JP2000177380A - 挟込み検知装置 - Google Patents

挟込み検知装置

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JP2000177380A
JP2000177380A JP10354128A JP35412898A JP2000177380A JP 2000177380 A JP2000177380 A JP 2000177380A JP 10354128 A JP10354128 A JP 10354128A JP 35412898 A JP35412898 A JP 35412898A JP 2000177380 A JP2000177380 A JP 2000177380A
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capacitor
fixed
unit
frequency signal
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Morihiko Toyosumi
守彦 豊鷲見
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AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Harness System Technologies Research Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性の向上が図れる挟込み検知装置を提供
する。 【解決手段】 この挟込み検知装置が適用されたパワー
ウインド装置では、所定の間隔を開けて平行配置された
固定導電体21および移動導電体23からなるコンデン
サ部C3と、そのコンデンサ部C3を内包する中空の弾
性部材25とを備えてなる感圧部11が、車窓1の内周
部に配設されており、所定の高周波信号が高周波信号供
給部13によってコンデンサ部C3に向けて所定の出力
レベルで供給されるとともに、コンデンサ部C3の固定
導電体21の電位変化が信号レベル検出部15によって
検出される。固定導電体21の電位変化の大きさは、挟
込みが発生し、弾性部材25が押しつぶされるように弾
性変形し、両導電体21,23間の距離が減少するのに
伴って減少するようになっており、この電位変化の大き
さの変化に基づいて挟込みが検知される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のパワーウイ
ンド等の挟込みを検知する挟込み検知装置、特に感圧式
の挟込み検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両のパワーウインド等に適用される従
来の感圧式の挟込み検知装置としては、以下のものがあ
る。第1の従来技術として、固定電極と、移動電極と、
移動電極を固定電極に対して近接離反可能に保持する弾
性体とを備える感圧素子を、車窓の内周部に配設したも
のがある。この技術では、挟込みが生じ、感圧素子の弾
性体が異物により弾性変形され、移動電極が固定電極に
接触し、両電極間が導通することを検出することによ
り、挟込みを検知するようになっている。
【0003】第2の従来技術として、圧縮される度合い
によって電気抵抗が変化する導電性のゴム部材を2つの
電極により両側から挟み込んで構成される感圧素子を用
いたものがある。この技術では、その感圧素子を車窓の
内周部に配設し、挟込みが生じ、感圧素子のゴム部材が
異物により圧縮された際に生じる両電極間の電気抵抗の
変化(あるいは電流値の変化)を検出することにより、
挟込みを検知するようになっている。
【0004】また、本発明に関連する第3の従来技術と
して、静電容量型の近接センサを用いたものがある。こ
の従来技術では、発振回路を構成するコンデンサの電極
の一部(検知電極)を、窓ガラスの閉塞方向下流側端部
または車窓の内周部に設け、手等の異物がコンデンサの
検知電極に接触し、コンデンサの静電容量が変化するこ
とにより生じる発振回路の発振周波数の変化を検知する
ことにより、挟込みを検知するようなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
第1の従来技術では、経年変化に伴い両電極の酸化等が
生じ、両電極が接触しても互いに導通しない状態となっ
た場合には、挟込みが生じても検知できず、信頼性が低
いという問題がある。
【0006】また、第2の従来技術では、感圧素子の導
電性のゴム部材は、所定の圧縮度以上に圧縮されないと
抵抗値が低下しないため、感度が低く、かなり大きな押
圧力が加わらないと挟込みを検知できないという問題が
ある。さらに、ゴム部材は、圧縮度が大きくなるにつれ
て反発力も大きくなるため、腕等の挟込みが生じた際に
ゴム部材からの大きな反発力が腕等に加わってしまうと
いう問題もある。また、経年変化に伴いゴム部材を挟込
む両電極の酸化等が生じると、両電極の電気抵抗が増大
し、挟込みの検出感度が低下し、信頼性が低下するとい
う問題もある。
【0007】さらに、第3の従来技術では、異物が検知
電極に接触することにより生じるコンデンサの静電容量
の変化に基づいて異物を検知するようになっているの
で、絶縁性の高い衣服などの部分が検知電極に接触した
場合には、コンデンサの静電容量は実質的に変化せず、
挟込みが検知できず、信頼性が低いという問題がある。
また、必然的にコンデンサの検知電極を外面に露出させ
ておく必要があるので、雨水等の外部環境の影響を受け
やすいという欠点がある。
【0008】そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、信
頼性の向上が図れる挟込み検知装置を提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段は、所定の制御部が駆動機構を制御して開
閉部材を開閉駆動することにより開閉される開口部が、
前記開閉部材によって閉鎖される際の挟込みを検知する
挟込み検知装置であって、前記開閉部材の閉塞方向下流
側端部およびその閉塞方向下流側端部に対向する前記開
口部の内周部のうちの少なくともいずれか一方に、前記
閉塞方向下流側端部および前記内周部に沿って設けられ
た固定側および移動側からなる一対の導電体を有し、そ
の一対の導電体のうちのいずれか一方の導電体がアース
接続されたコンデンサ部と、前記一対の導電体が設けら
れた前記閉塞方向下流側端部および前記内周部のうちの
少なくともいずれか一方に設けられ、前記移動側の導電
体を、前記固定側の導電体から前記開閉部材によって開
放された前記開口部の略内方に向かって所定距離だけ離
間させて保持する一方、前記移動側の導電体を前記固定
側の導電体に近接させる方向に押圧力が加えられると、
弾性変形して前記移動側の導電体の前記固定側の導電体
方向への近接移動を許容する弾性部材と、前記一対の導
電体の他方の導電体に接続され、所定の高周波信号を前
記他方の導電体に供給することにより、前記コンデンサ
部のインピーダンスの減少の有無を逐次監視しており、
前記移動側の導電体が前記固定側の導電体に向けて近接
移動されることにより前記インピーダンスが減少する
と、挟込み有りと判定する判定手段と、を備えることを
特徴とする。
【0010】好ましくは、前記弾性部材は、前記一対の
導電体の配設方向に沿って延び、前記固定側の導電体側
に向けて開口する凹部によって形成される空間を有する
導電体保持部を備え、前記導電体保持部は、前記移動側
の導電体を前記固定側の導電体に近接させる方向に前記
押圧力が加えられると、前記凹部内の前記空間が押しつ
ぶされるようにして弾性変形することにより、前記移動
側の導電体の前記固定側の導電体への近接移動を許容
し、前記移動側の導電体は、前記弾性部材の前記導体保
持部における前記固定側の導電体から最も離れている部
分に設置されているのがよい。
【0011】また、好ましくは、判定手段は、前記コン
デンサ部の前記他方の導電体に向けて前記高周波信号を
所定の出力レベルで出力する高周波信号供給部と、前記
他方の導電体と前記高周波信号供給部との間の信号経路
中に介装された所定のインピーダンスを有する第1のイ
ンピーダンス素子と、前記高周波信号供給部から前記第
1のインピーダンス素子を介して前記コンデンサ部に供
給される前記高周波信号の信号レベルを検出する信号レ
ベル検出部と、前記信号レベル検出部が検出した前記信
号レベルの前記移動側の導電体が前記固定側の導電体に
向けて近接移動されることにより生じる変化を検知する
ことにより、前記コンデンサ部のインピーダンスの減少
を検知して挟込みを検知する検知部と、を備えるのがよ
い。
【0012】さらに、好ましくは、前記コンデンサ部の
前記一方の導電体はその一端がアース接続されており、
前記他方の導電体はその一端が前記第1のインピーダン
ス素子と接続されており、前記コンデンサ部の前記一方
の導電体の他端と、前記他方の導電体の他端との間に介
装され、所定のインピーダンスを有する第2のインピー
ダンス素子をさらに備えるのがよい。
【0013】また、好ましくは、前記開口部は、車両の
車窓であり、前記コンデンサ部および前記弾性部材は、
前記車窓の前記内周部に設けられ、前記コンデンサ部の
前記固定側の導電体は、前記車窓の金属製の窓枠部、あ
るいは前記窓枠部とは別に設けられた専用の導電体であ
るのがよい。
【0014】さらに、好ましくは、前記弾性部材は、前
記車窓の内周部に設けられたウエザーストリップまたは
弾性を有する材料からなる内装材と一体に設けられてい
るのがよい。
【0015】また、好ましくは、前記弾性部材は、前記
ウエザーストリップ、前記内装材またはサイドバイザに
取付けられているのがよい。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態に係る
挟込み検知装置が適用されるパワーウインド装置の構成
を示すブロック図であり、図2は図1のパワーウインド
装置に備えられる感圧部の構成を示す一部破断斜視図で
あり、図3は図2の感圧部が車窓の内周部に配設された
状態を示す断面図であり、図4は図1のブロック図の要
部の構成を部分的に示す図である。
【0017】このパワーウインド装置は、車両の車窓
(開口部)1を開閉する窓ガラス(開閉部材)3と、窓
ガラス3を開閉駆動するためのモータおよび駆動機構か
らなる駆動部5と、操作部7からの入力により駆動部5
を駆動制御する制御部9と、感圧部11と、第1および
第2のコンデンサ(第1および第2のインピーダンス素
子)C1,C2と、高周波信号供給部13と、信号レベ
ル検出部15と、挟込みを検知する検知部17とを備え
て構成されている。このうち、第1および第2のコンデ
ンサC1,C2、高周波信号供給部13、信号レベル検
出部15および挟込みを検知する検知部17が、本発明
に係る判定手段に相当している。
【0018】操作部7には、所定の操作スイッチが設け
られており、ワンタッチで窓ガラス3を全開または全閉
させることがことができる全開指令または全閉指令と、
押圧操作等の操作を行っている期間の間のみ、窓ガラス
3を開放動作または閉塞動作させることができる開放指
令または閉塞指令との2種類の指令が入力できるように
なっている。
【0019】これに対応して、制御部9は、操作部7か
ら全開指令または全閉指令が入力されると、これに応答
して、駆動部5を駆動制御し、窓ガラス3を全開位置ま
で開放駆動させ、あるいは全閉位置まで閉塞駆動させる
一方、指令部7から開放指令または閉塞指令が入力され
ると、その指令が入力されている期間の間、窓ガラス3
を開放駆動または閉塞駆動させるようになっている。
【0020】また、制御部9は、窓ガラス3を閉塞駆動
させる際には、検知部17に挟込み検知動作を行うべき
旨の指令を出し、検知部17を通じて挟込みの有無を確
認しながら窓ガラス3を閉塞駆動するようになってい
る。そして、制御部9は、検知部17が挟込みを検知す
ると、これに応答して、窓ガラス3の閉塞動作を停止す
るとともに、窓ガラス3を全開位置まで開放駆動するよ
うになっている。窓ガラス3の所定の閉塞動作が終了し
た際には、挟込み検知動作を終了すべき旨の指令が、制
御部9から検知部17に与えられる。
【0021】さらに、制御部9は、後述する検知部17
の自己診断機能を通じて、挟込み検知機能に異常がある
ことを検知すると、挟込み防止のため、操作部7を通じ
た全閉指令の入力の受け付けを休止するようになってい
る。
【0022】感圧部11は、挟込みが生じた際に異物2
0(図6参照)からの押圧力を検知するためのものであ
り、図2に示されるように、互いに対向して対をなす固
定導電体(固定側の導電体)21および移動導電体(移
動側の導電体)23から構成されるコンデンサ部C3
と、そのコンデンサ部C3の移動導電体23を固定導電
体21に対して近接離反可能に保持する弾性部材25と
を備えて構成されている。弾性部材25は、ゴム等の弾
性材料で形成されており、本実施形態では略半円筒形の
チューブ形状を有しており、内部にはその長手方向に連
通する断面略半円形の内部空間25aを有している。
【0023】すなわち、本実施形態では、弾性部材25
は、図3に示すように、ウエザーストリップ31に固着
される細長い板状の底部25bと、細長い断面略半円形
の導体保持部25cとを有している。そして、導電体保
持部25cの内周側の空間が本発明に係る凹部によって
形成される空間に相当している。
【0024】固定導電体21は、薄く、幅の狭い帯状の
形態を有しており、本実施形態では、弾性部材25の長
手方向に沿って弾性部材25の底部25bの内周面に配
設されている。移動導電体23は、細い線状の形態を有
しており、弾性部材25の長手方向に沿って、弾性部材
25の導電体保持部25cにおける固定導電体21から
最も離れた部分(ここでは、半円形状の頂部)の内周面
側に配設されている。移動導電体23は、導電体保持部
25cの内部に埋め込んでもよく、その内周面上に配設
してもよいが、ここでは、半分埋め込まれた状態で配設
されている。これによって、固定導電体21と移動導電
体23とは、図4に示されるように、互いに平行に延び
るように弾性部材25の内部空間25a内に配設されて
いる。
【0025】固定導電体21および移動導電体23の外
周面は、その導電性の金属面を露出させた状態で配設し
てもよく、あるいは、所定の絶縁層や絶縁性の外皮で被
覆してもよいが、ここでは、所定の絶縁層で被覆されて
いる。なお、固定導電体21および移動導電体23の形
態には、実質的な制限はないが、これらが配設される弾
性部材25等の弾性変形を妨げず、弾性部材25等の弾
性変形に伴って柔軟に変形するものである必要がある。
【0026】このように構成される感圧部11は、図1
および図3に示すように、窓ガラス3の閉塞方向下流側
端部と対向する車窓1の内周部(ここでは、窓枠31に
付設されたウエザーストリップ33の内周部)に、弾性
部材25の導電体保持部25cの頂部が車窓1の中心方
向を向くようにしてその弾性部材25の底部25bが固
着され、前記内周部に沿って取付けられている。すなわ
ち、これによって、移動導電体23は、弾性部材25が
弾性変形していない自然状態において、ほぼ窓ガラス3
の開閉方向35に沿って固定導電体21から車窓1の内
方に所定距離D(図4参照)だけ離れた位置に位置して
いる。なお、窓ガラス3が締め切られる際には、その当
接部にはかなり大きな押圧力が加わるので、感圧部11
は、図3に示すように、締め切り状態において窓ガラス
3と干渉しない位置に設ける必要がある。
【0027】ここで、本実施形態では、感圧部11には
大型のものが用いられ、ウエザーストリップ33の内周
部の挟込みの発生するおそれのある部分に、1個配設さ
れている。
【0028】そして、図5および図6に示すように、窓
ガラス3の閉塞動作が行われる際に異物20が挟込ま
れ、異物20からの押圧力が感圧部11に与えられる
と、感圧部11の弾性部材25が中空構造であるため、
弾性部材25の導電体保持部25cが、内部空間25a
を押しつぶすようにして底部25b側に容易に弾性変形
(座屈および収縮)する。そして、この導電体保持部2
5cの弾性変形により、移動導電体23が、固定導電体
21に近接する方向に移動し、弾性変形が生じた部分の
固定導電体21と移動導電体23との間の距離Dが小さ
くなるようになっている。
【0029】このように弾性部材25の導電体保持部2
5cが弾性変形する際、導電体保持部25cの断面形状
が外方に湾曲する略半円弧形であるので、換言すればそ
の内部空間25aの左右両側の内周面が外方に張り出す
ように湾曲しているので、導電体保持部25の左右両側
の内周面が、図5に示すように、外方に押出されるよう
にして内部空間25aが扁平形に押しつぶされて、導電
体保持部25cが弾性変形するようになっている。この
ため、小さな押圧力により、弾性体保持部25cが容易
に弾性変形し、その変形箇所の固定導電体21と移動導
電体23の間の距離Dが容易に減少するようになってい
る。
【0030】次に、この感圧部11のコンデンサ部C3
と他の回路構成との接続形態について説明する。図4に
示すように、感圧部11のコンデンサ部C3の固定導電
体21の一端は、所定の接続経路を介して高周波信号供
給部13と接続され、その他端は、第2のコンデンサC
2の一方側の電極と接続されている。コンデンサ部C3
の移動導電体23の一端は、車体にアース接続されてお
り、その他端は、第2のコンデンサC2の他方側の電極
と接続されている。コンデンサ部C3の固定導電体21
と高周波信号供給部13との間の信号経路中には、第1
のコンデンサC1が介装され、信号レベル検出部15
は、第1のコンデンサ部C1とコンデンサ部C3の固定
導電体21との間の信号経路と接続されている。
【0031】なお、ここでは、コンデンサ部C3の両導
電体21,23のうちの固定導電体21側に高周波信号
供給部13からの信号経路を接続し、移動導電体23側
をアース接続するようにしたが、これとは反対に、固定
導電体21側をアース接続し、移動導電体21側に高周
波信号供給部13からの信号経路を接続してもよい。
【0032】高周波信号供給部13は、図1に示すよう
に、発振回路13aと増幅回路13bとを備えて構成さ
れている。発振回路13aは、検知部17の制御によ
り、所定の高周波信号を生成する。ここでは、高周波信
号の周波数は、ラジオ放送電波の周波数と音声周波数と
の間の40kHzに設定した。増幅回路13bは、検知
部17の制御によって定められる増幅率で、発振回路1
3aが生成した変動電流を増幅し、所定の出力レベルで
コンデンサ部C3の固定導電体21に向けて供給する。
高周波信号供給部13から出力された高周波信号は、第
1のコンデンサC1を介してコンデンサ部C3および第
2のコンデンサC2に供給される。
【0033】ここで、第1のコンデンサC1のインピー
ダンスをZaとし、互いに並列に接続されているコンデ
ンサ部C3および第2のコンデンサC2の合成インピー
ダンスをZbとし、高周波信号の高周波信号供給部13
からの出力レベル(出力電圧)をVoutとした場合、
コンデンサ部C3および第2のコンデンサC2に入力さ
れる際の高周波信号の信号レベル(信号電圧)Vは、
【0034】
【数1】
【0035】のように与えられる。
【0036】また、コンデンサのインピーダンスはその
静電容量に反比例し、その静電容量は、対向する両電極
間の距離に反比例するので、コンデンサ部C3の両導電
体21,23間の距離Dが減少すると、これに伴って前
記合成インピーダンスZbが減少し、その結果、前記信
号レベルVが減少するようになっている。
【0037】信号レベル検出部15は、増幅回路15a
と、フィルタ回路(バンドパスフィルタまたはローパス
フィルタ)15bと、検波回路15cとを備えて構成さ
れており、高周波信号供給部13から第1のコンデンサ
C1を介してコンデンサ部C3に供給される高周波信号
の信号レベルを検出し、その検出結果を検知部17に逐
次出力するようになっている。
【0038】増幅回路15aは、コンデンサ部C3と第
1のコンデンサC1との間の信号経路中の部分に接続さ
れており、コンデンサ部C3の固定導電体21の電位変
動を増幅し、フィルタ回路15bに出力する。フィルタ
回路15bは、増幅回路15aから出力される電気信号
のうち、高周波信号供給部13が生成する高周波信号の
周波数に対応する周波数成分のみを透過させ、ノイズ成
分を除去し、検波回路15cに出力する。検波回路15
cは、フィルタ回路15bから出力される電気信号の電
圧レベル(例えば、電気信号の電圧変化の振幅)を検出
し、その検出結果を逐次検知部17に出力する。
【0039】なお、ここでは、信号レベル検出部15に
増幅回路15aを備えたが、コンデンサ部C3の固定側
導電体21に誘起される電圧変動の大きさが十分に大き
い場合には、増幅回路15aを省略し、フィルタ回路1
5bをコンデンサ部C3と第1のコンデンサC1との間
の信号経路に直接接続してもよい。
【0040】このため、前述のように、挟込みにより感
圧部11の弾性部材25が弾性変形され、弾性変形が生
じた部分のコンデンサ部C3の固定導電体21と移動導
電体23との間の距離Dが小さくなると、距離Dの減少
の度合いが大きくなるにつれて、コンデンサ部C3に供
給される高周波信号の信号レベルが小さくなり、これに
対応して、信号レベル検出部15から検知部17に出力
される検出結果が示す電圧レベルの値も小さくなるよう
になっている。
【0041】検知部17は、このパワーウインド装置の
挟込み検知動作を司るものであり、制御部9からの指令
に基づき、高周波信号供給部13の発振回路13aおよ
び増幅回路13bを駆動制御し、挟込み検知動作を行う
ようになっている。この検知部17による挟込み検知
は、信号レベル検出部15から逐次与えられる検出結果
に基づいて行われ、検出結果が示す前記電圧レベルの挟
込みが生じた際に生じる減少を検知することにより行わ
れる。ここでは、信号レベル検出部15から与えられる
検出結果が示す電圧レベルが、挟込みが生じていない通
常状態における値から、所定の割合(例えば50%)以
上減少すると挟込み有りと判定されるようになってい
る。
【0042】このような挟込み検知動作は、制御部9か
ら挟込み動作の開始指令が与えられてから、挟込み動作
の終了指令が与えられるまで行われ、検知部17は、挟
込みの発生を検知すると、挟込みが発生したことを制御
部9に知らせるようになっている。
【0043】また、検知部17は、挟込み検知動作の信
頼性を高めるため、信号レベル検出部15の検出結果が
示す電圧レベルの値の自動補正機能、および感圧部1
1、高周波信号生成部13および信号レベル検出部15
の異常を検出する自己診断機能を有している。自己診断
機能は、自動補正機能に基づくものであり、まず、自動
補正機能から説明する。
【0044】検知部17による自動補正機能では、検知
部17には、信号レベル検出部15の検出結果が示すべ
き所定の基準値が予め登録されており、挟込み検知動作
を行う必要のないとき、すなわち、制御部9から挟込み
検知動作の開始指令が与えられていないときに、所定の
時間間隔で高周波信号供給部13の発振回路13aおよ
び増幅回路13bが駆動されてコンデンサ部C3に向け
て高周波信号が供給され、そのときの信号レベル検出部
15の検出結果が示す電圧レベルが前記所定の基準値に
一致するように増幅回路13bの増幅率(すなわち、高
周波信号の出力レベル)が制御される。
【0045】そして、信号レベル検出部15の検出結果
が示す電圧レベルが前記所定の基準値と一致すると、1
回分の自動補正動作が終了されるとともに、その時点の
増幅回路13bの増幅率を示す増幅率データが検知部1
7に記憶され、次回の自動補正動作を行う際、および挟
込み検知動作を行う際には、その時点で記憶している増
幅率データが示す増幅率で増幅回路13bが駆動される
ようになっている。このため、前述の検知部17による
挟込みの有無の判定は、信号レベル検出部17の検出結
果が示す電圧レベルが、予め記憶している基準値から所
定の割合以上減少したか否かを判定することによって行
うことができる。記憶されている増幅率データは、自動
補正動作が行われるごとに更新される。
【0046】なお、ここでは、高周波信号供給部13の
増幅回路13bの増幅率を調節することにより信号レベ
ル検出部15の検出結果の値を補正するようにしたが、
信号レベル検出部15の増幅回路15aとして検知部1
7により増幅率の制御が可能なものを用い、増幅回路1
5aの増幅率を調節することにより、信号レベル検出部
15の検出結果の値を補正するようにしてもよい。
【0047】検知部17による自己診断機能では、上記
の自動補正動作を行った際に、正常な状態ならコンデン
サ部C3に高周波信号が供給されているはずであるの
に、信号レベル検出部15から検出結果の出力がない場
合、および検出結果の出力はあるが、その出力結果が示
す電圧レベルが前記基準値よりも所定の割合以上に大き
くなっている場合には、感圧部11、高周波信号供給部
13および信号レベル検出部15のいずれかに何等かの
異常が発生したものとして、挟込み検知機能に異常が発
生したことが制御部9に知らされるようになっている。
【0048】ここで、信号レベル検出部15からの検出
結果が示す電圧レベルが、前記基準値よりも所定の割合
以上に大きくなる場合としては、コンデンサ部C3の両
導電体21,23のいずれかの部分に断線が生じた場合
が考えられる。すなわち、両導電体21,23に断線が
生じると、その断線により、高周波信号供給部13から
第1のコンデンサC1およびコンデンサ部C3を介して
アースに至る信号経路から、断線が生じたコンデンサ部
C3の部分および第2のコンデンサC2が切り離されて
しまう。このため、並列接続されているコンデンサ部C
3および第2のコンデンサC2の合成インピーダンスZ
bが大幅に増大し、これによって、信号レベル検出部1
5の検出結果が示す電圧レベルが大幅に増大する。
【0049】コンデンサ部C3の両導電体21,23に
断線が生じると、その断線箇所よりも下流側部分では、
挟込みの検知ができなくなるので、これを自己診断によ
り検知できることは非常に意義があり、これは、コンデ
ンサ部C3の他端に第2のコンデンサC2を並列に接続
したことによって可能となったものである。よって、第
2のコンデンサC2の静電容量の大きさは、コンデンサ
部C3の断線の影響が、信号レベル検出部15の検出結
果に顕著に現れるような値に設定する必要がある。
【0050】次に、このパワーウインド装置による挟込
み防止動作について説明する。操作部7から全閉指令ま
たは閉塞指令が入力されると、制御部9から検知部17
に挟込み検知動作の開始指令が出力されるとともに、制
御部9によって駆動部5が駆動制御されて窓ガラス3の
閉塞動作が開始される。
【0051】制御部9から挟込み検知動作の開始指令が
与えられると、検知部17は、高周波信号供給部13の
発振回路13aを駆動するとともに、その増幅回路13
bをその時点で記憶している増幅率データが示す増幅率
で駆動し、挟込み検知動作を開始し、信号レベル検出部
15の検出結果が示す電圧レベルを逐次監視しつつ、挟
込み検知動作を行う。
【0052】そして、挟込みが発生した場合には、検知
部17は、信号レベル検出部15の検出結果が示す電圧
レベルが、予め登録されている前記所定の基準値から所
定の割合(例えば、50%)以上減少すると、挟込み有
りと判定し、制御部9に挟込みの発生を知らせる。これ
に応答して、制御部9は、窓ガラス3の閉塞動作を停止
するとともに、窓ガラス3を全開位置まで開放駆動する
とともに、検知部17に挟込み検知動作の終了指令を出
力する。検知部17は、終了指令が与えられると、高周
波信号供給部13を停止させ、挟込み検知動作を終了す
る。
【0053】一方、窓ガラス3が全閉位置に到達するま
で、あるいは操作部7から閉塞指令が入力されている期
間中、挟込みが発生しなかった場合には、窓ガラス3が
全閉位置に到達するのに伴って、あるいは操作部7から
入力されている閉塞指令が解除されるのに伴って、制御
部9によって、駆動部5による窓ガラス3の閉塞動作が
停止されるとともに、挟込み検知動作の終了指令が検知
部17に与えられ、挟込み検知動作が終了される。
【0054】また、前述の検知部17による自己診断機
能により挟込み検知機能の異常が検知された際には、挟
込みの発生を防止するため、操作部7から入力される全
閉指令の受け付けが制御部9によって休止されるように
なっている。
【0055】以上のように、本実施形態によれば、挟込
みが生じた際に感圧部11のコンデンサ部C3の両導電
体21,23間の距離Dが減少し、コンデンサ部C3の
インピーダンスが減少することによって生じるコンデン
サ部C3に供給される高周波信号の信号レベルの減少を
検知することよって挟込みを検知するようになってお
り、第1および第2の従来技術のように、両電極の間に
流れる電流の有無、または増減により挟込みを検知する
ものではないので、仮に長年の使用等によりコンデンサ
部C3の両導電体21,23の表面が酸化しても実質的
に影響されることなく、挟込みを検知することができ、
信頼性の向上が図れる。
【0056】また、挟込みが生じた際の感圧部11のコ
ンデンサ部C3の両導電体21,23間の距離Dが減少
することにより生じるコンデンサ部C3のインピーダン
スの減少に基づき挟込みを検知するようになっているの
で、第3の従来技術のように異物表面の材質等の影響を
受けることなく、確実に挟込みを検知することができ、
この点においても信頼性の向上を図ることができる。
【0057】さらに、第3の従来技術のように、感圧部
11のコンデンサ部C3の両導電体21,23を外部に
露出させておく必要がないので、両導電体21,23を
弾性部材25等の内部に収容し、外部環境からの影響を
受けにくい構成とすることができる。
【0058】また、高周波信号を感圧部11のコンデン
サ部C3に供給し、コンデンサ部C3のインピーダンス
の変化を検出することにより挟込みを検知するようにな
っているので、高周波信号供給部13および信号レベル
検出部15と感圧部11のコンデンサ部C3との間が窓
ガラス等の絶縁部材で隔てられ、両者を直接的に配線接
続することが困難な場合にも、図7に示すように、両者
の間の信号経路中に、対向電極35,37が窓ガラス等
の絶縁部材39を挟んで対向するように配置された所定
のコンデンサCを介装させ、両者の間をこのコンデンサ
Cを介して間接的に接続することができる。これは、後
述する図11および図12に示すように、感圧部11を
車外のサイドバイザ63に配設した場合等に、窓ガラス
3を挟んで高周波信号の授受が可能となり有利である。
なお、この場合、前記第1のコンデンサC1をこの間接
接続用のコンデンサCとして用いてもよい。
【0059】さらに、感圧部11の弾性部材25が中空
構造であり、弾性部材25の導電体保持部25cが、内
部空間25aを押しつぶすようにして底部25b側に容
易に弾性変形するため、挟込みが生じた際、異物20か
らの小さな押圧力によっても導電体保持部25cが内方
に容易に弾性変形し、弾性変形が生じた部分の固定導電
体21と移動導電体23との間の距離Dが容易に小さく
なるようになっている。このため、高感度に挟込みを検
知することができ、腕等の異物20に大きな押圧力が加
わる前に挟込みを検知することができる。
【0060】これに関連して、特に本実施形態では、弾
性部材25の導電体保持部25cの断面形状が外方に湾
曲する略半円弧形であるので、換言すればその内部空間
25aの左右両側の内周面が外方に張り出すように湾曲
しているので、導電体保持部25の左右両側の内周面
が、図5に示すように、外方に押出されるようにして内
部空間25aが扁平形に押しつぶされて、導電体保持部
25cが弾性変形するようになっている。このため、小
さな押圧力により、弾性体保持部25cが容易に弾性変
形するようになっており、より敏感に挟込みを検知でき
るようになっている。
【0061】また、図4に示されるように、感圧部11
の両導電体21,23の長さLは通常1m程度であるの
に対して、挟込み検知に使用する高周波信号の周波数
は、数十kHz(波長が数km)であるので、固定導電
体21および移動導電体23がアンテナとして作用し、
外部からのノイズ電波の影響を受けたとしても、そのノ
イズ電波によって挟込み検知に使用する高周波信号が実
質的にノイズ電波の影響を受けることはないとともに、
ノイズ電波等のノイズ成分を信号レベル検出部15に備
えたフィルタ回路15bによって容易に除去することが
でき、挟込み検知の信頼性の向上が図れる。
【0062】また、検知部17の自動補正機能により、
信号レベル検出部15の検出結果が示す電圧レベルが一
定の基準値になるように、高周波信号の出力レベルが自
動的に適宜調整されるようになっているので、常に良好
な状態で挟込み検知を行うことができ、挟込み検知の信
頼性をより向上させることができる。
【0063】さらに、検知部17には、挟込み検知機能
の異常を検知する自己診断機能が備えられているので、
挟込み検知機能に異常が発生した場合には、操作部7か
らの全閉指令の受け付けを休止する等の対応措置を講ず
ることができ、挟込み防止機能の信頼性をさらに向上さ
せることができる。
【0064】これに関連して、本実施形態では、第2の
コンデンサC2を感圧部11のコンデンサ部C3に並列
接続したことにより、自己診断機能によりコンデンサ部
C3の両導電体21,23に生じた断線も検知できるよ
うになっており、信頼性のさらなる向上が図られてい
る。なお、両導電体21,23の断線を検知する必要が
ない場合には、この第2のコンデンサC2は省略するこ
とができる。
【0065】また、窓ガラス3を駆動する駆動部5のモ
ータの過負荷状態をモータに流れる電流値の増大等に基
づいて検出することにより挟込みを検知する方法がある
が、この方法では、窓ガラス3の締め切り時にモータに
かかる負荷と、挟込み発生時にモータにかかる負荷とを
区別できないので、窓ガラス3の締め切り直前の状態で
は、挟込み検知動作を停止しなければならず、挟込み検
知ができないという問題があるが、本実施形態では、モ
ータの動作状態とは無関係に挟込み検知を行うようにな
っているので、窓ガラス3が完全に締め切られるまで挟
込み検知を行うことができる。
【0066】なお、本実施形態では、ウエザーストリッ
プ33の内周部に感圧部11を配設したが、窓ガラス3
の閉塞方向下流側端部に対向する車窓1の内周部であれ
ばいずれの部分に感圧部11を配設してもよく、例え
ば、車窓1の内方に面する内装材(ガーニッシュ)の部
分や、あるいは、後述するようにサイドバイザの内周端
に配設するようにしてもよい。
【0067】また、本実施形態では、感圧部11を車窓
1の内周部に配設したが、感圧部1を窓ガラス3の閉塞
方向下流側端部に、その下流側端部の延設方向に沿って
配設してもよい。この場合、感圧部11は、弾性部材2
5の底部25bが窓ガラス3の閉塞方向下流側端面に固
着されることにより取付けられる。
【0068】さらに、本実施形態では、コンデンサ部C
3の固定導電体21として専用の導電体を配設したが、
金属製の窓枠31を固定導電体として利用し、専用の固
定導電体21を省略してもよい。この場合、装置構成の
簡略化および部品点数の削減を図ることができる。
【0069】また、本実施形態では、信号レベル検出部
15にフィルタ回路15bを備えノイズ除去を行うよう
にしたが、これでは不十分である場合には、高周波信号
供給部13に、発振回路13aが発振した高周波信号
を、所定の変調周波数でさらに変調する変調回路を追加
するとともに、信号レベル検出部15のフィルタ回路1
5bに、前記変調周波数で変調された高周波信号に対応
したフィルタ特性を有するものを使用し、より確実なノ
イズ対策を施すようにしてもよい。ここでの高周波信号
の変調の種類としては、AM変調、FM変調、あるいは
高周波信号を所定の変調周波数で周期的に断続供給する
などの方法が考えられる。あるいは、他の方法として、
固定導電体21および移動導電体23を所定の編組線な
どでシールドするようにしてもよい。
【0070】さらに、本実施形態では、本発明に係る挟
込み検知装置を、車両のパワーウインド装置に適用した
が、自動でサンルーフの開閉を行うサンルーフ開閉装置
に適用してもよく、あるいは、車両に限らず、何等かの
開口部を開閉部材により自動的に開閉する他の開閉装置
に適用してもよい。
【0071】また、本実施形態では、本発明に係る第1
および第2のインピーダンス素子としてコンデンサC
1,C2を用いたが、コンデンサに限らず所定のインピ
ーダンスを有している素子でればいずれの素子を用いて
もよい。
【0072】図8は、本実施形態に係る感圧部11の第
1の変形例を示す一部破断斜視図である。この変形例に
係る感圧部41では、所定の弾性材料によって形成され
る弾性部材43がその断面形状が横長の略六角形となる
ような筒状の中空構造を有しており、上下方向に互いに
対向する帯状の上板部43aおよび下板部43bと、左
右方向に互いに対向し、外方に凸となるように「く」の
字形に曲がった左側板部43cおよび右側板部43dと
から構成されている。ここでは、下板部43a、左側板
部43cおよび右側板部43dが、本発明に係る導電体
保持部に相当している。
【0073】コンデンサ部C3の固定導電体21および
移動導電体23は、弾性部材43の上板部43aおよび
下板部43bの内周側にそれぞれ配設されている。な
お、ここでは、移動導電体23には、固定導電体21と
同様な帯状の形態のものが使用されている。
【0074】感圧部41の取付けは、上述の感圧部11
と同様に弾性部材43の上板部43aを車窓1の内周部
に固着することにより行われる。
【0075】そして、この感圧部41においても、弾性
部材43の左板部43cおよび右板部43dが外方に屈
曲しているので、換言すれば弾性部材43の内部空間4
3eの左右両側の内周面が外方に張り出すように屈曲し
ているので、異物20による小さな押圧力も敏感に反応
して、内部空間43eの左右両側の内周面が外方に押出
されるようにして、移動導電体23が固定導電体21に
近接する方向に弾性部材43の左側板部43cおよび右
側板部43dが容易に弾性変形(座屈および収縮)する
ようになっており、これによって高感度で挟込みを検知
できるようになっている。
【0076】図9および図10は、本実施形態に係る感
圧部11の第2の変形例の配設状態を示す断面図であ
る。この第2の変形例に係る感圧部51では、弾性部材
25がウエザーストリップ33と一体に設けられてい
る。すなわち、図9および図10の図示例では、窓ガラ
ス3の閉塞方向下流側端部と対向する車窓1の内周部に
位置するウエザーストリップ33の部分に、断面形状が
略半円形の細長い内部空間25aが長手方向に沿って設
けられ、その内部空間25aを上下に挟んで対向するよ
うに、前述の場合と同様な位置関係でコンデンサ部C3
の固定導電体21および移動導電体23が配設されてい
る。
【0077】図9の図示例に係る窓枠31は、図3の図
示例に係る窓枠31と同一形状であり、車窓1の内方に
面する内縁部31aの奥行き方向の幅が広くなってい
る。これに対し、図10の図示例に係る窓枠31は、車
窓1の内方に面する内縁部31aの奥行き方向の幅が狭
くなっている。
【0078】これに対応して、上記実施形態に係る構成
では、大型の感圧部11を1個配設し、挟込みを検知す
るようにしたが、図9の図示例では、窓枠31の内縁部
31aをその奥行き方向の全幅に渡ってカバーするよう
に、奥行き方向に所定間隔をあけて複数個(ここでは3
個)の感圧部51が平行に設けられている。そして、ウ
エザーストリップ33の各感圧部33の間の部分には、
各感圧部51の内部空間25aを内包する導電体保持部
25cに相当する部分が異物20からの押圧力により容
易に弾性変形するように、空洞53が設けらている。高
周波信号供給部13および信号レベル検出部15は、各
感圧部51ごとに個別に設けてもよく、あるいは、複数
個の感圧部51を単一の高周波信号供給部13および信
号レベル検出部15に並列に接続してもよい。
【0079】これによって、図9の図示例では、窓枠3
1の内縁部31aの奥行き方向の全幅をカバーするよう
に複数個の感圧部51が設けれているので、図9の矢印
55で示すように、異物20からの押圧力が斜め側方か
ら与えられた場合にも、両側の感圧部51によって挟込
みを確実に検知することができる。
【0080】一方、図10の図示例では、図10に示す
ように、小型の感圧部51が1個設けられているのみで
あるが、窓枠31の内縁部31aの奥行き方向の幅が狭
いので、矢印55で示すように、異物20からの押圧力
が斜め側方から与えられた場合にも、確実に検知するこ
とができる。
【0081】以上のように、この第2の変形例では、感
圧部51の弾性部材25がウエザーストリップ33と一
体に設けられているので、弾性部材25をわざわざウエ
ザーストリップ33と別個に作成して取付ける必要がな
いので、製造工程の簡略化および部品点数の削減を図る
ことができる。
【0082】なお、この第2の変形例では、感圧部51
の弾性部材25をウエザーストリップ33と一体に設け
たが、車窓1の内方に面する内装材が弾性材料によって
形成されている場合には、同様に感圧部51をその内装
材と一体に設けてもよい。
【0083】図11ないし図13は、本実施形態に係る
感圧部11の第3の変形例の配設状態を示す断面図であ
る。この第3の変形例に係る感圧部61は、車両のサイ
ドバイザ63の内周端に配設されており、弾性部材25
の底部25bをサイドバイザ63の内周端面に固着する
ことにより取付けられている。
【0084】図11の図示例では、弾性部材25の底部
25bと導電体保持部25cとが一体となっている。図
12の図示例では、底部25bと導電体保持部25cと
が別々に形成された後互いに固着されて弾性部材25が
構成されている。図13の図示例では、弾性部材25の
底部25bが省略され、固定導電体21がサイドバイザ
63の内周端面上に直接配設され、導電体保持部25c
が固定導電体21を覆うように断面略U字型の弾性部材
25がサイドバイザ63に固着されている。また、図1
3の図示例では、固定導電体21は、所定の導電シート
をサイドバイザ63の端面に貼ることにより、あるい
は、所定の導電塗料をサイドバイザ63の端面に塗布す
ることにより設けられたものである。
【0085】なお、図11および図12の図示例では、
弾性部材25の底部25bのサイドバイザ63への固着
面を断面U字形にして、固着面積を増大させ、取付け強
度を高めている。図13の図示例では、弾性部材25の
導電体保持部25cの幅方向両端から延びる固着部25
dがサイドバイザ63の内周端を両側から挟込んだ状態
で、弾性部材25がサイドバイザ63に固着され、取付
け強度が高められている。
【0086】図14は、本実施形態に係るコンデンサ部
C3のインピーダンスの減少の検出方法に関する変形例
を示す図である。この変形例では、図14に示すよう
に、第1のコンデンサ(第1のインピーダンス素子)C
1を省略して、高周波信号をコンデンサ部C3の固定側
導電体21の一端に直接与えるとともに、信号レベル検
出部15を移動側導電体23の一端に接続し、コンデン
サ部C3の移動側導電体23の電圧レベルを検出するこ
とにより、コンデンサ部C3のインピーダンスを検出す
るようになっている。なお、図14の構成では、第2の
コンデンサC2の代わりに一般的な所定のインピーダン
スを有するインピーダンス素子Z2が用いられている。
【0087】このような図14の変形例では、信号レベ
ル検出部15には、高周波信号供給部13から直接コン
デンサ部C3に与えられた高周波信号が、固定側導電体
21、インピーダンス素子Z2および移動側導電体23
を介して入力されるとともに、コンデンサ部C3の両導
電体21,23間を直接流れて入力されるようになって
いる。これにより、挟込みが生じると、これに伴って信
号レベル検出部15の検出電圧が増加し、挟込みが検知
されるようになっている。
【0088】
【発明の効果】請求項1ないし7に記載の発明によれ
ば、開閉部材の閉塞方向下流側端部およびその閉塞方向
下流側端部に対向する前記開口部の内周部のうちの少な
くともいずれか一方に設けられた固定側および移動側の
導電体を有するコンデンサ部に高周波信号を供給し、コ
ンデンサ部のインピーダンスの減少の有無を検知するこ
とにより挟込みを検知するようになっており、第1およ
び第2の従来技術のように、両電極の間に流れる電流の
有無、または増減により挟込みを検知するものではない
ので、仮に長年の使用等によりコンデンサ部の両導電体
の表面が酸化しても実質的に影響されることなく、挟込
みを検知することができ、信頼性の向上が図れる。
【0089】また、コンデンサ部の固定側の導電体と移
動側の導電体との間の距離が減少することにより生じる
コンデンサ部のインピーダンスの減少に基づき挟込みを
検知するようになっているので、第3の従来技術のよう
に異物表面の材質等の影響を受けることなく、確実に挟
込みを検知することができ、この点においても信頼性の
向上を図ることができる。
【0090】さらに、第3の従来技術のように、コンデ
ンサ部の両導電体を外部に露出させておく必要がないの
で、両導電体を弾性部材等の内部に収容し、外部環境か
らの影響を受けにくい構成とすることができる。
【0091】また、高周波信号をコンデンサ部に供給
し、コンデンサ部のインピーダンスの変化を検出するこ
とにより挟込みを検知するようになっているので、高周
波信号の供給およびインピーダンスの検出を行う判定手
段とコンデンサ部との間が絶縁部材によって隔てられ、
両者を直接的に配線接続することが困難な場合にも、対
向電極が前記絶縁部材を挟んで対向するように配置され
た所定のコンデンサを両者の間の信号経路中に介装さ
せ、両者の間をこのコンデンサを介して間接的に接続す
ることができる。これは、例えば、本発明を車両のパワ
ーウインド装置に適用し、コンデンサ部を車外のサイド
バイザに配設した場合等に有利である。
【0092】請求項2に記載の発明によれば、コンデン
サ部の移動側の導電体を保持する弾性部材の導電体保持
部は、固定導電体側に開口する凹部によって形成される
空間を有しており、挟込みが生じた際には、この凹部内
の空間が押しつぶされて弾性変形するようになってお
り、比較的小さな押圧力が作用した場合にも移動側の導
電体が固定側の導電体に近接する方向に容易に弾性変形
するので、導電性のゴム部材の圧縮に基づいて挟込みを
検知する第2の従来技術に比して、小さな押圧力が作用
したときにも高感度に挟込みを検知することができ、腕
等の異物に大きな押圧力が加わる前に挟込みを検知する
ことができる。
【0093】請求項4に記載の発明によれば、コンデン
サ部の一対の導電体のいずれか一方が途中で断線した場
合には、第1のインピーダンス素子を介してコンデンサ
部に供給される高周波信号の信号レベルが増大するの
で、コンデンサ部の断線による異常を検知することがで
き、信頼性をさらに向上させることができる。
【0094】請求項5に記載の発明によれば、特に、車
窓の金属製の窓枠部を固定側の導電体として利用した場
合では、専用の固定側の導電体を設ける必要がないの
で、構成の簡略化および部品点数の削減を図ることがで
きる。
【0095】請求項6に記載の発明によれば、弾性部材
がウエザーストリップまたは内装材と一体に設けられて
いるので、弾性部材をわざわざウエザーストリップ等と
別個に作成して取付ける必要がなく、製造工程の簡略化
および部品点数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る挟込み検知装
置が適用されるパワーウインド装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】図1のパワーウインド装置に備えられる感圧部
の構成を示す一部破断斜視図である。
【図3】図2の感圧部が車窓の内周部に配設された状態
を示す断面図である。
【図4】図1のブロック図の要部の構成を部分的に示す
図である。
【図5】図3の構成において挟込みが生じた際の状態を
示す図である。
【図6】図2の感圧部が挟込みによって弾性変形した状
態を示す図である。
【図7】図2の感圧部のコンデンサ部と、高周波信号供
給部および信号レベル検出部との間の信号経路中に間接
接続用のコンデンサを介装させた状態を示す図である。
【図8】図2の感圧部の第1の変形例を示す一部破断斜
視図である。
【図9】図2の感圧部の第2の変形例の配設状態を示す
断面図である。
【図10】図2の感圧部の第2の変形例の配設状態を示
す断面図である。
【図11】図2の感圧部の第3の変形例の配設状態を示
す断面図である。
【図12】図2の感圧部の第3の変形例の配設状態を示
す断面図である。
【図13】図2の感圧部の第3の変形例の配設状態を示
す断面図である。
【図14】図1のパワーウインド装置に係るコンデンサ
部のインピーダンスの減少の検出方法に関する変形例を
示す図である。
【符号の説明】
1 車窓 3 窓ガラス 5 駆動部 7 操作部 9 制御部 11,41,51,61 感圧部 13 高周波信号供給部 15 信号レベル検出部 17 検知部 21 固定導電体 23 移動導電体 25,43 弾性部材 25c 導電体保持部 31 窓枠 33 ウエザーストリップ 63 サイドバイザ C1 第1のコンデンサ C2 第2のコンデンサ C3 コンデンサ部
フロントページの続き (72)発明者 豊鷲見 守彦 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 Fターム(参考) 3D127 AA02 CB05 DE01 DF35 DF36 EE16 FF11 FF14 FF29

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の制御部が駆動機構を制御して開閉
    部材を開閉駆動することにより開閉される開口部が、前
    記開閉部材によって閉鎖される際の挟込みを検知する挟
    込み検知装置であって、 前記開閉部材の閉塞方向下流側端部およびその閉塞方向
    下流側端部に対向する前記開口部の内周部のうちの少な
    くともいずれか一方に、前記閉塞方向下流側端部および
    前記内周部に沿って設けられた固定側および移動側から
    なる一対の導電体を有し、その一対の導電体のうちのい
    ずれか一方の導電体がアース接続されたコンデンサ部
    と、 前記一対の導電体が設けられた前記閉塞方向下流側端部
    および前記内周部のうちの少なくともいずれか一方に設
    けられ、前記移動側の導電体を、前記固定側の導電体か
    ら前記開閉部材によって開放された前記開口部の略内方
    に向かって所定距離だけ離間させて保持する一方、前記
    移動側の導電体を前記固定側の導電体に近接させる方向
    に押圧力が加えられると、弾性変形して前記移動側の導
    電体の前記固定側の導電体方向への近接移動を許容する
    弾性部材と、 前記一対の導電体の他方の導電体に接続され、所定の高
    周波信号を前記他方の導電体に供給することにより、前
    記コンデンサ部のインピーダンスの減少の有無を逐次監
    視しており、前記移動側の導電体が前記固定側の導電体
    に向けて近接移動されることにより前記インピーダンス
    が減少すると、挟込み有りと判定する判定手段と、を備
    えることを特徴とする挟込み検知装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材は、前記一対の導電体の配
    設方向に沿って延び、前記固定側の導電体側に向けて開
    口する凹部によって形成される空間を有する導電体保持
    部を備え、前記導電体保持部は、前記移動側の導電体を
    前記固定側の導電体に近接させる方向に前記押圧力が加
    えられると、前記凹部内の前記空間が押しつぶされるよ
    うにして弾性変形することにより、前記移動側の導電体
    の前記固定側の導電体への近接移動を許容し、 前記移動側の導電体は、前記弾性部材の前記導体保持部
    における前記固定側の導電体から最も離れている部分に
    設置されていることを特徴とする請求項1に記載の挟込
    み検知装置。
  3. 【請求項3】 判定手段は、 前記コンデンサ部の前記他方の導電体に向けて前記高周
    波信号を所定の出力レベルで出力する高周波信号供給部
    と、 前記他方の導電体と前記高周波信号供給部との間の信号
    経路中に介装された所定のインピーダンスを有する第1
    のインピーダンス素子と、 前記高周波信号供給部から前記第1のインピーダンス素
    子を介して前記コンデンサ部に供給される前記高周波信
    号の信号レベルを検出する信号レベル検出部と、 前記信号レベル検出部が検出した前記信号レベルの前記
    移動側の導電体が前記固定側の導電体に向けて近接移動
    されることにより生じる変化を検知することにより、前
    記コンデンサ部のインピーダンスの減少を検知して挟込
    みを検知する検知部と、を備えることを特徴とする請求
    項1または2に記載の挟込み検知装置。
  4. 【請求項4】 前記コンデンサ部の前記一方の導電体は
    その一端がアース接続されており、前記他方の導電体は
    その一端が前記第1のインピーダンス素子と接続されて
    おり、 前記コンデンサ部の前記一方の導電体の他端と、前記他
    方の導電体の他端との間に介装され、所定のインピーダ
    ンスを有する第2のインピーダンス素子をさらに備える
    ことを特徴とする請求項3に記載の挟込み検知装置。
  5. 【請求項5】 前記開口部は、車両の車窓であり、 前記コンデンサ部および前記弾性部材は、前記車窓の前
    記内周部に設けられ、 前記コンデンサ部の前記固定側の導電体は、前記車窓の
    金属製の窓枠部、あるいは前記窓枠部とは別に設けられ
    た専用の導電体であることを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれかに記載の挟込み検知装置。
  6. 【請求項6】 前記弾性部材は、前記車窓の内周部に設
    けられたウエザーストリップまたは弾性を有する材料か
    らなる内装材と一体に設けられていることを特徴とする
    請求項5に記載の挟込み検知装置。
  7. 【請求項7】 前記弾性部材は、前記ウエザーストリッ
    プ、前記内装材またはサイドバイザに取付けられている
    ことを特徴とする請求項5に記載の挟込み検知装置。
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