JP2001324393A5 - - Google Patents

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JP2001324393A5
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【発明の名称】感圧センサ、物体検出装置及び開閉装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】開口部と、前記開口部を開閉する開閉部の少なくともいずれかに配設され、物体の接触を検出して前記開口部と前記開閉部との間への前記物体の挟み込みを防止するために使用される感圧センサにおいて、前記感圧センサは、変形に応じた出力信号を発生する感圧手段と、前記感圧手段を前記開口部と前記開閉部の少なくともいずれかに支持する支持手段とを備え、前記支持手段は前記感圧手段よりも柔軟性を有したことを特長とする感圧センサ。
【請求項2】支持手段は感圧手段の変形を増大する変形増大部を有した請求項1記載の感圧センサ。
【請求項3】変形増大部は中空部と側壁部からなり、前記側壁部が屈曲し変形する構成とした請求項2記載の感圧センサ。
【請求項4】支持手段は振動を減衰する振動減衰部を有した請求項1乃至3のいずれか1項記載の感圧センサ。
【請求項5】振動減衰部は感圧手段の変形を増大する変形増大部を兼用した請求項4記載の感圧センサ。
【請求項6】支持手段は自動車のウエザストリップの一部で構成された請求項1乃至5のいずれか1項記載の感圧センサ。
【請求項7】感圧センサは開閉部との最短距離が3mm〜5mmの範囲となるよう開口部に配設可能な請求項1乃至6のいずれか1項記載の感圧センサ。
【請求項8】感圧センサは複数の信号導出用電極を有し、前記信号導出用電極間に前記信号導出用電極の断線を検出するための断線検出用抵抗体を配設した請求項1乃至7のいずれか1項記載の感圧センサ。
【請求項9】感圧手段は可撓性の圧電センサからなり、支持手段は前記圧電センサを開口部もしくは開閉部各々の端部形状に沿って屈曲可能に支持した請求項1乃至8のいずれか1項記載の感圧センサ。
【請求項10】支持手段は感圧センサよりも柔軟性を有した弾性体からなり、前記弾性体を所定の形状の部材で圧縮した際の単位変位当たりの圧縮荷重の圧縮率が感圧センサの圧縮率よりも小さくなるようにした請求項1記載の感圧センサ。
【請求項11】請求項1乃至10の少なくとも1項記載の感圧センサと、前記感圧センサの出力信号に基づき前記感圧センサへの物体の接触を判定する判定手段とを備えた物体検出装置。
【請求項12】判定手段の判定結果を第3者に報知する報知手段を備えた請求項11記載の物体検出装置。
【請求項13】感圧センサを判定手段に直接接続し、感圧センサと判定手段とを一体化した請求項11又は12記載の物体検出装置。
【請求項14】判定手段は感圧センサの出力信号から所定の周波数成分のみを抽出する濾波部を有した請求項11乃至13のいずれか1項記載の物体検出装置。
【請求項15】圧電センサと判定手段の少なくともいずれかに焦電効果によって圧電センサに発生する電荷を放電する放電部を備えた請求項11乃至14のいずれか1項記載の物体検出装置。
【請求項16】判定手段は感圧手段の出力信号の単位時間当たりの積分値を演算し、前記積分値に基づき感圧センサへの物体の接触を判定する請求項11乃至15のいずれか1項記載の物体検出装置。
【請求項17】判定手段は開口部又は開閉部の振動に対応した感圧手段の出力信号に基づき前記感圧手段の異常を判定する異常判定部を備えた請求項11乃至16のいずれか1項記載の項記載の物体検出装置。
【請求項18】判定手段は感圧手段からの信号入力部と物体の判定結果を出力する信号出力部との間に高周波信号をバイパスするバイパス部を設けた請求項11乃至17のいずれか1項記載の項記載の物体検出装置。
【請求項19】信号入力部と信号出力部とを隣接して高周波信号のバイパス経路を短くした請求項18記載の物体検出装置。
【請求項20】請求項11乃至19のいずれか1項記載の物体検出装置と、開閉部を駆動する駆動手段と、前記開閉部が閉動作する際に判定手段が感圧センサへの物体の接触を判定すると前記開閉部の閉動作を停止するか又は前記開閉部を開動作するよう前記駆動手段を制御する制御手段とを備えた開閉装置。
【請求項21】制御手段は、駆動手段が開閉部を駆動する際の開閉速度や駆動電流といった駆動特性を検出し、検出した駆動特性に基づき前記開閉部への物体の接触を判定する開閉部接触判定部と、物体検出装置と前記開閉部接触判定部との出力信号に基づき前記駆動手段を制御する制御部とを備えた請求項20記載の開閉装置。
【請求項22】制御手段は物体検出装置に異常が生じた場合は開閉部接触判定部の出力信号に基づき前記駆動手段を制御する請求項21記載の開閉装置
【請求項23】制御手段は、開閉部を閉動作させる際、前記開閉部を一旦開方向へ所定距離又は所定時間開動作させた後に閉動作させるよう駆動手段を制御する請求項20乃至22のいずれか1項記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のパワーウインドウ、電動スライドドア、電動サンルーフ、建物の自動ドア等における物体の挟み込みを防止するために使用される感圧センサ、物体検出装置及び開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、物体の挟み込みを防止するために使用される感圧センサとしては、USP3,465,476号公報や実公昭41−15095号公報に開示されているような、押圧により接点が閉じるタイプの感圧スイッチが開示されている。しかしながら、このような感圧スイッチは窓枠に沿って配設する際に屈曲させると感圧スイッチが閉じてしまい誤検出するといった課題があった。そのため、屈曲しても誤検出の生じない感圧センサとして、圧電センサを使用する発明が開示されている。すなわち、特開平10−132669号公報では、感圧センサとして非圧電領域と圧電領域とを有した圧電センサを使用し、前記圧電領域を有した部分のみをパワーウインドウの窓枠に直接配設する構成が開示されている。そして、この構成により、パワーウインドウの窓ガラスを閉止する際に窓枠と窓ガラスとの間に物体が挟み込まれると、物体の押圧により圧電センサが変形して圧電センサから電圧パルスが出力され、この電圧パルスの有無に基づき窓枠と窓ガラスとの間への物体の挟み込みの有無を検出していた。
【0003】
また圧電センサを使用した開閉装置として、特開平1−322081号公報に開示されているものがある。これは窓枠に配設されたウエザストリップに内蔵された圧電センサと、圧電センサの出力信号に基づき窓ガラスを駆動する電動モータとを備えたものである。そして、窓ガラスが閉動作を行う際に窓枠と窓ガラスとの間に物体が挟み込まれると、物体の押圧により圧電センサが変形して圧電センサから電圧パルスが出力され、この電圧パルスが挟み込みの検出閾値以上になると電動モータの回転方向が逆転して挟み込みを解除していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−132669号公報の圧電センサは窓枠に直接配設されているので、物体が圧電センサを押圧しても圧電センサが変形しにくく、外部評価装置により挟み込みを検出する際に、検出に十分な大きさの電圧パルスが圧電センサから発生しないといった課題があった。
【0005】
また特開平1−322081号公報の開閉装置では、ウエザストリップが十分に柔らかくないと物体がウエザストリップを介して圧電センサを押圧しても圧電センサが変形しにくくなり、圧電センサから十分な大きさの電圧パルスが出力されない。そのため、電圧パルスが挟み込みの検出閾値以上になるまで窓ガラスが閉動作を継続してしまい、挟み込みを解除するまでに物体に印加される荷重が大きくなって物体を損傷してしまうといった課題や、検出閾値以上の電圧パルスが発生せず挟み込みを解除できないといった課題があった。
【0006】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、開口部もしくは開閉部に配設されて物体の押圧により変形し易い感圧センサ、及び前記感圧センサを用いて確実に前記感圧センサへの物体の接触を検出する物体検出装置、及び物体が挟み込まれた際に挟み込みを解除するまでに物体に印加される荷重を低減できる開閉装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の感圧センサは、変形に応じた出力信号を発生する感圧手段と、前記感圧手段を開口部と前記開口部を開閉する開閉部の少なくともいずれかに支持する支持手段とを備え、前記支持手段は前記感圧手段よりも柔軟性を有したことを特長とした感圧センサである。この構成により、前記開口部と前記開閉部との間へ物体が侵入し、前記物体が前記感圧センサに接触すると、前記支持手段は前記感圧手段よりも柔軟性を有しているので、前記感圧手段の変形を妨げないように前記支持手段が前記感圧手段と共に容易に変形し、この変形に応じて前記感圧手段から出力信号が出力される。このため、外部評価装置により物体が感圧センサに接触したことを検出する際に、検出に十分な大きさの出力信号を発生する感圧センサを提供することができる。
【0008】
また本発明は、上記のような感圧センサと、前記感圧センサの出力信号に基づき前記感圧センサへの物体の接触を判定する判定手段とを有している。そして、前記物体が前記感圧センサに接触すると、前記支持手段は前記感圧手段よりも柔軟性を有しているので、上記と同様に前記感圧手段が容易に変形し、前記判定手段により物体の接触を検出するのに十分な出力信号が前記感圧センサから出力される。これにより、物体の接触を早期に、かつ、確実に判定する物体検出装置を提供することができる。
【0009】
さらに本発明は、上記のような物体検出装置と、開閉部を駆動する駆動手段と、前記開閉部が閉動作する際に物体検出装置が感圧センサへの物体の接触を判定すると前記開閉部の閉動作を停止するか又は前記開閉部を開動作するよう前記駆動手段を制御する制御手段とを有している。そして、前記物体が前記感圧センサに接触すると、前記支持手段は前記感圧手段よりも柔軟性を有しているので、上記と同様に前記感圧手段が容易に変形し、前記判定手段により物体の接触を検出するのに十分な出力信号が前記感圧センサから出力される。これにより、物体の接触を早期に、かつ、確実に判定でき、物体の接触後、早期に前記開閉部の閉動作を停止したり又は前記開閉部を開動作することが可能となり、物体が挟み込まれた際に挟み込みを解除するまでに物体に印加される荷重を低減する開閉装置を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
上記の課題を解決するために請求項1の発明は、変形に応じた出力信号を発生する感圧手段と、前記感圧手段を開口部と前記開口部を開閉する開閉部の少なくともいずれかに支持する支持手段とを備え、前記支持手段は前記感圧手段よりも柔軟性を有したことを特長とした感圧センサである。この構成により、前記開口部と前記開閉部との間へ物体が侵入し、前記物体が前記感圧センサに接触すると、前記支持手段は前記感圧手段よりも柔軟性を有しているので、前記感圧手段の変形を妨げないように前記支持手段が前記感圧手段と共に容易に変形し、この変形に応じて前記感圧手段から出力信号が出力される。このため、外部評価装置により物体が感圧センサに接触したことを検出する際に、検出に十分な大きさの出力信号を発生する感圧センサを提供することができる。
【0011】
また請求項2の発明は、支持手段が感圧手段の変形を増大する変形増大部を有したもので、変形増大部により感圧手段の変形が増大するので感圧手段の感度を向上することができる。
【0012】
また請求項3の発明は、変形増大部が中空部と側壁部からなり、前記側壁部が屈曲し変形する構成としたもので、物体の押圧により中空部が変形して感圧手段の変形量を増大することが可能なので、感圧手段の感度をさらに向上することができる。
【0013】
また請求項4の発明は、支持手段が振動を減衰する振動減衰部を有したもので、感圧手段が支持される開口部もしくは開閉部から前記感圧手段へ伝播される不要な振動を振動減衰部が減衰し、前記感圧手段に不要な振動が印加されるのを防ぐので、外部評価装置により物体が感圧センサに接触したことを検出する際に、誤検出を生じさせるような出力信号が感圧手段から出力しない。
【0014】
また請求項5の発明は、振動減衰部が感圧手段の変形を増大する変形増大部を兼用したもので、振動減衰部が変形増大部を兼用するので部品の合理化が図れる。
【0015】
また請求項6の発明は、支持手段が自動車のウエザストリップの一部で構成されたもので、ウエザストリップが支持手段を兼用しているので部品の合理化が図れる。
【0016】
また請求項7の発明は、開閉部との最短距離が3mm〜5mmの範囲となるよう感圧手段が開口部に配設されたもので、この構成により、外部評価装置でパワーウインドウ等での挟み込みに関する米国の法規制であるFMVSS118で要求される最低直径4mmまでの棒での挟み込みを検出することができる。
【0017】
また請求項8の発明は、感圧センサが複数の信号導出用電極を有し、前記信号導出用電極間に前記信号導出用電極の断線を検出するための断線検出用抵抗体を配設したもので、断線検出用の抵抗体により圧電センサの電極の断線を検出できるので、信頼性が向上する。
【0018】
また請求項9の発明は、感圧手段が可撓性の圧電センサからなり、支持手段が前記圧電センサを開口部もしくは開閉部各々の端部形状に沿って屈曲可能に支持したもので、さまざまな端部形状に沿って感圧センサを屈曲可能に支持できるので、開口部や開閉部のデザイン面での自由度が高まる上、強度面での工夫がし易くなる。また、前記端部と前記感圧センサとの間の隙間を小さくできるので、前記開口部と前記開閉部との間に物体が挟み込まれた際に前記物体が確実に前記感圧センサと接触する。
【0019】
また請求項10の発明は、支持手段は感圧センサよりも柔軟性を有した弾性体からなり、前記弾性体を所定の形状の部材で圧縮した際の単位変位当たりの圧縮荷重の圧縮率が感圧センサの圧縮率よりも小さくなるようにしたものである。
【0020】
また請求項11の発明は、請求項1乃至10の少なくとも1項記載の感圧センサと、前記感圧センサの出力信号に基づき前記感圧センサへの物体の接触を判定する判定手段とを備えた物体検出装置である。そして、前記物体が前記感圧センサに接触すると、前記支持手段は前記感圧手段よりも柔軟性を有しているので、前記感圧手段が容易に変形し、前記判定手段により物体の接触を検出するのに十分な出力信号が前記感圧センサから出力される。これにより、物体の接触を早期に、かつ、確実に判定する物体検出装置を提供することができる。
【0021】
また請求項12の発明は、判定手段の判定結果を第3者に報知する報知手段を備えたもので、感圧センサへの物体の接触を検出して第3者に報知するので安全性が向上する。
【0022】
また請求項13の発明は、感圧センサを判定手段に直接接続し、感圧センサと判定手段とを一体化したもので、感圧センサを判定手段に直接接続しているので、コネクタ等の接続部が不要となり接点不良等の故障がなく信頼性が向上する上、部品の合理化が図れる。
【0023】
また請求項14の発明は、判定手段は感圧センサの出力信号から所定の周波数成分のみを抽出する濾波部を有したもので、濾波部は物体の押圧により感圧センサが変形する際に生じる感圧センサの出力信号に特有な周波数成分のみを抽出し、開口部もしくは開閉部から前記感圧手段へ伝播される不要な振動により感圧センサから出力される信号を除去するので、感圧センサへの物体の接触を判定する際に誤判定が生じない。
【0024】
また請求項15の発明は、圧電センサと判定手段の少なくともいずれかに焦電効果によって圧電センサに発生する電荷を放電する放電部を備えたもので、環境温度が変化して焦電効果により前記圧電センサに電荷が発生しても前記放電部により前記電荷を放電するので、環境温度の変化があっても物体の接触を判定する際に誤判定が生じない。
【0025】
また請求項16の発明は、判定手段が感圧センサの出力信号の単位時間当たりの積分値を演算し、前記積分値に基づき物体の接触を判定するもので、物体による感圧センサへの押圧の速度が遅く、前記感圧センサの出力信号の信号レベルが小さくても、前記判定手段が前記感圧センサの出力信号の積分値に基づき物体の接触を判定するので、柔軟な物体が感圧センサに接触しても物体の接触を確実に判定できる。
【0026】
また請求項17の発明は、判定手段が開口部又は開閉部の振動に対応した感圧センサの出力信号に基づき前記感圧センサの異常を判定する異常判定部を備えたもので、前記異常判定部により前記感圧センサの異常を判定するので、装置の信頼性が向上する。
【0027】
また請求項18の発明は、判定手段が感圧センサからの信号入力部と物体の判定結果を出力する信号出力部との間に高周波信号をバイパスするバイパス部を設けたもので、前記感圧センサ及び前記判定手段に高周波の強電界が印加されて高周波信号が信号入力部から侵入しても、前記バイパス部により高周波信号を信号出力部へバイパスして判定手段の外部へと逃がすため、高周波の強電界が印加されても誤判定が生じない。
【0028】
また請求項19の発明は、信号入力部と信号出力部とを隣接して高周波信号のバイパス経路を短くしたもので、バイパス経路が短いため感圧センサ及び判定手段に高周波の強電界が印加されて高周波信号が前記信号入力部から侵入しても、高周波信号が前記信号出力部へバイパスし易くなり、高周波の強電界が印加されても誤判定が生じない。
【0029】
また請求項20の発明は、請求項11乃至19のいずれか1項記載の物体検出装置と、開閉部を駆動する駆動手段と、前記開閉部が閉動作する際に判定手段の出力信号に基づき感圧センサへの物体の接触を判定すると前記開閉部を開動作させるよう前記駆動手段を制御する制御手段とを備えた開閉装置である。そして、前記物体が感圧センサに接触すると、支持手段は前記感圧手段よりも柔軟性を有しているので、前記感圧手段が容易に変形し、判定手段により物体の接触を検出するのに十分な出力信号が前記感圧センサから出力される。これにより、物体の接触を早期に、かつ、確実に判定でき、物体の接触後、早期に前記開閉部の閉動作を停止したり又は前記開閉部を開動作することが可能となり、物体が挟み込まれた際に挟み込みを解除するまでに物体に印加される荷重を低減する開閉装置を提供することができる。
【0030】
また請求項21の発明は、駆動手段が開閉部を駆動する際の開閉速度や駆動電流といった駆動特性を検出し、検出した駆動特性に基づき前記開閉部への物体の接触を判定する開閉部接触判定部と、物体検出装置と前記開閉部接触判定部との出力信号に基づき前記駆動手段を制御する制御部とを備えたものである。そして、例えば、物体検出装置と開閉部接触判定部のいずれか一方が挟み込みを判定すると前記開閉部を停止するか又は開動作するよう前記駆動手段を制御するので、挟み込みを解除する際の安全性が向上する。
【0031】
また請求項22の発明は、制御手段が物体検出装置に異常が生じた場合は開閉部接触判定部の出力信号に基づき前記駆動手段を制御するもので、前記物体検出装置に異常が生じても前記開閉部接触判定部の出力信号に基づき前記駆動手段を制御するので、安全性が向上する。
【0032】
また請求項23の発明は、制御手段が、開閉部を閉動作させる際、前記開閉部を一旦開方向へ所定距離もしくは所定時間開動作させた後に閉動作させるよう駆動手段を制御するものである。そして、前記開閉部を閉動作させる前に既に物体による押圧が感圧センサに印加されていて前記感圧センサが変形できない状態になっていても、前記開閉部を閉動作させる際に前記開閉部が一旦開方向へ所定距離もしくは所定時間開動作させた後に閉動作させることにより、前記感圧センサの変形が一旦復元し、その後、再び前記開閉部の閉動作により前記感圧センサが物体の押圧を受けて変形するので、前記感圧センサから押圧に応じた出力信号が出力されて物体の接触が判定され、前記開口部と前記開閉部との間への前記物体の不要な挟み込みを防止することができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1から図24を参照して説明する。
【0034】
(実施例1)
実施例1の発明を図1から図14を参照して説明する。
【0035】
図1は実施例1の発明の物体検出装置及び開閉装置の外観図で、自動車のパワーウインドウに適用した場合を示している。図2は図1のA−A´位置における断面構成図である。図2では図面右側が車室内側、左側が車室外側である。
【0036】
先ず、本発明の実施例1の物体検出装置の構成は以下の通りである。図1より、1は自動車のドア、2は開口部としての窓枠、3は開閉部としての窓ガラスである。4は感圧センサで窓枠2の端部周縁に配設されている。5は感圧センサ4の出力信号に基づき感圧センサ4への物体の接触を判定する判定手段である。
【0037】
また、本発明の実施例1の開閉装置は、上記の物体検出装置と、窓ガラス3を開閉させる駆動手段6、駆動手段6を制御する制御手段7から成る。ここで、駆動手段6はモータ8、ワイヤ9、窓ガラス2の支持具10、ガイド11等から成る。モータ8によりワイヤ9を動かし、ワイヤ9と連結された支持具10をガイド11に沿って上下させることにより窓ガラス2を開閉する構造となっている。尚、駆動装置6は上記のようなワイヤ11を用いた方式に限定するものではなく、他の方式でもよい。制御手段7はモータ8と一体化してもよい。
【0038】
図2に示すように、本発明の実施例1の感圧センサは4は感圧手段としての可撓性の圧電センサ12と支持手段13とからなる。支持手段13は圧電センサ12を最下部近傍に内蔵し、圧電センサ12よりも柔軟性を有したゴムや発泡樹脂部材等の弾性体14からなる。具体的には、圧電センサ12又は弾性体14を所定の形状の部材で圧縮した際の単位変位当たりの圧縮荷重を圧縮率として定義すれば、弾性体14の圧縮率が圧電センサ12の圧縮率よりも小さくなるような弾性体14を使用している。尚、圧電センサ12が変形し易いように圧電センサ12の周囲の支持手段13の肉厚は薄くしてある。支持手段13は圧電センサ12の変形を増大する変形増大部15を有している。変形増大部15は中空部16と側壁部17からなる。また、支持手段13は振動を減衰する振動減衰部を有し、振動減衰部は側壁部17を兼用している。側壁部17の共振周波数は10Hz以下にすることが望ましい。18は窓枠2に配設されたウエザストリップである。尚、弾性体14の圧縮率が圧電センサ12よりも大きくても、中空部16を有する変形増大部15を設けることにより支持手段13の圧縮率が圧電センサ12よりも小さくなるようにした構成を用いてもよい。
【0039】
圧電センサ12は窓ガラス3との最短距離が3mm〜5mmの範囲となるよう窓枠2に配設されるのが好ましい。尚、本実施例の場合は図2に示したように、圧電センサ12は支持手段13に内蔵してあるので、支持手段13と窓ガラス3との最短距離xが3mm〜5mmの範囲となるように支持手段13が窓枠2に配設してもよい。また、図2の点線で示した所定の寸法を有する物体19の端部近傍が窓ガラス3により挟み込まれた際に、物体19が存在する位置(図2中の直線L1)よりも窓ガラス3側に圧電センサ12の一部が位置するよう圧電センサ12を窓枠2に配設してもよい。又は、窓ガラス3の中心軸L2とL1とが成す角度の中に圧電センサ12の一部が位置するように圧電センサ12を窓枠2に配設してもよい。尚、L1は窓ガラス3の全閉時上端点(図2中の点P1)と窓枠2の窓ガラス3側端部(図2中の点P2)との接線として求めてもよい。また物体19としては直径4mm〜200mmの棒を使用する。尚、感圧センサ4の窓枠2に固定される部位の形状は、窓枠2の端部形状に応じて変更可能である。
【0040】
図3(a)、(b)は感圧センサ4の外観図である。図3(a)は感圧センサ4を車室内側から見た外観図、図3(b)は感圧センサ4を車室外側から見た外観図で、図3(b)ではPr点で物体19が感圧センサ4に接触している。感圧センサ4は両面テープや接着剤により窓枠2に固定される。他の固定方法としてくさび型のクリップにより感圧センサ4を窓枠1に固定したり、窓枠2に溝部を設けて溝部に感圧センサ4をはめ込んで固定してもよい。
【0041】
図4は圧電センサ12の断面構成図である。圧電センサ12は信号導出用電極としての中心電極20、外側電極21と、非晶質塩素化ポリエチレンと結晶性塩素化ポリエチレンとを混合したゴム弾性体に圧電セラミックの焼結粉体を混合した複合圧電材からなる複合圧電体層22と、被覆層23とを同心円状に積層してケーブル状に成形し分極処理して構成したもので、優れた可撓性を有し、変形に応じた出力信号を発生する。圧電セラミックとしては例えばチタン酸鉛又はチタン酸ジルコン酸鉛の焼結粉体を用いる。圧電センサ12は以下の工程により製造される。最初に、塩素化ポリエチレンシートと(40〜70)vol%の圧電セラミック(ここでは、チタン酸ジルコン酸鉛)粉末がロール法によりシート状に均一に混合される。このシートを細かくペレット状に切断した後、これらのペレットは中心電極20と共に連続的に押し出されて複合圧電体層22を形成する。それから、外側電極21が複合圧電体層22の周囲に巻きつけられる。外側電極21を取り巻いて被覆層23も連続的に押し出される。最後に、複合圧電体層22を分極するために、中心電極20と外側電極21の間に(5〜10)kV/mmの直流高電圧が印加される。
【0042】
上記塩素化ポリエチレンシートには、非晶質塩素化ポリエチレンと結晶性塩素化ポリエチレンの混合物を用いる。この場合、押し出しの加工性、可撓性、圧電特性等を考慮して、分子量6万〜15万の非晶質塩素化ポリエチレンを75wt%、結晶化度(15〜25)%で分子量20万〜40万の結晶性塩素化ポリエチレンを25wt%混合した塩素化ポリエチレンが好ましいことが実験的に見出された。この混合塩素化ポリエチレンは圧電セラミック粉末を約70vol%まで含むことができる。
【0043】
この混合塩素化ポリエチレンに圧電セラミック粉体を添加するとき、前もって圧電セラミック粉体をチタン・カップリング剤の溶液に浸漬・乾燥することが好ましい。この処理により、圧電セラミック粉体表面が、チタン・カップリング剤に含まれる親水基と疎水基で覆われる。親水基は圧電セラミック粉体同志の凝集を防止し、また、疎水基は混合塩素化ポリエチレンと圧電セラミック粉体との濡れ性を増加する。この結果、圧電セラミック粉体は混合塩素化ポリエチレン中に均一に、最大70vol%まで多量に添加することができる。上記チタン・カップリング剤溶液中の浸漬に代えて、混合塩素化ポリエチレンと圧電セラミック粉体のロール時にチタン・カップリング剤を添加することにより、上記と同じ効果の得られることが見出された。この処理は、特別にチタン・カップリング剤溶液中の浸漬処理を必要としない点で優れている。
【0044】
中心電極20は通常の金属単線導線を用いてもよいが、ここでは絶縁性高分子繊維の周囲に金属コイルを巻いた電極を用いる。絶縁性高分子繊維と金属コイルとしては、電気毛布において商業的に用いられているポリエステル繊維と銀を5wt%含む銅合金がそれぞれ好ましい。
【0045】
外側電極21は高分子層の上に金属膜の接着された帯状電極を用い、これを複合圧電体層22の周囲に巻きつけた構成としている。そして、高分子層としてはポリエチレン・テレフタレート(PET)を用い、この上にアルミニウム膜を接着した電極は、120℃で高い熱的安定性を有するとともに商業的にも量産されているので、外側電極21として好ましい。この電極を判定手段5に接続する際にはアルミニウム膜を半田付けすることが困難なため、例えばカシメやハトメにより接続する。また、外側電極21のアルミニウム膜の回りに金属単線コイルや金属編線を巻き付けてアルミニウム膜と導通をとり、金属単線コイルや金属編線を判定手段5に半田付けする構成としてもよく、半田付けが可能となるので作業の効率化が図れる。尚、圧電センサを外部環境の電気的雑音からシールドするために、外側電極21は部分的に重なるようにして複合圧電体層22の周囲に巻きつけることが好ましい。
【0046】
被覆層23としては、塩化ビニルやポリエチレンを用いればよいが、物体の押圧時に圧電センサ12が変形しやすいよう複合圧電体層22よりも柔軟性及び可撓性の良いゴム等の弾性材料を用いてもよい。車搭部品として耐熱性、耐寒性を考慮して選定し、具体的には−30℃〜85℃で可撓性の低下が少ないものを選定することが好ましい。このようなゴムとして、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、シリコンゴム(Si)、熱可塑性エラストマー等を用いればよい。以上のような構成により、圧電センサの最小曲率は半径5mmまで可能となった。
【0047】
図5は圧電センサ12の外観図で、圧電センサ12の一方の端部25に断線検出用抵抗体24が内蔵してある。断線検出用抵抗体24は圧電センサ12の中心電極20と外側電極21との間に接続されている。断線検出用抵抗体24は焦電効果によって圧電センサ12に発生する電荷を放電する放電部を兼用しており、部品の合理化となっている。圧電センサ12は判定手段5に直接接続され、圧電センサ12と判定手段5とは一体化されている。26は電源供給用と検出信号の出力用のケーブル、27はコネクタである。圧電センサ12を支持手段13に配設する場合は、端部25に断線検出用抵抗体24を内蔵し、圧電センサ12を支持手段4に挿入した後、圧電センサ12と判定手段5とを接続し一体化する。尚、支持手段13を押出し成形法により成形する際に同時に圧電センサ12を押出して圧電センサ12を支持手段13に配設し、その後、端部25に断線検出用抵抗体24を内蔵し、圧電センサ12と判定手段5とを一体化してもよい。
【0048】
図6は感圧センサ4と判定手段5との位置関係を示す構成図である。図6に示すように、感圧センサ4は判定手段5に直接接続され一体化されているので、感圧センサ4と判定手段5とを接続するケーブル等が不要となる。また、感圧センサ4の窓枠2以外の場所での引き回しが短くなるので、感圧センサ4が窓枠2やドア部材28からの不要な振動の影響を受けることがない。判定手段5はドア部材28の内側に配設されており、例えばサイドミラーの取付け部近傍に設置する。感圧センサ4がドア部材28と接する部分には、ドア部材28のびびりや車体からドア部材28を介して感圧センサ4に不要な振動が伝達しないよう振動吸収部材を配設してもよい。
【0049】
図7は実施例1の発明の物体検出装置及び開閉装置のブロック図である。図7より、29は感圧センサ12の断線を検出する際に使用する分圧用抵抗体、30は圧電センサ12からの出力信号から所定の周波数成分のみを通過させる濾波部、31は濾波部30からの出力信号に基づき感圧センサ4への物体の接触を判定する判定部、32は断線検出用抵抗体24と分圧用抵抗体29により形成される電圧値から圧電センサ12の中心電極20と外側電極21の断線異常を判定する異常判定部である。33は中心電極20と外側電極21を判定手段5に接続し、圧電センサ12からの出力信号を判定手段5に入力する信号入力部、34は判定部31からの判定信号を出力する信号出力部で、信号入力部33と信号出力部34とは隣接して判定手段5内に配設してある。信号出力部34には判定手段5への電源ラインとグランドラインも接続されている。35は信号入力部33と信号出力部34との間に設けられ高周波信号をバイパスするバイパス部で、バイパス部35はコンデンサからなる。
【0050】
駆動手段6はモータ8の回転パルスを検出するためのホール素子36を有する。制御手段7は、ホール素子36からの出力信号に基づき窓ガラス3の上端位置を検出する位置検出部37と、ホール素子36からの出力信号に基づき窓ガラス3の移動速度を検出して窓ガラス3への物体の接触を判定する開閉部接触判定部38と、判定手段5と位置検出部37と開閉部接触判定部38との出力信号に基づきモータ8を制御する制御部39とを備えている。
【0051】
位置検出部37はホール素子36から出力されるパルス信号をカウントして記憶することにより窓ガラス3の上端の現在位置を検出する。ここで、窓ガラス3の上端位置Yは図1に示したように窓枠2の最下点からの高さで表される。
【0052】
開閉部接触判定部38では、窓ガラス3に物体が接触すると窓ガラス3の移動速度が遅くなることに基づき、ホール素子36から出力されるパルス信号のパルス間隔から窓ガラス3の移動速度を演算し、演算した移動速度の単位時間当たりの変化量|ΔVw|が予め設定した設定値VW1より大となった場合、窓ガラス3に物体が接触したと判定し、判定信号としてLo→Hi→Loのバルス信号を出力する。
【0053】
40は判定手段5の判定結果を車室内のフロントパネルに設置された所定のライト等で報知する報知手段、41は窓ガラス3を開閉するための開閉スイッチで、ワンタッチ操作で窓ガラス3を開閉するオートアップスイッチ、オートダウンスイッチと、マニュアル操作で窓ガラス3を開閉するマニュアルアップスイッチ、マニュアルダウンスイッチとを備えている。42は自動車のバッテリー等からなる電源である。
【0054】
濾波部30は圧電センサ12の出力信号から自動車の車体の振動等に起因する不要な信号を除去し、物体の接触による押圧により圧電センサ12が変形する際に圧電センサ12の出力信号に現れる特有な周波数成分のみを抽出するような濾波特性を有する。濾波特性の決定には自動車の車体の振動特性や走行時の車体振動を解析して最適化すればよい。具体的には、自動車のエンジンや走行による振動を除去するため約10Hz以下の信号成分を抽出するローパスフィルタとすることが望ましい。
【0055】
外来の電気的ノイズを除去するため判定手段5はシールド部材で全体を覆って電気的にシールドしてある。また、外側電極21は判定手段5のシールド部材と導通し、感圧センサ12も電気的にシールドされている。尚、上記回路の入出力部に貫通コンデンサやEMIフィルタ等を付加して強電界対策を行ってもてもよい。
【0056】
次に作用について説明する。先ず、物体検出装置による物体の感圧センサ4への接触を検出する際の動作について説明する。図8に窓枠2と窓ガラス3の間に物体19が侵入して挟み込まれた場合の図1のA−A´位置における断面構成図を示す。図8のように、物体19が感圧センサ4と接触すると、物体19による押圧が支持手段13及び圧電センサ12に印加される。支持手段13は圧電センサ12より柔軟性を有しているので、図3(b)に示すように、物体19が接触するPr点を中心として押圧により支持手段13が圧縮されて、側壁部17が変形し、同時に中空部16が押しつぶされる。これにより圧電センサ12も物体19が支持手段13と接触するPr点を中心として屈曲し変形する。
【0057】
図9に物体19の端部が窓枠2と窓ガラス3の間に侵入して挟み込まれた場合の図1のA−A´位置における断面構成図を示す。図9のように、本実施例では、感圧センサ4がL1よりも窓ガラス3側に位置するので、上記と同様に支持手段13が圧縮され、側壁部17が変形し、同時に中空部16が押しつぶされて圧電センサ12は変形する。また、図2に示したように本実施例では感圧センサ12と窓ガラス3との距離xが3mm〜5mmの範囲となるよう配設されているので、直径が4mmの物体19が図9のように挟み込まれても、圧電センサ12は物体19からの押圧を受けて変形する。
【0058】
尚、支持手段4が中空部16を有していない構成と本実施例の構成とを比較すると、本実施例の構成の方が物体の押圧により中空部16が押しつぶされて支持手段13の圧縮の度合いが大きくなるので、圧電センサ12はより大きく変形する。
【0059】
上記のようにして圧電センサ12が変形すると、圧電効果により圧電センサ12から変形に応じた出力信号が出力される。圧電センサ12からの出力信号は濾波部30により濾波される。この際、窓枠2を介して自動車のエンジンや走行による振動が感圧センサ4に伝播されるが、支持手段13に設けられた側壁部17が振動減衰部を兼用しているため、このような振動は除去される。また、側壁部17により除去されなかった振動成分は圧電センサ12に印加され、圧電センサ12の出力信号に上記のような不要な振動成分による出力信号が現れるが、濾波部30が自動車の車体の振動等に起因する不要な信号を除去する。
【0060】
判定部31と制御部39の動作手順を図10を基に説明する。図10は濾波部30からの出力信号V、判定手段5の判定出力J、モータ8への印加電圧Vmを示す特性図である。図10中、縦軸は上から順にV、J、Vm、横軸は時刻tである。時刻t1に開閉スイッチ41のオートアップスイッチをオンすると、制御部39がモータ8に+Vdの電圧を印加して窓ガラス3を閉動作させる。判定手段5は窓ガラス3の閉動作時に判定動作を行う。図8又は図9に示したように物体19が挟み込まれると、圧電センサ12からは圧電効果により圧電センサ12の変形の加速度に応じた信号が出力され、濾波部30からは図10に示すような基準電位V0より大きな信号成分が現れる。この際、単に圧電センサ12を窓枠2に配設した構成であれば、挟み込みの際の圧電センサ12の変形はわずかであるが、本実施例の場合は図2のように支持手段13が圧電センサ12よりも柔軟性を有した弾性体14からなり、挟み込みの際に支持手段13が容易に圧縮されるので、圧電センサ12の変形量が増大する。そして、挟み込みの際に中空部16も押しつぶされるので圧電センサ12の変形量がさらに増大する。このように圧電センサ12は大きな変形量が得られ、変形量の2次微分値である加速度も大きくなり、結果として圧電センサ12の出力信号も大きくなる。判定部31はVのV0からの振幅|V−V0|がD0より大ならば物体が接触したと判定し、時刻t2で判定出力としてLo→Hi→Loのバルス信号を出力する。制御部39はこのパルス信号があるとモータ8への+Vdの電圧印加を停止し、−Vdの電圧を時刻t3まで一定時間印加して窓ガラス3を一定量下降させ、挟み込みを解除する。尚、挟み込みを解除する際、圧電センサ12からは変形が復元する加速度に応じた信号(図8の基準電位V0より小さな信号成分)が出力される。
【0061】
挟み込みの際、VがV0より大となるか小となるかは、圧電センサ12の屈曲方向や分極方向、電極の割付け(どちらを基準電位とするか)、圧電センサ12の支持方向により変わるが、判定部31ではVのV0からの振幅の絶対値に基づき挟み込みを判定しているので、VのV0に対する大小によらず挟み込みを判定することができる。
【0062】
以上、物体検出装置による感圧センサ4への物体の接触を検出する際の動作について説明したが、本実施例では開閉部接触判定部38が窓ガラス3への物体の接触を検出する構成を有しており、制御部39は、位置検出部37により検出される窓ガラス3の上端位置Yが図1のY0以下ならば、判定部31による検出信号と、開閉部接触判定部38による検出信号との少なくとも一方の検出信号が入力されるとモータ8への+Vdの電圧印加を停止し、−Vdの電圧を一定時間印加して窓ガラス3を一定量下降させる。またYがY0より大ならば、制御部39は、判定部31による検出信号のみにより、モータ8への+Vdの電圧印加を停止し、−Vdの電圧を一定時間印加して窓ガラス3を一定量下降させる。YがY0より大の場合に制御部39が開閉部接触判定部38による検出信号を用いない理由は、YがY0より大の領域で開閉部接触判定部38による検出動作を行うと、窓ガラス3が全閉する時に|ΔVw|がVW1より大となって検出信号を出力してしまうためである。物体検出装置と開閉部接触判定部38の双方による物体検出の領域をなるべく広くするため、Y0は感圧センサ4の最下端部近傍位置に設定すればよい。具体的には、パワーウインドウ等での挟み込みに関する米国の法規制であるFMVSS118で要求される最低直径4mmまでの棒での挟み込みを検出することを考慮すると、Y0は感圧センサ4の最下端部から下側3mm〜5mm位置に設定することが好ましい。
【0063】
尚、上記で説明した物体検出装置及び開閉装置の動作は図8及び図9に示したように物体19が感圧センサ4に接触し、かつ、窓枠2と窓ガラス3に挟み込まれた場合の動作であるが、物体19が窓枠2と窓ガラス3に挟み込まれる前に感圧センサ4に接触した場合でも判定部31は|V−V0|がD0より大ならば物体が接触したと判定し、制御部39がモータ8への+Vdの電圧印加を停止し、−Vdの電圧を一定時間印加して窓ガラス3を一定量下降させる。また、物体19が窓枠2と窓ガラス3に挟み込まれる前に窓ガラス3に接触した場合でも、開閉部接触判定部38は|ΔVw|がVW1より大ならば、窓ガラス3に物体が接触したと判定する。制御部39がモータ8への+Vdの電圧印加を停止し、−Vdの電圧を一定時間印加して窓ガラス3を一定量下降させる。
【0064】
次に、異常判定部32での断線判定の手順を以下に示す。図7において、断線検出用抵抗体24、分圧用抵抗体29の抵抗値をそれぞれR1、R2、P点の電圧をVp、電源42の電圧をVsとする。R1、R2は通常数メガ〜数十メガオームの抵抗値が用いられる。VpはVsに対するR1と複合圧電体層22の抵抗値との並列抵抗値と、R2との分圧値として求められるが、複合圧電体層22の抵抗値は通常数百メガオーム以上であるので前記並列抵抗値にはほとんど寄与しない。従って、VpはVsに対するR1とR2との分圧値V12とみなしてよい。圧電センサ12の中心電極20、外側電極21が正常の場合、VpはV12となる。圧電センサ12の中心電極20と外側電極21の少なくとも一方が断線すると、等価的には図7中のPa点またはPb点がオープンとなるので、VpはVsとなる。中心電極20と外側電極21がショートすると等価的にはPa点とPb点がショートすることになるので、Vpはグランド電位に等しくなる。このようなVpの変化に基づき、異常判定部32はVpの値を検出して中心電極20と外側電極21の断線、ショートによる異常を判定する。異常判定部32で異常が判定されると、判定部31が判定信号JをHiで継続する。
【0065】
図11は以上で述べた開閉装置の動作手順を表すフローチャートである。先ず、感圧センサ4が正常で、感圧センサ4又は窓ガラス3への物体の接触がない場合の動作手順を以下に示す。ステップST1では、制御部39により判定部31の判定信号JがHiで継続されているか否かが判定され、感圧センサ4が正常な場合、ステップST2に進み、制御部39により開閉スイッチ41のオートアップスイッチがオンされているか否かが判定される。オートアップスイッチがオンされていない場合はステップST1に戻る。オートアップスイッチがオンされると、ステップST3で制御部39によりモータ8への印加電圧VmをVdとし、窓ガラス3を閉動作させる。次に、ステップST4で判定部31により|V−V0|がD0より大か否かが判定され、感圧センサ4又は窓ガラス3への物体の接触がない場合は、|V−V0|がD0以下となるのでステップST5に進む。ステップST5では制御部39により、位置検出部37が検出した窓ガラス3の上端位置Yが図1に示す所定の位置Y0より大か否かが判定される。YがY0より大ならばステップST6に進み、YがY0以下ならばステップST9に進む。ステップST6では、開閉部接触判定部38により|ΔVw|が予め設定した設定値VW0より大か否かが判定される。|ΔVw|がVW0より大ならば、窓ガラス3が全閉したと判定してステップST7に進みVmをゼロとしてモータ8を停止し窓ガラス3の閉動作を終了する。ステップST6で|ΔVw|がVW0以下ならばステップST4に戻り、窓ガラス3の閉動作を継続する。ステップST5からステップST9へ進む場合、窓ガラス3への物体の接触がない場合は開閉部接触判定部38により|ΔVw|はVW1以下と判定され、ステップST4に戻り、窓ガラス3の閉動作を継続する。
【0066】
次に、感圧センサ4の中心電極20と外側電極21の少なくとも一方が断線したり、ショートして異常が生じた場合の動作手順を以下に説明する。感圧センサ4に異常が発生し、異常判定部32で異常判定がなされると、判定部31は判定信号JをHiで継続するので、ステップST1からステップST8に進み、制御部39により報知手段40を点滅させて、感圧センサ4に異常が発生したことを第3者に報知し、ステップST2以下の手順に進む。この場合、後述するように、感圧センサ4が異常でも、ステップST9で開閉部接触判定部38により窓ガラス3への物体の接触の有無が検出されるので、窓枠2と窓ガラス3との間に物体が挟み込まれても、ステップST9〜ステップST13で、開閉部接触判定部38により物体の接触が検出され、制御部39によりモータ8への+Vdの電圧印加を停止し、−Vdの電圧を一定時間印加して窓ガラス3を一定量下降させて物体の挟み込みを解除できる。
【0067】
次に、感圧センサ4が正常で、感圧センサ4又は窓ガラス3への物体の接触が発生する場合の動作手順を以下に示す。感圧センサ4が正常なので、ステップST1からステップST2へ進み、オートアップスイッチがオンされるとステップST3へ進んで制御部39によりモータ8への印加電圧VmをVdとし、窓ガラス3を閉動作させる。次に、ステップST4で感圧センサ4への物体の接触が発生すると、|V−V0|がD0より大となるので、ステップST10で判定部31は判定出力としてLo→Hi→Loのバルス信号を出力する。そして、ステップST11〜ステップST13で制御部39がモータ8への+Vdの電圧印加を停止し、−Vdの電圧を一定時間印加して窓ガラス3を一定量下降させるとともに、報知手段40を一定時間点滅させて、物体の接触が発生したことを第3者に報知する。
【0068】
ステップST4で感圧センサ4への物体の接触がない場合は、ステップST5で位置検出部37により窓ガラス3の上端位置YがY0より大か否かが判定され、YがY0より大ならばステップST6に進み窓ガラス3の閉動作を継続する。ステップST5でYがY0以下ならばステップST9で開閉部接触判定部38による検出動作が行われ、窓ガラス3への物体の接触が発生すると、|ΔVw|がVW1より大となるので、ステップST10で開閉部接触判定部38は判定出力としてLo→Hi→Loのバルス信号を出力する。そして、ステップST11〜ステップST13で制御部39がモータ8への+Vdの電圧印加を停止し、−Vdの電圧を一定時間印加して窓ガラス3を一定量下降させるとともに、報知手段40を一定時間点滅させて、物体の接触が発生したことを第3者に報知する。ステップST9で|ΔVw|がVW1以下ならば窓ガラス3への物体の接触がないのでステップST4に進み、窓ガラス4の閉動作を継続する。尚、窓ガラス3へ物体が接触した場合よりも窓ガラス3が全閉した場合の方が窓ガラス3の移動速度の変化が大きいので、VW0はVW1以上の大きな値として設定される。
【0069】
窓枠2にサイドバイザを装着した場合は、物体がサイドバイザと窓ガラス3との間に挟み込まれると感圧センサ4に物体が接触しない場合があるが、本実施例では開閉部接触判定部38により窓ガラス3への物体の接触を検出して挟み込みを解除することができる。
【0070】
また、感圧センサ4に異常が発生した場合、制御部39が開閉スイッチ41のオートアップスイッチによる動作を不許可としてもよく、これにより、窓ガラス3を閉動作する場合は開閉スイッチ41のマニュアルスイッチによる閉動作のみとなる。
【0071】
また、一般に圧電材は圧電効果と焦電効果を併せ持つことが多いが、本実施例では環境温度が変化して焦電効果により圧電センサ13に電荷が発生しても放電部を兼用した断線検出用抵抗体24により前記電荷を放電し、環境温度の変化があっても濾波部30に入力される信号に不要なノイズがない。尚、本実施例では放電部を断線検出用抵抗体24と兼用したが、放電部を判定手段5内の圧電センサ12からの信号ラインとグランドラインとの間に接続してもよい。
【0072】
また、高周波の強電界が存在する環境では、感圧センサ4が一種のアンテナとなり、判定手段5に高周波信号が入力されて誤判定が生じる場合があるが、本実施例では高周波信号が信号入力部33から侵入しても、バイパス部35により高周波信号を信号出力部34へバイパスして判定手段5の外部へと逃がすため、濾波部30に入力される信号に不要なノイズがない。さらに、信号入力部33と信号出力部34とを隣接して高周波信号のバイパス経路を短くしているので、高周波信号がバイパスし易い。
【0073】
上記作用により、実施例1の感圧センサによれば、開口部と開閉部との間へ物体が侵入し、前記物体が感圧センサに接触すると、支持手段は感圧手段よりも柔軟性を有しているので、前記感圧手段の変形を妨げないように前記支持手段が前記感圧手段と共に容易に変形し、この変形に応じて前記感圧手段から出力信号が出力される。このため、外部評価装置により物体が感圧センサに接触したことを検出する際に、検出に十分な大きさの出力信号を発生する感圧センサを提供することができる。
【0074】
また、変形増大部により感圧手段の変形が増大するので感圧手段の感度を向上することができる。
【0075】
また、物体の押圧により中空部が変形して感圧手段の変形量を増大することが可能なので、感圧手段の感度をさらに向上することができる。
【0076】
また、感圧手段が支持される開口部もしくは開閉部から前記感圧手段へ伝播される不要な振動を振動減衰部が減衰し、前記感圧手段に不要な振動が印加されるのを防ぐので、外部評価装置により物体が感圧センサに接触したことを検出する際に、誤検出を生じさせるような出力信号が感圧手段から出力しない。
【0077】
また、振動減衰部が変形増大部を兼用するので部品の合理化が図れる。
【0078】
また、感圧手段が開閉部との最短距離が3mm〜5mmの範囲となるよう開口部に配設されているので、外部評価装置でパワーウインドウ等での挟み込みに関する米国の法規制であるFMVSS118で要求される最低直径4mmまでの棒での挟み込みを検出することができる。
【0079】
また、断線検出用の抵抗体により圧電センサの電極の断線を検出できるので、信頼性が向上する。
【0080】
また、圧電センサの複合圧電材が非晶質塩素化ポリエチレンの有する可撓性と結晶性塩素化ポリエチレンの有する高温耐久性とを併せ持つので、圧電体としてポリフッ化ビニリデンを用いた従来の圧電センサのような高温での感度低下がなく、高温耐久性がよい上、成形時に加硫工程が不要なので生産効率がよい。
【0081】
また本発明の物体検出装置は、物体が感圧センサに接触すると、支持手段は前記感圧手段よりも柔軟性を有しているので、前記感圧手段が容易に変形し、判定手段により物体の接触を検出するのに十分な出力信号が前記感圧センサから出力される。これにより、物体の接触を早期に、かつ、確実に判定する物体検出装置を提供することができる。
【0082】
また、感圧センサへの物体の接触を検出して第3者に報知するので安全性が向上する。
【0083】
また、感圧センサを判定手段に直接接続しているので、コネクタ等の接続部が不要となり接点不良等の故障がなく信頼性が向上する上、部品の合理化が図れる。
【0084】
また請求項14の発明は、濾波部が物体の押圧により感圧センサが変形する際に生じる感圧センサの出力信号に特有な周波数成分のみを抽出し、開口部もしくは開閉部から前記感圧手段へ伝播される不要な振動により感圧センサから出力される信号を除去するので、感圧センサへの物体の接触を判定する際に誤判定が生じない。
【0085】
また、環境温度が変化して焦電効果により前記圧電センサに電荷が発生しても前記放電部により前記電荷を放電するので、環境温度の変化があっても物体の接触を判定する際に誤判定が生じない。
【0086】
また、感圧センサ及び判定手段に高周波の強電界が印加されて高周波信号が信号入力部から侵入しても、バイパス部により高周波信号を信号出力部へバイパスして判定手段の外部へと逃がすため、高周波の強電界が印加されても誤判定が生じない。
【0087】
また、バイパス経路が短いため感圧センサ及び判定手段に高周波の強電界が印加されて高周波信号が前記信号入力部から侵入しても、高周波信号が前記信号出力部へバイパスし易くなり、高周波の強電界が印加されても誤判定が生じない。
【0088】
また本発明の開閉装置は、物体が感圧センサに接触すると、支持手段は感圧手段よりも柔軟性を有しているので、前記感圧手段が容易に変形し、判定手段により物体の接触を検出するのに十分な出力信号が前記感圧センサから出力される。これにより、物体の接触を早期に、かつ、確実に判定でき、物体の接触後、早期に前記開閉部の閉動作を停止したり又は前記開閉部を開動作することが可能となり、物体が挟み込まれた際に挟み込みを解除するまでに物体に印加される荷重を低減する開閉装置を提供することができる。
【0089】
また、物体検出装置と開閉部接触判定部のいずれか一方が挟み込みを判定すると開閉部を停止するか又は開動作するよう駆動手段を制御するので、挟み込みを解除する際の安全性が向上する。
【0090】
また、物体検出装置に異常が生じても開閉部接触判定部の出力信号に基づき前記駆動手段を制御するので、安全性が向上する。
【0091】
尚、感圧センサ4の他の実施例として、感圧センサ4を図12(a)〜(d)に示すような構成としてもよい。図12(a)〜(d)はいずれも感圧センサ4の断面構成図で、図12(a)は感圧センサ4の支持手段13が感圧手段12よりも柔軟性のある弾性体からなる第1の支持部13aと、第1の支持部13aよりも硬い弾性体からなる第2の支持部13bを有した構成としたものである。第2の支持部13bが第1の支持部13aよりも硬い弾性体からなるので、窓枠2に感圧センサ4を接着等により固定する際に固定面がしっかりしていて接着し易い。
【0092】
また、図12(b)は支持手段13の側壁部17を屈曲させた構成としたもので、側壁部17が屈曲しているので変形し易く、かつ、振動を減衰しやすい。
【0093】
また、図12(c)は感圧手段12を支持手段13に内蔵するのではなく感圧手段12の一部を外部に露出させて支持手段13で支持する構成としたもので、感圧手段12の一部を外部に露出させることにより物体が直接感圧手段12に接触するので、感圧センサ4の感度が向上する。
【0094】
また、図12(d)は支持手段13が自動車のウエザストリップ18の一部で構成されたもので、ウエザストリップ18が支持手段13を兼用しているので部品の合理化が図れる。
【0095】
また、以上の実施例では感圧センサ4を窓枠2に配設した構成であるが、感圧センサ4を窓ガラス3に配設しても良い。図13は感圧センサ4を窓ガラス3の上端部に配設した場合の断面構成図である。この構成によれば、窓ガラス3の閉動作時に窓ガラス3の上端部に物体が接触すると、感圧センサ4により物体の接触を検出して窓ガラス3の閉動作を停止し窓ガラス3を開動作するので、未然に挟み込みを防止することができる。
【0096】
また、図14に示すように、窓枠2にサイドバイザ43が装着されている場合は、感圧センサ44をサイドバイザ43の先端部に配設した構成としてもよい。この構成により、図14に示すように、例えば物体19がS1の状態からサイドバイザ43と窓ガラス3との間に挟み込まれた場合、感圧センサ4のみでは物体19がS2の状態に到達しないと挟み込みを検出することができないが、感圧センサ44を用いることによりにより、物体19がS1の状態で挟み込みを検出することができるので、早期に挟み込みを検出して挟み込みを解除することができる。
【0097】
尚、実施例1では判定手段5の判定結果を車室内のフロントパネルに設置された所定のライト等からなる報知手段40に表示する構成であったが、例えば、報知手段40を自動車のクラクションとしたり、報知手段40に通信機能をもたせて判定手段5の判定結果を無線や携帯電話回線等を介して外部の通信端末で報知したりする構成としてもよい。
【0098】
(実施例2)
実施例2の発明を図15を参照して説明する。本実施例では判定手段5が圧電センサ12の出力信号の単位時間当たりの積分値を演算し、前記積分値に基づき物体の接触を判定する構成を有している。図15は上記構成における圧電センサ12の出力を濾波部30で濾波した後の濾波部30からの出力信号V、積分値Sv、判定手段5の判定出力J、モータ8への印加電圧Vmを示す特性図である。図15中、縦軸は上から順に、V、Sv、J、Vm、横軸は時刻tである。時刻t4に開閉スイッチ41のオートアップスイッチをオンすると、制御部39がモータ8に+Vdの電圧を印加して窓ガラス3を閉動作させる。感圧センサ4へ物体が接触すると圧電センサ12は物体の押圧により変形し、変形に応じた出力信号Vが発生する。この際、物体が柔らかかったり、環境温度が低温で窓ガラス3の閉動作の速度が遅いと、圧電センサ12がゆっくりと変形し、図15に示すようにVは図10に比べて信号レベルが小さくなる。そこで、判定部31では図15に示すようにVの単位時間当たりの、積分値Svを演算し、時刻t5でSvが予め設定された設定値S0より大となると判定出力としてLo→Hi→Loのバルス信号を出力する。制御部39ではこのパルス信号があるとモータ8への+Vdの電圧印加を停止し、−Vdの電圧を時刻t6まで一定時間印加して窓ガラス3を一定量下降させ、挟み込みを解除する。
【0099】
上記作用により、物体による感圧センサへの押圧の速度が遅く、前記感圧センサの出力信号の信号レベルが小さくても、前記判定手段が前記感圧センサの出力信号の積分値に基づき物体の接触を判定するので、柔軟な物体が感圧センサに接触しても物体の接触を確実に判定できる。
【0100】
(実施例3)
実施例3の発明を図16を参照して説明する。本実施例は、ドア又はボディに設けられドアの開閉を検出するドア開閉検出部を有し、前記ドア開閉検出部でドアの開閉が検出されると異常判定部32が窓枠2の振動に対応した感圧センサ4の出力信号に基づき感圧センサ4の異常を判定する構成を備えたものである。図16は上記構成におけるドア開閉検出部の出力信号Sdと、濾波部30からの出力信号Vとの関係を示す特性図である。図16中、縦軸は上から順にSd、V、横軸は時刻tである。図16より、時刻t7でドアが開けられるとSdはLoからHiとなり、ドアが開けられた際の車体振動が窓枠2から感圧センサ4に伝播して感圧センサ4から車体振動による出力が生じ、Vには図16に示すような出力が現れる。また、時刻t8でドアが閉じられるとSdはHiからLoとなり、ドアが閉じられた際の車体振動が感圧センサ4に伝播して感圧センサ4から車体振動による出力が生じ、Vには図16に示すような出力が現れる。異常判定部32は、ドア開閉検出部の出力信号がLoからHi又はHiからLoへと変化する度に、その際の出力Vの振幅|V|が予め設定された設定値D1より大ならば異常判定部32は異常がないと判定し、VがD1以下ならば感圧センサ4の感度が低下したとして異常ありとの判定を行う。異常判定部32で異常判定がなされた場合は、実施例1と同様に判定部31の判定信号JをHiで継続し、開閉部接触判定部38のみでの物体の接触判定を行う。
【0101】
上記作用により、異常判定部により感圧センサの異常を判定するので、装置の信頼性が向上する。
【0102】
(実施例4)
実施例4の発明を図17を参照して説明する。本実施例では制御手段7が、窓ガラス3を閉動作させる際、窓ガラス3を一旦開方向へ所定距離もしくは所定時間開動作させた後に閉動作させるよう駆動手段6を制御する構成を有したものである。図17は上記構成における駆動手段6への印加電圧Vmを示す特性図である。図中、縦軸はVm、横軸は時刻tである。図17より、窓ガラス3を閉動作する際に、時刻t9でオートアップスイッチをオンすると制御部39はモータ8への印加電圧Vmを時刻t10まで−Vdとして窓ガラス3を開方向へ微小距離だけ移動させ、時刻t10以降は時刻t11で完全閉止するまでVmを+Vdとして窓ガラス3を閉動作させる。時刻t9からt10までの時間の設定は開閉部3の重量やモータ8の能力等により最適化すればよいが、最低数百ミリ秒程度でもよい。
【0103】
上記作用により、窓ガラス3を閉動作させる前に既に物体が窓枠2と窓ガラス3との間に挟み込まれた状態になっていて、感圧センサ4が変形できない状態になっていても、窓ガラス3を閉動作させる際に窓ガラス3が一旦開方向へ所定距離もしくは所定時間開動作させた後に閉動作させることにより、感圧センサ4の変形が一旦復元し、その後、再び窓ガラス3の閉動作により感圧センサ4が物体の押圧を受けて変形するので、感圧センサ4から押圧に応じた出力信号が出力されて物体の接触が判定され、窓枠2と窓ガラス3との間への物体の不要な挟み込みを防止することができる。
【0104】
(実施例5)
実施例5の発明を図18〜図22を参照して説明する。
【0105】
図18は実施例5の発明の物体検出装置及び開閉装置の外観図で、自動車の電動スライドドアに適用した場合を示している。図19は図18のB−B´位置における断面構成図である。図18及び図19より、45はスライドドア、46はスライドドアのドアパネル、47は凹凸部、48はスライドドア45の鉛直端部、49は鉛直端部48の屈曲部、50は感圧センサ、51はドアロック部、52はスライドドア45の開閉検出用電極、53はスライドドア45が開口して乗員が出入りするためのボディ開口部である。54は圧電センサ、55は圧電センサ54を支持する支持手段、56は感圧センサ50をスライドドア45に固定するための固定部、57はスライドドア45が閉止した際にボディ開口部53とスライドドア45との間をシールするシール部である。
【0106】
感圧センサ50はスライドドア45のボディ開口部53側に配設され、鉛直端部48の車室内側に隣接して設けられた断部に配設される構成が好ましい。尚、このような段部はスライドドア45にダウンストッパを配設するために通常設けられているもので、例えば、特開昭62−137716号公報にもこのような段部を有するスライドドアが開示されている。図19に示すように感圧センサ50はスライドドア45が完全に閉止した際にボディ開口部53と接触しないようボディ開口部53との間に所定の距離yをおいて固定部56に固定されている。子供の指等の挟み込みを考慮すると距離yは3mm〜5mmとすることが好ましい。また、感圧センサ50は、スライドドア45への物体の接触を検出し易いように、感圧センサ50の一部が鉛直端部48よりもボディ開口部53側に迫り出るように配設されている。尚、感圧センサ50を鉛直端部48に配設する構成としてもよい。制御手段7はスライドドア45内に設置されている。スライドドア45の鉛直端部48近傍での物体の接触をより広範囲にわたって検出するため、例えば、実公昭38−2015号公報に開示されているように、制御手段7へ判定信号を出力する判定手段5は感圧センサ50の最下部に配設される。そして、判定手段5はスライドドア45の鉛直端部48の最下部近傍に固定される。また、特開平8−232525号公報や特開平9−96146号公報に開示されているように、スライドドア45内にモータやモータの制御ユニット等を配設する場合は、スライドドア45の窓ガラスを避けて窓ガラスの下端部よりも下側に配設するのが一般的である。従って、本実施例でも制御手段7はスライドドア45の窓ガラスの下端部よりも下側に配設され、必然的に、判定手段5からの判定信号は窓ガラスの下端部よりも下側、好ましくは判定手段5の近傍に設けられた貫通孔からケーブル26を介して制御手段7へ伝送される。尚、このような貫通孔は、例えば開閉検出用電極52をスライドドア45に配設する時のように、スライドドア45の外部から内部へと信号を伝送する際に設けられるもので、ごく一般的なものである。スライドドア45の駆動手段については電動モータ等による一般に普及している構成を用いればよい。
【0107】
図20は感圧センサ50の構成図である。図20より、感圧センサ50は、感圧手段としての圧電センサ54と支持手段55とからなる。圧電センサ54は、中心電極20及び外側電極21、圧電材としての複合圧電体層22を同心円状に積層して成形したもので、同軸ケーブル状で可撓性を有している。支持手段55は圧電センサ54を内蔵し、圧電センサ54よりも柔軟性のある弾性体14と、中空部58、固定部56への固定用の溝部59を有している。実施例1の圧電センサ12は最外層に被覆層23を有していたが、本実施例の圧電センサ54は被覆層を支持手段55が兼用した構成となっており、部品の合理化を行っている。
【0108】
次に作用について説明する。本実施例でも実施例1と同様な手順で感圧センサ50への物体の接触を検出でき、また、物体の不要な挟み込みを防止したり、物体が挟み込まれた際には挟み込みを解除するまでに物体に印加される荷重を低減する開閉装置を提供することができる。
【0109】
また、図18に示したように、本実施例ではスライドドア45とボディ開口部53との間への物体の挟み込みを防止するために、可撓性の圧電センサ54を有した感圧センサ50をスライドドア45の形状に沿って屈曲可能に配設している。この構成により、ドアパネル46に剛性の強化やデザイン面から凹凸部47を設け、鉛直端部48に屈曲部49があっても、従来の接点型の感圧スイッチのように屈曲部49で感圧スイッチが接触して誤検出が生じてしまうといったことがない。従って、ドアパネル46の剛性の強化やデザイン面での自由度が向上する。
【0110】
また、従来の接点型の感圧スイッチは屈曲できないのでスライドドア45に配設する場合は、感圧スイッチと鉛直端部48との間に隙間が生じてしまい、この隙間とボディ開口部53との間に物体が挟みこまれると、物体が感圧スイッチに接触しないため挟み込みを検出できないといった課題があったが、本実施例によれば鉛直端部48と感圧センサ50との間の隙間を小さくできるので、スライドドア45とボディ開口部53との間に物体が挟み込まれた際に物体が確実に感圧センサ50と接触し、挟み込みを検出することができる。
【0111】
また、スライドドア45にドアロック部51や開閉検出用電極52等の付属部品が設置されていても、感圧センサ50を屈曲させてこれらの付属部品を避けて配設することができる。従って付属部品の設置位置にも制約が無い。
【0112】
上記作用により、実施例1と同様な効果がある上、開口部や開閉部のさまざまな端部形状に沿って可撓性の圧電センサからなる感圧センサを屈曲可能に支持できるので、開口部や開閉部のデザイン面での自由度が高まる上、強度面での工夫がし易くなる。また、前記端部と感圧センサとの間の隙間を小さくできるので、前記開口部と前記開閉部との間に物体が挟み込まれた際に前記物体が確実に前記感圧センサと接触し、挟み込みを検出できる。
【0113】
尚、感圧センサ50をスライドドア45に配設する構成の他の実施例として、感圧センサ50を図21及び図22に示すように配設してもよい。図21では感圧センサ50がスライドドア45の閉方向の鉛直端部48、上端部60及び下端部61に配設された構成を備えている。この構成により、スライドドア45の鉛直端部48とボディ開口部53(図18)との間への物体の挟み込みを検出できる上、さらに上端部60及び下端部61とボディ開口部53との間への物体の挟み込みも検出できるので、挟み込みの検出範囲が拡大する。尚、スライドドア45の角部62で感圧センサ50を屈曲しなければならないが、可撓性の圧電センサ54を使用しているので、屈曲しても従来の感圧スイッチのように誤検出することがない。
【0114】
図22では感圧センサ50がスライドドア45の端部全周に亘って配設されており、感圧センサ50の両端は判定手段5に接続された構成を備えている。この構成により、感圧センサ50がスライドドア45端部全周に亘って配設されているので、スライドドア45の端部全周とボディ開口部53(図18)との間への物体の挟み込みを検出でき、図18及び図21の構成に比べて挟み込みの検出範囲がさらに拡大する。
【0115】
尚、図22の構成において、感圧センサ50の両端が判定手段5に接続されているので、判定手段5で圧電センサ54の両端から信号を導出する構成とすれば、圧電センサ54の中心電極20又は外側電極21が途中で断線しても、圧電センサ54のいずれか一方の端部から検出信号を導出することができるので、冗長性が高まり、信頼性が向上する。さらに、外側電極21の一端をグランドに接続し、他端を抵抗体を介して電源に接続し、異常判定部32により抵抗体の外側電極21側の接点の電圧を検出する構成とすれば、外側電極21が正常ならば前記接点電圧はグランド電位であり、外側電極21が断線したならば前記接点電圧は電源電圧となるので、外側電極21の断線を検出することができ、さらに信頼性が向上する。
【0116】
(実施例6)
実施例6の発明を図23を参照して説明する。本実施例では本発明を自動車の電動サンルーフ63に適用したもので、電動サンルーフ63の窓ガラス64に感圧センサ65配設した構成を有している。この構成により、電動サンルーフ63での物体の不要な挟み込みを防止することができる。
【0117】
(実施例7)
実施例7の発明を図24を参照して説明する。本実施例では本発明を列車の自動ドア66に適用したもので、自動ドア66のドア67又はドア開口部68に感圧センサ69配設した構成を有している。この構成により、自動ドア66での物体の不要な挟み込みを防止することができる。
【0118】
実施例1〜実施例7では感圧手段としてケーブル状の可撓性の圧電センサを用いた構成であったが、帯状やシート状の可撓性の圧電センサを用いてもよい。また、圧電センサの代わりに電極間の静電容量を検出するタイブの感圧手段や、圧力により導電率の変化するタイプの感圧手段等、他の感圧手段を用いてもよい。
【0119】
【発明の効果】
上記実施例から明らかなように、請求項1の発明によれば、開口部と開閉部との間へ物体が侵入し、物体が感圧センサに接触すると、支持手段は感圧手段よりも柔軟性を有しているので、前記感圧手段の変形を妨げないように前記支持手段が前記感圧手段と共に容易に変形し、この変形に応じて前記感圧手段から出力信号が出力される。このため、外部評価装置により物体が感圧センサに接触したことを検出する際に、検出に十分な大きさの出力信号を発生する感圧センサを提供することができるといった効果がある。
【0120】
また請求項2の発明は、支持手段が感圧手段の変形を増大する変形増大部を有したもので、変形増大部により感圧手段の変形が増大するので感圧手段の感度を向上することができる。
【0121】
また請求項3の発明によれば、物体の押圧により支持手段の中空部が変形して感圧手段の変形量を増大することが可能なので、感圧手段の感度をさらに向上することができるといった効果がある。
【0122】
また請求項4の発明によれば、感圧手段が支持される開口部もしくは開閉部から前記感圧手段へ伝播される不要な振動を振動減衰部が減衰し、前記感圧手段に不要な振動が印加されるのを防ぐので、外部評価装置により物体が感圧センサに接触したことを検出する際に、誤検出を生じさせるような出力信号が感圧手段から出力しないといった効果がある。
【0123】
また請求項5の発明によれば、振動減衰部が変形増大部を兼用するので部品の合理化が図れるといった効果がある。
【0124】
また請求項6の発明によれば、ウエザストリップが支持手段を兼用しているので部品の合理化が図れるといった効果がある。
【0125】
また請求項7の発明によれば、開閉部との最短距離が3mm〜5mmの範囲となるよう感圧手段が開口部に配設されており、外部評価装置でパワーウインドウ等での挟み込みに関する米国の法規制であるFMVSS118で要求される最低直径4mmまでの棒での挟み込みを検出することができるといった効果がある。
【0126】
また請求項8の発明によれば、断線検出用の抵抗体により圧電センサの電極の断線を検出できるので、信頼性が向上するといった効果がある。
【0127】
また請求項9の発明によれば、さまざまな端部形状に沿って感圧センサを屈曲可能に支持できるので、開口部や開閉部のデザイン面での自由度が高まる上、強度面での工夫がし易くなるといった効果がある。また、前記端部と前記感圧センサとの間の隙間を小さくできるので、前記開口部と前記開閉部との間に物体が挟み込まれた際に前記物体が確実に前記感圧センサと接触するといった効果がある。
【0128】
た、非晶質塩素化ポリエチレンの有する可撓性と結晶性塩素化ポリエチレンの有する高温耐久性とを併せ持つので、圧電体としてポリフッ化ビニリデンを用いた従来の圧電センサのような高温での感度低下がなく、高温耐久性がよい上、成形時に加硫工程が不要なので生産効率がよいといった効果がある。
【0129】
また請求項11の発明によれば、物体が前記感圧センサに接触すると、支持手段は感圧手段よりも柔軟性を有しているので、前記感圧手段が容易に変形し、判定手段により物体の接触を検出するのに十分な出力信号が前記感圧センサから出力される。これにより、物体の接触を早期に、かつ、確実に判定する物体検出装置を提供することができるといった効果がある。
【0130】
また請求項12の発明によれば、感圧センサへの物体の接触を検出して第3者に報知するので安全性が向上するといった効果がある。
【0131】
また請求項13の発明によれば、感圧センサを判定手段に直接接続しているので、コネクタ等の接続部が不要となり接点不良等の故障がなく信頼性が向上する上、部品の合理化が図れるといった効果がある。
【0132】
また請求項14の発明によれば、濾波部が物体の押圧により感圧センサが変形する際に生じる感圧センサの出力信号に特有な周波数成分のみを抽出し、開口部もしくは開閉部から前記感圧手段へ伝播される不要な振動により感圧センサから出力される信号を除去するので、感圧センサへの物体の接触を判定する際に誤判定が生じないといった効果がある。
【0133】
また請求項15の発明によれば、環境温度が変化して焦電効果により前記圧電センサに電荷が発生しても前記放電部により前記電荷を放電するので、環境温度の変化があっても物体の接触を判定する際に誤判定が生じないといった効果がある。
【0134】
また請求項16の発明によれば、物体による感圧センサへの押圧の速度が遅く、前記感圧センサの出力信号の信号レベルが小さくても、判定手段が前記感圧センサの出力信号の積分値に基づき物体の接触を判定するので、柔軟な物体が感圧センサに接触しても物体の接触を確実に判定できるといった効果がある。
【0135】
また請求項17の発明によれば、異常判定部が開口部又は開閉部の振動に対応した感圧センサの出力信号に基づき前記感圧センサの異常を判定するので、装置の信頼性が向上する。
【0136】
また請求項18の発明によれば、感圧センサ及び判定手段に高周波の強電界が印加されて高周波信号が信号入力部から侵入しても、バイパス部により高周波信号を信号出力部へバイパスして判定手段の外部へと逃がすため、高周波の強電界が印加されても誤判定が生じないといった効果がある。
【0137】
また請求項19の発明によれば、バイパス経路が短いため感圧センサ及び判定手段に高周波の強電界が印加されて高周波信号が前記信号入力部から侵入しても、高周波信号が前記信号出力部へバイパスし易くなり、高周波の強電界が印加されても誤判定が生じないといった効果がある。
【0138】
また請求項20の発明によれば、物体が感圧センサに接触すると、支持手段は感圧手段よりも柔軟性を有しているので、前記感圧手段が容易に変形し、判定手段により物体の接触を検出するのに十分な出力信号が前記感圧センサから出力される。これにより、物体の接触を早期に、かつ、確実に判定でき、物体の接触後、早期に前記開閉部の閉動作を停止したり又は前記開閉部を開動作することが可能となり、物体が挟み込まれた際に挟み込みを解除するまでに物体に印加される荷重を低減する開閉装置を提供することができるといった効果がある。
【0139】
また請求項21の発明によれば、物体検出装置と開閉部接触判定部のいずれか一方が挟み込みを判定すると開閉部を停止するか又は開動作するよう駆動手段を制御するので、挟み込みを解除する際の安全性が向上するといった効果がある。
【0140】
また請求項22の発明によれば、物体検出装置に異常が生じても開閉部接触判定部の出力信号に基づき前記駆動手段を制御するので、安全性が向上するといった効果がある。
【0141】
また請求項23の発明によれば、開閉部を閉動作させる前に既に物体による押圧が感圧センサに印加されていて前記感圧センサが変形できない状態になっていても、前記開閉部を閉動作させる際に前記開閉部が一旦開方向へ所定距離もしくは所定時間開動作させた後に閉動作させることにより、前記感圧センサの変形が一旦復元し、その後、再び前記開閉部の閉動作により前記感圧センサが物体の押圧を受けて変形するので、前記感圧センサから押圧に応じた出力信号が出力されて物体の接触が判定され、前記開口部と前記開閉部との間への前記物体の不要な挟み込みを防止することができるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物体検出装置及び開閉装置の外観図
【図2】図1のA−A´位置における断面構成図
【図3】(a)同装置の感圧センサを車室内側から見た外観図
(b)同装置の感圧センサを車室外側から見た外観図
【図4】同装置の圧電センサの断面構成図
【図5】同装置の圧電センサの外観図
【図6】同装置の感圧センサと判定手段との位置関係を示す構成図
【図7】同装置のブロック図
【図8】物体が挟み込まれた際の図1のA−A´位置における断面構成図
【図9】物体の端部近傍が挟み込まれた際の図1のA−A´位置における断面構成図
【図10】同装置の濾波部からの出力信号V、挟み込み判定部の判定出力J、モータへの印加電圧Vmを示す特性図
【図11】同装置の動作手順を表すフローチャート
【図12】(a)同装置の感圧センサの他の実施例において支持手段の柔軟性を部分的に異なるようにした構成における断面構成図
(b)同装置の感圧センサの他の実施例において支持手段の側壁部を屈曲させた構成における断面構成図
(c)同装置の感圧センサの他の実施例において圧電センサの一部を外部に露出した構成における断面構成図
(d)同装置の感圧センサの他の実施例において支持手段がウエザストリップ18の一部からなる構成における断面構成図
【図13】感圧センサを窓ガラスの上端部に配設に示した場合の断面構成図
【図14】感圧センサをサイドバイザの先端部に配設した場合の断面構成図
【図15】本発明の実施例2の開閉装置の濾波部からの出力信号V、積分値S、判定手段の判定出力J、モータへの印加電圧Vmを示す特性図
【図16】本発明の実施例3の開閉装置のドア開閉検出部の出力信号Vdと、濾波部30からの出力信号Vとの関係を示す特性図
【図17】本発明の実施例4の開閉装置の駆動手段への印加電圧Vmを示す特性図
【図18】本発明の実施例5の物体検出装置及び開閉装置の外観図
【図19】図18のB−B´位置における断面構成図
【図20】同装置の感圧センサの構成図
【図21】同装置の感圧センサをスライドドアに配設する他の実施例において、感圧センサをスライドドアの閉方向の鉛直端部、上端部及び下端部に配設する構成の外観図
【図22】同装置の感圧センサをスライドドアに配設する他の実施例において、感圧センサをスライドドアの端部全周に亘って配設する構成の外観図
【図23】本発明の実施例6の電動サンルーフ付自転車の斜視図
【図24】本発明の実施例7の自動ドア付列車の構成図
【符号の説明】
2 窓枠(開口部)
3 窓ガラス(開閉部)
4 感圧センサ
5 判定手段
6 駆動手段
7 制御手段
12 圧電センサ(感圧手段)
13 支持手段
15 変形増大部
16 中空部
17 側壁部(振動減衰部)
20 中心電極(信号導出用電極)
21 外側電極(信号導出用電極)
22 複合圧電層(複合圧電材)
24 断線検出用抵抗体(放電部)
30 濾波部
32 異常判定部
33 信号入力部
34 信号出力部
35 バイパス部
38 開閉部接触判定部
39 制御部
40 報知手段
44 感圧センサ
45 スライドドア(開閉部)
50 感圧センサ
53 ボディ開口部(開口部)
54 圧電センサ
55 支持手段
64 窓ガラス(開閉部)
65 感圧センサ
67 ドア(開閉部)
68 ドア開口部(開口部)
69 感圧センサ
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