JP2000183523A - 多層配線基板の製造方法 - Google Patents

多層配線基板の製造方法

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JP2000183523A
JP2000183523A JP35495098A JP35495098A JP2000183523A JP 2000183523 A JP2000183523 A JP 2000183523A JP 35495098 A JP35495098 A JP 35495098A JP 35495098 A JP35495098 A JP 35495098A JP 2000183523 A JP2000183523 A JP 2000183523A
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layer
copper plating
plating
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multilayer wiring
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JP35495098A
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English (en)
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Takashi Takayanagi
丘 高柳
Mitsutoshi Tanaka
光利 田中
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層間絶縁膜の損傷を防止し、ヒートサイクル
耐性を向上させることができる多層配線基板の製造方法
を提供する。 【解決手段】 少なくとも1つのスルーホール部を有す
る絶縁基板上に絶縁層と配線を交互に積層した多層配線
基板の製造において、前記絶縁基板の層間絶縁層の最外
層を形成した後にめっき処理を行う第1の工程と、前記
めっき処理により最外層に金属薄層を形成した後にスル
ーホール部を設ける第2の工程と、引続き最外の配線層
を形成する第3の工程と、を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリント配線基板製
造分野、特にビルドアップ法による多層配線基板の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の軽薄短小化、高機能
化、薄層化の流れが急速に進んできている。このため、
電子部品の高密度実装が必須となり、これに対応するた
めプリント配線基板の高密度化が大きな課題となり、配
線層を複数備えたいわゆる多層配線基板の比重が高まっ
てきている。その一つとして、あらかじめ配線が形成さ
れた積層板を複数枚熱硬化性絶縁シートを介してプレス
成形する手段が採用されてきたが、位置合わせの問題、
基材の収縮の問題等によってその製造には細心の注意が
必要であり、従って高価なものとなりやすかった。多層
配線基板の別の作製方法として、最近ビルドアップ法が
注目を集めており、いわゆる積み上げ方式の多層配線基
板が提案されている。
【0003】多層配線基板の配線層間の接続には従来か
ら一般的に行われているスルーホールによる層間の電気
接続のほかに、非貫通型の接続法としてドリル寸止めに
よって穴開けを行った後めっきを行うといった新たな層
間接続法が採用されている。また、近年ではこれに代わ
るものとしてエキシマレーザ穴あけ法が提唱されてい
る。さらにフォトリソグラフィーにより絶縁層に穴を開
けめっきを行う層間接続方が採用されている。
【0004】このような層間接続法は非貫通型であり、
層間の必要な部分にだけ配置させるために配線の自由度
を増大することができ、多層配線基板の高密度化に大き
く寄与する。
【0005】従来の多層配線基板の製造方法の例を図3
乃至図4に基づいて説明する。図3(A)は、ガラス/
エポキシ積層等の絶縁基板31の両面に銅箔32が張ら
れた状態を示す。(なお、これは一つの例を示すにすぎ
ず、この絶縁基板31自体が多層構造の場合もあり、さ
らにこの基板自体がすでに何層かの層間絶縁層と配線層
を有する場合もあるが、いずれの場合でも、後述する本
発明のプロセスをそのまま適用できる。)図3(B)に
示すように、その片面にドライフイルム3がラミネート
される。次いで図3(C)に示すように、パターン露
光、現像した後、図3(D)に示すようにエッチングを
行った後、図3(E)に示すようにレジストを剥離し、
配線パターンを形成する。
【0006】その後、図3(F)に示すように絶縁膜3
4を形成した後、図3(G)に示すようにパターン露
光、現像する。その後、図4(A)に示すようにドリル
により穴あけを行いスルーホール部35を形成する。こ
のドリルによる穴あけ工程において、ガラス/エポキシ
基板の切削クズ(以下、レジンスミアという)が発生す
るため、図4(B)に示すように、このレジンスミアを
除去するためのデスミア処理を行う。デスミア処理は、
例えば、アルカリ性溶液で処理した後、酸化性溶液で処
理し、ついで中和処理する工程を有する。
【0007】デスミア処理が施された後、必要に応じて
めっきの接着性を増す処理が行われ、図4(C)に示す
ように無電解銅めっき、電解銅めっきが施されてめっき
層36が形成され、バイヤホール部において銅めっきに
より第1層と第2層の層間の接続が取られる。次に図4
(D)に示すように、ドライフイルム38がラミネート
され、図4(E)に示すようにパターン露光、現像し、
その後、図4(F)に示すようにエッチッグによりシジ
ストが剥離され、第2層の配線パターンが形成される。
これらの工程を繰り返すことによって多層配線基板が形
成される。
【0008】このように従来の多層配線基板の製造方法
においては、図4(A)に示すスルーホールの形成後
に、図4(B)に示すデスミヤ処理を施し、その後、図
4(C)に示す無電解銅めっき,電解銅めっきのめっき
工程を実施するのが一般的であった。しかしながら、こ
のプロセスで作成された多層配線基板は、絶縁層の最外
層を構成する樹脂材料がデスミア処理によって損傷し、
ヒートショック耐性、ヒートサイクル耐性の低下を招
き、配線パターンの信頼性が低下する懸念があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多層
配線基板のヒートサイクル耐性を向上することができる
多層配線基板の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ための、本発明の多層配線基板の製造方法は、絶縁基板
上に絶縁層と配線を交互に積層してなり、少なくとも1
つのスルーホール部を有する多層配線基板の製造方法で
あって、前記絶縁基板の層間絶縁層の最外層形成後にめ
っき処理を行う第1の工程と、前記めっき処理により最
外層に金属薄層を形成した後にスルーホール部を設ける
第2の工程と、引続き最外の配線層を形成する第3の工
程と、を有することを特徴とする。
【0011】本発明の前記第1の工程におけるめっき処
理は、無電解めっき処理工程であっても、さらに、無電
解めっき処理及び電解めっき処理の2工程を含むもので
あってもよい。このように、スルーホール形成前の多層
基板にめっき処理を行うことにより、形成されためっき
層(金属薄層)が絶縁基板の層間絶縁層の最外層に対し
て保護層としての機能を果たすため、スルーホール形成
後のデスミヤ処理による絶縁層の損傷を防止し、ヒート
サイクル耐性の良好な多層基板を実現することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について説明する。図1乃至図2に本発明の多層配線
基板の製造方法の好ましい実施の形態を説明する。本発
明においては、スルーホール形成前の基板上に複数層の
配線層と絶縁層とを交互に積層する工程までは、公知の
製造方法を配線基板の目的に応じて適宜選択して適用す
ることができる。ここでは、前記スルーホール形成前の
基板のことを単に絶縁基板と称し、本発明に係わる工程
のみについて、その一例を挙げて説明する。
【0013】まず、絶縁基板11の両面の銅箔12に対
して回路加工をドライフィルムレジスト13を用いてパ
ターニングすることにより行う。(図1(A)) 該回路基板上に、感光性エレメントをラミネートなどに
より積層し、所定の露光処理を行った後、加熱処理して
絶縁性樹脂層を形成する。さらに、この第一の層間絶縁
層上にめっき処理を行い、パターニングして第二の配線
層を形成し、公知の手段により、先に形成した第一の配
線層と第二の配線層との間に層間接続部を形成した後、
前記と同様にしてその上に感光性エレメントを積層し、
第二の絶縁層を形成する。このようにして、基板上に目
的に応じた層数の多層配線を形成する。(図1(B))
【0014】ここで用いる感光性エレメントを構成する
感光性樹脂組成物としては、フォトリソグラフ加工可能
なものも、レーザーによりエッチング加工可能なものも
使用することができる。ここでは、具体例としてフォト
リソグラフ加工可能な感光性樹脂組成物について説明す
る。この感光性樹脂組成物は、活性光線によって像形成
が可能であり、粗化処理液によって表面に微細な形状を
形成可能であり、無電解めっき等の手段によって導体を
析出させることが可能なものを用いることが好ましく、
前記絶縁基板11上にこの組成物からなる第一の感光性
樹脂組成物層と、高い無電解めっき液耐性と絶縁性に優
れる第二の感光性樹脂組成物層が積層されて、二層構造
を取っていてもよい。
【0015】この感光性樹脂組成物層は、絶縁基板上に
感光性樹脂組成物塗布液を塗布、乾燥させることによっ
て形成してもよく、予めフィルム状に成形した感光性樹
脂組成物層を基板上にラミネートして形成することもで
きる。塗布法により形成される場合には、バーコート、
カーテンコート、スプレーコート、ディップコート、ス
ピンコートなどの公知の膜形成法が使用される。ラミネ
ート法により形成される場合には、通常加熱加圧手段を
備えたラミネータによって基材に積層される。この目的
のためにホットロール、基材搬送系、感光性エレメント
の繰り出し、減圧等の機構を備えたラミネータが各社よ
り販売されており、特別の改造もなくそのまま使用可能
である。
【0016】この感光性樹脂組成物層の膜厚は主として
層間絶縁信頼性を確保できる観点から決定される。感光
性樹脂組成物層が薄すぎる場合には絶縁耐圧が不十分に
なる。また過度の膜厚は多層配線板の板厚が増大すると
共に解像性が低下する。これらの観点から膜厚5μmか
ら100μm、好ましくは膜厚10μmから70μmの
範囲で使用される。
【0017】感光性エレメントをラミネート法により積
層する場合には、エレメントにはポリエチレン等の保護
フィルムがさらに積層されるのが通例である。即ち、フ
ォトビア形成用感光性エレメントとしては、透光性基材
に、感光性樹脂組成物層、保護フィルムを順に積層した
構造をとるものを用いることもできる。一般に、保護フ
ィルムは積層に先だって感光性エレメントから除去され
る。複数の感光性樹脂組成物層を設ける場合、両者はワ
ニスを塗布して貼り合わせても良く、フィルム状のもの
を貼り合わせても良い。
【0018】先に述べたように、本発明の多層配線基板
の製造方法はどのような感光性エレメントを用いた多層
基板にも適用でき、感光性樹脂としては、フォトリソグ
ラフ加工可能なもの(以下、適宜、フォトビアと称す
る)、レーザーによりエッチング加工可能なもの(以
下、適宜、レーザービアと称する)のいずれも使用でき
る。フォトビア用樹脂としては、例えば、特開平4−1
48590号、特開昭63−126297号に記載の如
き、塗布法に適する感光性樹脂、特開平6−14887
7号、同9−244239号に記載の如き、ラミネート
法に適する感光性樹脂、レーザービア用樹脂としては、
例えば、特開平10−200266号に記載の如き、塗
布法に適する感光性樹脂、特開平5−152754号に
記載の如き、ラミネート法に適する感光性樹脂等を好適
に用いることができる。
【0019】この多層配線基板の最外層の絶縁樹脂層上
に、スルーホール形成前にめっき処理を施すのが本発明
の特徴であるが、絶縁樹脂層表面積を増大させることで
無電解めっきの接着強度を増大させるため、この絶縁樹
脂層には表面に微細な凹凸を形成することが好ましい。
微細な凹凸の形成方法としては、粗化処理液による方法
と、予めその表面に凹凸を形成した樹脂フィルムを適用
する方法が挙げられる。粗化処理液は公知のものを目的
に応じて選択することができるが、粗化処理液の例とし
ては無水クロム酸・硫酸を主成分とする酸性処理液、過
マンガン酸カリ・水酸化ナトリウム液のようなアルカリ
系処理液が挙げられ、クロム酸系処理液が望ましい。粗
化処理は、前述の工程を経て得られた樹脂層形成済み基
板を粗化処理液に適当な時間浸漬することで行われる。
浸漬する際処理液を加温して処理を促進することが通例
である。
【0020】また、予め絶縁樹脂層に凹凸を形成する方
法としては、除去可能な凹凸層と一体化された絶縁樹脂
フィルムを用いる方法が挙げられ、例えば、特開平9−
244239号に記載の如く、仮支持体上に微粒子を含
有する水性樹脂層を設け、その表面に絶縁樹脂層を設け
る方法がある。この方法によれば、微粒子により凹凸が
形成された水性樹脂層側表面近傍に存在する絶縁樹脂層
が、この凹凸に追従して粗面化されており、この絶縁樹
脂層を絶縁基材上にラミネートした後、露光、現像する
と、この現像時に水性樹脂は溶解もしくは剥離除去さ
れ、それに伴い微粒子も脱落、もしくは溶出して、その
結果、絶縁樹脂層表面に凹凸が形成される。また、凹凸
を有する銅箔に樹脂組成物を塗布後乾燥して樹脂層を形
成し、この樹脂層側を基板側にしてラミネートする方法
も適用できる。この方法によれば、銅箔はエッチングに
より除去され、表面に凹凸が形成された絶縁樹脂層が得
られる。
【0021】本発明においる好ましい凹凸の形成の目安
としては、JIS K5400に規定された粗面化の測
定方法に従って評価し、5mmの間隔の碁盤目テストに
おいて少なくとも8点の評価であることが好ましい。こ
の凹凸の形成が不十分であると金属めっき膜を作成して
も簡単に剥離してしまい、ビルドアップ法による信頼性
の高い回路基板を作成することが困難となる。
【0022】この凹凸形成方法は、感光性樹脂の特性や
必要な多層基板のめっき層に応じて適宜選択されるが、
得られる多層基板の性能と製造の容易性からは、フォト
ビア感光性樹脂層を用い、予め凹凸の形成されたフィル
ムを用いたラミネート法を適用することが好ましい態様
である。
【0023】次に表面に微細な凹凸が形成された絶縁樹
脂層上に図1(C)に示すように無電解銅めっき及び/
又は電解銅めっきが施され、銅めっき層14が形成され
る。ここで行うめっき処理は無電解銅めっきのみであっ
ても、電解銅めっきのみであってもよく、さらに、両者
を順次行ってもよい。このめっき処理により形成される
銅めっき層は絶縁樹脂層の保護層として機能するととも
に、それ自体も配線としての機能を有することになる。
無電解めっき処理を行う際に、樹脂表面の脱脂処理、触
媒付与、触媒活性化等の前処理を行うこともできる。こ
の前処理工程は特に限定されるものではなく、当業者に
公知の市販の処理液を適宜使用することが可能である。
また、必ずしも脱脂処理を行わなくても良い。この無電
解めっきは銅あるいはニッケル等を用いることができ、
膜厚は引き続き電解めっきを行わない場合、1〜4μm
程度が好ましく、引き続き電解めっき処理を行う場合に
は、電解めっき処理性向上のため、通常0.1〜2μm
程度であることが好ましい。
【0024】所望により無電解めっき処理した後に、電
解めっきを行うが、電解めっきは通常銅が好適である。
電解銅めっき液は硫酸銅浴、ピロリン酸銅浴等を用いる
ことが出来る。勿論これらに限定されるものではない。
この時の膜厚は1〜8μm程度であることが好ましい。
めっき層の膜厚が上記範囲より薄いと樹脂層の保護効果
が十分ではなく、所望のヒートサイクル耐性を得難い。
また、膜厚が厚すぎると、その後に行われるソルダーレ
ジストの塗布に悪影響を与えるおそれがあり、いずれも
好ましくない。
【0025】絶縁樹脂層上に銅めっき層14が形成され
た後、図1(D)に示すようにドリル穴あけによってス
ルーホール部15が形成される。ドリル穴あけによって
絶縁基板の樹脂成分によるレジンスミア等の基板の切削
クズが発生する。したがって、その後の工程(図1
(E))において、デスミスア処理をを行う。このデス
ミア処理は、基板の切削クズ(スミヤ)の種類に応じて
任意の処理液を選定することができるが、基本的には、
スミヤを溶解除去することができる処理液を選定すれば
よい。処理液の一例としては、レジンスミヤの場合、N
aOH等のアルカリ性溶液と過マンガン酸カリウム等の
酸化性溶液が使用され、その後中和処理液が使用され
る。本発明においては、銅めっき層は絶縁樹脂層の保護
層として機能するため、このようなアルカリ性溶液や酸
化性溶液により、絶縁樹脂層が損傷するのを効果的に防
止することができ、樹脂層の劣化に起因する熱特性の低
下が起こらず、ヒートサイクル耐性、ヒートショック耐
性に優れた絶縁層となる。
【0026】デスミヤ処理後に、常法の如き、無電解銅
めっき、電解銅めっきが施され(図2(A)に示す)、
スルーホールを含む面に銅めっき層16が形成される。
その後、図2(B)に示すように、ドライフイルム17
が銅めっき層16の両面にラミネートされる。次いで図
1(E)に示したのと同様にパターン露光、現像した
後、図2(C)示すようにエッチングを行った後、図2
(D)に示すようにレジストを剥離し、配線パターンが
形成される。さらに必要に応じてこの上にソルダーレジ
スト層が形成される。
【0027】本発明に用いられる感光性エレメントの感
光性絶縁樹脂層について、好ましいものを説明する。感
光性絶縁樹脂としては、感光性エレメントを配線形成済
みの絶縁基材上にラミネートする方式をとることが好ま
しいのは前記した通りであるが、この目的のためには、
経時でラミネート性を阻害する程度に樹脂の硬化が急速
に進行するものは使用に適さない。この点の障害がなけ
れば、絶縁性、パターン形成性、密着性、強度、耐無電
解めっき性、耐電解めっき性等の工程適性など、ビルド
アップ法による多層配線板に必要な性能を満足する限
り、制限は無い。
【0028】好ましくは、特開平7−110577号公
報、特開平7−209866号公報等に開示されるよう
な、光重合開始剤あるいは光重合開始剤系とエチレン性
不飽和二重結合を有する付加重合性モノマー、及びスチ
レン/マレイン酸無水物共重合体のアミン(ベンジルア
ミン、シクロヘキシルアミン等)変性した樹脂を含有す
る感光性絶縁樹脂などが挙げられる。
【0029】また前述のように、予め凹凸を形成するた
めに水性樹脂層上に塗布を行うためには、感光性絶縁樹
脂溶液には塗布適性付与のために界面活性剤、マット材
(微粒子)等を必要に応じて添加しても良い。塗布溶剤
としては特に制限は無いが、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン等が好適に用いられる。感光性絶縁樹脂溶
液の塗布乾燥後に、表面を保護するためポリプロピレン
フィルム等をラミネートしても良い。
【0030】このような感光性エレメントを用いたとき
の多層配線基板の製造方法について具体的に説明する。
本態様では、感光性樹脂としてフォトビア樹脂を用いて
いる。まず配線パターンが形成された絶縁基板上に前記
感光性エレメントを加熱、加圧圧着する。これは通常ラ
ミネーターを用いて行い、ポリプロピレン保護フィルム
等があれば、これを剥離し、感光性絶縁樹脂層をむき出
しにして行う。その後パターン露光を行うが、仮支持体
フィルムをそのままにしても良いし、また剥離して露光
することも可能である。特に高解像度が必要な場合は、
仮支持体フィルムを剥離して露光することが望ましい。
露光は超高圧水銀灯等を用いることが出来、拡散光、平
行光露光いずれも使用可能である。次に溶剤またはアル
カリ水溶液により現像を行い、バイアホールを形成する
が、現像液は溶剤の場合はクロロセン等のクロル系溶剤
等、アルカリ水溶液の場合には現像主剤として0.3〜
2%程度の炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、あるいはテトラメチルアンモニウムハイドロ
オキサイド等を用い、これらを溶解した水溶液を用いる
ことが出来る。アルカリ水溶液系現像液には必要に応じ
て、界面活性剤やベンジルアルコールのような溶剤を添
加することも可能である。現像はシャワー現像やブラシ
現像、あるいは両者を組み合わせた方法で行うことがで
きる。
【0031】現像終了後には、水溶性樹脂層が完全に除
去され、この凹凸を転写するかたちで、感光性樹脂絶縁
膜の表面付近にはこの時点で凹凸が形成されており、こ
れが後工程での無電解めっき、電解めっきにより形成さ
れる金属配線との密着に対し有効なアンカー効果を示
す。
【0032】現像終了後、前記露光機を用い200〜5
000mj/cm2 の条件下ポスト露光を行い、更に1
20℃〜200℃の範囲でポストベイクを行うことが望
ましい。これにより、絶縁性樹脂の硬化が十分に進み、
耐熱性、無電解めっき時の耐強アルカリ性が更に向上す
る。
【0033】現像処理のみでは水性樹脂層が多く残る場
合には、この残留分を除き、感光性絶縁樹脂層の表面を
清浄化し後工程の無電解めっきの密着を向上させるた
め、ここで塩酸等の酸、あるいは水酸化ナトリウム水溶
液等の処理液に浸漬処理しても良い。
【0034】これらの工程の後、引き続き行われる無電
解めっき処理、電解めっき処理等は公知の多層配線基板
の製造方法に適用される方法を目的に応じて適宜適用す
ることができる。
【0035】例えば、電解銅めっき後の配線形成は、通
常のサブトラクティブ法により行わうことができる。こ
の際には、市販のフィルム状のフォトレジスト(DF
R)をラミネートして、あるいは液状のフォトレジスト
を塗布して、使用することができる。この結果、第2層
の配線が形成され、同時にバイアホール部ではめっき銅
により、第1層と第2層の接続が取れる。
【0036】このように本発明の製造方法によれば、ス
ルーホール形成前にめっき処理を行う他は、公知の多層
配線基板の各工程を適用することができるため、特別の
装置や薬品を使用することなく、従来の製造方法におい
て使用していた装置、処理液をそのまま使用でき、コス
ト的にも有利であり、しかも、ヒートサイクル耐性に優
れた多層配線基板が簡単に形成できるという利点を有す
るものである。また、本発明のヒートサイクル耐性の向
上効果は、後述する実施例に示すような120〜190
℃の熱処理を適宜組み合わせることにより、より高める
ことができる。
【0037】
【実施例】以下実施例により、本発明を更に詳細に説明
するが、本発明の技術はこれらに限定されるものではな
い。 [実施例1] (1)感光性エレメントの作製 20μmのポリエステルフィルム上に、下記組成の水性
樹脂層をペイントシェーカーにて60分分散後、3μm
の膜厚に塗布し、100℃10分で乾燥した。
【0038】 <水性樹脂層の組成> ・ポリビニルアルコール(PVA205:クラレ社製) 1.25重量部 ・ポリビニルピロリドン(K90:信越化学社製) 0.629重量部 ・ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC5E:五協産業社製) 1.25重量部 ・酸化亜鉛(ZnO−100:住友大阪セメント社製) 6.62重量部 ・フッ素系界面活性剤 0.419重量部 (サーフロンS131:旭ガラス社製) ・純水 43.35重量部 ・メタノール 53.1重量部
【0039】次に下記組成の感光性絶縁樹脂を乾燥後の
塗膜の膜厚が45μmになるように前記水性樹脂層上に
塗布し、100℃15分の条件で乾燥し、感光性エレメ
ントを得た。なお結合剤として用いたスチレン/マレイ
ン酸共重合体ベンジルアミン変性物の合成法を下記に示
す。
【0040】 <感光性絶縁樹脂の組成> ・結合剤スチレン/マレイン酸共重合体ベンジルアミン変性物 21.5重量部 ・光重合開始剤9−フェニルアクリジン(日本シイベルワグナ社製) 1重量部 ・多官能モノマー(M320:東亜合成社製) 10.8重量部 ・多官能モノマー(BPE500:新中村化学社製) 10.8重量部 ・フッ素系界面活性剤(F176PF:大日本インキ化学社製) 0.34重量部 ・メチルエチルケトン 28.5重量部 ・シクロヘキサノン 22.59重量部
【0041】<結合剤の合成例>スチレン/マレイン酸
無水物=68/32モル比の共重合体(重量平均分子量
約12000)153.2重量部をプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート/メチルエチルケトン
=80/20重量比の混合溶媒612.8重量部に溶解
した。これにベンジルアミン26.8重量部をプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート/メチルエ
チルケトン=80/20重量比の混合溶媒107.2重
量部に溶解した溶液を室温で約1時間かけて滴下した。
更に室温下で6時間攪拌し、溶剤を乾燥固化すること
で、結合剤となるスチレン/マレイン酸無水物共重合体
のベンジルアミン変成物を得た。
【0042】(多層配線板作製)厚さ18μmの銅貼り
ガラス/エポキシ基板をドライフィルムレジストを用い
てパターニングし、第一配線層を形成した。この上に上
記感光性エレメントをラミネートして感光性絶縁樹脂層
を形成した。次に配線及び、層間接続用のマスクを用い
拡散光で100mj/cm2 の露光量でパターン露光を
行った後、0.5%炭酸ソーダの現像液を用い、40
℃、30秒間シャワー現像を行った。この結果バイアホ
ールが形成され、また感光性絶縁樹脂層表面に凹凸が形
成された。この後、拡散光露光機で1900mj/cm
2 の条件下、全面にポスト露光を行い、更に160℃6
0分加熱処理(ポストベイク処理)を行い、この層を第
一層間絶縁層として完成させた。
【0043】次にメルテックス社製の処理剤を用い、以
下の手順で、無電解銅めっきまで行った。前処理剤(P
C236)で、25℃で3分間浸漬処理し、2分間純水
で水洗した。触媒付与剤(アクチベーター444)で、
25℃で6分間浸漬処理し、2分間純水で水洗した。活
性化処理剤(PA491)で、25℃で10分間浸漬処
理し、2分間純水で水洗した。これらの前処理後に、無
電解銅めっき液(CU390)で、25℃、pH12.
9の条件下10分間浸漬処理し、純水で5分間水洗し
た。これを100℃で15分乾燥した。この結果、膜厚
約0.5μmの無電解銅めっき膜が形成された。
【0044】引き続き、メルテックス社製の脱脂処理剤
(PC455)で、25℃で30秒浸漬処理、2分間水
洗し、電解銅めっきを行った。電解銅めっき液は硫酸銅
75g/l、硫酸190g/l、塩素イオン約50pp
m、及びメルテックス社製カパーグリームPCM5ml
/lの組成で、25℃、2.5A/100cm2 、40
分の条件でめっきを行った。この結果、約20μmの銅
が析出した。次にオーブンに入れ160℃60分放置
後、ドライフィルムレジストを用いてパターニングし、
第二配線層及び第一配線層と第二配線層を接続する第一
層間接続部を形成した。さらに、この上に再度感光性エ
レメントをラミネートして、前記と同様にして第二層間
絶縁層を形成した。
【0045】前記第二層間絶縁層が本実施例では、層間
絶縁層の最外層にあたるため、この絶縁層上に、前記と
同様の条件で無電解めっきを行い、その際、処理時間を
40分間とした以外は、前記と同様の条件で電解銅めっ
きを行った。この結果、約2μmの銅が析出した。
【0046】得られた基板を太さ0.8mmのハイスピ
ード鋼ドリルを用いて、ドリリングして貫通穴(スルー
ホール)を形成した。この過程で生じたエポキシスミア
を除去するため、デスミア処理を行い、貫通口内部のド
リル屑を除去した。デスミア処理は、300ml/lの
OPC−1050コンディショナー(奥野製薬株式会社
製)とNaOHの組成液によって60℃、5分の表面調
整を行い、次に100ml/lのエポキシエッチOPC
−1200(奥野製薬株式会社製)と過マンガン酸カリ
ウムの組成液により80℃、8分の樹脂層のエッチッグ
を行い、最後に200ml/lのOPC−1300ニュ
ートライザー(奥野製薬株式会社製)により45℃、5
分の中和処理により行った。
【0047】次に前記第二配線層の形成と同じ条件で、
無電解銅めっきと、電解銅めっきとを順次行った。次に
オーブンに入れ160℃60分放置後、ドライフィルム
レジストを用いてパターニングし、第三配線層及び第二
配線層と第三配線層を接続する第二層間接続部を形成し
た。
【0048】[実施例2]第二層間絶縁層の形成後に行
うめっき処理について処理時間を変えて、厚さ2μmの
無電解銅めっき層と、厚さ2μmの電解銅めっき層とを
順次形成した他は、実施例1と同じ条件で多層配線基板
を製造した。
【0049】[実施例3]第二層間絶縁層の形成後に行
うめっき処理について処理時間を変えて、厚さ2μmの
無電解銅めっき層と、厚さ8μmの電解銅めっき層とを
順次形成した他は、実施例1と同じ条件で多層配線基板
を製造した。
【0050】[比較例1]第二層間絶縁層の形成後にス
ルーホールを形成し、デスミヤ処理後、めっき処理を行
った他は、実施例1と同じ条件で多層配線基板を製造し
た。
【0051】<評価方法>実施例及び比較例の製造方法
により得られた多層配線基板のヒートサイクル耐性を以
下の条件で測定した。得られた多層配線基板について、
1サイクルが、−65℃:15分間、常温:10分間、
125℃:15分間の条件で気相ヒートサイクル試験を
行い、回線が切断するまでのサイクル数を計測してヒー
トサイクル耐性を評価した。数値が大きいほどヒートサ
イクル耐性に優れると評価する。結果を下記表1に示
す。
【0052】
【表1】
【0053】<試験結果>表1の結果より明らかなよう
に、実施例1〜3の製造方法により得られた多層配線基
板では、断線するまでのサイクル数が2000サイクル
以上であり、いずれもヒートサイクル耐性に優れている
ことがわかった。一方、比較例の製造方法により得られ
た多層配線基板では、800サイクルであり、繰り返し
加熱、冷却により回路の信頼性が低下することがわかっ
た。この試験の結果は、実施例では、スルーホール形成
前に施されためっき層により層間絶縁層を構成する樹脂
がデスミヤ処理の際の損傷から保護され、絶縁層の信頼
性が維持されるためと考えられる。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明の多層配線基板の製
造方法によれば、ヒートサイクル耐性に優れた信頼性の
高い多層配線基板を、特別の装置や処理剤を必要とせ
ず、容易に製造しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)〜(E)本発明の多層配線基板の製造
方法の一例において、基板からデスミヤ処理までの工程
を示す概略図である。
【図2】 (A)〜(D)本発明の多層配線基板の製造
方法の一例において、デスミヤ処理後の回路形成から基
板完成までの工程を示す概略図である。
【図3】 (A)〜(G)従来の多層配線基板の製造方
法の一例において、基板からスルーホール形成前までの
工程を示すを例を示す概略図である。
【図4】 (A)〜(F)従来の多層配線基板の製造方
法の一例において、スルーホール形成から基板完成まで
の工程を示すを例を示す概略図である。
【符号の説明】
11 ガラス/エポキシ基板 12 銅箔 13 ドライフイルム 14 めっき層(スルーホール形成前の) 15 スルーホール部 16 めっき層 17 ドライフイルム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に絶縁層と配線を交互に積層
    してなり、少なくとも1つのスルーホール部を有する多
    層配線基板の製造方法であって、 前記絶縁基板の層間絶縁層の最外層を形成した後にめっ
    き処理を行う第1の工程と、 前記めっき処理により最外層に金属薄層を形成した後に
    スルーホール部を設ける第2の工程と、 引続き最外の配線層を形成する第3の工程と、を有する
    ことを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程におけるめっき処理が、
    無電解めっき処理工程を含むことを特徴とする請求項1
    に記載の多層配線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程におけるめっき処理が、
    無電解めっき処理及び電解めっき処理の2工程を含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板の製造方
    法。
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US7226806B2 (en) * 2001-02-16 2007-06-05 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Wet etched insulator and electronic circuit component

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7226806B2 (en) * 2001-02-16 2007-06-05 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Wet etched insulator and electronic circuit component
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