから構成されることが望ましい。これにより、簡素な構成による光源システムを携帯内視鏡内に設けることができる。レンズ形状に関しては、球面、非球面形状の凸レンズどちらを適用させてもよい。
【0011】
光源としては、消費電力を抑えながら光源から放射される光を十分取り込むため、放射角に関して光の指向性の強いレンズ付き電球を用いることが好ましい。より具体的には砲弾型の発光ダイオード単一で光源を構成すると消費電力を抑えてある程度の光量が得られ、指向性も高く、小型化にも有利である。しかしながら、発光ダイオードを使用した場合においても平行光、収束光が射出されるのではなく、光は発散する。光源装置の小型化要求を満たしながら光量損失を抑えるため、集光光学系は発光ダイオードの近傍に配置させるのが好ましい。近傍に配置することにより、集光光学系の径を大きくすることなく発光ダイオードから放射される光を入射端に向けて屈折させることができる。
【0012】
発光ダイオードの放射角が30°に近い場合、球面レンズでは集光効率が悪くなる。したがって、集光光学系は、球面収差をある程度抑えるため、少なくとも一面に非球面を有する1枚の非球面レンズであることが望ましい。この場合、非球面量が以下の式を満たすように非球面形状を形成するのがよい。
0.000055x4+0.00006x6 ≦ dS
dS ≦ 0.0048x4+0.00006x6 ・・・(3)
ただし、xは光軸からの高さ(単位はmm)、dSは高さxにおける非球面量(mm)を表す。非球面量dSは、任意のxにおける近軸球面と非球面との光軸方向に沿った差を表す。具体的には、非球面レンズの光軸における曲率半径によって球面形状を規定した場合、高さxにおける球面形状の座標位置と非球面形状の座標位置との差(距離)として定義される。非球面量dSの符号は、近軸曲率半径の緩くなる方向を正とする。
【0013】
非球面量dSが小さ過ぎると、光軸から離れた距離を通る光に関して球面収差が大きくなり、ライトガイドの開口数の制限を超えた角度で光が入射してしまい、ロスが発生する。一方、非球面量dSが大き過ぎると、入射端における光のスポットが広がり、効率よく集光できない。(3)式の下限値、上限値の範囲内に非球面量が定められるように非球面形状を形成することにより、光を効率よく、またムラ無く集光させることができる。
【0014】
さらに、光を効率よく集光させるため、非球面レンズのサグ量Sxが以下の式を満たすことが望ましい。
0.09<Sx/(f×(x−1.2))<0.2 (x>2) ・・(4)
【0015】
(4)式の下限値以下になる場合、光軸から離れた場所を通る光は大きく屈折されてしまい、光の入射角が大きくなる。一方、(4)式の上限値以上になった場合、入射端における光のスポットが広がってしまい、効率よく集光できない。(4)式を満たすようにサグ量、すなわち非球面形状を形成することにより、光を効率よく集光させることができる。
【0016】
本発明の照明システムは、観察部位へ光を照射するため光を発光する光源ランプと、光ファイバー束によって構成され、光源からの光を観察部位へ伝達するライトガイドと、光源ランプとライトガイドの入射端との間に設けられ、光源からの光をライトガイドの入射端へ集光させる集光光学系とを備え、入射端から近軸焦点距離と光源ランプの集光光学系に対する位置とに従って定められる近軸像面までの距離をd(mm)、入射端への光の入射角をω、集光光学系の構成および入射角に従って定められる球面収差の量をSA(ω)(mm)、入射端の半径をh(mm)と表した場合、次式を満たすことを特徴とする。
|(d+SA(ω))× tanω|<h ・・・・・(5)
すなわち、球面収差によって入射角および結像位置が異なる集光光学系の通過光が漏れることなく入射端へ入射してライトガイド内を伝わっていくように、集光光学系が構成および配置されていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下では、図面を参照して、本発明の実施形態である照明システムを備えた携帯内視鏡について説明する。
【0018】
図1は、本実施形態である携帯内視鏡の概略的概観図である。
【0019】
携帯内視鏡10には、オペレータが保持する剛性の操作部11と、操作部11と一体的に繋がった可撓性の挿入部12とが備えられており、検査、処置等を行う場合、オペレータは操作部11を保持し、挿入部12を体内へ挿入する。操作部11には、観察用の接眼部13と電池内蔵の光源ユニット20とが設けられている。発光ダイオード(Light Emitting Diode、ここでは図示せず)を有する光源ユニット20は着脱自在に操作部11に取り付けられており、ナット23を回転させることにより装着部14から取り外すことが可能である。
【0020】
携帯内視鏡10内には、発光ダイオードから放射される光を挿入部12の先端部18まで伝達するための光ファイバー束であるライトガイド(ここでは図示せず)と、観察部位の画像を光学的に伝達するための光ファイバー束であるイメージガイド(図示せず)が設けられており、ライトガイドは装着部14から先端部18まで延びており、イメージガイドは先端部18から接眼部13まで延びている。発光ダイオードから放射された光は、ライトガイドを伝って先端部18から射出し、これにより観察部位に光が照射される。観察部位において反射した光は、先端部18内に設けられた対物レンズ(図示せず)を介してイメージガイドの端面に入射する。そして、観察部位の光学画像がイメージガイドを介して接眼部13へ伝達される。これにより、オペレータは接眼部13を通して観察部位の画像を確認することができる。
【0021】
図2は、光源ユニット20と装着部14における内部構造を示した図である。
【0022】
光源ユニット20には発光ダイオード22が取り付けられており、装着部14内には集光レンズ24が設けられている。光源ユニット20が装着部14に接続されると、発光ダイオード22から放射される光は、凸レンズである集光レンズ24を介してライトガイド26の入射端26Aに入射する。発光ダイオード22は、先端部に半球状レンズ22Bを備えた砲弾型の発光ダイオードであり、半球状レンズ22B内に発光素子(図示せず)が設けられている。また、ライトガイド26の断面形状は実質的に円であり、集光レンズ24の光軸Eが入射端26A近傍におけるライトガイド26の中心軸を通る。本実施形態では、光軸Eがライトガイド26の中心軸、発光ダイオード22の発光中心通るように、発光ダイオード22および集光レンズ24およびライトガイド26が位置決めされている。
【0023】
発光ダイオード22の配光特性(光の放射方向特性)に関しては、指向性が強いために中心強度が高い。光軸Eからおよそ30度までの放射光によって、発光ダイオード22から放射される光のほぼ全光量がカバーされる。集光レンズ24は、光軸Eからの放射角度が大きい光をできるだけ取り込むため、発光ダイオード22の近傍に配置されている。光軸Eから所定の角度で放射された光は、凸レンズである集光レンズ24において屈折され、入射端26Aに向かって進む。ライトガイド26の開口数(NA)は入射角30度の光を取り込めるように定められており、集光レンズ24のパワー(屈折力)は、発光ダイオード22からの光が光軸Eからの射出角30°以下で入射端26Aに向けて射出するように定められている。したがって、発光ダイオード22から放射される光は、ほぼ集光レンズ24を介して入射端26Aへ入射する。
【0024】
図3は、入射端26Aへ入射する光とその入射角度に従った球面収差とを示した図である。
【0025】
集光レンズ24の位置に従って近軸像点O、近軸(ガウス)像面GPを規定した場合、入射角ωで入射する光に対し、近軸像点GPからの球面収差SA(ω)が生じる。ただし本実施形態では、入射端26Aへの入射角度ωそれぞれに対する近軸像面GPからの収差量を、球面収差として規定する。発光ダイオード22から所定の角度で放射された光は、集光レンズ24の曲面形状および屈折率に従い、集光レンズ24から所定の射出角、すなわち所定の入射角ωで入射端26Aに入射する。図3には、所定の入射角ωに対する球面収差SA(ω)が曲線Sによって表されており、入射角ωが大きいほど球面収差SA(ω)の量が増加する。
【0026】
本実施形態では、集光レンズ24の近軸焦点距離f(mm)は以下の式を満たすように定められる。
4.5<f<7.0 ・・・・・(6)
この近軸焦点距離fの範囲は、携帯内視鏡10における装着部14(光源部分)のスペースおよび開口数NAの条件に従って定められている。上限値(=7.0)を超えた場合、入射端26Aにおける光のスポットが広がって集光レンズ24からの射出光を十分取り込むことができず、また、近軸焦点距離が長くなることにより光源部の構成を小型化することができない。一方、下限値(=4.5)を超えた場合、近軸焦点距離が短すぎることにより集光レンズ24からの光の射出角が開口数NAを超えてしまい、光を十分取り込むことが出来ない。
【0027】
さらに、本実施形態では、以下の式を満たすように集光レンズ24が配置されている。
|(d+SA(ω))×tanω|<h ・・・・・・(7)
ただし、( −30°≦ ω ≦ 30°)
ただし、入射端26Aから近軸像面GPまでの光軸Eに沿った距離(以下では、近軸像面距離という)をd、入射端26Aの半径(以下では、入射端半径という)をhとして表す。
【0028】
(7)式は、集光レンズ24の球面収差SA(ω)を考慮し、集光レンズ24からの射出角、すなわち光の入射角ωが30°以下の光がすべてライトガイド26を伝わっていくための条件式である。例えば、入射角ω0で光が入射端26Aに入射する場合、|(d+SA(ω0)×tanω0|の値は入射端26Aの半径h以下となる(図3参照)。集光レンズ24は、(7)式の条件の下、光軸Eに沿って所定の範囲(以下では、許容範囲という)内に配置される。
【0029】
このように第1の実施形態によれば、発光ダイオード22、集光レンズ24、ライトガイド26を備えた照明システムに関し、集光レンズ24の形状および配置が、(7)式を満たすように定められる。したがって、発光ダイオード22から放射した光は、光量損失することなく入射端26Aに入射し、ライトガイド26内を通って先端部18から射出する。
【0030】
本実施形態では、照明システムを独自に備えた携帯内視鏡が示されているが、他のファイバー照明装置に関しても同様の照明システムを適用させてもよい。すなわち、独自に光源を内蔵していないファイバスコープが接続される光源装置や、撮像素子を有するビデオスコープが接続されるプロセッサに対しても、同様の照明システムを適用させればよい。この場合、(6)式に示した近軸焦点距離fの範囲、および(7)式に示した入射角ωの角度制限は、光源、集光レンズのサイズ、ライトガイドの開口数および径の大きさなどに従って定めればよい。
【0031】
第1の実施形態では、携帯内視鏡内において発光ダイオードの近傍に単一の集光レンズを配置する簡素な構成が適用されているが、ライトガイド入射端の直前に集光効率を上げるため、テーパ付ロッドレンズなどの集光レンズ(以下では、付随集光レンズという)を設けてもよい。ライトガイドの径の太さが異なる場合、特に、径の太いライトガイドに合わせて構成されている照明装置に対して径の細いライトガイドを有するファイバスコープ(ビデオスコープ)が接続された場合、光量損失することなく効率よく集光させることができる。
【0032】
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態と異なり、効率よく光を集光させる形状を有する非球面レンズが適用される。
【0033】
図4は、第2の実施形態である非球面の集光レンズを示した図である。
【0034】
集光レンズ24’は、前側(発光ダイオード側)のみ非球面である前側片面非球面レンズである。集光レンズ24’の非球面形状は、サグ量を算出する次式によって表される。
Figure 0004147037
ただし、非球面形状の光軸E上での曲率をC、円錐係数をK、4次、6次成分の非球面係数をA4、A6として表す。集光レンズ24’における光軸Eからの高さをxとして表す場合、Sxは、高さxにおけるサグ量を示す。
【0035】
第2の実施形態の集光レンズ24’は、(6)、(7)式を満たすとともに、以下の条件式を満たす。
0.000055x4+0.00006x6 ≦ dS
dS ≦ 0.0048x4+0.00006x6 ・・・・(9)
ただし、dSは高さxにおける非球面量を表しており、高さxの単位をミリ(mm)で表す。非球面量dSは、集光レンズ24’の光軸E(近軸)における曲率半径R(=1/C)によって球面形状Uを規定した場合、高さxにおける球面形状の座標位置と集光レンズ24Aの非球面形状の座標位置との差(距離)として定義される(図4参照)。ここでは、光軸Eにおける曲率よりも曲率が緩くなる方向を正とする。また、
【0036】
非球面量dSが小さ過ぎると、光軸Eから離れた所を通る光に関して球面収差がアンダー側(負側)に大きくなり、ライトガイド26の開口数NAを超えた角度で光が入射する。一方、非球面量dSが大き過ぎると、入射端26Aにおける光のスポットが広がってしまい、効率よく集光できない。(9)式の下限値、上限値は、効率よく集光できる非球面形状の範囲を表す。
【0037】
さらに、集光レンズ24’は、以下の条件式を満たす。
Figure 0004147037
ここでも、高さxの単位はミリ(mm)で表される。
【0038】
(10)式の下限値以下になる場合、光軸Eから離れた場所を通る光が大きく屈折され、光の入射角ωがおおきくなってしまう。一方、(10)式の上限値以上になった場合、入射端26Aにおける光のスポットが広がってしまい、効率よく集光できない。
【0039】
このように第2の実施形態によれば、非球面レンズである集光レンズ24’の非球面形状は、(9)、(10)式を満たすように定められている。なお、第2の実施形態では、前側片面非球面レンズを集光レンズとしているが、後側(ライトガイド側)だけ非球面である後側片面非球面レンズ、あるいは両側非球面である両面非球面レンズを適用してもよい。両面非球面レンズの場合、非球面量は両面の非球面量を加算した値となる。
【0040】
【実施例】
以下では、集光レンズの実施例を示す。図5は第1の実施例である集光レンズを、図6は第2の実施例である集光レンズを、図7は第3の実施例である集光レンズを、図8は、第4の実施例である集光レンズを示した図である。図9は、第1〜第4の実施例の集光レンズが(9)式を満たすことを表すグラフを示した図であり、図10は、第1〜第4の実施例の集光レンズが(10)式を満たすことを表すグラフを示した図である。最初に、図5を用いて、第1の実施例である集光レンズについて説明する。
【0041】
図5に示す第1の実施例における集光レンズ24Aは、前側片面非球面レンズである。集光レンズの近軸焦点距離f=5.58mm、ライトガイド26Xの半径h=0.8mmであり、像面距離d=1.17mmと規定される。集光レンズ24A,発光ダイオード22”、ライトガイド26Xの構成、配置は、表1に示すように定められている。
【0042】
【表1】
Figure 0004147037
【0043】
表1では、発光ダイオード22”内の発光素子22A(第0面)、発光ダイオード22”の先端部(第1面)、集光レンズ24A(第2面、第3面)それぞれに対する曲率半径R、レンズ厚さ(もしくは集光レンズ24Aとの間隔)D、d線(588nm)での屈折率n、アッべ数ν、そして非球面形状に関する4次成分係数および6次成分係数が表されている。このような条件下において、球面収差SA(ω)は図5に示すような曲線S1となる。入射角ωそれぞれに対応する球面収差SA(ω)、(d+SA(ω))×tanωの値をそれぞれ表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 0004147037
【0045】
|(d+SA(ω))×tanω|の値は、いずれもh(=0.8mm)より小さい値であり、条件式(7)が満たされている。
【0046】
次に、図6を用いて、第2の実施例である集光レンズについて説明する。
【0047】
第2実施例である集光レンズ24Bも、第1実施例集光レンズ24Aと同様に前側片面非球面レンズである。集光レンズの近軸焦点距離f=5.93mm、ライトガイド26Yの半径h=0.6mmであり、像面距離d=3.04mmと規定される。集光レンズ24B,発光ダイオード22”、ライトガイド26Yの構成、配置は、表3に示すように定められている。
【0048】
【表3】
Figure 0004147037
【0049】
表3に示す条件下において、球面収差SA(ω)は図6に示すような曲線S2となる。入射角ωそれぞれに対応する球面収差SA(ω)、(d+SA(ω))×tanωの値をそれぞれ以下の表4に示す。|(d+SA(ω))×tanω|の値はいずれもh(=0.6mm)より小さい値であり、条件式(7)が満たされている。
【0050】
【表4】
Figure 0004147037
【0051】
次に、図7を用いて、第3の実施例である集光レンズについて説明する。
【0052】
第3実施例である集光レンズ24Cは、後側が非球面である後側片面非球面レンズである。近軸焦点距離f=5.85mm、ライトガイド26Zの半径h=0.6mmであり、像面距離d=3.00mmと規定される。集光レンズ24C,発光ダイオード22”、ライトガイド26Zの構成、配置は、表5に示すように定められている。
【0053】
【表5】
Figure 0004147037
【0054】
表5に示す条件下において、球面収差SA(ω)は図7に示すような曲線S3となる。入射角ωそれぞれに対応する球面収差SA(ω)、(d+SA(ω))×tanωの値をそれぞれ以下の表6に示す。|(d+SA(ω))×tanω|の値はいずれもh(=0.6mm)より小さい値であり、条件式(7)が満たされている。
【0055】
【表6】
Figure 0004147037
【0056】
次に、図8を用いて、第4の実施例である集光レンズについて説明する。
【0057】
第4実施例である集光レンズ24Dは、両面が非球面形状である両面非球面レンズである。集光レンズの近軸焦点距離f=6.61mm、ライトガイド26Wの半径h=0.5mmであり、像面距離d=1.00mmと規定される。なお、第4実施例では、ライトガイド26Wの直前に付随集光レンズ40が配置されていて、集光レンズ24Dと付随集光レンズ40との合成焦点距離f’=6.14mmである。集光レンズ24D,付随集光レンズ40、発光ダイオード22”、ライトガイド26Wの構成、配置は、表7に示すように定められている。
【0058】
【表7】
Figure 0004147037
【0059】
表7に示す条件下において、球面収差SA(ω)は図8に示すような曲線S4となる。入射角ωそれぞれに対応する球面収差SA(ω)、(d+SA(ω))×tanωの値をそれぞれ以下の表8に示す。|(d+SA(ω))×tanω|の値はいずれもh(=0.5mm)より小さい値であり、条件式(7)が満たされている。
【0060】
【表8】
Figure 0004147037
【0061】
次に、図9、図10を用いて、第1〜第4の実施例である集光レンズ24A〜24Dが、それぞれ(9)、(10)式を満たすことを示す。
【0062】
図9では、実施例1〜4の集光レンズ24A〜24Dの非球面量dSを示したグラフが表されており、0.5mm間隔によって高さxにおける非球面量が以下の表9に示されている。図9には(9)式の上限値および下限値がそれぞれ曲線M1、M2で示されており、集光レンズ24A〜24Dいずれもが(9)式を満たす。
【0063】
【表9】
Figure 0004147037
【0064】
図10では、実施例1〜4の集光レンズ24A〜24Dにおけるサグ量に関連する(10)式に示された値「Sx/(f×(x−1.2))」が表されている。図10には(10)式の上限値および下限値がそれぞれ曲線M3、M4で示されており、集光レンズ24A〜24Dに対する高さx(>2mm)での「Sx/(f×(x−1.2))」の値はいずれも(10)式を満たす。
【0065】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、簡素な構成によって光源からの光を効率よく集光させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態である携帯内視鏡の概略的概観図である。
【図2】携帯内視鏡の光源部分における概略的内部構成を示した図である。
【図3】集光レンズの球面収差とライトガイドに入射する光との関係を示した図である。
【図4】第2の実施形態である携帯内視鏡の光源部分における概略的内部構成を示した図である
【図5】第1の実施例である集光レンズを示した図である。
【図6】第2の実施例である集光レンズを示した図である。
【図7】第3の実施例である集光レンズを示した図である。
【図8】第4の実施例である集光レンズを示した図である。
【図9】第1〜第4の実施例である集光レンズの非球面量を表すグラフを示した図である。
【図10】第1〜第4の実施例である集光レンズのサグ量に関する値を表すグラフを示した図である。
【符号の説明】
10 携帯内視鏡
22 発光ダイオード(光源)
24、24’ 集光レンズ(集光光学系)
26 ライトガイド
26A ライトガイドの入射端
f 近軸焦点距離
d 像面距離
ω 入射角(射出角)
SA 球面収差
h 入射端の径の大きさ(入射端の半径)
dS 非球面量
Sx サグ量
GP 近軸像面

Claims (2)

  1. 観察部位へ光を照射するため光を発光する光源ランプと、
    光ファイバー束によって構成され、前記光源ランプからの光を前記観察部位へ伝達するライトガイドと、
    前記光源ランプと前記ライトガイドの入射端との間に設けられ、前記光源ランプからの光を前記ライトガイドの入射端へ集光させる集光光学系とを備え、
    前記集光光学系の近軸焦点距離をf(mm)、前記入射端から前記近軸焦点距離と前記光源ランプの集光光学系に対する位置とに従って定められる近軸像面までの距離をd(mm)、前記入射端への光の入射角をω、前記集光光学系の構成および前記入射角に従って定められる球面収差の量をSA(ω)(mm)、前記入射端の半径をh(mm)と表した場合、
    4.5<f<7.0
    および
    |(d+SA(ω))× tanω|<h ( −30°≦ω≦ 30°)
    を満たし、
    前記集光光学系が、1枚の光学レンズであって少なくとも一面に非球面を有するレンズであり、
    前記集光光学系の非球面量およびサグ量が、それぞれ以下の式を満たすことを特徴とする照明システムを有する携帯内視鏡。
    0.000055x 4 +0.00006x 6 dS
    dS ≦0.0048x 4 +0.00006x 6
    0.09<Sx/(f×(x−1.2))<0.2 (x>2)
    ただし、x(mm)は光軸からの高さ、dS(mm)は非球面量を表し、光軸からの高さx(mm)におけるサグ量をSx(mm)と表す。
  2. 前記光源ランプが単一の砲弾型の発光ダイオードであり、前記集光光学系が前記発光ダイオードの近傍に配置されていることを特徴とする請求項に記載の照明システムを有する携帯内視鏡。
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