JP2000167655A - 金型冷却方法および装置 - Google Patents
金型冷却方法および装置Info
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Abstract
減少させ、しかも鋳造品の肉厚に対応して冷却性に指向
性を持たせることにより、簡易に最適な鋳造品質を安定
して得ることにある。 【解決手段】冷却水が流通する冷却通路18をインサー
ト部材16の外周面に螺旋状に形成し、鋳造品の肉厚に
対応して前記螺旋状の冷却通路18の始点を所定の方向
に振り分けることにより、冷却性に指向性を持たせる。
Description
ィに溶湯を充填して鋳造成形する際、前記金型を冷却す
る金型冷却方法および装置に関する。
ィに溶湯を充填し、前記溶湯を固化させることにより、
所望の形状の鋳造品を得る鋳造成形が行われている。こ
の場合、キャビティに充填された溶湯を円滑に固化させ
るとともに、金型を冷却する冷却装置が設けられるのが
通常である。
する従来技術に係る冷却装置を図9乃至図12に示す。
された鋳抜きピン3と、前記空洞部2に臨み該空洞部2
に対し冷却液を供給する供給管4と、前記空洞部2に連
通し該空洞部2に貯留された冷却液が排出される排出ポ
ート5とを有する。なお、参照数字6は、図示しない金
型によって鋳造成形された鋳造品を示す。
造を有する鋳抜きピン3を採用した場合を示し、図11
および図12は、縦型の冷却構造を有する鋳抜きピン3
を採用した場合を示す。
術に係る冷却装置1では、供給管4から供給される冷却
液の流量と空洞部2内の体積差により、鋳造時において
冷却水が蒸発してしまい空洞部2内に発生する蒸気によ
って冷却能力が低下するという不都合がある。
気や空気の層によって空間部7が形成されることによ
り、冷却が不均一となり冷却効率が低下するという不都
合がある。
ーヒート部8には、鋳造品に対して悪影響を及ぼす、い
わゆるひけや鋳造品の表面部が金型に凝着する、いわゆ
るとられが発生するという不都合がある。
に対し、冷却水量を大幅に増大させて対処しているが、
冷却水量が増大するのに伴って金型が過冷却状態となり
キャビティ内に充填された溶湯が急激に冷却されるた
め、湯廻り不良等が発生するという他の不都合がある。
なされたものであり、冷却水の接触表面積並びに冷却容
量をそれぞれ減少させ、しかも鋳造品の肉厚に対応して
冷却性に指向性を持たせることにより、簡易に最適な鋳
造品質を安定して得ることが可能な金型冷却方法および
装置を提供することを目的とする。
めに、本発明は、鋳造成形を行う際に金型を冷却するた
めの方法であって、冷却水が流通する冷却通路を螺旋状
に形成し、鋳造品の肉厚に対応して前記螺旋状の冷却通
路の始点を振り分けることにより、冷却性に指向性を持
たせることを特徴とする。
型を冷却するための装置であって、金型のキャビティに
組み込まれた鋳抜きピンの孔部内にインサート部材が挿
入され、前記インサート部材の外周面には冷却水が流通
する螺旋状の冷却通路が形成され、前記螺旋状の冷却通
路の始点は、鋳造品の肉厚に対応して所定の方向に振り
分けられて設定されることを特徴とする。
ることにより、鋳造時において、熱影響の多い部分の冷
却性を部分的に増大させ、鋳造品の厚肉部の内部品質を
向上させることができる。
により、冷却水の接触表面積が減少し、しかも冷却水の
流量を少なくすることにより、冷却水が蒸発し、発生し
た蒸気を容易に外部に排出させることができる。
て、それを実施する装置との関連において好適な実施の
形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明
する。
実施の形態に係る金型冷却装置を示す。この金型冷却装
置10は、図示しない金型のキャビティ内に配設された
鋳抜きピン12の孔部14内に挿入され、略円柱状に形
成されたインサート部材16と、前記インサート部材1
6に形成される冷却通路18とを有する。
性が良好な金属製材料、例えば、銅合金等によって形成
することにより、冷却効率をより一層向上させることが
できる。
された内管20と外管22とを有する二重管24が設け
られたジョイント部材26を備え、前記内管20はジョ
イント部材26から所定長だけ突出してインサート部材
16の貫通孔に嵌合されるように形成されている。前記
二重管24は、前記冷却通路18に連通し該冷却通路1
8に冷却液を供給する図示しないインレットポートと、
前記冷却通路18に連通し該冷却通路18から冷却液が
排出される図示しないアウトレットポートとを有する。
から突出する二重管24の内管20によって構成されイ
ンサート部材16の軸線方向に沿って貫通する第1通路
28と、前記第1通路28に連通し中心部から半径外方
向に向かって延在する第2通路30と、前記第2通路3
0に連通しインサート部材16の外周面に沿って螺旋状
に形成された第3通路32とを有する。前記第3通路3
2の終端部は、インサート部材16とジョイント部材2
6の間に形成された空間部34(図3参照)を介して二
重管24の外管22内の通路に連通するように形成され
ている。
は、冷却性の指向性が、図2に示すように、インサート
部材16の中心部から半径外方向に向かって延在する第
2通路30の方向、すなわち、矢印A方向となるように
設定され、他の方向と比較して矢印A方向に向かって冷
却効率が向上するように設けられている。
の開始点を任意の方向に振り分けることにより、その振
り分けられた方向において螺旋状に周回する多くの溝部
が配置されるからである。従って、特に冷却効果が必要
とされる鋳造品の厚肉部を形成する金型部分に対して
も、鋳造品の形状に対応して部分的に冷却効果を向上さ
せることができる。
を形成する第1キャビティと前記鋳造品の薄肉部を形成
する第2キャビティとが対称に配置された金型構造の場
合には、薄肉部と比較して冷却しずらい厚肉部が矢印A
方向となるように金型冷却装置10を設定すると好適で
ある。
面半円状の溝部からなり、前記溝部は略同一の断面積で
一定に形成されている。
0は、基本的には以上のように構成されるものであり、
次にその動作並びに作用効果について説明する。
4のインレットポートとを接続し、図示しない冷却液貯
留源とアウトレットポートとを接続しておく。また、鋳
抜きピン12は、図示しない金型のキャビティ内に配設
されているものとする。
入する際、図示しない冷却液供給源を付勢してインレッ
トポートより冷却液を供給する。前記冷却液は、二重管
24の内管20に沿って流通し、インサート部材16の
軸線方向に沿って延在する第1通路28を流通する。さ
らに冷却液は、インサート部材16の上部の中心部から
半径外方向に向かって延在する第2通路30並びにイン
サート部材16の外周面に螺旋状に形成された第3通路
32に沿って流通する。第3通路32の終端から導出さ
れた冷却液は、インサート部材16とジョイント部材2
6との間に形成された空間部34並びに二重管24の外
管22を経由してアウトレットポートから図示しない冷
却液貯留源に排出される。
2通路30の方向、すなわち、インサート部材16の中
心部から半径外方向に向かう矢印A方向に冷却性の指向
性が設定されている。
るキャビティが矢印A方向となるように金型冷却装置1
0を配設することにより、他の方向と比較して矢印A方
向に向かって冷却効率を向上させることができる。
された溝部の変形例を図4乃至図7に示す。なお、冷却
性の指向性は、同様に矢印A方向に設定されているもの
とする。
が断面矩形状の深い角溝からなる螺旋状の溝部によって
形成され、前記溝部の溝幅および深さが略一定に形成さ
れている点に特徴がある。また、図5に示す第2変形例
では、第3通路38の一部である矢印A方向側の溝部4
0の溝幅を大きく形成している点に特徴がある。換言す
ると、矢印A方向と反対側の溝部42の溝幅に対して矢
印A方向側の溝部40の溝幅を大きく設定している。
変形例の角溝からなる溝部に代替して第3通路44を深
い丸溝を有する溝部46によって形成している点に特徴
がある。さらにまた、図7に示す第4変形例では、第3
通路48を深い丸溝によって形成するとともに、矢印A
方向と反対側の溝部50の溝幅に対して矢印A方向側の
溝部52の溝幅を大きく設定している点に特徴がある。
部の断面形状を、例えば、丸形、角形等の種々の断面形
状とし、あるいは溝部の深さを変化させることにより、
冷却性に指向性を持たせ、且つ冷却能力を自在に制御す
ることができる。この結果、鋳造時において、熱影響の
多い部分の冷却性を部分的に増大させ、鋳造品の厚肉部
の内部品質を向上させることができる。
路18をインサート部材16の外周面に形成することに
より、冷却水の接触表面積を減少させ、しかも冷却水の
流量を少なくすることにより、冷却水が蒸発し、発生し
た蒸気を容易に外部に排出することができる。この結
果、冷却能力を低下させることがなく、湯廻り不良等の
発生を防止して、高精度の品質を有する鋳造品を得るこ
とができる。
クを製造する金型に適用した他の実施の形態に係る金型
冷却装置70を図8に示す。なお、前記金型冷却装置1
0と同一の構成要素には同一の参照数字を付し、その詳
細な説明を省略する。
対応する形状からなるキャビティ56が形成された金型
本体58と、前記金型本体58内に挿入され、シリンダ
ブロックのボアを形成するボア用鋳抜きピン60とを有
する。
60を間にして略対称に配置され、鋳造成形によってシ
リンダブロックの厚肉部が形成される第1キャビティ6
2と、前記シリンダブロックの薄肉部が形成される第2
キャビティ64とを含む。
は、金型54のキャビティ56内に配設されたボア用鋳
抜きピン60の孔部72内に挿入され、略円柱状に形成
されたインサート部材74と、前記インサート部材74
に形成される冷却通路18とを有する。
ート部材74の冷却通路18に連通し該冷却通路18に
冷却液を供給する内管20と、前記冷却通路18に連通
し該冷却通路18から冷却液が排出される外管22とを
有する二重管24が設けられたジョイント部材76が挿
入される。なお、ボア用鋳抜きピン60並びにジョイン
ト部材76の外周面には、環状溝を介して、キャビティ
56並びに空間部34を密封するシール部材78、80
a、80bがそれぞれ装着されている。
ックの厚肉部を形成する第1キャビティ62側に指向性
が設定されており、冷却通路18を流通する冷却液の冷
却作用下に、前記厚肉部に対する冷却性を制御すること
により、前記厚肉部の内部品質を向上させ、高精度な品
質を有するシリンダブロックを安定して得ることができ
る。
の形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
る。
接触表面積並びに冷却容量をそれぞれ減少させることが
できる。
向性を持たせることにより、簡易に最適な鋳造品質を安
定して得ることができる。
縦断面図である。
の縦断面図である。
溝部の第1変形例を示す正面図である。
溝部の第2変形例を示す正面図である。
溝部の第3変形例を示す正面図である。
溝部の第4変形例を示す正面図である。
る金型に適用した他の実施の形態に係る金型冷却装置の
縦断面図である。
場合における従来技術に係る冷却装置の縦断面図であ
る。
明図である。
た場合における従来技術に係る冷却装置の縦断面図であ
る。
説明図である。
ン 14、72…孔部 16、74…イ
ンサート部材 18…冷却通路 20…内管 22…外管 24…二重管 26、76…ジョイント部材 28、30、32、36、38、44、48…通路 34…空間部 40、42、4
6、50…溝部 54…金型 56、62、6
4…キャビティ 58…金型本体 60…ボア用鋳
抜きピン
Claims (6)
- 【請求項1】鋳造成形を行う際に金型を冷却するための
方法であって、 冷却水が流通する冷却通路を螺旋状に形成し、鋳造品の
肉厚に対応して前記螺旋状の冷却通路の始点を振り分け
ることにより、冷却性に指向性を持たせることを特徴と
する金型冷却方法。 - 【請求項2】鋳造成形を行う際に金型を冷却するための
装置であって、 金型のキャビティに組み込まれた鋳抜きピンの孔部内に
インサート部材が挿入され、前記インサート部材の外周
面には冷却水が流通する螺旋状の冷却通路が形成され、
前記螺旋状の冷却通路の始点は、鋳造品の肉厚に対応し
て所定の方向に振り分けられて設定されることを特徴と
する金型冷却装置。 - 【請求項3】請求項2記載の装置において、 前記インサート部材は、少なくとも、銅合金を含む金属
製材料によって形成されることを特徴とする金型冷却装
置。 - 【請求項4】請求項2または3記載の装置において、 前記冷却通路は、略円柱状のインサート部材の外周面に
沿って螺旋状に形成された溝部からなり、前記溝部は、
少なくとも、断面矩形状の角溝または断面曲線状の丸溝
を含むことを特徴とする金型冷却装置。 - 【請求項5】請求項4記載の装置において、 冷却性の指向性に対応する方向の前記溝部の溝幅または
溝部の深さを、他の方向と比較して大きく設定すること
を特徴とする金型冷却装置。 - 【請求項6】請求項2記載の装置において、 前記鋳造品は、車両用のエンジンを構成するシリンダブ
ロックからなり、前記シリンダブロックは略対称に配置
された厚肉部と薄肉部とを有し、前記厚肉部に対して冷
却性の指向性が設定されることを特徴とする金型冷却装
置。
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