JP2000186104A - 重合体ミクロスフェア及び重合体ミクロスフェア懸濁液 - Google Patents

重合体ミクロスフェア及び重合体ミクロスフェア懸濁液

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JP2000186104A
JP2000186104A JP36546398A JP36546398A JP2000186104A JP 2000186104 A JP2000186104 A JP 2000186104A JP 36546398 A JP36546398 A JP 36546398A JP 36546398 A JP36546398 A JP 36546398A JP 2000186104 A JP2000186104 A JP 2000186104A
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polymer microsphere
suspension
polymer
water
polymerization
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JP36546398A
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English (en)
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Takayasu Hirano
隆康 平野
Naoyuki Osakabe
直之 刑部
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Clariant International Ltd
Original Assignee
Clariant International Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化重合に起因する副生微粒子の混在が少な
く、粒径分布が狭くて単分散系に近く、トナー、スぺー
サー、化粧品、粘着剤等の広い分野で好適に使用可能な
重合体ミクロスフェアを提供する。 【解決手段】 水不溶性のラジカル重合性単量体の少な
くとも1種を、親油性ノニオン系界面活性剤及びノニオ
ン性水溶性高分子の存在下で水性懸濁重合することによ
り得られ、平均粒径が20〜500μmであることを特
徴とする重合体ミクロスフェアである。前記親油性ノニ
オン系界面活性剤のHLBが1〜10である態様が好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体ミクロスフ
ェア(微細球体)及び重合体ミクロスフェア懸濁液に関
し、乳化重合に起因する副生微粒子の混在が少なく、粒
径分布が狭くて単分散系に近く、トナー、スぺーサー、
化粧品、粘着剤等の広い分野で好適に使用可能な、重合
体ミクロスフェア及びその懸濁液に関する。
【0002】
【従来の技術】重合体ミクロスフェアは、その中でも、
特にその平均粒経が10〜500μm程度のものは、例
えば、静電荷像現像用トナー用添加剤、スペーサー、化
粧板用添加剤、人工大理石用添加剤、化粧品用添加剤、
クロマトグラフィーのカラム充填剤などの用途への適用
が期待されている。
【0003】従来において、重合体ミクロスフェアは、
機機的粉砕、懸滴重合、乳化重合、などにより製造され
ていた。これらの内、機機的粉砕による製造の場合は、
粉砕のために多大なエネルギーを必要とし、得られる微
粒子を均一な粒径のものとするために多段階にわたる分
級処理を必要とし、更にここで得られた微粒子は、不定
形であるため、流動性、耐凝集性等に劣るという問題が
ある。また、乳化重合による製造の場合は、均一な粒径
の微粒子を得られるが、その粒経は0.1μm程度であ
るため、上述の用途に直接適用できないという問題があ
る。
【0004】これに対し、懸濁重合による製造の場合
は、攪拌により単量体の懸濁粒子を調製し、これを重合
するので、所望の粒径の樹脂粒子を比較的容易に得るこ
とができ、また、溶剤を使用しないこと、反応制御が容
易であること、などの利点を有する。
【0005】しかしながら、この場合、懸濁重合に際
し、水相中においてミセル内重合による副生微粒子が形
成されることが知られている。このため、収率・重合安
定性が低下してしまう。また、前記副生微粒子は、懸濁
重合粒子の界面に多く付着し、完全に除去することが困
難であるため、得られる樹脂粒子の物性の低下を招く。
特に、得ようとする樹脂粒子が微細化され、例えば10
〜500μm程度とされる場合には、懸濁重合粒子の安
定化を図る目的で水相に添加する分散安定剤の量は、一
般的な懸濁重合の場合と比べて多くなるため、分散工程
及び重合工程で水相中に溶解する重合性単量体の量が増
大し、前記副生微粒子の問題が顕著になる。
【0006】また、重合体ミクロスフェアを得る方法
は、例えば、特公昭55−8113号公報、特開昭61
−148278号公報などに記載されているが、これら
の方法の場合、攪拌速度などの重合条件により粒径分布
が広くなり、得られた重合体ミクロスフェアの適用用途
が制限されてしまうという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、乳化重合に起因する副生微
粒子の混在が少なく、粒径分布が狭くて単分散系に近
く、トナー、スぺーサー、化粧品、粘着剤等の広い分野
で好適に使用可能な、重合体ミクロスフェア及びその懸
濁液を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 水不溶性のラジカル重合性単量体の少なくとも
1種を、親油性ノニオン系界面活性剤及びノニオン性水
溶性高分子の存在下で水性懸濁重合することにより得ら
れ、平均粒径が20〜500μmであることを特徴とす
る重合体ミクロスフェアである。 <2> 親油性ノニオン系界面活性剤のHLBが1〜1
0である前記<1>に記載の重合体ミクロスフェアであ
る。 <3> 前記<1>又は<2>に記載の重合体ミクロス
フェアを水系媒体中に含有することを特徴とする重合体
ミクロスフェア懸濁液である。 <4> 前記<3>に記載の重合体ミクロスフェア懸濁
液を、凝集させて重合体ミクロスフェアを取り出し、有
機溶剤に懸濁分散させて得られることを特徴とする重合
体ミクロスフェア懸濁液である。
【0009】前記<1>に記載の重合体ミクロスフェア
は、水不溶性のラジカル重合性単量体の少なくとも1種
を、親油性ノニオン系界面活性剤及びノニオン性水溶性
高分子の存在下で水性懸濁重合することにより得られ、
平均粒径が20〜500μmと比較的大粒径である。該
重合体ミクロスフェアは、得られる過程において併用さ
れる親油性ノニオン系界面活性剤及びノニオン性水溶性
高分子により、副生微粒子の形成が効果的に抑制される
一方、懸濁重合が安定に進行し、粒径分布が狭くて単分
散系に近い、重合体ミクロスフェアが得られる。
【0010】前記<2>に記載の重合体ミクロスフェア
は、得られる過程において用いられる親油性ノニオン系
界面活性剤のHLBが1〜10であるため、懸濁重合の
安定性が一層高まり、比較的大粒径でかつ粒径分布が狭
くて単分散系に近い重合体ミクロスフェアが安定に製造
される。
【0011】前記<3>に記載の重合体ミクロスフェア
懸濁液は、前記<1>又は<2>に記載の重合体ミクロ
スフェアを水系媒体中に含有するので、溶剤を含有しな
いため、安全に使用でき、水性物質と混合する際も容易
に混和できる。
【0012】前記<4>に記載の重合体ミクロスフェア
懸濁液は、前記<3>に記載の重合体ミクロスフェア懸
濁液を、凝集させて、凝集物を有機溶剤に懸濁分散させ
て得られ、紙などの基材に塗工した際にカーリング等が
生じない。い。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の重合体ミクロスフェア
は、水不溶性のラジカル重合性単量体の少なくとも1種
を、親油性ノニオン系界面活性剤及びノニオン性水溶性
高分子の存在下で水性懸濁重合することにより得られ、
平均粒径が20〜500μmである。
【0014】また、本発明の重合体ミクロスフェア懸濁
液は、少なくとも前記本発明の重合体ミクロスフェアを
液中に含有してなり、該液が水性である場合が、水性の
重合体ミクロスフェア懸濁液であり、該液が有機溶剤で
ある場合が、油性の重合体ミクロスフェア懸濁液であ
る。前記水性の重合体ミクロスフェア懸濁液は、前記本
発明の重合体ミクロスフェアを水系媒体中に含有してな
る。また、前記油性の重合体ミクロスフェア懸濁液は、
前記水性の重合体ミクロスフェア懸濁液を、凝集させて
重合体ミクロスフェアを取り出し、凝集物を有機溶剤に
懸濁分散させて得られる。
【0015】<水不溶性のラジカル重合性単量体>前記
水不溶性(疎水性)のラジカル重合性単量体としては、
通常の水性懸濁重合に使用できるものであれば特に制限
はなく、例えば、(メタ)アクリル酸エステルなどが好
適に挙げられる。前記(メタ)アクリル酸エステルとし
ては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、プロ
ピルメタクリレート、n−,t−,iso−の各ブチル
メタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、
シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリ
レート等、ラウリルメタクリレート、エチレン、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、スチレン、メチルスチレン等の
芳香族ビニル化合物、プロピオン酸ビニル、分枝カルボ
ン酸のビニルエステル等のビニルエステル類、ビニルホ
スフェート、アクリロニトリル、N−メチロールアクリ
ルアミド、グリシジルメタアクリレート、2−ヒドロキ
シアルキルアクリレート、アクリル酸アルコキシエチ
ル、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用して
もよいし、2種以上を併用してもよい。本発明において
は、前記水不溶性(疎水性)のラジカル重合性単量体の
外に、懸濁重合を害しない範囲内で以下の共重合モノマ
ーを使用することができる。
【0016】前記共重合性モノマーとしては、例えば、
親水性モノマー、架橋性モノマーなどが好適に挙げられ
る。
【0017】前記親水性モノマーとしては、例えば、エ
チルアクリレート、プロピルアクリレート、、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、アク
リロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル
系モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル、クロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボ
ン酸、などが挙げられる。これらの親水性モノマーを多
く使用すると、ミセル内重合により副生微粒子が形成さ
れることがあるため、該親水性モノマーは、前記水不溶
性(疎水性)のラジカル重合性単量体に対し、通常、1
0重量%以下程度使用される。
【0018】前記架橋性モノマーとしては、例えば、重
合性不飽和基を2個以上有するモノマー、ラジカル重合
性の不飽和結合を有するアルコキシシランなどが好適に
挙げられる。
【0019】前記重合性不飽和基を2個以上有するモノ
マーとしては、例えば、ジビニル化合物、ジ(メタ)ア
クリレート化合物、トリ(メタ)アクリレート化合物、
テトラ(メタ)アクリレート化合物、ジアリル化合物、
トリアリル化合物、テトラアリル化合物などが挙げら
れ、より具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルアジ
ペート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチルジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリットトリ(メタ)アクリ
レート、ジアリルフタレート、トリアリルジシアヌレー
ト、テトラアリルオキシエタンなどが挙げられる。これ
らは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。
【0020】前記ラジカル重合性不飽和結合を有するア
ルコキシシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチ
ルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキ
シシラン等のビニルアルコキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシ
シクロヘキシルエチルジメトキシシラン等のエポキシア
ルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン等のメルカプトアルコキシシラン、γ−メタアク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリ
ロキシプロピルトリエトキシシラン、などが挙げられ
る。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上
を併用してもよい。
【0021】これらの架橋性モノマーを多く使用する
と、重合安定性が損なわれることがあるので、該架橋性
モノマーは、前記水不溶性(疎水性)のラジカル重合性
単量体に対し、5重量%以下程度使用するのが好まし
い。
【0022】<親油性ノニオン系界面活性剤>前記親油
性ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等
のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレンソルビタンサンエステル、ソルビタンサンエステ
ルなどが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用
してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中
でも、比較的大粒径でかつ粒径分布が狭くて単分散系に
近い重合体ミクロスフェアを安定に製造できる点で、H
LBが1〜10であるものが好ましく、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンソルビタンサンエステ
ル、ソルビタンサンエステルなどがより好ましい。
【0023】前記親油性ノニオン系界面活性剤の使用量
としては、前記水不溶性(疎水性)のラジカル重合性単
量体に対し、0.1〜1.0重量%が好ましい。前記使
用量が、1.0重量%を超えると得られる重合体ミクロ
スフェアの粒径が大きくならないことがあり、0.1重
量%未満であると重合安定性が低下することがある。
【0024】本発明においては、前記親油性ノニオン系
界面活性剤の外に、親水性ノニオン性界面活性剤、アニ
オン性界面活性剤などを本発明の目的を害しない範囲内
で併用してもよく、前記親油性ノニオン系界面活性剤に
親水性ノニオン性界面活性剤を併用するのが好ましく、
特にHLBが10を超える親水性ノニオン性界面活性剤
を併用するのがより好ましい。
【0025】前記親水性ノニオン性界面活性剤として
は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型、ポリ
オキシエチレンカルボン酸エステル型、ポリオキシエチ
レングリコール型又はポリオキシプロピレングリコール
型、ポリオキシエチレンソルビタンエステル型などが挙
げられる。
【0026】前記アニオン性界面活性剤としては、例え
ば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキルスル
ホン酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテルス
ルホン酸ソーダ等のアルキル又はアルキルアリルスルホ
ン酸塩、アルキル又はアルキルアリル硫酸塩、ジアルキ
ルスルホコハク酸塩、などが挙げられる。
【0027】これらは、1種単独で使用してもよいし、
2種以上を併用してのよい。これらの中でも、重合安定
性を向上させる観点からは、HLBが10以上のポリオ
キシエチレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレン
ソルビタンエステル型等のものが好ましい。
【0028】<ノニオン性水溶性高分子>前記ノニオン
性水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコー
ル、エチレン変性ポリビニルアルコール、メルカプト変
性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘
導体、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導
体、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これら
は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して
もよい。
【0029】前記ノニオン性水溶性高分子の使用量とし
ては、前記水不溶性のラジカル重合性単量体に対し、1
〜10重量%が好ましい。前記使用量が、1重量%未満
であると、重合安定性が不良となり、10重量%を超え
ると、懸濁重合系の粘度が高くなり、却って重合安定性
を損なうことがある。
【0030】本発明においては、前記ノニオン性水溶性
高分子の外、アニオン性水溶性高分子、カチオン性水溶
性高分子などを、本発明の目的を害しない範囲内で併用
することができる。
【0031】前記アニオン性水溶性高分子としては、例
えば、ポリアクリル酸塩、カルボキシル変性やスルホン
酸変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。前記カ
チオン性水溶性高分子としては、例えば、カチオン性ヒ
ドロキシエチルセルロース、カチオン性ポリビニルアル
コール、カチオン性澱粉などが挙げられる。
【0032】本発明においては、上記各成分の存在下で
水性懸濁重合を行う際、重合開始剤、反応緩衝剤、連鎖
移動剤、水性媒体、などを必要に応じて使用することが
できる。
【0033】前記重合開始剤としては、一般の懸濁重合
に使用されるものであれば特に限定せず使用でき、例え
ば、アゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド等の有機
過酸化物、及びこれらと還元剤とを組み合わせたレドッ
クス系重合開始剤等が挙げられる。これらは、1種単独
で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0034】前記連鎖移動剤としては、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアル
コール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ン、アセトフェノン、アセトアルデヒド、プロピオンア
ルデヒド、n−ブチルアルデヒド、フルフラール、ベン
ズアルデヒド等の炭素数2〜8のカルボン酸類、ドデシ
ルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ノルマルメル
カプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸オクチ
ル、チオグリセロール等のメルカプタン類などが挙げら
れる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。
【0035】前記反応緩衝剤としては、例えば、酢酸ソ
ーダ、酢酸アンモニウム、第二リン酸ソーダなどが挙げ
られる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種
以上を併用してもよい。
【0036】前記水性媒体としては、特に制限はなく、
目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水
とアルコールなどの水溶性溶剤混合液などが挙げられ
る。
【0037】<水性懸濁重合>前記水性懸濁重合は、公
知の装置等を用い、公知の方法にて行うことができる。
例えば、予め、前記水不溶性のラジカル重合性単量体、
前記親油性ノニオン系界面活性剤、及び水を強制攪拌し
てモノマー懸濁液を調製し、これを、前記ノニオン性水
溶性高分子を含有する水溶液が仕込まれた反応缶に滴下
して、適宜、重合開始剤等を加えて加熱すること等によ
り行うことができる。本発明においては、前記水不溶性
のラジカル重合性単量体、前記親油性ノニオン系界面活
性剤、前記ノニオン性水溶性高分子として、上述のこれ
らの説明における好ましい例のものを組み合わせて用い
るのが好ましく、また、前記親水性ノニオン系界面活性
剤を更に用いる場合には、該親水性ノニオン系界面活性
剤として、上述の説明において好ましい例として挙げた
ものを用いるのが好ましい。なお、前記水性懸濁重合の
温度としては、10〜90℃程度が好ましく、30〜8
0℃がより好ましい。
【0038】この水性懸濁重合により、平均粒径が20
〜500μmである重合体ミクロスフェアが水性媒体中
に懸濁した水性懸濁液が得られる。この水性懸濁液が、
前記水性の重合体ミクロスフェア懸濁液である。
【0039】得られた水性の重合体マイクロスフェア懸
濁液は、通常、重合体ミクロスフェアを合成する際に使
用される公知の添加剤、例えば、pH調整剤、防腐剤、
増粘剤、粘着付与剤、濡れ剤、消泡剤、着色剤、顔料な
どを必要に応じて含有していてもよい。
【0040】前記水性の重合体ミクロスフェア懸濁液
を、凝集させて重合体ミクロスフェアを取り出し、次に
トルエン等の有機溶剤を加えて懸濁分散させることによ
り、前記油性の重合体マイクロスフェア懸濁液を得るこ
とができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。な
お、以下の実施例及び比較例において、「部」は「重量
部」を意味する。
【0042】(実施例1) −モノマー懸濁液組成物の調製− 下記組成のモノマー組成物を強制攪拌して、モノマー懸
濁液組成物を調製した。前記水不溶性のラジカル重合性
単量体として、2−エチルヘキシルアクリレート(2−
EHA)を用い、前記親油性ノニオン系界面活性剤とし
て、ポリオキシチレンアルキルエーテル(HLB=4)
を用い、前記親水性ノニオン系界面活性剤として、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムを用い
た。
【0043】 2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)・・・・100重量部 ポリオキシチレンアルキルエーテル(HLB=4)・・・ 1重量部 ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム・・0.5重量部 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50重量部
【0044】<水性懸濁重合>攪拌機、温度計、コンデ
ンサー及び窒素導入管を備えたフラスコに、水50重量
部、前記ノニオン性水溶性高分子としてのヒドロキシエ
チルセルロース5重量部を仕込み、窒素雰囲気下で80
℃に昇温した後、予め調製した前記モノマー懸濁液組成
物を4時間にかけて滴下した。なお、滴下を始める際、
アゾ系重合開始剤0.1重量部を添下して水性懸濁重合
を開始させた。滴下終了後、アゾ系重合開始剤0.1重
量部を添下して同温度でさらに2時間反応を継続し、水
性懸濁重合を完結させる。
【0045】以上により、平均粒径が約50μmである
水性の重合体ミクロスフェア懸濁液を製造した。また、
前記水性の重合体ミクロスフェア懸濁液を、凝集させて
重合体ミクロスフェアを取り出し、有機溶剤に懸濁分散
させて油性の重合体ミクロスフェア懸濁液を得た。この
水性の重合体ミクロスフェア懸濁液、及び更にこれから
得られた重合体ミクロスフェアにおいては、粒度分布測
定装置(島津製作所(株)製、遠心沈降式粒度分布測定
装置(SA−CP3) )を用いて粒径分布を測定したと
ころ、40〜80μmであり、粒度分布が狭く単分散系
に近く、副性微粒子の混在が極めて少なかった。また、
前記重合体ミクロスフェアを、有機溶剤に懸濁分散させ
て前記油性の重合体マイクロスフェア懸濁液も製造し
た。
【0046】(実施例2〜6)実施例1において、前記
モノマー懸濁液組成物の組成を表1に示すように変更し
た以外は、実施例1と同様にして水性及び油性の重合体
ミクロスフェア懸濁液並びに重合体ミクロスフェアを製
造した。これらの粒径分布の測定結果は、表1に示し
た。また、これらにおいては、副性微粒子の混在が極め
て少なかった。
【0047】
【表1】
【0048】なお、表1において、「n−BMA」は、
n−ブチルメタクリレートを意味し、「2−EHA」
は、2−エチルヘキシルアクリレートを意味し、「S
t」は、スチレンを意味し、「t−BMA」は、t−ブ
チルメタクリレートを意味し、「ベオバ10」は、分岐
カルボン酸のビニルエステル(シェル製)を意味し、
「LMA」は、ラウリルメタクリレートを意味し、「界
面活性剤a」は、親油性のポリオキシエチレンアルキル
エーテル(HLB=8)を意味し、「界面活性剤b」
は、親油性のポリオキシエチレンソルビタンエステル
(HLB=9.6)を意味し、「界面活性剤c」は、親
油性のソルビタンサンエステル(HLB=2.1)を意
味し、「界面活性剤d」は、親水性のポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル(HLB=15)を意味し、「界面
活性剤e」は、親水性のポリオキシエチレンソルビタン
エステル(HLB=15)を意味し、「HEC」は、ヒ
ドロキシエチルセルロースを意味し、「PVA」は、ポ
リビニルアルコールを意味し、「PVP」は、ポリビニ
ルピロリドンを意味する。
【0049】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができる。また、本発明によると、乳
化重合に起因する副生微粒子の混在が少なく、粒径分布
が狭くて単分散系に近く、トナー、スぺーサー、化粧
品、粘着剤等の広い分野で好適に使用可能な、重合体ミ
クロスフェア及びその懸濁液を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶性のラジカル重合性単量体の少な
    くとも1種を、親油性ノニオン系界面活性剤及びノニオ
    ン性水溶性高分子の存在下で水性懸濁重合することによ
    り得られ、平均粒径が20〜500μmであることを特
    徴とする重合体ミクロスフェア。
  2. 【請求項2】 親油性ノニオン系界面活性剤のHLBが
    1〜10である請求項1に記載の重合体ミクロスフェ
    ア。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の重合体ミクロス
    フェアを水系媒体中に含有することを特徴とする重合体
    ミクロスフェア懸濁液。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の重合体ミクロスフェア
    懸濁液を、凝集させて、重合体ミクロスフェアを取り出
    し、有機溶剤に懸濁分散させて得られることを特徴とす
    る重合体ミクロスフェア懸濁液。
JP36546398A 1998-12-22 1998-12-22 重合体ミクロスフェア及び重合体ミクロスフェア懸濁液 Pending JP2000186104A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063379A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Soken Chem & Eng Co Ltd 有機ナノ粒子水性分散体、その製造方法及びその用途
KR101284975B1 (ko) * 2007-11-15 2013-07-10 주식회사 엘지화학 전자종이용 화상표시입자의 제조방법, 이에 의해 제조된화상표시입자 및 이를 포함하는 전자종이

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