JP2000191638A - ε―カプロラクタムの回収方法および回収設備 - Google Patents

ε―カプロラクタムの回収方法および回収設備

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JP2000191638A
JP2000191638A JP10373433A JP37343398A JP2000191638A JP 2000191638 A JP2000191638 A JP 2000191638A JP 10373433 A JP10373433 A JP 10373433A JP 37343398 A JP37343398 A JP 37343398A JP 2000191638 A JP2000191638 A JP 2000191638A
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water
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Atsuo Futagami
厚生 二神
Toshihiro Inaike
稔弘 稲池
Kimio Fukuda
喜美雄 福田
Ryuichi Fukusato
隆一 福里
Yoshiyuki Nagase
佳之 長瀬
Satoshi Nishida
智 西田
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Kobe Steel Ltd
Ube Corp
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Kobe Steel Ltd
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ε−カプロラクタムのオリゴマーが含まれる
重合容器排出残渣物から、ε−カプロラクタムのオリゴ
マー化や熱分解反応を防ぎつつ、効率よくε−カプロラ
クタムを分解回収することのできる方法および設備の提
供。 【解決手段】 少なくともε−カプロラクタムを含むモ
ノマーからポリアミドを重合する工程で重合容器から排
出されるε−カプロラクタムオリゴマー含有残渣物から
ε−カプロラクタムを回収する方法であって、前記残渣
物に、280〜450℃、100〜500kg/cm2
で、高温高圧水を接触させることにより、ε−カプロラ
クタムオリゴマーをε−カプロラクタムに解重合して回
収する。また、本発明の設備は、反応器1と、反応器1
から排出される生成物に対して後処理を行ってε−カプ
ロラクタムを回収する後処理手段2とを備えるものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミドを重合
する工程において、必須的に副生するε−カプロラクタ
ムのオリゴマーや未反応のε−カプロラクタムが含まれ
る重合容器排出残渣物から、ε−カプロラクタムを効率
よく回収する方法および回収設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ε−カプロラクタムを原料とするナイロ
ン6は、ナイロン繊維、フィルム、エンジニアリングプ
ラスチックとして、各種分野で大量に使用されている。
最近、資源の保護、環境保全が重要視されていることか
ら、各種プラスチック製品のリサイクル、リユース方法
が個々に検討されており、ナイロン6等のポリアミドも
その例外ではない。例えば、特表平10−510280
号には、ポリアミドと過熱水を280℃から320℃の
温度で接触させて、カプロラクタムを回収する方法が開
示されている。
【0003】一方、ナイロン6製造工場においては、必
須的に副生するε−カプロラクタムのオリゴマーと、未
反応のまま残存するε−カプロラクタムを含有する溶液
が、重合体を洗浄した後、通常、水溶液として、重合容
器から排出される。いわゆる「釜残」と呼ばれるこの残
渣物には、ε−カプロラクタムのオリゴマーが固形分中
50〜90重量%程度含まれており、ε−カプロラクタ
ムのオリゴマーをε−カプロラクタムに解重合して、未
反応ε−カプロラクタムと共に残渣物から分離回収する
ことが可能になれば、廃棄処分されていた材料のリサイ
クルができ、製造コストの削減につながるというメリッ
トがある。
【0004】上記ε−カプロラクタムのオリゴマーとし
ては、鎖状体(アミノカプロン酸:2量体〜7量体程度
まで)と環状体(2量体〜9量体程度まで)があるが、
環状体の方が副生しやすく、しかも安定なため、分解し
にくい。さらに分解温度条件によっては、解重合ではな
く、オリゴマー化・重合化反応(重合温度250〜26
0℃)を起こしたり、オリゴカプロラクタムが昇華して
(昇華温度210℃前後)、装置のライン詰まりを引き
起こすこともある。
【0005】これまで知られているε−カプロラクタム
のオリゴマー(以下オリゴカプロラクタムという)の分
解回収方法には、例えば、リン酸やアルカリ触媒存在下
で減圧または水蒸気蒸留する方法(特公昭46−243
88号等)、アルカリ触媒またはリン酸触媒存在下で、
一旦重合させて、重合物を解重合させて回収する方法
(特開昭59−6849号、特開昭59−70662号
等)等があるが、いずれも、何らかの触媒を必要とする
上に、昇華の問題もあって、ε−カプロラクタムの回収
率が悪い。
【0006】また、酸または塩基と共に加熱分解して回
収する方法(ドイツ特許第891194号、イギリス特
許第862567号等)、水またはアンモニア水と共に
加熱分解して回収する方法(特公昭46−31540号
等)等も検討されているが、ε−カプロラクタムの回収
率や品質が低かった。
【0007】さらに、前記した特表平10−51028
0号のポリアミドと過熱水を280℃から320℃の温
度で接触させて、ε−カプロラクタムを回収する方法
は、オリゴカプロラクタムをほとんど含まない製品ポリ
アミドが対象である。なお、オリゴマー残渣を含むポリ
アミドも分解対象物となる旨記載があるが、オリゴマー
を含むポリアミドについての実施例はない。また、本発
明者らが、前記残渣物に対して、特表平10ー5102
80号と同一条件で回収実験を行った場合、収率が低い
ことが見出された。これは、製品の鎖状ポリアミドの方
が加水分解を受けやすく、比較的緩やかな分解条件でも
分解するが、環状オリゴマーの場合はこのような緩やか
な条件では分解には至らないためではないかと考えられ
る。
【0008】また、同一あるいは類似条件で長時間回収
操作を行って回収率を上げようとしても、ε−カプロラ
クタムの回収率が上がらず、得られるε−カプロラクタ
ムの品質も劣るものとなることがわかった。ε−カプロ
ラクタムがアミノカプロン酸およびその鎖状オリゴマー
に転化する反応と、オリゴカプロラクタムの分解反応と
が平衡に達してしまうためと、長時間高温度下に曝すこ
とによって熱分解等の副反応を起こし、結果的にε−カ
プロラクタムの回収率が低下するためであると考えられ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、他
の触媒的化合物を用いることなく、実質的に高温高圧水
のみを用いて、ε−カプロラクタムのオリゴマーが含ま
れる重合容器排出残渣物から、ε−カプロラクタムおよ
びそのオリゴマーの重合反応を防ぎつつ、効率よくε−
カプロラクタムを分解回収することのできる方法および
設備を提供することを課題として掲げた。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明は、少なくともε−カプロラクタムを含
むモノマーからポリアミドを重合する工程で重合容器か
ら排出されるε−カプロラクタムオリゴマー含有残渣物
からε−カプロラクタムを回収する方法であって、前記
残渣物に、280〜450℃、100〜500kg/c
2 で、高温高圧水を接触させることにより、ε−カプ
ロラクタムオリゴマーをε−カプロラクタムに解重合し
て回収するところに要旨を有する。高い温度条件で高温
高圧水を接触させることにより、オリゴマー化や重合化
を抑制して、効率よく解重合させることができる。もち
ろん、未反応のε−カプロラクタムも回収される。
【0011】高温高圧水を、320℃超〜400℃で残
渣物と接触させること、150〜500kg/cm2
残渣物と接触させること、残渣物に対し1〜20倍重量
の高温高圧水を接触させること、残渣物と高温高圧水の
接触時間を1時間以内とすることは、いずれもオリゴマ
ー化を防いで、ε−カプロラクタムの回収率を向上させ
るための好ましい実施態様である。
【0012】本発明のε−カプロラクタムの回収設備
は、少なくともε−カプロラクタムを含むモノマーから
ポリアミドを重合する工程で、重合容器から排出された
ε−カプロラクタムオリゴマー含有残渣物と、280〜
450℃、100〜500kg/cm2 の高温高圧水と
を接触させて、ε−カプロラクタムオリゴマーをε−カ
プロラクタムに解重合するための反応器と、反応器から
排出される生成物に対して後処理を行ってε−カプロラ
クタムを回収する後処理手段とを備えるところに要旨を
有する。
【0013】残渣物を反応器へ連続的に供給する残渣物
供給手段を備えること、高温高圧水を反応器へ連続的に
供給する水供給手段を備えることは、いずれも連続処理
のための好ましい実施態様である。
【0014】後処理手段が、反応生成物と水を分離する
ための脱水手段を備えることが好ましく、脱水手段を経
た生成物の分離精製プロセスを小規模にすることができ
る。また、脱水手段から排出される水を、水供給手段へ
還流させるための水還流手段を備えることも好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の回収方法の対象となるの
は、少なくともε−カプロラクタムを含むモノマーから
ポリアミドを重合する工程で重合容器から排出されるε
−カプロラクタムオリゴマー(オリゴカプロラクタム)
含有残渣物である。残渣物としては、ε−カプロラクタ
ムのみで得られるナイロン6の残渣物に限定されず、ε
−カプロラクタムを原料として含む原料から得られるコ
ポリアミドを重合する工程で排出される残渣物も含む。
【0016】従来技術では、触媒的化合物を利用した
り、解重合の起こりやすい鎖状ポリアミドについての解
重合条件しか開示されていないが、本発明では、上記残
渣物を対象として、オリゴマー化や重合化等の反目的反
応を起こすことなく、ε−カプロラクタムを回収する方
法を確立することができた。残渣物としては、通常、重
合体を水洗した後の水溶液として排出されるので、この
残渣物をそのまま、あるいは濃縮して高温高圧状態にす
ることにより、解重合処理が可能である。水溶液ではな
い場合の残渣物も高温では液状化するため、解重合の対
象として利用可能である。
【0017】回収方法のポイントとなるのは、前記残渣
物に、280〜450℃、100〜500kg/cm2
で、高温高圧水を接触させる点である。この温度域およ
び圧力域で液状の水と残渣物を接触させることにより、
オリゴカプロラクタムをε−カプロラクタムに解重合し
て高効率で回収することができる。280℃より低い温
度では、オリゴマーの解重合反応が充分に進まない上
に、アミノカプロン酸への転化反応が起こるため好まし
くない。450℃を超えると、熱分解反応が進行し、ε
−カプロラクタムそのものの回収率が極端に減少してし
まう。高温高圧水の温度は、320℃超〜400℃とす
ることが、ε−カプロラクタムの回収率を向上させるた
めより好ましい。圧力は、100kg/cm2 より低い
と高温高圧水を得ることが難しく、500kg/cm2
を超える高圧では、この高圧に耐えられる装置・材質の
点で高価となり他のメリットがないため、上記範囲に規
定した。より好ましい圧力の下限は150kg/cm2
である。
【0018】残渣物と高温高圧水の比率は、残渣物に対
し、1〜20倍重量の高温高圧水を接触させることが好
ましい。1倍重量未満では、解重合速度が遅くなり他の
反目的反応が起こる可能性があり、回収率が低下する。
20倍重量を超えてもメリットがなく、逆に高温高圧に
するためのエネルギーコストや、後処理手段での脱水設
備におけるエネルギーコストが無駄であり、反応器・脱
水設備を大規模にしなければならないというデメリット
が生じるだけである。
【0019】反応器へ残渣物と高温高圧水を連続的に供
給する設備を用いて連続処理を行う場合には、反応効率
をさらに上げることができるので、残渣物に対し、1〜
5倍重量の高温高圧水を接触させれば、充分に高い回収
率を示す。
【0020】残渣物と高温高圧水の接触時間は1時間以
内とすることが好ましい実施態様である。アミノカプロ
ン酸やその鎖状オリゴマーや環状オリゴマーへの転化反
応を抑えて、ε−カプロラクタムの回収率を上げること
ができる。より好ましくは、30分以内である。なお、
この接触時間とは、解重合反応を連続的に行う場合に
は、反応容器内へ水が注入されてから排出されるまでの
時間、すなわち、水の供給速度、反応器内での流路、反
応器の大きさ等で決定される時間である。バッチ式で解
重合反応を行う場合は、所定の温度・圧力に達している
間の時間であり、昇温・降温、昇圧・降圧に要する時間
は含まない。
【0021】次に、本発明の方法を実施するための回収
設備について説明する。本発明の回収設備は、前記残渣
物と前記温度・圧力の高温高圧水とを接触させて、ε−
カプロラクタムオリゴマーをε−カプロラクタムに解重
合するための反応器と、反応器から排出される生成物に
対して後処理を行ってε−カプロラクタムを回収する後
処理手段とを備えるものである。
【0022】図1には、本発明の回収設備の好ましい実
施例を示した。1が反応器で、2が後処理手段である。
反応器は、水を高温高圧状態で保持できるものを用い
る。残渣物は、反応器へ連続的またはバッチ式に供給す
ることのできるポンプやスクリュー型押出機等の残渣物
供給手段10を経て、必要により加熱器11によって加
熱され、反応器1へ送給される。残渣物が重合釜から高
温で排出される場合には、加熱器11による加熱は必要
ないが、高温(280〜450℃)状態での反応を考慮
すると、加熱してから反応器へ供給することが好まし
い。
【0023】一方、水は、水供給手段3によって、反応
器へ連続的またはバッチ式に高温高圧状態で供給され
る。図1の例では、水供給手段は、ポンプ31と加熱器
32から構成されている。加熱装置付き反応器へポンプ
31で加圧した水を導入するような構成、あるいは加熱
装置付き反応器へ水を導入した後に、シリンダー等を利
用して密封状態のまま反応器の体積を減少させて高圧状
態とする構成を採用することもできる。
【0024】残渣物と高温高圧水が反応器1内で接触す
ることにより、オリゴカプロラクタムの解重合反応が起
こる。反応生成物は、反応器1から排出されて、圧力調
整弁42を有する流路を介して後処理手段2へと送られ
る。
【0025】図例では、後処理手段2は、単蒸留装置か
らなる脱水手段21と、蒸留塔からなる分離回収手段2
2から構成されている。後処理手段2は、脱水手段21
のみであっても構わない。反応生成物中には、少なくと
も水およびε−カプロラクタムが含まれているので、脱
水手段21で水を除去することが好ましいからである。
脱水後の生成物は、分離回収手段22で、ε−カプロラ
クタムと重質分とに分離してそれぞれ回収する。重質分
には、解重合しなかったオリゴカプロラクタムや脱水工
程等で再びオリゴマー化してしまったオリゴカプロラク
タムその他の不純物が含まれていると考えられる。
【0026】脱水手段21としては、単蒸留装置、フラ
ッシュドラム等からなるフラッシュ分離装置、蒸留塔等
の(減圧)蒸留装置、吸着塔等の吸着装置、乾燥装置等
が挙げられる。なお、フラッシュ分離装置では、反応器
1内が高圧状態となっているので、反応生成物を、圧力
調節弁42を用いて大気圧下へ送り込む等の降圧操作の
みで脱水することもできる。
【0027】分離回収手段22としては、単蒸留装置、
蒸留塔等の(減圧)蒸留装置、薄膜蒸発装置や、脱ガ
ス、抽出、遠心分離、遠心沈降機、液体サイクロン、静
置分離、濾過、圧搾、分別等が行える各装置等が挙げら
れる。後処理手段2としては、脱水、分離以外にも、各
装置を単独でまたは組み合わせて用いても良く、減圧ま
たは加圧状態で各処理を行ってもよい。
【0028】51は、脱水手段21から排出される水
を、水供給手段31へ還流させるための水還流手段であ
り、ポンプ等で構成される。水のリサイクルが可能とな
る。なお、脱水手段として脱水塔等を利用して、水蒸気
状態で水が分離される場合は、回収してコンデンサ等で
凝縮すればよい。なお、一旦冷やされた水は、熱交換器
41を介することにより、反応器から排出される反応生
成物の熱を利用して昇温されるので、エネルギーコスト
を下げることができる。
【0029】なお、分離回収手段22から残渣物供給ラ
インへ重質分を還流することのできるポンプ等で構成さ
れる還流手段6を配置してもよい。重質分中には、オリ
ゴカプロラクタムが含まれているため、再び解重合反応
に供することにより、ε−カプロラクタムの回収率を向
上させることができる。
【0030】以上、本発明設備を図1によって説明した
が、本発明設備は各図の構成例に限定されるものでな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施すること
は、全て本発明に含まれる。
【0031】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは、全て
本発明に含まれる。
【0032】実施例1〜10および比較例1〜4 約10mlの電気ヒータ付きSUS製オートクレーブを
用いて、ナイロン6製造用重合釜から排出された残渣物
(表1に示した原料組成の欄参照)に含まれているオリ
ゴカプロラクタムを高温高圧の蒸留水でバッチ式に解重
合させた。残渣物1gに対し、表1〜2に示した加水比
(残渣物/水(重量比))、反応温度、反応圧力、反応
時間(所定温度・圧力に達してからの時間)で解重合反
応を行い、室温に冷却した後、反応生成物を取り出し
て、分析・定量した。なお、実施例9のみ残渣物2gで
解重合を行った。原料および反応生成物の分析・定量
は、ε−カプロラクタムの場合はガスクロマトグラフィ
ー(島津製作所製GC−14B)を用い、アミノカプロ
ン酸と環状多量体の場合は液体クロマトグラフィーを用
いて行った。結果を表1〜2に示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表1および表2から、本発明実施例は、環
状多量体がε−カプロラクタムに解重合されており、原
料組成に比べて、ε−カプロラクタムの量が激増してい
ることがわかる。反応温度の低い比較例では、ε−カプ
ロラクタムの収率が上がっていないことがわかる。ま
た、分析できた総重量(表示していない)が原料組成の
場合の総重量87.26%(表示していない)に比べて
減少しており、反応中に熱分解が進行して、分析不能な
物質が増加したものと考えられる。
【0036】実施例11〜17および比較例5 実施例1と同様にして、表3に示したように反応温度等
の条件を変えて、バッチ式で解重合反応を行った。室温
に冷却した後、反応生成物を取り出して、ε−カプロラ
クタムの分析定量を実施例1と同様に行った。結果を表
3に示した。
【0037】
【表3】
【0038】表3から、本発明実施例の280℃の場合
は反応時間を長くすることが好ましいこと、反応温度が
400℃を超えると、ε−カプロラクタムの収率が低下
傾向にあることがわかる。また、表1〜表3の結果を総
合すると、反応温度が330〜400℃であれば、74
%以上のε−カプロラクタムを回収できることが確認で
きた。一方、500℃の比較例では、原料組成よりもε
−カプロラクタムの量が激減していた。熱分解等の不都
合な現象が起こっていると考えられる。
【0039】実施例18〜19 図1に示した回収設備のうち、後処理手段2として脱水
手段21のみを用いて、連続的に残渣物からε−カプロ
ラクタムを回収した。表4に反応条件と結果を示した。
【0040】
【表4】
【0041】
【発明の効果】本発明の回収方法は、分解しにくく重合
しやすいε−カプロラクタムの環状オリゴマーが多く含
まれるポリアミド重合容器から排出される残渣物に、特
定温度および圧力の高温高圧水を接触させることによ
り、オリゴマーをポリアミド原料として有用なε−カプ
ロラクタムに解重合して、これを高い収率で得ることが
できるようになった。この方法では、無触媒で行えるた
め、触媒の分離処理も必要なく、品質のよいε−カプロ
ラクタムを高収率で回収することができるので、資源保
護の点から有用である。また、本発明の回収設備は、連
続処理が可能であり、さらに、水還流手段を備えた構成
では、水の使用量を減少させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回収設備の一実施例の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 反応器 2 後処理手段 21 脱水手段 22 分離回収手段 3 水供給手段 51 水還流手段
フロントページの続き (72)発明者 稲池 稔弘 山口県宇部市西本町1丁目12番32号 宇部 興産株式会社高分子研究所内 (72)発明者 福田 喜美雄 山口県宇部市西本町1丁目12番32号 宇部 興産株式会社高分子研究所内 (72)発明者 福里 隆一 大阪市中央区備後町4丁目1番3号 株式 会社神戸製鋼所大阪支社内 (72)発明者 長瀬 佳之 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 西田 智 大阪市中央区備後町4丁目1番3号 株式 会社神戸製鋼所大阪支社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともε−カプロラクタムを含むモ
    ノマーからポリアミドを重合する工程で重合容器から排
    出されるε−カプロラクタムオリゴマー含有残渣物から
    ε−カプロラクタムを回収する方法であって、前記残渣
    物に、280〜450℃、100〜500kg/cm2
    で、高温高圧水を接触させることにより、ε−カプロラ
    クタムオリゴマーをε−カプロラクタムに解重合して回
    収することを特徴とするε−カプロラクタムの回収方
    法。
  2. 【請求項2】 高温高圧水を、320℃超〜400℃で
    残渣物と接触させるものである請求項1に記載のε−カ
    プロラクタムの回収方法。
  3. 【請求項3】 高温高圧水を、150〜500kg/c
    2 で残渣物と接触させるものである請求項1または2
    に記載のε−カプロラクタムの回収方法。
  4. 【請求項4】 残渣物に対し、1〜20倍重量の高温高
    圧水を接触させるものである請求項1〜3のいずれかに
    記載のε−カプロラクタムの回収方法。
  5. 【請求項5】 残渣物と高温高圧水の接触時間を1時間
    以内とするものである請求項1〜4のいずれかに記載の
    ε−カプロラクタムの回収方法。
  6. 【請求項6】 少なくともε−カプロラクタムを含むモ
    ノマーからポリアミドを重合する工程で、重合容器から
    排出されたε−カプロラクタムオリゴマー含有残渣物
    と、280〜450℃、100〜500kg/cm2
    高温高圧水とを接触させて、ε−カプロラクタムオリゴ
    マーをε−カプロラクタムに解重合するための反応器
    と、反応器から排出される生成物に対して後処理を行っ
    てε−カプロラクタムを回収する後処理手段とを備える
    ことを特徴とするε−カプロラクタムの回収設備。
  7. 【請求項7】 残渣物を反応器へ連続的に供給する残渣
    物供給手段を備える請求項6に記載の回収設備。
  8. 【請求項8】 高温高圧水を反応器へ連続的に供給する
    水供給手段を備える請求項6または7に記載の回収設
    備。
  9. 【請求項9】 後処理手段が、反応生成物と水を分離す
    るための脱水手段を備える請求項6〜8のいずれかに記
    載の回収設備。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の脱水手段から排出さ
    れる水を、水供給手段へ還流させるための水還流手段を
    備える請求項9に記載の回収設備。
JP10373433A 1998-12-28 1998-12-28 ε―カプロラクタムの回収方法および回収設備 Pending JP2000191638A (ja)

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