JP2000190645A - 熱転写記録媒体 - Google Patents
熱転写記録媒体Info
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Abstract
堅牢な画像、特にカラー画像を形成し得る熱転写記録媒
体を提供する。 【解決手段】 熱転写インク層と基材との間に転写制御
層を設けてなる熱転写記録媒体であって、該転写制御層
が、軟化点100℃以上の樹脂Aと粒子とからなり、樹
脂Aと粒子との割合が重量比で2:8〜8:2の範囲に
あり、該熱転写インク層が樹脂Aと非相溶で、かつ樹脂
Aより軟化点が15℃以上低い樹脂Bを主成分とするビ
ヒクルからなることを特徴とする熱転写記録媒体。
Description
録装置に使用して画像、なかんずくカラー画像を形成す
るための熱転写記録媒体に関する。
プリンターの保守が容易である、小型軽量化が可能であ
る、低価格であるなどの特徴から、広く普及している。
のカラー画像を作成する機会が増え、プロセスカラー
(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)が印字可能
なプリンターが広く使用されている。これら熱転写プリ
ンターに使用される熱転写記録媒体は、支持体の片面が
耐熱滑性処理され、他方の面に、樹脂、ワックスなどか
らなるビヒクルおよび着色剤を含有する着色インク層を
設けた構成が一般的である。
ては、基材と着色インク層との間の密着力が安定せず、
印画装置における走行時などにおいて容易に着色インク
層がはがれてしまう(一般にインクの粉落ち現象といわ
れている)という問題があった。
インク層との間に、ワックスを主成分とする離型層を設
けたものがあるが、この場合2色以上の着色インクの重
ね印字が困難であるという問題がある。
術の問題点を解決して、インクの粉落ちが発生せず、か
つ高精細で高堅牢な画像、特にカラー画像を形成し得る
熱転写記録媒体を提供することを課題とする。
熱転写インク層と基材との間に転写制御層を設けてなる
熱転写記録媒体であって、該転写制御層が、軟化点10
0℃以上の樹脂Aと粒子とからなり、樹脂Aと粒子との
割合が重量比で2:8〜8:2の範囲であり、該熱転写
インク層が樹脂Aと非相溶で、かつ樹脂Aより軟化点が
15℃以上低い樹脂Bを主成分とするビヒクルからなる
ことを特徴とする熱転写記録媒体に関する。
ド樹脂またはポリビニルアルコールであり、樹脂Bがケ
トン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂よりなる群
から選ばれる少なくとも1種であり、粒子がテトラフル
オロエチレン系樹脂粒子またはシリコーン系樹脂粒子で
ある請求項1記載の熱転写記録媒体に関する。
は、熱転写インク層と基材との間に転写制御層が設けら
れる。この転写制御層は熱転写時に転写しない層であ
り、軟化点100℃以上の樹脂Aと粒子とで構成され、
樹脂Aと粒子との割合が重量比で2:8〜8:2の範囲
にある。また、本発明の熱転写インク層は、前記樹脂A
と非相溶で、かつ樹脂Aより軟化点が15℃以上低い樹
脂Bを主成分とするビヒクルからなるものである。
の表面は粒子に起因する凹凸を有し、インク層との接触
面積が大きくなり、インク粉落ちが防止される。また、
インク層のビヒクルの主成分樹脂Bが転写制御層の樹脂
Aと非相溶でかつ樹脂Aより軟化点が15℃以上低いこ
とにより、熱転写時には転写制御層とインク層との界面
からインクが剥離し、転写される。そして、重ね印字に
おいては、インク層同士が直接接着するので、良好な重
ね印字性と印字の堅牢性が得られる。
は、軟化点100℃以上の樹脂が用いられ、より好まし
くは軟化点120℃以上の樹脂である。軟化点が100
℃未満の樹脂を用いると、印字時、転写制御層から熱転
写インクが剥離する際、きれいに界面から剥離せず、樹
脂Aの一部も転写するため、重ね印字不良が発生する。
樹脂と粒子の割合は、2:8〜8:2(重量比、以下同
様)が好ましく、より好ましくは3:7〜7:3であ
る。樹脂の割合が両成分の合計量の2割未満の場合、粒
子量過多となり、印字時、剥離層中から凝集剥離してし
まい、重ね印字不良が発生する。また、樹脂の割合が8
割を超えると、印字時、剥離音が発生する。転写制御層
の塗布量は0.1〜1.0g/m2程度が適当である。
満たすかぎり特に制限されないが、塗工適性、積層性の
点からは、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコールなど
が好ましい。これらは単独で用いてもよく、併用しても
よい。粒子としては、テトラフルオロエチレン系樹脂粒
子、シリコーン系樹脂粒子などが、インクの離型性の点
から好ましい。テトラフルオロエチレン系樹脂には、テ
トラフルオロエチレンのホモポリマー(ポリテトラフル
オロエチレン、以下PTFEという)や、テトラフルオ
ロエチレンと他の変性モノマーとの共重合体などが含ま
れる。シリコーン系樹脂には、シリコーン樹脂、変性シ
リコーン樹脂などが含まれる。転写制御層の表面に凹凸
を形成する観点から、粒子の平均粒子径は0.1〜5μ
mの範囲が好ましい。粒子の形態は球状でも、不定形状
でもよい。
と、前記転写制御層の樹脂Aとは、非相溶で、かつ樹脂
Aよりも軟化点が15℃以上低い樹脂Bが用いられる。
ここで、樹脂Aと樹脂Bが相溶する場合、インクの溶剤
種が同系となり、転写制御層上へのインク積層不良が発
生する。また、樹脂Bの軟化点と樹脂Aの軟化点の差が
15℃以上ないと、印字時、転写制御層から熱転写イン
クが剥離する際、きれいに界面から剥離せず、重ね印字
不良が発生する。
脂Aと非相溶であれば、適宜に選択され、例えば、ケト
ン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体などの1種また
は2種以上が使用できる。前記転写制御層の樹脂Aとの
組み合わせにおいては、ケトン樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂が好ましい。ビヒクル中における樹脂
Bの含有量は、前記の効果を良好に達成する観点から、
50重量%程度以上が好ましい。他のビヒクル成分とし
ては、ポリエチレンワックス、酸性ポリエチレンワック
ス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、パラフィンワックス等のワックス類が使用できる。
染料が使用できる。カラー画像形成用の熱転写記録媒体
の場合、通常イエロー、マゼンタ、シアンのインク層が
使用され、これらの2色または3色のインク層を重ね転
写することによって、減法混色により色を発現する領域
を含むカラー画像を形成することができる。
ロー、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローG
R、ハンザイエロー5G、ナフトールイエローSなどの
有機顔料やオーラミンなどの染料があげられ、マゼンタ
の着色剤としてはブリリアントカーミン6B、ブリリア
ントカーミンBS、パーマネントレッド4R、ローダミ
ンレーキB、キナクリドン系などの有機顔料やローダミ
ンなどの染料があげられ、シアンの着色剤としてはフタ
ロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルーなどの
有機顔料やビトリアブルーなどの染料があげられる。
は、5〜60重量%程度が好ましい。着色インク層には
その他必要に応じて分散剤、帯電防止剤などを配合して
もよい。着色インク層の塗布量は0.5〜5.0g/m
2程度が適当である。
しては、従来より公知のポリエチレンテレフタテート、
ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィル
ム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリイミド
フィルムなどのフィルムがあげられるが、経済性の観点
から好適なフィルムはポリエステルフィルムである。支
持体の厚さは通常1〜12μm程度であり、所望の強度
を確保し、熱拡散を小さくして解像度を高める点からは
2.5〜6μmの範囲が好ましい。
側の面)にシリコーン樹脂、シリコーン変性ウレタン樹
脂、シリコーン変性アクリル樹脂などの各種の耐熱性樹
脂、あるいはこれら耐熱性樹脂に滑剤を混合したものな
どからなるスティック防止層を設けてもよい。
カラー画像を形成するには、たとえば熱転写プリンター
でカラー画像の分解色信号、すなわちイエロー信号、マ
ゼンタ信号、シアン信号に従って、イエローインク層、
マゼンタインク層、シアンインク層をそれぞれ順次選択
的に熱転写して受像体上にイエロー分解画像、マゼンタ
分解画像、シアン分解画像を形成せしめる。イエローイ
ンク層、マゼンタインク層、シアンインク層の転写順序
は任意に選択できる。通常のカラー画像の場合は3色の
色信号に従って3色のインク層がすべて選択転写されて
イエロー、マゼンタ、シアンの3色の分解画像が形成さ
れるが、2色の色信号しかない場合は対応する2色のイ
ンク層が選択転写されてイエロー、マゼンタ、シアンの
うち2色の分解画像が形成される。かくして、2色また
は3色のインクの重ね合わせによる減色混色により色が
発現される領域を含むカラー画像が得られる。
下において、部は重量部を表す。軟化点はセイコー電子
工業(株)製粘弾性スペクトロメーターSDM−500
0で測定した。樹脂Aと樹脂Bの相溶、非相溶はつぎの
ようにして判定した。樹脂Aと樹脂Bを適宜の同種の溶
剤に溶解させ、それぞれ濃度が20重量%程度の溶解液
を調製する。両溶解液を1:1容量比で混合し、白濁す
るか否かを調べる。白濁すれば非相溶と、白濁しなけれ
ば相溶すると判定する。
なるスティック防止層を設けた厚さ4.5μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルムのスティック防止層と反
対側の面に、下記処方の転写制御層用塗工液を塗布、乾
燥して、塗布量0.5g/m2の転写制御層を形成し
た。
ンク塗工液を塗布量1.5g/m2で塗布、乾燥して、
イエロー、マゼンタ、シアンの熱転写記録媒体を得た。
なお、転写制御層のポリアミド樹脂とインク層のポリエ
ステル樹脂は相溶しないものであった。
ものに変えた以外は、実施例1と同様にして熱転写記録
媒体を得た。なお、転写制御層のポリアミド樹脂とイン
ク層のポリエステル樹脂は相溶しないものであった。
ものに変えたほかは実施例1と同様にして熱転写記録媒
体を得た。
ものに変えたほかは実施例1と同様にして熱転写記録媒
体を得た。
ものに変えたほかは実施例1と同様にして熱転写記録媒
体を得た。
て、印字性能、重ね印字性、インク粉落ちを評価した。
結果を表3に示す。
い、下記条件下で印字し、得られた印字を目視にて観察
し、つぎの基準で評価した。
レフタレートフィルム上に白色の受像層を形成したも
の) 評価基準 ○:良好 △:若干カスレあり ×:カスレ発生
い、前記と同じ印字条件下にイエロー、マゼンタ、シア
ンのインクを重ね印字し、ベタ印字部の重ね部分を目視
にて観察し、つぎの基準で評価した。 ○:重ねられるべきインク層の90%以上が転写されて
いる △:重ねられるべきインク層の50%以上、90%未満
が転写されている ×:重ねられるべきインク層の50%未満が転写されて
いる
ル1の端部から突出させた支持部材2に、垂直になるよ
うにガラス板3を固定した試験装置を用いた。熱転写記
録媒体4(幅1/2インチ)をインク層側が上を向くよ
うに配置し、熱転写記録媒体4の垂下した方の端部にお
もり5を取り付け、他方の端部を移動片6に取り付け、
移動片6を矢印方向に水平に140cm/分の速度で移
動させた。おもり5を順次重いものにかえ、何gのおも
りの時にインク層が剥離するかを観察した。なお、おも
りの重量が大きいほど、粉落ちしにくいことを意味す
る。
インクの粉落ちが発生せず、かつ良好な印字性能、重ね
印字性が得られる。
を調べるための測定装置を示す概略説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱転写インク層と基材との間に転写制御
層を設けてなる熱転写記録媒体であって、該転写制御層
が、軟化点100℃以上の樹脂Aと粒子とからなり、樹
脂Aと粒子との割合が重量比で2:8〜8:2の範囲で
あり、該熱転写インク層が樹脂Aと非相溶で、かつ樹脂
Aより軟化点が15℃以上低い樹脂Bを主成分とするビ
ヒクルからなることを特徴とする熱転写記録媒体。 - 【請求項2】 樹脂Aがポリアミド樹脂またはポリビニ
ルアルコールであり、樹脂Bがケトン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂よりなる群から選ばれる少なくと
も1種であり、粒子がテトラフルオロエチレン系樹脂粒
子またはシリコーン系樹脂粒子である請求項1記載の熱
転写記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36904298A JP4168106B2 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 熱転写記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36904298A JP4168106B2 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 熱転写記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000190645A true JP2000190645A (ja) | 2000-07-11 |
JP4168106B2 JP4168106B2 (ja) | 2008-10-22 |
Family
ID=18493415
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36904298A Expired - Fee Related JP4168106B2 (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 熱転写記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4168106B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008110534A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Fujicopian Co Ltd | 金属光沢熱転写記録媒体 |
-
1998
- 1998-12-25 JP JP36904298A patent/JP4168106B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2008110534A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Fujicopian Co Ltd | 金属光沢熱転写記録媒体 |
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