JP2000346719A - 圧電センサならびに挟み込み防止装置 - Google Patents
圧電センサならびに挟み込み防止装置Info
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Abstract
サを用いて開閉部への物体の挟み込みを検出する挟み込
み防止装置は、圧電センサの出力が小さいという課題が
あった。 【解決手段】 圧電センサ8の接触部位11を薄くした
り、局部的に薄い部位34を形成したり、孔37を有し
たり、アコーデオン形状としたり、中空状とすること
で、物体9の接触によって生じる変形部位の曲率半径R
11、R12、R21、R22、R31、R32、R4
1、R42、R51、R52を小さくし、変位を大きく
して、出力を大きくすることができる効果がある。
Description
力を発生する圧電センサおよび圧電センサを用いて窓や
扉やシャッターといった開閉部への物体の挟み込みを検
知して防止する挟み込み防止装置に関するものである。
込み防止装置は、特開平10−76843号公報、特開
平10−132669号公報に記載のように、ケーブル
状あるいはフィルム状の圧電センサを窓や窓枠に配設し
て、圧電センサからの出力発生により物体の挟み込みを
検出するものがあった。圧電センサは加えられた応力
(ひずみ)に比例した電荷を発生するので、それを分極
電流として取り出すことにより、物体の挟み込みによる
接触を検知することができる。
圧電センサならびに挟み込み防止装置では以下のような
課題を有していた。
いものであり、出力端に抵抗Rを並列に接続すれば、カ
ットオフ周波数fc(=1/(2πCR))なるハイパ
スフィルターになる。一方、物体の接触による出力信号
は、一般的には数十Hz以下の低周波信号であるため、
ハイパスフィルターで処理してしまうと出力レベルが大
幅にダウンしてしまうおそれがある。よって抵抗Rをで
きるだけ大きくしてカットオフ周波数fcを下げる必要
があるが、1MΩ以上の高抵抗になると高価である上、
ノイズ対策等取り扱いが難しくなる。このため、そこそ
こ実用的な高抵抗を採用しなければならず、出力レベル
を多少犠牲にする場合も起こりうる。また圧電センサ
は、圧電材料や形状にもよるが、出力インピーダンスが
非常に高い上、もともと出力電圧が小さいという傾向も
ある。よって、FETなどのインピーダンス変換回路で
受けたあと、増幅回路で大幅にゲインを上げるなどの処
理をしなければならない。
挟み込み防止装置は出力が小さいという課題を有してい
た。
び挟み込み防止装置は、上記課題を解決するために、物
体の接触によって生じる圧電センサの変形部位の曲率半
径を小さくしたものである。
小さいと同一荷重に対する変位は大きくなり、ひずみが
増え、発生電荷が増え、分極電流が増加して、出力が大
きくなる。
ンサは、物体の接触によって生じる変形部位の曲率半径
を小さくしたものである。
荷重に対する変位は大きくなり(即ち変形しやすくな
り)、ひずみが増え、発生電荷が増え、分極電流が増加
して、出力が大きくなる。
少なくとも接触部位を薄くして変形部位の曲率半径を小
さくしたものである。
容易に変形部位の曲率半径が小さくなり、出力が大きく
なる。
局部的に薄い部位を有することで変形部位の曲率半径を
小さくしたものである。
キャタピラ状に構成したものである。
容易に変形部位の曲率半径が小さくなり、出力が大きく
なる。
少なくとも1つの孔を有することで変形部位の曲率半径
を小さくしたものである。
格子状に構成したものである。
易に変形部位の曲率半径が小さくなり、出力が大きくな
る。
アコーデオン形状とすることで変形部位の曲率半径を小
さくしたものである。
く、容易に変形部位の曲率半径が小さくなり、出力が大
きくなる。
中空状とすることで変形部位の曲率半径を小さくしたも
のである。
変形部位の曲率半径が小さくなり、出力が大きくなる。
置は、移動部材と当接部材とで構成される開閉部に配設
された請求項1ないし8のいずれか1項に記載の圧電セ
ンサと、前記圧電センサの出力に基づき前記開閉部への
物体の挟み込みを検知し、前記開閉部の開閉動作を制御
する制御手段を備えたものである。
が変形しやすくなり、出力が大きくなるので、挟み込み
検知の精度を向上させることができる。
説明する。
み込み防止装置の外観図を示す。本実施例は開閉部とし
て例えば車両用のパワーウィンドウに応用した場合を示
している。図中、1は移動部材としての窓ガラス、2は
窓ガラス1を昇降するためのクランク、3はクランク2
を駆動する駆動手段で例えばパルス駆動の電動モータか
らなる。4は例えば駆動手段3に印加されるパルス信号
をカウントして窓ガラス1の開閉位置を検出する開閉位
置検出部である。5は例えばパルス信号を出力して駆動
手段3を制御する制御手段である。6は当接部材として
の窓枠で、窓ガラス1と窓枠6とで開閉部7を形成して
いる。8は圧電センサで、窓枠6に沿って配設されてお
り、窓ガラス1と窓枠6との間に物体を挟み込んだ時に
物体が圧電センサ8に接触すること、あるいは挟み込ん
だ振動が伝わることにより、挟み込みを検知するもので
ある。
る。図2は物体9が窓ガラス1と窓枠6に挟まれている
状態を示しており、緩衝材10を介して窓枠6に配設さ
れた圧電センサ8と物体9とが接触している。圧電セン
サ8は下端の中央部(物体9との接触部位11)の厚み
が他の部位よりも薄い形状である。
厚みによる変形の違いを示している。図3(a)は厚み
が厚い圧電センサ8を用いた場合で、変形部位の曲率半
径はR11、R12と表せる。図3(b)は厚みが薄い
本実施例の圧電センサ8を用いた場合で、変形部位の曲
率半径はR21、R22と表せる。同一の接触荷重12
を与えた場合、厚みが薄い方が撓みやすいので曲率半径
が小さくなり(R21<R11、R22<R12)、そ
れぞれの変位量をL1、L2とすると、L2>L1と大
きくなる。圧電センサ8は、変位が大きくなると、ひず
みが増え、発生する電荷が増え、分極電流が増加して、
出力が大きくなるものである。本実施例においては、圧
電センサ8の接触部位11の厚みを薄くすることで、物
体の接触によって生じる変形部位の曲率半径を小さく
し、変位を大きくして、出力を大きくしているのであ
る。
した要部断面構成図である。圧電センサ8は、ゴム弾性
体の有機基材に圧電セラミックとしてチタン酸ジルコン
酸鉛の焼結粉体を配合して分極処理した可撓性のある圧
電材13の両面に、導電ゴムから成る一対の電極14を
形成している。それらをゴム弾性体から成る絶縁体15
で覆い、さらにその周囲を導電ゴムから成るシールド1
6で覆っている。よって圧電センサ8は全体として可撓
性を有している。
ることが想定される部位(接触部位11)を薄くして曲
率半径を小さくすると同時に、接触荷重を受ける方向に
対して圧電材13の面が垂直になるように構成してい
る。この構成により、物体の接触が最も効率的に圧電材
13に伝達され、最大のひずみを生じさせることができ
る。
るにつれて圧電センサ8が厚くなっているが、これは圧
電材13の無い部位の変位を生じにくくするためであ
る。圧電材13の無い部分を厚くして撓みにくくするこ
とで、物体から受けた接触荷重の大部分を圧電材13の
変位に転換させることができる。
し、他の部材で端部を補強しながら保持するようにして
も良い。
の近傍だけでなく端まで伸ばした構成にしても良い。本
実施例のように圧電材13、電極14ともに可撓性があ
れば、湾曲させて配設することも可能である。またこの
場合、圧電材13自身の厚みを接触部位のみ薄くしてそ
れ以外の部位では厚くすることも考えられる。
構成図である。窓枠6の形状に沿わせて圧電センサ8を
成型して配設している。接触検出手段17は、圧電セン
サ8の端部に一体に構成され、圧電材13が発生する出
力を一対の電極14から取り出して物体の接触を判定す
るために回路処理している。リード線18は、接触検出
手段17と制御手段5の信号の授受を行なうものであ
る。
である。時間t0で窓ガラス1と窓枠6の間に物体(例
えば運転手の指)を挟み込んだとすると、圧電センサは
図6のような出力を発生する。
図である。圧電センサ8からの出力信号に基づいて物体
の接触を検出する接触検出手段17は、圧電センサ8か
らの出力信号のインピーダンスを変換するインピーダン
ス変換部19、インピーダンス変換部19からの出力信
号を濾波する第1の濾波部20と第2の濾波部21、前
記2つの濾波部からの出力信号に基づき物体の接触を判
定する接触判定部22を有している。なお接触検出手段
17は使用環境や設置場所等に応じて電気的ノイズから
信号処理回路を遮蔽するため、金属ケース等で全体を電
気的にシールドしてもよい。
には電極14間の断線・短絡検出用の抵抗体が接続され
ている。
図の一例を示したものである。図中、Psは圧電センサ
8、r1は断線検出用の抵抗体で、上述のように一対の
電極14の間(図中、p1とp2)に接続されている。
r1は他の抵抗r2を介して電源Vdと接続されてい
る。r3、r4は圧電センサ8からの信号導出用の抵
抗、Q1はインピーダンス変換用のFETである。
の動作、作用について説明する。
有り開閉部7が開口されている状態で、車両内に設置さ
れたパワーウィンドウの駆動スイッチを作動させ駆動手
段3が作動して窓ガラス1が閉じられようとする最中
に、人体の一部や鞄などのような物体が圧電センサ8に
接触する場合を想定する。物体の接触により図3(b)
のように接触荷重12が圧電センサ8に加わり、変位L
2が生じて圧電材13自身に歪が生じるので、圧電効果
により歪に応じ図6のような電圧が発生する。発生する
電圧レベルは接触時の変位の大きさと、圧電センサ8自
体の感度、すなわち圧電材13の圧電定数などにより変
化する。
触検出手段17のインピーダンス変換部19で低インピ
ーダンスに変換される。インピーダンス変換された信号
は第1の濾波部20と第2の濾波部21で濾波される。
図9に第1の濾波部20と第2の濾波部21の濾波特性
を示す。図中、縦軸はパワーPw、横軸は周波数fであ
る。同図において、物体の接触、特に人体の一部が接触
する場合には主に低周波のf1を中心とする出力信号が
圧電センサ8から出力される。そのため、第1の濾波部
20の濾波特性をf1としている。また、本実施例のよ
うに車両のパワーウィンドウへの適用の場合には、主に
エンジンや走行による振動等によるf2(>f1)を中
心とする車両自体の振動がノイズ成分として圧電センサ
8に重畳してくるため、第2の濾波部21ではこの成分
を捉えるため、濾波特性をf2としている。次に、接触
判定部22では上記2つの濾波部からの濾波信号に基づ
き物体の接触の判定を行う。
る。横軸は第2の濾波部21からの出力信号Vf2、縦
軸は第1の濾波部20からの出力信号Vf1である。同
図において、領域D1のようにVf1/Vf2の値が大
きい場合は物体が接触したと判定し、領域D2のように
Vf1/Vf2の値が小さい場合は接触なしと判定す
る。
ロー図である。ステップ23でパワーウィンドウのSW
がオンされると、ステップ24で駆動手段が作動し、ス
テップ25でVf1及びVf2が算出され、ステツプ2
6でVf1とVf2の比kが算出される。次にステップ
27でkが予め定められた設定値k0と比較され、k>
k0ならばステップ28で物体の接触ありと判定され、
ステップ29で駆動手段が停止される。またステップ2
7でk>k0でないならばステップ30で接触なしと判
定され、ステップ31で窓の閉め切りが検知されるまで
ステップ25以降の処理が継続される。窓の閉め切りの
検知は、例えば窓の閉め切りの際に駆動手段のモータに
印加される電流値がある一定値以上になることを検出し
て行う。ステップ29では駆動手段を逆転させて窓を下
降するようにしても良い。
は2つに限定するものではなく、挟み込みを検出するよ
う適用事例に応じて濾波部の特性や個数を最適化するこ
とも可能である。特に圧電センサ8の変形部位の曲率半
径を小さくすることにより、物体が接触する場合の出力
信号レベルが、車両の振動ノイズ等のレベルよりはるか
に大きくなる場合は濾波部が一つでも良いし、場合によ
っては濾波部を用いなくてもよい。また、kの値は車両
の振動特性等を考慮して事前に実験等により最適化すれ
ばよい。
極間に電圧を印加して出力VO1をモニタすることによ
り電極の断線を検出することができる。すなわち、図8
において正常時のVO1は、電源電圧Vdに対して、r
1、r2、r3の分圧値となる。圧電センサ8の電極が
断線した場合に等価的に点p1または点p2がオープン
となるとすれば、VO1はr2、r3の分圧値となる。
電極がショートすると等価的にはp1、p2がショート
することになるので、V1は0になる。このようにV1
の値に基づいて圧電センサ8の電極の断線やショートと
いった異常を検出することができ、信頼性を向上するこ
とができる。
に基づき物体の接触を検出した時点で開閉部の開閉動作
を停止することができる上、圧電センサは物体との接触
により生じる歪を電気的な信号に変換して出力するの
で、雨や洗車等により圧電センサが濡れても誤検出がな
く精度良く挟み込みを検知することができる。また圧電
センサは感圧スイッチのような接点がないので、接触不
良や短絡がなく耐久性のよい挟み込み防止装置を実現で
きる。
側即ち当接部材に配設すれば、開閉に際して移動しない
のでリード線の保持等が容易である。
材側に配設してもよい。この場合は挟み込み時に間違い
なく接触するため、検知ミスや検知遅れが起こりにくい
効果がある。また同様に、自動車の場合は窓枠よりも窓
の方が位置的に低く物体が挟み込まれる時には窓枠より
も窓ガラスに先に接触する場合が多いと考えられるの
で、窓ガラス側のみの接触で早めに検知することができ
て、挟み込まれる前に停止できる可能性が高く、より安
全性が高い。
ンサから出力される信号のうち物体の接触時に発生する
特定周波数成分のみを検出するので、例えば開閉部の開
閉動作による振動や外来振動など物体の接触以外の振動
による圧電センサの出力信号と物体の接触による出力信
号とを区別して物体の接触を検出することができ、検出
精度が向上する。
置信号が予め定められた設定範囲にある場合にのみ物体
が接触したかどうかの出力信号を有効とすれば、開閉位
置が上記設定範囲を越えて正常に開閉部が閉め切られて
いる場合には、圧電センサから信号が出て接触検出手段
が物体の接触有りと検出しても、その検出信号を無視し
て不要な開放を防止することができる。
センサの断線や短絡を検出するための抵抗体を備え、抵
抗体を介して電極間に電圧を印加してモニタすることに
より電極の断線や短絡を検出することができるので信頼
性を向上することができる。
したが、たとえば2本配設すれば以下のような効果が生
じる。
設し、他の一本を車両の振動の検知用に配設すれば、両
者の出力の差をとることで車両の振動による出力だけが
相殺できて挟み込みの検知精度が向上する。
配設し、両者ともに挟み込みの出力を発生した場合のみ
駆動手段の駆動を停止するようにすれば、挟み込み防止
の精度が向上する。たとえば全開の状態から窓ガラスが
上昇し始めた時に運転手の指が触れた程度では挟み込み
には至らないので本来停止させる必要は無い(停止して
しまうと再度スイッチを押さなければならない)。この
ような場合には停止させず、本当に挟み込まれた時のみ
停止させることができる。
体に圧電セラミックを混合して形成すれば、圧電セラミ
ックは脱分極の耐熱性に優れているので、高温となる場
所(たとえば直射日光にさらされる場所)に配設するこ
とができる。例えば窓枠やウエザストリップ(図2の3
2)の室外側とかサイドバイザー(日除け用のひさし)
等、外界に暴露される場所に配設しても耐久性がよく、
物体の接触を検出する際の信頼性が向上する。また、圧
電材と電極のそれぞれにゴム弾性体を使用しているので
加工性がよく任意の形状に対応可能である。
素化ポリエチレン、圧電セラミックはチタン酸ジルコン
酸鉛の焼結粉体)と、特開平10−76843号公報、
特開平10−132669号公報などに示される従来の
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を比較するために、
それぞれ2畳程度のサイズに成型して床に設置し、発熱
体で圧電材の温度が100℃になるように調節しながら
経過時間ごとに人が入床した時の発生電圧を測定比較し
た。この時の被験者の体重は63kgで、発熱させる前
の初期の本実施例及び従来品における入床時の発生電圧
は共に200mVになるよう設計した。この結果を図1
2に示す。横軸に経過時間、縦軸に発生電圧をとってお
り、本実施例の圧電材の発生電圧aは径時変化がなくほ
ぼフラットな特性であるが、従来の圧電材の発生電圧b
は徐々に電圧が低下してくる。つまり本実施例の圧電材
の方が従来の圧電材よりも長時間、安定的に感度を維持
できる。
ルムを使用しているので、100℃の高温中に長時間放
置されていると、電圧が発生する方向に配向していたポ
リフッ化ビニリデンの分子結晶が乱れて結晶構造が変化
し、次第に発生電圧が低下してくるためと思われる。こ
れに対して、本実施例のチタン酸ジルコン酸鉛焼結粉体
の耐熱性は300℃〜350℃であるので、100℃中
に放置しても分極した結晶構造は変化せず、感度が安定
的に維持できると考えられる。
鉛の焼結粉体を使用したが、耐熱性が高いもので、かつ
分極による結晶構造の配向性、即ち、圧力荷重に対して
電圧を発生する性質(ピエゾ性)を有するものであれ
ば、たとえばチタン酸鉛の焼結粉体を使用しても本実施
例と同様の結果を得ることができる。
ポリフッ化ビニリデンフィルムを使用してもよい。
なく、銅、アルミ等の金属箔や導電性塗料などでもよい
が、可撓性を持たせる意味ではより薄い方が望ましい。
施例2の圧電センサの構成図を示す。図13において圧
電センサ8は切込み部33を有し、厚みの薄い部位34
を形成している。圧電センサ8は剛体35に両端を固定
されているが、剛体35の中央部分には空隙36があ
り、圧電センサ8の中央部が上向きに変位するのを妨げ
ない構成である。図14(a)は従来の圧電センサ8を
用いた場合、図14(b)は本実施例の圧電センサ8を
用いた場合の要部断面構成図を示す。本実施例の変形部
位の曲率半径はR31、R32と表せる。同一の接触荷
重12を与えた場合、薄い部位34が撓みやすいので全
体としての曲率半径が小さくなり(R31<R11、R
32<R12)、変位量をL3とすると、L3>L1と
大きくなる。圧電センサ8は、変位が大きくなると、ひ
ずみが増え、発生する電荷が増え、分極電流が増加し
て、出力が大きくなるものである。本実施例において
は、圧電センサ8が局部的に薄い部位34を有すること
で、物体の接触によって生じる変形部位の曲率半径を小
さくし、変位を大きくして、出力を大きくしているので
ある。
空隙36を有するので、上向きの変位を妨げることがな
く、より一層出力を大きくすることができる。
で示している。図15(a)は圧電センサ8をキャタピ
ラ状にしたもので、図15(a)の奥行き方向の切込み
部33により局部的な薄い部位34を形成している。本
実施例では変形時に特に左右方向の曲率半径が小さくな
るので、微少な面積の物体に限らず、奥行き方向に長い
形状の物体(自動車の挟み込み防止装置の場合は指や腕
等)が接触しても出力を大きくすることができる。
3を奥行き方向と幅方向とに構成して薄い部位34を形
成している。本実施例では変形時に左右方向にも前後方
向にも曲率半径が小さくなるので、あらゆる形状の物体
で出力を大きくすることができる。
圧電センサの構成図を示す。圧電センサ8は切込み部3
3を上側だけでなく下側にも設けて、厚みの薄い部位3
4を形成している。本実施例の圧電センサ8によると、
物体との接触面側にも切込み部33があるので物体との
接触面積が小さくなる。物体との接触により全く同じ大
きさの荷重を受ける場合、接触面積が小さい方が単位面
積当たりの荷重(圧力)は大きくなるので、変位はさら
に大きくなり、より出力を大きくできる。
側の切込み部33を薄い部位34に対向させる配置にし
ているが、これに限定されるものではない。
施例4の圧電センサ8の構成図を示す。図17は圧電セ
ンサ8の要部の断面および配設構成を示しており、圧電
センサ8は孔37を有し、剛体35に緩衝材10を介し
て配設する構成である。圧電センサ8は孔37により可
撓性が向上するため、孔の無い場合と比べると物体との
接触による変形部位の曲率半径が小さくなる。よって変
位を大きくして出力を大きくすることができる。
配設しているが、緩衝材10は衝撃吸収の効果があるた
め、圧電センサ8の強度面の信頼性を向上できる。
で示している。図18(a)は圧電センサ8を格子状に
したもので孔37形状は四角形であり、図18(b)は
圧電センサ8にパンチング状に円形の孔37を形成した
ものである。いずれの場合も、孔37の大きさを接触す
る物体よりも小さくしており、物体が孔37に入り込ま
ないようにしている。
いかもしくは孔が小さい別の部材で圧電センサ8を覆う
ようにすれば孔37を大きくすることができる。
い別の部材とを一体に構成し、圧電センサ8をくるむよ
うにしてもよいし、圧電センサ8を緩衝材の内部に構成
してもよい。また緩衝材として、図2のウエザストリッ
プ32やサイドバイザー(図示せず)を兼用してもよ
い。この場合は部品点数、組立て工程を削減できる。
圧電センサ8の断面構成図を示す。本実施例の圧電セン
サ8は幾度か折り返したアコーデオン形状(蛇腹形状)
であり、図19(a)は物体と接触前、図19(b)は
物体と接触後の様子を示している。本実施例の圧電セン
サ8の変形部位の曲率半径は、全体としてみるとR4
1、R42のように表せる。同一の接触荷重12を与え
た場合、アコーデオン形状は伸縮しやすいので全体とし
て変形部位の曲率半径R41、R42が小さくなり(R
41<R11、R42<R12)、変位量をL4とする
と、L4>L1と大きくなる。圧電センサ8は、変位が
大きくなると、ひずみが増え、発生する電荷が増え、分
極電流が増加して、出力が大きくなるものである。本実
施例においては、圧電センサ8をアコーデオン形状とす
ることで、物体の接触によって生じる変形部位の曲率半
径を小さくし、変位を大きくして、出力を大きくしてい
るのである。
だけでなく横方向への伸縮性もあり、引っ張りながら配
設したり圧縮しながら配設したり湾曲させて配設したり
できるなど、配設の自由度が極めて高い。
圧電センサ8の配設構成図を示す。本実施例の圧電セン
サ8は中空状に構成しており、空隙36を圧電センサ8
で覆ったような構成である。本実施例によれば、圧電セ
ンサ8を剛体35に直接配設しても、内部に空隙36を
有する中空状であるために可撓性が維持され、物体との
接触による変形部位の曲率半径R51、R52を小さく
でき、変位量L5を大きくして、出力を大きくすること
ができる。
施例7を示す。図21は挟み込み防止装置として圧電セ
ンサ8を窓ガラス1に装着した構成図、図22は図21
の圧電センサ8の断面図を拡大したものである。本実施
例の圧電センサ8は、内層電極14aと外層電極14b
との間に圧電材13を配設した同軸ケーブル状、かつ中
心部に空隙36を有する中空状に構成されている。
可撓性のある被覆材38で圧電センサ8を被覆しながら
窓ガラス1に固定しており、本実施例の場合は接触荷重
12は下向きとなり、被覆材38を介して圧電センサ8
に伝えられるものである。圧電センサ8は中空状である
ために可撓性が向上し、物体との接触による変形部位の
曲率半径が小さくなり、変位量が大きくなり、出力を大
きくすることができる。
bが電気的なシールド層を兼ねることができる。
挟み込み防止装置の動作ブロック図である。図23では
圧電センサ8の断面も示している。本実施例は、他の実
施例の圧電センサ8を積層フィルム状にして以下の構成
に置き換えたものである。電極14cと14d、14e
と14fを備えた2つの圧電材13a、13bを積層し
て成形され、圧電センサ8を構成する一方の圧電材13
bの電極14eと14fに特定周波数の電圧信号を印加
して振動を発生させる信号印加部39を備え、接触検出
手段17は、前記振動により他の圧電材13aの電極1
4cと14d間に発生する出力信号に基づき圧電センサ
8に印加される圧力を演算する圧力演算部40と、圧力
演算部40の出力信号に基づき物体の接触を判定する接
触判定部41とを備えたところにある。接触検出手段1
7は、信号印加部39の発生周波数f3を中心周波数と
する第1のバンドパスフィルタ42と、図9のf1を中
心周波数とする第2のバンドパスフィルタ43を備えて
いる。本実施例の圧電センサ8はフィルム状なので、積
層しても厚みは薄いので、変形部位の曲率半径を小さい
まま維持できる。よって変位を大きくして、出力を大き
くすることができる。
T等の保護層や電気的シールドのための金属フィルムで
封止してもよい。
の出力発生により挟み込みを検知していたのに対し、本
実施例は圧電センサの出力の変化により挟み込みを検知
するものである。
る周波数f3の電圧信号に応じて圧電材13bが振動す
る。そしてその振動に応じて圧電材13aでは圧電起電
力が発生する。発生した出力信号は第1のバンドパスフ
ィルタ42で濾波される。この時の信号印加部39の発
振信号V3、第1のバンドパスフィルタ42の出力V4
の信号波形は、それぞれ図24(a)、図24(b)の
ようになる。図24(a)、図24(b)で縦軸はV3
とV4、横軸は時間tで、時刻t1で物体が圧電センサ
8に接触して圧力Pr1が印加されたものとする。物体
が接触していない状態(t<t1)では、V4の振幅は
D40である。そして時刻t1で物体が接触し圧電セン
サ8に圧力Pr1が印加されると、V4の振幅はD41
に変化する。ここで、V4の振幅D4と圧力Prとの間
には図25に示すような関係があり、圧力Prが増加す
るとD4は減少する特性をもつ。この特性は発振周波数
f3や圧電材13a、13bの形状等により変化するの
で、用途に応じて予め実験等により最適化すればよい。
圧力演算部40では図25の関係に基づいてD41から
Pr1を算出する。そして接触判定部41ではPr1が
ある閾値Pr0以上ならば物体が接触したと判し、Pr
1がPr0より小ならば物体の接触は無いと判定する。
そして窓ガラスなどの移動部材の閉動作中に上記のよう
にして物体の接触が検出されると、閉動作を逆転し物体
の挟み込みを防止するのである。本実施例では圧電セン
サをフィルム状に薄く構成して変形部位の曲率半径を小
さくしたので、振幅D4が全体に大きくなり、Pr1の
変化を見るのが容易となるので、判定の精度を上げるこ
とができる。
動が圧電センサ8に印加される場合は、実施例1のよう
に圧電センサ8が振動や歪みを検出するタイプである
と、走行振動による圧電センサ8の出力信号と物体の接
触による圧電センサ8の出力信号との区別が困難となる
場合があるが、本実施例の圧電センサ8は物体の接触圧
に応じた信号を出力し、接触検出手段17の圧力演算部
40により物体の接触圧を検出し、接触判定部41によ
り接触を判定するので、上記のような走行振動が印加さ
れても精度よく物体の接触を検出することができる。
Pr0以上ならば物体が接触したと判定するが、Pr1
の変化率や変動パターンに基づき物体の接触を判定する
ようにしてもよい。
7はf1を中心周波数とする第2のバンドパスフィルタ
43を備えており、接触判定部41が第2のバンドパス
フィルタ43と圧力演算部40の双方の出力信号に基づ
き物体の接触を検出する構成としてもよい。この構成に
よる作用を以下に述べる。図24(c)は第2のバンド
パスフィルタ43の出力V5の信号波形を示したもので
ある。図中、縦軸はV5、横軸は時間tである。時刻t
1で圧電センサに物体が接触すると、圧電材13aには
圧電材13aによる周波数f3の振動と、物体の接触に
よる歪みによりf3よりも低いf1近傍の振動が印加さ
れ、圧電材13aからはf3とf1の重畳した周波数成
分をもつ信号が出力される。この出力信号に基づき、圧
力演算部40では第1のバンドパスフィルタ42経由で
上述したように圧力Prが算出され、第2のバンドパス
フィルタ43の出力V5には例えば図24(c)のよう
な周波数f1で振幅D5の信号が現れる。そして接触判
定部41では、例えばD5がある閾値D50以上の場合
は、圧電センサ8に車の走行振動のような外来振動が印
加されたとして、上述のようにPrの値に基づき物体の
接触を判定する。またD5がD50より小の場合は、D
5の変化率や変動パターンとPrの値の少なくとも1つ
に基づき物体の接触を判定する。これにより、外来振動
の有無を圧電センサ8の出力信号により判定し、外来振
動の有無に応じて接触判定の閾値を切り替えて接触判定
を行うので、圧電センサにより検出する振動のみあるい
は圧力のみで物体の接触を検出する場合よりも検出精度
が向上する。
定された構成ではなく、他の実施例で示された構成に一
部置き換えたり、組み合わせたりすることが可能であ
り、目的に応じて最適な組み合わせを選べばよい。
圧電センサの配置に関しては、窓枠側の車体、ウエザス
トリップ、サイドバイザー等に配設したり一体化しても
良いし、窓ガラス側に配設しても良い。ハードトップタ
イプの場合は窓枠の代わりに車両本体側に配設してもよ
い。
インドウに圧電センサを用いた挟み込み防止装置につい
て説明したが、窓に限らずドアやサンルーフなどの扉に
使用してもよいし、シャッターに使用してもよい。基本
的には移動部材の移動により当接部材との隙間が変化す
るもの、即ち何らかの物体を挟み込む可能性の有るもの
に応用できる。
合、2つの移動部材が対向しているように考えられる
が、一方の移動部材から見た他方を当接部材と置くこと
で本発明に含まれるものである。
係る圧電センサは、物体の接触によって生じる変形部位
の曲率半径を小さくしたので、同一荷重に対する変位は
大きくなり(即ち変形しやすくなり)、ひずみが増え、
発生電荷が増え、分極電流が増加して、出力が大きくな
る効果がある。
サは、少なくとも接触部位を薄くしたので変形しやす
く、容易に変形部位の曲率半径が小さくなり、出力が大
きくなる効果がある。
サは、局部的に薄い部位を有し、本発明の請求項4にか
かる圧電センサは、キャタピラ状に構成したので、薄い
部位で変形しやすく、容易に変形部位の曲率半径が小さ
くなり、出力が大きくなる効果がある。
サは少なくとも1つの孔を有し、本発明の請求項6にか
かる圧電センサは格子状に構成したので、孔の部分の近
傍で変形しやすく、容易に変形部位の曲率半径が小さく
なり、出力が大きくなる効果がある。
サは、アコーデオン形状なので変形しやすく、容易に変
形部位の曲率半径が小さくなり、出力が大きくなる効果
がある。
サは、中空状なので変形しやすく、容易に変形部位の曲
率半径が小さくなり、出力が大きくなる効果がある。
み防止装置は、移動部材と当接部材とで構成される開閉
部に配設された圧電センサが物体の挟み込みによって変
形しやすくなり、出力が大きくなるので、挟み込み検知
の精度を向上させることができる効果がある。
み込み防止装置の外観図
性を示す特性図
めの判定基準を示した特性図
経過時間に対する変化を比較した特性図
構成を示す断面図
構成を示す断面図
構成を示す断面図
の物体が接触する前の断面図 (b)同圧電センサの物体が接触した後の断面図
構成を示す断面図
構成を示す断面図
の動作ブロック図
波形特性図 (b)第1のバンドパスフィルタの出力V4の波形特性
図 (c)第2のバンドパスフィルタの出力V5の出力波形
を示した波形特性図
4の振幅D4と圧力Prとの関係を示した特性図
41、R42、R51、R52 変形部位の曲率半径
Claims (9)
- 【請求項1】物体の接触によって生じる変形部位の曲率
半径を小さくした圧電センサ。 - 【請求項2】少なくとも接触部位を薄くして変形部位の
曲率半径を小さくした請求項1記載の圧電センサ。 - 【請求項3】局部的に薄い部位を有することで変形部位
の曲率半径を小さくした請求項1記載の圧電センサ。 - 【請求項4】キャタピラ状に構成した請求項3記載の圧
電センサ。 - 【請求項5】少なくとも1つの孔を有することで変形部
位の曲率半径を小さくした請求項1記載の圧電センサ。 - 【請求項6】格子状に構成した請求項5記載の圧電セン
サ。 - 【請求項7】アコーデオン形状とすることで変形部位の
曲率半径を小さくした請求項1記載の圧電センサ。 - 【請求項8】中空状とすることで変形部位の曲率半径を
小さくした請求項1記載の圧電センサ。 - 【請求項9】移動部材と当接部材とで構成される開閉部
に配設された請求項1ないし8のいずれか1項に記載の
圧電センサと、前記圧電センサの出力に基づき前記開閉
部への物体の挟み込みを検知し、前記開閉部の開閉動作
を制御する制御手段を備えた挟み込み防止装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110261482A (zh) * | 2019-07-26 | 2019-09-20 | 招商局重庆公路工程检测中心有限公司 | 滚轮式采集器及采集装置 |
CN113682114A (zh) * | 2021-10-26 | 2021-11-23 | 江苏铁锚玻璃股份有限公司 | 一种具有通风净化功能的车窗玻璃 |
-
1999
- 1999-06-03 JP JP15612299A patent/JP3719046B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN113682114A (zh) * | 2021-10-26 | 2021-11-23 | 江苏铁锚玻璃股份有限公司 | 一种具有通风净化功能的车窗玻璃 |
CN113682114B (zh) * | 2021-10-26 | 2021-12-21 | 江苏铁锚玻璃股份有限公司 | 一种具有通风净化功能的车窗玻璃 |
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