JP2000159928A - 洗浄用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

洗浄用熱可塑性樹脂組成物

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JP2000159928A
JP2000159928A JP10333996A JP33399698A JP2000159928A JP 2000159928 A JP2000159928 A JP 2000159928A JP 10333996 A JP10333996 A JP 10333996A JP 33399698 A JP33399698 A JP 33399698A JP 2000159928 A JP2000159928 A JP 2000159928A
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cleaning
thermoplastic resin
composition
fatty acid
higher fatty
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JP10333996A
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English (en)
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Takanori Saito
崇憲 齋藤
Hiroyuki Fujii
博之 藤井
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JNC Corp
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Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた洗浄能力を有する熱可塑性樹脂用成形
機の洗浄用熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ABS樹脂、AS樹脂等から選ばれる熱可塑
性樹脂に、高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル
カルシウム塩を好ましくは組成物全量に対して1.0〜
15重量%、および塩基性ヒドロキシ高級脂肪酸マグネ
シウムを好ましくは組成物全量に対して0.1〜3.0
重量%配合して熱可塑性樹脂用成形機の洗浄用熱可塑性
樹脂組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂用成形
機内の洗浄に使用する洗浄用熱可塑性樹脂組成物に関す
る。更に詳しくは、熱可塑性樹脂、高級脂肪酸モノグリ
セライドの硼酸エステル化合物、及び塩基性ヒドロキシ
高級脂肪酸マグネシウムを含有する洗浄能力に優れた熱
可塑性樹脂用成形機の洗浄用熱可塑性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックの成形加工に於いて
は、使用樹脂の品種切り替えの際には先行品種の影響を
排除するために各種の手段が取られている。特に着色さ
れた樹脂の成形では、青色、黒色等の濃色系の品種から
白色等の淡色系の品種に切り替える際には、成形機を分
解掃除したり、汎用樹脂もしくは再生樹脂等による成形
機内の共洗い等の煩雑な作業と長時間の生産中止を伴う
洗浄作業を強いられてきた。これらの問題を解消する方
法として、成形機内を洗浄するための洗浄用熱可塑性樹
脂組成物が各種開発されている。
【0003】例えば、特開昭62−195045号公報
には、熱可塑性樹脂にアルキルベンゼンスルホン酸金属
塩を組成物に対して2〜30重量%、撥水性化合物(例
えば、高級脂肪酸金属塩、ロウ、流動パラフィン、合成
ワックス等)を組成物に対して0.5〜10重量%配合
した組成物が、特公平05−060768号には熱可塑
性樹脂に高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルカ
ルシウム塩及び無機充填剤を配合した組成物が、特開平
3−283805号には熱可塑性樹脂にアルキルベンゼ
ンスルホン酸金属塩を組成物に対して2〜40重量%及
び塩基性ステアリン酸マグネシウムを組成物に対して1
〜10重量%配合した洗浄剤組成物が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の洗浄組成物では、未だ洗浄能力について十分とは
いえず、洗浄能力の高い洗浄用熱可塑性樹脂組成物が要
求されている。本発明は上記観点から為されたものであ
り、本発明の目的は、優れた洗浄能力を有する熱可塑性
樹脂用成形機の洗浄用熱可塑性樹脂組成物を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、洗浄能力に優れた熱可塑性樹脂用成
形機の洗浄用樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた
結果、熱可塑性樹脂に洗浄用熱可塑性樹脂組成物の成分
として公知の高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステ
ル化合物に加えてさらに塩基性ヒドロキシ高級脂肪酸マ
グネシウムを配合した組成物が、熱可塑性樹脂用成形機
内の洗浄に際して、先行樹脂の汚れを十分に除去し後続
樹脂へ置換が容易である等の優れた洗浄能力を発揮する
ことを見い出し、この知見に基づき本発明を完成した。
【0006】すなわち本発明は、熱可塑性樹脂、高級脂
肪酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩およ
び塩基性ヒドロキシ高級脂肪酸マグネシウムを含有する
熱可塑性樹脂用成形機の洗浄用熱可塑性樹脂組成物であ
る。
【0007】本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物が含有
する熱可塑性樹脂として、具体的には、低密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂および
AS樹脂から選ばれる1種又は2種以上を挙げることが
できる。
【0008】また、本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物
における高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルカ
ルシウム塩の含有量として具体的には、組成物全量に対
して1.0〜15重量%程度の含有量が挙げられ、塩基
性ヒドロキシ高級脂肪酸マグネシウムの含有量として具
体的には、組成物全量に対して0.1〜3.0重量%程
度の含有量が挙げられる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂用成形機の洗浄用熱可塑性樹脂組
成物は、熱可塑性樹脂、高級脂肪酸モノグリセライドの
硼酸エステルカルシウム塩および塩基性ヒドロキシ高級
脂肪酸マグネシウムを含有するものである。
【0010】本発明で用いる熱可塑性樹脂とは、樹脂を
加熱すると温度上昇とともに樹脂が軟化、流動化し、冷
却すると比較的堅く強度のある状態になるサイクルを繰
り返すことができる樹脂をいう。本発明の洗浄用熱可塑
性樹脂組成物においては、熱可塑性樹脂として、かかる
性質を有する樹脂であれば特に限定なく用いることがで
きる。また、これら熱可塑性樹脂は、単独であるいは2
種以上の混合物として用いることができる。
【0011】さらに、本発明において、洗浄能力を高め
るためには、特に得られる洗浄用熱可塑性組成物が熱可
塑性樹脂用の成形機もしくは押出機内に残留しにくく洗
浄に要する時間を短縮できるようにするためには、上記
熱可塑性樹脂として、低密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ABS樹脂およびAS樹脂から選ば
れる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
【0012】上記本発明に好ましく用いられる、低密度
ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂
およびAS樹脂としては、それぞれ、一般にこれらの樹
脂に分類される樹脂が特に制限なく挙げられる。例え
ば、ポリスチレンには、非晶性ポリスチレン、結晶性ポ
リスチレンやこれらの混合物等が含まれる。これらの樹
脂については、一般的な製法に従って製造したものを本
発明に用いることができる。あるいは、それぞれの樹脂
について市販品もあるので、これら市販品を本発明に用
いてもよい。さらに本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物
においては、熱可塑性樹脂として、新原材料だけでな
く、成形品を粉砕、リペレットしたものも使用すること
ができる。
【0013】また、本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物
における熱可塑性樹脂の含有量として、具体的には、概
ね81〜98重量%の含有量が挙げられる。本発明に使
用する高級脂肪酸モノグリセライド硼酸エステルのカル
シウム塩としては、これを上記熱可塑性樹脂に配合して
得られる組成物が、熱可塑性樹脂用成形機の洗浄に際し
て優れた洗浄能力を発揮するような高級脂肪酸モノグリ
セライド硼酸エステルのカルシウム塩であれば特に制限
されないが、具体的には、炭素数11〜17のアルキル
基を持つ高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルの
カルシウム塩を挙げることができる。さらに具体的に
は、ステアリン酸モノグリセライド、ラウリン酸モノグ
リセライド、ミリスチン酸モノグリセライド、パルミチ
ン酸モノグリセライド等の高級脂肪酸モノグリセライド
と硼酸とのエステルのカルシウム塩等を挙げることがで
きる。本発明においてはこれらを単独であるいは2種以
上の混合物として用いることができる。
【0014】この様な本発明に用いる高級脂肪酸モノグ
リセライド硼酸エステルのカルシウム塩は、通常の製造
方法、例えば、高級脂肪酸モノグリセライドと硼酸をモ
ル比1:0.2〜1.0、反応温度95〜200℃で反
応させ、ついで得られた反応生成物を水酸化カルシウム
で中和することによって得ることができる。かかる高級
脂肪酸モノグリセライドとしては、上に例示した高級脂
肪酸モノグリセライド等が挙げられ、また、硼酸として
は通常市販されている硼酸、無水硼酸などが挙げられ
る。また、本発明には市販の高級脂肪酸モノグリセライ
ドの硼酸エステルカルシウム塩を用いることが可能であ
り、その様な市販品として、商品名:GX―8076
(メーカー:第一工業製薬(株))等が挙げられる。
【0015】本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物におけ
る高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウ
ム塩の含有量は、具体的には、組成物全量に対して1〜
15重量%程度であることが好ましく、より好ましくは
1.5〜10重量%程度、特に好ましくは2〜8重量%
程度である。前記高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エ
ステルカルシウム塩含有量が1重量%未満では、洗浄効
果が小さくなることがあり、15重量%を越えると硼酸
エステルのカルシウム塩が洗浄用樹脂組成物から遊離し
易くなり、熱可塑性樹脂用成形機内の洗浄時にホッパー
等に粉状に付着して後続樹脂に混合され成形物の外観不
良を起こすことがある。
【0016】本発明に使用する塩基性ヒドロキシ高級脂
肪酸マグネシウムとしては、これを上記熱可塑性樹脂に
配合して得られる組成物が、熱可塑性樹脂用成形機の洗
浄に際して優れた洗浄能力を発揮するような塩基性ヒド
ロキシ高級脂肪酸マグネシウムであれば特に制限されな
いが、具体的には、下記一般式(I)に示される化合物
が挙げられる。
【0017】
【化1】 mMgO・(RCOO)2Mg ・・・(I) (式中、mは数字を表し、RCOOはヒドロキシ高級脂
肪酸の残基を示す。)
【0018】上記一般式(I)中、mは特に限定されず
に数字を示すが、mの範囲として好ましくは0.05〜
1.0、より好ましくは0.1〜1.0、さらに好まし
くは0.1〜0.5が挙げられる。
【0019】また、RCOOはヒドロキシ高級脂肪酸の
残基を示すが、残基の元となるヒドロキシ高級脂肪酸と
して、具体的には、2−ヒドロキシミリスチン酸、イプ
ロール酸、2−ヒドロキシパルミチン酸、ヤラピノール
酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリッ
ト酸、2−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシ
ステアリン酸、18−ヒドロキシステアリン酸、9,1
0−ジヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、カムロ
レン酸、リカン酸、フェロン酸、セレブロン酸等が挙げ
られ、特に好ましくは、12−ヒドロキシステアリン酸
等が挙げられる。
【0020】本発明においてはこれらを単独であるいは
2種以上の混合物として用いることができる。本発明に
用いる塩基性ヒドロキシ高級脂肪酸マグネシウムは、従
来公知の方法に従って製造することができるが、一般的
に、攪拌機付き容器内にヒドロキシ高級脂肪酸を加熱溶
融させ、ヒドロキシ高級脂肪酸と水酸化マグネシウムと
のモル比が1.0:0.525〜1.0の如く化学当量
よりも過剰の水酸化マグネシウムを投入し中和反応させ
る、いわゆる直接法によって製造することが好ましい。
例えば、本発明に好適に用いられる塩基性12−ヒドロ
キシステアリン酸マグネシウムは、上記の様にして直接
法で中和反応させて得られる生成物を冷却して粉砕する
ことにより、白色粉末状で得られる。
【0021】また、本発明においては市販の塩基性ヒド
ロキシ高級脂肪酸マグネシウムを用いることも可能であ
り、この様な市販品として具体的には、塩基性12−ヒ
ドロキシステアリン酸マグネシウムの市販品である商品
名:EMS−6(化学式:0.44MgO・[C613
H(OH)C1020COO]2Mg、メーカー:栄伸化成
(株))等が挙げられる。
【0022】本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物におけ
る塩基性ヒドロキシ高級脂肪酸マグネシウムの含有量
は、具体的には、組成物全量に対して0.1〜3.0重
量%程度であることが好ましく、より好ましくは0.2
〜2.0重量%程度、特に好ましくは0.3〜1.5重
量%程度である。前記塩基性ヒドロキシ高級脂肪酸マグ
ネシウムの含有量が0.1重量%未満では洗浄力が小さ
くなることがあり、3重量%を越えると後続樹脂がポリ
カーボネートのような透明樹脂の場合に混合による白濁
が起こることがある。
【0023】本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物は、上
記熱可塑性樹脂、高級脂肪酸モノグリセライド硼酸エス
テルのカルシウム塩および塩基性ヒドロキシ高級脂肪酸
マグネシウムを必須成分として含有するが、これら以外
に必要に応じて、各種任意成分を、本発明の効果を損な
わない範囲において含有することができる。具体的に
は、本発明の組成物には、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、タルク、シリカ、アルミナ、ガラス繊維等の無
機充填剤を任意成分として添加することができる。さら
に、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類やカルナバーワッ
クス、ポリエチレンワックス等のワックス類やフェノー
ル系熱安定剤、亜燐酸エステル系熱安定剤を、任意成分
として添加することもできる。
【0024】本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物を製造
する方法としては、特に限定されず、熱可塑性樹脂、高
級脂肪酸モノグリセライド硼酸エステルのカルシウム塩
および塩基性ヒドロキシ高級脂肪酸マグネシウムと必要
に応じて用いられる任意成分を適当な方法で混合するこ
とにより容易に得られる。また、本発明の洗浄用熱可塑
性樹脂組成物の剤形は、特に限定されないが、例えば、
以下の様にして得られるペレット状の組成物が取り扱い
上好ましい。
【0025】熱可塑性樹脂に、高級脂肪酸モノグリセラ
イドの硼酸エステルのカルシウム塩の所望量、および塩
基性ヒドロキシ高級脂肪酸マグネシウムの所望量、並び
に、必要に応じて任意成分の適当量を添加して、攪拌混
合装置等を用いて混合し、さらに、得られた該混合物を
溶融混練温度230〜300℃で溶融混練押し出し、ペ
レット状とする。該攪拌混合装置としては、ヘンシェル
ミキサー(商品名)、スーパーミキサー、リボンブレン
ダー等の、通常用いられる攪拌混合装置を使用すること
ができ、また、押出機としては、1軸押出機、2軸押出
機、コニーダー等が使用できる。
【0026】本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物は、熱
可塑性樹脂と共に、高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸
エステルカルシウム塩と塩基性ヒドロキシ高級脂肪酸マ
グネシウムを組み合わせた成分を含有するものであり、
洗浄用熱可塑性樹脂組成物の成分として熱可塑性樹脂用
成形機内の洗浄における洗浄能力を高めることが知られ
ている高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル化合
物添加の効果を有すると共に、塩基性ヒドロキシ高級脂
肪酸マグネシウムの有するアルカリ成分による先行樹脂
の汚れの除去性の改善、および、同化合物のヒドロキシ
基のもつ滑性作用による後続樹脂への置換容易性の改善
等が為された、洗浄性に優れる熱可塑性樹脂用成形機の
洗浄用熱可塑性樹脂組成物である。
【0027】
【実施例】以下、実施例、比較例を用いて本発明を具体
的に説明するが、本発明がこれらによって限定されるも
のではない。なお、実施例、比較例において、洗浄能力
は下記洗浄テスト(1)もしくは(2)で評価した。
【0028】<洗浄テスト(1)>型締め力80トンの
射出成形機を使用して、シリンダー温度280℃、ノズ
ル温度290℃のもとで、黒色に着色したポリフェニレ
ンオキサイド(PPO)(商品名:ノリルSE100、
MFR20、メーカー;日本GEプラスチックス
(株))1kgで機内を置換した後、テスト用洗浄用樹
脂組成物をホッパーに入れ、黒色が消えるまでフル計量
でパージし、要した組成物のショット数を調べる。ホッ
パーからテスト用樹脂組成物を取り出した後、後続ナチ
ュラル色ポリカーボネート(商品名:パンライトK−1
300、MFR3.0、メーカー;帝人化成(株))を
投入する。同じ温度条件でフル計量でパージして洗浄用
樹脂組成物の影響(白濁)がなくなるまで続行し要した
後続ポリカーボネートのショット数を調べる。
【0029】またテスト用洗浄樹脂組成物を使用してパ
ージを開始してから、後続ポリカーボネートによる置換
が終了するまでの時間を洗浄時間として計測する。
【0030】<洗浄テスト(2)>型締め力80トンの
射出成形機を使用して、シリンダー温度240℃、ノズ
ル温度250℃のもとで、黒色に着色したABS樹脂
(商品名:JSR−ABS45、MFR9、メーカー;
テクノポリマー(株))1kgで機内を置換した後、テ
スト用洗浄用樹脂組成物をホッパーに入れ、黒色が消え
るまでフル計量でパージし、要した組成物のショット数
を調べる。ホッパーからテスト用樹脂組成物を取り出し
た後、後続ナチュラル色ポリスチレン(商品名:デンカ
スチロールHRM−5、MFR4.1、メーカー;電気
化学工業(株))を投入する。同じ温度条件でフル計量
でパージして洗浄用樹脂組成物の影響(白濁)がなくな
るまで続行し要した後続ポリスチレンのショット数を調
べる。
【0031】またテスト用洗浄樹脂組成物を使用してパ
ージを開始してから、後続ポリスチレンによる置換が終
了するまでの時間を洗浄時間として計測する。
【0032】
【実施例1】MFR(温度190℃、荷重2.16k
g)が0.03g/10min、融点132℃の高密度
ポリエチレン(商品名:GX601(メーカー:丸善石
油化学(株))4.57kg(91.4重量%)、高級
脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩
(商品名:GX8076(メーカー:第一工業製薬
(株)))0.40kg(8.0重量%)、塩基性12
−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(化学式:0.
44MgO・[C613CH(OH)C1020COO]2
g、商品名:EMS−6(メーカー:栄伸化成
(株)))0.03kg(0.6重量%)、を内容積2
0リットルのヘンシェルミキサーにいれ、回転数500
rpmで3分間攪拌混合した。得られた混合物を2軸押
出機(シリンダー径:30mm、L/D:30)に供給
してシリンダー温度210〜230℃、ダイス温度24
0℃で押出し、水槽中で冷却してペレタイザーでカット
して洗浄用熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0033】この洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗
浄テスト(1)を実施した。要した洗浄用熱可塑性樹脂
組成物の使用量は3ショット、後続ポリカーボネートの
消費量は5ショット、洗浄に要した時間は8分であっ
た。
【0034】
【実施例2】MFR(温度190℃、荷重2.16k
g)が0.2g/10min、融点120℃の直鎖状低
密度ポリエチレン4.30kg(86.0重量%)、高
級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルのカルシウム
塩(商品名:GX8076(メーカー:第一工業製薬
(株)))0.64kg(12.8重量%)、塩基性1
2−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(化学式:
0.44MgO・[C613CH(OH)C1020COO]
2Mg、商品名:EMS−6(メーカー:栄伸化成
(株)))0.06kg(1.2重量%)を実施例1と
同じ条件で混合し、押出して、洗浄用熱可塑性組成物を
得た。
【0035】得られた洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用い
て洗浄テスト(2)を行った結果、洗浄に要した洗浄用
熱可塑性組成物は5ショットであり、後続ポリスチレン
の消費量は5ショット、洗浄時間は10分であった。
【0036】
【実施例3】MFR(温度230℃、荷重2.16k
g)が0.5g/10min、融点165℃のポリプロ
ピレンホモポリマー4.42kg(88.4重量%)、
高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルのカルシウ
ム塩(商品名:GX8076(メーカー:第一工業製薬
(株)))0.50kg(10.0重量%)、塩基性1
2−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(化学式:
0.44MgO・[C613CH(OH)C1020COO]2
Mg、商品名:EMS−6(メーカー:栄伸化成
(株)))0.08kg(1.6重量%)を実施例1と
同じ条件で混合し、押出して、洗浄用熱可塑性組成物を
得た。
【0037】得られた洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用い
て洗浄テスト(2)を実施した結果、洗浄に要した洗浄
用熱可塑性組成物は3ショットであり、後続ポリスチレ
ンの消費量は8ショット、洗浄時間は11分であった。
【0038】
【実施例4】MFR(温度200℃、荷重5kg)が
0.5g/10minの非晶性ポリスチレン3.81k
g(76.2重量%)、MFR(温度300℃、荷重2
kg)が13g/10minの結晶性ポリスチレン1.
00kg(20重量%)、高級脂肪酸モノグリセライド
の硼酸エステルのカルシウム塩(商品名:GX8076
(メーカー:第一工業製薬(株)))0.15kg
(3.0重量%)、塩基性12−ヒドロキシステアリン
酸マグネシウム(化学式:0.44MgO・[C613
H(OH)C1020COO]2Mg、商品名:EMS−6
(メーカー:栄伸化成(株)))0.04kg(0.8
重量%)を実施例1と同じ条件で混合し、押出して、洗
浄用熱可塑性組成物を得た。
【0039】この洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗
浄テスト(1)を実施した。要した洗浄用熱可塑性樹脂
組成物の使用量は2ショット、後続ポリカーボネートの
消費量は4ショット、洗浄に要した時間は6分であっ
た。また、前記洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗浄
テスト(2)を実施した結果、洗浄に要した洗浄用熱可
塑性組成物は5ショットであり、後続ポリスチレンの消
費量は2ショット、洗浄時間は7分であった。
【0040】
【実施例5】MFR(温度200℃、荷重5kg)が
0.7g/10minのAS樹脂3.81kg(76.
2重量%)、MFR(温度200℃、荷重5kg)が
0.4g/10minのABS樹脂1.00kg(2
0.0重量%)、高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エ
ステルのカルシウム塩(商品名:GX8076(メーカ
ー:第一工業製薬(株)))0.15kg(3.0重量
%)、塩基性12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウ
ム(化学式:0.44MgO・[C613CH(OH)C 10
20COO]2Mg、商品名:EMS−6(メーカー:栄
伸化成(株)))0.04kg(0.8重量%)を実施
例1と同じ条件で混合し、押出して、洗浄用熱可塑性組
成物を得た。
【0041】得られた洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用い
て洗浄テスト(2)を実施した結果、洗浄に要した洗浄
用熱可塑性組成物は5ショットであり、後続ポリスチレ
ンの消費量は3ショット、洗浄時間は8分であった。
【0042】
【実施例6】MFR(温度190℃、荷重2.16k
g)が5.0g/10min、融点110℃の低密度ポ
リエチレン4.53kg(90.6重量%)、高級脂肪
酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩(商品
名:GX8076(メーカー:第一工業製薬(株)))
0.40kg(8.0重量%)、塩基性12−ヒドロキ
システアリン酸マグネシウム(化学式:0.44MgO
・[C613CH(OH)C 1020COO]2Mg、商品名:
EMS−6(メーカー:栄伸化成(株)))0.07k
g(1.4重量%)、を実施例1と同じ条件で混合し、
押出して、洗浄用熱可塑性組成物を得た。
【0043】得られた洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用い
て洗浄テスト(2)を行った結果、洗浄に要した洗浄用
熱可塑性組成物は9ショットであり、後続ポリスチレン
の消費量は4ショット、洗浄時間は13分であった。
【0044】
【比較例1】MFR(温度190℃、荷重2.16k
g)が0.03g/10min、融点132℃の高密度
ポリエチレン(商品名:GX601(メーカー:丸善石
油化学(株))4.57kg(91.4重量%)、高級
脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩
(商品名:GX8076(メーカー:第一工業製薬
(株)))0.40kg(8.0重量%)、ステアリン
酸マグネシウム(商品名:EM−100(メーカー:栄
伸化成(株)))0.03kg(0.6重量%)、を実
施例1と同じ条件で混合し、押出して、洗浄用熱可塑性
組成物を得た。
【0045】得られた洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用い
て洗浄テスト(1)を行った結果、洗浄に要した洗浄用
熱可塑性組成物は14ショットであり、後続ポリカーボ
ネートの消費量は6ショット、洗浄時間は20分であっ
た。
【0046】
【比較例2】MFR(温度190℃、荷重2.16k
g)が0.03g/10min、融点132℃の高密度
ポリエチレン(商品名:GX601(メーカー:丸善石
油化学(株))4.57kg(91.4重量%)、高級
脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩
(商品名:GX8076(メーカー:第一工業製薬
(株)))0.40kg(8.0重量%)、塩基性ステ
アリン酸マグネシウム(化学式:0.44MgO・(C
1735COO)2Mg、商品名:EM−144(メーカ
ー:栄伸化成(株)))0.03kg(0.6重量
%)、を実施例1と同じ条件で混合し、押出して、洗浄
用熱可塑性組成物を得た。
【0047】得られた洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用い
て洗浄テスト(1)を行った結果、洗浄に要した洗浄用
熱可塑性組成物は7ショットであり、後続ポリカーボネ
ートの消費量は6ショット、洗浄時間は13分であっ
た。
【0048】
【比較例3】MFR(温度190℃、荷重2.16k
g)が0.03g/10min、融点132℃の高密度
ポリエチレン(商品名:GX601(メーカー:丸善石
油化学(株))4.57kg(91.4重量%)、高級
脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩
(商品名:GX8076(メーカー:第一工業製薬
(株)))0.40kg(8.0重量%)、12−ヒド
ロキシステアリン酸マグネシウム(商品名:EM−60
0(メーカー:栄伸化成(株)))0.03kg(0.
6重量%)、を実施例1と同じ条件で混合し、押出し
て、洗浄用熱可塑性組成物を得た。
【0049】得られた洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用い
て洗浄テスト(1)を行った結果、洗浄に要した洗浄用
熱可塑性組成物は6ショットであり、後続ポリカーボネ
ートの消費量は6ショット、洗浄時間は12分であっ
た。
【0050】これらの結果から明らかなように、実施例
の洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いれば、比較例の樹脂
組成物を用いた場合に比べて、洗浄時間が短く、洗浄用
樹脂組成物と置換のための後続投入樹脂の消費合計量も
少なく、本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物が洗浄性に
優れることが判る。
【0051】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂用成形機の洗浄用
熱可塑性樹脂組成物は、色替え・樹脂替えの頻度の高い
少量他品種生産型のプラスチック加工業等における成形
機の洗浄作業に於いて、少ない使用量で機内に残存する
先行樹脂を除去することを可能とし、また、容易に後続
の樹脂に置換されることにより短時間の切り替え作業を
可能とするような、洗浄性に優れた熱可塑性樹脂組成物
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂、高級脂肪酸モノグリセラ
    イドの硼酸エステルカルシウム塩および塩基性ヒドロキ
    シ高級脂肪酸マグネシウムを含有する熱可塑性樹脂用成
    形機の洗浄用熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、低密度ポリエチレン、
    直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ
    プロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂およびAS樹脂
    から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の洗
    浄用熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エス
    テルカルシウム塩の含有量が組成物全量に対して1.0
    〜15重量%であり、塩基性ヒドロキシ高級脂肪酸マグ
    ネシウムの含有量が組成物全量に対して0.1〜3.0
    重量%である請求項1記載の洗浄用熱可塑性樹脂組成
    物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2007116920A1 (ja) * 2006-04-05 2009-08-20 脩 井澤 射出成形機用樹脂切替洗浄剤
JP2011005770A (ja) * 2009-06-26 2011-01-13 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The パージング剤およびパージング方法
WO2018079237A1 (ja) * 2016-10-27 2018-05-03 旭化成株式会社 洗浄剤及び樹脂加工機械の洗浄方法

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CN109689326A (zh) * 2016-10-27 2019-04-26 旭化成株式会社 清洗剂和树脂加工机械的清洗方法
CN109689326B (zh) * 2016-10-27 2021-08-24 旭化成株式会社 清洗剂和树脂加工机械的清洗方法

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