JP3680632B2 - 挟み込み検出装置及び開閉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、開口部と前記開口部を開閉する開閉部との間への物体の挟み込みを検出する挟み込み検出装置および開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の挟み込み検出装置は、例えば特開平10−132669号公報に開示されているものがある。これは図18に示すように、ポリフッ化ビニリデン等の高分子圧電材からなるピエゾケーブル1を自動車の窓枠2に沿って配設し、ピエゾケーブル1の出力信号に基づき窓枠2と窓ガラス3との間への物体の挟み込みを検出するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の挟み込み検出装置では、ピエゾケーブル1が自動車の窓枠2に沿って配設されているため、指などの柔らかい物体を挟み込んだ場合は窓枠2の硬さに制限されてピエゾケーブル1の変形が小さい。そのため、信号処理の際に増幅率を大きくしなくてはならず、本来の挟み込み時の信号成分と外来振動や電気的ノイズによる信号成分との判別が難しく、挟み込みの検出精度が悪いといった課題があった。
【0004】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、検出精度の良い挟み込み検出装置および開閉装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、開口部と、前記開口部を開閉する開閉部と、前記開口部と前記開閉部の少なくとも一方に配設され変形に応じた出力信号を発生する帯状の可撓性を有した感圧手段と、前記感圧手段の出力信号に基づき前記開口部と前記開閉部の間への物体の挟み込みを判定する判定手段とを備え、前記感圧手段は、幅方向の側面の一方が、前記開口部または前記開閉部に配設され、他方の側面が物体と接触する当接部の一部を形成することを特徴とする挟み込み検出装置である。そして、感圧手段が物体と接触すると当接部が屈曲自在に変形し、長手方向の屈曲に加えて幅方向の屈曲も付加されるので、従来よりも大きな変形量が得られて感圧手段からの出力信号が大きくなる。そのため、信号処理の際に増幅率を大きくする必要がなく、本来の挟み込み時の信号成分と外来振動や電気的ノイズによる信号成分との判別がつき易く、挟み込みの検出精度を向上することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記の課題を解決するために請求項1の発明は、開口部と、前記開口部を開閉する開閉部と、前記開口部と前記開閉部の少なくとも一方に配設され変形に応じた出力信号を発生する帯状の可撓性を有した感圧手段と、前記感圧手段の出力信号に基づき前記開口部と前記開閉部の間への物体の挟み込みを判定する判定手段とを備え、前記感圧手段は、幅方向の側面の一方が、前記開口部または前記開閉部に配設され、他方の側面が物体と接触する当接部の一部を形成することを特徴とする挟み込み検出装置である。そして、感圧手段が物体と接触すると当接部が屈曲自在に変形し、長手方向の屈曲に加えて幅方向の屈曲も付加されるので、従来よりも大きな変形量が得られて感圧手段からの出力信号が大きくなる。そのため、信号処理の際に増幅率を大きくする必要がなく、本来の挟み込み時の信号成分と外来振動や電気的ノイズによる信号成分との判別がつき易く、挟み込みの検出精度を向上することができる。
【0007】
また請求項2の発明は、開口部と、前記開口部を開閉する開閉部と、前記開口部と前記開閉部の少なくとも一方に配設され変形に応じた出力信号を発生する帯状の可撓性を有した感圧手段と、前記感圧手段の出力信号に基づき前記開口部と前記開閉部の間への物体の挟み込みを判定する判定手段とを備え、前記感圧手段は、幅方向の中央でハの字状に湾曲させて複数箇所で物体と接触する当接部を形成し、幅方向の中央で前記開口部または前記開閉部に配設された挟み込み検出装置で、当接部が広くなり検出精度をさらに向上することができる。
【0008】
また請求項3の発明は、感圧手段が当接部周囲に当接部を保護する弾性体を備えたもので、弾性体により当接部が保護されるので耐久性を向上することができる。
【0009】
また請求項4の発明は、感圧手段がゴム弾性体の有機基材に圧電セラミックの焼結粉体を混合して成型し分極処理して構成した圧電センサからなるもので、高温耐久性を向上することができる。
【0010】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の挟み込み検出装置を備え、判定手段の出力信号に基づき挟み込み判定時には挟み込みを解除するよう開閉部の開閉動作を制御する制御手段を有したもので、精度良く挟み込みを判定するとともに、挟み込み時には挟み込みを解除するので不要な挟み込みを防止することができる。
【0011】
また請求項6の発明は、開閉部が自動車のパワーウィンドウや電動サンルーフであるので、パワーウィンドウや電動サンルーフでの不要な挟み込みを防止することができる。
【0012】
また請求項7の発明は、開閉部が自動車、建物の自動ドアであるので、自動ドアでの不要な挟み込みを防止することができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1から図17を参照して説明する。
【0014】
(実施例1)
実施例1の発明を図1から図7を参照して説明する。
【0015】
図1は実施例1の発明の挟み込み検出装置及び開閉装置の外観図で、自動車のパワーウインドウに適用した場合を示している。図2(a)、(b)は図1のA−A’位置における断面構成図で、図2(a)は物体Mが挟み込まれていない状態、図2(b)は物体Mが挟み込まれた状態を示している。
【0016】
先ず、本発明の実施例1の挟み込み検出装置の構成は以下の通りである。図1より、4は開口部としての窓枠、5は開閉部としての窓ガラスである。窓枠4の周縁部には感圧手段としての圧電センサ6が配設されている。7は圧電センサ6の出力信号に基づき窓枠4と窓ガラス5の間への物体の挟み込みを判定する判定手段で、ドアのサイドミラー取り付け位置近傍のドア本体内に配設されている。
【0017】
また、本発明の実施例1の開閉装置は上記の挟み込み検出装置と窓ガラス5を開閉させるパワーウインドウ駆動装置8、パワーウインドウ駆動装置8を制御する制御手段9から成る。ここで、パワーウインドウ駆動装置8はモータ8a、ワイヤ8b、窓ガラス5の支持具8c、ガイド8d等から成る。モータ8aによりワイヤ8bを動かし、ワイヤ8bと連結された支持具8cをガイド8dに沿って上下させることにより窓ガラス5を開閉する構造となっている。パワーウインドウ駆動装置8は上記のようなワイヤを用いた方式に限定するものではなく、他の方式でもよい。制御手段9はモータ8aと一体化してもよい。
【0018】
図2(a)、(b)に示すように、圧電センサ6は支持部10と当接部11から成り、窓枠4に形成された溝孔部12に支持部10をはめ込むことにより窓枠4に支持される。当接部11は図2(b)のように窓枠4と窓ガラス5の間に物体Mが挟み込まれた場合は屈曲自在に変形する。12はウエザストリップである。当接部11は窓ガラス5が開閉する方向と概ね平行になるよう窓枠4に支持してある。尚、図2(a)、(b)は窓ガラス5の左側が車室内、右側が車外側である。
【0019】
図3(a)、(b)は圧電センサ6の外観図である。図3(a)は物体Mが挟み込まれていない状態、図3(b)は物体Mが挟み込まれた状態を示しており、図3(b)は図2(b)の際の圧電センサ6を車室内側から見た図である。圧電センサ6はゴム弾性体の有機基材に圧電セラミックの焼結粉体を混合した圧電層14と、可撓性のある電極15、16を積層し、窓枠4に支持するための支持部10を圧電層14及び電極15、16各々の一端と密着固定して成型し分極処理して構成したもので、優れた可撓性を有し、変形に応じた出力信号を発生する。ゴム弾性体としては例えば塩素化ポリエチレンを用い、圧電セラミックとしては例えばチタン酸ジルコン酸鉛の焼結粉体を用いる。電極15、16としては例えば銀ペーストや導電ゴムを用いる。支持部10はゴム等の弾性部材からなり、窓枠4の溝孔部12にはめ込み可能となっている。電極15、16の上にさらに樹脂フィルムやゴムシート等による保護層を設けたり、さらにその上に電気的シールドのためのシールド層を設けてもよい。
【0020】
判定手段7は図1のように圧電センサ6の端部に直接装着されている。そのため、圧電センサ6と判定手段7との間を接続するリード線やコネクタは不要となる。また、判定手段7は図1のようにサイドミラー取り付け位置近傍のドア本体内に配設されており、圧電センサ6を窓枠4以外の場所に延長して配設しない構成としているので、窓枠4以外で不要な振動を感知することがない。判定手段7は圧電センサ6の出力信号のインピーダンスを変換するFET、信号増幅用のオペアンプ、後述する挟み込み判定用の信号処理回路等を内蔵している。FETの代わりにチャージアンプ回路を用いてもよい。外来の電気的ノイズを除去するためシールド部材で判定手段7全体を覆い電気的にシールドしたり、上記回路の入出力部に貫通コンデンサやEMIフィルタ等を付加してもよい。
【0021】
次に作用について説明する。窓枠4と窓ガラス5の間に物体Mが挟み込まれると圧電センサ6が物体Mと接触して、図2(b)のように当接部11が屈曲し大きく変形する。図4はこの際の圧電センサ6からの出力信号V、判定手段7の判定出力J、モータ8aへの印加電圧Vmを示す特性図である。時刻t1でモータ8aに+Vdの電圧を印加して窓ガラス5を上昇させる。挟み込みが起こると圧電センサ6からは圧電効果により当接部11の変形の加速度に応じた信号(図4の基準電位V0より大きな信号成分)が出力される。この際、従来の挟み込み検出装置では挟み込みの際のピエゾケーブル1の変形は長手方向の屈曲のみであるが、本実施例の場合は図2(b)及び図3(b)に示すように圧電センサ6が長手方向の屈曲に加えて幅方向の屈曲も付加されるので、従来よりも大きな変形量が得られ、変形量の2次微分値である加速度も大きくなり、結果として圧電センサ6の出力信号も大きくなる。
【0022】
判定手段7はVのV0からの振幅|V−V0|がD0以上ならば挟み込みが生じたと判定し、時刻t2で判定出力としてLo→Hi→Loのバルス信号を出力する。制御手段9ではこのパルス信号があるとモータ8aへの+Vdの電圧印加を停止し、−Vdの電圧を一定時間印加して窓ガラス5を一定量下降させ、挟み込みを解除する。尚、挟み込みを解除する際、圧電センサ6からは当接部11の変形が復元する加速度に応じた信号(図4の基準電位V0より小さな信号成分)が出力される。
【0023】
挟み込みの際、VがV0より大となるか小となるかは、圧電センサ6の屈曲方向や分極方向、電極の割付け(どちらを基準電位とするか)、圧電センサ6の支持方向により変わるが、判定手段7ではVのV0からの振幅に基づき挟み込みを判定しているので、VのV0に対する大小によらず挟み込みを判定することができる。
【0024】
上記作用により、実施例1の挟み込み検出装置によれば、圧電センサ6(感圧手段)が物体と接触すると当接部11が屈曲自在に変形し、大きな変形量が得られるので圧電センサ6(感圧手段)からの出力信号が大きくなる。そのため、従来のように信号処理の際に増幅率を大きくする必要がなく、本来の挟み込み時の信号成分と外来振動や電気的ノイズによる信号成分との判別がつき易く、挟み込みの検出精度を向上することができるといった効果がある。
【0025】
また従来の挟み込み検出装置はポリフッ化ビニリデン等の高分子圧電材からなるピエゾケーブル1を用いているため、高温になると脱分極を起こして感度が低下するが、実施例1の挟み込み検出装置によれば、圧電センサ6(感圧手段)がゴム弾性体の有機基材に圧電セラミックの焼結粉体を混合して成型し分極処理して構成したので、高温耐久性を向上することができるといった効果がある。
【0026】
また、実施例1の開閉装置によれば、判定手段7により精度良く挟み込みを判定するとともに、制御手段9により窓ガラス5を下降させて挟み込みを解除するようモータ8aを制御するので、不要な挟み込みを防止することができるといった効果がある。
【0027】
また、実施例1の開閉装置によれば、自動車のドアのパワーウィンドウ(開閉部)での不要な挟み込みを防止することができる。
【0028】
上記実施例では圧電センサ6を窓枠4に支持する構成としたが、図5(a)、(b)に示すように圧電センサ6を窓ガラス5に支持する構成としてもよい。ここで、図5(a)は物体Mが挟み込まれていない状態、図5(b)は物体Mが挟み込まれた状態を示しており、いずれも図1のA−A’位置における断面構成図である。この構成によれば、窓枠4と窓ガラス5の間に物体Mが挟み込まれると図5(b)のように当接部11が屈曲し大きく変形するので、上記と同様に判定手段7により挟み込みが判定され、制御手段9によりモータ8aを逆転させ窓ガラス5を下降させて挟み込みを解除する。ここで、通常、物体が挟み込まれる場合は、物体Mが窓枠4側に接触する前に先ず窓ガラス5側に触れ、窓ガラス5と共に上昇して窓枠4と挟まれるが、圧電センサ6を窓ガラス5に支持する構成によれば、物体Mが圧電センサ6に接触した時点で挟み込みと判定して窓ガラス5を下降させて挟み込みを解除することができるので、開閉装置としてさらに不要な挟み込みを防止することができる。
【0029】
尚、図6(a)、(b)に示すように圧電センサ6が当接部11周囲に当接部11を保護する弾性体17を備えた構成としてもよい。ここで、図6(a)は物体Mが挟み込まれていない状態、図6(b)は物体Mが挟み込まれた状態を示しており、いずれも図1のA−A’位置における断面構成図である。この構成によれば、図6(b)のように窓枠4と窓ガラス5の間に物体Mが挟み込まれても、弾性体17により当接部11が保護されるので、圧電センサ6の過度な変形を抑制するとともに、圧電センサ6の磨耗や損傷を防ぎ、圧電センサ6の耐久性を向上することができる。
【0030】
また、上記構成では当接部11を窓ガラス5の面と平行になるよう窓枠4に支持したが、このような支持構成に限定するものではなく、挟み込みの際に当接部11が屈曲し大きく変形する構成であればよい。例えば、図7(a)、(b)に示すように当接部11を窓ガラス5の面と垂直になるよう窓枠4に支持する構成としてもよい。ここで、図7(a)は物体Mが挟み込まれていない状態、図7(b)は物体Mが挟み込まれた状態を示しており、いずれも図1のA−A’位置における断面構成図である。この構成によれば、窓枠4から垂直方向への突起部分が少ないのでデザイン上、見栄えが良い。
【0031】
また、圧電センサ6を窓枠4の車外側に支持したり、窓枠4の車内側と車外側の双方に支持する構成としてもよい。さらに、ウエザストリップ12やサイドサンバイザーに支持する構成としてもよい。
【0032】
(実施例2)
実施例2の発明を図8から図11を参照して説明する。
【0033】
図8(a)、(b)は実施例2の発明の挟み込み検出装置及び開閉装置の断面構成図で、図1のA−A’位置に対応している。ここで、図8(a)は物体Mが挟み込まれていない状態、図8(b)は物体Mが挟み込まれた状態を示している。実施例2が実施例1と相違する点は、図8(a)、(b)に示すように、感圧手段としての圧電センサ6の両端に支持部10a、10bを設け、開口部としての窓枠4に形成された溝孔部12a、12bにはめ込むことにより支持し、前記両端以外は非支持とし物体Mとの当接部11とした点にある。
【0034】
図9は圧電センサ6の外観図である。圧電センサ6は圧電層18と可撓性のある電極19、20を積層し、物体Mとの接触面が凸面となるよう全体を幅方向に湾曲させて当接部11を形成し、幅方向の両端に支持部10a、10bを設けている。圧電層18と電極19、20、支持部10a、10bは実施例1と同じ材料から成る。上記以外の構成は実施例1と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0035】
上記構成により、実施例2の挟み込み検出装置によれば、窓枠4と窓ガラス5の間に物体Mが挟み込まれると圧電センサ6が物体Mと接触して、図8(b)のように当接部11が屈曲し大きく変形する。この際、圧電センサ6と物体Mとの当接面は実施例1よりも広くなるため、検出精度をさらに向上することができるといった効果がある。
【0036】
上記実施例では圧電センサ6を窓枠4に支持する構成としたが、図10(a)、(b)に示すように圧電センサ6を窓ガラス5に支持する構成としてもよく、同様な効果がある。ここで、図10(a)は物体Mが挟み込まれていない状態、図10(b)は物体Mが挟み込まれた状態を示しており、いずれも図1のA−A’位置における断面構成図である。
【0037】
また、図11(a)、(b)に示すように圧電センサ6が湾曲した内側に当接部11の変形を制限する変形制限部21を備えた構成としてもよい。ここで、図11(a)は物体Mが挟み込まれていない状態、図11(b)は物体Mが挟み込まれた状態を示しており、いずれも図1のA−A’位置における断面構成図である。この構成によれば、図11(b)のように窓枠4と窓ガラス5の間に物体Mが挟み込まれても、変形制限部21により当接部11の過度な変形が制限されるので耐久性を向上することができる。
【0038】
(実施例3)
実施例3の発明を図12から図14を参照して説明する。
【0039】
図12(a)、(b)は実施例3の発明の挟み込み検出装置及び開閉装置の断面構成図で、図1のA−A’位置に対応している。ここで、図12(a)は物体Mが挟み込まれていない状態、図12(b)は物体Mが挟み込まれた状態を示している。実施例3が実施例1、2と相違する点は、図12(a)、(b)に示すように、感圧手段としての圧電センサ6が複数の当接部11a、11bを有した点にある。
【0040】
図13は圧電センサ6の外観図である。圧電センサ6は圧電層22と可撓性のある電極23、24を積層し、全体を幅方向の中央でハの字状に湾曲させて複数の当接部11a、11bを形成し、幅方向の中央に支持部10を設けたものである。圧電層22と電極23、24は実施例1と同じ材料を用いる。上記以外の構成は実施例1と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0041】
上記構成により、実施例3の挟み込み検出装置によれば、窓枠4と窓ガラス5の間に物体Mが挟み込まれると圧電センサ6が物体Mと接触して、図12(b)のように当接部11a、11bが屈曲し大きく変形する。この際、圧電センサ6が複数の当接部11a、11bを有しているので、圧電センサ6と物体Mとの当接面は実施例1よりも広くなるため、検出精度をさらに向上することができるといった効果がある。
【0042】
上記実施例では圧電センサ6を窓枠4に支持する構成としたが、図14(a)、(b)に示すように圧電センサ6を窓ガラス5に支持する構成としてもよく、同様な効果がある。ここで、図14(a)は物体Mが挟み込まれていない状態、図14(b)は物体Mが挟み込まれた状態を示しており、いずれも図1のA−A’位置における断面構成図である。
【0043】
尚、実施例1〜3では圧電センサ6の圧電層は1つであったが、バイモルフ型の圧電センサのように複数の圧電層を有した構成としてもよい。図15はその一実施例で、圧電層25、26、電極27、28、29を積層して圧電センサ6を構成している。この構成によれば、複数の圧電層を有しているので、感度が向上する。
【0044】
また、図16は圧電センサ6の他の実施例の外観図であるが、このように圧電層30及び電極31、32を積層し、幅方向の中央で折り返して電極32同士を密着し、支持部10を圧電層30及び電極31、32の両端と密着固定して圧電センサ6を構成してもよい。この構成により感度が向上する上、電極31がシールドの役割を有するので電気的なノイズの影響をなくすことができる。
【0045】
また、実施例1では圧電センサ6の支持部10を窓枠4に設けられた溝孔部12にはめ込んで圧電センサ6を窓枠4に支持したが、図17に示すように、クリップ33により圧電センサ6を窓枠4に支持する構成としてもよく、取り付け作業の効率化が図れる。
【0046】
以上の実施例では本発明を自動車のパワーウインドウへ適用した場合を示したが、電動サンルーフに適用してもよい。
【0047】
また、本発明を自動車、列車、飛行機、建物の自動ドアに適用したり、ガレージや店舗の電動シャッターに適用してもよい。
【0048】
また、感圧手段は圧電センサに限定するものではなく、例えば静電容量型や感圧抵抗型、光透過量検出型等、変形に応じた出力信号を発生する他のセンサを用いてもよい。
【0049】
【発明の効果】
上記実施例から明らかなように、開口部と、前記開口部を開閉する開閉部と、前記開口部と前記開閉部の少なくとも一方に配設され変形に応じた出力信号を発生する帯状の可撓性を有した感圧手段と、前記感圧手段の出力信号に基づき前記開口部と前記開閉部の間への物体の挟み込みを判定する判定手段とを備え、前記感圧手段は、幅方向の側面の一方が、前記開口部または前記開閉部に配設され、他方の側面が物体と接触する当接部の一部を形成することを特徴とすることで、感圧手段が物体と接触すると当接部が屈曲自在に変形し、長手方向の屈曲に加えて幅方向の屈曲も付加されるので、従来よりも大きな変形量が得られて感圧手段からの出力信号が大きくなる。そのため、信号処理の際に増幅率を大きくする必要がなく、本来の挟み込み時の信号成分と外来振動や電気的ノイズによる信号成分との判別がつき易く、挟み込みの検出精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の発明の挟み込み検出装置及び開閉装置の外観図
【図2】 (a)物体Mが挟み込まれていない状態での図1のA−A’位置における断面構成図
(b)物体Mが挟み込まれた状態での図1のA−A’位置における断面構成図
【図3】 (a)同装置で物体Mが挟み込まれていない状態での圧電センサの外観図
(b)同装置で物体Mが挟み込まれた状態での圧電センサの外観図
【図4】 同装置の圧電センサからの出力信号V、判定手段の判定出力J、モータへの印加電圧Vmを示す特性図
【図5】 (a)同装置の圧電センサを窓ガラスに支持した場合の物体Mが挟み込まれていない状態での断面構成図
(b)同装置の圧電センサを窓ガラスに支持した場合の物体Mが挟み込まれた状態での断面構成図
【図6】 (a)同装置の圧電センサが当接部周囲に当接部を保護する弾性体を備えた場合の物体Mが挟み込まれていない状態での断面構成図
(b)同装置の圧電センサが当接部周囲に当接部を保護する弾性体を備えた場合の物体Mが挟み込まれた状態での断面構成図
【図7】 (a)同装置の当接部を窓ガラスの面と垂直になるよう窓枠に支持した場合の物体Mが挟み込まれていない状態での断面構成図
(b)同装置の当接部を窓ガラスの面と垂直になるよう窓枠に支持した場合の物体Mが挟み込まれた状態での断面構成図
【図8】 (a)実施例2の発明の挟み込み検出装置及び開閉装置の物体Mが挟み込まれていない状態での断面構成図
(b)実施例2の発明の挟み込み検出装置及び開閉装置の物体Mが挟み込まれた状態での断面構成図
【図9】 同装置の圧電センサの外観図
【図10】 (a)同装置の圧電センサを窓ガラスに支持した場合の物体Mが挟み込まれていない状態での断面構成図
(b)同装置の圧電センサを窓ガラスに支持した場合の物体Mが挟み込まれた状態での断面構成図
【図11】 (a)圧電センサが湾曲した内側に当接部の変形を制限する変形制限部を備えた場合の物体Mが挟み込まれていない状態での断面構成図
(b)圧電センサが湾曲した内側に当接部の変形を制限する変形制限部を備えた場合の物体Mが挟み込まれた状態での断面構成図
【図12】 (a)実施例3の発明の挟み込み検出装置及び開閉装置の物体が挟み込まれていない状態での断面構成図
(b)実施例3の発明の挟み込み検出装置及び開閉装置の物体が挟み込まれた状態での断面構成図
【図13】 同装置の圧電センサの外観図
【図14】 (a)同装置の圧電センサを窓ガラスに支持した場合の物体Mが挟み込まれていない状態での断面構成図
(b)同装置の圧電センサを窓ガラスに支持した場合の物体Mが挟み込まれた状態での断面構成図
【図15】 圧電センサの他の実施例の外観図
【図16】 圧電センサの他の実施例の外観図
【図17】 圧電センサを窓枠へ支持する他の構成図
【図18】 従来の挟み込み検出装置の外観図
【符号の説明】
4 窓枠(開口部)
5 窓ガラス(開閉部)
6 圧電センサ(感圧手段)
7 判定手段
9 制御手段
10 支持部
10a、10b 支持部
11 当接部
11a、11b 当接部
17 弾性体
Claims (7)
- 開口部と、前記開口部を開閉する開閉部と、前記開口部と前記開閉部の少なくとも一方に配設され変形に応じた出力信号を発生する帯状の可撓性を有した感圧手段と、前記感圧手段の出力信号に基づき前記開口部と前記開閉部の間への物体の挟み込みを判定する判定手段とを備え、前記感圧手段は、幅方向の側面の一方が、前記開口部または前記開閉部に配設され、他方の側面が物体と接触する当接部の一部を形成することを特徴とする挟み込み検出装置。
- 開口部と、前記開口部を開閉する開閉部と、前記開口部と前記開閉部の少なくとも一方に配設され変形に応じた出力信号を発生する帯状の可撓性を有した感圧手段と、前記感圧手段の出力信号に基づき前記開口部と前記開閉部の間への物体の挟み込みを判定する判定手段とを備え、前記感圧手段は、幅方向の中央でハの字状に湾曲させて複数箇所で物体と接触する当接部を形成し、幅方向の中央で前記開口部または前記開閉部に配設された挟み込み検出装置。
- 感圧手段は当接部周囲に当接部を保護する弾性体を備えた請求項1または2に記載の挟み込み検出装置。
- 感圧手段はゴム弾性体の有機基材に圧電セラミックの焼結粉体を混合して成型し分極処理して構成した圧電センサからなる請求項1乃至3のいずれか1項記載の挟み込み検出装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1項記載の挟み込み検出装置を備え、判定手段の出力信号に基づき挟み込み判定時には挟み込みを解除するよう開閉部の開閉動作を制御する制御手段を有した開閉装置。
- 開閉部が自動車のパワーウィンドウや電動サンルーフである請求項5記載の開閉装置。
- 開閉部が自動車や列車、飛行機、建物の自動ドアである請求項5記載の開閉装置。
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