JP2000157147A - 成形冷凍パン生地の焼成前処理方法 - Google Patents

成形冷凍パン生地の焼成前処理方法

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JP2000157147A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形冷凍パン生地の焼成前処理方法において、
煩雑である焼成前作業を単純化すること、多種類のパン
生地の焼成前作業を画一化し、多種類のパン生地を同時
に焼成前処理すること、及び、パン生地の焼成頻度をあ
げること。 【解決手段】庫内温度17℃〜40℃及び庫内相対湿度
50%〜75%に維持しながら、成形冷凍パン生地の解
凍及び最終発酵工程を連続的に行い、最終発酵工程終了
後、庫内空気の露点温度と生地表面温度との差を20℃
以下に維持しながら、庫内の温度を0.2℃/分以上、
好ましくは0.4℃/分以上の冷却速度で−20℃〜1
5℃、好ましくは0℃〜10℃まで冷却することにより
パン生地の状態を維持することから成る、成形冷凍パン
生地の焼成前処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形冷凍パン生地
の焼成前処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】成形冷凍パン生地の解凍は冷凍保管庫か
ら生地を取り出し、これを室内で解凍させる室温解凍法
や発酵室を利用して解凍させる発酵解凍法が最も一般的
であり、解凍終了後(生地温度が0℃〜20℃)は生地
をホイロに入れ最終発酵工程が行われている。最近で
は、早朝勤務を緩和する目的でリターダーを利用し、0
℃〜5℃の温度帯で6〜24時間かけて解凍するリター
ダー解凍法も行われており、更にリターダーにコンピュ
ーターを組み込み解凍後連続してホイロが自動的に行え
るドウコンディショナーも利用されている。
【0003】従来、成形冷凍パン生地を平均昇温速度が
0.07℃〜0.28℃/分、相対湿度70%〜100
%で温度10℃まで2時間〜6時間で昇温させ、更に1
0℃〜20℃、相対湿度70%〜100%で10分〜6
時間保持して解凍する方法(特公平6−36707)
や、専用の解凍・発酵装置を用いて、温度‐5℃〜10
℃、相対湿度90%〜100%、風速0.2m/s以下
で10分〜72時間かけてリタードしながら解凍し、温
度15℃〜20℃まで1時間20分〜2時間10分かけ
て予熱し、更に温度22℃〜40℃まで20分〜1時間
10分かけて昇温し、その状態を20分〜3時間維持し
た後に、パン生地を焼成する方法(特開平5−6453
9)等が報告されている。又、焼成に適当な生地状態を
長時間維持する手段として、最終発酵工程後に、0℃〜
18℃の温度範囲に維持し、パン酵母の活性を抑制する
方法(特開平7−155100)も知られている。更
に、最終発酵時間の異なる2種以上のパンを同時に製造
する冷凍生地の焼成前処理方法として、種類によって解
凍状態を調整しホイロに入れることによって最終発酵時
間を共通にする方法(特許第2729669号)も報告
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、煩雑である焼成前作業を単純化するこ
と、多種類のパン生地の焼成前作業を画一化し、多種
類のパン生地を同時に焼成前処理すること、パン生地
の焼成頻度をあげること、の3点である。
【0005】成形冷凍パン生地の利用はスクラッチ法
(ミキシングから焼成まで連続的に行う従来の製パン方
法)に比べて、店舗内の作業を単純化し作業量を大幅に
削減することが可能である。従って、職人と言われる高
度な技術を有する人がいなくてもパンの製造は可能とな
っている。しかし、60種類から100種類にも及ぶパ
ンを製造するような一般的な店舗においては、成形冷凍
パン生地を利用しても1日1回から2回製造することが
現状であり、常に焼き立てのパンを消費者に提供するこ
とは困難である。この理由として、現状の解凍方法では
解凍時間が長く複数回の解凍が困難であること、各品種
毎に解凍時間、ホイロ時間が異なり各品種毎に個別に対
応する必要があり、製造するパンの種類が増えるほど作
業回数、作業頻度が増え、作業内容が煩雑になること、
最終発酵が終了したパン生地は直ちに焼成する必要があ
り時間的なゆとりがないこと、等が挙げられる。
【0006】従って、作業の単純化の手段として、連続
的に解凍から最終発酵を行うこと、更に、最終発酵後に
得られる最終発酵済みパン生地を一定時間保持し、任意
の時間に焼成が出来るようにすることが好ましい。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、庫内温度17
℃〜40℃、好ましくは22℃〜35℃、及び庫内相対
湿度50%〜75%、好ましくは60%〜65%に維持
しながら、成形冷凍パン生地の解凍及び最終発酵工程を
連続的に行い、最終発酵工程終了後、温度−20℃〜1
5℃及び相対湿度80%以上の庫内にパン生地を移動さ
せることによりパン生地の状態を維持することから成
る、成形冷凍パン生地の焼成前処理方法に係る。又、本
発明は、庫内温度17℃〜40℃、好ましくは22℃〜
35℃、及び庫内相対湿度50%〜75%、好ましくは
60%〜65%に維持しながら、成形冷凍パン生地の解
凍及び最終発酵工程を連続的に行い、最終発酵工程終了
後、庫内空気の露点温度と生地表面温度との差を20℃
以下、好ましくは15℃以下に維持しながら、庫内の温
度を0.2℃/分以上、好ましくは0.4℃/分以上の
冷却速度で−20℃〜15℃、好ましくは0℃〜10℃
まで冷却することによりパン生地の状態を維持すること
から成る、成形冷凍パン生地の焼成前処理方法、に係わ
る。このように本発明によれば、解凍及び最終発酵工程
における所望の温度及び相対湿度に予め維持されている
庫に成形冷凍パン生地を入れて、それ以後は、特に庫内
の温度及び相対湿度を変化させることなく、解凍及び最
終発酵工程を連続的に行うことが可能である。ここで、
「庫内相対湿度」とは、庫内空気の相対湿度であり、約
±10%の範囲で変動する平均値である。尚、本発明方
法において、成形冷凍パン生地の解凍及び最終発酵工程
を連続的に行う際に、庫内の温度及び相対湿度は上記一
定範囲内で維持されていれば良く、必ずしも一定値を維
持する必要はない。
【0008】一方、庫内空気の露点温度と生地表面温度
との差を20℃以下、好ましくは15℃以下に維持しな
がら、昇温速度0.1℃〜2℃/分、好ましくは0.3
℃〜1℃/分で庫内温度を17℃〜40℃、好ましくは
22℃〜35℃に上昇させることによって、成形冷凍パ
ン生地の解凍及び最終発酵工程を連続的に行うことも可
能である。このような場合に、成形冷凍パン生地を入れ
る際には、特に、庫内の温度を17℃〜40℃に、又は
庫内空気の露点温度と生地表面温度との差を20℃以下
に維持する必要はなく、例えば、温度−20℃〜15
℃、庫内空気の露点温度と生地表面温度との差20℃よ
り大の庫内に入れても良い。本発明によれば、解凍開始
から約2時間ないし4時間で、解凍及び最終発酵工程を
連続的に同一の庫内で行った後、焼成可能な状態のパン
生地を得ることが出来る。尚、昇温速度は、昇温期間
中、常に同じ値に維持する必要はなく、上記所定の範囲
内において変動しても良い。従って、例えば、昇温速度
を連続的又は段階的に変化させることも可能である。
尚、このような条件下で庫内温度を上昇させた後、庫内
温度を上記範囲内に維持させて、発酵を継続させること
も可能である。
【0009】これまでの高温での解凍は解凍中のパン生
地表面の濡れ、パン生地表面と中心部との解凍ムラが問
題視されていた。しかしながら、本発明方法によれば、
庫内の相対湿度を50%〜75%に維持すること、又は
庫内空気の露点温度と生地表面温度との差を20℃以下
に維持することにより、解凍中のパン生地表面の濡れを
抑制することが可能であり、更に、急速昇温である為
に、特に、成形冷凍パン生地が小型であるような場合に
は生地中心部の昇温も早く、生地表面部と中心部とのイ
ーストの活性差が小さく解凍ムラの問題が小さくなり、
良好なパン生地を得ることが可能である。又、従来の成
形済みのパン生地には、0℃〜15℃付近の温度帯に長
時間維持することにより焼成後のパン表面にフィッシュ
アイと呼ばれる白い斑点が生じるという欠点があること
が知られており、この現象は成形冷凍パン生地を解凍し
た場合にも多々認められた。しかしながら、本発明方法
によれば、数時間という極めて短時間で急速に解凍を行
う為に、その様な現象は認められず良好な状態のパン表
面を得ることが出来る。
【0010】本発明方法によれば、最終発酵工程終了
後、温度−20℃〜15℃及び相対湿度80%以上の庫
内にパン生地を移動させること、又は庫内空気の露点温
度と生地表面温度との差を20℃以下に維持しながら、
庫内の温度を0.2℃/分以上、好ましくは0.4℃/
分以上という急速な冷却速度で、−20℃〜15℃、好
ましくは0℃〜10℃まで冷却することにより、生地中
のイースト活性を急速に抑制することが可能である。そ
の結果、冷却中の生地状態の変化、特に、体積変化を小
さくすることが出来、最終発酵後の生地状態を表面が乾
くことなく良好な状態で長時間維持することが可能であ
る。尚、冷却速度は、冷却期間中、常に同じ値に維持す
る必要はなく、上記所定の範囲内において変動しても良
い。従って、例えば、冷却速度を連続的又は段階的に変
化させることも可能である。このような庫内空気の露点
温度と生地表面温度の差は平均値であり、約±10%の
範囲で変動する。庫内空気の露点温度と生地表面温度は
当業者に公知の方法で測定することができる。例えば、
空気の露点温度は温度と湿度との関係図である「空気線
図」より求められ、生地表面温度は周知の温度センサー
を用いて実測することにより求めることが出来る本発明
の成形冷凍パン生地の解凍、最終発酵、発酵後冷却維持
をおこなうための装置は、一般的には「ドウコンディシ
ョナー」と称するもので、加温、冷却、加湿、除湿が任
意におこなえる装置である。特に、20Kgまでの冷凍
パン生地仕込み量に対して、冷凍能力が400Wより大
きく、好ましくは600W以上であり、且つ、ヒーター
能力が600Wより大きく、好ましくは1KW以上のド
ウコンディショナーを使用することが望ましい。その他
にも、当業者に公知の適当なタイプの庫も使用すること
ができる。
【0011】更に本発明は、複数種類の成形冷凍パン生
地を使用、各成形冷凍パン生地のイースト添加量を調整
することにより、各成形冷凍パン生地の解凍及び最終発
酵工程の合計時間を揃えることを特徴とする、上記成形
冷凍パン生地の焼成前処理方法に係わる。パン生地の配
合はパンの種類によって大きく異なることは知られてい
る。同一のイースト添加量でも配合が異なる場合、特
に、塩又は砂糖等の添加量が異なると、イーストの活性
程度が大きく影響され、炭酸ガス発生量(発生速度)が
大きく異なる。又、パンの種類によって最終発酵時の最
適生地膨張率も異なり、即ち、イーストの最適ガス発生
量が異なる。更に、冷凍生地の形状、分割量の違いによ
り、解凍速度も異なる。本発明においては、これらの点
を考慮し、各生地毎にイーストの炭酸ガス発生量をガス
発生量測定装置(ファーモグラフ)にて測定し、一定時
間で必要ガス発生量を得るイースト添加量を算出し、そ
の算出値に基づき、各成形冷凍パン生地のイースト添加
量を調整することにより、数種類の成形冷凍パン生地の
解凍・発酵の合計時間を揃えることを可能ならしめた。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明方法に使用する成形冷凍パ
ン生地の材料及びそれらの配合割合は特に限定されな
い。例えば、あんパン等の各種菓子パン、及びバターロ
ール等の最終製品の種類に応じて当業者が適宜選択でき
る。各材料を適宜配合して調製して得られた原料を、当
業者には周知の各工程、例えば、前処理、混捏、発酵等
を施したのち、更に、分割、丸め,ねかし、整形、成型
等の仕上げ処理を経て、プラストフリーザーなどを用い
て凍結させ、適当な温度で冷凍庫などで凍結保存する。
又、成形冷凍パン生地の形状も最終製品の種類に応じて
当業者が適宜選択できる。
【0013】以下、実施例を参照しながら本発明を具体
的に説明する。本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明
の技術的範囲が実施例に限定されないことは当業者には
明らかである。尚、当業者には周知の事項であるが、以
下の表における「ベーカーズ%」及び「%」は「重量
部」を意味する。
【0014】
【実施例1】以下の仕様により成形冷凍パン生地を製造
した。
【0015】
【表1】
【0016】この様にして得られた成形冷凍パン生地を
冷凍庫から取り出して天板上に配置し、温度5℃、相対
湿度90%に設定されたドウコンディショナーに収容し
た。ドウコンディショナーの庫内温度を平均昇温速度
0.5℃/分で50分かけて30℃まで昇温させ、さら
に100分間30℃で維持した。この間、相対湿度は6
5±10%で維持した。更に庫内温度を平均冷却速度
0.7℃/分で35分かけ5℃まで冷却し60分間5℃
で維持した。以上の全ての工程において、庫内空気の加
湿及び除湿等を行うことで庫内空気の露点温度と生地表
面温度の差は15℃以下に維持した。その後、パン生地
はオーブンにて焼成した。
【0017】
【実施例2】実施例1と同様にして成形冷凍パン生地を
調整した。この様にして得られた成形冷凍パン生地を冷
凍庫から取り出して天板上に配置し、温度30℃、相対
湿度60%に設定されたドウコンディショナーに収容
し、150分間維持した。成形冷凍生地が解凍し最終発
酵が終了した時点で温度5℃、相対湿度90%に設定し
た庫内に移し、この状態で最終発酵済み生地を60分間
維持した後焼成した。
【0018】
【実施例3】実施例1と同様にして成形冷凍パン生地を
調整した。この様にして得られた成形冷凍パン生地を冷
凍庫から取り出して天板上に配置し、温度30℃、相対
湿度60%に設定されたドウコンディショナーに収容
し、130分間維持した。更に、庫内温度を平均冷却速
度0.7℃/分で35分かけ5℃まで冷却し、60分間
温度5℃で維持した。以上の全ての工程において、庫内
空気の加湿及び除湿等を行うことで庫内空気の露点温度
と生地表面温度の差は15℃以下に維持した。その後、
パン生地はオーブンにて焼成した。
【0019】
【比較例1】実施例1と本捏配合のイースト添加量以外
を同様にして成形冷凍パン生地を調整し、解凍、最終発
酵、発酵後冷却維持工程も実施例1と同様に実施した。
得られた結果を表2に示す。この結果から、本捏時添加
イースト量が同じでも他の副原料の配合が異なればイー
ストのガス発生量が異なることが確認された。ガス発生
量は、ファーモグラフ(アトー社製)を用いて測定し
た。例えば、本捏時添加イースト量4%のホイロ後の生
地ボリュームは、調理パンは良好であったが、バターロ
ール、デニッシュは大きすぎ、菓子パンは小さすぎる結
果であった。即ち、本捏配合のイースト添加量を変える
ことにより生地のガス発生量を抑制し、ホイロ後の生地
ボリュームを調整することは可能であることが明らかに
なった。ただし、生地の種類、形状の違いによって最適
ガス発生量は異なり、解凍及びホイロ工程の時間を統一
化する事は必ずしも同じガス発生量にすることではな
く、各生地の最適なガス発生量を把握し、そのガス発生
量を得るためのイースト量を使用することが必要であ
る。
【0020】
【表2】
【0021】
【比較例2】実施例1と同様にして成形冷凍パン生地を
調整した。この様にして得られた成形冷凍パン生地を冷
凍庫から取り出して天板上に配置し、温度5℃、相対湿
度80%に設定されたドウコンディショナーに収容し
た。この状態で16時間維持して生地を十分に解凍さ
せ、さらに温度20℃、相対湿度80%で2時間維持し
た後、ドウコンディショナーの庫内を温度30℃、相対
湿度80%とし、この状態で60分間維持した。さらに
庫内温度を平均冷却速度0.7℃/分で35分かけ5℃
まで冷却し、温度5℃、相対湿度90%で60分間維持
した後焼成した。庫内空気の露点温度と生地表面温度の
差は20℃内を維持した。
【0022】
【比較例3】実施例1と同様にして成形冷凍パン生地を
調整した。この様にして得られた成形冷凍パン生地を冷
凍庫から取り出して天板上に配置し、温度5℃、相対湿
度80%に設定されたドウコンディショナーに収容し
た。ドウコンディショナーの庫内温度を平均昇温速度
0.5℃/分で50分かけて30℃まで昇温させ、さら
にこの状態で100分間維持した。この間相対湿度は8
0±10%で推移し、昇温初期において庫内空気の露点
温度と生地表面温度の差は27℃となった。さらに庫内
温度を平均冷却速度0.7℃/分で35分かけ5℃まで
冷却し、60分間温度5℃で維持した。この間、庫内空
気の露点温度と生地表面温度の差は20℃以下に維持し
た。その後、パン生地はオーブンで焼成した。
【0023】
【比較例4】実施例1と同様にして成形冷凍パン生地を
調整した。この様にして得られた成形冷凍パン生地を冷
凍庫から取り出して天板上に配置し、温度5℃、相対湿
度80%に設定されたドウコンディショナーに収容し
た。ドウコンディショナーの庫内温度を平均昇温速度
0.5℃/分で50分かけて30℃まで昇温させ、さら
にこの状態で100分間維持した。この間相対湿度は6
5±10%で推移し、庫内空気の露点温度と生地表面温
度の差は20℃以下に維持した。さらに庫内温度を平均
冷却速度0.1℃/分で4時間かけ5℃まで冷却し、6
0分間温度5℃で維持した。この間、庫内空気の露点温
度と生地表面温度の差は20℃以下に維持した。その
後、パン生地はオーブンで焼成した。以上の結果を表3
に示す。
【0024】
【表3】
【0025】各比較例に比べ、各実施例で処理されたパ
ン生地はいずれも焼成前の生地表面の状態が良く、焼成
後に得られたパンの品質も良好であった。また、成形冷
凍生地の解凍及びホイロ出し工程において相対湿度設定
が重要であることが明らかになった。すなわち、成形生
地の表面を濡らしすぎても、乾かし過ぎても、焼成後の
パンの外皮の状態に著しく悪影響を及ぼした。生地の表
面は常にしっとりとした状態に維持することが重要であ
った。さらに、昇温速度、冷却速度は急速であることが
重要であることが明らかとなった。速度が緩慢であると
品質に悪影響を及ぼすばかりでなく、ホイロオーバー等
がしばしば生じ、安定した品質を得ることが困難である
ことも確認した。
【0026】
【発明の効果】本発明の焼成前処理方法によれば、開始
から最終発酵終了まで、約2時間〜4時間という短い時
間で処理が可能である為、1日に複数回のパン焼成が可
能であり、更に、販売の状態を考慮しながら、製造個数
を調整することも可能である。複数個の発酵室を組み合
わせて使用すれば、本発明の効果がより一層有効に得ら
れる。又、複数種類の成形冷凍パン生地を同時に解凍・
最終発酵・最終発酵状態の維持を行う為に、これまでは
個々のパン生地に個別に対応し、解凍・最終発酵工程に
進んだ順番で対応していたのに対して、本発明方法にお
いては、複数種類のパン生地を同時に解凍開始し、任意
の順、希望のタイミングで焼成することが可能である。
本発明方法によれば、同一庫内で連続的に各工程が進む
為に、天板の移動等の煩雑な作業は減少する。従って、
本発明方法によって、専門性の高い特殊能力を有しない
人が、小人数で、多品種のパンを多頻度で任意の時間に
焼成することが可能となった。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 庫内温度17℃〜40℃及び庫内相対湿
    度50%〜75%に維持しながら、成形冷凍パン生地の
    解凍及び最終発酵工程を連続的に行い、最終発酵工程終
    了後、温度−20℃〜15℃及び相対湿度80%以上の
    庫内にパン生地を移動させることによりパン生地の状態
    を維持することから成る、成形冷凍パン生地の焼成前処
    理方法。
  2. 【請求項2】 庫内温度17℃〜40℃及び庫内相対湿
    度50%〜75%に維持しながら、成形冷凍パン生地の
    解凍及び最終発酵工程を連続的に行い、最終発酵工程終
    了後、庫内空気の露点温度と生地表面温度との差を20
    ℃以下に維持しながら、庫内の温度を0.2℃/分以上
    の冷却速度で−20℃〜15℃まで冷却することにより
    パン生地の状態を維持することから成る、成形冷凍パン
    生地の焼成前処理方法。
  3. 【請求項3】 庫内空気の露点温度と生地表面温度との
    差を20℃以下に維持しながら、昇温速度0.1℃〜2
    ℃/分で庫内温度を17℃〜40℃に上昇させることに
    よって、成形冷凍パン生地の解凍及び最終発酵工程を連
    続的に行い、最終発酵工程終了後、温度−20℃〜15
    ℃及び相対湿度80%以上の庫内にパン生地を移動させ
    ることによりパン生地の状態を維持することから成る、
    成形冷凍パン生地の焼成前処理方法。
  4. 【請求項4】 庫内空気の露点温度と生地表面温度との
    差を20℃以下に維持しながら、昇温速度0.1℃〜2
    ℃/分で庫内温度を17℃〜40℃に上昇させることに
    よって、成形冷凍パン生地の解凍及び最終発酵工程を連
    続的に行い、最終発酵工程終了後、庫内空気の露点温度
    と生地表面温度との差を20℃以下に維持しながら、庫
    内の温度を0.2℃/分以上の冷却速度で−20℃〜1
    5℃まで冷却することによりパン生地の状態を維持する
    ことから成る、成形冷凍パン生地の焼成前処理方法。
  5. 【請求項5】 庫内の昇温速度が0.3℃〜1℃/分で
    庫内温度を20℃〜40℃に上昇させることを特徴とす
    る、請求項3又は4に記載の成形冷凍パン生地の焼成前
    処理方法。
  6. 【請求項6】 最高庫内温度が22℃〜35℃であるこ
    とを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記
    載の成形冷凍パン生地の焼成前処理方法。
  7. 【請求項7】 最終発酵終了工程後の庫内の冷却速度が
    0.4℃/分以上であることを特徴とする請求項1ない
    し6のいずれか一項に記載の成形冷凍パン生地の焼成前
    処理方法。
  8. 【請求項8】 複数種類の成形冷凍パン生地を使用し、
    各成形冷凍パン生地のイースト添加量を調整することに
    より炭酸ガス発生速度を制御し、各成形冷凍パン生地の
    解凍及び最終発酵工程の合計時間を揃えることを特徴と
    する、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の成形冷
    凍パン生地の焼成前処理方法。
JP25803199A 1998-09-24 1999-09-10 成形冷凍パン生地の焼成前処理方法 Expired - Fee Related JP3230744B2 (ja)

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