JP2000193058A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

Info

Publication number
JP2000193058A
JP2000193058A JP10372343A JP37234398A JP2000193058A JP 2000193058 A JP2000193058 A JP 2000193058A JP 10372343 A JP10372343 A JP 10372343A JP 37234398 A JP37234398 A JP 37234398A JP 2000193058 A JP2000193058 A JP 2000193058A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
disk
output
input
continuously variable
variable transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10372343A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3849332B2 (ja
JP2000193058A5 (ja
Inventor
Masayoshi Shimizuya
雅由 清水屋
Makoto Fujinami
誠 藤波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP37234398A priority Critical patent/JP3849332B2/ja
Priority to DE19964345A priority patent/DE19964345B4/de
Priority to DE19962694A priority patent/DE19962694C2/de
Priority to US09/471,340 priority patent/US6261203B1/en
Publication of JP2000193058A publication Critical patent/JP2000193058A/ja
Publication of JP2000193058A5 publication Critical patent/JP2000193058A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3849332B2 publication Critical patent/JP3849332B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し加わる引っ張り応力に拘らず、第二
円筒面部38の耐久性を確保する。同時に、外輪軌道部
37を含んで構成するニードル軸受の耐久性も確保す
る。 【解決手段】 上記第二円筒面部38の表面に、ショッ
ト・ピーニングにより、残留圧縮応力層を形成する。上
記外輪軌道部37に形成された残留圧縮応力層は、研削
加工により除去し、この外輪軌道部37を平滑面とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るトロイダル型
無段変速機は、例えば自動車用の変速機として、或は各
種産業機械用の変速機として利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図1〜2に略示
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開
昭62−71465号公報に開示されている様に、入力
軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1
と同心に配置した出力軸3の端部に出力側ディスク4を
固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシ
ングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対し捻
れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニ
オン6、6を設けている。
【0003】即ち、上記両ディスク2、4の中心軸から
外れた部分に配置したこれら各トラニオン6、6は、そ
れぞれの両端部外面に上記枢軸5、5を、上記両ディス
ク2、4の中心軸の方向に対し直角方向に、且つ、互い
に同心に設けている。又、これら各トラニオン6、6の
中間部には変位軸7、7の基端部を支持し、上記枢軸
5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺動させ
る事により、上記各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自
在としている。上記各トラニオン6、6に支持した変位
軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回
転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ
8、8を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の、互
いに対向する内側面2a、4a同士の間に挟持してい
る。これら各内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上
記枢軸5を中心とする円弧を回転させて得られる凹面を
なしている。そして、球状凸面に形成した上記各パワー
ローラ8、8の周面8a、8aを、上記内側面2a、4
aに当接させている。
【0004】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム装置9を設け、このローディング
カム装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側デ
ィスク4に向け弾性的に押圧しつつ、この入力側ディス
ク2を回転駆動自在としている。このローディングカム
装置9は、入力軸1と共に回転するローディングカム1
0と、保持器11により転動自在に保持した複数個(例
えば4個)のローラ12、12とから構成している。上
記ローディングカム10の片側面(図1〜2の右側面)
には、円周方向に亙る凹凸であるカム面13を形成し、
上記入力側ディスク2の外側面(図1〜2の左側面)に
も、同様の形状を有するカム面14を形成している。そ
して、上記複数個のローラ12、12を、上記入力軸1
の中心に関し放射方向の軸を中心とする回転自在に支持
している。
【0005】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の使用時、入力軸1の回転に伴ってローディングカム
10が回転すると、カム面13が複数個のローラ12、
12を、入力側ディスク2の外側面に形成したカム面1
4に押圧する。この結果、上記入力側ディスク2が、上
記複数のパワーローラ8、8に押圧されると同時に、上
記両カム面13、14と複数個のローラ12、12との
押し付け合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回転
する。そして、この入力側ディスク2の回転が、上記複
数のパワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝
達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転
する。
【0006】入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速
比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で
減速を行なう場合には、前記各枢軸5、5を中心として
前記各トラニオン6、6を所定方向に揺動させる。そし
て、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図1
に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り
部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分と
にそれぞれ当接する様に、前記各変位軸7、7を傾斜さ
せる。反対に、増速を行なう場合には、上記枢軸5、5
を中心として上記各トラニオン6、6を反対方向に揺動
させる。そして、上記各パワーローラ8、8の周面8
a、8aが図2に示す様に、入力側ディスク2の内側面
2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの
中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各変位
軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を図
1と図2との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間
で、中間の変速比を得られる。
【0007】又、図3〜4は、実願昭63−69293
号(実開平1−173552号)のマイクロフィルムに
記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速機
の1例を示している。入力側ディスク2と出力側ディス
ク4とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニード
ル軸受16、16を介して、回転自在に支持している。
即ち、上記入力側ディスク2及び出力側ディスク4の中
心部には断面形状が円形である貫通孔17、17を、そ
れぞれ上記各ディスク2、4の内側面と外側面とを軸方
向(図3の左右方向)に貫通する状態で形成している。
上記各ニードル軸受16、16は、上記各貫通孔17、
17の内周面と上記入力軸15の中間部外周面との間に
設けている。又、上記各貫通孔17、17の内側面寄り
端部内周面に形成した係止溝18、18には止め輪1
9、19を係止して、上記各ニードル軸受16、16が
上記各貫通孔17、17から、上記各ディスク2、4の
内側面2a、4a側に抜け出る事を防止している。又、
ローディングカム10は上記入力軸15の端部(図3の
左端部)外周面にスプライン係合させ、外向フランジ状
の鍔部20により上記入力側ディスク2から離れる方向
への移動を阻止している。そして、このローディングカ
ム10とローラ12、12とにより、上記入力軸15の
回転に基づいて上記入力側ディスク2を、上記出力側デ
ィスク4に向け押圧しつつ回転させるローディングカム
装置9を構成している。上記出力側ディスク4には出力
歯車21を、キー22、22により結合し、これら出力
側ディスク4と出力歯車21とが同期して回転する様に
している。
【0008】1対のトラニオン6、6の両端部は1対の
支持板23、23に、揺動並びに軸方向(図3の表裏方
向、図4の左右方向)に亙る変位自在に支持している。
そして、上記各トラニオン6、6の中間部に形成した円
孔24、24部分に、変位軸7、7を支持している。こ
れら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持
軸部25、25と枢支軸部26、26とを、それぞれ有
する。このうちの各支持軸部25、25を上記各円孔2
4、24の内側に、ラジアルニードル軸受27、27を
介して、回転自在に支持している。又、上記各枢支軸部
26、26の周囲にパワーローラ8、8を、請求項に記
載した軸受に相当する、別のラジアルニードル軸受2
8、28を介して、回転自在に支持している。
【0009】尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力
軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸7、7の各枢支軸部26、26が各支持
軸部25、25に対し偏心している方向は、上記入力
側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関し同方向
(図4で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上
記入力軸15の配設方向に対しほぼ直交する方向として
いる。従って、上記各パワーローラ8、8は、上記入力
軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。
この結果、回転力の伝達状態で構成各部材に加わる大き
な荷重に基づく、これら構成各部材の弾性変形に起因し
て、上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方
向(図3の左右方向、図4の表裏方向)に変位する傾向
となった場合でも、上記構成各部品に無理な力を加える
事なく、この変位を吸収できる。
【0010】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸
受29、29とスラストニードル軸受30、30とを設
けている。このうちのスラスト玉軸受29、29は、上
記各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を
支承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容
するものである。又、上記各スラストニードル軸受3
0、30は、上記各パワーローラ8、8から上記各スラ
スト玉軸受29、29を構成する外輪31、31に加わ
るスラスト荷重を支承しつつ、前記各枢支軸部26、2
6及び上記外輪31、31が、前記支持軸部25、25
を中心に揺動する事を許容するものである。
【0011】更に、上記各トラニオン6、6の一端部
(図4の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド32、32を
結合し、これら各駆動ロッド32、32の中間部外周面
に駆動ピストン33、33を固設している。そして、こ
れら各駆動ピストン33、33を、それぞれ駆動シリン
ダ34、34内に油密に嵌装している。
【0012】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の場合、入力軸15の回転は、ローディングカム装置
9を介して入力側ディスク2に伝わる。そして、この入
力側ディスク2の回転が、1対のパワーローラ8、8を
介して出力側ディスク4に伝わり、更にこの出力側ディ
スク4の回転が、出力歯車21より取り出される。入力
軸15と出力歯車21との間の回転速度比を変える場合
には、上記1対の駆動ピストン33、33を互いに逆方
向に変位させる。これら各駆動ピストン33、33の変
位に伴って上記1対のトラニオン6、6が、それぞれ逆
方向に変位し、例えば図4の下側のパワーローラ8が同
図の右側に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側
に、それぞれ変位する。この結果、これら各パワーロー
ラ8、8の周面8a、8aと上記入力側ディスク2及び
出力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用
する、接線方向の力の向きが変化する。そして、この力
の向きの変化に伴って上記各トラニオン6、6が、支持
板23、23に枢支された枢軸5、5を中心として、互
いに逆方向に揺動する。この結果、前述の図1〜2に示
した様に、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8a
と上記各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記
入力軸15と出力歯車21との間の回転速度比が変化す
る。
【0013】尚、この様に上記入力軸15と出力歯車2
1との間で回転力の伝達を行なう際には、構成各部材の
弾性変形に基づいて上記各パワーローラ8、8が、上記
入力軸15の軸方向に変位し、これら各パワーローラ
8、8を枢支している前記各変位軸7、7が、前記各支
持軸部25、25を中心として僅かに回動する。この回
動の結果、前記各スラスト玉軸受29、29の外輪3
1、31の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面と
が相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前
記各スラストニードル軸受30、30が存在する為、こ
の相対変位に要する力は小さい。従って、上述の様に各
変位軸7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて
済む。
【0014】図5〜6は、上述の様に構成し作用する、
図3〜4に示したトロイダル型無段変速機に組み込む出
力側ディスク4を取り出した状態で示している。この出
力側ディスク4の中心部に形成した貫通孔17には、外
側面の側(図5〜6の右側)から順に、円筒面部35
と、スプライン部36と、外輪軌道部37と、第二円筒
面部38とを設けている。このうちの円筒面部35は、
請求項に記載した嵌合部に相当するもので、上記出力側
ディスク4と共に回転する出力歯車21の内周縁部に固
設したスリーブ39(図3)の一部にがたつきなく嵌合
して、このスリーブ39と上記出力側ディスク4とを同
心にする。前記キー22、22を設ける場合は、上記円
筒面部45とスリーブ39との間に掛け渡す。但し、ス
リーブ39と出力側ディスク4とをスプライン係合させ
る場合には、上記キー22、22は不要である。反対
に、キー22、22を設ける場合には、スプライン部に
代えて、キー溝を設ける。上記スプライン部36を設け
た場合、このスプライン部36は、上記スリーブ39の
一部外周面に設けた雄スプライン部と係合して、このス
リーブ39と上記出力側ディスク4との相対回転を防止
する。尚、これらスリーブ39と出力側ディスク4との
相対回転を防止する為の構造は、スプライン係合やキー
係合に限らず、軸方向に亙る凹凸係合等、他の係合構造
とする事もできる。又、前記止め輪19(図3)を係止
する為の係止溝18は、このうちの外輪軌道部37と第
二円筒面部38との間部分に設けている。この様な形状
を有する上記出力側ディスク4(更に必要に応じて入力
側ディスク2の内周面)には、ショット・ピーニングに
より、残留圧縮応力層を形成する事が好ましい。この理
由に就いて、図7〜9により説明する。
【0015】トロイダル型無段変速機の運転時にパワー
ローラ8、8の周面8a、8aと入力側、出力側両ディ
スク2、4の内側面2a、4aとは、ローディングカム
装置9の働きにより強く当接する。そして、これら各面
8a、2a、4aの当接部には、減速時には図7に矢印
で示す方向の、増速時には図8に矢印で示す方向の、そ
れぞれ強い力が加わる。そして、この強い力に基づい
て、上記入力側、出力側両ディスク2、4が弾性変形す
る。例えば、図7に示した減速時には、出力側ディスク
4の内側面4aの直径方向反対側2個所位置の外径寄り
部分が、スラスト方向に強く押される。この結果上記出
力側ディスク4が、図9に実線で示す状態から鎖線で誇
張して示す状態にまで、弾性変形する。この様に上記出
力側ディスク4が弾性変形する際、この出力側ディスク
4の中心部に設けた貫通孔17のうち、特に内側面4a
寄りの第二円筒面部38部分に引っ張り応力が加わる。
【0016】この様な引っ張り応力は、上記出力側ディ
スク4の回転に伴って繰り返し加わる為、何らの対策も
施さないと、上記第二円筒面部38部分に亀裂が発生し
易くなる等、上記出力側ディスク4の耐久性確保が難し
くなる。そこで、この出力側ディスク4の内周面のうち
で、内側面4a寄り部分である、上記第二円筒面部38
部分に、ショット・ピーニングによる残留圧縮応力層を
形成すれば、上記繰り返し加わる引っ張り応力に拘ら
ず、上記第二円筒面部38部分に亀裂が発生しにくくで
きる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に、第二円筒
面部38部分に亀裂防止の為の残留圧縮応力層を形成す
る場合に、この第二円筒面部38に隣接する外輪軌道部
37部分にもショット・ピーニングが施されて、この外
輪軌道部37の表面粗さが悪化してしまう。この結果、
この外輪軌道部37を含んで構成するニードル軸受16
(図3)の耐久性が損なわれる。上記第二円筒面部38
にショット・ピーニングを施す際に、上記外輪軌道部3
7にマスキングを施せば、この外輪軌道部37の表面粗
さが悪化する事を防止できるが、貫通孔17の奥に設け
た上記外輪軌道部37に有効なマスキングを行なう事
は、実際上は非常に難しい。本発明のトロイダル型無段
変速機は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0018】
【課題を解決する為の手段】本発明のトロイダル型無段
変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同
様に、互いに同心に且つ互いに独立した回転自在に支持
された入力側、出力側両ディスクと、これら入力側、出
力側両ディスクの中心軸に対し交差しないがこれら両デ
ィスクの中心軸の方向に対し直角方向位置である捻れの
位置にある、互いに同心の1対の枢軸を中心として揺動
する複数個のトラニオンと、これら各トラニオン毎に支
持された変位軸と、これら各変位軸に軸受により回転自
在に支持され、上記入力側、出力側両ディスクの内側面
同士の間に挟持されたパワーローラとを備え、上記入力
側、出力側両ディスクの互いに対向する内側面を、それ
ぞれ断面が円弧形の凹面とし、上記各パワーローラの周
面を球面状の凸面として、これら各周面と上記各内側面
とを当接させると共に、上記入力側、出力側両ディスク
のうちの少なくとも何れかのディスクの内周面に、当該
ディスクをこのディスクと共に回転する部材に外嵌する
為の嵌合部と、このディスクの内側に挿通した回転軸の
外周面との間に設けるニードル軸受の外輪軌道とを形成
して成る。特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於
いては、上記嵌合部及び外輪軌道を設けたディスクの内
周面のうち、少なくとも当該ディスクの内側面寄り部分
に、ショット・ピーニングによる残留圧縮応力層を形成
しており、上記外輪軌道部分は研削加工によりこの残留
圧縮応力層の少なくとも一部を除去し、平滑面としてい
る。
【0019】
【作用】上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段
変速機により、入力側ディスクと出力側ディスクとの間
で回転力の伝達を行なわせる作用、並びにこれら両ディ
スク同士の間の変速比を変化させる作用は、前述した様
な従来から知られているトロイダル型無段変速機の場合
と同様である。特に、本発明のトロイダル型無段変速機
の場合には、嵌合部及び外輪軌道を設けたディスクの内
周面部分に残留圧縮応力層を形成しているので、パワー
ローラから加わる大きなスラスト荷重に基づき、内周面
部分に繰り返し加わる引っ張り応力に拘らず、上記ディ
スクの耐久性を確保できる。更に、外輪軌道部分を平滑
面としているので、この外輪軌道部分を含んで構成する
ニードル軸受の耐久性も確保できる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のトロイダル型無段変速機
の特徴は、出力側ディスク4等、内周面に嵌合部及び外
輪軌道を設けたディスクの内周面の性状にある。その他
の部分の構造及び作用は、前述した従来構造を含め、従
来から知られ、或は考えられている各種トロイダル型無
段変速機と同様であるから、同等部分に関する説明は、
省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心
に説明する。
【0021】本発明のトロイダル型無段変速機を構成す
る出力側ディスク4も、前述した従来のトロイダル型無
段変速機を構成する出力側ディスク4と同様、図5〜6
に示す様に構成している。即ち、入力側ディスク4の中
心部に形成した貫通孔17には、外側面の側(図5〜6
の右側)から順に、請求項に記載した嵌合部に相当する
円筒面部35と、スプライン部36と、外輪軌道部37
と、第二円筒面部38とを設けている。上記貫通孔17
の内周面のうち、内側面4a寄り部分には、この第二円
筒面部38側開口部からショット・ピーニングを施す事
により、残留圧縮応力層を形成している。このショット
・ピーニングを施す際、上記貫通孔17の内周面の何れ
の部分にもマスキングを施さない。この為、上記残留圧
縮応力層は、上記第二円筒面部38だけでなく、上記外
輪軌道部37にも形成される。これに対して本発明のト
ロイダル型無段変速機を構成する出力側ディスク4の場
合には、上記外輪軌道部37部分に形成された残留圧縮
応力層は、研削加工により除去し、この外輪軌道部37
部分を平滑面としている。
【0022】上述の様に構成する本発明のトロイダル型
無段変速機の場合には、上記出力側ディスク4の中心部
に形成した貫通孔17のうち、トロイダル型無段変速機
の運転に伴って最も大きな引っ張り応力が加わる第二円
筒面部38部分に残留圧縮応力層を形成している。この
為、トロイダル型無段変速機の運転に伴って、パワーロ
ーラ8、8(図3〜4)から加わる大きなスラスト荷重
に基づき、上記貫通孔17の内周面部分に繰り返し加わ
る引っ張り応力に拘らず、上記出力側ディスク4の耐久
性を確保できる。更に、上記外輪軌道部37部分を平滑
面としているので、この外輪軌道部37部分を含んで構
成するニードル軸受16(図3、7、8)の耐久性も確
保できる。尚、本発明の特徴であるディスクは、嵌合部
及び外輪軌道を設けたディスクであれば、図示の例の様
に出力側ディスクに限らず、入力側ディスクであっても
良い。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上に述べた通り構成され作用
する為、ディスク及びこのディスクを支持する為のニー
ドル軸受の耐久性を十分に確保して、トロイダル型無段
変速機の実用化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となるトロイダル型無段変速機の
基本的構成を、最大減速時の状態で示す略側面図。
【図2】同じく最大増速時の状態で示す略側面図。
【図3】トロイダル型無段変速機の具体的構造の1例を
示す断面図。
【図4】図3のA−A断面図。
【図5】出力側ディスクのみを取り出して示す断面図。
【図6】同じく半部断面図。
【図7】減速時に各ディスクに加わる力を説明する為
の、トロイダル型無段変速機の部分断面図。
【図8】増速時の状態を示す、図7と同様の図。
【図9】スラスト荷重に基づく出力側ディスクの変形状
態を誇張して示す、出力側ディスクのみを取り出して図
7の左方から見た状態で示す図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 ローディングカム装置 10 ローディングカム 11 保持器 12 ローラ 13、14 カム面 15 入力軸 16 ニードル軸受 17 貫通孔 18 係止溝 19 止め輪 20 鍔部 21 出力歯車 22 キー 23 支持板 24 円孔 25 支持軸部 26 枢支軸部 27 ラジアルニードル軸受 28 ラジアルニードル軸受 29 スラスト玉軸受 30 スラストニードル軸受 31 外輪 32 駆動ロッド 33 駆動ピストン 34 駆動シリンダ 35 円筒面部 36 スプライン部 37 外輪軌道部 38 第二円筒面部 39 スリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J051 AA03 BA03 BB02 BD02 BE09 CA05 CB07 EC02 EC06 FA02 3J101 AA14 AA24 AA43 AA52 AA62 BA54 DA01 FA31 GA01 GA11

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに同心に且つ互いに独立した回転自
    在に支持された入力側、出力側両ディスクと、これら入
    力側、出力側両ディスクの中心軸に対し交差しないがこ
    れら両ディスクの中心軸の方向に対し直角方向位置であ
    る捻れの位置にある、互いに同心の1対の枢軸を中心と
    して揺動する複数個のトラニオンと、これら各トラニオ
    ン毎に支持された変位軸と、これら各変位軸に軸受によ
    り回転自在に支持され、上記入力側、出力側両ディスク
    の内側面同士の間に挟持されたパワーローラとを備え、
    上記入力側、出力側両ディスクの互いに対向する内側面
    を、それぞれ断面が円弧形の凹面とし、上記各パワーロ
    ーラの周面を球面状の凸面として、これら各周面と上記
    各内側面とを当接させると共に、上記入力側、出力側両
    ディスクのうちの少なくとも何れかのディスクの内周面
    に、当該ディスクをこのディスクと共に回転する部材に
    外嵌する為の嵌合部と、このディスクの内側に挿通した
    回転軸の外周面との間に設けるニードル軸受の外輪軌道
    とを形成して成るトロイダル型無段変速機に於いて、上
    記嵌合部及び外輪軌道を設けたディスクの内周面のう
    ち、少なくとも当該ディスクの内側面寄り部分に、ショ
    ット・ピーニングによる残留圧縮応力層を形成してお
    り、上記外輪軌道部分は研削加工によりこの残留圧縮応
    力層の少なくとも一部を除去し、平滑面としている事を
    特徴とするトロイダル型無段変速機。
JP37234398A 1998-12-28 1998-12-28 トロイダル型無段変速機用ディスクの製造方法 Expired - Fee Related JP3849332B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37234398A JP3849332B2 (ja) 1998-12-28 1998-12-28 トロイダル型無段変速機用ディスクの製造方法
DE19964345A DE19964345B4 (de) 1998-12-28 1999-12-23 Stufenlos verstellbares Toroidgetriebe
DE19962694A DE19962694C2 (de) 1998-12-28 1999-12-23 Stufenlos verstellbares Toroidgetriebe
US09/471,340 US6261203B1 (en) 1998-12-28 1999-12-23 Toroidal type continuously variable transmission

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37234398A JP3849332B2 (ja) 1998-12-28 1998-12-28 トロイダル型無段変速機用ディスクの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000193058A true JP2000193058A (ja) 2000-07-14
JP2000193058A5 JP2000193058A5 (ja) 2005-07-21
JP3849332B2 JP3849332B2 (ja) 2006-11-22

Family

ID=18500283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37234398A Expired - Fee Related JP3849332B2 (ja) 1998-12-28 1998-12-28 トロイダル型無段変速機用ディスクの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3849332B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112240347A (zh) * 2019-07-17 2021-01-19 斯凯孚公司 轴承保持架及其应用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112240347A (zh) * 2019-07-17 2021-01-19 斯凯孚公司 轴承保持架及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3849332B2 (ja) 2006-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000205359A (ja) ハ―フトロイダル型無段変速機
JPH11303961A (ja) トロイダル型無段変速機
JP3951401B2 (ja) トロイダル型無段変速機用ローディングカム
JP3750294B2 (ja) トロイダル型無段変速機及びその組立方法
JP3740812B2 (ja) トロイダル型無段変速機用出力側ディスクユニット
JP3870594B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4069573B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2000193058A (ja) トロイダル型無段変速機
JP3674264B2 (ja) 無段変速装置
JP3627459B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3829512B2 (ja) トロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット
JP3617235B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3852188B2 (ja) トロイダル型無段変速機用中間ディスクの製造方法
JP4032547B2 (ja) トロイダル型無段変速機の組立方法
JP3617265B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3820978B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4051791B2 (ja) ハーフトロイダル型無段変速機
JP4089085B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4362858B2 (ja) トロイダル型無段変速機のボールスプライン
JPH11210853A (ja) トロイダル型無段変速機用入力側ディスクユニット
JP3617258B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4280963B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JPH11148543A (ja) トロイダル型無段変速機
JP3899761B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4211157B2 (ja) トロイダル型無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041209

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130908

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees