JP2002182126A - ライトガイド用の照明光学系および内視鏡 - Google Patents

ライトガイド用の照明光学系および内視鏡

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JP2002182126A
JP2002182126A JP2000383577A JP2000383577A JP2002182126A JP 2002182126 A JP2002182126 A JP 2002182126A JP 2000383577 A JP2000383577 A JP 2000383577A JP 2000383577 A JP2000383577 A JP 2000383577A JP 2002182126 A JP2002182126 A JP 2002182126A
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light
optical element
optical system
convex
light guide
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Application number
JP2000383577A
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English (en)
Inventor
Takashi Miyano
俊 宮野
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Fujinon Corp
Original Assignee
Fuji Photo Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比べて高い製造技術を必要とせずに、
優れた配光特性を得ること。 【解決手段】 照明光学系30は、ライトガイドLGの
出射端側から順に、全体として平凸形状の光学素子31
と、2つの平凸レンズ32,33とを備えている。光学
素子31は、入射した光をその屈折率差によってコア3
1Aとクラッド31Bとの境界面34で全反射させる機
能を有している。照明光学系30の各光学要素がすべて
平凸形状となっているので、球面加工を行う面が少なく
なり、従来に比べて高い加工技術が必要とされずに製造
が容易となる。また、光の反射機能を有する光学素子3
1が、光学素子31の凸面での全反射が防止されるよう
な条件式を満たすように構成されているので、ライトガ
イドLGから出射された光の多くが照明光として無駄な
く使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明光を導くため
に利用されるライトガイド用の照明光学系、およびライ
トガイドによって導かれた照明光によって観察対象物を
照明して観察を行うのに利用される内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡は、主として、患者の体腔内の観
察を行うための医療用のものと水道管などの観察を行う
ための工業用のものとがある。内視鏡の観察対象となる
体腔内などは通常、暗所であるから、その観察を行うた
めには外部から照明を行う必要がある。内視鏡の照明手
段としては、ライトガイドを使用するのが一般的であ
る。ライトガイドは、多数の光学繊維(光ファイバ)を
束ねたものであり、一方の端部(入射端)から入射され
た照明用の光を、他方の端部(出射端)から出射するよ
うになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内視鏡にお
いては、照明範囲が大きく、かつ照明の配光分布が視野
の中心から周辺までできる限り平坦で照度むらが少ない
ことが望ましい。そこで、従来より、ライトガイドの出
射端にいろいろな光学部材を配置して、照明光を発散さ
せるとともに、配光の均一化を図る努力がなされてい
る。照明光を発散させるためには、凹レンズを用いる方
法と、凸レンズを組み合わせる方法とがある。凸レンズ
を組み合わせる方法では、レンズ系内で一旦照明光を集
光させてから発散させる。凸レンズを組み合わせた照明
光学系の例は、例えば本出願人による実開平2−140
519号公報に記載されている。この公報には、例えば
照明光学系を3つの正レンズで構成した例が記載されて
いる。
【0004】また、本出願人は、特開2000-37345号公報
において、ライトガイドの出射端側から順に、ガラスロ
ッドレンズと2つの凸レンズとを配設した構成の照明光
学系を提案している。ガラスロッドレンズは、中心部の
部材であるコアの周りにコアよりも屈折率の低いクラッ
ドを配設した構成にしている。また、ガラスロッドレン
ズの光の出射側の面は凸形状にして凸レンズの機能を持
たせている。ガラスロッドレンズを配置することによ
り、ライトガイドの出射端からガラスロッドレンズの周
辺部に入射した光が、その屈折率差によって全反射され
るため、ライトガイドからの光線を無駄なく使用でき、
光量の確保に効果がある。
【0005】ところで、このような構成において、ガラ
スロッドレンズの凸レンズ部分の屈折率が大きくなり、
その凸面の曲率半径が小さくなるほど、ライトガイドか
らの光が凸面で全反射しやすくなる。凸面で全反射しや
すい光線は、ガラスロッドレンズの側面近傍(クラッド
近傍)を光軸に平行に進む光線である。このような状態
では、一部の光が前方に出射されなくなり、出射効率が
悪化する。そこで、ガラスロッドレンズの凸レンズ部分
の構成は、できるだけ凸面での全反射が生じないような
構成にすることが望ましい。また、特開2000-37345号公
報記載の照明光学系は、2つの凸レンズのうちの一方の
レンズが両凸形状となっている。一方、内視鏡の光学系
に使用されるのは小径のレンズであるため、その球面の
研磨には非常に高度な加工技術を必要とする。特に、両
凸形状のレンズは、高度な加工技術を必要とする。その
ため、加工性の点では、照明光学系に両凸形状のレンズ
を使用しない方が有利である。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、従来に比べて高い製造技術を必要と
せず、優れた配光特性を得ることができるライトガイド
用の照明光学系および内視鏡を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるライトガイ
ド用の照明光学系は、ライトガイドの出射端側から順
に、側面部が光の反射機能を有すると共に、光の出射側
が凸レンズの機能を有し、全体として平凸形状に構成さ
れた光学素子と、平凸形状の第1および第2の凸レンズ
とを備えたものである。そして、光学素子が、 r≧nφ/2 ……(1) の条件式(1)を満足するように構成されたものであ
る。ただし、 r:光学素子の凸面の曲率半径(絶対値) n:光学素子の凸レンズ部分の屈折率 φ:光学素子において反射光が通過可能な部分の直径
【0008】本発明による内視鏡は、観察対象物を照明
するための照明手段と、この照明手段によって照明され
た観察対象物を観察するための観察手段とを備え、照明
手段として、ライトガイドと、このライトガイドの出射
端側に配設された照明光学系とを有し、照明光学系を、
上述の本発明によるライトガイド用の照明光学系で構成
したものである。
【0009】ここで、本発明によるライトガイド用の照
明光学系および内視鏡において、光学素子は、例えば、
相対的に高い屈折率を有するコア部材の周囲に、相対的
に低い屈折率を有するクラッド部材が配設されると共
に、光の出射側の端面が凸形状に形成された光学部材に
よって構成されるものである。また、光学素子は、側面
部において光の反射機能を有する光学部材と、光学部材
の一端に接着された凸レンズとで構成されていても良
い。
【0010】本発明によるライトガイド用の照明光学系
では、各光学要素がすべて平凸形状となっているので、
例えば両凸形状のものに比べて高い加工技術が必要とさ
れない。また、光学素子が、光の反射機能を有し、条件
式(1)を満たすように構成されているので、ライトガ
イドから出射された光の多くが照明光として無駄なく使
用される。
【0011】本発明による内視鏡では、本発明によるラ
イトガイド用の照明光学系によって優れた配光特性の照
明がなされるので、観察しやすい環境が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施の形態に係る内視
鏡の概略を示している。この内視鏡10は、操作者によ
って操作される手元操作部11と、この手元操作部11
の一端に連設され、観察対象部分に挿入される挿入部1
2とを備えている。挿入部12は、手元操作部側から順
に、軟性部12Aと、アングル部12Bと、先端硬質部
12Cとを有している。アングル部12Bは、先端硬質
部12Cを所望の方向に向けるためのものであり、手元
操作部11の操作に応じて湾曲させることが可能となっ
ている。
【0014】この内視鏡10は、また、手元操作部11
の他端に連設された軟性ケーブル13を備えている。軟
性ケーブル13には、光伝送用のケーブル14と、像伝
送用のケーブル15とが挿通されている。
【0015】光伝送用のケーブル14の内部には、多数
の光学繊維を束ねて構成されたライトガイドLG(図1
では図示せず)が挿通されている。ライトガイドLGの
一端(光の入射端)は、光源装置16に接続され、他端
(光の出射端)は、先端硬質部12Cにまで延在してい
る。光源装置16は、図示しないが、光源としてのラン
プとこのランプからの光をライトガイドLGの入射端に
集光するための集光用レンズとを含んで構成されてい
る。像伝送用のケーブル15は、いわゆる電子内視鏡
(ビデオ内視鏡)のように観察系がCCD(電荷結合素
子)などを用いて像の伝送を電子的に行うものである場
合には、電気的な信号線によって構成される。この場
合、ケーブル15を構成する信号線の一端は、図示しな
い信号処理回路に接続され、その信号処理後の映像が図
示しないモニタなどに出力される。また、光学式の内視
鏡のように像の伝送を光学的に行う場合には、像伝送用
のケーブル15は多数の光学繊維を束ねたイメージガイ
ドによって構成される。この場合、イメージガイドの一
端は、図示しない接眼光学系に光学的に接続され、イメ
ージガイドによって伝送された光学像が接眼光学系を介
して出力される。信号線またはイメージガイドの他端
は、先端硬質部12Cにまで延在している。
【0016】図2は、先端硬質部12Cの先端面の構造
を示している。先端硬質部12Cの先端には、観察窓2
1と、一対の照明窓22(22A,22B)と、処置具
導出口23と、ノズル24とが設けられている。処置具
導出口23は、鉗子その他の処置具を導出させるための
ものである。ノズル24は、観察窓21に向けて洗浄用
の流体を供給するためのものである。
【0017】観察窓21は、先端硬質部12Cの先端面
において、例えば中央部に配置されている。この観察窓
21は、観察対象物を観察するためのものであり、内部
には観察用の対物光学系が装着されている。対物光学系
の結像側には、CCDなどの撮像装置またはイメージガ
イドなどが配置される。ここで、本実施の形態におい
て、観察窓21から対物光学系を経て像伝送用のケーブ
ル15に至る構成部分が、本発明における「観察手段」
の一具体例に対応する。
【0018】一対の照明窓22は、例えば、観察窓21
からほぼ等しい距離だけ離間した位置に配置されてい
る。この照明窓22は、観察対象物を照明するためのも
のであり、内部には照明光学系が装着されている。照明
光学系は、ライトガイドLGによって導かれた光源装置
16からの照明光を発散させる機能を有している。な
お、照明窓22は、2つに限らず、1つのみまたは3つ
以上設けられていても良い。
【0019】図3は、本実施の形態の特徴部分である照
明光学系の構成例を示している。図3では、光軸Z
含む単一の平面内における各光学要素の断面を示してい
る。なお、図3において、符号Zobjで示す側が観察
側(照明窓側)、すなわち、照明光を照射する側であ
る。図3において、符号Riは、最も出射端側(ライト
ガイドLGの出射端側)の面を1番目として、観察側に
向かうに従い順次増加するi番目の面の曲率半径を示
す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸
上の面間隔を示す。
【0020】図3に示したように、本実施の形態に係る
照明光学系30は、ライトガイドLGの出射端側から順
に、光学素子31と、2つの平凸レンズ32,33とを
備えている。
【0021】2つの平凸レンズ32,33は、互いに組
レンズの構成をなしている。平凸レンズ32は、観察側
に凸面を向けている。もう一方の平凸レンズ33は、ラ
イトガイドLGの出射端側に凸面を向けている。
【0022】光学素子31は、ロッドレンズ状のもので
あり、中心部の部材であるコア31Aの周りにコア31
Aよりも屈折率の低いクラッド31Bを配設した構成と
なっている。光学素子31は、全体として平凸形状に構
成されており、ライトガイド側の面(R1)が平面形
状、観察側の面(R2)が凸形状となっている。光学素
子31は、観察側の面が凸形状となっていることによ
り、光の出射側が凸レンズの機能を有している。光学素
子31は、また、ライトガイドLGの出射端36から周
辺部(側面部)に入射した光を、その屈折率差によって
コア31Aとクラッド31Bとの境界面34で全反射さ
せる機能を有している。これにより、ライトガイドLG
からの光線を照明光として無駄なく使用している。
【0023】ここで、光学素子31は、以下の条件式
(1)を満足するように構成されている。 r≧nφ/2 ……(1) ただし、 r:光学素子31の凸面の曲率半径(絶対値) n:光学素子31の凸レンズ部分の屈折率 φ:光学素子31において反射光が通過可能な部分の直
径(コア径)
【0024】光学素子31において、凸レンズ部分の屈
折率nが大きくなり、その凸面の曲率半径rが小さくな
るほど、ライトガイドLGからの光が凸面で全反射しや
すくなる。凸面で全反射しやすい光線は、光学素子31
の側面近傍(クラッド近傍)を光軸Zに平行に進む光
線である。このような状態では、一部の光が前方に出射
されなくなり、出射効率が悪化する。条件式(1)を満
足することにより、凸面での全反射が防止されるので、
出射効率の悪化が防止される。
【0025】なお、図3では、単一の光学部材で構成さ
れた光学素子31によって、光の反射機能と凸レンズと
しての機能とを持たせるようにしたが、図4に示した照
明光学系40のように、光の反射機能を持った光学部材
41と、凸レンズ42との2つの部品で光学素子43を
構成しても良い。光学素子43は、光学部材41におけ
る観察側の面と凸レンズ42のライトガイド側の面とが
接着され、全体として平凸形状に構成されている。この
場合、光学部材41は、両面が平面であることが加工の
点で望ましい。また、凸レンズ42は、観察側に凸面を
向けた平凸形状であることが加工の点で望ましい。光学
部材41による反射機能は、光学素子31と同様に、コ
ア部材とクラッド部材との屈折率差を利用した全反射に
よるものであっても良いし、光学部材41の周囲をメッ
キすることによる鏡面反射を利用したものであっても良
い。
【0026】以上のような構成の照明光学系30では、
ライトガイドLGの出射端36からの出射光が、レンズ
系内で一旦集光させられたあと発散する。照明光学系3
0を出射後の光線の発散角は、ライトガイドLGの出射
端36を出射後の光線の発散角よりも大きくなる。ま
た、照明光学系30を通過することによって、光線の配
光分布が均一化される。照明光学系30によって発散さ
れ、配光分布が均一化された光が、照明窓22(図2)
を介して照明光として観察対象物に照明される。照明さ
れた観察対象物は、先端硬質部12Cの観察窓21から
観察される。
【0027】[実施例]次に、本実施の形態に係る照明
光学系30の具体的な数値実施例と共に、本実施の形態
に係る照明光学系30によってもたらされる光学的な作
用および効果について説明する。
【0028】本実施例の照明光学系の断面構造は、図3
に示した照明光学系30と同様となっている。
【0029】図5および図6は、それぞれ本実施の形態
における第1の具体的な数値実施例(実施例1)および
第2の具体的な数値実施例(実施例2)を示している。
図5および図6における面番号Siは、最も出射端側
(ライトガイドLGの出射端側)の面を1番目として、
観察側に向かうに従い順次増加する面の番号を示してい
る。屈折率Ndiは、d線(波長λd=587.6nm)に対す
る値を示している。曲率半径Riは、図3に示した符号
Riと同様に、最も出射端側からi番目のレンズ面の曲
率半径を示している。面間隔Diについても、図3に示
した符号Diと同様であり、出射端側からi番目の面S
iとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔を示す。
曲率半径Riおよび面間隔Diの値の単位はミリメート
ル(mm)である。なお、図中、曲率半径Riの値が0
(ゼロ)の面は、面形状が平面であることを示す。ま
た、図5および図6には、ライトガイドLGの最も出射
端側に配置された光学素子31のコア径φの値について
も示す。
【0030】実施例1,2では、光学素子31の凸レン
ズ部分の屈折率が1.62、光学素子31のコア径φが1.55
であるから、光学素子31における凸面の曲率半径R2
の絶対値(=1.426)は、上述の条件式(1)を満たし
ている。すなわち、 R2≧nφ/2=1.62×1.55/2≒1.255 を満たしている。
【0031】図7は、本実施の形態の照明光学系に対す
る第1の比較例(比較例1)の照明光学系の構成を示し
ている。図7では、図3に示した照明光学系30と実質
的に同一の構成部分には同一の符号を付している。ま
た、図8は、この比較例の照明光学系の具体的な数値構
成を示している。図8に示した各数値の示す意味は、図
5および図6と同様である。この第1の比較例の照明光
学系50は、図3に示した照明光学系30における1番
目の平凸レンズ32を両凸レンズ51の構成としたもの
である。
【0032】なお、実施例1,2および比較例1は、視
野角140度の内視鏡に使用されることを想定して設計
されたものである。
【0033】図9は、実施例1,2および比較例1の各
照明光学系についての配光特性(配光分布)を数値で示
したものである。また、図10は、図9に示した配光特
性を示す数値を、横軸を角度、縦軸を光量比としたグラ
フ上にプロットしたものである。
【0034】図9において、“角度”は、光軸Zに対
する角度を示す。“入射”の項目で示した数値は、ライ
トガイドLGの出射端36から出射された光の配光、す
なわち、各照明光学系に入射する光についての配光を示
す。また、各実施例および比較例の項目で示した数値
は、“入射”の項目で示した配光状態でライトガイドL
Gの出射端36から各照明光学系に入射した光が、各照
明光学系を通過したあとの状態における配光を示す。各
項目について、配光を示す数値は、最も光量の大きい角
度での光量を100としたときの各々の角度での光量比
の値である。
【0035】なお、ライトガイドLGの出射端36から
の配光分布は、入射端側の光源の配光による影響も大き
い。しかしながら、ライトガイドLGのNAはライトガ
イドLGのコア、クラッドを構成する媒質の屈折率で決
まる。すなわち、ライトガイドLGのコア、クラッドを
構成する媒質の屈折率をそれぞれn1,n2とすると、 NA=(n1 2−n2 21/2=sinθ である。θは、ライトガイドLGへの照明光の入射角で
ある。
【0036】ここで、図9では、ライトガイドLGから
の配光分布の角度を比較的狭くした例を示している。よ
り具体的には、ライトガイドLGのコア、クラッドを構
成する媒質の屈折率がそれぞれ1.62、1.52で、開口数N
A=0.56(θ=34度)を想定したものである。
【0037】一方、ライトガイドLGからの配光分布の
角度を比較的広くした例を図11に示す。図11は、図
9と同様に、実施例1,2および比較例1の各照明光学
系についての配光特性(配光分布)を数値で示したもの
である。また、図12は、図11に示した配光特性を示
す数値を、横軸を角度、縦軸を光量比としたグラフ上に
プロットしたものである。図11における各数値の示す
意味は図9と同様である。
【0038】図11では、ライトガイドLGのコア、ク
ラッドを構成する媒質の屈折率がそれぞれ1.66、1.48
で、開口数NA=0.76(θ=50度)を想定している。
【0039】これらの図から明らかなように、実施例
1,2の方が比較例1に比べて配光分布の均一化が図ら
れている。さらに、これらの図に示した配光特性から、
以下のことがいえる。従来、照明光学系として多く使用
されている凹レンズのみで構成された系は、NAの大き
いライトガイドに対して配光の均一化を図るのに有利と
されてきた。一方、本実施例の照明光学系では、むしろ
NAの小さいライトガイド(図9,10)に対して配光
の均一化の効果が大きい。NAの大きいライトガイドで
は、一般に高屈折率の部材をコアに使用するが、高屈折
率の部材は着色しやすく、透過率の低下をまねきやす
い。また、ライトガイドのNAを大きくする場合には、
ライトガイドの入射端に入射角度の大きい光線を入射さ
せなければならない。これは、光源の大型化と、光源か
らの光をライトガイドに入射させるための光源用光学系
の大型化とをまねく。本実施例の照明光学系では、NA
の小さいライトガイドにおいても十分な配光が得られる
ので、透過率や光源側の構成の点において有利であり、
ライトガイドの低コスト化と光源側の構成の小型化を図
ることができる。
【0040】次に、実施例2の照明光学系(図6)にお
いて、光学素子31の曲率半径R2が条件式(1)の条
件を外れた場合(比較例2)と、光学素子31による側
面反射を利用しなかった場合(比較例3)とにおける配
光特性を示す(図16および図17)。なお、図16お
よび図17では、実施例2の照明光学系についての配光
特性も同時に示す。図16および図17は、ライトガイ
ドLGからの配光分布の角度を比較的狭くした例であ
り、図9と同様にNA=0.56を想定したものである。
【0041】図13は、本実施の形態の照明光学系に対
する第2の比較例(比較例2)の照明光学系の具体的な
数値構成を示している。比較例2は、実施例2の構成に
対して、光学素子31における凸面の曲率半径R2のみ
が異なっている。この比較例2の構成では、曲率半径R
2の絶対値が1.1であり、上述の条件式(1)を満たし
ていない。すなわち、 R2≧nφ/2=1.62×1.55/2≒1.255 を満たしていない。
【0042】図14は、本実施の形態の照明光学系に対
する第3の比較例(比較例3)の照明光学系の構成を示
している。図14では、図3に示した照明光学系30と
実質的に同一の構成部分には同一の符号を付している。
また、図15は、この比較例3の照明光学系の具体的な
数値構成を示している。この第3の比較例の照明光学系
60は、側面での反射機能を有する光学素子31に代え
て、側面での反射機能を有しない光学部材61を備えた
ものである。その他の構成は、実施例2の構成と同様で
ある。
【0043】図16および図17から明らかなように、
実施例2についての配光分布の方が各比較例に比べて配
光の均一化が図られている。さらに、図16から明らか
なように、曲率半径が条件式(1)を外れた場合(比較
例2)と、側面反射を利用しなかった場合(比較例2)
との双方において、出射効率が低下している。一方、実
施例2では、比較例に対して出射効率の向上が図られて
いる。なお、ここでいう“効率”とは、ライトガイドL
Gの出射端36から発せられる光量を1とした場合に、
照明光学系を通過した光量の値である。ただし、ここで
いう“効率”には、照明光学系を構成する各光学部材に
よる光の吸収や各光学部材と空気との境界面での光の反
射による光量ロスは含まない。
【0044】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、照明光学系30の各光学要素を平凸形状にしたの
で、例えば両凸形状のレンズを使用する場合に比べて球
面加工を行う面が少なくなり、従来に比べて高い加工技
術が必要とされずに製造が容易となる。また、光の反射
機能を有する光学素子31が、条件式(1)を満たすよ
うに構成されているので、光学素子31の凸面での全反
射が防止され、ライトガイドLGから出射された光の多
くを照明光として無駄なく使用できる。これらにより、
従来に比べて高い製造技術を必要とせず、優れた配光特
性を得ることができる。
【0045】また、本実施の形態の内視鏡によれば、照
明光学系によって優れた配光特性の照明がなされるの
で、観察しやすい環境を得ることができる。
【0046】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れず種々の変形実施が可能である。例えば、本発明によ
る照明光学系は、内視鏡に限らず、ライトガイドを用い
るものに広く適用可能である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし3
のいずれか1項に記載のライトガイド用の照明光学系、
または請求項4ないし6のいずれか1項に記載の内視鏡
によれば、側面部が光の反射機能を有すると共に、光の
出射側が凸レンズの機能を有した光学素子と、平凸形状
の第1および第2の凸レンズとを、ライトガイドの出射
端側から順に備え、それぞれを平凸形状で構成したの
で、例えば両凸形状で構成された従来の照明光学系に比
べて高い製造技術が必要とされない。また、光学素子
を、光の反射機能を有し、条件式(1)を満たすように
構成したので、ライトガイドから出射された光の多くを
照明光として無駄なく使用し、出射効率の低下を防止す
ることができる。これらにより、従来に比べて高い製造
技術を必要とせず、優れた配光特性を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る内視鏡の概略を示
す全体構成図である。
【図2】図1に示した内視鏡における挿入部の先端部分
の概略構成を示す外観図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るライトガイド用の
照明光学系の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る照明光学系の他の
構成例を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る照明光学系の第1
の具体的な数値実施例(実施例1)を示す説明図であ
る。
【図6】本発明の一実施の形態に係る照明光学系の第2
の具体的な数値実施例(実施例2)を示す説明図であ
る。
【図7】本発明の一実施の形態に係る照明光学系に対す
る第1の比較例(比較例1)の照明光学系の構成を示す
断面図である。
【図8】図7に示した第1の比較例の照明光学系の具体
的な数値構成を示す説明図である。
【図9】ライトガイドのNAを0.56とした場合の各実施
例および第1の比較例の照明光学系についての配光特性
を示す説明図である。
【図10】図9に示した配光特性を示す数値をグラフ化
して示す特性図である。
【図11】ライトガイドのNAを0.76とした場合の各実
施例および第1の比較例の照明光学系についての配光特
性を示す説明図である。
【図12】図11に示した配光特性を示す数値をグラフ
化して示す特性図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係る照明光学系に対
する第2の比較例(比較例2)の照明光学系の具体的な
数値構成を示す説明図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る照明光学系に対
する第3の比較例(比較例3)の照明光学系の構成を示
す断面図である。
【図15】図14に示した第3の比較例の照明光学系の
具体的な数値構成を示す説明図である。
【図16】ライトガイドのNAを0.56とした場合の第2
および第3の比較例の照明光学系についての配光特性を
第2の実施例の配光特性と共に示す説明図である。
【図17】図16に示した配光特性を示す数値をグラフ
化して示す特性図である。
【符号の説明】
LG…ライトガイド、10…内視鏡、11…手元操作
部、12…挿入部、12A…軟性部、12B…アングル
部、12C…先端硬質部、16…光源装置、21…観察
窓、22A,22B…照明窓、30,40…照明光学
系、31…光学素子、32,33…平凸レンズ、36…
出射端。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライトガイドの出射端側に配設される照
    明光学系であって、 ライトガイドの出射端側から順に、 側面部が光の反射機能を有すると共に、光の出射側が凸
    レンズの機能を有し、全体として平凸形状に構成された
    光学素子と、 平凸形状の第1および第2の凸レンズとを備え、 前記光学素子が、 r≧nφ/2 ……(1) の条件式(1)を満足するように構成されていることを
    特徴とするライトガイド用の照明光学系。ただし、 r:光学素子の凸面の曲率半径(絶対値) n:光学素子の凸レンズ部分の屈折率 φ:光学素子において反射光が通過可能な部分の直径
  2. 【請求項2】 前記光学素子は、 相対的に高い屈折率を有するコア部材の周囲に、相対的
    に低い屈折率を有するクラッド部材が配設されていると
    共に、光の出射側の端面が凸形状に形成された光学部材
    を含むことを特徴とする請求項1記載のライトガイド用
    の照明光学系。
  3. 【請求項3】 前記光学素子は、側面部において光の反
    射機能を有する光学部材と、前記光学部材の一端に接着
    された凸レンズとで構成されていることを特徴とする請
    求項1記載のライトガイド用の照明光学系。
  4. 【請求項4】 観察対象物を照明するための照明手段
    と、この照明手段によって照明された観察対象物を観察
    するための観察手段とを備えた内視鏡であって、 前記照明手段は、ライトガイドと、このライトガイドの
    出射端側に配設された照明光学系とを有し、 前記照明光学系は、 前記ライトガイドの出射端側から順に、 側面部が光の反射機能を有すると共に、光の出射側が凸
    レンズの機能を有し、全体として平凸形状に構成された
    光学素子と、 平凸形状の第1および第2の凸レンズとを含み、 前記光学素子が、 r≧nφ/2 ……(1) の条件式(1)を満足するように構成されていることを
    特徴とする内視鏡。ただし、 r:光学素子の凸面の曲率半径(絶対値) n:光学素子の凸レンズ部分の屈折率 φ:光学素子において反射光が通過可能な部分の直径
  5. 【請求項5】 前記光学素子は、 相対的に高い屈折率を有するコア部材の周囲に、相対的
    に低い屈折率を有するクラッド部材が配設されていると
    共に、光の出射側の端面が凸形状に形成された光学部材
    を含んで構成されていることを特徴とする請求項4記載
    の内視鏡。
  6. 【請求項6】 前記光学素子は、側面部において光の反
    射機能を有する光学部材と、前記光学部材の一端に接着
    された凸レンズとで構成されていることを特徴とする請
    求項4記載の内視鏡。
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