JP4761115B2 - 挟み込み検出回路 - Google Patents

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Description

本発明は、開閉する装置に物体が挟まれたことを検出する挟み込み検出回路に関し、特に加速度に応じた電圧を出力する圧電センサの出力に基づいて物体が挟まれたことを検出する挟み込み検出回路に関する。
建築物の自動ドアや、ワゴン、バン等の車両の電動スライドドア装置では、モータ等によってドアをスライドさせて開閉する電動開閉装置が備えられている。このような電動開閉装置では、ドアを閉める閉扉動作中にドア枠とドアとの間に物体を挟み込むことがある。このような場合に、この挟み込みを検出して閉扉動作を停止させたり、ドアを開ける開扉動作に変更させたりするような制御手段を備えた電動開閉装置も提案されている。
下記に示す特許文献1や特許文献2には、車両の電動スライドドア装置のドアパネル等の移動体が物体を挟み込んだことを確実に検出できる自動開閉装置が記載されている。これらの文献に記載された自動開閉装置は、物体の挟み込みによって生じる押圧力を検出する感圧センサを備えている。この感圧センサは、弾性材からなる長尺のチューブの外皮部の内部に、このチューブの中心周りに漸次変位する十字孔を設け、この十字孔の中に互いに離間し且つ十字孔に沿って螺旋状に電極となる複数の導線を配置したものである。物体の挟み込みによって、この感圧センサに押圧力が加わると、外皮部が弾性変形して外皮部の内部の十字孔が潰される。そして、十字孔に配置した複数の導線の内の任意の何れか、又は全てが接触することによって導線間が導通することを検出し、挟み込みを検出するようにしている。
しかし、この感圧センサを例えばドア枠に沿って配置するような場合、センサ自身が受ける曲げや、取り付け時の圧力等によって、その取り付けの自由度が制限される場合がある。また、この感圧センサは上述したように物体の挟み込みによって生じる押圧力によってチューブ内部の導線同士を接触させるものである。従って、物体を挟み込んだ場合には良好に検出するが、挟み込む前に物体が接触した程度では挟み込み状態とはならない。従って、さらに実際の体感に合うような挟み込み検出センサが望まれる。そこで、下記に示す特許文献3に記載されているように圧電素子が検知する振動によって挟み込みを検出する挟み込みセンサが近年検討され、実用化されてきている。
特許第3300660号公報(第34〜35段落、第1〜3図) 特許第3415014号公報(第43〜44段落、第8図) 特開2003−106048号公報(第5〜7、第17〜27段落、第4、5図)
上述したように、圧電センサは振動などによって生じる圧電素子の歪により電圧を生じる圧電効果を利用したセンサである。従って、挟み込み等の衝撃による振動に限らず、他の事象による振動によっても検出信号を出力する。例えば、圧電センサが車両のスライドドアに備えられた場合、走行中の車両の振動によっても検出信号を出力する。しかし、この振動は、スライドドアに物体を挟み込んだ場合とは異なり、周波数は高く、振幅は小さい。その他の事象に起因する振動による検出信号も、多くの場合このように比較的明確な差異を有しているため、圧電センサの出力を所定の条件に基づいて信号処理することにより、目的とする事象である挟み込みを検出することができる。
しかし、全ての事象に起因する振動がそれぞれ明確な差異を有しているとは限らない。一般的に車両の電動スライドドア装置は、単純なスライド動作のみで開閉するのではなく、以下のように種々の動作を伴う。例えば閉扉の際には、車両の前方向へスライドドアをスライドさせた後、スライドドアをドアレールの屈曲部の屈曲に沿って車両の外側から内側方向に引き込む誘導する動作を行う。さらに電動スライドドア装置のロック装置がスライドドアをロック位置まで引き込む、いわゆるクローザ動作を行う。車両のスライドドアが一定方向へのスライド動作をしている場合には加速度は生じないが、屈曲部において誘導する動作に移る際には移動方向が急激に変わり、加速度を生じる。このときに検出される加速度の波形は、挟み込みによる衝撃の出力波形と良く似たものであり、信号処理回路を経由して、挟み込みと判定される可能性がある。
本願発明は上記課題に鑑みてなされたもので、挟み込みとは異なる事象により発生する検出信号を挟み込みにより発生したものと混同することなく、良好に挟み込みを検出することのできる挟み込み検出回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る挟み込み検出回路の特徴構成は、開閉する装置に備えられて前記開閉する装置の加速度に応じた電圧を出力する圧電センサの出力に基づいて前記装置に物体が挟み込まれたことを検出するものであって、挟み込みに起因しない加速度の発生を検出する異常検出部を備え、前記圧電センサの出力と前記異常検出部の検出結果とに基づいて前記装置に物体が挟み込まれたことを検出する点にある。
この特徴構成によれば、異常検出部は、挟み込みに起因しない加速度の発生を検出する。ここで加速度の発生の検出とは、実際に発生した加速度を加速度センサ等を用いて検出するものでもよいし、加速度を発生し得る状態を他のセンサやモータ等のアクチュエータを制御する制御装置の制御状態から検出するものであってもよい。他のセンサとしては、開閉装置の開閉部の移動量を測定するエンコーダや近接センサ等がその一例である。そして、圧電センサの出力と、異常検出部の検出結果とに基づいて、物体が挟み込まれたことを検出するので、挟み込みとは異なる事象により発生する検出信号を挟み込みにより発生したものと混同することがない。例えば、圧電センサの出力が挟み込みを示すものであっても、異常検出部が他の事象によるものとの検出結果を示していれば、物体が挟み込まれたと検出しないようにすることができる。その結果、良好に挟み込みを検出することのできる挟み込み検出回路を提供することができる。
また、前記圧電センサが挟み込み発生時とは反対の極性且つ振幅が第一の所定値を超える電圧を出力した場合に、前記異常検出部が前記挟み込みに起因しない加速度の発生を検出すると好適である。
圧電センサは加速度に応じた電圧を出力するセンサである。従って、挟み込みに起因しない加速度の発生を検出する加速度センサとしても機能する。異常検出部が、通常の挟み込みの検出のための信号処理とは異なる信号を判別する機能を有していれば、通常の挟み込み検出のための信号処理では混同してしまう圧電センサの出力を区別して他の事象による加速度を検出することができる。つまり、上記構成のように、圧電センサの出力が挟み込み発生時とは反対の極性且つ振幅が第一の所定値を超える電圧であることを検出すれば、挟み込みに起因しない加速度の発生として検出することができる。そして、この構成では挟み込みを検出する圧電センサと、異常を検出するセンサとが同一であるので、部品点数を抑制し、コストも低減することができる。また、挟み込みを検出する圧電センサ自身の出力に基づいて他の事象による加速度を検出するので、正確な検出が可能となる。
また、本発明に係る挟み込み検出回路の別の特徴構成は、車両のスライドドアの開口端部に備えられて前記スライドドアの加速度に応じた電圧を出力する圧電センサの出力に基づいて前記スライドドアに物体が挟み込まれたことを検出するものであって、挟み込みに起因しない加速度の発生を検出する異常検出部を備え、前記異常検出部は、前記スライドドアが車両本体に設けられたドアレールの屈曲部を通過する際に、前記圧電センサが挟み込みとは反対の極性且つ振幅が所定値を超える電圧を出力した場合に、前記挟み込みに起因しない加速度の発生を検出する点にある。
この特徴構成によれば、異常検出部は、挟み込みに起因しない加速度の発生、つまりスライドドアがドアレールの屈曲に誘導されてその進行方向を変える場合に発生する加速度を検出する。そして、圧電センサの出力と異常検出部の検出結果とに基づいて、物体が挟み込まれたことを検出する。従って、挟み込みとは異なる事象、つまりスライドドアの進行方向が変わることにより発生する加速度に起因する検出信号と、挟み込みにより発生した検出信号とを混同することがない。例えば、圧電センサの出力が挟み込みを示すものであっても、異常検出部がスライドドアの進行方向が変わることに起因するものとの検出結果を示していれば、物体が挟み込まれたと検出しないようにすることができる。
スライドドアの開口端部に備えられた圧電センサは加速度に応じた電圧を出力するセンサである。従って、スライドドアの進行方向が変化するときに発生する加速度を検出する加速度センサとしても機能する。この進行方向の変化により発生する加速度は、圧電センサにより、スライドドアに挟み込みがあった場合とは反対の極性の電圧として検出される。従って、圧電センサの出力が挟み込み発生時とは反対の極性且つ振幅が所定値を超える電圧であることを検出すれば、スライドドアの進行方向が変化することに起因する加速度の発生として検出することができる。
その結果、良好に挟み込みを検出することのできる挟み込み検出回路を提供することができる。そして、この構成では異常を検出するセンサが、挟み込みを検出する圧電センサと同一であるので、部品点数を抑制し、コストも低減することができる。また、挟み込みを検出する圧電センサ自身の出力に基づいて他の事象による加速度を検出するので、正確な検出が可能となる。
ここで、前記異常検出部が、前記挟み込みに起因しない加速度の発生を検出すると、所定時間、異常検出信号を発生すると好適である。
圧電センサの出力には、開閉する装置の動作に伴う振動など、他の事象に起因するものが含まれている。従って、例えば検出信号の振幅や周波数(周期)といった所定の条件に基づいて信号処理することにより、挟み込みの検出を行っている。周波数(周期)の測定は、その周期に見合った時間を計測することにより実施することができる。挟み込みによる圧電センサの出力と、他の事象による圧電センサの出力とが、混同を生じるほどに近い特性である場合、両者の周期もまた近いものと考えられる。また、他の事象による圧電センサの出力は、振動性の波形特性である。従って、最初に挟み込みが生じた場合とは逆の極性として現れても、続いて挟み込みが生じた場合と同じ極性の出力として現れる場合がある。そうすると、この続いて現れた挟み込みと同じ極性の出力を、挟み込みが生じたとして検出する可能性がある。従って、挟み込みに起因しない加速度を検出した後、少なくとも挟み込みが生じた場合の検出信号の周期に対応する程度の時間、挟み込みを肯定しないようにするとよい。異常検出部が異常検出信号を所定時間発生すれば、この異常検出信号に基づいて所定時間、挟み込みを肯定しないようにすることができる。その結果、混同を抑制して、良好に挟み込みを検出することのできる挟み込み検出回路を提供することができる。
また、本発明の挟み込み検出回路が、前記異常検出信号が発生していない場合には、前記圧電センサが挟み込みにより生じた加速度に応じて第二の所定値を超える振幅の電圧を出力したときに挟み込みにあることを示す信号を出力し、前記異常検出信号が発生している場合には、前記圧電センサの出力に拘らず、挟み込みにないことを示す信号を出力すると好適である。
上述したように挟み込みに起因しない加速度を検出した後、少なくとも挟み込みが生じた場合の検出信号の周期に対応する程度の時間、挟み込みを肯定しないようにするとよい。挟み込みを肯定しないとは、例えば、周期の測定を取りやめたり、この周期の測定結果を採用しないなどである。具体的には、異常検出信号が発生している場合には、圧電センサの出力に拘らず、挟み込みにないことを示す信号を出力するようにすればよい。そして、異常検出信号が発生していない場合には、圧電センサが挟み込みにより生じた加速度に応じて振幅が第二の所定値を超える電圧を出力したときに挟み込みにあることを示す信号を出力すればよい。このようにすれば、混同を抑制して、良好に挟み込みを検出することのできる挟み込み検出回路を提供することができる。尚、挟み込みにあることを示す信号と、挟み込みにないことを示す信号とは、互いに異なった信号線によって伝達する必要はなく、同一の信号線を用いて、電圧の大小(論理レベル)などによって2つの状態を区別するものであってもよい。要するに、挟み込みにあること、及び挟み込みにないことの何れの状態であるかを判別できる出力であれば充分である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る挟み込み検出回路の一例を示す概略ブロック図である。図1に示すように、挟み込み検出回路1は、圧電センサ10の出力が所定の条件に合致するか否かを判定する判定回路としての信号処理部2と、挟み込みに起因しない他の事象による加速度の発生を検出する異常検出部3とを備えて、挟み込み検出信号Sを出力する。ここで、所定の条件とは、圧電センサ10の出力の振幅や周波数(周期)であり、検出したい事象である挟み込みに対応した条件が設定されている。図1に示す各部の詳細については、後述する。
圧電センサ10は、図3に示すように導線又は軸心に導電体を巻きつけた第一電極11と、チューブ状の第二電極12との間に、圧電体13を挟み込み、全体を被覆14で覆って同軸ケーブル状に構成したものである。加速度等の振動で圧電体に生じる歪による圧電効果で電極間に電圧を生じる。同軸ケーブル状に構成されているので、径方向の全方向の検出が可能で、屈曲した部位への配設が行い易い。このため例えば、図4に示すように車両40のスライドドア41の開口端部41aに良好に配設することができる。勿論ドア枠42に沿って圧電センサ10を配設してもよい。本例では、開閉する装置として車両の電動スライドドア装置を示しているが、これに限らず建物の自動ドアや回転ドア、鉄道のドア等にも適用することができる。また、配設する対象によっては、図3に示した形態に限らず、圧電素子(圧電体)を用いた圧電センサ10として種々の形態を採ることが可能である。例えば、全方位型の検出が必要無い場合などでは、平板状の2枚の電極の間に圧電素子を挟んだサンドイッチ構造等を採ることもできる。
このような圧電センサ10の出力は、微小電圧であるため、そのままではマイクロコンピュータ等の制御装置へ検出信号を入力することが困難である。また、上述したように、挟み込みにより生じる電圧のみでなく、圧電センサ10が配設された装置の作動による振動等の他の事象により生じる電圧もあり、これらを区別する必要がある。従って、圧電センサ10を用いる挟み込み検出装置では、図1に示す本発明の実施形態でも、図2に示す従来の形態でも挟み込み検出回路1に信号処理部2を備えている。信号処理部2は、圧電センサ10の出力を増幅する増幅回路21と、所定の周波数帯の信号を取り出すフィルタ回路22と、所定の振幅であるか否かを判定する比較回路23とを有している。
図5は、増幅回路21による増幅後の圧電センサ10の出力の一例を模式的に示す波形図であり、図5(a)は挟み込みを検出した場合の波形を示している。図中、小さな振幅は、車両40の走行中の振動や、スライドドア41のスライド動作による振動を示している。図中、大きな振幅は、スライドドア41とドア枠42との間に物体を挟み込んだ場合の衝撃により圧電センサ10が圧縮されて出力された、出力波形を示している。図に示すように、初めに正極性の振幅を生じ、次に負極性の振幅を生じている。信号処理部2のフィルタ回路22は、バンドパスフィルタやローパスフィルタである。従って、高い周波数である車両40の走行中の振動や、スライドドア41のスライド動作による振動に起因する小さな振幅波形は、フィルタ回路22により平滑化される。物体を挟み込んだ場合の衝撃を示す波形は、半周期が時間t0であり上述した走行中の振動等による波形よりも低周波であるので、フィルタ回路22を通過する。また、衝撃により大きな振幅を有しているので、その電圧は比較回路23のしきい値E1(本発明の第二の所定値に相当する。)を超える。従って、所定の条件に合致し、信号処理部2は、挟み込みにあることを示す信号として、挟み込みの検出信号Sを有効状態として出力する。
図5(b)は別事象による圧電センサ10の出力波形の例を示している。別事象とは、例えば、図4に示すスライドドア41が閉扉動作するに際し、車両40の後方から前方へのスライド動作の後、車両40の本体に設けられたドアレール41bの屈曲部Aを通過する際に、車両40の側方から内側へと引き込まれる誘導動作へ移行する場合である。スライド動作の際には、スライドドア41はほぼ一定の速度で動作するので加速度が生じない。従って、図5(a)を用いて説明したようにスライド動作による振動に起因する小振幅高周波数の波形が現れる。しかし、スライド動作から屈曲部Aに沿って誘導される動作に移行すると、前方へのスライド動作が停止することによる加速度及び、方向変換による加速度が生じるので、大きな振幅の波形が現れる。一例としては、図5(b)に示したように、挟み込みとは反対方向に(負極性の)高周波数で大きな振幅の波形が出現し、その後挟み込みと同方向に(正極性の)半周期が時間t0と同程度の時間t1である低周波数で大きな振幅の波形が現れる。
挟み込みとは反対方向に生じた(負極性の)振幅の大きな電圧は、高周波であるためフィルタ回路22である程度平滑化されるが、挟み込みと同方向に生じた(正極性の)振幅の大きな電圧はフィルタ回路22を通過する。また、フィルタ回路22を経由して、正弦波に近い波形へと成形されることより、さらに挟み込みが生じた場合と同様の波形となる場合がある。そして、挟み込みが生じた場合と同程度の大きな振幅を有しているので、比較回路23のしきい値E1を超え、信号処理部2は、挟み込みの検出信号Sを有効状態として出力する。
このように、従来の信号処理部2では、挟み込みにより生じた電圧と、スライドドア41の挙動により生じた電圧とを明確に区別できない場合がある。図1に示した本発明に係る挟み込み検出回路1は、信号処理部2に加え、異常検出部3を備えることにより、この課題を解決するものである。つまり、異常検出部3は、挟み込みに起因しない加速度の発生を検出する。そして、挟み込み検出回路1(信号処理部2)は、圧電センサ10の出力と、異常検出部3の検出結果とに基づいて、開閉する装置であるスライドドア41とドア枠42との間に物体が挟み込まれたか否かを検出する。
異常検出部3による加速度の発生の検出は、実際に発生した加速度を加速度センサ等を用いて検出するものでもよいし、加速度を発生し得る状態を他のセンサやモータ等のアクチュエータを制御する制御装置の制御状態から検出するものであってもよい。加速度センサの一例としては、歩数計などに用いられる静電容量型のものがある。他のセンサとしては、スライドドア41の移動量を測定するエンコーダや、スライドドア41が所定の位置(例えば屈曲部A)に達したことを検出する近接センサ等がその一例である。また、圧電センサ10は加速度に応じた電圧を出力するセンサである。従って、圧電センサ10を挟み込みに起因しない加速度の発生を検出する加速度センサとして機能させてもよい。
図1に一例を示す異常検出部3は、圧電センサ10の出力に基づいて挟み込みに起因しない加速度の発生を検出する構成を採っている。ここで、圧電センサ10の出力とは、圧電センサ10の出力を増幅した後のものも含むものである。図1に示した構成では、信号処理部2の増幅回路21を経由した後の信号を圧電センサ10の出力として用いている。勿論、異常検出部3に別途増幅回路を設けても構わないが、信号処理部2と兼用すれば部品点数を抑制することができて好適である。
異常検出部3は、挟み込みを生じた場合とは逆極性の圧電センサ10の出力の振幅が、所定のしきい値E2(本発明の所定値及び第一の所定値に相当する。)を超えるか否かを判定する比較回路31を有している。つまり、比較回路31は、図5(b)に示したように、挟み込みを検出した場合の振幅とは反対方向に大きな振幅を有しているか否かを判定する。タイマ32は、圧電センサ10の出力が図示の波形において、しきい値E2を下回ることを検出した後、所定時間t2を計測する。つまり、所定時間t2の間は、圧電センサ10の出力に拘らずスライドドア41とドア枠42との間に物体が挟み込まれたと検出しないようにするための時間を管理する。言い換えると、異常検出部3は圧電センサ10が挟み込みとは反対方向(反対の極性)であり、且つ振幅がしきい値E2(所定値及び第一の所定値)を超える電圧波形を出力した場合に、挟み込みに起因しない加速度の発生を検出すると共に、所定時間t2の間、異常検出信号を発生する。
具体的には、タイマ32の出力により、スイッチング回路33が作用し、フィルタ22の出力信号をアースすることにより、比較器23への入力を略ゼロとして(異常検出信号)、振幅が常に第二の所定値であるしきい値E1を超えないようにする。その結果、比較器23の出力である検出信号Sは、挟み込みを検出していない非有効状態(挟み込みをしていないことを示す信号)で出力される。つまり、異常検出部3は所定時間t2の間、検出信号Sを非有効状態とする異常検出信号を出力し、比較器23からは挟み込みをしていないことを示す信号が出力されることになる。
所定時間t2は、挟み込みが生じた場合の圧電センサ10の出力の半周期t0やスライドドア41の挙動により生じた圧電センサ10の出力の半周期t1と同程度以上の時間を設定するとよい(図5(b)参照。)。このようにすると、異常検出後に現れる挟み込みに起因しない圧電センサ10の出力を良好にマスキングできる。また、不必要にマスキング時間を長くすることがないので、本来の検出事象である挟み込みの不検出期間を最小限に留めることができる。例えば、スライドドア41をドアレール41bの屈曲部Aの屈曲に沿って車両40の外側から内側方向に誘導する動作を行う際にはマスキングすることが好ましい。しかし、さらにスライドドア装置のロック装置がスライドドア41をロック位置まで引き込む、いわゆるクローザ動作を行う際には、マスキングが解除されていることが好ましい。従って、対象となる開閉する装置の特性に応じて所定時間t2を定めると好適である。
図6は、図1の異常検出部3の別実施形態を示す概略ブロック図である。図1に示した異常検出部3では、圧電センサ10の出力に基づいて挟み込みに起因しない加速度の発生を検出していた。図6に示した別実施形態の異常検出部3では他の加速度検出手段34によってこの加速度の発生を検出している。例えば、上述したような歩数計などに利用される静電容量型の加速度センサ(振動センサ)を用いてこの加速度検出手段34を構成することができる。また、加速度検出手段34が必ずしも加速度そのものを検出するものである必要はない。上述したように、スライドドア41は、閉扉の際、ドアレール41bに誘導されて屈曲部Aで進行方向を変え、その後さらにスライドドア41をロック位置まで引き込むクローザ動作を経て閉扉動作を完了する。スライドドア41は、屈曲部Aに達するまではほぼスライドモータにより駆動されるが、屈曲部Aに達した頃より、ポールスイッチやラッチスイッチ、クローザモータなどの他のアクチュエータによる駆動が始まる。従って、これらスライドモータ及びアクチュエータを制御する制御手段はスライドドア41の位置や挙動を把握しており、この制御手段を加速度検出手段34として機能させてもよい。
このように、圧電センサの出力と、異常検出部の検出結果とに基づいて、物体が挟み込まれたことを検出すると、挟み込みとは異なる事象により発生する検出信号と、挟み込みにより発生した検出信号とを混同することがない。例えば、圧電センサの出力が挟み込みを示すものであっても、異常検出部の検出結果が他の事象によるものとの検出結果を示していれば、物体が挟み込まれたと検出しないようにすることができる。その結果、良好に挟み込みを検出することのできる挟み込み検出回路を提供することができる。
図7は、本発明に係る挟み込み検出回路の別実施形態を示す概略ブロック図である。図1に示した実施形態と同様に、挟み込み検出回路1は、圧電センサ10の出力が所定の条件に合致するか否かを判定する判定回路としての信号処理部2と、挟み込みに起因しない加速度の発生を検出する異常検出部3とを備えて、挟み込みの検出信号Sを出力する。
信号処理部2は、圧電センサ10の出力を増幅する増幅回路21と、増幅後の圧電センサ10の出力をデジタル変換するA/Dコンバータ24と、デジタル変換された圧電センサ10の出力が所定の条件に合致するか否かを判定するマイクロコンピュータ25とを備えている。挟み込み検出回路1(信号処理部2)は、検出信号Sを、制御装置へ出力し、この制御装置が挟み込みの有無を判定する。この制御装置は多くの場合、マイクロコンピュータ等のプロセッサを用いて構成される。従って、信号処理部2のマイクロコンピュータ25と、制御装置としてのマイクロコンピュータとが同一のものであってもよい。
異常検出部3は、図1や図6に基づいて説明した構成と同様の構成としてもよいが、図8に示すように挟み込みを生じた場合とは反対の極性の圧電センサ10の出力の振幅が、所定のしきい値E2(本発明の所定値及び第一の所定値に相当する。)を超えるか否かを判定する比較回路31のみで構成してもよい。通常、マイクロコンピュータなどのプロセッサにはタイマを内蔵しているので、図1や図6に示したタイマ32やスイッチング回路33は、マイクロコンピュータ25が兼用する構成でもよい。
図9は、図7に示す別実施形態によるA/D変換を模式的に説明する波形図である。ここでは、説明を容易にするために3値(Hi、C、Lo)にデジタル化した場合の例を示している。それぞれHiが挟み込み状態、Cが非挟み込み状態、Loが異常加速度検出状態(非挟み込み状態)を示す値である。図9(b)に示すように、Hiの期間t3があり、マイクロコンピュータ25により挟み込みと判定される可能性がある。しかし、異常検出部3の異常検出信号を受けたマイクロコンピュータ25はこの検出後、所定時間t2を計測する。そして、所定時間t2の間は圧電センサ10の出力に拘らず、スライドドア41とドア枠42との間に物体が挟み込まれたと検出しない。挟み込みを示すHiの値は、この所定時間t2の間に含まれるので、挟み込みが生じたと判定されることはない。
以上説明したように、本発明によって挟み込みとは異なる事象により発生する検出信号を挟み込みにより発生したものと混同することなく、良好に挟み込みを検出することのできる挟み込み検出回路を提供することができる。
本発明に係る挟み込み検出回路の一例を示す概略ブロック図 従来の挟み込み検出回路の一例を示す概略ブロック図 圧電センサの構成例を示す模式図 開閉する装置に圧電センサを配設する一例を示す斜視図 増幅後の圧電センサの出力の一例を模式的に示す波形図 (a)挟み込みを検出した場合の波形 (b)別事象を検出した場合の波形 異常検出部の別実施形態を示す概略ブロック図 本発明に係る挟み込み検出回路の別実施形態を示す概略ブロック図 図7の異常検出部の構成例を示す概略ブロック図 図7に示す別実施形態によるA/D変換を模式的に説明する波形図
符号の説明
1 挟み込み検出回路
2 信号処理部
3 異常検出部
10 圧電センサ
40 車両
41 スライドドア
41a 開口端部
41b ドアレール
A 屈曲部
E1 しきい値(第二の所定値)
E2 しきい値(所定値、第一の所定値)
t2 所定時間

Claims (2)

  1. 開閉する装置に備えられて前記開閉する装置の加速度に応じた電圧を出力する圧電センサの出力と予め設定された第二の所定値とに基づいて前記装置に物体が挟み込まれたことを検出する挟み込み検出回路であって、
    前記圧電センサの出力が、前記第二の所定値とは逆極性の第一の所定値を超える場合に、予め設定された所定時間、前記圧電センサの出力をマスキングする異常検出部
    前記所定時間の間は、前記圧電センサ出力する電圧に拘らず、前記装置に物体が挟まれた検出しない信号処理部と、
    を備える挟み込み検出回路。
  2. 前記信号処理部は、前記圧電センサの出力が前記第二の所定値を超えたか否かを判定する比較器を備え、
    前記異常検出部は、前記所定時間の間、前記比較器に入力される前記圧電センサの出力を前記第二の所定値より小さくする請求項1に記載の挟み込み検出回路。
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