JP2000169538A - 液状フェノールノボラック樹脂の製造方法 - Google Patents
液状フェノールノボラック樹脂の製造方法Info
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Abstract
た流動性、低吸水性および耐熱性を併せて発揮できる液
状フェノールノボラック樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 (A)フェノールと(B)オルソ
位が炭素数1〜4のアルキル基又はアリル基を持つフェ
ノール化合物、(C)ホルムアルデヒドおよび/または
(D)o−ヒドロキシベンズアルデヒドあるいはp−ヒ
ドロキシベンズアルデヒドを反応させることを特徴とす
る液状フェノールノボラック樹脂の製造方法である。
Description
ソ位に炭素数1〜4のアルキル基又はアリル基を持つフ
ェノール化合物と、ホルムアルデヒド及び/またはo−
ヒドロキシベンズアルデヒドあるいはp−ヒドロキシベ
ンズアルデヒドを反応させて得られる液状フェノ−ルノ
ボラック樹脂の製造方法に関する。本発明で製造される
樹脂は、有機材料および無機材料の結合剤やエポキシ樹
脂の硬化剤として使用できる。特に、電気および電子産
業用、電子部品の封止用、積層板材料用のエポキシ樹脂
の硬化剤として好適に用いられ、流動性、低吸水性およ
び耐熱性などに優れた性質を持つ液状フェノールノボラ
ック樹脂として有用である。
多く用いられ、そのエポキシ樹脂の硬化剤としては各種
のフェノ−ルノボラック樹脂、アミン類、酸無水物が使
用される。特に半導体(IC)封止用エポキシ樹脂の硬
化剤としては、耐熱性、信頼性の面からフェノ−ル性ノ
ボラック樹脂が主に用いられる。近年、ICの高集積
化、パッケ−ジの小型、薄型化、また表面実装方式の適
用が進み、その封止用材料には耐熱衝撃性ならびに表面
実装作業時のソルダリング耐熱性を一層向上させること
が要求されている。このソルダリング耐熱性を左右する
大きな要因として、封止用樹脂材料の吸水性が挙げられ
る。すなわち、吸水した封止用材料は表面実装作業時の
高温下で水分気化による内圧が発生し、内部剥離やパッ
ケ−ジクラックの発生要因となり、ソルダリング耐熱特
性が劣ることになる。したがって、エポキシ樹脂硬化剤
として使用されるフェノ−ル性ノボラック樹脂は低吸水
性であることが特に要求される。
て、封止用樹脂材料に非吸水性のシリカなどの充填材を
増量する方法がある。この場合、ベ−スの樹脂材料の粘
度が高いと充填材の高充填性が損なわれるので、硬化剤
として用いるフェノール性ノボラック樹脂の粘度はより
低いことが望まれる。
て、常温でポティングならびにディッピングして、浸透
圧で半導体やダイオード等を封止する方式も行なわれて
いる。この場合には、液状のエポキシ樹脂と液状の酸無
水物、アミン、アミド等の硬化剤が用いられ、フェノー
ルノボラック硬化剤は半固形もしくは固形のもの又は溶
剤に溶解したフェノールノボラック樹脂が用いられてい
る。このような半固形もしくは固形のフェノールノボラ
ック樹脂を用いた封止材は、流動性が悪く、溶剤を用い
たものは硬化後、封止材中に溶剤が取り込まれるため性
能に悪影響を及ぼす。
構成することも試みられているが、硬化した封止剤が、
熱水の存在、たとえばプレッシャークッカー試験の条件
で加水分解を起こして、生成した酸がアルミニウムを腐
食させるために、耐湿寿命の低下を招いている。又、ア
ミン、アミド基は信頼性面から好ましくない。このよう
な問題点を解決するために、流動性があり、低吸水性な
らびに耐熱性を有するフェノールノボラック樹脂が要望
されている。
げた従来の問題点を解決し、優れた流動性と低吸水性お
よび耐熱性を発揮する液状フェノールノボラック樹脂の
製造方法を提供することを目的としたものである。
(A)フェノール(B)オルソ位に炭素数1〜4のアル
キル基又はアリル基を持つフェノール化合物と、(C)
ホルムアルデヒド 及び/または
(D)o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキ
シベンズアルデヒドを反応させることを特徴とする液状
フェノールノボラック樹脂の製造方法。
本発明に使用する化合物は(A)フェノールおよび
(B)オルソ位に炭素数1〜4のアルキル基またはアリ
ル基を持つフェノール化合物である。オルソ位に炭素数
1〜4のアルキル基を持つフェノール化合物としては、
オルソクレゾール(o−クレゾール)、オルソエチルフ
ェノール(o−エチルフェノール)、オルソイソプロピ
ルフェノール(o−イソプロピルフェノール)、2-tert
-ブチルフェノール、o-sec-ブチルフェノールなどが挙
げられる。また、オルソ位にアリル基を持つフェノール
化合物としては、オルソアリルフェノール(o−アリル
フェノール)が挙げられる。これらのフェノール化合物
は単独又は併用して用いることができる。
物の配合割合(B)/((A)+(B))は、モル割合
で5〜95モル%、好ましくは10〜90モル%、より
好ましくは10〜80モル%である。5モル%より少な
い場合でも液状フェノールノボラック樹脂は得られる
が、得られた樹脂の粘度は高くなる傾向があり、半固形
もしくは固形となりやすい。95モル%より多くても液
状フェノールノボラック樹脂は得られるが、製造コスト
が高くなる。
デヒドは通常市販品が使用され、ホルムアルデヒド水溶
液であるホルマリン(ホルマリン水溶液)、パラホルム
アルデヒド、トリオキサン等を挙げることができるが、
安価なホルマリン水溶液が好ましい。本発明のホルムア
ルデヒドは、液状フェノールノボラック樹脂でメチレン
基架橋を形成する。
ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒドは
市販品が使用される。これらの化合物は本発明では、主
にo−ヒドロキシフェニルメチレン基架橋またはp−ヒ
ドロキシフェニルメチレン基架橋となり液状フェノール
ノボラック樹脂を形成する。これらo−ヒドロキシベン
ズアルデヒドおよびp−ヒドロキシベンズアルデヒドは
単独でも併用して用いても良い。なお、o−ヒドロキシ
フェニルメチレン基架橋またはp−ヒドロキシフェニル
メチレン基架橋は、メチレン基架橋の一つの水素をo−
ヒドロキシフェニル基またはp−ヒドロキシフェニル基
で置換したものである。
と(D)o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロ
キシベンズアルデヒドの配合割合(D)/((C)+
(D))は、モル割合で70モル%以下、好ましくは5
0モル%以下、より好ましくは5〜50モル%である。
70モル%より多い場合では、得られた樹脂の粘度が高
く、25℃で半固形もしくは固形となる。
((A)+(B))と架橋基となる化合物((C)+
(D))の配合割合は、通常、フェノール化合物は架橋
基となる化合物にたいし3倍モル以上であればよい。好
ましくは5〜10倍モルである。3倍モルより少ない
と、架橋が進み、得られる樹脂が半固形もしくは固形と
なり流動性が失われる。また、余りに多すぎると、未反
応の原料が多くなり、経済的でない。
の製造は、通常次のようにして行われる。即ち、上記の
フェノール、フェノール化合物、ホルムアルデヒドおよ
びo−ヒドロキシベンズアルデヒドあるいはp−ヒドロ
キシベンズアルデヒドの架橋剤、および合成触媒を所定
の配合割合で一括して反応器に仕込み所定の温度で、所
定の反応率まで反応した後、未反応成分の除去工程を経
て目的の生成物を得る。特殊な製造方法としては、フェ
ノールあるいは一つのフェノール化合物と一つの架橋剤
および合成触媒とで前もってプレ反応させた後、それぞ
れを併せて反応させて目的とする液状フェノールノボラ
ック樹脂を得ることも可能である。
れ蓚酸、パラトルエンスルホン酸、ジメチル硫酸等の有
機酸、塩酸、硫酸等の無機酸を使用することができる。
触媒の使用量は、フェノール化合物に対し0.01重量
%〜1重量%の範囲で選択し使用される。少ないと反応
速度が遅く、多すぎると反応が急激に進行して反応をコ
ントロールすることができないなどの問題がある。
もよるが、通常50℃〜200℃、好ましくは70℃〜
180℃、より好ましくは80℃〜180℃である。あ
まりに低いと重合が進まず、余りに高いと反応の制御が
難しくなり、目的の液状フェノールノボラック樹脂を得
ることが困難となる。
常は10時間以内である。
が、若干の加圧ないし減圧下でも行うことができる。
常、減圧下で除去することにより目的物である液状フェ
ノールノボラック樹脂を得ることができる。
ク樹脂は、25℃で液体状態を呈するものであり、25
℃で粘度が500ポイズ以下、好ましくは400ポイズ
以下、より好ましくは350ポイズ以下の樹脂である。
また、本発明で得られる液状フェノールノボラック樹脂
の数平均分子量については、特に限定されず、25℃で
液体状態を呈するものであればよいが、ポリスチレン換
算で算出されたもので400以下が好ましい。
ボラック樹脂の一般式(1)を示した。
ボラック樹脂は、樹脂骨格成分がフェノールとオルソ位
に炭素数1〜4のアルキル基又はアリル基を持つフェノ
ール化合物からなり、架橋基がメチレン基および/また
はo−ヒドロキシフェニルメチレン基あるいはp−ヒド
ロキシフェニルメチレン基からなる樹脂である。好まし
くは、樹脂骨格成分において、オルソ位に炭素数1〜4
のアルキル基又はアリル基を持つフェノール化合物の組
成割合が全体の5〜95モル%、好ましくは10〜90
モル%、より好ましくは10〜80モル%の液状フェノ
ールノボラック樹脂である。あるいは、架橋基におい
て、o−ヒドロキシフェニルフェニルメチレン基あるい
はp−ヒドロキシフェニルメチレン基の組成割合が全体
の70モル%以下、好ましくは50モル%以下、より好
ましくは5〜50モル%である液状フェノールノボラッ
ク樹脂である。
ク樹脂は、有機材料および無機材料の結合剤やエポキシ
樹脂の硬化剤として使用できる。その用途としては、電
気および電子産業用、電子部品の封止用、積層板材料用
のエポキシ樹脂の硬化剤として好適に用いられ、主に半
導体の封止剤に適し、特に、チップサイズパッケージな
どの半導体封止剤に適する。
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
80g(10モル)、37%ホルマリン324g(4モ
ル)及び蓚酸20gを三つ口フラスコに入れ、100℃
で5時間反応させた後,160℃まで昇温して脱水し
た。引き続き、160℃、40torrの減圧下で未反
応成分を除去し、730gの液状フェノールノボラック
樹脂を得た。得られた樹脂の粘度は、25℃で300ポ
イズであった。得られた液状フェノールノボラック樹脂
の評価方法は、以下の通りである。 (1)数平均分子量 GPC測定装置(東ソー社製HLC−802A型)を用
い、分子量分布を測定し、ポリスチレン換算により数平
均分子量を計算した。 (2)粘度測定 JIS K6909に準じてB型粘度計で測定した。 (3)OH当量の測定 試料2〜3gを無水酢酸1.25gでアセチル化し、ア
セチル化後の酢酸を水酸化カリウムで滴定し、OH当量
を求めた。(アセチル化法)
実施例1に準じて液状フェノールノボラック樹脂を合成
した。得られた樹脂の物性を表1に併せて示した。
実施例1に準じて液状フェノールノボラック樹脂を合成
した。得られた樹脂の物性は表2に併せて示した。
が容易な原料を使用して液状フェノールノボラック樹脂
を製造することができる。該樹脂はエポキシ樹脂の硬化
剤として優れた流動性を示し、低吸水特性、耐熱性を発
揮する樹脂硬化物を提供する。得られた樹脂は上記の特
性から、液状封止材に適用でき封止剤として、特に半導
体用の封止剤に使用することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】(A)フェノール(B)オルソ位に炭素数
1〜4のアルキル基又はアリル基を持つフェノール化合
物と、 (C)ホルムアルデヒド 及び/
または(D)o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒ
ドロキシベンズアルデヒドを反応させることを特徴とす
る液状フェノールノボラック樹脂の製造方法。 - 【請求項2】(A)と(B)の配合割合(B)/
((A)+(B))が5〜95モル%で、(C)と
(D)の配合割合(D)/((C)+(D))が70モ
ル%以下で反応させることを特徴とする請求項1記載の
液状フェノールノボラック樹脂の製造方法。 - 【請求項3】樹脂骨格成分がフェノールとオルソ位に炭
素数1〜4のアルキル基又はアリル基を持つフェノール
化合物からなり、架橋基がメチレン基および/またはo
−ヒドロキシフェニルメチレン基あるいはp−ヒドロキ
シフェニルメチレン基からなる請求項1または2記載の
液状フェノールノボラック樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10346056A JP2000169538A (ja) | 1998-12-04 | 1998-12-04 | 液状フェノールノボラック樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10346056A JP2000169538A (ja) | 1998-12-04 | 1998-12-04 | 液状フェノールノボラック樹脂の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000169538A true JP2000169538A (ja) | 2000-06-20 |
Family
ID=18380848
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10346056A Pending JP2000169538A (ja) | 1998-12-04 | 1998-12-04 | 液状フェノールノボラック樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000169538A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009051874A (ja) * | 2007-08-23 | 2009-03-12 | Ube Ind Ltd | 耐熱性液状フェノールノボラック樹脂、その製造方法ならびにその硬化物 |
WO2011013571A1 (ja) * | 2009-07-27 | 2011-02-03 | 宇部興産株式会社 | フェノール系化合物及びその製造方法 |
CN101906197B (zh) * | 2009-06-05 | 2012-02-29 | 威海经济技术开发区天成化工有限公司 | 合成邻甲酚系线型酚醛树脂的方法 |
JP2017105898A (ja) * | 2015-12-08 | 2017-06-15 | Dic株式会社 | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物及びその硬化物 |
KR101870647B1 (ko) | 2014-07-18 | 2018-06-25 | 쇼와 덴코 가부시키가이샤 | 포지티브형 감광성 수지 조성물 |
-
1998
- 1998-12-04 JP JP10346056A patent/JP2000169538A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN101906197B (zh) * | 2009-06-05 | 2012-02-29 | 威海经济技术开发区天成化工有限公司 | 合成邻甲酚系线型酚醛树脂的方法 |
WO2011013571A1 (ja) * | 2009-07-27 | 2011-02-03 | 宇部興産株式会社 | フェノール系化合物及びその製造方法 |
KR101870647B1 (ko) | 2014-07-18 | 2018-06-25 | 쇼와 덴코 가부시키가이샤 | 포지티브형 감광성 수지 조성물 |
JP2017105898A (ja) * | 2015-12-08 | 2017-06-15 | Dic株式会社 | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物及びその硬化物 |
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